JP2005283929A - パターン形成方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 露光状態を正確に把握しつつ基板の表面に所望するパターンを再現性よく安定的に形成し得る方法及び装置を提供すること。
【解決手段】 本発明によって少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料から成る基板(1)の表面を露光し、該材料の一部を変質又は除去することによって該基板(1)上に所定のパターンを形成する方法が提供される。この方法は、前記材料から成る基板(1)表面の所定部位を露光すると同時に及び/又は露光した後に、該露光部位に対応する基板(1)の裏面側の部位に赤外線を照射すること、前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定すること、および、該測定した赤外吸収データに基づいて前記基板(1)の露光状態を決定すること、を包含する。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明によって少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料から成る基板(1)の表面を露光し、該材料の一部を変質又は除去することによって該基板(1)上に所定のパターンを形成する方法が提供される。この方法は、前記材料から成る基板(1)表面の所定部位を露光すると同時に及び/又は露光した後に、該露光部位に対応する基板(1)の裏面側の部位に赤外線を照射すること、前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定すること、および、該測定した赤外吸収データに基づいて前記基板(1)の露光状態を決定すること、を包含する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、赤外吸収を示す材料から成る表面部を有する基板の該表面部を露光して所望のパターンを形成する方法及び装置に関し、詳しくは、該パターン形成方法において基板の露光状態を決定或いはモニターする技術に関する。
例えばDNAチップのような、基板上に特定の有機質材料(生体分子等)を所定のパターンで配列した材料、いわゆるバイオチップが病理診断等の用途に用いられている。そして、次世代病理診断デバイスとして期待されているバイオチップに対して、これまで以上の高集積化及び/又は小型化が求められている。
かかる要求を実現するためには、正確に制御されたナノレベル又はマイクロレベルのパターンを有機質材料から成る基板表面に形成することが必要である。従来、この目的のために、種々のフォトリソグラフィー技法が利用されている。
例えば、下記の特許文献1及び非特許文献1には、マイクロチップ等に使用する基板の表面に予め有機質材料から成る表面層(有機分子膜)を形成しておくとともに所定のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を通して真空紫外光を有機質材料に照射し、当該パターン形状に対応する露光部分の有機質材料(表面層)が除去されることによって所望するパターンを基板上に形成する方法が記載されている。
かかる要求を実現するためには、正確に制御されたナノレベル又はマイクロレベルのパターンを有機質材料から成る基板表面に形成することが必要である。従来、この目的のために、種々のフォトリソグラフィー技法が利用されている。
例えば、下記の特許文献1及び非特許文献1には、マイクロチップ等に使用する基板の表面に予め有機質材料から成る表面層(有機分子膜)を形成しておくとともに所定のパターンが形成されたマスク(フォトマスク)を通して真空紫外光を有機質材料に照射し、当該パターン形状に対応する露光部分の有機質材料(表面層)が除去されることによって所望するパターンを基板上に形成する方法が記載されている。
従来のフォトリソグラフィー技法に基づくパターン形成方法では、露光部分(有機質材料)の状態(即ち露光による有機質材料の変質や除去の進行具合)が正確に把握されておらず、露光パターン形成の再現性或いは安定性に改善の余地がある。このため、基板の露光状態を正しく決定(好ましくはモニター)することによって露光処理を制御し、基板上に所望する露光パターンを再現性よく安定的に形成し得る方法が望まれている。
本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、露光状態を正確に把握しつつ基板の表面に所望するパターンを再現性よく安定的に形成し得る方法を提供することを目的とする。また、その方法に好適に用いられる装置を提供することを目的とする。また、ここで開示された方法によってパターン形成されたバイオチップその他の構造物を提供することを他の目的とする。
本発明は、かかる従来の課題を解決すべく開発されたものであり、露光状態を正確に把握しつつ基板の表面に所望するパターンを再現性よく安定的に形成し得る方法を提供することを目的とする。また、その方法に好適に用いられる装置を提供することを目的とする。また、ここで開示された方法によってパターン形成されたバイオチップその他の構造物を提供することを他の目的とする。
本発明により提供される方法の一つは、少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)から成る基板の表面を露光し、該材料の一部を変質又は除去することによって該基板上に所定のパターンを形成する方法である。ここで開示される方法は、赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)から成る基板表面の所定部位を露光すると同時に及び/又は露光した後に、該露光部位に対応する基板裏面側の部位に露光光とは異なる赤外線を照射すること、前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定すること、および、該測定した赤外吸収データに基づいて前記基板(材料)の露光状態を決定することを包含する。
