JP2005279680A - レーザー加工品の製造方法、およびそれに用いるレーザー加工用粘着シート - Google Patents

レーザー加工品の製造方法、およびそれに用いるレーザー加工用粘着シート Download PDF

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Abstract

【課題】 被加工物を高精度且つ高速に加工でき、加工部分の信頼性を向上させ、かつ加工後の被加工物の回収を容易にできるレーザー加工品の製造方法、およびこれに用いるレーザー加工用粘着シートを提供する。
【解決手段】 レーザー加工品の製造方法は、レーザー加工用粘着シート2として、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたものであって、かつ、被加工物1よりも屈折率の小さいものを使用し、前記被加工物1のレーザー光出射面側に該粘着剤層を介してレーザー加工用粘着シート2を貼り合わせる工程と、前記被加工物1がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物1に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光6を照射して、該被加工物1を加工する工程と、前記レーザー加工用粘着シート2を加工後の前記被加工物1から剥離する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば各種シート材料、回路基板、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、半導体レーザー等の発光あるいは受光素子基板、MEMS基板、半導体パッケージ、布、皮、紙などの被加工物を、レーザーを用いて例えば切断、孔あけなどの加工によりレーザー加工品を製造する方法、およびそれに用いるレーザー加工用粘着シートに関する。
最近の電気・電子機器の小型化等に伴い、部品の小型化・高精細化が進み、各種材料の外形加工も、加工精度が±50μmあるいはそれ以下の高精細・高精度化が求められてきている。しかしながら、従来のプレス加工等の打ち抜き加工では精度がせいぜい±100μm程度で、そのような要求には対応できなくなってきているのが現状である。また、各種材料の孔あけも、高精細・高精度化が求められており、従来のドリルや金型による孔あけでは対応が不可能となってきている。
近年、その解決方法としてレーザー光を用いた各種材料の加工方法が注目されている。特に、熱ダメージが少なく、高精細の加工が可能であるレーザー光の紫外吸収アブレーションによる加工方法は、精密な外形加工方法や微細孔あけ方法として注目されている。
ところが一方で、レーザー光を用いた場合、レーザー加工時に被加工物、粘着テープ、又は吸着板から発生するカーボン等の分解物が被加工物の表面に付着する。この為、分解物を除去するデスミアと呼ばれる後処理が必要となる。しかし、例えば過マンガン酸カリウム水溶液等によるウェットデスミア等を行った場合には、その廃液処理などにより環境汚染の増大といった問題も発生する。
また、分解物の付着強度は、レーザー光のパワーに比例して強固となる。この為、レーザー光のパワーを高くしてレーザー加工を行った場合には、前記後処理での分解物の除去が困難な傾向にある。
また、被加工物の全週を一挙に加工してしまうと、加工直後に被加工物が脱落してしまうため、ハンドリング性に難がある。この為、加工時に一部未加工部を残すというような手法が必要であった。
前記レーザー加工の具体例として、例えば下記特許文献1に記載されている半導体ウェハのダイシング方法が開示されている。当該方法は、被加工物をダイシングシートに支持固定して、レーザー光線により被加工物をダイシングするものである。この特許文献1の記載によれば、ダイシングシートとしては、支持シートを含む基材と、前記基材の片面表面に配置される粘着剤層とからなり、前記粘着剤層はレーザー光線により切断可能であり、前記支持シートはレーザー光線により切断不可能であるものが開示されている。
下記特許文献1に記載のダイシングシートを使用した場合、粘着剤層は使用されるYAGレーザーの基本波(波長1064nm)やルビーレーザー(波長694nm)のレーザー光により熱加工的に切断される。この為、ダイシングシートと被加工物との界面に粘着剤層の分解物が侵入してその界面部分で強固に付着する恐れがある。その結果、レーザー加工後に被加工物からダイシングシートを剥離することが困難になる。また、後処理をしても付着物を完全に除去することが困難となる。さらに、加工が熱加工プロセスを経由するので、エッジ部分の熱的なダメージが大きく加工精度や信頼性の低下を招く。
また、YAGレーザーの基本波とウォーターマイクロジェットとを併用するレーザー加工の方法も提案されている(下記、特許文献2参照)。この特許文献2には、基材の片面上に、非放射線硬化型粘着剤層及び放射線硬化型粘着剤層を有してなり、基材がウォータージェットのジェット水流を透過しうるものであり、かつ、非放射線硬化型粘着剤層が基材と放射線硬化型粘着剤層の間に設けられているレーザーダイシング用粘着テープが開示されている。
