JP2005284149A - レンズ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ装置のフォーカスレンズ、ズームレンズの位置検出を相対型位置センサにより行う場合に、そのカウンタの初期設定を電源投入後に無条件で行わないようにすることによって、前回使用時の状態で即座に撮影を開始することができるようにしたレンズ装置を提供する。
【解決手段】レンズ装置10のCPU12は、電源が投入されると、フォーカスレンズFL、ズームレンズZLの位置検出用のエンコーダFE、ZEと共に設けられたポテンショメータFP、ZPを有効な位置センサとする。そして、高精度の位置検出が要求されるバーチャルスタジオ用機器が接続された場合にエンコーダFE、ZEのカウンタ16の初期設定を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】レンズ装置10のCPU12は、電源が投入されると、フォーカスレンズFL、ズームレンズZLの位置検出用のエンコーダFE、ZEと共に設けられたポテンショメータFP、ZPを有効な位置センサとする。そして、高精度の位置検出が要求されるバーチャルスタジオ用機器が接続された場合にエンコーダFE、ZEのカウンタ16の初期設定を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明はレンズ装置に係り、特にフォーカスやズームをモータを駆動して制御すると共にフォーカスやズームの位置検出に相対型位置センサを使用するレンズ装置に関する。
インクリメンタル型ロータリエンコーダ等の相対型位置センサは、小型で高い位置検出の精度や直線性が得られるため、レンズ装置のフォーカスやズームなどのレンズ群の位置センサとして優れている。しかしながら、相対型位置センサでは決められた原点位置を基準にした絶対位置を示す値を計測するためのカウンタが必要であり、電源をオフするとそのカウンタのカウント値がリセットされ、又は、電源オフの間に対象の位置が変化するおそれがあるため、電源投入後、位置検出を開始前には、カウンタを初期設定するための原点復帰の動作が必要となる。尚、原点復帰動作はカウンタのカウント値を0にリセットする際に予め決められている可動端などの原点位置に検出対象を移動させる動作をいう。一般には電源投入後すぐにカウンタの初期設定(初期設定動作)が行われており、そのため、原点復帰動作によって前回使用時の終了位置でそのまま使用を開始することができないという欠点があった。
これに対して特許文献1では、電源投入後、カウンタの初期設定を実行する際に検出対象のレンズの位置を記憶しておき、原点復帰動作を行ってカウンタのカウント値をリセットした後、再び、記憶した元の位置に戻すことが提案されている。
特許第2801366号公報
しかしながら、放送用テレビカメラ等で使用される大型のレンズ装置の場合、エンコーダのカウンタを初期設定するために原点復帰動作を行うとかなりの時間(例えば数秒から十数秒)を要し、カメラ本体が撮影可能な状態となってもレンズ装置での初期設定が完了していないということもあった。
そのため、前回のフォーカスやズーム等の設定状態で撮影を即座に再開したいという要求に対しては、初期設定後にそれらの位置を前回使用時の状態に戻すことができる特許文献1に記載の技術であっても不十分という問題があった。
また、相対型位置センサのように高精度の位置検出を必ずしも必要としない場合もある。例えば実写映像と電子映像とを違和感なく合成するバーチャルスタジオと呼ばれる映像合成システムにおいては、実写映像を撮影する際のレンズ装置のフォーカス位置やズーム位置等を高精度で検出することが要求されるが、通常のスタジオ撮影ではポテンショメータのような絶対型位置センサによる位置検出精度で十分という場合もある。このような場合に本来であれば原点復帰動作が不要な絶対型位置センサを用いることによって迅速に撮影を開始できるにもかかわらず相対型位置センサを用いたことによって初期設定に時間を費やしてしまうことになり、相対型位置センサを用いたことが不利益となってしまうという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、電源投入後、前回使用時の設定状態で即座に撮影を開始できるようにし、また、高精度な位置検出が不要な場合には初期設定に時間を要する相対型位置センサを用いることなくフォーカス制御やズーム制御等のレンズ制御を行えるようにしたレンズ装