JP2005278828A - ステント力学特性測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ステントの柔軟性や半径方向の剛性及び端部の力学特性を簡便に測定し合理的な性能評価を行うステント力学特性測定装置を提供することである。
【解決手段】 ステントの一の端部を固定する第1の支持部3と、ステントの他の端部を固定する第2の支持部4と、第1の支持部3に連結され第1の支持部3と第2の支持部4を結ぶ直線方向に移動する移動部5と、第2の支持部4に連結され第2の支持部4にかかる荷重を計測する荷重センサ8とを有するものである。
【選択図】 図2

Description

本発明はステント力学特性測定装置に係わり、特にステントの力学特性を簡便に測定するステント力学特性測定装置に関する。
一般に、ステントは血管の狭窄部位に挿入して内腔面積を確保するために使用されるコイル状又は筒状の治療器具であり、このステントを用いた治療は、バルーンによる冠動脈形成術(以下、PTCAという。)単独の治療に比べると、血管内腔をより広げたり、急性冠閉塞や再狭窄を減少したりするという利点があり、バルーンによるPTCAの弱点を補う方法として広く普及している。
このようなステントには、血管壁からの圧縮力や狭窄部からの局所的な圧縮力に絶え得る剛性や、また、屈曲する血管に追従する柔軟性など様々な力学特性を満足することが要求されており、これらの性能を評価する方法が考えられている。
例えば、特許文献1には、所定の間隔で拍動して液体を吐出するポンプ機構を備えた冠循環装置と、冠循環装置の液体流路に設けられ冠動脈ステントが挿入可能な可撓性チューブと、可撓性チューブに近接しポンプ機構と同期可能な液体流路の絞り機構とを有する人工冠動脈及び冠動脈ステント性能評価シミュレータが開示されている。
この特許文献1に開示された発明では、冠循環装置の液体流路に生理食塩水等の水を充填し、所定の圧力及び間隔で水が循環するようにポンプ機構を拍動させ、さらに、このポンプ機構と絞り機構を同期させると、心筋の脈動に伴う血流に近似した状態を再現することができる。そして、可撓性チューブ内に冠動脈ステントを設置し、冠動脈ステントの可撓性チューブに対する追従性や可撓性チューブの径の変化等を測定することにより冠動脈ステントの動的条件下における力学的物性を評価することができる。
また、可撓性チューブに人工冠動脈を用いると、人工冠動脈の動的条件下における力学的物性を評価することができる。
また、人工血管であるステントグラフトの設計に関しては、特許文献2に、患者から得られたCT画像に基づいて患部の血管領域を抽出して三次元血管モデルを生成する第1手段と、CT画像と三次元血管モデルに基づいて血管中心軸を決定する第2手段と、CT画像と三次元血管モデルと血管中心軸に基づいて血管内に設置されるステントグラフトの設計を行う第3手段とを有するステントグラフト設計装置が開示されている。
この特許文献2に開示された発明では、径を測定するリングを操作者に選択させたり、選択されたリングが存在する位置において血管中心軸に直交する横断画像を表示したり、横断画像に基づいて操作者によって入力されるリングの径に関する情報に基づいてリングの径を決定したりして、ステントグラフトが血管内に設置される様子を三次元的に観察しながらステントグラフトを設計することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された従来の技術では、確かに、動的条件下でのステントの追従性等の力学特性装置が測定することができるが、測定に時間を要し、簡便でないという課題があった。また、装置が複雑であり操作が難解である上に高価になるという課題もあった。さらに、特許文献1に開示された従来の技術においては、ステント全体にわたる挙動の測定は可能であるものの、ステントの長手方向や径方向の剛性や端部にかかる応力特性など基本的な力学特性を局部的に測定することができないという課題があった。
一方、特許文献2に記載された従来の技術では、ステントグラフトを患者の血管に適合するようにリング径を決定したりしてその形状を三次元的に観察しながら精密に設計するものであり、ステントグラフトの材料特性や力学特性を測定したり評価したりするものではない。
特開2000−342692号公報 特開2001−79097号公報