この粘着テープをウォーターマイクロジェットとレーザーを組み合わせて半導体ウエハをダイシングする方法に使用した場合には、粘着テープの熱的ダメージはウォータージェットの冷却効果により低減される。この為、レーザー照射による熱によって粘着剤層や基材が溶融や分解することを抑制できると考えられる。しかし、該粘着テープをレーザーのみを用いて半導体ウエハをダイシングする方法に使用した場合には、レーザー照射による熱によって粘着剤層や基材が溶融したり、粘着シートと半導体ウエハの界面に粘着剤層や基材の分解物が侵入してその界面部分で強固に付着し、前記と同様の問題が起こる恐れがある。また、ウォーターマイクロジェットを使用した場合には、ダイシング時の切断幅がウォータージェットの径により規定されるため、切断幅を小さくするには限界があり、半導体チップの製造効率の面で劣る。
特開2002−343747号公報 特開2003−34780号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、レーザー光のアブレーションにより被加工物を加工する場合に、分解物による被加工物表面の汚染を効果的に抑制して、生産効率よくかつ容易にレーザー加工品を製造する方法を提供することにある。また、前記レーザー加工品の製造方法に使用するレーザー加工用粘着シートを提供することを目的とする。
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、レーザー加工品の製造方法、およびレーザー加工用粘着シートについて鋭意検討した。その結果、レーザー加工用粘着シートの屈折率という物理的性質に着目し、以下の構成とすることにより前記の目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係るレーザー加工品の製造方法は、レーザー加工用粘着シートを用いて、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を被加工物に照射し、該被加工物をアブレーションにより加工するレーザー加工品の製造方法であって、前記レーザー加工用粘着シートとして、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたものであって、かつ、被加工物よりも屈折率の小さいものを使用し、前記被加工物のレーザー光出射面側に該粘着剤層を介してレーザー加工用粘着シートを貼り合わせる工程と、前記被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射して、該被加工物を加工する工程と、前記レーザー加工用粘着シートを加工後の前記被加工物から剥離する工程とを含むことを特徴とする。ここで、前記屈折率とは、絶対屈折率を意味する。
前記被加工物としては、シート材料、回路基板、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、半導体レーザーの発光若しくは受光素子基板、MEMS基板、または半導体パッケージを使用することができる。
また、本発明に係るレーザー加工品の製造方法は、レーザー加工用粘着シートを用いて、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を金属系材料からなる被加工物に照射し、該被加工物をアブレーションにより加工するレーザー加工品の製造方法であって、前記レーザー加工用粘着シートとして基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたものであって、かつ屈折率が1.53未満のものを使用し、前記被加工物のレーザー光出射面側に、該粘着剤層を介してレーザー加工用粘着シートを貼り合わせる工程と、前記被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射して、該被加工物を加工する工程と、前記レーザー加工用粘着シートを加工後の前記被加工物から剥離する工程とを含むことを特徴とする。
前記被加工物としては、半導体ウエハまたは金属基板を使用することができる。
前記被加工物を加工する工程としては、該被加工物を切断又は孔あけをする工程が例示できる。
本発明に係るレーザー加工用粘着シートは、前記に記載のレーザー加工品の製造方法で使用されることを特徴とする。
本発明に係るレーザー加工品の製造方法は、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたレーザー加工用粘着シート(以下、「粘着シート」と言う)を使用する。この粘着シートは、基材の屈折率が被加工物の屈折率よりも小さい。
基材の屈折率が被加工物の屈折率よりも小さい粘着シートを使用すると、基材中をレーザー光が進行するスピードの減速度合が被加工物と比べて小さくなる。レーザーアブレーションの発生メカニズムは光子吸収による電子励起に起因するので、減速度合が小さくなると、光子吸収が起こる確率が低くなる。即ち、レーザー光が媒質中を進むスピードが速くなると、レーザー光による加工性の低下に結びつく。よって、基材の屈折率が被加工物の屈折率よりも小さい粘着シートを使用すると、該基材は被加工物よりも難加工となる。
その結果、前記被加工物に、該被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射した場合、被加工物はレーザー加工されるが粘着シートは加工され難くなる。粘着シートが被加工物よりも難加工であると、粘着シートのアブレーションによる分解物残渣の発生を低減できる。これにより、被加工物と粘着シートの間に分解物残査が付着せず、いわゆる加工裏面が汚染されるのを抑制できる。その結果、生産効率よくかつ容易にレーザー加工品を製造する方法を提供することができる。