本明細書において「パターン」とは、露光(例えば真空紫外光の照射による。)によって、基板(被処理材)の表面に形成される任意の形態(形状及び/又は模様)の処理された部分をいう。ここで処理された部分とは露光されることによって露光前とは物理的及び/又は化学的に異なった部分をいう。例えば有機質材料から成る基板の表面の一部が真空紫外光照射によって変質した部分或いは除去された場合の該除去部分はここでいうパターンの典型例である。
また、本明細書において「基板」とは、少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料から成り(以下、赤外吸収を示す材料から成る表面部を「露光面」又は「露光部位」という場合がある。)、該表面に所望のパターンを形成する被処理材をいい、所定の材質や形状に限定されない。DNAチップ等のマイクロバイオチップを構成する薄板状或いはチップ状の基材は、ここでいう基板に包含される典型例である。
本明細書において「パターン」とは、露光(例えば真空紫外光の照射による。)によって、基板(被処理材)の表面に形成される任意の形態(形状及び/又は模様)の処理された部分をいう。ここで処理された部分とは露光されることによって露光前とは物理的及び/又は化学的に異なった部分をいう。例えば有機質材料から成る基板の表面の一部が真空紫外光照射によって変質した部分或いは除去された場合の該除去部分はここでいうパターンの典型例である。
また、本明細書において「基板」とは、少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料から成り(以下、赤外吸収を示す材料から成る表面部を「露光面」又は「露光部位」という場合がある。)、該表面に所望のパターンを形成する被処理材をいい、所定の材質や形状に限定されない。DNAチップ等のマイクロバイオチップを構成する薄板状或いはチップ状の基材は、ここでいう基板に包含される典型例である。
かかる構成の方法では、露光部位を構成する材料の質的或いは量的変化を赤外吸収の測定(即ち赤外分光法の適用)によって正しく把握することが容易となる。また、露光光の照射と赤外吸収の測定とを同時又は並行して行うことによって、露光状態(露光中の露光部位の質的又は量的変化の推移)をモニターすることができる。これにより、露光条件の制御或いは露光終期の判定が容易に行える。
そして、本方法では、赤外線を基板の裏面側に照射することを特徴とする。ここで開示される方法では、露光光(例えば真空紫外光)の光路と赤外線の光路とを基板を挟んでその両側に別々に設ける。これにより、露光システムの構築(即ち、露光光発生のための光源、光学系の選択やそれらの配置)及び露光処理の内容に影響を及ぼすことなく、或いは露光処理により制限を受けることなく赤外吸収測定系の構築・付加を行うことができる。
このため、本構成の方法によると、例えばフォトリソグラフィー技法の適用によって基板表面に所望するパターンを再現性よく安定的に形成することができる。
そして、本方法では、赤外線を基板の裏面側に照射することを特徴とする。ここで開示される方法では、露光光(例えば真空紫外光)の光路と赤外線の光路とを基板を挟んでその両側に別々に設ける。これにより、露光システムの構築(即ち、露光光発生のための光源、光学系の選択やそれらの配置)及び露光処理の内容に影響を及ぼすことなく、或いは露光処理により制限を受けることなく赤外吸収測定系の構築・付加を行うことができる。
このため、本構成の方法によると、例えばフォトリソグラフィー技法の適用によって基板表面に所望するパターンを再現性よく安定的に形成することができる。
ここで開示する方法では、前記基板として赤外線が透過可能な基材と該基材表面に形成された前記赤外吸収を示す材料から成る表面層とを有するものを使用することができる。本方法は、基材(支持材料)が赤外線を透過させる材料(例えばシリコンのような無機質材料)から成る場合でも露光部位の赤外吸収を正しく測定することができる。また、このような基板を用いると、いわゆる減衰全反射法(ATR法)等に基づく赤外吸収の測定を容易に行うことができる。
すなわち、本方法の好適な一態様は、前記照射された赤外線を基板裏面側で反射させ、該反射した赤外線を検出して前記赤外吸収の測定を行う方法である。この方法では、基板表面側で行われる露光処理に影響を及ぼすことなく別個独立に赤外吸収を測定することができる。
好ましくは、前記検出した赤外線のスペクトル分析を行い、所定の原子団による赤外吸収ピーク(即ち該原子団に固有の赤外吸収帯における赤外吸収強度)を測定する。これにより、露光面を構成する赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)の内容に応じて露光部位の状態及びその変化の推移をより正確に把握することができる。
好ましくは、前記検出した赤外線のスペクトル分析を行い、所定の原子団による赤外吸収ピーク(即ち該原子団に固有の赤外吸収帯における赤外吸収強度)を測定する。これにより、露光面を構成する赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)の内容に応じて露光部位の状態及びその変化の推移をより正確に把握することができる。
また、本方法の好適な一態様は、所定のパターンが形成されたマスクを通して該パターンに対応する前記基板表面の部位を露光し、該マスクに対応したパターンを形成するようなフォトリソグラフィーに基づく方法であるが、この態様において好ましくは、所定のパターンが形成されたマスクを通して該パターンに対応する前記基板表面の部位を露光するとともに前記基板表面の該パターン形成部位とは異なる部位を前記マスクを通して同様に露光し、該部位において測定した赤外吸収に基づいて前記パターンに対応する部位の露光状態を決定する。この方法では、実際にパターンを形成する部位とは異なる部位(即ち赤外吸収測定のための部位)において赤外吸収を測定することができる。これにより、パターン形成処理に影響を及ぼすことなく赤外線の入射及び/又は放射のための光路を構築することができる。
