JP2005278631A - Axlリガンド結合領域蛋白質、その製造方法及びそれを用いたスクリーニング方法 - Google Patents

Axlリガンド結合領域蛋白質、その製造方法及びそれを用いたスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Axlリガンド結合領域蛋白質の組換え法による製造に有用なDNA、該DNAを含有する発現ベクター、該発現ベクターで形質転換された大腸菌宿主細胞、該形質転換体を用いてAxl結合領域蛋白質を製造する方法及びAxl結合領域蛋白質を用いたスクリーニング方法の提供。
【解決手段】 以下の(a)又は(b)の蛋白質であり、かつGas6との結合活性を有するAxlリガンド結合領域蛋白質。(a) 特定のアミノ酸配列からなる蛋白質(b) 特定のアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる蛋白質
【選択図】なし

Description

本発明はAxlの細胞質外領域の内、リガンド結合領域蛋白質、即ちGas6結合領域蛋白質をコードするDNA、該DNAを含有し、大腸菌内で複製可能な発現ベクター、該ベクターを用いるAxlのリガンド結合領域蛋白質およびその誘導体の製造方法、並びにそのようにして製造された蛋白質に関するものである。
Axlはガン原遺伝子として見出された、チロシンキナーゼ型受容体であり、細胞膜に大量に発現すると、細胞を形質転換する作用を持つことが報告されている。Axlは細胞外ドメインに2つのイムノグロブリン様ドメインと2つのフィブロネクチンタイプIIIドメインを持つことが知られている。
Gas6はgrowth arrest−specific gene6の略語で、ビタミンK依存性細胞増殖因子であり、種々の細胞、線維芽細胞、血管平滑筋細胞やメサンギウム細胞に対して増殖促進活性や細胞接着活性をもつ。例えばマウス腎臓のメサンギウム細胞において、Gas6はチロシンキナーゼ型の受容体であるAxlと結合し、その下流シグナルを活性化することにより、細胞増殖を制御することが知られている。メサンギウム細胞の増殖は糸球体腎炎、糖尿病性腎炎、IgA腎炎に共通した病状であり、その増殖の抑制は、種々の腎臓疾患の治療効果が期待される。また、Gas6は血漿の凝固活性をもつ内因性因子であることが示唆されており、動脈硬化の成因因子としても注目されている。
最近の研究では活性発現に際して、同受容体は二量体などの多量体構造をなしていると考えられる。Gas6とAxlとの複合体形成反応、また多量体化の機構を解明することは、関連する疾患や異常の研究、治療または予防に有効である。例えば、腎炎に伴う糸球体硬化、尿中蛋白の増加がGas6により引き起こされることが示唆されているが、それをAxlに拮抗する物質で阻止することが可能である。
従って、本発明はAxlとリガンドとの相互作用に関連する疾患の研究や治療に有用であり、臨床的に投与した場合には、生体内のAxlに対する拮抗作用を通して、Gas6依存性の疾患や異常、例えば、動脈硬化や腎炎の治療または予防にも途を開くものである。
本発明のGas6結合領域蛋白質は、ペプチドライブラリーなどを用いてのペプチド性のGas6のアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング、非ペプチド性のGas6のアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニングを可能にし、Gas6とその受容体であるAxlの結合の研究(その立体構造の解析など)を飛躍的に発展させ、ひいてはGas6のアゴニスト、アンタゴニストの合成を可能にするものである。
既に、ヒト由来のAxlをコードするDNAはクローニングされ、配列が明らかにされている(非特許文献1参照)。
Bellosta Pらは、Axlの細胞外領域の発現に成功したことを報告しているが(非特許文献2参照)、動物細胞を用いて、相補DNAの細胞外全配列を発現させたものであり、その発現量は低く、需要を満たすだけのAxlの製造には最適でなく、構造解析、反応機構の研究も十分に行うことができなかった。
Heiring Hらは、Axlと同一のファミリーに属するTyro3のリガンド結合部位の発現に大腸菌を用いて成功している(非特許文献3参照)。Tyro3のリガンド結合部位とAxlの相同性は37%である。Gas6との結合定数はAxlが1nMであるのに対し、Tyro3は10.8nMであり、Tyro3の結合活性はAxlの10分の1である。AxlとTyro3の生体内での作用は大きく異なる。例えばAxlはメサンギウム細胞の増殖を伴う腎炎への関与が示唆されるのに対し、Tyro3は始原生殖細胞の増殖制御や性分化に関与していることが示唆されている。Tyro3とGas6の結合様式とAxlとGas6の結合様式が類似しているかどうかは不明である。