更に、分解物残査の除去の為、例えばウェットデスミアなどの後工程も省略できる。加えて、後工程で必要な廃液処理も不要となり、環境負荷の低減にも寄与できる。また、分解物の付着を低減できることからレーザー光の高パワー化が可能となり、スループットの向上が図れる。
また、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を用いるので、例えば被加工物が高分子材料からなる場合には、熱加工プロセスを経由せず、光化学的アブレーションにより加工が可能となる。これにより、エッジ部分の熱的なダメージが無く、切断部や開口部をよりシャープに加工することができ、加工精度及び信頼性の向上が図れる。さらに、赤外域のレーザー光と比較して局所的な集光が可能であり、切りしろを大きく取る必要がない。よって、従来よりも細い切りしろでのダイシング等が可能となる。
本発明に係るレーザー加工品の製造方法を金属系材料からなる被加工物に適用する場合には、粘着シートとしてその屈折率が1.53未満のものを使用する。金属系材料からなる被加工物の屈折率は、おおよその材料に於いて2を超える程度である。即ち、粘着シートにおける基材の屈折率は被加工物の屈折率よりも小さいので、前記と同様に、粘着シートは被加工物よりも難加工とすることができる。よって、この構成であると、粘着シートから発生した分解物残渣が被加工物と粘着シートの間に存在する、いわゆる加工裏面が汚染されるのを抑制できる。
更に、分解物残査の除去の為の後工程も省略でき、後工程で必要な廃液処理も不要となる。その結果、環境負荷の低減にも寄与できる。また、分解物の付着を低減できることからレーザー光の高パワー化が可能となり、スループットの向上が図れる。
また、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を用いるので、赤外域のレーザー光と比較して局所的な集光が可能であり、切りしろを大きく取る必要がない。よって、従来よりも細い切りしろでのダイシング等が可能となる。
尚、本発明に係るレーザー加工品の製造方法は、前述の通り、粘着シートとして被加工物を接着固定する粘着剤層を備えるものを使用する。従って、例えば被加工物の所定領域を一度に切断加工してしまう様な場合にも、加工物(切断片)は粘着剤層に接着・固定されている。従って、加工物の脱落を防止でき、ハンドリング性の向上が図れる。更に、一部未加工の部分を残すという脱落防止の手法を採用する必要もない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るレーザー加工品の製造方法について、図1〜図4を参照しながら説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大又は縮小等して図示した部分がある。
本実施の形態に係るレーザー加工品の製造方法は、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたレーザー加工用粘着シート(以下、「粘着シート」と言う)を使用し、前記被加工物のレーザー光出射面側に該粘着剤層を介して粘着シートを貼り合わせる工程と、前記被加工物に、該被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射して、該被加工物を加工する工程と、前記レーザー加工用粘着シートを加工後の前記被加工物から剥離する工程とを含む。
先ず、本実施の形態で使用する粘着シートについて説明する。粘着シートは、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を用いたアブレーションにより被加工物を加工する際に用いる。その構成は、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたものである(基材及び粘着剤層の詳細については、後述する)。また、粘着シートは、被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射する場合に、基材の屈折率が被加工物の屈折率よりも小さいという物理的性質を有する。
屈折率は、粘着シートと被加工物との両者の加工性の差にとって重要なパラメーターである。その理由は、次の通りである。即ち、一般に、ある固体の屈折率が小さい場合、その固体中を進むレーザー光の速さの減速度合が小さいことを意味する。一方、レーザーアブレーションは光子吸収による電子励起に起因するので、レーザー光が固体中を進行するスピードが速いと、電子励起は起こり難くなる。即ち、その固体は、レーザー光により加工されにくいと言える。よって、基材の屈折率が被加工物の屈折率よりも小さいと、粘着シートは被加工物よりも加工性が低いことを示す。この観点から、本実施の形態に係る粘着シートは、レーザー加工用として有用であると言える。
基材の屈折率が被加工物の屈折率よりも大きいと、被加工物が加工される前に、粘着シートの切断や孔あけ等が進行する。これにより、粘着シートからの分解物が被加工物と粘着シートの間に発生し、加工裏面を汚染するという問題がある。しかし、本実施の形態に於いては、前記構成とすることによりその様な問題が発生することがない。
次に、前記各工程について説明する。前記粘着シートと被加工物とを貼り合わせる工程は、ロールラミネーター等を用いた従来公知の方法により行うことができる。貼り合わせは、被加工物の加工表面とは反対側の面に粘着剤層を介して行う。