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、簡単で安価な構成によって、ステントの柔軟性や半径方向の剛性及び端部の力学特性を簡便に測定し合理的な性能評価を行うステント力学特性測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明であるステント力学特性測定装置は、ステントの一の端部を固定する第1の支持部と、ステントの他の端部を固定する第2の支持部と、第1の支持部に連結され第1の支持部と第2の支持部を結ぶ直線方向に移動する移動部と、第2の支持部に連結され第2の支持部にかかる荷重を計測する荷重センサとを有するものである。
上記構成のステント力学特性測定装置では、第1の支持部と第2の支持部の間にステントを装着して移動部を移動すると、ステントには長手方向に力が作用し、この力を荷重センサが計測するという作用を有する。
また、請求項2に記載の発明であるステント力学特性測定装置は、ステントを固定する支持部と、ステントに着脱可能に覆設される円筒状の弾性部と、この弾性部の周方向に回旋部を有して設置されるワイヤと、このワイヤの一の端部に連結され回旋部を縮径可能に移動する移動部と、ワイヤの他の端部に連結されワイヤにかかる荷重を計測する荷重センサとを有するものである。
上記構成のステント力学特性測定装置では、ステントを支持部に固定して弾性部を覆設し、この弾性部の周方向に回旋部が作成されるようにワイヤを巻きつけて移動部を移動させると、ワイヤの回旋部がステント及び弾性部とともに縮径する。そして、ワイヤの回旋部が縮径する際に生じる荷重を荷重センサが計測するという作用を有する。
さらに、請求項3の発明であるステント力学特性測定装置は、ステントを固定する支持部と、この支持部に連結されステントの長手方向に移動する移動部と、支持部にステントを傾倒可能に保持する保持部と、この保持部に当接可能に設置される押圧部と、この押圧部に連結され押圧部にかかる荷重を計測する荷重センサとを有するものである。
上記構成のステント力学特性測定装置では、ステントを支持部に固定してステントの長手方向の位置を移動部で調整し、押圧部を保持部に向けて当接させると、押圧部はステントに当接してステントを保持部に傾倒させるという作用を有する。そして、荷重センサは、保持部に傾倒した状態のステントから押圧部に作用する荷重を計測するという作用を有する。
本発明の請求項1記載のステント力学特性測定装置は、ステントの長手方向に圧縮力を作用させて計測される圧縮力とステントの長手方向の変形量からステントの柔軟性を評価することができる。
また、本発明の請求項2に記載のステント力学特性測定装置は、ステントに巻きつけたワイヤを引っ張って、ステントの断面の変形量とその際に必要な張力を計測することによって、ステントの半径方向の剛性を評価することができる。
そして、本発明の請求項3に記載のステント力学特性測定装置は、ステントを傾倒させてステントの端部に作用する力を計測することによって、血管の屈曲部にステントが挿入された場合を想定したステント端部の力学特性を評価することができる。
本発明の請求項1乃至請求項3に記載のステント力学特性測定装置は、シンプルな構成を有しながらも、ステントに外力を加えた場合にステントに作用する力とステントの変形量を正確に測定し、ステントの力学特性の評価を簡便に行うことを実現した。
まず、本発明の実施の最良の形態に係るステント力学特性測定装置の測定対象となるステントについて図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の最良の形態に係るステント力学特性測定装置の測定対象となるステントの拡大写真である。
図1において、ステント1は、中空の筒状の形状で、ステンレス線がメッシュ状に形成され多数のリンク点を有している。ステント1を用いた血管狭窄部の治療では、まず、ステント1の内部にバルーンを装着した状態で血管に挿入し、患部においてバルーンを膨らませてステント1の径を拡大させる。そして、バルーンを窄めて引き抜くと、血管の狭窄部は拡大したステント1によって広げられ、さらには、内側から支えられるようになっている。
なお、ステント1の形状は筒状に限定されるものではなく、コイル状等でもよく、また、材質もステンレス製以外にもタンタリウム製等でもよい。
次に、本発明の実施の最良の形態に係るステント力学特性測定装置を実施例1として図2乃至図7を参照しながら説明する。(特に請求項1に対応)
図2(a)は、本発明の本実施例に係るステント柔軟性測定装置の平面図であり、同じく(b)はステント柔軟性測定装置の側面図である。