O‘Bryan JPら,Mol Cell Biol,11 5016-5031(1991) Bellosta Pら,Mol Cell Biol, 15 614-625(1995) Heiring Cら, J Biol Chem,279(8) 6952-6958(2004)
本発明は、Axlのリガンド結合領域蛋白質の組換え法による製造に有用なDNA、該DNAを含有する発現ベクター、該発現ベクターで形質転換された大腸菌宿主細胞および該形質転換体を用いてAxl結合領域蛋白質を製造する方法の提供を目的とする。また本発明は、さらにAxlリガンド結合領域蛋白質の提供を目的とする。さらに、本発明は、該蛋白質を用いたGas6のアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法の提供を目的とする。
Axlのアミノ酸配列は、文献により、ヒト及びマウス等に関して既知である。即ち、O’Bryan JPらはAxlをコードするcDNA(相補DNA)をクローニングし、この受容体はイムノグロブリン様領域(以下Ig領域と略す)、フィブロネクチンタイプIII領域からなることを示した(前掲)。
シグナル伝達にはAxl全体が必要であると考えられているが、ドメイン領域の一部が結合活性を保持している可能性はある。即ち部分的ドメイン領域のみでも、天然とほぼ同じ構造を維持してフォールドさせ、発現させることが出来れば、従来、発現が困難であったAxlを始め、様々な受容体の機能的なドメイン領域を大量に取り出すことが可能となる。次いで、発現産物のリガンド結合活性を調べ、この部分のリガンド結合への寄与の程度を明確にすることができる。このようにして、小分子量のリガンド結合活性を有する蛋白質を大量に得ることが可能となる。そのような小分子量のリガンド結合蛋白質は、X線やNMRの高次構造解析において著しく有利である。上記の理由から、本発明で開示する、Axlのリガンド結合領域、特にIg領域の蛋白質のDNA組換え法による製造は、従来困難であった他の受容体のリガンド結合領域蛋白質の製造への途をも開くものである。本発明者らは、上記の様々な目的を達成するためには、Axlの全分子の内、特に、Gas6との結合に必要な領域の蛋白質が有用であることに着目し、そのようなリガンド結合領域蛋白質のDNA及びアミノ酸構造を決定しその有効な製造方法を確立するために研究を重ね、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は以下のとおりである。
[1] 以下の(a)又は(b)の蛋白質であり、かつGas6との結合活性を有するAxlリガンド結合領域蛋白質、
(a) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列を含む蛋白質
(b) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含む蛋白質
[2] 以下の(a)又は(b)のAxlのGas6との結合活性を有するリガンド結合領域蛋白質をコードする遺伝子。
(a) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列を含む蛋白質
(b) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含む蛋白質
[3] 以下の(c)又は(d)のDNAであり、AxlのGas6との結合活性を有するリガンド結合領域蛋白質をコードするDNA。
(c) 配列番号1または3で表される塩基配列を含むDNA
(d) 配列番号1または3の塩基配列を含むDNAと相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、蛋白質をコードするDNA
[4] [2]または[3]のDNAを含有する組換えベクター、
[5] [4]の組換えベクターを含む形質転換体、
[6] [5]の形質転換体を培養し、得られる培養物からAxlのリガンド結合領域蛋白質を採取することを特徴とするAxlのリガンド結合領域蛋白質の製造方法、
[7] [1]のAxlのリガンド結合領域蛋白質に対する抗体、
[8] [1]のAxlのリガンド結合領域蛋白質を用いたスクリーニング方法、ならびに
[9] [7]の抗体を用いたスクリーニング方法。
本発明は、大腸菌を宿主とする遺伝子組換え法によって本発明のリガンド結合領域蛋白質、即ち、AxlのIg領域またはIg1領域を発現させ、該宿主からIg領域またはIg1領域を抽出・精製する方法を確立したものである。また該蛋白質を用いたGas6のアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法をも確立することができた。