前記被加工物を加工する工程は、レーザー光を用いて被加工物をアブレーションによりレーザー加工を行う工程である。本工程では、前記レーザー光として、その波長が紫外域にあるものを使用するのが好ましい。特に、熱加工プロセスを経由しない光化学的アブレーションを引き起こすレーザー光を使用するのがより好ましい。さらに、20μm以下の細い幅に集光して、切断等の加工が可能なレーザー光を用いることが一層好ましい。この様なレーザー光を用いると、レーザー加工時の熱的なダメージによる孔のエッジや切断壁面の精度を向上させ、外見も良くなるからである。
また、前記レーザー光は、被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のものを使用するのが好ましい。また、パルスレーザーにより行うのが好ましい。
更に、前記の様なレーザー光としては、400nm以下の紫外吸収によるアブレーションが可能なものが好ましい。具体的には、例えばKrFエキシマレーザー(発振波長248nm)、XeClエキシマレーザー(同308nm)、YAGレーザーの第3高調波(同355nm)若しくは第4高調波(同266nm)、またはYLF(イットリウム・リチウム・フッ化物)若しくはYVO(イットリウム・バナジウム酸塩)等の固体レーザーの第3高調波若しくは第4高調波などの400nm以下に発振波長を持つレーザー光が例示できる。また、400nmを超える波長のレーザーであっても多光子吸収過程を経由した紫外線領域の光吸収が可能であり且つ多光子吸収アブレーションにより20μm以下の幅の切断加工が可能である波長が750nm〜800nm付近のチタンサファイヤレーザー等でパルス幅が1e−9秒(0.000000001秒)以下のレーザー等も好適である。
尚、YAGレーザーの基本波(波長:1.06μm)やルビーレーザー(波長:694nm)等のレーザー光を使用した場合、これを集光しても、ビーム径は50μm程度までしか絞ることができない。しかし、本実施の形態の様に紫外域のレーザー光を使用した場合には、さらにビーム径を絞ることが可能となる(例えば、20μm程度)。従って、切断の際にも切りしろを大きく取る必要がない。
本工程で行う加工は、例えば切断加工、孔あけ加工、マーキング、溝加工、スクライビング加工、又はトリミング加工などの形状加工である。切断加工の場合は、図1および図2に示す様にして行う。図1は、本実施の形態に係る被加工物の切断加工について説明するための概略図である。図2は、本実施の形態に係る切断加工を示す断面図である。
図1および図2に示す被加工体3は、被加工物1及び粘着シート2の積層体である。粘着シート2は、基材2b上に粘着剤層2aが設けられた構成である。被加工物1と粘着シート2との貼り合わせは、ロールラミネーター、プレス等の公知の方法で行うことができる。切断加工は、被加工体3を吸着ステージ4の吸着板5上に固定して行う。所定のレーザー発振器より出力されるレーザー光6をレンズにて集光し、被加工物上に照射する。照射と共に、レーザー照射位置を所定の加工ライン上に沿って移動させ、切断加工を行う。切断加工は、ガルバノスキャンまたはX−Yステージスキャンを用いたレーザー加工方法や、マスクイメージング方式レーザー加工等の公知のレーザー加工方法が用いられる。
レーザーの加工条件は、被加工物1が完全に切断される条件であれば特に限定はされない。即ち、被加工物材料のアブレーション閥値に基づき、その照射強度の最適値を決定すればよい。但し、粘着シート2が切断されるのを回避するため、被加工物1に貫通孔が形成される加工条件の2倍以内とすることが望ましい。また、切りしろはレーザー光の集光部のビーム経を絞ることにより細くできるが、切断端面の精度を出すために以下の関係を満たしていることが好ましい。
Figure 2005279680
被加工物1の裏面に粘着シート2を貼らない場合には、被加工物1および吸着ステージ4に由来する分解飛散物10が、レーザー加工品のレーザー出射側の切断端面近傍に付着する。しかし、これらの汚染は、本実施の形態に係る粘着シート2を貼ることにより防ぐことができる。
孔あけ加工の場合は、図3に示す様にして行う。図3は、本実施の形態に係る被加工物の孔あけ加工について説明するための概略図である。孔あけ加工は、ガルバノスキャンまたはX−Yステージスキャンを用いたレーザー加工方法や、マスクイメージングによるパンチング加工等の公知のレーザー加工方法が用いられる。
尚、本工程では、レーザー入射側にレーザー加工性の良好なシートや他の粘着シートを貼り合わせて行ってもよい。また、ヘリウム、窒素、酸素等のガスをレーザーによる加工部分に吹き付けて行ってもよい。これらを行うことにより、レーザー入射側の被加工物表面の残渣の除去を容易にできるからである。
前記粘着シートを剥離する工程は、加工後の被加工物(図2および図3に示すレーザー加工品9)から粘着シートを剥離する工程である。剥離の方法としては特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。但し、剥離時に被加工物が永久変形するような応力がかからない様にするのが好ましい。従って、かかる応力の排除という観点から、例えば放射線照射または加熱などにより粘着力が低下する粘着シートを用いてもよい。この様な粘着シートは、加工時の保持力と剥離時の容易さとを併せ持つからである。粘着シートの粘着剤層に放射線硬化型粘着剤を用いた場合には、粘着剤の種類に応じて放射線照射により粘着剤層を硬化させ粘着性を低下させる。放射線照射により、粘着剤層の粘着性が硬化により低下して剥離を容易化させることができる。放射線照射の手段は特に制限されないが、例えば、紫外線照射等により行われる。
