JP2005288482A - 樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチ - Google Patents

樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチ Download PDF

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Abstract

【課題】 表面温度の分布を均一化できるように冷却液流路を構成したシームレス缶成形用のパンチを提供する。
【解決手段】 内部に流体が流れるための流路10,10’が軸線方向における基部と先端部との間に形成された樹脂被覆金属シームレス缶の成形用パンチ6であって、流体を前記基部側と前記先端部側との一方側から流入させるとともに他方側に到らせるように構成された第一流路10を少なくとも1つ備え、前記流体を前記他方側から流入させるとともに前記一方側に到らせる第二流路10’を少なくとも1つ備え、前記第一流路10と前記第二流路10’とが並走するように形成されている
【選択図】 図1

Description

本発明は、樹脂被覆金属板から、有底円筒状のカップを成形し、該カップを、絞り成形または絞りしごき成形により、ドライ状態で成形することにより樹脂被覆シームレス缶を製造する際に使用する樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチに関する。
種々の飲料や食品用の容器として、スチールやアルミ等の金属を絞り成形およびしごき成形して製造されるシームレス缶が使用されている。近年、シームレス缶の中でも、表面が樹脂で覆われた樹脂被覆シームレス缶が使用されている。
樹脂被覆シームレス缶は、表面を熱可塑性樹脂で被覆した金属板の表面に予め潤滑剤を塗布しておくことにより、しごき成形時に用いられる大量の冷却潤滑液(クーラント)を供給しないドライ状態でしごき成形し、その後、加熱して潤滑剤を揮発させて除去する製缶方法により製造される。この方法で製造されたシームレス缶は、従来のシームレス缶製造における脱脂・洗浄・化成処理工程およびその排水処理設備を省略することが可能であり、これらの設備費用や、燃料、電気、水等の副資材にかかるコストが大幅に節約できる。また、環境に与える負荷も小さく、環境問題が大きな社会的問題となっている現代においては、望ましい製缶方法といえる。
このようなドライ状態で行なわれるシームレス缶の製造方法は、100缶/分以下の比較的低速での製缶においては実用的に成功しているが、クーラントを使ったシームレス缶の製造方法のような高速での生産には、適用が困難であった。特に、アルミニウムまたはアルミニウム合金を使用したシームレス缶では、高速での製缶時に、絞りしごき成形またはしごき成形の際に生ずる缶体とダイスとの成形熱によって、缶体の温度が上昇し、外面の樹脂層が軟化して削られ、表面に筋状の傷が生じる通称ビルドアップと呼ばれる成形不良が発生したり、内面の樹脂層が軟化してパンチに溶着し、パンチが缶から抜き取れないストリップ不良が多発する問題があった。これらの問題を防止するため、内部に冷却媒体を貫流させるよう構成されたパンチを用いることにより缶体の温度の上昇を抑えることが提案されている。
特許文献1には、シャンク本体の外周部にリング状溝およびスパイラル溝を形成し、これらの溝部分を覆うように、超鋼スリーブを嵌め込んで固定することにより、冷却媒体の流路を形成し、供給しされた冷却媒体がスパイラル溝をぐるぐる廻りながらパンチ(スリーブ)を冷却する構成のパンチが記載されている。
実開昭55−160235号公報
しかし、特許文献1記載のパンチにおいては、冷却媒体がパンチ先端側に形成されたリング状溝へと供給され、基部側に向かってスパイラル溝を流れて基部側に形成されたリング状溝から直通孔を通って流出するため、パンチ先端部の温度が最も低くなり、基部側の温度が最も高くなることから、パンチの表面温度に軸方向の温度勾配が生じることとなる。