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載のレンズ装置は、撮影レンズの可動のレンズ群を制御すると共に、該レンズ群の位置を検出する位置センサとして、相対型位置センサと、該相対型位置センサの出力に基づいて絶対的な位置の値を計測するカウンタとを備えたレンズ装置において、電源投入後に初期設定実行の指示が与えられるまで、前記カウンタの初期設定動作を実行せず、前記初期設定実行の指示が与えられると、前記カウンタの初期設定動作を実行する初期設定手段を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、電源投入後に無条件で相対型位置センサのカウンタの初期設定動作を行わないため、前回使用時の状態で撮影を即座に開始することができる。また、電源投入後に時間に余裕があるとき等、所望のときに初期設定動作を行わせるようにすることも可能であり、必要に応じて相対型位置センサを有効にすることができる。
請求項2に記載のレンズ装置は、請求項1に記載の発明において、前記初期設定手段は、所定の操作が行われたこと、所定の機器が接続されたこと、シリアル通信が開始したこと、又は、シリアル通信の特定のコマンドを受信したことを検出した場合に初期設定実行の指示が与えられたと判断することを特徴としている。初期設定実行の指示は、予め決められたユーザの操作が行われたこと、又は、高精度なレンズ群の位置情報を必要とする機器等がレンズ装置に接続されたこととすると、必要に応じてカウンタの初期設定動作が行われるため好適である。
請求項3に記載のレンズ装置は、請求項1又は2に記載の発明において、前記初期設定手段に初期設定実行の指示を与えるための専用のスイッチを備え、前記初期設定手段は前記スイッチがオンされた場合に前記カウンタの初期設定動作を実行することを特徴とする。初期設定実行を指示するスイッチを専用に設けることによって初期設定動作を実行するか否かやいつ実行するかなどの選択をよりユーザの都合に合わせることができる。
請求項4に記載のレンズ装置は、請求項1のレンズ装置において、前記初期設定手段により前記カウンタの初期設定が実行されるまで、前記可動のレンズ群を停止させておくことを特徴としている。カウンタの初期設定動作が行われてない場合にはレンズ群を電源投入時の位置に停止させておくことによって前回使用時の終了位置で撮影を開始することができる。
請求項5に記載のレンズ装置は、請求項1に記載の発明において前記可動のレンズ群の位置を検出する位置センサとして絶対型位置センサを備え、前記初期設定手段により前記カウンタの初期設定が実行されるまで、絶対型位置センサを有効な位置センサとして前記可動のレンズ群を制御することを特徴としている。相対型位置センサによる検出精度が不要なユーザにとっては、電源投入後にカウンタの初期設定動作を行うことなく、迅速に絶対型位置センサを用いてレンズ制御を行うことができるため効果的である。
本発明に係るレンズ装置によれば、電源投入後、前回使用時の設定状態で即座に撮影を開始できるようになる。また、相対型位置センサと合わせてポテンショメータ等の絶対型位置センサを設けることによって高精度な位置検出が不要な場合に初期設定に時間を要する相対型位置センサを用いることなくフォーカス制御やズーム制御等のレンズ制御を行えるようにすることもできる。
以下、添付図面に従って本発明に係るレンズ装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用されたレンズ装置及びレンズ装置に接続される外部機器によるレンズシステムの構成を示したブロック図である。同図のレンズ装置10は、例えば放送用又はバーチャルスタジオ用等の用途として使用されるEFPレンズ又はENGレンズ等のレンズ装置であり、カメラ本体30(カメラヘッド)にマウントによって装着される撮影レンズ(撮影光学系)と、撮影レンズを制御する制御系とから構成されている。
撮影レンズは、被写体の像をカメラ本体30の撮像面に結ぶ撮影光学系であり、撮影レンズには各種固定のレンズ群の他に、光軸方向に移動可能なレンズ群として同図に示すフォーカスレンズ(群)FLやズームレンズ(群)ZLが配置されている。フォーカスレンズFLが移動すると、ピント位置(被写体距離)が変わり、ズームレンズZLが移動すると、像倍率(焦点距離)が変わる。尚、図では省略するが、撮影レンズには絞り値を変更するために開閉駆動される絞りも配置されている。
