JP2005277675A - 高周波スイッチ装置とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低い制御電圧でスイッチングし低コストで製造できる高周波スイッチ装置を提供する。
【解決手段】誘電体支持膜14は両端が誘電体基板1に固定され誘電体基板1から空隙41を介して離間して移動可能に形成され、伝送線路10は誘電体支持膜14上に信号線導体11と接地導体12,13を有して形成される。誘電体支持膜2は両端が誘電体基板1に固定され誘電体支持膜14から空隙42を介して離間して移動可能に形成され、誘電体支持膜2上に信号線導体11に対向するように接続導体5が形成され、かつ接地導体12,13に対向するように制御導体3,4が形成される。制御導体3,4と接地導体12,13との間に制御電圧を印加したとき、制御導体3,4と接地導体12,13との間に発生する静電力により吸引され誘電体支持膜2,14が互いに近接するように変形して信号線導体11と接続導体5とを接続してオフ状態からオン状態に遷移させる。
【選択図】図1
【解決手段】誘電体支持膜14は両端が誘電体基板1に固定され誘電体基板1から空隙41を介して離間して移動可能に形成され、伝送線路10は誘電体支持膜14上に信号線導体11と接地導体12,13を有して形成される。誘電体支持膜2は両端が誘電体基板1に固定され誘電体支持膜14から空隙42を介して離間して移動可能に形成され、誘電体支持膜2上に信号線導体11に対向するように接続導体5が形成され、かつ接地導体12,13に対向するように制御導体3,4が形成される。制御導体3,4と接地導体12,13との間に制御電圧を印加したとき、制御導体3,4と接地導体12,13との間に発生する静電力により吸引され誘電体支持膜2,14が互いに近接するように変形して信号線導体11と接続導体5とを接続してオフ状態からオン状態に遷移させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えばマイクロ波、準ミリ波又はミリ波の高周波信号をスイッチングするための高周波スイッチ装置とその製造方法に関する。
GaAs基板上に形成されたMMIC(Microwave Monolithic Integrated Circuit)などの高周波デバイスを製造するときに、低コスト、省エネルギー、小型化を実現できるデバイスとして、マイクロマシン技術を用いることでSi基板等に3次元構造の高周波回路を形成するRF−MEMS(Radio Frequency Micro Electro Mechanical Systems)がある。MEMSはマイクロな電気機械システムに関する技術の総称であり、主として米国で使用されており、通常はマイクロな機械的可動部とそれを駆動する電子回路部を有する。MEMSという用語については、日本ではマイクロマシン、欧州ではマイクロシステム技術(MST)と称することが多い。
RF−MEMS分野におけるキーテクノロジーとしてMEMS高周波スイッチ装置があるが、これまでに報告されている従来技術のMEMS高周波スイッチ装置は、制御電圧に数10Vを要するためCMOS混在のデバイスとして使用するのが難しい。そこで、一般的には梁の剛性を小さくすることで制御電圧を低減する方法が考えられている。しかしながら、梁の復元力が低下するので制御電圧オフ時の梁の復元速度が低下しスイッチング時間が遅くなる。また、機械的共振周波数が低くなるので梁の復元時における静止状態までの時間が延び、かつ衝撃に対する剛性が低下してしまうという問題点があった。
MEMS高周波スイッチ装置における他の問題点として、低損失伝送線路とのプロセス整合性の問題点がある。従来のMEMS高周波スイッチ装置では、基板に直上、あるいは基板と誘電体支持膜を介して形成された伝送線路に対してスイッチ部を形成している。しかし、この方法の場合、半絶縁性であるシリコン基板を用いると基板による損失が大きく、低損失な高周波回路を作成できない。例えば、GaAs基板等の高抵抗基板を用いると基板による損失を低減できるが、RF−MEMSのメリットである低コスト化が実現できないという問題点があった。
例えば、特許文献1において「微細電気機械スイッチ」が開示されているが、28Vの制御電圧を印加することにより信号のオン/オフのスイッチングを実行するように形成している。当該制御電圧である28Vは、高周波回路におけるスイッチとして許容電圧の上限である15Vを大きく超えている。このため、高周波スイッチ装置を高周波回路における素子として用いることが困難となっている。当該制御電圧を下げるには、主として導体面積を大きくする方法、あるいは片持ち梁の剛性を弱める方法が用いられる。しかしながら、いずれの場合においてもマイナス要素とのトレードオフが生じる。すなわち、前者においてはスイッチ素子の大型化に繋がり、高周波スイッチ装置のメリットである小型化が失われてしまう。後者においては、衝撃耐性の劣化、スイッチング速度の低下、スイッチ駆動時の導体付着などが懸念される。
また、上記高周波スイッチ装置は信号線路の低損失化のためにGaAs基板上に作成されているが、GaAs基板は高コストであり、またシリコン基板のようにマイクロマシン作成プロセスが汎用とはなっていない。従って、マイクロマシン技術を用いて高周波回路を作成する場合、GaAs基板を用いるとRF−MEMSのメリットである低コスト化が失われてしまう。これはガラス基板等、他の高抵抗基板を用いた場合も同様である。
本発明の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して低い制御電圧でスイッチングさせることができ、しかも低コストで製造できる高周波スイッチ装置とその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的はさらに、従来技術に比較して低損失である高周波スイッチ装置とその製造方法を提供することにある。
本発明に係る高周波スイッチ装置は、少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記基板から第1の空隙を介して離間して移動可能に形成された第1の誘電体支持膜と、
上記第1の誘電体支持膜上に形成され、少なくとも信号線導体と接地導体とを有する伝送線路と、
少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記第1の誘電体支持膜から第2の空隙を介して離間して移動可能に形成された第2の誘電体支持膜と、
上記第2の誘電体支持膜上に上記信号線導体に対向するように形成された接続導体と、
上記第2の誘電体支持膜上に上記接地導体に対向するように形成された制御導体とを備え、
上記制御導体と上記接地導体との間に所定の制御電圧を印加したとき、上記制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜と上記第2の誘電体支持膜とが互いに近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを高周波的に接続して、高周波スイッチ装置をオフ状態からオン状態に遷移させ、もしくは上記高周波スイッチ装置をオン状態からオフ状態に遷移させることを特徴とする。
上記第1の誘電体支持膜上に形成され、少なくとも信号線導体と接地導体とを有する伝送線路と、
少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記第1の誘電体支持膜から第2の空隙を介して離間して移動可能に形成された第2の誘電体支持膜と、
上記第2の誘電体支持膜上に上記信号線導体に対向するように形成された接続導体と、
上記第2の誘電体支持膜上に上記接地導体に対向するように形成された制御導体とを備え、
上記制御導体と上記接地導体との間に所定の制御電圧を印加したとき、上記制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜と上記第2の誘電体支持膜とが互いに近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを高周波的に接続して、高周波スイッチ装置をオフ状態からオン状態に遷移させ、もしくは上記高周波スイッチ装置をオン状態からオフ状態に遷移させることを特徴とする。
従って、本発明に係る高周波スイッチ装置によれば、第1と第2の誘電体支持膜をともに移動可能に形成したので、従来技術に比較して低い制御電圧でスイッチングさせることができ、しかも例えば高価なGaAs基板などを使用する必要がないので低コストで製造できる。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、同様の構成要素については同一の符号を付している。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図2(a)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのA−A’線についての縦断面図であり、図2(b)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのA−A’線についての縦断面図である。さらに、図3(a)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのB−B’線についての縦断面図であり、図3(b)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのB−B’線についての縦断面図である。
図1は本発明の実施の形態1に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図2(a)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのA−A’線についての縦断面図であり、図2(b)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのA−A’線についての縦断面図である。さらに、図3(a)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのB−B’線についての縦断面図であり、図3(b)は図1の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのB−B’線についての縦断面図である。
図1乃至図3において、例えばシリコンにてなる誘電体基板1の直上に空隙41を介して、例えばシリコン窒化膜にてなる誘電体支持膜14は、その両端が誘電体基板1により支持されて固定され、かつ誘電体基板1の面に対して実質的に垂直な方向(以下、垂直方向という。当該垂直方向は、図2及び3において上下方向である。)で移動可能であるように形成される。当該誘電体支持膜14上に、例えば金にてなるコプレナ線路10が誘電体基板1の長手方向に延在するように形成され、ここで、コプレナ線路10は、その中央部に位置する信号線導体11と、その両側に所定の間隙を介して形成された接地導体12,13とを備えて構成される。なお、信号線導体11は、後述する誘電体支持膜2の下側表面に形成された接続導体5の長手方向の中央部の直下付近において、2本の信号線導体に分断されている。
さらに、誘電体基板1上であって、コプレナ線路10の直上で空隙42を介して、例えばシリコン窒化膜にてなる誘電体支持膜2は、その両端が誘電体基板1により支持されて固定され、かつ実質的に垂直方向で移動可能であって、その長手方向が誘電体支持膜11の長手方向と直交するように形成される。ここで、誘電体支持膜11は、所定の2箇所で折り曲げられ、コプレナ線路10を空隙42を介して乗り越えたブリッジ形状で形成される。当該誘電体支持膜2の下側表面であって、信号線導体11と対向しかつ信号線導体11の分断位置の直上の位置に、信号線導体11の長手方向と平行に、信号線導体11と実質的に同一の幅を有するストリップ形状の接続導体5が形成される。また、当該誘電体支持膜2の上側表面上であって、接地導体12に対向する位置から誘電体支持膜2の長手方向で延在するように、矩形形状の制御導体3が形成される一方、当該誘電体支持膜2の上側表面上であって、接地導体13に対向する位置から誘電体支持膜2の長手方向で延在するように、矩形形状の制御導体4が形成される
なお、制御導体3及び4は所定の制御電圧を発生する直流電圧源(図示せず。)に接続されるとともに、接地導体12,13は当該直流電圧源に接続される。
以上のように構成された高周波スイッチ装置においては、誘電体支持膜2及び誘電体支持膜14はそれらの両端が誘電体基板1に固定された梁形状に構成され、実質的に垂直方向に移動可能である。ここで、誘電体基板1はシリコン以外にもガラスなど微細な加工が可能な材料であればよい。また、信号線導体11、接地導体12,13、制御導体3,4及び接続導体5は金以外にもファトリソグラフィー技術によりパターンニング及びエッチングできる銀又は銅などの導電体であればよい。さらに、誘電体支持膜2,14はシリコン窒化膜以外にもシリコン酸化膜などファトリソグラフィー技術によりパターンニング及びエッチングできる誘電体であればよい。これらは後述する他の実施の形態においても同様である。
当該高周波スイッチ装置において、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、直流電圧源からの制御電圧を印加していないときは、図2(a)及び図3(a)に示すように、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触していない状態であり、分断された2本の信号線導体11は接続導体5に接触していない状態であって、分断された2本の信号線導体11は電気的に接続されておらず、当該高周波スイッチ装置のオフ状態にある。次いで、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、所定のしきい値電圧以上の制御電圧を印加したとき、図2(b)及び図3(b)に示すように、制御導体3と接地導体12との間、並びに、制御導体4と接地導体13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜2,14が変形する。ここで、誘電体支持膜14は上方向に移動する一方、誘電体支持膜2は下方向に移動し、これにより、誘電体支持膜2及び14は互いに近接するように(互いに向かうように)吸引し、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触するとともに、分断された2本の信号線導体11は接続導体5に接触して電気的に接続され、当該分断された2本の信号線導体11は互いに電気的に接続されて(すなわち、高周波的に直接的に接続されて)、高周波スイッチ装置のオフ状態からオン状態に遷移する。従って、上記制御電圧を制御することにより、当該高周波スイッチ装置においてオン/オフ(すなわち、導通/非導通)のスイッチング動作を実行できる。
図4は図1の高周波スイッチ装置の回路構成を示す回路図である。図4に示すように、分断された2本の信号線導体11の両端をそれぞれ、端子T11,T12としたとき、当該高周波スイッチ装置では、分断された2本の信号線導体11の両端子T11,T12を、接続導体5を用いたスイッチを用いてオン/オフ(すなわち、導通/非導通)してスイッチングできる。
図5は図1の高周波スイッチ装置をスイッチSW11,SW12として用いた単極双頭型スイッチ回路の回路構成を示す回路図である。図5において、端子T1はスイッチSW11を介して端子T2に接続されるとともに、スイッチSW12を介して端子T3に接続される。ここで、スイッチSW11とスイッチSW12はいずれか1つが選択的にオンとなるように制御される。ここで、スイッチSW11がオンされかつスイッチSW12がオフされたとき、端子T1は端子T2に接続される一方、スイッチSW12がオンされかつスイッチSW11がオフされたとき、端子T1は端子T3に接続される。以上説明したように、図1の高周波スイッチ装置は、図5のアプリケーションなどにおいて使用できる。
以上の実施の形態においては、誘電体支持膜2,14はそれぞれそれらの両端で誘電体基板1に固定されているが、本発明はこれに限らず、誘電体支持膜2,14はそれぞれ少なくとも一端で固定してもよい。
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2に係るシャント型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図7(a)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのC−C’線についての縦断面図であり、図7(b)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのC−C’線についての縦断面図である。さらに、図8(a)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのD−D’線についての縦断面図であり、図8(b)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのD−D’線についての縦断面図である。
図6は本発明の実施の形態2に係るシャント型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図7(a)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのC−C’線についての縦断面図であり、図7(b)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのC−C’線についての縦断面図である。さらに、図8(a)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのD−D’線についての縦断面図であり、図8(b)は図6の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのD−D’線についての縦断面図である。
実施の形態2に係るシャント型高周波スイッチ装置は、図1乃至図3に図示された実施の形態1に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)コプレナ線路10の信号線導体11は分断されていない。
(2)誘電体支持膜2の下側面に形成された接続導体5の端部の位置において、誘電体支持膜2を厚さ方向に貫通するスルーホール7hが形成された後、当該スルーホール7hに導体が充填されてスルーホール導体7を形成した。当該スルーホール導体7上であって誘電体支持膜2の上側面上に、スルーホール導体7に連結されたストリップ形状の接続導体6を、スルーホール導体7の位置から誘電体支持膜2の図6の右側端部まで、制御導体4とは所定の間隔を空けて延在するように形成して、当該接続導体6は外部の端子T13(図9)に電気的に接続される。なお、接続導体6及びスルーホール導体7は例えば金などの導体である。
(1)コプレナ線路10の信号線導体11は分断されていない。
(2)誘電体支持膜2の下側面に形成された接続導体5の端部の位置において、誘電体支持膜2を厚さ方向に貫通するスルーホール7hが形成された後、当該スルーホール7hに導体が充填されてスルーホール導体7を形成した。当該スルーホール導体7上であって誘電体支持膜2の上側面上に、スルーホール導体7に連結されたストリップ形状の接続導体6を、スルーホール導体7の位置から誘電体支持膜2の図6の右側端部まで、制御導体4とは所定の間隔を空けて延在するように形成して、当該接続導体6は外部の端子T13(図9)に電気的に接続される。なお、接続導体6及びスルーホール導体7は例えば金などの導体である。
以上のように構成された高周波スイッチ装置においては、誘電体支持膜2及び誘電体支持膜14はそれらの両端が誘電体基板1に固定された梁形状に構成され、実質的に垂直方向に移動可能である。
当該高周波スイッチ装置において、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、制御電圧を印加していないときは、図7(a)及び図8(a)に示すように、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触していない状態であり、信号線導体11は接続導体5に接触していない状態であって、当該高周波スイッチ装置のオン状態(導通状態)にある。次いで、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、所定のしきい値電圧以上の制御電圧を印加したとき、図7(b)及び図8(b)に示すように、制御導体3と接地導体12との間、並びに、制御導体4と接地導体13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜2,14が変形する。ここで、誘電体支持膜14は上方向に移動する一方、誘電体支持膜2は下方向に移動し、これにより、誘電体支持膜2及び14は互いに吸引し、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触するとともに、信号線導体11は接続導体5に接触して電気的に接続されて(すなわち、高周波的に直接的に接続されて)、高周波スイッチ装置のオン状態からオフ状態に遷移する(すなわち、導通状態から非導通状態に遷移する)。従って、上記制御電圧を制御することにより、当該高周波スイッチ装置のシャントスイッチにおいてオン/オフ(すなわち、導通/非導通)のスイッチング動作を実行できる。
図9は図6の高周波スイッチ装置の回路構成を示す回路図である。図9に示すように、当該高周波スイッチ装置では、端子T11,T12に接続された信号線導体11を、接続導体5を用いたスイッチを用いて端子T13に対してオン/オフ(すなわち、導通/非導通)してスイッチングできる。
実施の形態3.
図10は本発明の実施の形態3に係る容量結合シャント型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図11(a)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのE−E’線についての縦断面図であり、図11(b)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのE−E’線についての縦断面図である。さらに、図12(a)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのF−F’線についての縦断面図であり、図12(b)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのF−F’線についての縦断面図である。
図10は本発明の実施の形態3に係る容量結合シャント型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図11(a)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのE−E’線についての縦断面図であり、図11(b)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのE−E’線についての縦断面図である。さらに、図12(a)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのF−F’線についての縦断面図であり、図12(b)は図10の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのF−F’線についての縦断面図である。
実施の形態3に係る容量結合シャント型高周波スイッチ装置は、図1乃至図3に図示された実施の形態1に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)接続導体5に代えて、接続導体6aを誘電体支持膜2上に形成したこと。ここで、接続導体6aは、接続導体5の形成位置に対向する位置に形成された、信号線導体11の長手方向と平行であって、信号線導体11と実質的に同一の幅を有するストリップ形状の接続導体6a−1と、その第1の接続導体の端部に連結され誘電体支持膜2の右側端部まで、制御導体2とは所定の間隔を空けて延在するように形成された接続導体6a−2とを含み構成される。
(1)接続導体5に代えて、接続導体6aを誘電体支持膜2上に形成したこと。ここで、接続導体6aは、接続導体5の形成位置に対向する位置に形成された、信号線導体11の長手方向と平行であって、信号線導体11と実質的に同一の幅を有するストリップ形状の接続導体6a−1と、その第1の接続導体の端部に連結され誘電体支持膜2の右側端部まで、制御導体2とは所定の間隔を空けて延在するように形成された接続導体6a−2とを含み構成される。
以上のように構成された高周波スイッチ装置においては、信号線導体11は空隙42及び誘電体支持膜2を介して接続導体6aと対向する。当該高周波スイッチ装置において、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、制御電圧を印加していないときは、図11(a)及び図12(a)に示すように、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触していない状態であり、信号線導体11は誘電体支持膜2に接触していない状態であって、当該高周波スイッチ装置のオン状態(導通状態)にある。次いで、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、所定のしきい値電圧以上の制御電圧を印加したとき、図11(b)及び図12(b)に示すように、制御導体3と接地導体12との間、並びに、制御導体4と接地導体13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜2,14が変形する。ここで、誘電体支持膜14は上方向に移動する一方、誘電体支持膜2は下方向に移動し、これにより、誘電体支持膜2及び14は互いに吸引し、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触するとともに、信号線導体11は誘電体支持膜2に接触し、信号線導体11は誘電体支持膜2を介して接続導体6aに電気的に接続されて(すなわち、高周波的に誘電体支持膜2のキャパシタンスを介して間接的に接続されて)、高周波スイッチ装置のオン状態からオフ状態に遷移する(すなわち、導通状態から非導通状態に遷移する)。従って、上記制御電圧を制御することにより、当該高周波スイッチ装置のシャントスイッチにおいて誘電体支持膜2の容量を介してオン/オフ(すなわち、導通/非導通)のスイッチング動作を実行できる。
図13は図10の高周波スイッチ装置の回路構成を示す回路図である。図13に示すように、当該高周波スイッチ装置では、端子T11,T12に接続された信号線導体11は、接続導体6aを用いたスイッチを介して、誘電体支持膜2のキャパシタ及び、接続導体6aに接続されたインダクタ(図10において図示せず。)を介して接地される。ここで、キャパシタとインダクタの各設定値は、例えば、接続導体6aを用いたスイッチをオンしたときに、コプレナ線路10を伝送する高周波信号を吸収するように直列共振するように設定される。従って、接続導体6aを用いたスイッチをオンしたとき、コプレナ線路10を伝送する高周波信号を高周波的に接地することができる。
図14は図10の高周波スイッチ装置をスイッチSW21,SW22として用いた単極双頭型スイッチ回路の回路構成を示す回路図である。図14において、端子T1は1/4波長線路31を介して端子T2に接続され、端子T2はスイッチSW21、キャパシタC1及びインダクタL1を介して接地される。また、端子T1は1/4波長線路32を介して端子T3に接続され、端子T3はスイッチSW22、キャパシタC2及びインダクタL2を介して接地される。キャパシタC1及びインダクタL1の直列共振回路の共振周波数をf1とし、キャパシタC2及びインダクタL2の直列共振回路の共振周波数をf2とする。ここで、スイッチSW21とスイッチSW22はいずれか1つが選択的にオンとなるように制御される。ここで、スイッチSW21がオンされかつスイッチSW22がオフされたとき、端子T2を介して伝送される周波数f1の高周波信号を吸収して高周波的に接地し、1/4波長線路31の端子T1側の一端は開放状態となり、端子T1は端子T3に接続される。一方、スイッチSW21がオフされかつスイッチSW22がオンされたとき、端子T3を介して伝送される周波数f2の高周波信号を吸収して高周波的に接地し、1/4波長線路32の端子T1側の一端は開放状態となり、端子T1は端子T2に接続される。以上説明したように、図10の高周波スイッチ装置は、図14のアプリケーションなどにおいて使用できる。
実施の形態4.
図15は本発明の実施の形態4に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図16(a)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのG−G’線についての縦断面図であり、図16(b)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのG−G’線についての縦断面図である。さらに、図17(a)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのH−H’線についての縦断面図であり、図17(b)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのH−H’線についての縦断面図である。
図15は本発明の実施の形態4に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図16(a)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのG−G’線についての縦断面図であり、図16(b)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのG−G’線についての縦断面図である。さらに、図17(a)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのH−H’線についての縦断面図であり、図17(b)は図15の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのH−H’線についての縦断面図である。
実施の形態4に係るシリーズ型高周波スイッチ装置は、図1乃至図3に図示された実施の形態1に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)誘電体基板1の中央部であって、誘電体支持膜2と誘電体支持膜14とが交差する部分を含む位置の誘電体基板1において、平面が矩形形状である凹部1aを形成したこと。
(1)誘電体基板1の中央部であって、誘電体支持膜2と誘電体支持膜14とが交差する部分を含む位置の誘電体基板1において、平面が矩形形状である凹部1aを形成したこと。
以上のように構成された高周波スイッチ装置においては、図16及び図17に示すように、誘電体支持膜14と、誘電体基板1の凹部1aの底部との間に、空隙43が形成されている。ここで、コプレナ線路10に高周波信号を入力したとき、当該高周波信号はコプレナ線路10の長手方向に沿って伝搬し、当該高周波信号の電磁界は、信号線導体11と接地導体12,13との間で薄膜の誘電体支持膜14及び空隙43を介して発生する。従って、例えば、誘電体基板上に形成されたコプレナ線路に比較して伝送損失を大幅に減少させることができる。これにより、低損失な高周波スイッチ装置を実現できる。すなわち、誘電体基板1による損失が低減されるので、高コストなGaAs基板やガラス基板等の絶縁性基板を用いずに、安価で汎用なプロセスにて加工できるシリコン基板などを用いて低損失線路と高周波スイッチ装置とを混在できる。
なお、当該高周波スイッチ装置のスイッチング動作については、実施の形態1に係る高周波スイッチ装置と同様である。また、本実施の形態においては、実施の形態1において凹部1aを形成しているが、本発明はこれに限らず、実施の形態2及び3において凹部1aを形成してもよい。
実施の形態5.
図18は本発明の実施の形態5に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図19(a)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのI−I’線についての縦断面図であり、図19(b)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのI−I’線についての縦断面図である。さらに、図20(a)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのJ−J’線についての縦断面図であり、図20(b)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのJ−J’線についての縦断面図である。
図18は本発明の実施の形態5に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図19(a)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのI−I’線についての縦断面図であり、図19(b)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのI−I’線についての縦断面図である。さらに、図20(a)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加していないときのJ−J’線についての縦断面図であり、図20(b)は図18の高周波スイッチ装置において制御電圧を印加したときのJ−J’線についての縦断面図である。
実施の形態5に係るシリーズ型高周波スイッチ装置は、図15乃至図17に図示された実施の形態4に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)誘電体基板1に形成された凹部1aの底部及び誘電体基板1の表面上に、接地導体1bを形成した。
(1)誘電体基板1に形成された凹部1aの底部及び誘電体基板1の表面上に、接地導体1bを形成した。
以上のように構成された高周波スイッチ装置においては、図19及び図20に示すように、誘電体支持膜14と、誘電体基板1の凹部1aの底部に形成された接地導体1bとの間に、空隙43が形成されている。ここで、コプレナ線路10に高周波信号を入力したとき、当該高周波信号はコプレナ線路10の長手方向に沿って伝搬し、当該高周波信号の電磁界は、信号線導体11と接地導体12,13との間で薄膜の誘電体支持膜14及び空隙43を介して発生するとともに、信号線導体11と接地導体1bとの間で空隙43を介して発生する。従って、例えば、誘電体基板上に形成されたコプレナ線路、並びに、実施の形態4に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して伝送損失を大幅に減少させることができる。これにより、低損失な高周波スイッチ装置を実現できる。すなわち、誘電体基板1による損失が低減されるので、高コストなGaAs基板やガラス基板等の絶縁性基板を用いずに、安価で汎用なプロセスにて加工できるシリコン基板などを用いて低損失線路と高周波スイッチ装置とを混在できる。
なお、当該高周波スイッチ装置のスイッチング動作については、実施の形態1に係る高周波スイッチ装置と同様である。また、本実施の形態においては、実施の形態1において凹部1a及び接続導体1bを形成しているが、本発明はこれに限らず、実施の形態2及び3において凹部1a及び接続導体1bを形成してもよい。
図21乃至図24は図18の高周波スイッチ装置の製造工程の一例を示すI−I’線についての縦断面図である。
まず、図21(a)において、膜厚0.5μm程度のシリコン酸化膜が成膜されているシリコン基板である誘電体基板1の表面上に、典型的な半導体製造用感光性レジスト(以下、レジストという。)を成膜し、フォトリソグラフィと現像を行い、凹部1aとなる部分の上記レジストを除去する。露出したシリコン酸化膜をCHF3ガスなどを用いたプラズマエッチングにより除去し、凹部1aとなる部分のシリコン表面を露出させる。なお、以下では、レジスト成膜からエッチングまでの一連の工程をパターニングという。次いで、露出したシリコン面に対してTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)を用いて異方性エッチングを行い、平滑な底面を持つ深さ2μm程度の凹部1aを形成する。さらに、1μm程度の膜厚の金を、スパッタ装置等を用いて成膜し、イオンビームエッチング装置等を用いて金をパターニングすることにより接続導体1bを形成する。
次いで、図21(b)において、空隙43を形成するためのレジスト21を凹部1aが完全に埋め込まれる膜厚以上の膜厚で成膜し、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)により表面を平坦化する。次いで、図21(c)において、誘電体支持膜14となる膜厚0.5μm程度の窒化膜をスパッタ装置等にて成膜し、信号線導体11及び接地導体12,13となる膜厚1μm程度の金にてなる導体22をスパッタ装置等にて成膜する。さらに、イオンビームエッチング装置等を用いて導体22をパターニングすることにより、信号線導体11及び接地導体12,13からなるコプレナ線路10を形成する。なお、パターニング用マスクに用いたレジストは酸素プラズマアッシングなどにより除去する。次いで、図21(d)において、CHF3ガス等によるプラズマエッチングを用いて窒化膜をパターニングすることにより、両端が誘電体基板1上に固定されかつ誘電体基板1の表面に対して垂直方向で移動可能となるように誘電体支持膜14を形成する。なお、パターニング用マスクに用いたレジストは酸素プラズマアッシングなどにより除去する。
次いで、図22(a)において、空隙42を形成するためのレジストを2μm程度の膜厚で成膜し、誘電体支持膜2と誘電体基板1との接続点となる部分のレジストをフォトリソグラフィと現像により除去し、台状のレジスト23を形成する。次いで、図22(b)において、レジスト23上にさらにレジストを1μm程度の膜厚で成膜しフォトリソグラフィと現像により、信号線導体11の直上に位置する接続導体5のための1辺10μm程度のディンプルパターンを形成する。次いで、図22(c)において、酸素プラズマアッシングによりレジスト23を1μm程度除去すると、台状レジスト23にディンプル25が形成される。
次いで、図23(a)及び(b)において、膜厚1μm程度の金にてなる導体26をスパッタ装置等にて成膜し、パターニングによりディンプル25に接続導体5が形成される。次いで、図23(c)において、誘電体支持膜2となる膜厚0.5μm程度の窒化膜及び制御導体3,4となる膜厚1μm程度の金にてなる導体27をスパッタ装置等にて成膜する。
次いで、図24(a)において、導体27をパターニングすることにより、制御導体3,4を形成する。なお、パターニング用マスクに用いたレジストは酸素プラズマアッシングなどにより除去する。さらに、誘電体支持膜2の窒化膜をパターニングすることにより、誘電体基板1上に固定されかつ誘電体基板1の表面に対して垂直方向で移動可能な誘電体支持膜2を形成する。さらに、図24(b)において、酸素アッシングなどを用いて空隙43を形成するためのレジスト21及び空隙42を形成するためのレジスト23を除去する。これにより、コプレナ線路10が形成された誘電体支持膜14と、接続導体5及び制御導体3,4が形成された誘電体支持膜2とが垂直方向で移動可能な構造となり、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、所定のしきい値以上の制御電圧を印加することにより、オフ状態からオン状態に遷移できる高周波スイッチ装置を構成できる。
実施の形態6.
図25は本発明の実施の形態6に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図26(a)は図25の高周波スイッチ装置において第1の制御電圧を印加したときのK−K’線についての縦断面図であり、図26(b)は図25の高周波スイッチ装置において第2の制御電圧を印加したときのK−K’線についての縦断面図である。さらに、図27(a)は図25の高周波スイッチ装置において第1の制御電圧を印加したときのL−L’線についての縦断面図であり、図27(b)は図25の高周波スイッチ装置において第2の制御電圧を印加したときのL−L’線についての縦断面図である。
図25は本発明の実施の形態6に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の平面図である。また、図26(a)は図25の高周波スイッチ装置において第1の制御電圧を印加したときのK−K’線についての縦断面図であり、図26(b)は図25の高周波スイッチ装置において第2の制御電圧を印加したときのK−K’線についての縦断面図である。さらに、図27(a)は図25の高周波スイッチ装置において第1の制御電圧を印加したときのL−L’線についての縦断面図であり、図27(b)は図25の高周波スイッチ装置において第2の制御電圧を印加したときのL−L’線についての縦断面図である。
実施の形態6に係るシリーズ型高周波スイッチ装置は、図18乃至図20に図示された実施の形態5に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)誘電体基板1に形成された凹部1aの底部であって、誘電体支持膜2の直下位置付近において制御導体1cを形成した。ここで、制御導体1cは凹部1aの底部の位置から誘電体基板1の表面上まで延在した後、制御電圧の電圧源に接続される。なお、制御導体1cは誘電体支持膜14の形成前に形成される。
(1)誘電体基板1に形成された凹部1aの底部であって、誘電体支持膜2の直下位置付近において制御導体1cを形成した。ここで、制御導体1cは凹部1aの底部の位置から誘電体基板1の表面上まで延在した後、制御電圧の電圧源に接続される。なお、制御導体1cは誘電体支持膜14の形成前に形成される。
以上のように構成された高周波スイッチ装置において、制御電圧を印加していないときは、誘電体支持膜14は制御導体1cと誘電体支持膜2との間の垂直方向の概略中央の位置に位置する。
次いで、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、直流電圧源からの制御電圧を印加していないが、互いに対向する制御導体1cと接地導体12,13との間に、所定の第1の制御電圧を印加したとき、図26(a)及び図27(a)に示すように、制御導体1cと接地導体12,13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜14が変形して下方向に吸引されて、誘電体支持膜14は制御導体1cに接触する。このとき、誘電体支持膜2と誘電体支持膜14との間に空隙42及び43aが存在し、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触していない状態であり、分断された2本の信号線導体11は接続導体5に接触していない状態であって、分断された2本の信号線導体11は電気的に接続されておらず、当該高周波スイッチ装置のオフ状態にある。
次いで、互いに対向する制御導体1cと接地導体12,13との間に、制御電圧を印加していないが、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、所定の第2の制御電圧を印加したとき、図26(b)及び図27(b)に示すように、制御導体3と接地導体12との間、並びに、制御導体4と接地導体13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜2,14が変形する。ここで、誘電体支持膜14は上方向に移動する一方、誘電体支持膜2は下方向に移動し、誘電体支持膜14と制御導体1cとの間に空隙41及び43が存在し、これにより、誘電体支持膜2及び14は互いに吸引し、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触するとともに、分断された2本の信号線導体11は接続導体5に接触して電気的に接続され、当該分断された2本の信号線導体11は互いに電気的に接続されて、高周波スイッチ装置のオフ状態からオン状態に遷移する。従って、上記制御電圧を制御することにより、当該高周波スイッチ装置においてオン/オフ(すなわち、導通/非導通)のスイッチング動作を実行できる。
本実施の形態に係る高周波スイッチ装置においては、2つの制御導体を用いて2つの制御状態を用いることで、誘電体支持膜14の剛性による復元力に頼らないスイッチング機能を実現できる。これにより、ダンピング時間を短縮してスイッチング時間を短縮するとともに、確実に2つの制御状態を設定できるという特有の効果を有する。なお、当該実施の形態の構成については、実施の形態1のみならず、実施の形態2及び3に適用してもよい。
実施の形態6の変形例.