図2(a)及び(b)において、ステント柔軟性測定装置2は、固定具3,4の間にステント1を装着する構造になっており、固定具3には電動スライダ5が連結されている。この電動スライダ5は、電動スライダ用固定具7によってガイド6に滑動可能に設置されており、ステント1の長手方向に移動することができるようになっている。なお、電動スライダ5は一定速度で移動するが、移動速度は任意に設定することができる。
また、電動スライダ5の移動における直線性の精度を向上させるために、固定具3,4にはリニアブッシュを設けている。このようにステント1を挟んで両側の固定具3,4にリニアブッシュを設置することで、固定具3と固定具4の中心を合わせ、さらに、ステント1の中心を合わせることができるので、電動スライダ5によるステント1へ負荷が均等に印加されるのである。
そして、電動スライダ5が図面に向かって右方向に一定速度で移動すると、ステント1は圧縮されて変形を始める。そして、この圧縮変形に要する荷重を固定具4に連結されるロードセル8が計測するのである。
このように、ステント柔軟性測定装置2では、ロードセル8によって計測される荷重をステント1の圧縮力とし、また、固定具3の移動距離からステント1の変形量を求め、ステント1の柔軟性の評価の指標とする。すなわち、圧縮力が小さく、変形量が大きいステント1が柔軟性の優れたステントとなる。
なお、図示していないが、ステント柔軟性測定装置2には、操作パネル等の操作部やモニタあるいはレコーダ等の出力部が接続されており、電動スライダ5の移動速度を設定したり、測定結果を表示したりすることができる。また、測定結果を処理するプログラムを搭載したパソコン等を連結することも可能である。
さらに、ビデオカメラ等の撮影手段を設置して、ステント1の変形の様子を記録すると、ステント1の局所的な変形量を求めることもできる。この局所的な変形量の測定方法については図7を参照しながら後述する。
また、温度や湿度を制御可能な恒温槽を設置し、種々の温度条件又は湿度条件下で測定したり、温度制御可能な液槽を設置し、温度条件の異なる液体中での測定を行ったりすることもできる。
なお、ステント柔軟性測定装置2では、電動スライダ5は後方へ移動することもでき、ステント1の引張方向の荷重及び変形量の計測も可能である。
ここで、ステントの柔軟性について図3乃至図6を用いて説明する。
図3は、ステントを血管に装着した場合の一例を示す概念図である。
図3において、ステント1は血管9の内部で血管壁10に接して設置されている。また、血管9は常に直線状であるわけでなく、図3のように屈曲する場合もあり、この場合は、ステント1は血管9に追従して屈曲しなければならないので、ステント1には高い柔軟性が要求される。そして、屈曲するステント1では、図3に示すように屈曲部上部11では伸長、屈曲部下部12では圧縮が起こっているのがわかる。
次に、ステントの屈曲について図4を用いて説明する。
図4(a)は、ステントの構造を模式的に示す概念図であり、(b)はステントを曲げた状態を示す拡大写真であり、(c)はステントを曲げた場合の構造を模式的に示す概念図である。
図4(a)において、ステント1のメッシュ構造は、弾性を有する複数のフック形状が規則的に配列され連結された構造になっている。
そして、図4(b)に示すようにステント1を屈曲するとメッシュ構造は、屈曲部上部11で伸長、屈曲部下部12で圧縮が起こる。この屈曲部の構造を模式的に示すと、図4(c)のようになり、屈曲部上部11の伸長側ではフック形状が引き伸ばされ、一方、屈曲部下部12の圧縮側ではフック形状が押し潰されて収縮するのである。
次に、ステントの屈曲不良について図5及び図6を用いて説明する。
図5(a)は、性能が良好であるステントを曲げた場合の拡大写真であり、(b)は性能が良好であるステントを曲げた場合の構造を模式的に示す概念図である。図5(b)の左側に示される図は、図5(a)に示されるステントの上面の圧縮側を模式的に表現するもので、右側はステントの下面の伸長側を模式的に表現している。
図5(a)に示すように、ステント1が折れ曲がることなくきれいに屈曲する場合は、ステント1のメッシュ構造のフック形状部分が、図5(b)の左側に示すように弾性的に縮んだり、右側に示すように伸びたりしている。