特許文献1のように、パンチの温度上昇を抑えることにより製品の寸法変化を抑制する目的においては、このようなパンチ表面に生じる温度勾配はさほど問題とならない。しかし、樹脂被覆金属シームレス缶の成形用パンチとして適用しようとする場合、金属表面に形成された樹脂層が、パンチ表面の温度分布の影響を受けて、パンチ表面における低温部分よりも高温部分で軟化するため、樹脂層表面の性質が不均一となり、缶胴成形における加工力に変動が生じて、表面に筋状の傷が発生する不具合が生じ易い。缶内面側の樹脂層においても、パンチを缶体から抜き取る際のストリップ不良を引き起こす原因となったり、後工程における印刷、塗装などの工程にも悪影響を及ぼす場合がある。特に、高速での製缶においては、成形熱の影響が大きくなるため、この傾向は顕著になる。
本発明は、成形熱によるパンチの温度上昇を抑えるとともに、パンチ表面に生じる軸方向の温度勾配を小さく、しかも温度分布にムラが生じるのを抑制し、略均一なパンチ表面の温度分布を形成させ、良好な樹脂被覆シームレス缶の製造が行え、高速での製造を可能にするための樹脂被覆シームレス缶の成形用パンチを提供することを目的とする。
すなわち、請求項1の発明においては、内部に流体を流すための流路が軸線方向における基部と先端部との間に形成された樹脂被覆金属シームレス缶の成形用パンチにおいて、流体を前記基部側と前記先端部側とのいずれか一方側から流入させて他方側に到らせるように構成された第一流路を少なくとも1つ備え、前記第一流路によって前記他方側に到った流体を該他方側から流入させるとともに前記一方側に到らせる第二流路を少なくとも1つ備え、前記第一流路と前記第二流路とが並走するように形成されていることを特徴とする樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチが提供される。
また、請求項2の発明においては、請求項1に記載の樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチにおいて、前記第一流路と前記第二流路とがいずれも螺旋状に形成されて多重螺旋を形成していることを特徴とする樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチが提供される。
請求項1の発明においては、流入させられた流体を基部側から先端部側に向けて、あるいはそれとは反対に先端部側から基部側に向けて流す第一流路と、その第一流路から流入させたある程度温度の上昇した流体を第一流路とは反対の向き、すなわち先端部側から基部側に向けて、もしくは基部側から先端部側に向けて流す第二流路とが、互いに並走するように構成されているため、先端部側から基部側へまたは基部側から先端部側へ一方向にのみ流体が流れるように構成されている従来のパンチと比べて、パンチ表面に生じる温度勾配が小さくパンチ表面温度のばらつきを小さくすることができる。
すなわち、第一流路を流れる流体は、流入側である前記一方側で最も低い温度であり、流路を流れながらパンチから熱を奪うため、前記他方側に行くほど流体の温度は高くなる。また、第二流路を流れる流体は、前記他方側で最も低い温度であり、前記一方側に行くほど流体の温度は高くなる。従って、第一流路を流れる流体の温度が高い領域では第二流路を流れる流体の温度が低く、逆に、第二流路を流れる流体の温度が高い領域では第一流路を流れる流体の温度が低くなっている。そのため、第一流路と第二流路とが並走するように設けられていることにより、パンチから熱を奪う冷却効果が補い合うことにより、パンチ表面に生じる温度勾配が小さく、温度分布にムラが生じなくなり、略均一なパンチ表面の温度分布を形成することができる。
従って、金属缶表面に形成された樹脂層が温度分布による影響を受けることなく、略均質な状態で成形されるため、加工力にムラが生じたり、樹脂の性質にムラが生じることがなく、良好なシームレス缶の製造が行える。特に、高速での成形においては、成形熱が大きくなるため、その効果は顕著である。
請求項2の発明においては、請求項1に記載の樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチにおいて、前記第一流路と前記第二流路とがいずれも螺旋状に形成されている。すなわち、パンチに形成されている流路は、第一流路と第二流路とにより、多重の螺旋が形成されていることになる。このような螺旋状の流路を形成することにより、流路が並走しながら、パンチ表面に対し網羅的に流路を形成することが可能となるため、表面の温度分布を均一化させる効果が得られる。