レンズ装置10の制御系は、CPU12、アンプFA、ZA、モータFM、ZM、エンコーダFE、ZE、カウンタ16、ポテンショメータFP、ZP等から構成されている。また、レンズ装置10に外部機器として接続されるフォーカスデマンド26、ズームデマンド28、カメラ本体30、図示しないバーチャルスタジオ用機器などもレンズシステム全体として制御系を構成する。
CPU12は、フォーカスレンズFLやズームレンズZL等のレンズ制御を統括的に行っており、CPU12からはD/A変換器114を介して各アンプFA、ZAに駆動信号が出力される。これにより各アンプFA、ZAに接続された各モータFM、ZMがその駆動信号の値(電圧)に応じた回転速度で駆動される。各モータFM、ZMは、上記撮影レンズのフォーカスレンズFL、ズームレンズZLに連結しており、各モータFM、ZMの駆動と共に、フォーカスレンズFL、ズームレンズZLが駆動される。
フォーカスレンズFL、ズームレンズZLの各々には、それらの位置を検出するための位置センサとしてエンコーダFE、ZEとポテンショメータFP、ZPが連結されている。尚、エンコーダFE、ZEやポテンショメータFP、ZPは、各モータFM、ZMの出力軸等にフォーカスレンズFL、ズームレンズZLと連動するように設けられていればよい。
各ポテンショメータFP、ZPは、絶対型位置センサとして設置されたもので、ポテンショメータFPからは、フォーカスレンズFLの位置に対応した値(絶対位置を示す値)の電圧信号が、ポテンショメータZPからは、ズームレンズZLの位置に対応した値(絶対位置を示す値)の電圧信号がそれぞれ出力され、A/D変換器18を介してCPU12に与えられる。
一方、各エンコーダFE、ZEは、高精度な位置検出が可能な相対型位置センサとして設置されたインクリメンタル型ロータリエンコーダである。尚、相対型位置センサとしてMRセンサなどを使用することもできる。各エンコーダFE、ZEからは互いに90度の位相差をもつA相及びB相のパルスが出力されるようになっており、フォーカスレンズFLが所定量移動してエンコーダFEの回転軸が所定角度回転するごとエンコーダFEからカウンタ16にA相及びB相のパルスが入力され、ズームレンズZLが所定量移動してエンコーダZEの回転軸が所定角度回転するごとにエンコーダZEからカウンタ16にA相及びB相のパルスが入力される。
カウンタ16は、各エンコーダFE、ZEから入力されるA相及びB相のパルスに基づいて各エンコーダFE、ZEに対応する各カウント値を1づつ増加又は減少させ、フォーカスレンズFLの位置に対応した値(絶対位置を示す値)と、ズームレンズZLの位置に対応した値(絶対位置に対応した値)を計測する。ここで、各エンコーダFE、ZEに関してA相とB相のパルスの位相関係は、回転軸が正転している場合と、逆転している場合とで逆になる。カウンタ16は、A相のパルスがB相のパルスよりも90度進んでいる場合(正転の場合)にはカウント値を増加させ、逆にB相のパルスがA相のパルスよりも90度進んでいる場合(逆転の場合)にはカウント値を減少させる。
また、詳細は後述するが、各エンコーダFE、ZEに対するカウンタ16の各カウント値は、フォーカスレンズFLやズームレンズZLが所定の原点位置(例えば端)に設定されている場合に、0となるように初期設定される。従って、上述のようにカウンタ16によってカウントした各エンコーダFE、ZEに対するカウント値は、そのときのフォーカスレンズFLやズームレンズZLの位置に対応した絶対的な値を示す。
CPU12は詳細を後述するが、フォーカスレンズFLの位置検出に対する有効な位置センサとしてエンコーダFE(及びカウンタ16)とポテンショメータFPのうちいずれかを選択し、ズームレンズZLの位置検出に対する有効な位置センサとしてエンコーダZP(及びカウンタ16)とポテンショメータZPのうちいずれかを選択し、選択した位置センサにより得られた値によってフォーカスレンズFLやズームレンズZLの位置を検出する。尚、本実施の形態では、フォーカスレンズFLの位置検出とズームレンズZLの位置検出とで同種の位置センサを有効な位置センサとして選択するが、別々に選択できるようにしてもよい。
そして、CPU12は、有効な位置センサによって検出したフォーカスレンズFL、ズームレンズZLの位置を参照しながら各アンプFA、ZAに出力する駆動信号の値を変更することによってフォーカスレンズFL、ズームレンズZLの位置又は動作速度を所望の状態に制御する。
フォーカスデマンド26やズームデマンド28は、撮影レンズのフォーカス(フォーカスレンズFL)やズーム(ズームレンズZL)の目標となる位置や移動速度をマニュアル操作で指定するマニュアル操作部材を備えたコントローラである。フォーカスデマンド26やズームデマンド28は、A/D変換器20を介してCPU12と接続されている。