また、半導体ウエハの切断加工(ダイシング加工)の場合は、図4の如く半導体ウエハ(被加工物)7の片面を吸着ステージ4上に設けられたレーザー加工用粘着シート2に貼り合わせ、これをダイシングフレーム8に固定する。さらに、所定のレーザー発振器より出力されるレーザー光6をレンズにて半導体ウエハ7上に集光・照射するとともに、そのレーザー照射位置を所定の加工ライン上に沿って移動させることにより切断加工を行う。レーザー光の移動手段としては、ガルバノスキャンあるいはX−Yステージスキャン、マスク、イメーソング加工といった公知のレーザー加工方法が用いられる。かかる半導体ウエハの加工条件は、半導体ウエハ7が切断されかつ粘着シート2が切断されない条件であれば特に限定されない。なお、半導体ウエハ7のレーザー光入射面側には保護シートが設けられていてもよい。
このような半導体ウエハ7のダイシング加工においては、個々の半導体チップ(レーザー加工品)に切断後、従来より知られるダイボンダーなどの装置によりニードルと呼ばれる突き上げピンを用いてピックアップする方法、或いは、特開2001−118862号公報に示される方式など公知の方法で個々の半導体チップをピックアップして回収することができる。
尚、本実施の形態に於いて、レーザー加工が可能な被加工物としては、前記レーザー光によるアブレーションによりレーザー加工できるものであれば特に限定されない。例えば、各種シート材料、回路基板、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、半導体レーザー等の発光あるいは受光素子基板、MEMS(Micro Electro Mechanical System)基板、半導体パッケージ、布、皮、紙などが挙げられる。各種シート材料としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂等の高分子フィルムや不織布、それらの樹脂を延伸加工、含浸加工等により物理的あるいは光学的な機能を付与したもの、銅、アルミ、ステンレス等の金属シートあるいは、上記ポリマーシートおよび/または金属シートを直接または接着剤等を介して積層したものなどが上げられる。また、回路基板としては、片面、両面あるいは多層フレキシブルプリント基板、ガラスエポキシやセラミック、金属コア基板等からなるリジッド基板、ガラスあるいはポリマー上に形成された光回路あるいは光−電気混成回路基板などが挙げられる。こうして準備された被加工物のレーザー照射面と反対面に、特定の粘着シートを貼り合わせる。
また、本実施の形態に於いて、前記基材は、単層でもよく、また複層であってもよい。また、膜状又はメッシュ状など種々の形状のものを選択することができる。基材の厚さは、被加工物との貼り合わせ、被加工物の切断、切断片の剥離、回収などの各工程における操作性や作業性を損なわない範囲で適宜選択して設定することができる。通常は、500μm以下、好ましくは3〜300μm程度、さらに好ましくは5〜260μm程度に設定される。基材の表面には、例えば吸着ステージ等の隣接する層との密着性、保持性などを高めるため、慣用の表面処理を行うことができる。その様な表面処理としては、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的または物理的処理、下塗剤(例えば、後述する粘着物質)によるコーティング処理等が例示できる。
また、本実施の形態に於いて、前記粘着剤層としては、アクリル系やゴム系等の粘着剤により形成されたものを用いることができる。アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体、必要に応じ粘着性、凝集力、耐熱性などの改質を目的として(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合性モノマーを共重合した共重合体等のアクリル系ポリマーが例示できる。
ここで、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、アクリル酸エステル及び/またはメタアクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。例えばメチル基やエチル基、プロピル基やイソプロピル基、n−ブチル基やt−ブチル基、イソブチル基やアミル基、イソアミル蔓やヘキシル基、ヘプチル基やシクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基やオクチル基、イソオクチル基やノニル基、イソノニル基やデシル基、イソデシル基やウンデシル基、ラウリル基やトリデシル基、テトラデシル基やステアリル基、オクタデシル基やドデシル基の如き炭素数30以下、就中4〜18の直鏡又は分岐のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸の1種又は2種以上を成分とする重合体などが挙げられる。