また、赤外吸収データに基づいて露光部位の露光状態を決定する好適な一態様は、赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)から成る表面の一部であって露光が行われない部位に対応する基板裏面側の所定の部位に対しても、露光部位に対応する基板裏面側の部位と同様に赤外線を照射し且つ該部位における赤外吸収を測定し、前記非露光部位に対応する赤外吸収測定結果と該露光部位に対応する赤外吸収測定結果とを比較して前記露光状態を決定する方法である。
このような方法によると、非露光部位に対応する赤外吸収測定結果を参照データとして利用し得るため、露光された部位の赤外吸収変化の度合いをより正確に判定することができる。このため、露光処理の制御をより精細に行うことができる。
このような方法によると、非露光部位に対応する赤外吸収測定結果を参照データとして利用し得るため、露光された部位の赤外吸収変化の度合いをより正確に判定することができる。このため、露光処理の制御をより精細に行うことができる。
本発明により提供されるパターン形成方法は、ここで開示される種々の装置を用いて好適に実施することができる。
本発明により提供される装置は、少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)から成る基板の表面を露光し、該材料の一部を変質又は除去することによって該基板上に所定のパターンを形成する装置である。このパターン形成装置を構成するための種々の装置や部材もまた開示される。
すなわち、本発明により提供されるパターン形成装置は、典型的には、前記基板を保持する保持装置と、その保持装置に保持された基板表面の所定部位に露光光を照射するための露光光照射装置と、前記露光部位に対応する基板裏面側の部位に赤外線を照射するための赤外線照射装置と、前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定するための赤外線分析装置とを備える。
この構成の装置によると、上述の本発明のパターン形成方法を好適に実施することができる。
本発明により提供される装置は、少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料(典型的には有機質材料)から成る基板の表面を露光し、該材料の一部を変質又は除去することによって該基板上に所定のパターンを形成する装置である。このパターン形成装置を構成するための種々の装置や部材もまた開示される。
すなわち、本発明により提供されるパターン形成装置は、典型的には、前記基板を保持する保持装置と、その保持装置に保持された基板表面の所定部位に露光光を照射するための露光光照射装置と、前記露光部位に対応する基板裏面側の部位に赤外線を照射するための赤外線照射装置と、前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定するための赤外線分析装置とを備える。
この構成の装置によると、上述の本発明のパターン形成方法を好適に実施することができる。
好ましくは、保持装置に保持された状態の基板の裏面側に赤外線を誘導する入射光路を備える。これにより、基板裏面側の所定位置に赤外線を正確に導くことができる。
また、好ましくは、前記赤外線が照射された部位から反射した赤外線を誘導する光路であって前記赤外線照射装置に連通する反射光路を備える。これにより、基板表面側で行われる露光処理に影響を及ぼすことなく別個独立に赤外線の検出及び赤外吸収の測定を行うことができる。
また、前記保持装置に保持された状態の基板裏面側に近接した位置に、単反射又は多重反射可能なプリズムを備えることが特に好ましく、例えばATR法に基づく赤外吸収の測定を容易に行うことができる。
また、好ましくは、前記赤外線が照射された部位から反射した赤外線を誘導する光路であって前記赤外線照射装置に連通する反射光路を備える。これにより、基板表面側で行われる露光処理に影響を及ぼすことなく別個独立に赤外線の検出及び赤外吸収の測定を行うことができる。
また、前記保持装置に保持された状態の基板裏面側に近接した位置に、単反射又は多重反射可能なプリズムを備えることが特に好ましく、例えばATR法に基づく赤外吸収の測定を容易に行うことができる。
また、本発明はここで開示される装置及び/又は方法によって作製されたパターニングを有する構造物を提供する。本発明によると、例えばフォトマスクを用いたフォトリソグラフィー技法により、表面に所望するパターンが形成された基板その他の構造物(例えばDNAチップ、タンパク質チップその他のバイオチップ)を再現性よく安定的に製造することができる。従って、本発明は他の側面として、かかる構造物の製造方法であってここで開示されるパターン形成方法を包含することを特徴とする方法を提供する。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項(例えばパターン形成装置の構成)以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
本発明のパターン形成方法に用いられる被処理材(基材)としては、露光光例えば真空紫外光の照射によって種々の性状のパターンが形成され得る露光面を有するものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、真空紫外光照射によって酸化され、除去(蒸発)可能な脂肪族系又は芳香族系高分子化合物から成る表面層(例えばラングミュア−ブロジェット法等に基づいて形成された単分子膜又は累積膜)を有するバイオチップ等を構成する基板が好適に使用され得る。特に前記表面層が付与される基材部分が赤外線透過可能な材質(シリコン、ガラス、ABS、PMMA等の赤外線透過樹脂、等)から成るものが好ましい。或いは、ポリオレフィン等のポリマーから成る薄膜状又は種々の形状に成形された基板、或いは焼成によって無機固体(例えば酸化物セラミックス)を形成する有機前駆体(プレセラミックポリマー)の成形体は、本発明の方法に用いられる基板(被処理材)の好適例である。