本発明の目的に従い、本明細書で用いる語句を以下に定義する。本発明において、Axlという語句はヒトを含む天然のあらゆる哺乳動物起源のAxlを意味すると共に、遺伝子操作によって作られるそれら天然のAxlの変異体も含むものとする。Axlのリガンド結合領域蛋白質とは、Axlの内、Gas6との結合に関与する領域を構成する蛋白質を指す。該蛋白質は、AxlのIg領域を構成するアミノ酸配列を有する。発明の目的にとっては、天然のアミノ酸配列を有するリガンド結合領域蛋白質のみならず、当業者既知の方法で1またはそれ以上のアミノ酸の変異によって得られる、同様の活性を有するペプチドも有用である。従って、本明細書中、単に、リガンド結合領域蛋白質と言うときは、天然のアミノ酸配列を有する蛋白質のみならず、上記ペプチドをも包含するものとする。Ig領域とは、上記の定義に従うAxlのリガンド結合領域を意味し、Ig1領域とはIg領域中のリガンド結合領域を意味する。Axlのリガンド結合領域蛋白質をコードするDNAとは、Axlの内、Gas6との結合に関与する領域を構成するアミノ酸配列をコードするDNAを指す。該DNAは、AxlのIg領域を構成するアミノ酸配列をコードするDNAを含有するものである。また、該DNAは、AxlのIg1領域を構成するアミノ酸配列をコードするDNAを含有するものである。上記の蛋白質に関する定義と同様に、該DNAは天然のリガンド結合領域蛋白質をコードするもののみならず、当業者既知の方法で得られた該蛋白質の誘導体をコードするDNAをも包含する。DNAは、相補DNA、合成DNAのいずれでもよい。
Ig領域とは、配列表の1番目のグルタミン酸から190番目のトレオニンに至る部分を指す。また、Ig1領域とは、配列表の1番目のグルタミン酸から106番目のロイシンに至る部分を指す。しかしながら、Ig領域およびIg1領域の開始部位および終了部位は必ずしも、本発明にとって厳密でなく、該Ig領域またはIg1領域全体の立体構造に大きな影響を与えることはない。その機能が保持されることを条件として、N末端および/またはC末端の数残基のアミノ酸が欠失あるいは付加したものも包含される。通常、このような一次構造上の僅かな差異は該Ig領域またはIg1領域全体の立体構造に大きな影響を与えず、機能は保たれると考えられる。
配列番号1に本発明のAxlのリガンド結合領域蛋白質をコードするDNAの塩基配列を、配列番号2に本発明のAxlのリガンド結合領域蛋白質のアミノ酸配列を例示し、また、配列番号3に本発明のAxlのIg1領域蛋白質をコードするDNAの塩基配列を、配列番号4に本発明のAxlのIg1領域蛋白質のアミノ酸配列を例示するが、このアミノ酸配列からなるタンパク質がAxlのリガンド結合領域蛋白質の活性、すなわちGas6と結合する活性を有する限り、当該アミノ酸配列において1個、若しくは数個のアミノ酸に欠失、置換、付加の変異が生じてもよい。
また、本発明のAxlの結合領域蛋白質をコードするDNAは、配列番号1または配列番号3の塩基配列と、BLAST等を用いてデフォルトの条件で計算したときに、少なくとも80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有しており、Axlのリガンド結合領域蛋白質の活性を有する蛋白質をコードする塩基配列からなるDNAも含む。
また、上記遺伝子と相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるDNAであってAxlのリガンド結合領域蛋白質の活性を有する蛋白質をコードするDNAも本発明の遺伝子に含まれる。ここでストリンジェントな条件とは、例えばDNAを固定したフィルターを用いて、0.7〜1.0MのNaCl存在下、68℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1〜2倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSCとは150mM NaCl、15mM クエン酸ナトリウムからなる)を用い、68℃で洗浄することにより同定することができる条件をいう。
さらに、上記DNAに対するRNA、又は該RNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるRNAであってAxlのリガンド結合領域蛋白質の活性を有する蛋白質をコードするRNAも本発明に含まれる。
さらに、配列番号1または3の塩基配列の縮重変異体も、本発明のDNAに含められる。
遺伝子に変異を導入するには、Kunkel法や Gapped duplex法等の公知の手法又はこれに準ずる方法により、例えば部位特異的突然変異誘発法を利用した変異導入用キット(例えばMutant-K(TAKARA社製)やMutant-G(TAKARA社製))などを用いて容易に行うことができる。