また、螺旋状の流路では、つづら折り状に形成された流路(流路が直角に近い角度で折れ曲がる部分を有する流路)と比較して、流体が流路内を淀みなくスムーズに流れることができるため、つづら折り状に形成された流路と比較して、同一の圧力で流体を供給した場合には、螺旋状流路の方が流体を多く供給でき、吸熱効果が高い。また、設備にかかる負荷が小さく、設備の稼働にかかるコストが低く抑えられ、したがって経済性の点で有利である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図2に本発明に係る製造装置を模式的に示す。ここに示す装置は、しごき成形をおこなうように構成されており、そのために、1枚または複数枚(図では第1から第3の3枚のダイス7a,7b,7c)のしごきダイス7が、しごき成形用パンチ6の中心軸と同一軸芯となるように配置されている。パンチ6は、ダイス7に挿通するように前進、後退自在に配置され、最も後退する上死点と、最も前進する下死点との間を移動して缶をしごき成形する。第3のダイス7cよりも下死点側には、しごき成形により成形されたシームレス缶からパンチを抜き取るストリッパー装置(図示せず)が配置され、パンチ6の下死点付近には、缶底部を成形する底部成形装置(図示せず)配置されている。
上死点付近で供給されパンチ6の先端を覆うように保持されたカップ4は、ダイス7を挿通させることにより、カップ側壁部をしごき成形して厚さを減少させ、所定の壁厚、形状のシームレス缶にしごき成形される。
ここでカップ4は、樹脂被覆金属板を円形に打ち抜き、その円形のブランクに1回もしくは複数回の絞り成形を施して得られたものである。その樹脂被覆金属板に使用する金属としては、通常、製缶用に用いられるものであればよく、各種表面処理鋼板、アルミニウム合金板等が用いられる。例えば、表面処理鋼板としては、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または複数の処理を行ったものを用いることが可能であり、アルミニウム合金としては、JIS3004系アルミ合金等が好ましい。また、アルミニウム合金板の表面にも化成処理皮膜を設けることが好ましい。
金属板には少なくとも缶外面となる面に樹脂層を設ける。本発明で対象とする樹脂としては、通常、缶容器の製造に用いられるものであれば特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂が用いられる。
金属板の両面に樹脂層を設けた場合には、絞りしごき成形またはしごき成形時に、金属板とパンチとが直接接触することがなく、パンチおよびダイスの寿命が長くなる。また、缶内面側にも樹脂層が形成されるため、後工程で施される内面塗料の塗布の工程で塗布量を減少させたり、内面塗料の塗布の工程自体をなくすことが可能となる。
金属板に樹脂層を形成する樹脂として、熱可塑性樹脂を用いる場合には、特に耐熱性や耐内容物性の面から熱可塑性ポリエステル樹脂が好適に用いられる。
金属板に熱可塑性樹脂層を形成する方法としては、溶融した樹脂を金属板表面に押し出して樹脂層を形成する方法や、予め樹脂フィルムを形成し、そのフィルムを接着剤や熱融着により金属板に貼り付けて樹脂層を形成する方法などの公知の方法を適宜、用いることができる。
しごき加工性の面では、形成された樹脂層が非晶質であることが好ましい。この非晶質樹脂被覆金属薄板を得る方法としては、加熱された金属板の表面に予め形成した樹脂フィルムを供給しロール間で、融点以上に加熱して熱圧着し積層させた後、直ちに急冷して樹脂を非晶質化する方法や、溶融した樹脂を金属板表面に押し出して積層させ急冷する方法や、一度、結晶性の樹脂を積層した金属板を樹脂の融点以上に加熱し急冷する方法などが用いられる。また、予め公知の方法で作成した樹脂フィルムを接着剤により金属板に接着することも可能である。接着剤としては、ポリエステル系樹脂やエポキシ系樹脂等、適宜選定できる。
金属板に樹脂層を形成する樹脂として、熱硬化性樹脂を用いる場合には、熱硬化性ポリエステル樹脂が好適に用いられる。熱硬化性ポリエステル樹脂としてはエポキシ変性、ウレタン変性などの変性ポリエステル樹脂も好適に使用できる。熱硬化性ポリエステル樹脂は、不飽和結合をもったポリエステル樹脂であり、少なくとも一部に不飽和酸を含む酸成分とアルコールを結合させて得られる。