また前記重合体を形成することのある他のモノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸、カルボキシエチルアクリレートやカルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸やマレイン酸、フマール酸やクロトン酸の如きカルボキシル基含有モノマー、あるいは熱水マレイン酸や無水イタコン酸の如き酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルや(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルや(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチルや(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートの如きヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸やアクリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸や(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸の如きスルホン酸基含有モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートの如き燐酸基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルフオリン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
加えてアクリル系ポリマーの架橋処理等を目的に、多官能モノマーなども必要に応じて共重合用のモノマー成分として用いることができる。かかるモノマーの例としては、ヘキサンジオ−ルジ(メタ)アクリレートや(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートやネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ・トリ(メタ)アクリレートやジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレートやポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。多官能モノマーも1種又は2種以上を用いることができ、その使用量は、粘着特性等の点より全モノマーの30重量%以下が好ましい。なお、上記のアクリル系ポリマーが分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を持つものであってもよい。前記成分のほかに、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤、充頃剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることが出来る。アクリル系ポリマーの調製は、例えば1種又は2種以上の成分モノマーの混合物に溶液重合方式や乳化重合方式、現状重合方式や懸濁重合方式等の適宜な方式を適用して行うことができる。
該アクリル系ポリマーは、被加工物への汚染防止等の点より低分子量物質の含有を抑制したものが好ましく、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは50万以上、更に好ましくは80〜300万程度である。
切断時のチップの剥離を防止し、且つ剥離時にチップからの剥離性を向上させるため、粘着剤は、紫外線、電子線などにより硬化する放射線硬化型粘着剤とすることが好ましい。なお、粘着剤として放射線硬化型粘着剤を用いる場合には、切断工程の後に粘着剤層に放射線が照射されるため、前記基材シートは十分な放射線透過性を有するものが好ましい。放射線硬化型粘着剤としては、炭素−炭素二重結合等の放射線硬化性の官能基を有し、且つ粘着性を示すものを特に制限無く使用できる。
放射線硬化型粘着剤としては、例えば、前述のアクリル系ポリマーに、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合したものを例示できる。配合する放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分としては、例えば、ウレタン;(メタ)アクリレートオリゴマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;2−プロペニル−3−ブテニルシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物等が挙げられる。オリゴマー成分の配合量は、主ポリマー(アクリル系ポリマー)100重量部に対して5〜500重量部が好ましく、特に70〜160重量部が好ましい。
前記の放射線硬化性の成分モノマー混合物において、紫外線等による硬化方式を採る場合に配合されることのある光重合開始剤の例としては、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンやα−ヒドロキシ−α,α−メチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノンや 2,2−ジメトキシー2サフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノンや −ヒドロキシシウロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)−フェニルコー2−モルホリノプロパン−1の如きアセトフェノン系化合物、ベンゾインエチルエーテルやベンゾインイソプロピルエーテル、アニゾインメチルエーテルの如きベンゾインエーデル系化合物、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンの如きα−ケトール系化合物、ベンジルジメチルケタールの如きケタール系化合物、2−ナフタレンスルホニルクロリドの如き芳香族スルホニルクロリド系化合物、1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(Ο−エトキシカルボニル)オキシムの如き光活性オキシム系化合物、ベンゾフェノンやベンゾイル安息香酸、3,3,−ジメチルー4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系化合物、チオキサンソンや2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンや2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソンや2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソンや2,4−ジイソプロピルチオキサンソンの如きチオキサンソン系化合物、その他、カンファーキノンやハロゲン化ケトン、アシルホスフイノキシドやアシルホスフオナートなどが挙げられる。前記粘着剤層の架橋密度の制御は、例えば多官能イソシアネート系化合物やエポキシ系化合物、メラミン系化合物や金属塩系化合物、金属キレート系化合物やアミノ樹脂系化合物や過酸化物などの適宜な架橋剤を介して架橋処理する方式、炭素−炭素二重結合を2個以上有する低分子化合物を混合してエネルギー線の照射等により架橋処理する方式などの適宜な方式で行うことができる。
粘着剤層を基材上に設ける方法としては、公知の手法を採用することができる。例えば、基材に直接塗布する方法や、雛型剤が塗布されたシート上に設けた粘着剤を転写する方法など、適宜な手法が用いられる。粘着剤層は、1層または2層以上が積層されていても良い。尚、粘着剤層の厚さは、被加工物および対象となる被着体から剥離しない範囲で適宜選択できる。通常は、5〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度、さらに好ましくは20〜60μm程度である。
また粘着剤層の接着力は、20N/20mm 以下、就中0.001〜10N/20mm、特に0.01〜8N/20mmが好ましい。これらの値は、SUS304に対する常温(レーザー照射前)での接着力(90度ピール値、剥離速度 300mm/分)に基づく。
(実施の形態2)
本実施の形態2は、金属系材料からなる被加工物に対してレーザー加工を行う態様に関する。本実施の形態2に於いては、前記実施の形態1と比較して、屈折率が1.53以下の粘着シートを使用した点が異なる。
被加工物が金属系材料からなる場合、本実施の形態に係る粘着シートが1.53以下の屈折率を示すとき、該粘着シートは被加工物よりも難加工性を示す。これは、金属系材料については屈折率の測定が困難であるが、粘着シートの基材として屈折率が1.53以下のものを使用した場合に、粘着シートが金属系材料よりも難加工性を示すという知見が得られたことによる。さらに粘着シートの屈折率は、1.5以下がより好ましく、1.45以下が特に好ましい。
前記金属系材料には類金属も含まれる。より具体的には、金、SUS、銅、鉄、アルミ、シリコン、チタン、ニッケル、タングステン、ジルコニアなどが挙げられる。
尚、本実施の形態2に係るレーザー加工品の製造方法については、前記実施の形態1と同様にして行うことができる。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さが100μmのポリビニルアルコールフィルム(基材)上に、紫外線による硬化が可能なアクリル系粘着剤の溶液を塗布、乾燥し、厚さ10μmの粘着剤層を形成して粘着シートを得た。この粘着シートの屈折率をアッベ式屈折計にて測定したところ、1.42であった。
アクリル系粘着剤の溶液は、次の通りに調製した。即ち、アクリル酸ブチルと、アクリル酸エチルと、2−ヒドロキシアクリレートと、アクリル酸とを重量比60/40/4/1で共重合させてなるアクリル系ポリマー(数平均分子量約80万)100重量部に、光重合性化合物としてジペンタエリスリトルモノヒドロキシペンタアクリレートを90重量部、光重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(イルガキュア651)を5重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン製)2重量部を配合した。更に、配合したものを有機溶剤としてのトルエンに均一に溶解させて、アクリル系粘着剤の溶液を調製した。
尚、合成したアクリル系ポリマーの数平均分子量は以下の方法で測定した。即ち、合成した(メタ)アクリル系ポリマーをTHFに0.1wt%で溶解させて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算により数平均分子量を測定した。測定条件は、GPC装置:東ソー製、HLC−8120GPC、カラム:東ソー製、(GMHHR−H)+(GMHHR−H)+(G2000HHR)、流量:0.8ml/min、濃度:0.1wt%、注入量:100μl、カラム温度:40℃、溶離液:THFとした。
次に、被加工物として使用するポリイミド(厚み125μm)の屈折率を測定したところ1.65であった。