フォーカスデマンド26のマニュアル操作部材を操作すると、例えば、その操作部材の位置に対応したフォーカスの目標位置を指定するフォーカス指令信号がCPU12に与えられる。CPU12は、有効な位置センサ(エンコーダFE又はポテンショエータFP)により検出されるフォーカスレンズZLの位置がそのフォーカス指令信号により指定された目標位置となるようにアンプFAに出力する駆動信号によりモータFMを制御してフォーカスレンズFLの位置を制御する。尚、一般にマニュアルフォーカスではフォーカスデマンド26から与えられる目標位置に従ってフォーカスレンズFLの位置制御が行われるが、フォーカスデマンド26から目標の移動速度が与えられ、それに従ってフォーカスレンズFLの速度制御を行うことも可能である。
ズームデマンド28のマニュアル操作部材を操作した場合には、例えば、その操作部材の位置に対応したズームの目標の移動速度を指定するズーム指令信号がCPU12に与えられる。CPU12は、ズームレンズZLの移動速度がそのズーム指令信号により指定された目標の移動速度となるようにアンプZAに出力する駆動信号によりモータZMを制御してズームレンズZLの移動速度を制御する。尚、速度制御において、有効な位置センサ(エンコーダZE又はポテンショエータZP)から得られたズームレンズZLの位置の情報は端近傍での減速制御などに使用される。また、一般にズーム制御ではズームデマンド28から与えられる目標の移動速度に従ってズームレンズZLの速度制御が行われるが、ズームデマンド28から目標位置が与えられ、それに従ってズームレンズZLの位置制御を行うことも可能である。
また、CPU12は外部機器との通信制御も行っている。CPU12は、シリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)22を通じてカメラ本体30とシリアル通信を行い、又は、カメラ本体30とパラレル通信を行えるようになっており、例えば、CPU12からカメラ本体30には上記有効な位置センサによって検出したフォーカス位置やズーム位置等のレンズ情報が送信され、カメラ本体30からCPU12には絞りの目標位置を指定するアイリス指令信号等が与えられる。尚、CPU12は絞り位置(開閉度)がそのアイリス指令信号により指定された目標位置となるように絞りを制御する。
また、CPU12は、バーチャルスタジオ用機器が外部機器としてレンズ装置10にケーブル等を介して接続された場合、その機器とSCI24を通じてシリアル通信が行えるようになっている。その機器にはCPU12から例えば、有効な位置センサによって検出したフォーカス位置、ズーム位置、絞り位置等のレンズ情報が送信されるようになっている。
以上の如く構成されたレンズシステムにおいて相対型位置センサとして設けられた各エンコーダFE、ZEのカウンタ16の初期設定及び有効な位置センサの選択に関するCPU12の処理について図2のフローチャートを用いて説明する。CPU12は、電源が投入されるとまずフォーカスレンズFLとズームレンズFLの位置検出に対する有効な位置センサとしてポテンショメータFP、ZPを選択する(ステップS10)。
続いて、バーチャルスタジオ用シリアル通信が有効か否かを判定する(ステップS12)。バーチャルスタジオ用シリアル通信が有効か否かは、所定のコマンドをバーチャルスタジオ用シリアル通信を通じて送信し、その応答があるか否かで判定してもよいし、バーチャルスタジオ用シリアル通信を通じて何らかのコマンドが送信されてきたか否かで判定してもよい。この判定においてNOと判定した場合には、後述するステップS14〜ステップS22までのカウンタ16の初期設定に関する処理を行わずに、初期設定以外の処理を実行する(ステップS24)。初期設定以外の処理には、例えば、上記のようにフォーカスデマンド26やズームデマンド28からの指令信号に基づくフォーカス(フォーカスレンズFL)、ズーム(ズームレンズZL)の制御やカメラ本体30との通信制御などがある。また、バーチャルスタジオ用シリアル通信が有効な場合にはバーチャルスタジオ用の機器との通信制御も含まれる。ステップS12においてNOと判定した場合、有効な位置センサはポテンショメータFP、ZPであるため、ステップS24の初期設定以外の処理で必要なフォーカスレンズFLの位置やズームレンズZLの位置の情報は、有効な位置センサとして選択したポテンショメータFP、ZPから取得する。