熱硬化性樹脂に添加する硬化剤としては公知のものを用いることが可能であるが、加工性に優れていることから、アミノ樹脂またはメラミン樹脂を用いることが好ましい。また、特に、食品用の容器として使用する場合には、内面用としてフェノール樹脂を用いることが好ましい。フェノール樹脂を用いることにより、内容物へのホルマリンの溶出を防止することができるからである。
また、熱硬化性樹脂層には潤滑成分を熱硬化性樹脂に対して3質量%以下含有させることが好ましい。本発明においては、パンチ表面の温度分布を均一化できることにより、3質量%以下の潤滑成分でも高速でのシームレス缶の製造が良好に行なえる。
このようにして作成された樹脂被覆金属板の表裏両面に、潤滑剤を塗布する。容器の内容物が食品・飲料である場合には、この潤滑剤は食品衛生上問題のない潤滑剤、例えばノルマルブチルステアレート、流動パラフィン、ペトロラタム、白色ワセリン等を用いることが好ましい。これらの潤滑剤の場合には、片面の塗油量として30mg/m 以上〜150mg/m 以下の塗布量が実用上好ましい。30mg/m 未満の塗布量では、塗布量が少な過ぎ、潤滑効果が小さく実用的でない。塗布量が150mg/m より大きくなると、効果が飽和するため、経済的でない。塗布の方法としてはスプレーによる塗布、ロールやグラビアロールを使用した塗布など、適宜、公知の方法を用いることができる。塗布の作業性を考慮すると、常温で液体状の潤滑剤を用いることが好ましい。
潤滑剤が塗布された樹脂被覆金属板を円板状に切断し、絞り成形により、有底円筒状のカップ4を成形する。必要な場合には、複数回の絞り成形を行うことにより、所定の形状のカップ4を成形する。
本発明のシームレス缶の製造装置では、クーラント(冷却潤滑液)をしごき成形中に噴射することなくドライ状態でシームレス缶を製造するように構成されている。そのため、缶表面温度を樹脂のガラス転移点+30℃以下、好ましくは、80℃以下に保つように、パンチおよびダイスの内部に冷却液が貫流してこれらを冷却するように構成されている。一般に、樹脂被覆金属シームレス缶に用いられる樹脂は、ガラス転移点近傍の温度で軟化が始まり、温度が高くなる程、樹脂の軟化が進行する。ガラス転移点+30℃を超える温度になると製缶上、不具合を生じる程度まで軟化する。すなわち、製缶速度が速くなる程、成形時に缶体が受ける負荷が大きくなり、樹脂被覆もより健全であることが求められ、より低い温度で製缶する必要が生じる。現在、シームレス缶用の材料として広く使用されている熱可塑性ポリエステルや熱硬化性ポリエステルのガラス転移点の温度範囲を考慮すると、高速での絞りしごき成形またはしごき成形時において、缶温度を80℃以下に保つことが望ましい。本発明においては、高速での製缶においても缶温度を80℃以下に保つことができ、しかも缶温度の分布を均一化することのできるシームレス缶の製造装置、特に成形用パンチが提供される。以下に、具体例について説明する。
本発明で用いられるパンチを図1に示す。パンチ6は支持筒8とスリーブ9とにより構成され、支持筒8とスリーブ9との間には、冷却液が貫流するための流路10が形成されている。図2に示す冷却液供給装置13aから供給された冷却液は、支持筒8の基部側に形成された流入路11から、支持筒8とスリーブ9との間に形成された螺旋状の流路10に流入し、流路10に沿って先端部に達した後、先端部から基部に向かって形成された螺旋状流路10’を通ってパンチ6の基部に達し、パンチ6の支持筒8の基部側に形成された流出路12を通ってパンチ6から流出する。すなわち、図1に示すように、パンチ6の支持筒8の表面には、支持筒8がスリーブ9に嵌め込まれた時に冷却液の流路10,10’となるよう、二重螺旋状の溝が形成されている。一方の螺旋溝は、パンチ6の基部側から先端へ向かう冷却液が流れる先端方向流路(本発明の第一流路に相当する。)10となっており、これに対して他方の螺旋溝が、先端から基部側へ向かって冷却液が流れる基部方向流路(本発明の第二流路に相当する。)10’となっている。
したがって各流路10,10’は、支持筒8の先端部10”で連通しており、かつ互いに半ピッチずれて平行に形成されている。そのため、互いに隣接する一方の螺旋溝を冷却液が先端側に向けて流れ、かつ他方の螺旋溝を先端側から基部に向けて冷却液が流れ、各冷却液が互いに隣接して反対方向に並走するようになっている。その結果、吸熱し始めて未だ温度の低い冷却液と吸熱して温度の高くなった冷却液とが近接して位置するために、局部的に温度が高くなる箇所や低くなる箇所の偏在が解消され、パンチの表面温度の分布が均一化される。
