JP2005283520A - 変位測定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 半導体レーザを用いる周波数変調型ヘテロダイン干渉方式によって可動部の変位を測定するように構成された変位測定装置において、干渉計を少なくとも2段にわたって設置するようにしたので、測定可能な変位ストロークの延長、応答特性、測定精度、分解能の向上を図ることが可能になった。
又、第1段の干渉計の位相差が第2段の干渉計の位相差より大きいもの。
又、干渉後のビート波を参照信号として用いるもの。
【選択図】 図1
Description
)は次の式(I)によって表される。
T=2π/ωS ―――(I)
但し、
ωS :鋸歯状波の角周波数
を透過してアナライザ115に到達する。
ωb=(ωS×β/c)×Im×L1 ―――(II)
但し、
ωS :鋸歯状波の角周波数
β :電流変調効率
c :光速度
Im :鋸歯状波電流の変調振幅
L1 :光路差
φ=2π×L1/λ―――(III)
ΔL=ΔL1/2―――(IV)
すなわち、上記特許文献1、特許文献2におけるLD変調方式の変位測定装置の場合には、式(II)に示すように、被測定対象物までの変位の大きさにより、干渉によるビート信号の角周波数(ωb)が大きく変化するため、バンドパスフィルター(以下、BPFという)の帯域制限によるストローク(測定可能変位範囲)に制限があるという問題があった。
又、応答速度の制限、測定精度や分解能の制限があるという問題もあった。
又、請求項2による変位測定装置は、請求項1記載の変位測定装置において、 干渉計を2段にわたって設置し、第1段目干渉計の位相差が第2段目干渉計の位相差より大きいことを特徴とするものである。
又、請求項3による変位測定装置は、半導体レーザを用いる周波数変調型ヘテロダイン干渉方式によって可動部の変位を測定するように構成された変位測定装置において、干渉後のビート波を参照信号として用いることを特徴とするものである。
又、請求項4による変位測定装置は、請求項1又は請求項2記載の変位測定装置において、第1段目干渉計による干渉ビート波を参照信号として用いることを特徴とするものである。
又、干渉計を2段にわたって設置し、第1段目干渉計の位相差を第2段目干渉計の位相差より大きくした場合には、ビート信号の角周波数(ωb)は殆ど変動しなくなり、それによって、従来懸念されていたストローク制限の問題は効果的に解消される。
又、干渉後のビート波を参照信号として用いるようにした場合には、光源部における外乱の影響をなくして、測定精度や分解能の向上を図ることができる。
を透過してビームスプリッタ(以下、BSと称す)15に到達する。
ここまでの構成は、図2に示した従来例の構成と略同じであるが、従来例では可動鏡119としていたのに対して、本実施の形態では固定鏡19としている点が異なる。
又、信号発生器1、半導体レーザ用ドライバ3、LD5、コリメータレンズ7までの構成が「光源部」に相当する構成であり、又、PBS9、1/4波長板11、固定鏡13、1/4波長板17、固定鏡19までの構成が「第1段目干渉計」に相当する構成である。
ωb=(ωS×β/c)×Im×(L1+L2)―――(V)
φ=2π×(L1+L2)/λ―――(VI)
尚、可動鏡31の変位量(ΔL)は、次の式(VII)に示すように、光路差の変化量(ΔL2)の1/2である。
ΔL=ΔL2/2―――(VII)
この部分が「ビート信号検出部」となる。
まず、変位測定可能な変位ストロークを長くすることが可能になった。すなわち、従来のLD周波数変調型の変位測定装置の場合には、変位測定可能なストローク長には限界があった。それは式(II)に示されるように、従来のLD周波数変調型では変位量の2倍である光路差(L1)が変化すると、ビート信号の角周波数(ωb)もそれに比例して変化し、よって、変位測定可能なストローク範囲を拡大しようとすれば周波数帯域が広がってしまい、結局、信号処理においてBPFによって信号減衰が生じてしまうためである。
これに対して、本実施の形態の場合には、第1段目干渉計、第2段目干渉計と干渉計を2段にわたって設置しているので、そのような変位ストロークの制限を改善することができる。すなわち、干渉計を2段にわたって設置した場合のビート信号の角周波数(ωb)は式(V)に示されているように、測定したい変位量と比例関係にある光路差(L2)以外の別変数である光路差(L1)との和になっている。よって、光路差(L2)の変動に対してビート信号の角周波数(ωb)の変動はより少なくなり、特に、光路差(L1)を光路差(L2)より十分大きくすればビート信号の角周波数(ωb)は殆ど変動しなくなる。それによって、従来懸念されていたストローク制限は解消されることになる。
又、第1段目干渉計の光路差(L1)を十分長くした場合、外乱ノイズに対して弱くなることが懸念されるが、本実施の形態の場合には、干渉計が2段にわたって設置されていて、第1段目干渉計は固定光路であり、よって、そのような外乱に対する対策は容易である。具体的には、空気中ではなくて光導波路を使用して光路差を設けるように構成することが一案として考えられる。
又、本実施の形態の場合には応答特性の向上を図ることができるようになった。応答速度は式(V)に示されるビート信号の角周波数(ωb)が高ければより早くなる。そして、式(V)から明らかなように、LD電流変調の鋸歯状波の周波数(ωS)、LD電流振幅(Im)又は光路差(L1+L2)の何れかを大きくすればビート信号の角周波数(ωb)が増加し、高い応答速度が得られる。しかしながら、LD電流変調の鋸歯状波周波数(ωS)やLD電流振幅(Im)を大きくすることについては半導体レーザ素子の制限がある。つまり、LD電流変調の鋸歯状波周波数(ωS)やLD電流振幅(Im)をあまり大きくすると非線形性を生じて変位測定精度が低下してしまう。
これに対して、この実施の形態の場合には、式(V)において光路差(L2)と独立に光路差(L1)を設定することができ、この光路差(L1)を長くすることによって、ビート信号の角周波数(ωb)を上げることができ、それによって、応答速度の向上を図ることができるものである。
又、測定精度、分解能の向上を図ることができる。すなわち、図2に示した従来例の場合には、参照信号を信号発生器101のモニター電気信号より取り込み、それとビート干渉信号とを比較演算している。しかしながら、LD及び光学系は温度変化、空気密度変化、熱膨張、電磁ノイズ、機械振動等の外乱の影響を受け、そのような外乱の影響を受けたビート干渉信号と信号発生器101から出力される安定した(外乱の影響を受けていない)参照電気信号とを比較しても精度上限界があった。
これに対して、本実施の形態では、第1段目干渉計による干渉後のビート波を参照信号として使用するようにしているので、光源部での外乱の影響は参照信号である上記ビート波にも反映されており、それによって、従来懸念されていた測定精度の劣化についてはこれを解消することができるものである。
又、ビート参照信号検出部を第1段目干渉計の後に設置することにより、第1段目干渉計の光路差(L1)が長くなって外乱の影響を受け易くなっても、参照信号はその後で検出しているのでその外乱も反映されることになる。
尚、ビート参照信号検出部と変位検出用の干渉計とはその光路がより近いことが望ましく、具体的には、BS15とPBS27が近いことが望ましい。止む終えず光路を伸ばすときは、PBS9とBS15の間を伸ばす方が良い。
例えば、前記一実施の形態の場合には、干渉計を二段にわたって設置したが、三段以上にわたって設置することも考えられる。
3 半導体レーザドライバ
5 半導体レーザ(LD)
7 コリメータレンズ
9 偏光ビームスプリッタ(PBS)
11 1/4波長板
13 固定鏡
15 ビームスプリッタ(BS)
17 1/4波長板
19 固定鏡
21 アナライザ
23 コリメータレンズ
25 フォトダイオード
27 偏光ビームスプリッタ(PBS)
29 1/4波長板
31 可動鏡
33 アナライザ
35 コリメータ
37 フォトダイオード
39 信号処理回路
41 変位検出・演算回路
Claims (4)
- 半導体レーザを用いる周波数変調型ヘテロダイン干渉方式によって可動部の変位を測定するように構成された変位測定装置において、
干渉計を少なくとも2段にわたって設置するようにしたことを特徴とする変位測定装置。 - 請求項1記載の変位測定装置において、
干渉計を2段にわたって設置し、第1段目干渉計の位相差が第2段目干渉計の位相差より大きいことを特徴とする変位測定装置。 - 半導体レーザを用いる周波数変調型ヘテロダイン干渉方式によって可動部の変位を測定するように構成された変位測定装置において、
干渉後のビート波を参照信号として用いることを特徴とする変位測定装置。 - 請求項1又は請求項2記載の変位測定装置において、
第1段目干渉計による干渉ビート波を参照信号として用いることを特徴とする変位測定装置。
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