ここで開示されるパターン形成方法は、好ましくは、露光光(例えば真空紫外光)を発生させる光源、該光源に連なる光学系、及び所定のパターン形成手段を備える露光光照射装置と、基板を保持する保持装置と、前記露光部位に対応する基板裏面側の部位に赤外線を照射するための赤外線照射装置と、前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定するための赤外線分析装置とを備える装置により行われる。
ここで開示されるパターン形成方法に使用される光源は、露光面を構成する赤外吸収を示す材料(例えば種々の特性吸収帯に対応する原子団を有する有機質材料)を露光により変質又は除去し得るエネルギーを付与し得るものであれば特に制限なく用いることができる。例えば、パターン形成手段がフォトリソグラフィー技法を利用するものであれば高いエネルギーを有する紫外光、特に真空紫外光(典型的には波長200nm以下)を発生させる光源が好ましい。この種の光源の好適例としては、重水素ランプ、キセノンランプその他のエキシマランプ等のランプ類、或いはKrFレーザー、ArFレーザー、F2レーザー等のエキシマレーザー類が挙げられる。
光学系は、真空紫外光の減光(減衰)を抑止しつつ集光し得る構成であればよく、使用する光源のタイプおよび真空紫外光の波形や出力に応じて該光学系を構築するために種々の光学素子(レンズ、ミラー、プリズム、波長板、フィルター等)を使用することができる。光学系の構成及び構築方法自体は、従来の真空紫外光照射装置と同様でよく、特に本発明を特徴付けるものではないため詳細な説明は省略する。
露光光として真空紫外光を採用する場合には、好ましくは、光学系(即ち真空紫外光の光路)を真空もしくは不活性雰囲気(実質的に酸素を含まないガス雰囲気、例えば窒素ガス若しくはAr、Heのような希ガス)中に構成するとよい。これにより露光光の減衰を抑止することができる。
光学系は、真空紫外光の減光(減衰)を抑止しつつ集光し得る構成であればよく、使用する光源のタイプおよび真空紫外光の波形や出力に応じて該光学系を構築するために種々の光学素子(レンズ、ミラー、プリズム、波長板、フィルター等)を使用することができる。光学系の構成及び構築方法自体は、従来の真空紫外光照射装置と同様でよく、特に本発明を特徴付けるものではないため詳細な説明は省略する。
露光光として真空紫外光を採用する場合には、好ましくは、光学系(即ち真空紫外光の光路)を真空もしくは不活性雰囲気(実質的に酸素を含まないガス雰囲気、例えば窒素ガス若しくはAr、Heのような希ガス)中に構成するとよい。これにより露光光の減衰を抑止することができる。
パターン形成手段としては従来公知の種々の手段が用いられ得る。例えば、光源がレーザーである場合は、種々の走査手段(レーザー描画装置、XY軸又はXYZ軸ステージ等)を用いることができる。典型的には、レーザープロッター等によって所定のパターンが描画されたフォトマスク(レチクル)を適当な光源(例えばエキシマランプ)とともに使用する。これにより、従来の半導体素子製造に利用されるリソグラフィー技法を適用して所望のパターンを基板上に形成することができる。
ここで開示されるパターン形成方法に使用される赤外線照射装置としては、保持装置(例えば種々の形態のステージ装置)に保持される基板の裏面側に所望する波長域の赤外線を照射し得るものであればよく、基板の形状、露光対象の材料及び/又は赤外線光路設計に応じて種々の光源(連続光源、パルス光源)及び光学系(ミラー、レンズ、プリズム等)を採用することができる。例えば、有機質材料の分子振動に対応する波長域:2〜25μmの赤外線を発生させ得る光源を好適に利用することができる。例えば、炭化ケイ素(SiC)から成るフィラメントを有する赤外線ランプを光源として用いることができる。或いは、基板の有機質材料の性質に応じて特定の波長もしくは比較的狭い波長域の赤外線を放射する光源(例えば波長3〜5μmで発振する半導体レーザー)を適用してもよい。
また、赤外吸収を測定するための赤外線分析装置としては、赤外吸収の解析に従来用いられている種々の機構の赤外線分析装置を用いることができる。例えば、検出した赤外線を分光分析することにより求めた赤外吸収スペクトルから所定の分子結合(例えばC−H結合)による赤外吸収ピークを得るための装置、例えばフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)に基づき赤外線を分光・解析する赤外分光計(FT−IR装置)を好適に使用することができる。或いは、回折格子を用いた赤外分光計を用いてもよい。赤外吸収の測定方法は、いわゆる透過測定法、反射測定法(例えば全反射測定法、正反射測定法)、拡散反射測定法、等のいずれであってもよいが、露光光の干渉や露光光に及ぼす影響を排除し且つ露光光が伝達される光路に影響を及ぼすことなく容易に赤外線光路を構築し得るという観点から、反射測定法の採用が好ましい(後述する実施例参照)。
また、赤外吸収を測定するための赤外線分析装置としては、赤外吸収の解析に従来用いられている種々の機構の赤外線分析装置を用いることができる。例えば、検出した赤外線を分光分析することにより求めた赤外吸収スペクトルから所定の分子結合(例えばC−H結合)による赤外吸収ピークを得るための装置、例えばフーリエ変換赤外分光法(FT−IR)に基づき赤外線を分光・解析する赤外分光計(FT−IR装置)を好適に使用することができる。或いは、回折格子を用いた赤外分光計を用いてもよい。赤外吸収の測定方法は、いわゆる透過測定法、反射測定法(例えば全反射測定法、正反射測定法)、拡散反射測定法、等のいずれであってもよいが、露光光の干渉や露光光に及ぼす影響を排除し且つ露光光が伝達される光路に影響を及ぼすことなく容易に赤外線光路を構築し得るという観点から、反射測定法の採用が好ましい(後述する実施例参照)。