このような螺旋状の流路10,10’を構成することにより、パンチ6が均一に冷却されるため、表面の温度にムラが生じることがなく、良好な成形が可能となる。特に、150缶/分を超える高速でのしごき成形においては、効果が顕著である。すなわち、パンチ表面に温度のムラが生じることにより形成される高温部分において、低温部分よりも樹脂層が軟化するため、樹脂層表面の性質が不均一となり、樹脂層表面に作用する加工力に変動が生じて樹脂層が削られ筋状の傷(ビルドアップ)が発生し易くなるが、本発明ではこれを防止できるため、効果的である。
流出した冷却液は、配管を通り再度、冷却液供給装置13aに戻され、液温を所定の温度に低下させられて、再びパンチヘと供給される循環経路が形成されている。冷却液供給装置13aから、パンチ6への供給経路の途中には、冷却液の流量を増加させるため、冷却液の圧力を上昇させる昇圧装置14を配置している。また、必要に応じ、冷却液供給装置13aと異なる温度の冷却液を供給するための第2の冷却液供給装置13bを設置することもできる。成形開始時にパンチ温度が予め設定した温度に対して低すぎる場合に、冷却液供給装置13aから供給される冷却液よりも高い温度の冷却液を第2の冷却液供給装置13bから供給してパンチ6を所定の温度に保つことにより、成形開始時の不良缶の発生を制御することができる。その場合には、配管経路に切替装置15を設置し、パンチ温度に基づき、温度の異なる冷却液の供給を切り替えられるように構成しておく。
次に、ダイスについて説明する。ダイス7の内部には冷却液が貫流するための流路16が実質的に環状に形成され、冷却液供給装置17から所定の温度で供給された冷却液は、ダイス7内への流入路を通じて流路16を通りダイス7内を通過して、流出路からダイス7の外へ流出し、配管経路を通じて冷却液供給装置17に戻されて所定の温度に冷却され、再びダイス7に供給される循環経路が形成されている。ダイス7への供給経路の途中には、冷却液の流量の制御を行うため、流量制御弁18を配置している。ダイス冷却液の温度は、樹脂被覆金属板表面に塗布される潤滑剤の融点よりも高い温度に設定されることが好ましい。融点以下とすると、シームレス缶の製造開始時において、ダイス7が潤滑剤の融点以下となり、固体化した潤滑剤がダイス7に堆積し、成形されたシームレス缶に付着したり、成形不良の原因となったりするからである。
したがって図2および図1に示すように構成された本発明に係る製造装置によれば、カップ4を先端部に保持したパンチ6を前進させることにより、パンチ6とダイス7との間でカップ4に対するしごきが施され、更に深さの深い缶形状に成形される。その成形過程で、カップ4の塑性変形や摩擦などによって熱が発生するが、パンチ6およびダイス7のそれぞれに冷却液が貫流していてその冷却液によって熱が奪われるので、カップ4あるいはしごき成形された缶胴の温度上昇が抑制される。特にパンチ6においては、基部側から先端側に向かって冷却液の流れる先端方向流路10と、先端側から基部側に冷却液が流れる基部方向流路10’とが、先端側で連通した二条の螺旋溝によって構成されているので、吸熱開始当初の冷却液と吸熱の進行した冷却液とが互いに隣接して位置し、その結果、高温部分や低温部分の偏在がなく、パンチ6の表面における温度分布が均一化される。
従って、金属缶表面に形成された樹脂層が温度分布による影響を受けることなく、略均質な状態で成形されるため、加工力にムラが生じたり、樹脂の性質にムラが生じることがない。具体的には、ビルドアップと称される不良や成形品からパンチが抜き取れなくなるストリップ不良などを生じることなく、良好にシームレス缶を製造することができる。特に、高速での成形においては、成形熱による影響が大きくなるため、その効果は顕著である。
この発明に係る成形用パンチにおける冷却液流路の他の例を図3に示す。図3の(A)は支持筒8の正面図、図3の(B)は背面図、図3の(C)は流路の形状を示す展開図である。図3に示す支持筒8の表面には、つづら折り状(ジグザグ状)に屈曲した先端方向流路10と基部方向流路10’とが形成されている。すなわち、これらの流路10,10’は先端部(図3での下端部側)で繋がった一本の溝であって、その一本の溝を二つ折りした状態でつづら折りし、流入口となる一方の端部と流出口となる他方の端部とを、支持筒8の基部側に開口させ、かつそのつづら折りした状態で支持筒8の表面に巻き付けた形状になっている。なお、図3での左右の折り返し端部同士の間に、溝のない部分が縦方向(支持筒8の軸線方向)に繋がった状態となるので、この部分の冷却を他の部分と同様に生じさせるために、折り返し端部同士の間隔をできるだけ小さくすることが好ましい。