一方、図6(a)は、性能が不良であるステントを曲げた場合の外形図であり、(b)は性能が不良であるステントを曲げた場合の構造を示す概念図である。図6(b)の左側に示される図は、図6(a)に示されるステントの上面の折れ曲がりの部分を模式的に示すもので、右側はステントの下面の伸びた部分を模式的に示すものである。
図6(a)では、ステント1は折れ曲がって内部が閉塞し、血管中に挿入された場合に血流を滞らせる可能性があり、性能が不良であることがわかる。この場合、ステント1のメッシュ構造は、図6(b)に示すように、弾性を有するW字形状が伸長部では問題なく伸長されているものの、圧縮部ではW字形状が十分に縮むことができずねじれや変形を生じているのである。
したがって、ステント1の柔軟性は、ステント1を屈曲させた場合の伸縮を評価することが望ましく、ステント1を長手方向に圧縮したり伸長したりした場合の変形量や変形に要する力を測定するとよいと考えられる。また、特に、圧縮する場合にねじれや変形等の不具合を生じやすいので、圧縮による評価の方が伸長による評価よりも的確にステント1の柔軟性を評価することができるといえる。
続いて、ステントの局所的な変形量の測定方法について図7を用いて説明する。
図7は、ステントに圧縮力が加わった場合のステントの変形の様子をビデオカメラで撮影した画像を示す概念図である。
図7において、ステント1は固定具13に固定されて矢印14からステント1の長手方向に圧縮されている。ステント1では、そのメッシュ構造に均一に圧縮力が作用し、一様に変形することが好ましいが、図7の符号15及び符号16の矢印に示されるように、位置によって変形量が多かったり、少なかったりする不具合を生じることもある。
したがって、ステント柔軟性測定装置にビデオカメラを設置してステント1の変形の様子を画像として記録すると、ステント1の局所的な柔軟性に関する知見を得ることができ、また、変形ムラを生じる欠陥品の識別に利用することが可能である。
以上説明したとおり、本実施例においてはステント1の長手方向に圧縮し、圧縮に要する力と変形量を簡単に測定することができるので、得られる圧縮力と変形量からステント1の柔軟性の評価が可能である。
また、リニアブッシュを備えた固定具を電動スライドで徐々に移動させることも可能であるため、ステント1の圧縮の様子を経時変化の画像として記録することによって、ステント1の全体的のみならず局所的な柔軟性を評価することも可能である。
次に、本発明の実施の最良の形態に係るステント力学特性測定装置を実施例2として図8乃至図11を参照しながら説明する。(特に請求項2に対応)
図8(a)は、本発明の本実施例に係るステント剛性測定装置の平面図であり、同じく(b)はステント剛性測定装置の側面図である。
図8(a)及び(b)において、ステント剛性測定装置17は、大まかにはスライダ18と、ステント取付部19と、網目状構造物20と、ワイヤ21と、電動スライダ5と、ロードセル8から構成されている。
背板22の上部に設置されるステント取付部19は、ステント固定棒23と固定棒支持体24から構成され、固定棒支持体24に設置されるスライダ18によって、ステント固定棒23及び固定棒支持体24は前後に移動できるようになっている。なお、スライダ18にはツマミ25が設置されており、このツマミ25を回転することによってステント固定棒23及び固体棒支持体24は移動する。
図示していないが、ステント固定棒23にはステントが装着されており、このステントを覆うように円筒形の網目状構造物20が設置されている。そして、一端をロードセル8、他端を電動スライダ5に連結されたワイヤ21が、網目状構造物20の長手方向に垂直に一周分の回旋部を作成して巻きつけられている。なお、ワイヤ21には網目状構造物20を挟んだ2ヶ所に2個のプーリ26が設置されている。
電動スライダ5は図面に向かって右手方向に移動することができ、右方向に移動するとワイヤ21が引っ張られ、網目状構造物20の回旋部が締め付けられ、網目状構造物20及びステントの断面は縮径する。そして、この際にワイヤ21に作用する荷重をロードセル8が計測するようになっている。また、詳しくは後述するが、電動スライダ5の移動距離から算出される縮径後のステントの半径と、ワイヤ21に作用する荷重からステントの半径方向の剛性を評価することができる。
なお、スライダ18によってステント固定棒23は前後に移動可能なので、ステント固定棒23に装着されるステントは長手方向にワイヤ21の巻き付け位置を変えることができ、任意の長手方向位置におけるステントの半径方向の剛性を測定することができる。