測定する赤外吸収の内容は、使用する光源又は基板の種類やパターン形成の目的に応じて異なるものであり特に制限はない。典型例として、赤外線吸収スペクトルを測定し、所定の波長域(波数域)の赤外吸収データを求めることが挙げられる。例えば、有機物質の主要な赤外吸収帯域である波長域:2.5〜20μm(波数域:500〜4000cm−1)全域のスペクトル計測を行い、当該波長域の赤外吸収データを求めて、被処理材たる基板の露光状態、即ち基板の被露光面(有機質材料)の露光による除去(蒸発)の程度を決定することができる。有機質材料が露光により除去されれば赤外吸収の強度がそれだけ低下するからである。或いは、使用する基板の内容によっては特定の波長域(波数域)に存在する赤外吸収強度のみを測定してもよい。例えば、C−H結合に特有な吸収帯である波長域:3〜4μm(波数域:2800〜3000cm−1)の吸収強度を単独で測定(或いはモニター)してもよい。
好ましくは、露光状態の決定は、上述のようにして得た赤外吸収データを、参照データ即ち露光処理を開始する前の露光部位における同条件の赤外吸収データと比較したうえで露光状態を決定するとよい。かかる参照データ(換言すれば基準データ)は、パターン形成方法を実施する前に予め測定していてもよいし、或いは、露光部位における赤外吸収の測定と同時に非露光部位における同条件の赤外吸収測定を行い、かかる測定結果を参照データとしてもよい。かかる参照データの利用により、より正確に露光面の露光状態を決定或いはモニタリングすることができる。
なお、参照データと露光部位における測定データとの比較・解析は、赤外線吸収スペクトル解析等に使用される従来の制御装置例えばフーリエ変換赤外分光計(fourier transform infrared spectrometer:FT−IR)が搭載する制御装置によって容易に行うことができる。
好ましくは、露光状態の決定は、上述のようにして得た赤外吸収データを、参照データ即ち露光処理を開始する前の露光部位における同条件の赤外吸収データと比較したうえで露光状態を決定するとよい。かかる参照データ(換言すれば基準データ)は、パターン形成方法を実施する前に予め測定していてもよいし、或いは、露光部位における赤外吸収の測定と同時に非露光部位における同条件の赤外吸収測定を行い、かかる測定結果を参照データとしてもよい。かかる参照データの利用により、より正確に露光面の露光状態を決定或いはモニタリングすることができる。
なお、参照データと露光部位における測定データとの比較・解析は、赤外線吸収スペクトル解析等に使用される従来の制御装置例えばフーリエ変換赤外分光計(fourier transform infrared spectrometer:FT−IR)が搭載する制御装置によって容易に行うことができる。
保持装置としては基板(被処理材)が保持し得る保持機構を備え、基板裏面側から赤外線を照射し得る構造であればよく、その機構及び形状に特に制限はない。基板が薄板状、チップ状等である場合、半導体デバイス製造分野においてフォトリソグラフィー技法によって半導体ウェハやレチクルの処理を行う際に使用されるような従来のステージ装置を好適に使用することができる。
また、目的に応じて上述した構成以外の装置、機構を備えてもよい。例えば、露光光として真空紫外光を採用する場合、ステージその他の保持装置に保持された基板表面の少なくとも露光部位の周囲に、真空紫外光によって活性化され得る分子(典型的には酸素)を含むガスを積極的に供給する機構(送風装置、吸引装置等)を設けてもよい。或いは、基板を所定の温度に制御するための加熱装置及び/又は冷却装置を設けてもよい。また、露光光或いは赤外線を伝達するための光学系(及び好ましくは光源)を真空若しくは実質的に無酸素環境下におくことが好ましい。
次に、ここで開示されるパターン形成装置の好適例を図面を参照しつつ説明する。なお、図1は本実施例に係る装置10の構成を模式的に示す説明図である。図2はその要部拡大図である。
この装置10は、大まかにいって、露光光照射装置12と、チャンバー14と、マスク20と、保持装置(ステージ)30と、赤外線照射装置40と、赤外線分析装置50とから構成されている。またこれら装置12,50と電気的に接続された制御装置(コンピュータ)60を備えている。
この装置10は、大まかにいって、露光光照射装置12と、チャンバー14と、マスク20と、保持装置(ステージ)30と、赤外線照射装置40と、赤外線分析装置50とから構成されている。またこれら装置12,50と電気的に接続された制御装置(コンピュータ)60を備えている。
露光光照射装置12は、光源として主波長172nmのキセノンエキシマランプ(図示せず)を備えている。この照射装置12は、チャンバー14と連結しており、真空紫外光放射窓(例えばフッ化カルシウム製)13を介してチャンバー14の内部空間14Aに真空紫外光が放射される。この内部空間14Aは外部から遮断されており、減圧状態(好ましくは100Pa以下)であるとともに窒素ガスでガス置換され実質的に酸素を含まない空間となっている。これにより、エキシマランプより発生しチャンバー14の内部空間14Aに入射した真空紫外光の光エネルギーの減衰を抑止することができる。なお、露光光照射装置12およびチャンバー14内には真空紫外光を整形及び集光する種々の光学素子(レンズ、ミラー等)を適宜配置することができる。
チャンバー14の下端部には開口部が設けられており、フォトマスク20が組み込まれている。図2及び図3に模式的に示すように、このフォトマスク20は、真空紫外光が透過可能な基材(例えばフッ化カルシウム製マスクブランク)21とその一方の表面に形成された真空紫外光が透過し得ない遮光膜(クロム層)22とから構成されている。かかる遮光膜22の形成部分と非形成部分とにより所定のパターンが形成される。図3に示すように、本実施例では1枚の薄板状基板(ウェハ)1上に所定のパターンが碁盤の目状に規則的に配列して形成されている。このようなフォトマスク20を利用することによって、1枚の薄板状基板1から所定のパターンを有するチップを多数作製することができる。かかる構成により、チャンバー14の内部空間14Aを伝達してきた真空紫外光は、フォトマスクの基材部分(即ち遮光膜の形成されていない部分)を透過し、フォトマスク20の下方に配置された基板1の表面部を当該マスク20に形成されたパターン通りに露光することができる。フォトマスク20の一部には、パターンが形成されていない部位24(即ち遮光膜22のない部位)が設けられている。この部位が本実施例に係る赤外吸収測定部位24に相当する。詳細は後述する。