続いて、ポリイミドの一方の面と粘着シートとを、粘着剤層が接着面となる様にロールラミネーターにて貼り合わせた。これを、加工装置に於けるガラスエポキシ樹脂製吸着板をのせたXYステージ上に、被加工物が上側となる様にして載置した。さらに、平均出力5W、繰り返し周波数30kHzのYAGレーザーの第3高調波(355nm)をfθレンズによりポリスチレン表面に25μm径に集光して、ガルバノスキャナ−によりレーザー光を20mm/秒の速度でスキャンして切断した。このとき、粘着シートは切断されず、被加工物のみが切断されていることを確認した。その後、ポリイミドから粘着シートを剥離して粘着シート貼り合わせ面(レーザー出射面)の加工孔周辺部を観察したところ、付着物は観察されなかった。粘着シートが切断されないので、吸着ステージからのコンタミネーションも確認されなかった。
(比較例1)
本比較例1に於いては、粘着シートを貼ることなくレーザー加工した以外は、前記実施例1と同様にして被加工物の加工を行った。ポリイミド(被加工物)のレーザー出射面側の切断部周辺を観察すると、ポリイミドの分解物残渣およびガラスエポキシ樹脂製吸着板の分解物残渣が多量に付着していたことが確認された。
(比較例2)
本比較例2に於いては、粘着シートに於ける基材としてポリビニルアルコールフィルム(厚さ100μm)を使用した以外は、前記実施例1と同様にしてレーザー加工を行った。
レーザー加工後、被加工物および粘着シートを観察すると、ポリイミドは切断されていたが粘着シートのダメージも大きく、粘着シートとポリイミドとの間に粘着シートの分解物残渣を含む気泡が発生していた。さらに、粘着シートを剥離してレーザー出射面側の切断部周辺を観察したところ、ポリイミドの分解物残渣が多量に付着していることが確認された。
(実施例2)
本実施例2に於いては、粘着シートの基材としてポリビニルアルコールからなるフィルム(厚さ100μm)を使用し、被加工物としてシリコンウエハ(厚さ75μm)を使用した以外は、前記実施例1と同様にして被加工物のレーザー加工を行った。ここで、ポリビニルアルコールを基材とする粘着シートの屈折率は1.42であった。
レーザー加工後、被加工物および粘着シートを観察すると、粘着シートは切断されず、被加工物のみが切断されていることが確認された。その後、粘着シートを剥離して粘着シート貼り合わせ面(レーザー出射面)の切断面周辺部を観察したところ、付着物は観察されなかった。
本発明の実施の形態に係る被加工物のレーザー加工について説明するための概略図である。 前記実施の形態に係るレーザー加工を説明する為の断面模式図である。 前記実施の形態に係る被加工物の他のレーザー加工について説明する為の概略図である。 半導体ウエハのダイシング方法の例を示す概略図である。
符号の説明
1 被加工物
2 レーザー加工用粘着シート
2a 粘着剤層
2b 基材
3 被加工体
4 吸着ステージ
5 吸着板
6 レーザー光
7 半導体ウェハ(被加工物)

Claims (6)

  1. レーザー加工用粘着シートを用いて、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を被加工物に照射し、該被加工物をアブレーションにより加工するレーザー加工品の製造方法であって、
    前記レーザー加工用粘着シートとして、基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたものであって、かつ、被加工物よりも屈折率の小さいものを使用し、前記被加工物のレーザー光出射面側に該粘着剤層を介してレーザー加工用粘着シートを貼り合わせる工程と、
    前記被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射して、該被加工物を加工する工程と、
    前記レーザー加工用粘着シートを加工後の前記被加工物から剥離する工程とを含むことを特徴とするレーザー加工品の製造方法。
  2. レーザー加工用粘着シートを用いて、波長が紫外域のレーザー光または多光子吸収過程を経由した紫外域の光吸収を可能とするレーザー光を金属系材料からなる被加工物に照射し、該被加工物をアブレーションにより加工するレーザー加工品の製造方法であって、
    前記レーザー加工用粘着シートとして基材上に少なくとも粘着剤層が設けられたものであって、かつ屈折率が1.53未満のものを使用し、前記被加工物のレーザー光出射面側に、該粘着剤層を介してレーザー加工用粘着シートを貼り合わせる工程と、
    前記被加工物がアブレーションを引き起こす閾値の照射強度以上であって、該被加工物に貫通孔が形成される照射強度の2倍以内のレーザー光を照射して、該被加工物を加工する工程と、
    前記レーザー加工用粘着シートを加工後の前記被加工物から剥離する工程とを含むことを特徴とするレーザー加工品の製造方法。
  3. 前記被加工物としては、シート材料、回路基板、半導体ウエハ、ガラス基板、セラミック基板、金属基板、半導体レーザーの発光若しくは受光素子基板、MEMS基板、または半導体パッケージを使用することを特徴とする請求項1に記載のレーザー加工品の製造方法。
  4. 前記被加工物としては、半導体ウエハまたは金属基板を使用することを特徴とする請求項2に記載のレーザー加工品の製造方法。
  5. 前記被加工物を加工する工程は、該被加工物を切断又は孔あけをする工程であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のレーザー加工品の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載のレーザー加工品の製造方法で使用されるレーザー加工用粘着シート。


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