ここで、Axlのリガンド結合領域蛋白質の活性とはGas6への結合活性またはGas6とAxlとの結合を阻害する活性であり、蛋白質がGas6に結合するかどうかは、公知の方法で決定することができる。なお、本発明の蛋白質は、Gas6と結合するが、Gas6とアミノ酸レベルで約42%の相同性を有するヒトおよびウシのProteinSとは結合しない。
配列番号1または3の塩基配列の変異または修飾により、天然のリガンド結合領域蛋白質よりも望ましい生物学的活性を有する、すなわちGas6への結合活性またはGas6とAxlとの結合を阻害する活性が促進されたリガンド結合蛋白質を得ることができ、本発明はこれらの活性が促進されたリガンド結合蛋白質および該蛋白質をコードするDNAも含む。
後述の実施例においては、ヒトAxlのIg部分またはIg1部分に対応する領域の相補DNAを用いてリガンド結合領域蛋白質の発現を示したが、合成DNAを用いてもよい。当業者ならば容易に理解するように、コドンの異なるDNAであっても、本発明の蛋白質のアミノ酸配列をコードする限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明はまたAxl結合領域蛋白質の製造方法を提供するものである。そのような蛋白質の製造は、本発明のDNAを適当な発現ベクターに挿入し、該発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、形質転換体を培養することにより行うことができる。
本発明のAxlの発現には、例えば、大腸菌のような原核性微生物、S.セレビシエのような真核性微生物、S121等の昆虫細胞さらにはCOS細胞、CHO細胞等哺乳類細胞が用いられる。組織培養細胞にはトリ、または哺乳類細胞、例えばネズミ、ラットおよびサル細胞が含まれる。適当な宿主細胞−ベクターシステムの選択および使用方法等は、当業者に既知であり、それらの内から本発明のAxlのリガンド結合領域蛋白質をコードするDNAの発現に適した系を任意に選択することができる。しかしながら、本発明の目的には、上記の理由から、大腸菌が好ましい。本明細書の実施例では、まず、リガンド結合領域蛋白質としてAxlのIg領域蛋白質またはIg1領域蛋白質をコードするDNAを用いた。該領域のアミノ酸配列をコードするDNAはPCR法によって得ることができる。また、DNA合成法によっても得ることができる。
Ig領域またはIg1領域をコードするDNAを大腸菌宿主中で発現させるためには、あらかじめ、このDNAを大腸菌の遺伝子発現系に連結しておく必要がある。大腸菌の発現系についてはすでに多くの成書があり、それらに従って操作すればよい。即ち、大腸菌を用いる遺伝子操作法は、当該技術分野で既知の文献[マニアティスら(Maniatis),(1982),Moleular Cloning:A Laboratory Manual,ColdSpring Harbor Laboratory]を初めとして、近年出版された多くの実験書に詳述されている。また蛋白質の精製などの基本的な方法も生化学実験講座(日本生化学編,東京化学同人)などの多くの成書に詳述されている。本発明方法はこれら文献既知の方法を用いて行うことができるが、以下に、簡単に説明する。
Ig領域またはIg1領域は、ポリメラーゼチェインリアクション法(以下PCR法と略す)によって取り出すことができる。次いで、上記のIg領域またはIg1領域遺伝子を大腸菌由来の発現プラスミッドに挿入する。大腸菌由来の遺伝子発現系としては、それ自身の菌体内で機能している遺伝子のプロモーター活性と翻訳能とを持つDNA断片由来のものが多い。このようなものとしては、トリプトファン遺伝子、ラクトース遺伝子、アルカリ性ホスファターゼ遺伝子、さらには、トリプトファン遺伝子とラクトース遺伝子のハイブリッドであるtac遺伝子などがある[中原,松原(1986),日本生化学会編,“遺伝子工学研究法II",1〜172,東京化学同人]。通常は、これらのDNA断片を目的物の遺伝子の前に連結させることによって、該遺伝子を発現させる。通常、発現には菌体内発現と分泌発現の2種類があり、各々について適当な発現系が存在する。
本発明の蛋白質は、前記形質転換体を培養し、その培養物から採取することにより得ることができる。「培養物」とは、培養上清、あるいは培養細胞若しくは培養菌体又は細胞若しくは菌体の破砕物のいずれをも意味するものである。本発明の形質転換体を培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。