なお、フォトマスク20の製造それ自体は従来公知の方法によればよく本発明を特徴付けるものではないため詳細な説明は省略する。
なお、フォトマスク20の製造それ自体は従来公知の方法によればよく本発明を特徴付けるものではないため詳細な説明は省略する。
図1に示すように、フォトマスク20を備えたチャンバー14の下には保持装置30が配置されている。この保持装置30は、半導体ウェハのリソグラフィー加工、電子線描画装置等に使用されるものと同様の機構のステージ装置(XYZステージ:以下単にステージという。)であり、XY軸方向(水平方向)及びZ軸方向(垂直方向)にnmスケール(例えば移動精度±10nm)で微動可能なコンピュータ(CPU)制御駆動機構(典型的にはモータ)を備える。これにより、フォトマスク20の下方の所望する位置に基板1を正確に配置することが可能であり、基板1上の所定位置を正しく露光し、パターンを形成することができる。なお、ステージ30のコンピュータ制御駆動機構自体は従来技術の転用でよく、本発明をなんら特徴付けるものではないため詳細な説明は省略する。
図1に示すように、このステージ30には、基板1を配置する部分の一部に開口部31が設けられている。これにより、ステージ上の所定位置に配置した基板1の裏面側にステージ30の下方から赤外線を照射することができる。
すなわち、ステージ30の下方には赤外線照射装置40が装備されている。この装置40は、少なくとも波長1〜5μmの赤外線を放射する光源と、該放射された赤外線を基板裏面側の所定の部位に集光・照射するための光学系(レンズ、絞り、ミラー等)とを備えており、ステージ開口部31を経て基板1の裏面側における前記赤外吸収測定部位24に対応する部位に赤外線を照射し得るように構成されている。なお、赤外線照射装置40に装備される光源や光学系を構成する光学素子の類は、従来の赤外線照射装置と同様でよく、詳細な説明は省略する。
すなわち、ステージ30の下方には赤外線照射装置40が装備されている。この装置40は、少なくとも波長1〜5μmの赤外線を放射する光源と、該放射された赤外線を基板裏面側の所定の部位に集光・照射するための光学系(レンズ、絞り、ミラー等)とを備えており、ステージ開口部31を経て基板1の裏面側における前記赤外吸収測定部位24に対応する部位に赤外線を照射し得るように構成されている。なお、赤外線照射装置40に装備される光源や光学系を構成する光学素子の類は、従来の赤外線照射装置と同様でよく、詳細な説明は省略する。
さらにステージ30の下方には、前記赤外吸収測定部位24に対応する部位で反射した赤外線を入射・検出する赤外線分析装置50が装備されている。この装置50は赤外線を入射するレンズ、ミラー等の光学系と入射した赤外線の波長毎の強度を検出する分光器と該検出データをAD変換するAD変換器とを備えている。さらに赤外線分析装置50は、制御装置60と接続されており、AD変換された赤外線測定データ信号は該制御装置60に入力される。制御装置60では、入力した赤外線測定データ信号をフーリエ変換処理し、各波長の吸光度や赤外線吸収スペクトルを算出する。或いは、別途入力された参照(標準)データと測定データとを比較してその差スペクトルを算出することができる。制御装置60は、露光光照射装置とも電気的に接続されており、露光光(ここでは真空紫外光)の放射を制御することができる。
以上のように赤外線の照射及び分析を基板1の裏面側において行うことによって、フォトマスク20による赤外線の吸収や遮断を回避することができる。また、フォトマスク20の存在や真空紫外光の光路に影響されることなく赤外線の光路を構築することができる。また、露光面及びその周辺における意図しない赤外吸収(例えば露光面周辺に存在する大気や露光によって蒸発した有機分子による吸収)による影響(ノイズ)を回避することができる。
以上のように赤外線の照射及び分析を基板1の裏面側において行うことによって、フォトマスク20による赤外線の吸収や遮断を回避することができる。また、フォトマスク20の存在や真空紫外光の光路に影響されることなく赤外線の光路を構築することができる。また、露光面及びその周辺における意図しない赤外吸収(例えば露光面周辺に存在する大気や露光によって蒸発した有機分子による吸収)による影響(ノイズ)を回避することができる。
次に、本実施例に係るパターン形成装置10の好適な使用態様を説明する。ここでは、基板(被処理材)1としてシリコン製の基材2上に、真空紫外光によって分解され得る高分子化合物の一つであるオクタデシルトリメトキシシラン(ODS)の単分子膜3を熱CVD法により製膜したものを使用した(図2)。シリコンは赤外線を透過する材料として好適である。
図3に示すフォトマスク20をチャンバー14にセットし、同時にステージ30の所定位置に前記基板1をセットし、露光光照射装置12を作動させてフォトマスク20越しに基板1の露光を開始する。このとき、チャンバー内部空間14A(光路)は窒素ガスで置換するとともに約10Paまで減圧する。また、フォトマスク20と基板1との間の空間は、通常の大気条件下とする。これにより、真空紫外光の光エネルギーによる直接的な有機質材料(ODS)の分解に加え、真空紫外光によって励起されて生じた原子状酸素等のラジカルによって単分子膜3を構成する有機質材料(ODS)を酸化し、H2O、CO2等に変えて基板1上から除去することを促進し、効率よく露光処理即ちパターニング形成を行うことができる。本実施例のような有機質材料の除去(又は変質)によるパターン形成を行うことによって、基板上に微小な生体分子を多数配列させるための微細なパターンを必要とするDNAチップその他のバイオチップ製品(即ち生化学分野等で使用され得る高機能微小製品)を好適に製造することができる。