このように、有効な位置センサとしてポテンショメータFP、ZPを選択した場合、カウンタ16の初期設定が実行されないため、即座に撮影を開始することができる。また、電源投入後にフォーカスデマンド26やズームデマンド28を操作しなければ前回使用時の状態で撮影を開始することができる。
一方、ステップS12においてYESと判定した場合には、フォーカスレンズFLやズームレンズZLの高精度な位置検出が要求され、それらの位置検出にエンコーダFE、ZEを使用する必要がある。そのため、CPU12はカウンタ16の初期設定の処理に移行する。そして、まず、初期設定完了フラグがオフか否かを判定する(ステップS14)。初期設定完了フラグはすでにカウンタ16の初期設定が行われているか否かを示すもので、NOと判定した場合には初期設定が既に行われているため以下のステップS16〜ステップS22の処理を行わずに初期設定以外の処理を実行する(ステップS24)。
ステップS14においてYESと判定した場合には、カウンタ16の初期設定動作を実行する(ステップS16)。カウンタ16の初期設定動作は、フォーカスレンズFLとズームレンズZLを所定の原点位置、例えば、フォーカスレンズFLは至近端、ズームレンズZLはワイド端に移動させる原点復帰動作である。そして、原点位置に到達した場合にはエンコーダFE、ZEに対するカウンタ16の各カウント値を0にリセットする。
CPU12はこのような初期設定が終了したことを確認すると(ステップS18)、有効な位置センサとしてエンコーダFE、ZEを選択する(ステップS20)。続いて、カウンタ16の初期設定が完了したことを示す初期設定完了フラグをオンにし(ステップS22)、カウンタ16の初期設定の処理を終了する。
以上のカウンタ16の初期設定の処理が終了すると、初期設定以外の処理を実行する(ステップS24)。このとき、有効な位置センサはエンコーダFE、ZE(及びカウンタ16)であるため、ステップS24の初期設定以外の処理で必要なフォーカスレンズFLの位置やズームレンズZLの位置の情報は、有効な位置センサとして選択した各エンコーダFE、ZEに対するカウンタ16のカウント値から取得する。
位置センサから得られるフォーカス位置やズーム位置の情報が必要な場合には、選択されている位置センサ、即ち、エンコーダのカウンタのカウント値を使用する。
これによれば、高精度な位置検出が要求されるバーチャルスタジオの用途としてレンズ装置を使用しない場合には有効な位置センサとしてポテンショメータFP、ZPが選択され、カウンタ16の初期設定が行われないため即座に撮影を開始することができ、高精度な位置検出が要求するバーチャルスタジオ用機器がバーチャルスタジオ用シリアル通信によりレンズ装置10に接続された場合にカウンタ16の初期設定が行われてエンコーダFE、ZEが有効な位置センサとして選択されるため、状況に応じて適切な位置センサが選択されるようになる。
以上の実施の形態では、バーチャルスタジオ用シリアル通信が有効になると、CPU12は初期設定実行の指示が与えられたとみなしてカウンタ16の初期設定を実行するようにしたが、初期設定実行の指示は以下に示すような方法によってCPU12に与えるようにしてもよい。
例えば、バーチャルスタジオ用機器以外にも所定の外部機器(カメラ本体30も含む)が通信などによってレンズ装置10に接続可能な場合に、所定の外部機器(例えば、高精度な位置検出を要求する機器)が有効に接続されたか否かをコマンドの有無等によってCPU12が判断して、有効に接続された場合にはカウンタ16の初期設定実行の指示が与えられたとみなして初期設定を実行するようにしてもよい。また、単に所定の外部機器が有効に接続されただけでなく所定のコマンドが与えられた場合に初期設定を実行するようにしてもよい。
また、他の態様としてフォーカスデマンド26によるフォーカス操作、ズームデマンド28によるズーム操作、又は、図示しないCCU(カメラコントロールユニット)でのアイリス操作等、電源投入後に操作者による所定の操作が行われたか否かを対応する信号やコマンド等からCPU12が判断し、所定の操作が行われた場合(例えば、アイリス指令信号に変化があった場合等)にカウンタ16の初期設定実行の指示が与えられたとみなして初期設定を実行するようにしてもよい。また、初期設定の実行を指示するスイッチ(初期設定スイッチ)をレンズ装置10、フォーカスデマンド26、ズームデマンド28、カメラ本体30等に設けて、その初期設定スイッチが操作者によってオンされた場合にカウンタ16の初期設定を実行するようにしてもよい。