培養後、本発明の蛋白質が菌体内又は細胞内に生産される場合には、菌体又は細胞を破砕することにより本発明の蛋白質を抽出する。また、本発明の蛋白質が菌体外又は細胞外に生産される場合には、培養液をそのまま使用するか、遠心分離等により菌体又は細胞を除去する。その後、蛋白質の単離精製に用いられる一般的な生化学的方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿、ゲルクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を単独で又は適宜組み合わせて用いることにより、前記培養物中から本発明の蛋白質を単離精製することができる。
後述の実施例では、Ig領域またはIg1領域をHis6に融合させ、融合蛋白質として発現させた後、Niアフィニティカラムを用いて精製を行っている。融合させる蛋白質はHis6に限らず、マルトース結合たんぱく質、グルタチオンSトランスフェラーゼ、チオレドキシン、プロテインA、ベーターガラクトシダーゼを用いて、さらにマルトース結合たんぱく質の場合はアミロースのカラムを用いて、グルタチオンSトランスフェラーゼの場合はグルタチオンカラムを用いて、チオレドキシンの場合は金属キレートカラムを用いて、プロテインAの場合はIgGカラムを用いて精製することができる。この態様では、発現プロモーターとして、IPTGの添加によって誘導がかかるtacプロモーターを用いている。細胞の不溶性成分に蓄積した融合蛋白質を抽出し、Niアフィニティカラム、Q−セファロース、ゲルろ過カラム、エンテローキナーゼによる目的ペプチドの切り出し、さらにQ−セファロースの使用からなる一連の操作によって、目的とするIg領域またはIg1領域を単一物質にまで精製することができる。これらの一連の方法は単なる例示にすぎず、当業者既知の他の精製系を用いても、目的物質は得ることができる。上記の方法により、天然のアミノ酸配列を有する蛋白質を得ることができたが、1またはそれ以上のアミノ酸の変異(欠失、挿入または置換)を有する該Ig領域またはIg1領域の変異体も同様にして大腸菌に発現させることができる。そのような変異は、リガンド結合活性の改善、インビボの安定性等を改善することを目的とする。
即ち、本発明は、好ましくは、大腸菌遺伝子発現系の制御下にAxlのリガンド結合部位蛋白質をコードするDNAを組み込んだ発現プラスミッド、および該発現プラスミッドによって形質転換された形質転換体を提供する。さらに本発明は、該形質転換体を用いるリガンド結合部位蛋白質の製造方法、並びに該製造方法によって得られるリガンド結合部位蛋白質を提供する。リガンド結合部位蛋白質はIg領域およびIg1領域蛋白質を含有する。本発明法により大腸菌を宿主として生産されたIg領域またはIg1領域の生理活性を、リガンドへの結合能を指標として測定したところ、Ig領域またはIg1領域のリガンドへの結合能が認められた。この結果は、本発明方法で得られた組換えリガンド結合領域蛋白質が、Axlのリガンド結合活性を保持しており、生理学的に活性であって、臨床面での有用性を有すると同時に、立体構造解析などのAxlの研究の飛躍的な発展をもたらし得ることを示すものである。
本発明は、Axlのリガンド結合領域蛋白質に対する抗体をも含む。抗体はポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の両者を含む。抗体は公知の方法により作製できる。
本明細書において、「抗体」は、いずれのイムノグロブリンクラス及びサブクラスを有する抗体も包含する。また、「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、ヒト抗体および抗体ライブラリー由来の抗体、ならびにそれらの機能的断片をも含む。抗体の機能的断片とは、(Fab)2フラグメントおよび(Fab)フラグメント等を含む抗体分子の可変部を保持しているあらゆる分子を意味する。
産生された抗体は、プロテインAあるいはプロテインGカラムによるクロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、硫安塩析法、ゲル濾過、アフィニティクロマトグラフィー等の公知の精製方法を適宜組み合わせて精製すればよい。
抗体は、本発明の蛋白質の精製に用いることができ、またのリガンド結合領域をブロックすることにより、Gas6がAxl受容体に結合するのを阻害するのに用いることもできる。