一方、図2及び図3に示すように、赤外線照射装置40を作動し、開口部31を介して基板1の裏面側(ここでは前記赤外吸収測定部位24に対応する部位)に赤外線を照射する(図中の矢印参照)。具体的には、図2に模式的に示すように、赤外線照射装置40から放射された赤外線は、ステージ開口部31を通り、基板1の底面部に到達し、所定の屈折率でシリコン製基材2内に入射する。シリコン製基材2を透過した赤外線は、基材2表面に存在するODS膜3に到達する。このときの入射角θが測定(赤外照射)対象物の全反射角以上になるように赤外線を入射させることが好ましい。このことにより、減衰全反射法(ATR法)等に基づいて正確な赤外吸収分析を行うことができる。
そして、ODS膜3とシリコン2との実質的な境界面において所定の波長域での吸収を伴いつつ反射され(厳密には僅かにODS膜3側にもぐり込んでから全反射する。)、シリコン基材2を透過してステージ開口部31を経て赤外線分析装置(分光器)50に入射され、種々の赤外吸収測定を行うことができる。例えば、参考として図7に示すように、チャンバー内部空間14Aの圧力を10Paとし、エキシマランプと基板1の表面との距離を1〜2cm、及びフォトマスク20下端と基板1の表面との距離を1μm未満とした場合の真空紫外光照射によって5〜10分程度でODS膜が分解・消失し得ることが、所定の原子団(例えばCH2、CH3)に特定の波長域(例えば波長域:3〜4μm、即ち波数域:2800〜3000cm−1)における赤外線吸収スペクトル解析に基づいて容易に判別することができる。
本装置10では、上述の赤外線吸収スペクトル解析のような赤外吸収測定を行うことにより、露光の進行程度或いは露光終期を決定することができる。そして、得られた赤外吸収データに基づいて真空紫外光照射のオンオフ制御、或いは露光光の強度の調整等を行うことができる。
そして、ODS膜3とシリコン2との実質的な境界面において所定の波長域での吸収を伴いつつ反射され(厳密には僅かにODS膜3側にもぐり込んでから全反射する。)、シリコン基材2を透過してステージ開口部31を経て赤外線分析装置(分光器)50に入射され、種々の赤外吸収測定を行うことができる。例えば、参考として図7に示すように、チャンバー内部空間14Aの圧力を10Paとし、エキシマランプと基板1の表面との距離を1〜2cm、及びフォトマスク20下端と基板1の表面との距離を1μm未満とした場合の真空紫外光照射によって5〜10分程度でODS膜が分解・消失し得ることが、所定の原子団(例えばCH2、CH3)に特定の波長域(例えば波長域:3〜4μm、即ち波数域:2800〜3000cm−1)における赤外線吸収スペクトル解析に基づいて容易に判別することができる。
本装置10では、上述の赤外線吸収スペクトル解析のような赤外吸収測定を行うことにより、露光の進行程度或いは露光終期を決定することができる。そして、得られた赤外吸収データに基づいて真空紫外光照射のオンオフ制御、或いは露光光の強度の調整等を行うことができる。
以上、本発明のパターン形成方法及び該方法の実施に使用される装置の一実施例を説明したが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、赤外吸収データの測定(入手)手法やそのデータに基づく解析手法は、従来の赤外線分光技法で行われている種々の手法・アプローチをそのまま又は改変を加えて適用することができる。
例えば前記実施例では、フォトマスク20の一部に赤外吸収測定用の露光部位(赤外吸収測定部位24)を設けているが、それに加えて例えば図4に示すように、フォトマスク20の他の一部に真空紫外光(露光光)を完全に遮光する部位(赤外吸収参照部位26)を設け、該部位に対応する基板裏面側の部位においても同様に赤外線照射及び反射してきた赤外線を検出し、赤外吸収スペクトルを解析してもよい。そして、該部位の解析結果を参照データとして露光部位の検出(測定)データと比較することにより、露光処理の進行に伴う露光部位におけるODS膜3の分解状況を正確に把握することができる。
また、本実施例のようにスペクトル測定をするだけでなく、短波長或いは複数の波長での赤外吸収をモニターしてもよい。また、フォトマスクに赤外吸収測定専用の露光部位を設けることなく、使用するフォトマスク20の露光部位と遮光部位との面積比から、所望する露光終期(終点)における赤外線吸収率変化分を予め予測しておき、基板の赤外線照射部位における赤外吸収測定データと該予測した赤外線吸収率変化分との比較により、露光終期を判定(決定)してもよい。
例えば前記実施例では、フォトマスク20の一部に赤外吸収測定用の露光部位(赤外吸収測定部位24)を設けているが、それに加えて例えば図4に示すように、フォトマスク20の他の一部に真空紫外光(露光光)を完全に遮光する部位(赤外吸収参照部位26)を設け、該部位に対応する基板裏面側の部位においても同様に赤外線照射及び反射してきた赤外線を検出し、赤外吸収スペクトルを解析してもよい。そして、該部位の解析結果を参照データとして露光部位の検出(測定)データと比較することにより、露光処理の進行に伴う露光部位におけるODS膜3の分解状況を正確に把握することができる。
また、本実施例のようにスペクトル測定をするだけでなく、短波長或いは複数の波長での赤外吸収をモニターしてもよい。また、フォトマスクに赤外吸収測定専用の露光部位を設けることなく、使用するフォトマスク20の露光部位と遮光部位との面積比から、所望する露光終期(終点)における赤外線吸収率変化分を予め予測しておき、基板の赤外線照射部位における赤外吸収測定データと該予測した赤外線吸収率変化分との比較により、露光終期を判定(決定)してもよい。
また、赤外線吸収測定を前記実施例のように減衰全反射法(ATR法)に基づいて行う場合、図5に示すように、基板1の裏面側の所定位置まで赤外線を誘導する入射光路33即ち導波路をステージ(保持装置)30の一部に設け、その端に所定の角度で赤外線を屈折して基板1の裏面側に赤外線を向けさせるプリズム(好ましくはカップリングプリズム)35を設けてもよい。この場合、図示するように、基板1の有機質材料部分(ここではODS膜)3で反射した赤外線が再びプリズム35に入射し屈折して外部に放射されるように構成するとともに、該放射した赤外線を外部(具体的にはFT−IR等の赤外線分析装置)に誘導する光路(反射光路)34即ち導波路を設けることが特に好ましい。このような構成によると、より効率よく赤外線を基板裏面側に導入しそこから導出することができる。
