JP2005284766A - 防犯用匂いマーキングシステム - Google Patents

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幸信 田島
Hideki Yanagawa
秀輝 柳川
Naoki Urushibata
直樹 漆畑
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Abstract

【課題】 犯罪者と対面することなく、芳香剤を用いて犯罪者に匂いマーキングを実施し、その後の匂い識別センサーや匂い探知犬による犯罪者の特定に有効な防犯用匂いマーキングシステムの提供。
【解決手段】 匂いマーキングシステムの近傍に人の存在を感じるセンサーを設置し、このセンサーからの情報を回路を介して所定空域内に芳香を放出する手段に送ることによって芳香を放出することを特徴とする防犯用匂いマーキングシステム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、窃盗犯等が逃走する際に付着した芳香により逃走犯人を特定することのできる匂いを放散することのできる防犯用匂いマーキングシステムに関する。
従来、犯罪防止機器として、警報装置や防犯カメラが知られていた。また、逃走犯人に対して、マーキングを行うものとして、特許文献1には、衝撃により破損し得る密封容器中に塗料を充填してなることを特徴とする、投てき用マーキング物品について記載されており、特許文献2には、衝撃によって破損する容器内に塗料を含有する液体を密封した投てきによるマーキング品において、前記容器は薄肉部を一部に設けた球体からなり、容器内に充填する液体の充填割合が40〜100%であり、また、容器の強度は、容器に液体を密封した状態で自然落下させることにより決定されることを特徴とする投てきによるマーキング品について記載されている。しかし、このマーキング品を使用できる場合は、店員や警察官等投てきを行う者の前に犯人の存在していることが必須のこととなる。
これに対して、特許文献3には、「本発明は既存の鍵穴に不正開錠を防止するのに有効な手段で鍵穴の前面に防護鉄板の板を平板バネ両側保持ピッキング工具の挿入を防止防護する、更に用具挿入すると匂い袋が破ける構造である為独特の匂いが発生し、撃退され得る。」と記載されている。この場合もピッキング被害の防止が限度である。
また、特許文献4には、銀行運営の、両替機器、ATM装置の破壊強盗、此の不埒者共が機器の破壊衝撃に反応して、絶え難い悪臭、例えばイタチ、スカンクの屁の如き悪臭を不埒者ギャング共に発射吹き付け、臭いのマーキングを貼りつけることが記載されている。
実公平2−37113号公報 特開平2001−14565号公報 特開平2002−242494号公報 特開平2001−67556号公報
本発明は、犯罪者の反撃や犯罪隠匿行為を軽減し、その後の匂い識別センサーや匂い探知犬による犯罪者の特定に有効な防犯用匂いマーキングシステムを提供することを目的とする。
本発明の第1は、匂いマーキングシステムの近傍にスイッチ又は人の存在を感じるセンサーを設置し、このスイッチ又はセンサーからの情報を回路を介して所定空域内に芳香を放出する手段に送ることによって芳香を放出することを特徴とする防犯用匂いマーキングシステムに関する。
本発明の第2は、請求項1記載の所定空域内に芳香を放出する手段が、芳香剤と高圧ガスとを密閉した金属製の容器を準備し、芳香剤を含むガス取り出し口を弁で密封し、ソレノイドバルブを利用することにより、制御装置よりのコマンドに基づき、所定空域内に霧状の芳香剤を放出する装置からなることを特徴とする請求項1記載の防犯用匂いマーキングシステムに関する。
本発明の第3は、所定空域が、電子カーテンによる所定空域遮断手段により遮断された空域であることを特徴とする請求項1または2記載の防犯用匂いマーキングシステムに関する。
本発明の第4は、防犯用匂いマーキングシステムの稼動を遠隔操作可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防犯用匂いマーキングシステムに関する。
本発明の防犯用匂いマーキングシステムは、料金支払い所近傍や、犯人の逃走経路となる廊下の天井や側壁に芳香放出装置を設ける。
芳香放出装置の運転は、室内に店員がいる場合には、犯人が所定の位置に達したとき、手元スイッチをオンとすることにより運転開始信号を受信手段に送り、予め、防犯用匂いマーキングシステムを複数配備してある場合には、稼動すべきシステムの選択、システムの運転時間等を記録した記録手段を有する制御部からの情報に基づいてドライバー手段により芳香放出装置の運転を実施することができる。