また、ステント剛性測定装置17には、実施例1におけるステント柔軟性測定装置と同様に、操作パネル等の操作部やモニタあるいはレコーダ等の出力部や測定結果を処理するプログラムを搭載したパソコン等を接続することもできる。
さらに、温度や湿度を制御可能な恒温槽又は液槽を設置し、種々の条件下での測定を行うこともできる。
ここで、ステントの剛性について図9を用いて説明する。
図9(a)は、血管の狭窄部に装着されたステントの一例を示す概念図であり、(b)は図9(a)中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。
図9(a)において、ステント1は血管9が閉塞しないように血管壁10及び狭窄部27に内接して装着されている。そして、図9(b)に示すように、ステント1は、血管9内の内腔を確保しようと血管壁10を押し広げようとする一方で、矢印28に示すような血管がステント1を押し潰そうとする力が作用している。特に、狭窄部27ではこの力が強く、かつ不均一であり、矢印29に示すようにステント1には局所的な力が作用している。
したがって、ステント1には半径方向に適度な剛性があることが必須であり、そこで、ステント1を半径方向に円周が滑らかに低減するように圧縮し、この際のステント1の変形量と変形に必要な圧縮力をステント剛性測定装置を用いて測定することにより、ステントの半径方向に剛性を評価することが望ましく、本実施例2に係るステント剛性測定装置はその評価を可能とするものである。
次に、図10及び図11を用いて、実施例2に係るステント剛性測定装置に装着されるステント及び網目状構造物について詳しく説明する。
図10(a)は、本実施例に係るステント剛性測定装置に装着されるステントの側面を示す概念図であり、(b)は図10(a)中にB−B線で示された部分の矢視断面図である。
図10(a)において、ステント1には、ステント1の外周を覆うように網目状構造物20が被せられており、そして、ステント1及び網目状構造物20の長手方向の略中心位置にワイヤ21が巻きつけられている。
なお、網目状構造物20とは、金属ワイヤを網目に編んだもので、特に材料は特定されないが、長手方向に垂直に極細の糸等で縛ると滑らかに円筒周面が変化する弾性体である。また、図10(a)においては、長手方向の長さがステント1よりも網目状構造物20の方が短く設計されているが、ステント1を周方向に覆設可能であれば網目状構造物20の長さは特に限定されるものではない。
次に、図10(b)において、ステント剛性測定装置における測定時のステント1の断面をみると、ステント1を内部に収納して網目状構造物20が設置され、そして、網目状構造物20の外側に一周分の回旋部を作成してワイヤ21が巻きつけられている。
なお、図10(b)中では、ワイヤ21と網目状構造物20の間には空間があるが、実際にはワイヤ21は網目状構造物20に接していてもよい。
続いて、ワイヤによるステントの縮径について説明する。
図11(a)は、本実施例に係るステント剛性測定装置に装着したステントの断面を示す概念図であり、(b)は同じくステント剛性測定装置に装着した縮径後のステントの断面を示す概念図である。
図11(a)において、ワイヤ21に張力をかける前のステント1の断面の半径をRとする。そして、図11(b)において、ワイヤ21を電動スライダで引っ張ると、ステント1及び網目状構造物20は縮径し、ステント1の断面の半径は小さくなる。縮径後の半径をR'とすると、縮径後の半径をR'は、電動スライダの移動距離X及び円周率πから次式(1)で表される。
R'=(2πR−2X)/2π ・・・(1)
このように算出されるステント1の縮径後の半径R'は縮径に要するワイヤ21の張力とともにステントの半径方向の剛性を評価する指標となる。
このように構成された本実施例においては、ステント1を半径方向に円周が滑らかに低減するように圧縮し、縮径後のステント1の半径と縮径に要する荷重を測定することにより、ステント1に必須とされる半径方向の剛性を定量化することができる。
また、ステント1の長手方向における任意の位置で測定可能なので、長手方向における剛性の相違の分布についても調査することができる。
次に、本発明の実施の最良の形態に係るステント力学特性測定装置を実施例3として図12乃至図15を参照しながら説明する。(特に請求項3に対応)
図12は、本発明の本実施例に係るステント端部応力測定装置の概念図である。