尚、フォーカスデマンド26によるフォーカス操作、ズームデマンド28によるズーム操作を初期設定実行の指示とした場合、ポテンショメータFP、ZPを用いたフォーカス操作やズーム操作が行えなくなるため、エンコーダFE、ZEとポテンショメータFP、ZPのうちいずれの位置センサを有効にするかを選択するスイッチを設けてポテンショメータFP、ZPが有効な場合には、フォーカスデマンド26によるフォーカス操作、ズームデマンド28によるズーム操作があっても初期設定を実行しないようにしてもよい。また、有効にする位置センサを操作者が選択するスイッチはこのような場合に限らず有効である。さらにこのスイッチによって電源投入後に初めてエンコーダFE、ZEが有効な位置センサとして選択された場合に、初期設定を実行するようにしてもよい。
また、以上のような初期設定実行の指示の態様のうちいずれか1つを条件としてカウンタ16の初期設定を実行してもよいし、いずれか複数の態様を条件とし、いずれか一つの条件が満たされた場合、又は、全ての条件が満たされた場合にカウンタ16の初期設定を行うようにしてもよい。また、カウンタ16の初期設定を行った後は、エンコーダFE、ZEを有効な位置センサとするが必ずしも有効にする場合に限らない。
また、上記実施の形態では、フォーカスレンズFL、ズームレンズZLの各位置検出に対してエンコーダFE、ZEとポテンショメータFP、ZPの2つの位置センサを設けた場合について説明したが、必ずしもポテンショメータFP、ZPを設ける必要はない。この場合、カウンタ16の初期設定が行われるまでは、有効な位置センサはないが、その場合でもフォーカスレンズFLやズームレンズZLを動かすことなく電源投入時(前回使用時)の位置に停止させておくことにようにする。これによって、前回使用時の状態で迅速に撮影を開始することができるため効果的である。
また、上記実施の形態では、レンズ装置のフォーカスレンズ、ズームレンズの位置検出に相対型位置センサを用いる場合について説明したが、本発明は、フォーカスレンズ、ズームレンズ以外のレンズ群の位置検出に相対型位置センサを用いた場合にも適用できる。
10…レンズ装置、12…CPU、16…カウンタ、26…フォーカスデマンド、28…ズームデマンド、30…カメラ本体、FL…フォーカスレンズ(群)、ZL…ズームレンズ(群)、FA、ZA…アンプ、FM、ZM…モータ、FE、ZE…エンコーダ、FP、ZP…ポテンショメータ
Claims (5)
- 撮影レンズの可動のレンズ群を制御すると共に、該レンズ群の位置を検出する位置センサとして、相対型位置センサと、該相対型位置センサの出力に基づいて絶対的な位置の値を計測するカウンタとを備えたレンズ装置において、
電源投入後に初期設定実行の指示が与えられるまで、前記カウンタの初期設定動作を実行せず、前記初期設定実行の指示が与えられると、前記カウンタの初期設定動作を実行する初期設定手段を備えたことを特徴とするレンズ装置。 - 前記初期設定手段は、所定の操作が行われたこと、所定の機器が接続されたこと、シリアル通信が開始したこと、又は、シリアル通信の特定のコマンドを受信したことを検出した場合に初期設定実行の指示が与えられたと判断することを特徴とする請求項1のレンズ装置。
- 前記初期設定手段に初期設定実行の指示を与えるための専用のスイッチを備え、前記初期設定手段は前記スイッチがオンされた場合に前記カウンタの初期設定動作を実行することを特徴とする請求項1又は2のレンズ装置。
- 前記初期設定手段により前記カウンタの初期設定動作が実行されるまで、前記可動のレンズ群を停止させておくことを特徴とする請求項1のレンズ装置。
- 前記可動のレンズ群の位置を検出する位置センサとして絶対型位置センサを備え、前記初期設定手段により前記カウンタの初期設定動作が実行されるまで、絶対型位置センサを有効な位置センサとして前記可動のレンズ群を制御することを特徴とする請求項1のレンズ装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20061027 |
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Effective date: 20091210 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20100402 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |