JP2005282541A - ガス圧縮装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトな構成にて十分な圧縮能力が得られ、内部スペースが限られた各種の機器の内部冷却のために好便に使用し得るガス圧縮装置を提供する。
【解決手段】 加振板1の内部に、厚さ方向に略一定のギャップを有し、入側連通孔11及び出側連通孔12により外部に連通された面状の封止空間10を形成する。この加振板1の一側に、一面に当接する加振子20を備える加振手段2を、また他側に、一面に当接する吸振子30を備える吸振手段3を配し、加振手段2の動作により加振子20を介して加振板1に振動を加え、これにより発生する進行波を、進行方向下流側に当接する吸振子30を介して吸振手段3により吸収して、入側連通孔11から封止空間10内に導入されるガスを圧縮し、出側連通孔12を経て外部に送り出す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、各種の電子機器の内部冷却用の冷媒ガスの圧縮に利用されるガス圧縮装置に関する。
例えば、情報処理速度の向上に伴って内部機器の発熱量が増大する一方、モバイル機器としての使い勝手を高めるべく小型化が図られている近年のノートパソコンにおいては、筐体内部の冷却をコンパクトな構成にて有効に行わせるための冷却手段の実現が切望されており、同様の冷却手段は、限られたスペース内に大なる発熱が生じる他の機器の内部冷却用としても実現が切望されている。
さて、大なる冷却能力を有する冷却手段として、冷媒の循環路の中途に放熱及び吸熱用の熱交換器を設けてなる熱搬送回路又は冷凍回路があるが、このような熱搬送回路又は冷凍回路を構成する場合、冷媒ガスを圧縮するためのガス圧縮装置が不可欠であり、前述した機器の内部冷却への適用においては、コンパクトな構成にて十分な圧縮能力を有するガス圧縮装置を実現する必要がある。
ガス圧縮装置のコンパクト化においては、圧縮のための駆動手段として一般的に用いられているモータを排除することが有効である。モータを用いることなく流体を輸送する装置は、従来から種々提案されており、そのうちの一つに、超音波振動子を駆動手段として備える流体輸送装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特許第2565148号公報
ところが、特許文献1に開示された流体輸送装置は、定量の液体を送り出すことを目的としたポンプ装置であり、熱搬送回路又は冷凍回路中の冷媒ガスの圧縮装置としての適用は難しく、また円管状をなす管路内を流れる液体を対象としており、ノートパソコン等の電子機器の筐体内での使用に適したものではない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトな構成にて十分な圧縮能力が得られ、内部スペースが限られた各種の機器の内部冷却のために好便に使用し得るガス圧縮装置を提供することを目的とする。
本発明の第1発明に係るガス圧縮装置は、厚さ方向に略一定のギャップを有して形成された面状の封止空間を内部に備える加振板と、前記封止空間の一側及び他側を外部に連通する連通孔と、前記加振板の一面又は両面に前記封止空間の一側近傍にて当接する加振子を有し、該加振子の作用により前記封止空間の他側に向かう進行波を発生させる加振手段とを備え、前記封止空間内に封入されたガスを前記進行波の作用により前記一側から他側に向けて高圧となるように圧縮する構成としてあることを特徴とする。
本発明においては、加振手段の動作により加振子を介して加振板に振動を加え、加振板の内部に設けた封止空間内に加振子の当接側から他側に向かう進行波を生ぜしめ、この進行波の作用により前記封止空間内に封入されたガスを圧縮する。加振子は、加振板の一面又は両面に設けることができ、圧縮されるガスは、封止空間の一側に設けた連通孔を経て外部から導入し、他側に設けた連通孔を経て外部に送り出し、送出先における圧力源として利用する。導入側においては、真空源として利用することもできる。
また第2発明に係るガス圧縮装置は、前記他側の連通孔が、前記進行波の作用により前記封止空間内を流れるガスに絞り抵抗を加えて外部に送出するように構成してあることを特徴とする。
この発明においては、進行波の作用により封止空間内を流れるガスに進行側の連通孔により絞り抵抗を加えて、封止空間の内部に高圧を発生させる。絞り抵抗の付加は、同側の連通孔の断面積を封止空間の断面積よりも十分に小さくすることにより実現される。
また第3発明に係るガス圧縮装置は、前記加振子の当接位置が、前記封止空間の一側端部から前記進行波の波長に関連する所定長離して設定してあることを特徴とする。
この発明においては、ガスの導入側となる封止空間の一側端部から加振子の当接位置までの長さを適正化することにより、この間に定在波を発生させ、進行波の作用によりガスを圧縮する際のエネルギロスを低減して圧縮能力を高める。前記長さは、進行波の1/4波長の整数倍とすればよい。
また第4発明に係るガス圧縮装置は、前記加振手段が、前記加振子と、該加振子に超音波振動を伝える振動素子とを備えることを特徴とする。
この発明においては、加振子に超音波振動を与え、該加振子が当接する薄肉の加振板に固有振動に応じた大振幅の進行波を生ぜしめ、封止空間内に封入されたガスを高効率にて圧縮する。
また第5発明に係るガス圧縮装置は、前記加振手段が、前記進行波の進行方向に複数並設してあることを特徴とする。
この発明においては、進行波の進行方向に複数の加振手段を並べ、夫々の加振手段の相乗作用により進行波を増幅し、十分なガス圧縮を行わせて圧縮能力を高める。複数の加振手段には、夫々の離隔長に対応する位相差を有して加振を行わせて、各加振手段から発生される進行波の相殺を防止する。
また第6発明に係るガス圧縮装置は、前記加振板の一面又は両面に前記封止空間の他側近傍にて当接する吸振子を有し、該吸振子の作用により前記進行波を吸収する吸振手段を備えることを特徴とする。
この発明においては、加振手段の動作により加振子を介して加振板に振動を加え、加振板の内部に設けた封止空間内に加振子の当接側から他側に向かう進行波を生ぜしめると共に、この進行波を他側の近傍にて加振板に当接する吸振子の振動として吸収して、封止空間の他側端部からの反射を軽減し、この反射波の作用による進行波の相殺をなくして高効率でのガス圧縮を可能とする。
また第7発明に係るガス圧縮装置は、前記吸振子の当接位置が、前記加振子の当接位置及び前記封止空間の他側端部から前記進行波の波長に関連する所定長離して設定してあることを特徴とする。
この発明においては、加振子の当接位置から吸振子の当接位置までの長さを適正化することにより、進行波が最大振幅となる位置にて吸振子による吸振を有効に行わせ、反射波の軽減効果を高め、また封止空間の他側端部から吸振子の当接位置までの長さを適正化することにより、この間に定在波を発生させてエネルギロスを低減する。加振子と吸振子との間の離隔長さは、進行波の半波長の整数倍とすればよく、吸振子と他側端部との離隔長さは、加振子の場合と同様、進行波の1/4波長の整数倍とすればよい。
また第8発明に係るガス圧縮装置は、前記吸振手段が、前記吸振子と、該吸振子に伝わる振動を他のエネルギに変換するエネルギ変換手段とを備えることを特徴とする。
この発明においては、吸振子の振動をエネルギ変換手段に伝え、電気エネルギ、熱エネルギ等の他のエネルギに変換して消費する。
また第9発明に係るガス圧縮装置は、前記エネルギ変換手段が、電気エネルギへの変換が可能に構成してあり、変換により得られた電気エネルギを前記加振手段の駆動に用いてあることを特徴とする。
この発明においては、吸振子の振動を電気エネルギに変換する場合、得られた電気エネルギを加振手段に与え、加振子を振動させるための加振手段の駆動に用いて消費エネルギの低減を図る。
また第10発明に係るガス圧縮装置は、前記加振板の一面又は両面に、前記加振子の当接部の両側に位置し、前記進行波の進行方向に延設された凹溝を備えることを特徴とする。
この発明においては、加振子の当接位置の両側に設けた凹溝が、加振板に発生する進行波が外側に拡がることを防止して、加振板の内部の封止空間内に集中させる作用をなし、該封止空間内でのガス圧縮を高効率にて行わせる。
更に第11発明に係るガス圧縮装置は、平板の内部に形成された熱搬送回路又は冷凍回路の中途に前記連通孔を接続し、前記熱搬送回路又は冷凍回路中の圧縮装置として組み込んであることを特徴とする。
この発明においては、面状をなす封止空間の両側の連通孔を平板の内部に形成された熱搬送回路冷凍回路の中途に接続し、加振板を前記平板の一部に組み込んで、全体として板状をなす冷却装置を構成する。
第1発明に係るガス圧縮装置においては、加振板と、これの一面又は両面に加振力を加える加振手段とを備えるから、コンパクトな板状の構成によりガス圧縮を行わせることができ、搭載スペースが限られる各種機器の内部への搭載が可能となる。
また第2発明に係るガス圧縮装置においては、封止空間内にて進行波の作用下にて流れるガスに出側の連通孔による絞り抵抗が付加されるから、封止空間内に十分に高い圧力を発生させることができる。
また第3発明に係るガス圧縮装置においては、ガスの導入側となる封止空間の一側端部から加振子の当接位置までの長さを進行波の波長に関連する所定値に定め、この長さ範囲内に定在波を発生させる構成としたから、進行波の作用によりガスを圧縮する際のエネルギロスが低減され、封止空間内に封入されたガスの圧縮能力を高めることができる。
また第4発明に係るガス圧縮装置においては、振動素子により加振子に超音波振動を与える構成としたから、薄肉の加振板に固有振動数に応じた大振幅の進行波が生じ、封止空間内に封入されたガスをの圧縮能力を一層高めることができる。
また第5発明に係るガス圧縮装置においては、進行波の進行方向に複数の加振手段を並べたから、これらの相乗作用により進行波が増幅されて高い圧縮能力が得られるようになる。
また第6発明に係るガス圧縮装置においては、封止空間の他側において加振板に吸振子を当接させ、進行波を吸収する構成としたから、封止空間の他側端部にて生じる進行波の反射が軽減されて進行波が相殺される虞れがなく、封止空間内に封入されたガスを一層高効率にて圧縮することが可能となる。
また第7発明に係るガス圧縮装置においては、吸振子の当接位置を、加振子の当接位置及び封止空間の他側端部に対して進行波の波長に関連して定めたから、吸振子による吸振を良好に行わせ、また進行波の作用によりガスを圧縮する際のエネルギロスを低減することができ、封止空間内に封入されたガスの圧縮能力を一層高めることができる。
また第8発明に係るガス圧縮装置においては、吸振子により吸収された振動をエネルギ変換手段によりエネルギ変換して消費するから、確実な吸振作用を行わせることが可能となる。
また第9発明に係るガス圧縮装置においては、エネルギ変換手段により電気エネルギへの変換を行わせ、加振手段の駆動に再利用したから、装置全体の消費エネルギを低減することができる。
また第10発明に係るガス圧縮装置においては、加振板の一面又は両面に加振子の当接部の両側にて進行波の進行方向に延びる凹溝を設けたから、加振板に発生する進行波が凹溝の間に集中して進行し、加振板の内部の封止空間内でのガス圧縮を高効率にて行わせることができる。
更に第11発明に係るガス圧縮装置においては、平板の内部に形成された冷凍回路の中途に組み込んだから、全体として板状をなす冷却装置をコンパクトに構成することができ、内部スペースが限られる各種の機器の冷却用として好便に使用することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るガス圧縮装置の第1の実施の形態を示す斜視図、図2は、図1のII−II線による縦断面図である。これらの図に示すガス圧縮装置は、矩形平板状をなす加振板1と、該加振板1の一面側に所定長離隔して並設された加振手段2及び吸振手段3とを備えている。
加振板1の内部には、4方の周縁を適幅余して面内に拡がる矩形面状の封止空間10が、厚さ方向に略一定のギャップδを有して形成されており、該封止空間10の長手方向の一側は、加振板1の同側端面に開口する入側連通孔11により外部に連通され、同じく他側は、加振板1の同側端面に開口し、封止空間10よりも小さい断面積を有する出側連通孔12により外部に連通されている。このような加振板1は、例えば、封止空間10に相当する矩形の凹部を一面に有する2枚の平板を、凹部の形成面が対向するように気密に貼り合わせて構成することができる。
加振手段2は、加振板1の一面に当接する加振子20と、該加振子20に振動を加える振動素子21とを備えている。加振子20は、鋭角の頂辺を有する三角形断面の棒体であり、前記入側連通孔11が設けられた封止空間10の一側端辺の近傍に、該端辺に沿って前記頂辺を当接させてある。
振動素子21は、ピエゾ素子、磁歪素子等、電圧の印加に応じて体積を変える性質を有する圧電素子を用いて構成することができる。図示の振動素子21は、円板形をなすピエゾ素子22の両面を、同形の弾性板23,23により挾持した構造を有するランジュ板型振動素子であり、正弦波電圧発生器24が発生し、増幅器25により増幅された駆動電圧の印加により、1/2波長の縦波の定在波を安定して発生し得るように構成されている。
このような振動素子21は、一側の弾性板23の外面を加振子20の底面の長手方向の略中央に被着し、前述の如く発生する縦波振動波を加振子20の全体に伝播すべく取り付けられている。前述の如く三角形状を有する加振子20は、振動素子21から伝えられる縦波振動波を頂辺に向けて収束し、増幅させる縦波ホーンとしての作用をなすものであり、このように増幅された振動波は、加振子20の頂辺が当接する加振板1の当接部に伝えられ.該加振板1には、図1及び図2中に白抜矢符にて示す如く、他側に向けて進行する進行波(横波)が発生する。
なお、以上の如く加振板1に発生する進行波の振幅は、加振子20及び振動素子21を備える加振手段2を、加振板1の固有振動数に対応する周波数の振動を発生するように構成することにより大きくすることができる。前記固有振動数は、厚さ、大きさ、材料を含む加振板1の仕様に応じて定まる値であるが、図示の如き薄肉の平板を加振板1として用いる場合、超音波域の振動を発生する加振手段2を用いることにより大振幅の進行波を発生させることが可能となる。
また加振板1及び加振子20の材料は、振動素子21からの振動の伝播により弾性変形が可能な弾性材料であり、加振に耐え得る強度を有する材料であればよく、アルミ合金等の金属材料製とするのが望ましい。
吸振手段3は、加振板1の一面に当接する吸振子30と、該吸振子30から伝えられる振動を他のエネルギに変換するエネルギ変換素子31とを備えている。吸振子30は、加振手段2の加振子20と同様の三角形断面の棒体であり、前記出側連通孔12が設けられた封止空間10の他側端辺の近傍に、該端辺に沿って前記頂辺を当接させてある。
エネルギ変換素子31は、加振手段2の振動素子21と同様、ピエゾ素子32の両面を、同形の弾性板33,33により挾持した構造を有するランジュ板型振動素子を用いて構成されており、外力の作用により電圧を発生するピエゾ素子32の性質を利用し、この発生電圧をLR回路34に印加し、抵抗発熱による熱エネルギに変換して放出するようになしてある。
なお、LR回路34に代えて充電回路及び充電器を備え、吸振子30から伝えられる振動エネルギをピエゾ素子32により電気エネルギに変換し、充電器に充電する構成とすることも可能である。この電気エネルギは、加振手段2の駆動のために用いることができ、これにより消費エネルギの削減を図ることができる。
エネルギ変換素子31は、一側の弾性板33の外面を吸振子30の底面の長手方向の略中央に被着して、加振板1に前述の如く発生する進行波の作用により吸振子30を介して伝播される振動のエネルギを吸収すべく取り付けてある。なお、このような振動エネルギの吸収を有効に行わせるには、吸振子30の当接位置を、吸収対象となる進行波の振幅が最大となる位置に設定するのが有効である。このことは、吸振子30の当接位置と進行波の発生源となる加振手段2の加振子20の当接位置との間の離隔長を、進行波の波長に関連して定まる所定長、即ち、図2に示す如く、進行波の半波長(=λ/2)の整数(=N1 )倍とすることにより達成される。
また加振板1には、加振手段2の加振子20及び吸振手段3の吸振子30の当接部の両側に夫々位置し、前記進行波の進行方向に沿って加振板1の全長に亘って延設された凹溝13,13が形成されている。これらの凹溝13,13は、加振子20の作用により加振板1に発生する進行波が、加振子20の両端部から外側に拡がることを防止し、吸振子30に向けて集中して進行するようにガイドするガイド手段としての作用をなす。なお前記凹溝13,13は、加振板1の両面に形成してもよく、また、凹溝13,13の延設長さは、必ずしも加振板1の全長に亘る必要はない。
図3は、以上の如く構成されたガス圧縮装置の種々の使用形態を示す説明図である。本図に示す如くガス圧縮装置は、封止空間10の一側の入側連通孔11にガス導入管路4を、他側の連通孔12にガス導出管路5を夫々接続し、加振板1に前述の如く発生する進行波を、ガス導入管路4から入側連通孔11を経て封止空間10に導入されるガスに作用させ、出側連通孔12を経てガス導出管路5内に送り出すべく使用される。
図3(a)においては、ガス導入管路4及びガス導出管路5の中途に絞り40,50が夫々設けられている。この構成においては、封止空間10内に封止されたガスは、出側連通孔12の絞り抵抗と共に、ガス導出管路5に設けられた絞り50の絞り抵抗に抗する圧力を発生すべく圧縮され、該絞り50の上流側に高圧を取り出すことができる。一方ガス導入管路4の内部には、絞り40の上流側に、該絞り40の絞り抵抗に応じた低圧が発生し、この低圧を取り出すことも可能となる。なお、絞り40,50のいずれか一方のみを備える形態での使用も可能であり、また、前記絞り40,50を可変絞りとし、取り出される高圧及び低圧の圧力調整を行える構成とすることも可能である。
図3(b)においては、ガス導入管路4及びガス導出管路5の中途に逆止弁41,51が夫々設けられている。この構成においては、逆止弁41,51が絞りとしての作用をなし、図3(a)と同様の高圧及び低圧の取り出しが可能となる上、封止空間10の内部には、ガス導入管路4からの流入及びガス導出管路5への流出のみが可能となり、逆流の発生による効率低下を防ぎ、高効率でのガス圧縮を行わせることができる。
図3(c)においては、ガス導入管路4及びガス導出管路5が、大なる内容積を有する低圧溜まり42及び高圧溜まり52に夫々接続されている。この構成においては、低圧溜まり42の内部のガスがガス導入管路4を経て封止空間10に導入され、進行波の作用によりガス導出管路5に導出されて高圧溜まり52の内部に押し込められる結果、低圧溜まり42の内部に所定の低圧が、また高圧溜まり52の内部に所定の高圧が発生することとなり、夫々の用途に使用することができる。
図3(d)においては、低圧溜まり42の上流側に絞りを備える絞り管路43が連設され高圧溜まり52の下流側に絞りを備える絞り管路53を連設されている。この構成によれば、低圧溜まり42及び高圧溜まり52が脈動成分を抑えるアキュムレータとしての作用をなし、安定した圧力の取り出しが可能となる。
以上の如く使用される本発明に係るガス圧縮装置において、加振手段2の加振子20の当接位置に発生する進行波は、吸振手段3の吸振子30の当接位置において吸収され、加振子20と吸振子30との間に集中して発生するから、この進行波の作用による封止空間10内でのガス圧縮は安定して行われ、高効率でのガス圧縮を行わせることができる。また本発明に係るガス圧縮装置は、封止空間10を内部に備える加振板1の一面に、加振手段2及び吸振手段3を備えるコンパクトな構成を有しており、各種の電子機器等、搭載スペースが限られる機器への搭載が可能となり、広範な用途において用いることができる。
なお、加振子20の当接位置にて加振板1に発生する進行波は、吸振子30の当接側だけでなく逆側にも戻るように進行し、この戻り進行波が、封止空間10内でのガス圧縮を妨害するという問題がある。この問題は、加振子20の当接位置を、戻り進行波が進行する側である入側連通孔11の側の封止空間10の端部から進行波の波長に関連する所定長離して設定することにより解消される。
前記所定長は、図2に示す如く、進行波の1/4波長(=λ/4)の整数(=N2 )倍であり、このようにした場合、前記戻り進行波は、封止空間10の端部での反射波との干渉により、該端部と加振子20の当接位置との間にて一定の波形を保つ定在波となり、封止空間10内部のガスに何らの作用も及ぼさず、前述したガス圧縮をエネルギロスなく行わせることができる。
また、吸振子30の当接位置において吸振手段3により吸振し得なかった進行波は、封止空間10の同側端部、即ち、出側連通孔12の側の端部にまで達し、該端部にて反射されて逆側に戻り、この戻り進行波がガス圧縮を同様に妨害するという問題もあるが、この問題も同様に、吸振子30の当接位置と出側連通孔12の側の封止空間10の端部との間の離隔長を、進行波の波長に関連する所定長に設定することにより解消される。
この所定長は、図2に示す如く、進行波の1/4波長(=λ/4)の整数(=N3 )倍であり、このようにした場合、前記戻り進行波は、同側端部に向かう進行波との干渉により、該端部と吸振子30の当接位置との間にて一定の波形を保つ定在波となり、封止空間10内部のガスに何らの作用も及ぼさず、進行波の作用による前述したガス圧縮をエネルギロスなく行わせることができる。
図4は、本発明に係るガス圧縮装置の第2の実施の形態を示す縦断面図であり、この実施の形態においては、封止空間10を内部に備える加振板1の一面に、入側連通孔11側の端部近傍に位置して加振手段2のみが備えられている。他の部分の構成は、第1の実施の形態と同じであり、対応する構成部分に図1及び図2と同一の参照符号を付して説明を省略する。
この構成においても、加振手段2の加振子20を介して加えられる振動により、加振板1に白抜矢符にて示す向きの進行波が発生し、この進行波の作用により封止空間10内部のガスを圧縮して出側連通孔12を介して外部に送り出すことができる。但し、吸振手段3を備える第1の実施の形態と比較した場合、出側連通孔12の側の封止空間10の端縁からの反射波が大きく、この反射波の作用によるガス圧縮の阻害により、ある程度の効率の低下は避けられない。
図5は、本発明に係るガス圧縮装置の第3の実施の形態を示す縦断面図であり、この実施の形態においては、封止空間10を内部に備える加振板1の両面に加振手段2及び吸振手段3が夫々備えられ、両面において前述した加振及び吸振が行えるようにしてある。他の部分の構成は、第1の実施の形態と同じであり、対応する構成部分に図1及び図2と同一の参照符号を付して説明を省略する。
この構成においては、両面における加振及び吸振により加振板1に白抜矢符にて示す向きの進行波が発生し、この進行波の作用により封止空間10内部のガスを圧縮して出側連通孔12を介して外部に送り出すことができる。この実施の形態においては、加振板1の両面での加振及び吸振がなされる結果、進行波のエネルギを大きくすることができ、封止空間10内でのガス圧縮をより強力に行わせることができる。
図6は、本発明に係るガス圧縮装置の第4の実施の形態を示す縦断面図であり、この実施の形態においては、封止空間10を内部に備える加振板1の一面に複数の加振手段2,2…と、単一の吸振手段3とが並設され、各加振手段2による加振板1の加振を、吸振手段3により吸振する構成となっている。他の部分の構成は、各加振手段2の構成を含めて第1の実施の形態と同じであり、対応する構成部分に図1及び図2と同一の参照符号を付して説明を省略する。
この構成においては、加振手段2,2…及び吸振手段3の夫々の位置について前述した設定が行われることが望ましく、また、夫々の加振手段2,2…の振動素子21,21…による発振を夫々の離隔長に対応する位相差を有して行わせ、各加振手段2,2…から発生される進行波の相殺を防止するようにするのが望ましい。
この構成においても、複数の加振手段2,2…による加振及び吸振手段3による吸振により、加振板1に白抜矢符にて示す向きの進行波が発生し、この進行波の作用により封止空間10内部のガスを圧縮して出側連通孔12を介して外部に送り出すことができる。このとき、複数の加振手段2,2…による加振により前記進行波が増幅される結果、該進行波のエネルギを大きくすることができ、封止空間10内でのガス圧縮をより強力に行わせることができる。なお、この実施の形態と第3の実施の形態を組み合わせ、加振板1の両面に複数の加振手段2,2…を配することにより、一層強力な圧縮を実現することもできる。
図7は、本発明に係るガス圧縮装置の第5の実施の形態を示す斜視図、図8は、本発明に係るガス圧縮装置の第6の実施の形態を示す斜視図である。
図7に示すガス圧縮装置は、内部に面状の封止空間10を備える円板形の加振板1と、該加振板1の一面側に配された加振手段2とを備えている。加振手段2は、円錐形をなす加振子20と、該加振子20の底面に振動を加える振動素子21とを備え、振動素子21の発振を加振子20の頂点が当接する加振子20の中心に伝え、図中に白抜矢符にて示す如く、径方向外向きの進行波を発生すべくなしてある。
封止空間10には、加振板1の他面側から中心部に連通する入側連通孔11と、加振板1の外周面から周方向の一か所に連通する出側連通孔12とが設けてあり、入側連通孔11を経て封止空間10に導入されるガスを、前述の如く発生する進行波の作用により径方向外向きに送りつつ圧縮し、出側連通孔12を経て外部に送り出すことができる。
図8に示すガス圧縮装置は、薄肉の円筒形に成形された加振板1の内部に円柱形の心材14を同軸的に配し、該心材14との間に封止空間10を形成してある。加振手段2及び吸振手段3は、共にリング状をなして構成され、円筒形をなす加振板1に外嵌され、軸長方向に所定長離して位置決めされている。
この構成においては、加振手段2により加振板1に加振力を加えることにより、図中に白抜矢符にて示す如く、軸長方向に進行する進行波が発生し、この進行波が吸振手段3により吸収される結果、封止空間10内に封入されたガスは、加振手段2の配設位置と吸振手段3の配設位置との間にて前記進行波の作用により送りを加えられて圧縮される。
図9及び図10は、本発明に係るガス圧縮装置の適用例を示す斜視図である。図9においては、平板状をなす基板7の内部に冷媒通路70を形成し、該冷媒通路70の中途に放熱交換器71及び吸熱交換器72を並設してなる熱搬送回路において、基板7の一部に設けた切欠き部に加振板1を嵌め込んで一体化させ、該加振板1の内部の封止空間10を冷媒通路70の中途に組み込んだ構成となっている。
これにより、加振手段2から吸振手段3に向かう進行波の作用により封止空間10の内部において圧縮される冷媒ガスは、図中に矢符により示す如く、冷媒通路70の内部を放熱交換器71から吸熱交換器72への順に循環し、放熱交換器71における放熱と吸熱交換器72における吸熱とを行わせることができる。
図10においては、平板状をなす基板8の内部に冷媒通路80を形成し、該冷媒通路80の中途に、逆止弁81、高圧ガス溜まり82、放熱交換器83、キャピラリ84、吸熱交換器85及び低圧ガス溜まり86を、この順に並設してなる冷凍回路において、基板8の一部に設けた切欠き部に加振板1を嵌め込んで一体化させ、該加振板1の内部の封止空間10を、低圧ガス溜まり86と逆止弁81との間にて冷媒通路80の中途に組み込んだ構成となっている。
これにより、封止空間10内の冷媒ガスは、加振手段2から吸振手段3に向かう進行波の作用により封止空間10の内部において圧縮されて冷媒通路80内に送り出され、図中に矢符により示す如く、逆止弁81、高圧ガス溜まり82、放熱交換器83、キャピラリ84、冷凍交換器85及び低圧ガス溜まり86の順に循環することとなり、この循環の間の相変化を伴って冷凍交換器85における冷凍作用を行わせることができる。
以上の如く本発明に係るガス圧縮装置は、平板状をなす基板7,8の内部に形成された熱搬送回路又は冷凍回路の中途に圧縮手段(コンプレッサ)として組み込むことにより、全体として平板状をなす冷却装置を構成することができる。このような冷却装置は、ノートパソコン等、大なる発熱を生じると共に内部スペースが限られる電子機器用の冷却装置として好便に用いることができる。
本発明に係るガス圧縮装置の第1の実施の形態を示す斜視図である。 図1のII−II線による縦断面図である。 ガス圧縮装置の種々の使用形態を示す説明図である。 本発明に係るガス圧縮装置の第2の実施の形態を示す縦断面図である。 本発明に係るガス圧縮装置の第3の実施の形態を示す縦断面図である。 本発明に係るガス圧縮装置の第4の実施の形態を示す縦断面図である。 本発明に係るガス圧縮装置の第5の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係るガス圧縮装置の第6の実施の形態を示す斜視図である。 本発明に係るガス圧縮装置の適用例を示す斜視図である。 本発明に係るガス圧縮装置の適用例を示す斜視図である。
符号の説明
1 加振板
2 加振手段
3 吸振手段
10 封止空間
11 入側連通孔
12 出側連通孔
20 加振子
21 振動素子
30 吸振子
31 エネルギ変換素子

Claims (11)

  1. 厚さ方向に略一定のギャップを有して形成された面状の封止空間を内部に備える加振板と、
    前記封止空間の一側及び他側を外部に連通する連通孔と、
    前記加振板の一面又は両面に前記封止空間の一側近傍にて当接する加振子を有し、該加振子の作用により前記封止空間の他側に向かう進行波を発生させる加振手段とを備え、
    前記封止空間内に封入されたガスを前記進行波の作用により前記一側から他側に向けて高圧となるように圧縮する構成としてあることを特徴とするガス圧縮装置。
  2. 前記他側の連通孔は、前記進行波の作用により前記封止空間内を流れるガスに絞り抵抗を加えて外部に送出するように構成してある請求項1記載のガス圧縮装置。
  3. 前記加振子の当接位置は、前記封止空間の一側端部から前記進行波の波長に関連する所定長離して設定してある請求項1又は請求項2記載のガス圧縮装置。
  4. 前記加振手段は、前記加振子と、該加振子に超音波振動を伝える振動素子とを備える請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のガス圧縮装置。
  5. 前記加振手段は、前記進行波の進行方向に複数並設してある請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のガス圧縮装置。
  6. 前記加振板の一面又は両面に前記封止空間の他側近傍にて当接する吸振子を有し、該吸振子の作用により前記進行波を吸収する吸振手段を備える請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のガス圧縮装置。
  7. 前記吸振子の当接位置は、前記加振子の当接位置及び前記封止空間の他側端部から前記進行波の波長に関連する所定長離して設定してある請求項6記載のガス圧縮装置。
  8. 前記吸振手段は、前記吸振子と、該吸振子に伝わる振動を他のエネルギに変換するエネルギ変換手段とを備える請求項6又は請求項7記載のガス圧縮装置。
  9. 前記エネルギ変換手段は、電気エネルギへの変換が可能に構成してあり、変換により得られた電気エネルギを前記加振手段の駆動に用いてある請求項8記載のガス圧縮装置。
  10. 前記加振板の一面又は両面に、前記加振子の当接部の両側に位置し、前記進行波の進行方向に延設された凹溝を備える請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のガス圧縮装置。
  11. 平板の内部に形成された熱搬送回路又は冷凍回路の中途に前記連通孔を接続し、前記熱搬送回路又は冷凍回路中の圧縮装置として組み込んである請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のガス圧縮装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009050998A1 (ja) * 2007-10-15 2009-04-23 Sanyo Electric Co., Ltd. 流体移送装置及びこれを具えた燃料電池
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