また本発明には、本発明のAxlリガンド結合領域蛋白質あるいはそれに対する抗体に特異的に結合し、かつ本発明のタンパク質の特徴であるGas6結合活性を阻害、拮抗または増強する作用を有する物質をAxlリガンド結合領域蛋白質の結合調節物質として得ることができるスクリーニング方法をも含む。この結合調節物質のスクリーニング方法は、本発明のタンパク質に特異的に結合し、且つ該タンパク質のGas6結合活性を阻害、拮抗または増強する作用を有する物質が得られる方法であれば如何なるものであってもよい。例えば、まず本発明のタンパク質と被検物質とを接触させ、該タンパク質との結合性を指標として選抜した後に、Gas6結合活性の変化を指標として被検物質を選抜する方法を用いることができる。ビアコア2000を用いてセンサーチップにIg領域またはIg1領域を固定化し、被検物質を送液することにより結合する物質を選抜した後、被検物質をGas6と同時に送液し結合活性の変化を測定することでスクリーニングを行うことができる。また当業者既知の方法でAxlリガンド結合領域蛋白質対する抗体によりキットを作製し、これによりこの結合調節物質をスクリーニングすることもできる。この結合調節物質は、Axlリガンド結合領域とGas6の結合活性を変化させるアゴニスト、アンタゴニストをさし、ペプチド、蛋白質、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、DNA等が考えられる。
また本発明には、本発明のAxlリガンド結合領域蛋白質あるいはそれに対する抗体に特異的に結合し、かつ本発明のタンパク質の特徴であるGas6結合活性を阻害、拮抗または増強する作用を有する物質をAxlリガンド結合の結合調節物質として得ることができるAxlリガンド結合領域タンパク質を用いたスクリーニング方法をも含む。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明する。
実施例1
AxlのGas6結合領域解析:
Gas6の結合領域であるGas6LGドメインの精製蛋白をNHS−Activatedビーズ(アマシャム)に共有結合させ、Gas6LGアフィニティビーズを作製した。Axl−Fc(シグマ)は250mMリン酸緩衝液、pH7.8中にてV8プロテアーゼを基質:酵素=1:50の割合で反応させることで、Axl―Fcを切断し、断片ペプチドとした(図1)。25mMトリス塩酸緩衝液、150mM食塩、1mg/mlBSA、1%NP40の結合バッファー中で断片ペプチドAxl−FcをGas6LGアフィニティビーズに混合し、免疫沈降法を利用した結合試験を行なった。十分にアフィニティビーズを洗浄することで、非特異的に結合している分子を洗い流した後、酸(グリシン塩酸 0.1M、PH2.7)にて溶出した。ポリアクリルアミド電気泳動をした後、抗Axl抗体(シグマ)を用いた免疫染色を行った。その結果、Gas6LGを共有結合させたアフィニティビーズにAxl―Fc切断フラグメントの結合が認められた。Gas6LGと結合するAxl断片ペプチドは120kDa、75kDa、50kDa、35kDaの4種類認められ(図2)、N末解析によりGas6LGと結合する全てのAxl断片ペプチドは、N末端が同一のアミノ酸配列Glu−Glu−Ser−Pro−Pheであることが明らかとなった。この配列は、Ig領域のN端に存在する。溶出された35kDaのAxl断片ペプチドは50mM リン酸緩衝液 PH7.5中、N-glycosidaseF処理により約25kDaになることから、Gas6と相互作用するAxl部分領域は、Ig領域であることが示唆された。
実施例2
結合領域の蛋白作製:
(1)AxlのIg領域蛋白質をコードするDNAの調製および大腸菌発現ベクターpET15b−Igの構築
公知のヒトAxlのアミノ酸配列蛋白質をコードするDNAを配列表1で示すように設計した。このDNA断片の調製に際しては、配列表1にある1番グルタミン酸から190番トレオニンをコードすると共に、その部分をHis6との融合蛋白質として発現させ、発現された融合蛋白質から所望のIg領域蛋白質を単離、精製することができるよう、His6をコードするベクターに挿入可能な形に設計した。即ち、His6とAxlの間にエンテローキナーゼの認識部位であるAsp-Asp-Asp-Asp-Lysをコードする配列がさらにN末端側に挿入されるよう設計した。従って、His6と融合した形で発現したAxlは、制限プロテアーゼエンテローキナーゼによる切断によってHis6から切り離される。またC末端には終結コドンTAAをさらに付加した。その上にDNA断片をpET15bのNde1とXho1部位に連結すべく、該DNAのN末端側とC末端側をさらに延長して、その延長部にNde1とXho1認識部位を形成し、発現ベクターpET15b−Igを構築した(図3)。
(2)プラスミッドpET15b−Igで形質転換された大腸菌によるIgドメイン領域の製造
この発現ベクターpET15b−Igを用いて、これを100μlの大腸菌BL21(DE3)株コンピテントセルと混合し、0℃で30分間、さらに42℃で2分間インキュベートすることで大腸菌へ移入した。バクトトリプトン(ディフコ)10g、イーストエキス(ディフコ)5g、食塩5g、100μg/mlアンピシリンおよび0.2%グルコースを含む培地1リットルに上記形質変換体を接種し、37℃で(A600=約0.5)まで増殖させる。それにIPTG(シグマ社)を最終濃度が1mMになるように添加する。続いて、約5時間培養後、菌体を集める。集めた菌体は5mM EDTAを含む25mMトリス緩衝液pH7.5に懸濁した後超音波にて破砕する。12,000回転の遠心を行った後、沈殿を集める。
沈殿画分は20mMトリス緩衝液、6Mグアニジン塩酸、4mMDTT(pH7.5)を加えて可溶化した。これをNiカラム(アマシャム)に添加する。つぎに洗浄液(20mMトリス緩衝液、6Mグアニジン塩酸塩、4mMDTT、40mMイミダゾール )で洗浄した後、溶出液(20mMトリス緩衝液、6Mグアニジン塩酸、4mMDTT、300mMイミダゾール)にて目的物を溶出する。SDSを含む14〜16%のポリアクリルアミド電気泳動で約25kDaの分子量を示すことで確認することができる。目的物は、回収後20mMのトリス塩酸緩衝液、10mMシステイン(pH8)に希釈し、一晩4℃にてインキュベートする。回収後20mMのトリス塩酸緩衝液(pH8)に対して透析する。次に、この透析物をQ−セファロースに添加する。溶出は、0Mから1Mの食塩の濃度勾配で行う。目的物をポリアクリルアミド電気泳動で約25キロダルトンの分子量を示すことで確認する。これを20mMのトリス塩酸緩衝液(pH8)で平衡化したゲルろ過カラムに添加し1.5カラムの20mMのトリス塩酸緩衝液(pH8)にて溶出する。目的物は14〜16%のポリアクリルアミドゲル電気泳動で約25kDaの分子量を示すことで確認出来る。目的物の画分は回収してエンテローキナーゼを添加して16℃で1日間反応させる。これによりIgがHis6から切り放される。次いで、得られた画分を5倍量の20mMトリス塩酸緩衝液(pH8)で希釈し、同緩衝液で平衡化したQ−セファロースに添加する。溶出は0M〜1Mの食塩の濃度勾配で行う。これにより目的物は単一な標品に精製される。
実施例3
Gas6の受容体結合ドメインであるGas6LGとIgとの結合能:
Gas6の受容体結合ドメインであるGas6LGとIgの結合能を、ビアコア2000を用いて測定した。ビアコアはリアルタイムでタンパク質の相互作用の解析が可能な装置である。タンパク質同士の結合、乖離に伴うセンサーチップの微量な質量変化を検出することで相互作用を観測することができる。相互作用を測定するタンパク質の一方、すなわち作製したIgをセンサーチップCM5に固定し、他方であるGas6LGを送液することで結合を測定した。結合バッファーの組成は0.01Mヘペス緩衝液、0.15MNaCl、3mMEDTA、0.005%Surfactant P20、pH7.4とした。Gas6LGの濃度は、3,4,7,10μMを用いた。作製したIgにGas6LGの結合が認められた(図4)。
実施例4
結合領域の蛋白作製:
(1)AxlのIg1領域蛋白質をコードするDNAの調製および大腸菌発現ベクターpET15b−Ig1の構築
公知のヒトAxlのアミノ酸配列蛋白質をコードするDNAを配列表1で示すように設計した。このDNA断片の調製に際しては、配列表1にある1番グルタミン酸から106番をコードするロイシンと共に、その部分を発現させた。C末端には終結コドンTAAを付加した。その上にDNA断片をpET15b(Novagen)のNco1とXho1部位に連結すべく、該DNAのN末端側とC末端側をさらに延長して、その延長部にNco1とXho1認識部位を形成し、発現ベクターpET15b−Ig1を構築した(図5)。
(2)プラスミッドpET15b−Ig1で形質転換された大腸菌によるIg1ドメイン領域の製造
この発現ベクターpET15b−Ig1を用いて、これを100μlの大腸菌BL21(DE3)株コンピテントセルと混合し、0℃で30分間、さらに42℃で2分間インキュベートすることで大腸菌へ移入した。バクトトリプトン(ディフコ)10g、イーストエキス(ディフコ)5g、食塩5g、100μg/mlアンピシリン及び0.2%グルコースを含む培地1リットルに上記形質変換体を接種し、37℃で(A600=約0.5)まで増殖させる。それにIPTG(シグマ社)を最終濃度が1mMになるように添加する。続いて、約5時間培養後、菌体を集める。集めた菌体は5mM EDTAを含む25mMトリス緩衝液pH7.5に懸濁した後超音波にて破砕する。12,000回転の遠心を行った後、沈殿を集める。
沈殿画分は20mMトリス緩衝液、6Mグアニジン塩酸、4mM酸化型グルタチオン20mlを加えて可溶化した。一晩室温にてインキュベートした後、これに20mMトリス緩衝液、1mM EDTA、400mM Lアルギニン、2mM還元型グルタチオンを40ml添加する。さらに一晩室温にてインキュベートした後、これを20mMトリス緩衝液、1mMEDTA、400mM Lアルギニン、2mM還元型グルタチオンを50ml添加する。一晩室温にてインキュベートした後、20mMトリス緩衝液、0.5Mグアニジン塩酸、100mM NaCl、1mM EDTAにて透析を一晩行う。さらに20mMトリス緩衝液、100mM NaCl、1mM EDTAにて透析を行った。