夜間等で室内に店員が不在のときは、店員等の退出時にスイッチをオンとすることにより運転可能状態とし、防犯用匂いマーキングシステムの近傍に人の存在を感じる赤外線センサー等のセンサーを設置することにより、このセンサーから得た情報を受信手段に送り、制御部を介して芳香放出装置を自動的に運転操作することもできる。
又、例えば、テレビカメラ等により室内を監視している場合には、警備会社や警備室のモニターテレビに映し出された映像からの判断によって、室外より電話回線等を利用して、信号発信手段から受信手段に信号を送ることによって制御回路を介して芳香放出装置を操作することもできる。
本発明の防犯用匂いマーキングシステムによれば、犯人に対し匂いマーキングを行う場合、実行者は犯人と直接対面することなく実行できるので、犯人からの逆襲を受けることもなく、匂いマーキングを完全に実施することができる。
芳香放出装置は、芳香剤収納部と芳香を放出する手段とからなる。
芳香剤収納部は、芳香剤とそれを収納する収納容器とからなる。ここに用いる芳香剤としては特に限定されないが、例えば、バラ、菊、百合、梅等の花の香や、檜の香、杉の香、松の香、桜の香等の樹木の香等を用いることができる。
しかし、強い悪臭を放つものは、本発明の防犯用匂いマーキングシステム操作終了後において臭気を完全に除去することは困難となるので好ましくない。
特に、人間がその臭気を認識することはできないが、犬によって認識することのできる芳香剤が好ましい。このような芳香剤として、グリセリン脂肪酸エステル系の、ラウリン酸エステル、オレイン酸エステル、ステアリン酸エステルがあり、また、犬のフェロモン物質であるとされるメチル−p−ヒドロキシベンゾエートが好ましい。このような芳香剤を用いることによって、犯人自身匂いマーキングが実施されたことに全く気がつかず、後の捜索犬による捜索を容易とすることができる。
芳香剤収納容器に入れる芳香剤は、液状、ペースト状、固体状、など任意であるし、芳香剤成分を織布、不織布など繊維状物質に含浸または吸着させた形でも良い。
香料収納容器として固体金属からなる容器を用いることができる。芳香発生時に、通電による加熱機構を有していることが好ましい。例えば、電源と加熱機構との間に設けた開閉器が制御手段からの情報によりオンの状態にあるとき、または、制御器よりの情報に基づいて、所定時間加熱するヒート線を固体金属からなる容器の外側にコイル状に巻いておくことにより、容易に加熱することができる容器が好ましい。
また、香料収納容器として合成樹脂製チューブを用いることができる。この場合、芳香剤やアルコールのような揮発性溶剤に侵されないことが必要である。合成樹脂としてはポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等を挙げることができる。
また、芳香剤収納部は、芳香剤を含有することのできる多孔質物質を用いることができる。
多孔質物質としては、多孔性金属、多孔性合成樹脂等がある。
多孔性金属としては、アルミナ、シリカアルミナのほか、ステンレス、Co−Cr合金、TiおよびTi合金の焼結体がある。
多孔性合成樹脂としては、ポリウレタンフォーム、ポリイミドフォーム、ポリエチレンフォーム等があり、又、重合体中の溶剤除去法によって得られた多孔質体がある。これら多孔質体は連通気泡を有するものが好ましい。
制御部からの情報に基づいてドライバー手段により芳香剤収納部から匂いを放出する手段としては特に制限はないが、芳香剤収納部に対して超音波振動、加熱、加圧、風などの手段を単独あるいは併用して加えることのできる手段であり、これにより芳香剤収納部に収納されている芳香剤を外部に放出することができる。例えば、超音波振動は、電圧や周波数を変化させて、時間に対応して超音波が香料物質を刺激し霧状にして外部に放出する。また、香料収納容器の周辺に加熱器具などを装着することもできる。この場合の加熱器具としては、例えば熱応答性に優れたセラミックス材料を使用するなど、熱量の発生を瞬時に伝達できるものが好ましい。また、圧力を利用する例としては、高周波振動モータなどで圧力弁を上下に動かし、開閉口から外部に匂いを発生させることもできる。場合によっては、芳香剤収納部と匂いを放出する手段とを一体化することもできる。この場合には、香料収納部材として金属、セラミックス、プラスチックス、繊維材料等からなる多孔体を用い、この多孔体に香料を塗布および/または含浸させておき、制御手段からの信号により、回転、振動、熱あるいは風圧のような圧力等を加えることにより、芳香剤を外部に放出させることができる。
芳香収納部を、芳香剤を含有する多孔質物質で成型したファンとすることで、芳香収納部を独立して設ける必要がなくなる。しかし、この方法において芳香の放出が十分でないときは、芳香収納部を補完のため設けることができる。