図12において、ステント端部応力測定装置30は、ステント支持部31と押圧部32から構成されており、ステント支持部31は、ステント1を固定する固定具33と、ステント1の端部が傾倒した場合に保持する保持具34と、ステント1、固定具33及び保持具34を横移動させる電動スライダ5からなっている。
一方、押圧部32は、ステント1の端部を押圧する押圧具35と、押圧具35に連結棒36によって連結されるロードセル8と、押圧具35、連結棒36及びロードセル8を支持する支持ホルダ37から構成されている。
ステント端部応力測定装置30では、固定具33にステント1が固定されると、電動スライダ5は、ステント1の端部が押圧具35に接して、さらに、保持具34に傾倒するまで横移動する。そして、ロードセル8は、屈曲したステント1の端部から発生し、押圧具35に作用する荷重を計測するようになっている。後述するが、ステント1では屈曲した場合に端部に応力が生じ、血管壁が損傷するという重大な問題が生じており、本実施例におけるステント端部応力測定装置30を使用すると、ステント1の端部の応力を定量化することができるのである。
なお、ステント端部応力測定装置30には、実施例1におけるステント柔軟性測定装置と同様に、操作部及び出力部等を設置することもでき、また、温度や湿度の異なる条件下で測定可能な設備を追加することもできる。
ここで、ステント端部の応力について図13を用いて説明する。
図13は、ステントを血管に装着した場合の一例を示す概念図である。
図13において、血管9は屈曲しており、このような屈曲した血管9にステント1が留置されると、ステント1の端部に接する血管壁が損傷するというステント外狭窄と呼ばれる現象が生じている。このステント外狭窄は、屈曲したステント1の端部には応力が集中し、この応力が原因となって発生すると考えられている。
そこで、ステント外狭窄を低減するためは、屈曲したステント1の端部の応力集中をなくすことが必要であるが、まずは、ステント1の端部に発生する応力を計測することが第1ステップであり、本実施例においては、屈曲したステント1の端部に発生する応力を簡単に測定するステント端部応力測定装置を発明したのである。
続いて、ステント端部応力測定装置の測定方法について図14を用いて説明する。
図14(a)は、本実施例に係るステント端部応力測定装置にステントを設置した場合の平面概念図であり、(b)は同じくステント端部応力測定装置にステントを設置しスライダを作動させた場合の平面概念図である。すなわち、これらの図は上方から装置を見下ろした状態で描かれている。
図14(a)において、固定具スライダ38は、ステント1の位置を調整するために固定具33を水平に前後方向へ移動させることができる。
そして、図14(b)において、ステント支持部(図示せず)側に設置される電動スライダ(図示せず)を水平に移動させて、押圧具35が保持具34の湾曲面との間でステント1の端部を押圧するように調整する。なお、保持具34及び押圧具35の湾曲部の曲率は同一に設定されているが、ステント1の端部はロードセル8に垂設される連結棒36の延長線上に、さらに、保持具34の周面において角度θが45度になるように位置調整するとよい。
そして、ステント1の端部が屈曲した状態で、押圧具35にかかる力をステント1の端部から発生する応力としてロードセル8によって計測するのである。
最後にステントに発生する反力と押圧具の位置関係について図15を用いて説明する。図15はステントを屈曲した場合のステントに発生する反力の位置を示すグラフ図である。測定は、図14に示される装置と同様の装置で実施したが、本図に係る装置の押圧具35は、図14に示されるものよりも下方へ長いもの、すなわちステント1の固定具33側へ長いものを採用している。図15において、位置Xはステントの位置を示しており、X=9.0mmはステントの端部,X=0.0mmは図14に示される固定具33である。この図からX=8.0mmを越えると急激に反力が増大している。このことから押圧具35はステント端部(上端部)に設置するのが有効である。また、この結果からステントは屈曲すると端部においてかなりの応力が発生することがわかる。
このように構成された本実施例においては、ステントを屈曲させてその端部に発生する応力を的確に捉えて計測することができるので、ステント端部の応力とステント端部に接する血管壁の損傷との関係を調査してステントの品質管理を行うことができ、そして、ステントの品質向上へつなげることが可能である。