Qカラム(アマシャム)に添加する。開始バッファーは20mMトリス緩衝液、100mM NaCl(pH8)とし溶出バッファー1M NaCl、20mMトリス緩衝液とする。食塩の濃度勾配で溶出を行う。ポリアクリルアミド電気泳動で約10kDaの分子量を示すことでAxl−Ig1を確認することができる。これを20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化したゲルろ過カラムに添加し1.5カラムの20mMのリン酸緩衝液(pH7.4)にて溶出する。目的物はポリアクリルアミドゲル電気泳動で約10kDaの分子量を示すことで確認出来る。これにより目的物は単一な標品に精製される。
実施例5
(1)Gas6の受容体結合ドメインであるGas6LGとIg1との結合能:
結合実験は結合、乖離により生じる質量変化を表面プラズモン共鳴シグナルの変化として測定するBiacoreを用いて行った。Ig1をCM5センサーチップに固定化し、Gas6LGの濃度は、150nM、200nM、300nM、400nMを用いた。相互作用を測定するタンパク質の一方、すなわち作製したIg1をセンサーチップCM5に固定し、他方であるGas6LGを送液することで結合を測定した。結合バッファーの組成は0.01Mヘペス緩衝液、0.15M NaCl、0.005%Surfactant P20、pH7.4とした。作製したIg1にGas6LGの結合が認められた(図6)。
(2)Gas6LGとAxl−Fcの結合に対するIg1の作用:
Axl−Fc (sigma)をCM5センサーチップに固定化し、Gas6LG 50nMを送液することにより、Gas6LGとAxl−Fcの結合を測定した。この結合はIg1の投与により阻害された(図7)。Ig1を15nM−1.2μM加えた。
AxlをV8プロテアーゼで切断した断片ペプチドの電気泳動の結果を示す図である。 Gas6の受容体結合領域であるGas6LGと結合するAxl断片ペプチドを示すウエスタンブロットの結果を示す図である。 AxlのIg領域蛋白質をコードするDNAを含む大腸菌発現ベクターpET15b−Igの構造を示す図である。 Axlのリガンド結合領域とGas6の受容体結合領域であるGas6LGとの結合を示す図である。 AxlのIg1領域蛋白質をコードするDNAを含む大腸菌発現ベクターpET15b−Ig1の構造を示す図である。 AxlのIg1領域とGas6の受容体結合領域であるGas6LGとの結合を示す図である。 Gas6LGとAxl−Fcの結合に対するIg1の作用を示す図である。

Claims (9)

  1. 以下の(a)又は(b)の蛋白質であり、かつGas6との結合活性を有するAxlリガンド結合領域蛋白質。
    (a) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列を含む蛋白質
    (b) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含む蛋白質
  2. 以下の(a)又は(b)のAxlのGas6との結合活性を有するリガンド結合領域蛋白質をコードする遺伝子。
    (a) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列を含む蛋白質
    (b) 配列番号2または4で表わされるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列を含む蛋白質
  3. 以下の(c)又は(d)のDNAであり、AxlのGas6との結合活性を有するリガンド結合領域蛋白質をコードするDNA。
    (c) 配列番号1または3で表される塩基配列を含むDNA
    (d) 配列番号1または3の塩基配列を含むDNAと相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、蛋白質をコードするDNA
  4. 請求項2または3に記載のDNAを含有する組換えベクター。
  5. 請求項4に記載の組換えベクターを含む形質転換体。
  6. 請求項5に記載の形質転換体を培養し、得られる培養物からAxlのリガンド結合領域蛋白質を採取することを特徴とするAxlのリガンド結合領域蛋白質の製造方法。
  7. 請求項1に記載のAxlのリガンド結合領域蛋白質に対する抗体。
  8. 請求項1に記載のAxlのリガンド結合領域蛋白質を用いたスクリーニング方法。
  9. 請求項7に記載の抗体を用いたスクリーニング方法。
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