外部に放出された芳香剤は、小孔を通して、風圧等により狭い範囲で所定位置に達するようにすることにより、犯人に気づかれることなく、強く衣類に芳香が付着するような構成とすることが好ましい。
本発明の匂いマーキングシステムにおける芳香を放出する手段としてソレノイドバルブを装備したガスボンベを用いることが特に好ましい。
図1は、ソレノイドバルブを装備したガスボンベを有する芳香を放出する手段を説明する概念図である。
芳香剤と高圧ガスとを密閉した金属製の容器1を準備し、芳香剤を含むガス取り出し口を弁で密封し、ソレノイドバルブ2を利用することにより、制御部3よりのコマンドに基づき、ドライバー手段4、例えば電源5との間に設けられた開閉器をオンの状態とし、所定空域内に芳香剤を噴霧することにより、犯人の頭髪内部まで芳香剤が侵入し、犯人逃走中着衣を代え、体を洗浄した程度では芳香剤を完全に除くことはできなくなり、警察犬等による犯人の追跡捜査が容易となるので特に好ましい
芳香剤収納部は、容易に交換し得るよう脱着容易に構成することが好ましい。
所定空域を、電子カーテンによる所定空域遮断手段により遮断された空域とすることが好ましい。
本発明にける電子カーテンによる所定空域遮断手段としては、トリガー電極とその先に設置した2枚の対向電極の間に高圧直流電圧を印加すると、電極周辺の絶縁破壊を起こしコロナ放電が発生する。コロナ放電が発生すると電子が絶え間なく飛び出し、周辺の塵埃や分子に付着してイオン化する。更にイオン化した塵埃や分子は、対向電極に向って流れ出し付着して電荷を消そうとするが、イオンや電子の速度が速いと、対向電極を飛び越えて室内に放射された電子が、室内の塵埃や分子に付着し後から押し寄せる更なる電子やイオンにより前方に進行する。
電子は直進性を持つことから、拡散しにくく帯状の膜として通路が形成されることが知られている。本発明においては、この電子やイオンからなる帯状の膜を電子カーテンとして使用するものである。
同様に無隔壁による遮断手段として風圧式エアカーテンがあるが、電子カーテンに比較して風圧式エアカーテンはその遮断効果が低く、消費電力は大きく、電子カーテンは天井埋め込みも可能であるのに対し、天井埋め込みは不可能であるため、本発明においては電子カーテンを遮断手段として使用することとした。
電子カーテン形成装置は、遮断した空域が形成できるのであればどのような形状であっても良く、又、何基用いても良い。
この場合、制御部からの信号に基づいて、電子カーテン形成装置及び芳香放出装置を操作するが、電子カーテン形成装置と芳香放出装置とを同時に運転開始状態としても良いし、又、先ず電子カーテン形成装置の運転を開始し、遮断した空域の形成後芳香放出装置の運転を開始するように制御部の記憶手段に記憶させておくこともできる。
本発明により、犯罪者と対面することなく、芳香剤を用いて犯罪者に匂いマーキングを実施し、その後の匂い識別センサーや匂い探知犬による犯罪者の特定に有効な防犯用匂いマーキングシステムを提供することができた。
ソレノイドバルブを装備したガスボンベを有する芳香を放出する手段を説明する概念図である。
符号の説明
1 容器
2 ソレノイドバルブ
3 制御部
4 ドライバー手段
5 電源

Claims (4)

  1. 匂いマーキングシステムの近傍にスイッチ又は人の存在を感じるセンサーを設置し、このスイッチ又はセンサーからの情報を回路を介して所定空域内に芳香を放出する手段に送ることによって芳香を放出することを特徴とする防犯用匂いマーキングシステム。
  2. 請求項1記載の所定空域内に芳香を放出する手段が、芳香剤と高圧ガスとを密閉した金属製の容器を準備し、芳香剤を含むガス取り出し口を弁で密封し、ソレノイドバルブを利用することにより、制御装置よりのコマンドに基づき、所定空域内に霧状の芳香剤を放出する装置からなることを特徴とする請求項1記載の防犯用匂いマーキングシステム。
  3. 所定空域が、電子カーテンによる所定空域遮断手段により遮断された空域であることを特徴とする請求項1または2記載の防犯用匂いマーキングシステム。
  4. 防犯用匂いマーキングシステムの稼動を遠隔操作可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の防犯用匂いマーキングシステム。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03156696A (ja) * 1989-11-15 1991-07-04 Kokusai Denshi Kk 防犯システム
JPH0927089A (ja) * 1995-07-13 1997-01-28 Nippon Denki Ido Tsushin Kk 防犯装置

Patent Citations (2)

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