また、使用するプリズムは単反射のものに限定されない。例えば、従来のATR法等でよく使用されているような図6に模式的に示す多重反射可能なプリズム38を用いてもよい。このような多重反射を行うことにより、より高感度に赤外吸収を測定することができる。
また、使用するプリズムは単反射のものに限定されない。例えば、従来のATR法等でよく使用されているような図6に模式的に示す多重反射可能なプリズム38を用いてもよい。このような多重反射を行うことにより、より高感度に赤外吸収を測定することができる。
以上、本発明の好適な実施態様を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した態様を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1…基板
2…シリコン製基材
3…単分子(ODS)膜
10…パターン形成装置
12…露光光照射装置
14…チャンバー
20…フォトマスク
24…赤外吸収測定部位
26…赤外吸収参照部位
30…保持装置(ステージ)
40…赤外線照射装置
50…赤外線分析装置
60…制御装置(コンピュータ)
2…シリコン製基材
3…単分子(ODS)膜
10…パターン形成装置
12…露光光照射装置
14…チャンバー
20…フォトマスク
24…赤外吸収測定部位
26…赤外吸収参照部位
30…保持装置(ステージ)
40…赤外線照射装置
50…赤外線分析装置
60…制御装置(コンピュータ)
Claims (10)
- 少なくとも表面の一部が赤外吸収を示す材料から成る基板の表面を露光し、該材料の一部を変質又は除去することによって該基板上に所定のパターンを形成する方法であって:
前記材料から成る基板表面の所定部位を露光すると同時に及び/又は露光した後に、該露光部位に対応する基板裏面側の部位に赤外線を照射すること;
前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定すること;および
該測定した赤外吸収データに基づいて前記基板の露光状態を決定すること;
を包含するパターン形成方法。 - 前記基板は、赤外線が透過可能な基材と該基材表面に形成された前記材料から成る表面層とを有する、請求項1に記載の方法。
- 前記照射された赤外線を基板裏面側で反射させ、該反射した赤外線を検出して前記赤外吸収の測定を行う、請求項2に記載の方法。
- 前記検出した赤外線のスペクトル分析を行い、所定の原子団による赤外吸収ピークを測定する、請求項3に記載の方法。
- 所定のパターンが形成されたマスクを通して該パターンに対応する前記基板表面の部位を露光するとともに前記基板表面の該パターン形成部位とは異なる部位を前記マスクを通して同様に露光し、該部位において測定した赤外吸収に基づいて前記パターンに対応する部位の露光状態を決定する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記有機質材料から成る表面の一部であって前記露光が行われない部位に対応する基板裏面側の所定の部位に対しても、前記露光部位に対応する基板裏面側の部位と同様に赤外線を照射し且つ該部位における赤外吸収を測定し、
前記非露光部位に対応する赤外吸収測定結果と該露光部位に対応する赤外吸収測定結果とを比較して前記露光状態を決定する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。 - 少なくとも表面の一部が有機質材料から成る基板の表面を露光し、該有機質材料の一部を変質又は除去することによって該基板上に所定のパターンを形成する装置であって、
前記基板を保持する保持装置と、
その保持装置に保持された基板表面の所定部位に露光光を照射するための露光光照射装置と、
前記露光部位に対応する基板裏面側の部位に赤外線を照射するための赤外線照射装置と、
前記赤外線が照射された部位における赤外吸収を測定するための赤外線分析装置と、
を備えるパターン形成装置。 - 該保持装置に保持された状態の基板の裏面側に赤外線を誘導する入射光路を備える、請求項7に記載の装置。
- 前記赤外線が照射された部位から反射した赤外線を誘導する光路であって前記赤外線照射装置に連通する反射光路を備える、請求項8に記載の装置。
- 前記保持装置に保持された状態の基板裏面側に近接した位置に、単反射又は多重反射可能なプリズムを備える、請求項7〜9のいずれかに記載の装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004097066A JP2005283929A (ja) | 2004-03-29 | 2004-03-29 | パターン形成方法及び装置 |
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Cited By (1)
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JP2019506625A (ja) * | 2016-02-01 | 2019-03-07 | ジャイスワル スプリヤ | ゲノム配列決定及び他の適用における極端紫外放射線 |
-
2004
- 2004-03-29 JP JP2004097066A patent/JP2005283929A/ja not_active Withdrawn
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JP2022119765A (ja) * | 2016-02-01 | 2022-08-17 | ジャイスワル スプリヤ | ゲノム配列決定及び他の適用における極端紫外放射線 |
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