図3に示す支持筒8が図1を参照して説明したスリーブ9に嵌合させられることにより、つづら折りされた形状の溝が、支持筒8の基部側の端部で開口した流路10,10’となる。したがって先端方向流路10に供給された冷却液は、ジグザグに方向を変えつつ先端側に流れた後、先端部で基部方向流路10’に入って、ジグザグに流動方向を変えつつ基部側に流れる。そして、これら先端側に向かう冷却液と基部側に向かう冷却液とが、互いに隣接する流路10,10’を反対方向に並走するので、冷却液による吸熱量(もしくは冷却熱量)の偏りが少なく、その結果、パンチ6の表面における温度分布が均一化される。したがって、上述した図1に示すパンチ6を使用した場合と同様に、ビルドアップと称される不良や成形品からパンチが抜き取れなくなるストリップ不良などを生じることなく、良好にシームレス缶を製造することができる。
なお、本発明は上述した二重螺旋やつづら折りの流路に限定されず、流体を流すパンチに形成される流路もしくは溝を二重以上の多重構造、即ち、三重、四重の多重螺旋や、多重のつづら折りにすることも可能である。このように多重構造にすればパンチからの熱を吸収する効果が大きくなる。また、螺旋のピッチを小さくして螺旋の巻数を多くしたり、流路の間隔を小さくすることによっても、吸熱効果が大きくなる。このような流路もしくは溝の構造は、パンチ径やパンチ長さ、成形熱の発生状況に応じて適宜選択し、パンチに形成すれば良い。また、パンチに形成された各流路を流れる単位時間当たりの流量が同じ場合には、第一流路と第二流路を交互に配置した偶数螺旋とすることが温度分布のムラの抑制、流路の加工のし易さやコスト面で好ましい。更にまた、上記の具体例では、流体を基部側から先端部側に向かって流す例で説明したが、逆に、流体をパンチの先端部側からパンチの基部側に向かって流すようにしても良い。即ち、パンチの内部を貫通させて流入路と流出路とを形成することができるから、先端部側で流入路から流体を流入させて基部側に向けて流す流路を第一流路とし、その第一流路に基部側で連通していて基部側で第一流路から流体を流入させかつ先端部側に向けて流す流路を第二流路としてもよい。その場合であっても、これら第一流路および第二流路を二重螺旋状とし、あるいは並走するつづら折り状とすることができる。
本発明に係るパンチにおける流路の一例を説明するためのパンチの断面図である。 本発明に係るパンチを含むシームレス缶製造装置の全体的な構成を模式的に示す図である。 本発明に係るパンチにおける流路の他の例を説明するための図であって、(A)は支持筒の正面図、(B)は支持筒の背面図、(C)は展開図である。
符号の説明
6…パンチ、 7…ダイス、 8…支持筒、 9…スリーブ、 10…先端方向流路(第一流路)、 10’…基部方向流路(第二流路)。

Claims (2)

  1. 内部に流体を流すための流路が軸線方向における基部と先端部との間に形成された樹脂被覆金属シームレス缶の成形用パンチにおいて、
    流体を前記基部側と前記先端部側とのいずれか一方側から流入させて他方側に到らせるように構成された第一流路を少なくとも1つ備え、
    前記第一流路によって前記他方側に到った流体を該他方側から流入させるとともに前記一方側に到らせる第二流路を少なくとも1つ備え、
    前記第一流路と前記第二流路とが並走するように形成されていることを特徴とする樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチ。
  2. 請求項1に記載の樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチにおいて、
    前記第一流路と前記第二流路とがいずれも螺旋状に形成されて多重螺旋を形成していることを特徴とする樹脂被覆金属シームレス缶成形用パンチ。
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