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項3に記載された発明は、ステントの力学特性を簡便に測定することができるステント力学特性測定装置を提供可能であり、ステントの製造メーカ等の品質管理部門や研究部門などにおいて使用可能である。
本発明の実施の最良の形態に係るステント力学特性測定装置の測定対象となるステントの拡大写真である。 (a)は本発明の本実施例に係るステント柔軟性測定装置の平面図であり、(b)はステント柔軟性測定装置の側面図である。 ステントを血管に装着した場合の一例を示す概念図である。 (a)は、ステントの構造を模式的に示す概念図であり、(b)はステントを曲げた状態を示す拡大写真であり、(c)はステントを曲げた場合の構造を模式的に示す概念図である。 (a)は、性能が良好であるステントを曲げた場合の拡大写真であり、(b)は性能が良好であるステントを曲げた場合の構造を模式的に示す概念図である。 (a)は性能が不良であるステントを曲げた場合の外形図であり、(b)は性能が不良であるステントを曲げた場合の構造を示す概念図である。 ステントに圧縮力が加わった場合のステントの変形の様子をビデオカメラで撮影した画像を示す概念図である。 (a)は本発明の本実施例に係るステント剛性測定装置の平面図であり、同じく(b)はステント剛性測定装置の側面図である。 (a)は、血管の狭窄部に装着されたステントの一例を示す概念図であり、(b)は図9(a)中にA−A線で示された部分の矢視断面図である。 図10(a)は、本実施例に係るステント剛性測定装置に装着されるステントの側面を示す概念図であり、(b)は図10(a)中にB−B線で示された部分の矢視断面図である。 (a)は、本実施例に係るステント剛性測定装置に装着したステントの断面を示す概念図であり、(b)は同じくステント剛性測定装置に装着した縮径後のステントの断面を示す概念図である。 本発明の本実施例に係るステント端部応力測定装置の概念図である。 ステントを血管に装着した場合の一例を示す概念図である。 (a)は本実施例に係るステント端部応力測定装置にステントを設置した場合の平面概念図であり、(b)は同じくステント端部応力測定装置にステントを設置しスライダを作動させた場合の平面概念図である。 ステントの応力とステントの位置の関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1…ステント 2…ステント柔軟性測定装置 3…固定具 4…固定具 5…電動スライダ 6…ガイド 7…電動スライダ固定具 8…ロードセル 9…血管 10…血管壁 11…屈曲部上部 12…屈曲部下部 13…固定具 14…矢印 15…矢印 16…矢印 17…ステント剛性測定装置 18…スライダ 19…ステント取付部 20…網目状構造物 21…ワイヤ 22…背板 23…ステント固定棒 24…固定棒支持体 25…ツマミ 26…プーリ 27…狭窄部 28…矢印 29…矢印 30…ステント端部応力測定装置 31…ステント支持部 32…押圧部 33…固定具 34…保持具 35…押圧具 36…連結棒 37…支持ホルダ 38…固定具用スライダ R…ステントの断面の半径 R'…ステントの縮径後の断面の半径 θ…連結棒とステント端部の延長線と保持具のなす角

Claims (3)

  1. ステントの一の端部を固定する第1の支持部と、前記ステントの他の端部を固定する第2の支持部と、前記第1の支持部に連結され前記第1の支持部と前記第2の支持部を結ぶ直線方向に移動する移動部と、前記第2の支持部に連結され前記第2の支持部にかかる荷重を計測する荷重センサとを有することを特徴とするステント力学特性測定装置。
  2. ステントを固定する支持部と、前記ステントに着脱可能に覆設される円筒状の弾性部と、この弾性部の周方向に回旋部を有して設置されるワイヤと、このワイヤの一の端部に連結され前記回旋部を縮径可能に移動する移動部と、前記ワイヤの他の端部に連結され前記ワイヤにかかる荷重を計測する荷重センサとを有することを特徴とするステント力学特性測定装置。
  3. ステントを固定する支持部と、この支持部に連結され前記ステントの長手方向に移動する移動部と、前記支持部に前記ステントを傾倒可能に保持する保持部と、この保持部に当接可能に設置される押圧部と、この押圧部に連結され前記押圧部にかかる荷重を計測する荷重センサとを有することを特徴とするステント力学特性測定装置。
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