図28は本発明の実施の形態6の変形例に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の縦断面図(図25のK−K’線の断面に対応する断面)であって、図28(a)は当該高周波スイッチ装置において第1の制御電圧を印加したときの縦断面図であり、図28(b)は当該高周波スイッチ装置において第2の制御電圧を印加したときの縦断面図である。
図28は本発明の実施の形態6の変形例に係るシリーズ型高周波スイッチ装置の縦断面図(図25のK−K’線の断面に対応する断面)であって、図28(a)は当該高周波スイッチ装置において第1の制御電圧を印加したときの縦断面図であり、図28(b)は当該高周波スイッチ装置において第2の制御電圧を印加したときの縦断面図である。
実施の形態6の変形例に係るシリーズ型高周波スイッチ装置は、図25乃至図27に図示された実施の形態6に係るシリーズ型高周波スイッチ装置に比較して、以下の相違点を有することを特徴としている。
(1)誘電体基板1において凹部1aを形成せず、誘電体基板1の表面上であって誘電体支持膜2の直下位置付近において制御導体1cを形成した。なお、制御導体1cは誘電体支持膜14の形成前に形成される。
(1)誘電体基板1において凹部1aを形成せず、誘電体基板1の表面上であって誘電体支持膜2の直下位置付近において制御導体1cを形成した。なお、制御導体1cは誘電体支持膜14の形成前に形成される。
以上のように構成された高周波スイッチ装置において、制御電圧を印加していないときは、誘電体支持膜14は制御導体1cと誘電体支持膜2との間の垂直方向の概略中央の位置に位置する。
次いで、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、直流電圧源からの制御電圧を印加していないが、互いに対向する制御導体1cと接地導体12,13との間に、所定の第1の制御電圧を印加したとき、図28(a)に示すように、制御導体1cと接地導体12,13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜14が変形して下方向に吸引されて、誘電体支持膜14は制御導体1cに接触する。このとき、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触していない状態であり、分断された2本の信号線導体11は接続導体5に接触していない状態であって、分断された2本の信号線導体11は電気的に接続されておらず、当該高周波スイッチ装置のオフ状態にある。
次いで、互いに対向する制御導体1cと接地導体12,13との間に、制御電圧を印加していないが、互いに対向する制御導体3と接地導体12との間、並びに、互いに対向する制御導体4と接地導体13との間に、所定の第2の制御電圧を印加したとき、図28(b)に示すように、制御導体3と接地導体12との間、並びに、制御導体4と接地導体13との間に発生するクローン力による静電力により互いに吸引するように、誘電体支持膜2,14が変形する。ここで、誘電体支持膜14は上方向に移動する一方、誘電体支持膜2は下方向に移動し、これにより、誘電体支持膜2及び14は互いに吸引し、接地導体14及び13は誘電体支持膜2に接触するとともに、分断された2本の信号線導体11は接続導体5に接触して電気的に接続され、当該分断された2本の信号線導体11は互いに電気的に接続されて、高周波スイッチ装置のオフ状態からオン状態に遷移する。従って、上記制御電圧を制御することにより、当該高周波スイッチ装置においてオン/オフ(すなわち、導通/非導通)のスイッチング動作を実行できる。
当該変形例に係る高周波スイッチ装置においては、2つの制御導体を用いて2つの制御状態を用いることで、誘電体支持膜14の剛性による復元力に頼らないスイッチング機能を実現できる。これにより、ダンピング時間を短縮してスイッチング時間を短縮するとともに、確実に2つの制御状態を設定できるという特有の効果を有する。なお、当該変形例の構成については、実施の形態1のみならず、実施の形態2及び3に適用してもよい。
実施の形態の作用効果.
図29(a)は従来技術の高周波スイッチ装置の物理的な構造を示す機械的構成図であり、図29(b)は実施の形態1乃至5に係る高周波スイッチ装置の物理的な構造を示す機械的構成図である。以下、静電力を利用した本実施の形態に係る高周波スイッチ装置において、スイッチング機能を行うために必要な制御電圧を低減できることを、非特許文献1に記載の理論式を用いて説明する。
図29(a)は従来技術の高周波スイッチ装置の物理的な構造を示す機械的構成図であり、図29(b)は実施の形態1乃至5に係る高周波スイッチ装置の物理的な構造を示す機械的構成図である。以下、静電力を利用した本実施の形態に係る高周波スイッチ装置において、スイッチング機能を行うために必要な制御電圧を低減できることを、非特許文献1に記載の理論式を用いて説明する。
従来技術に係る高周波スイッチ装置は、制御導体2,4と接地導体12,13のどちらか一方のみが移動する構造を有するので、図29(a)に示すように、上方の導体201がバネ203を介して固定端204と連結され、下方の導体202は固定端205に直接に固定され、導体201は可動であるが、導体202は固定されたモデルで表すことができる。
本実施の形態1乃至5に係る高周波スイッチ装置は、制御導体2,4と接地導体12,13の両方が移動する構造を有するので、図29(b)に示すように、上方の導体201がバネ203を介して固定端204と連結され、下方の導体202aもバネ206を介して固定端205と連結され、導体201と導体202aはともに可動であるモデルで表すことができる。
まず、従来技術に係る高周波スイッチ装置における制御電圧について説明する。図29(a)において、導体201と導体202との間に制御電圧Vを印加すると、導体201と導体202との間には互いに吸引しようとする静電力が働き、バネ203が伸張することで導体201が導体202側へ移動する。バネ203のバネ定数をkとし、導体201及び導体202の導体面積をAとし、制御電圧未印加時の導体201,202間の距離をDとし、制御電圧印加時の導体201,202間の距離をxとし、導体201,202間の媒体の誘電率をεとしたとき、静電力Feは次式で表される。
また、バネ203の復元力Fsは次式で表される。
従って、静電力Feと、バネ203の復元力Fsとが釣り合っている場合の制御電圧Vと、導体201,202間の距離xとの関係は次式で表される。
高周波スイッチ装置がスイッチング機能を行うための条件は、このモデルにおいて導体201と導体202とが接触することと等価である。それ故、導体201と導体202とが接触するには、静電力Feがバネ203の復元力Fsを超える必要がある。すなわち、次式で表される。
当該条件を満たす導体201,202間の距離xは、上記式の両辺をxで微分した後、式3を代入することにより次式を得る。
次いで、本実施の形態1−5に係る高周波スイッチ装置における制御電圧について以下に説明する。図29(b)において、導体201と導体202aとの間に制御電圧Vを印加すると、導体201と導体202aとの間には互いに吸引しようとする静電力が働き、バネ203及びバネ206が伸張することにより、導体201と導体202aとが互いに吸引する方向に移動する。ここで、バネ203及びバネ206のバネ定数をkとし、導体201及び導体202aの導体面積をAとし、制御電圧未印加時の導体201,202a間の距離をDとし、制御電圧印加時の導体201,202a間の距離をxとし、導体201,202a間の媒体の誘電率をεとしたとき、静電力Fe’は次式で表される。
ここで、バネ203及びバネ206の復元力Fs’はそれらが上下対称な構造を考慮すると次式で表される。
従って、静電力Fe’と、バネ203及びバネ206の復元力Fs’が釣り合っているときの制御電圧Vと、導体201,202間の距離xは次式で表される。
従って、従来技術に係る高周波スイッチ装置における制御電圧VPと、本実施の形態に係る高周波スイッチ装置の制御電圧VP’を比較すると、それらの比の値は次式で表される。
従って、本実施の形態に係る高周波スイッチ装置は、従来技術に係る高周波スイッチ装置に比べて、制御電圧Vを約70%に低減できることが分かる。
これにより、バネ定数kを低下させる方法を用いて、本実施の形態と同程度の制御電圧Vの低減効果を得るには、上記の制御電圧Vpを表す式より、バネ定数kを50%程度低下させる必要があると分かる。ここで、非特許文献1に記載の理論式に基づいて、バネ定数kの低下によってスイッチング時間が増大することを以下に説明する。
まず、図29(a)に図示された従来技術に係るモデルにおいて、導体201の質量をmとしたとき、導体201の運動方程式は次式で表される。
ここで、式7を解くと、αを任意定数としたとき、スイッチング時間tは次式で表される。
従って、制御電圧VとVpの比を一定とすると、スイッチング時間tは140%程度増大してしまう。本実施の形態に係る高周波スイッチ装置では、バネ定数kを低下させる必要がないので、従来技術に係る高周波スイッチ装置のように、スイッチング時間tの増大は起こらない。
次いで、本実施の形態に係る高周波スイッチ装置において、シリコン基板である誘電体基板1を用いた低コストで低損失な高周波回路を製造できることを以下に説明する。図30(a)は比較例に係る高周波スイッチ装置の構造を示す縦断面図であり、図30(b)は実施の形態5に係る高周波スイッチ装置の構造を示す縦断面図である。
図30(a)が示すように、凹部1aが形成されていない比較例に係る高周波スイッチ装置を用いると、制御導体3,4及び接続導体5を含むスイッチ部302の直下に位置するコプレナ線路10a、及びスイッチ部302以外のコプレナ線路10aは誘電体基板1上で誘電体支持膜14を介して固定された構造を有し、このとき、高周波信号は誘電体基板1においてもその電磁界を発生させるので誘電体基板1の影響を受けやすく、シリコン基板のような低抵抗基板を用いることが難しい。これに対して、図30(b)が示すように、本実施の形態に係る高周波スイッチ装置を用いると、誘電体基板1と空隙43を介してコプレナ線路10及びスイッチ部302を形成するため、誘電体基板1による影響が少ない。従って、誘電体基板1として安価なシリコン基板を用いることができ、従来技術に係る高周波スイッチ装置を用いるよりも、より低コストであって低損失な高周波回路が作成できる。
他の変形例.
以上の実施の形態においては、高周波伝送線路として、コプレナ線路10を用いているが、本発明はこれに限らず、スロット線路又はマイクロストリップ線路を用いてもよい。後者のマイクロストリップ線路の場合、接地導体は、誘電体支持膜14の裏面又は誘電体基板1の裏面に形成する必要がある。
以上の実施の形態においては、高周波伝送線路として、コプレナ線路10を用いているが、本発明はこれに限らず、スロット線路又はマイクロストリップ線路を用いてもよい。後者のマイクロストリップ線路の場合、接地導体は、誘電体支持膜14の裏面又は誘電体基板1の裏面に形成する必要がある。
1 誘電体基板、1a 凹部、1b 接地導体、1c 制御導体、2 誘電体支持膜、3,4 制御導体、5,6,6a 接続導体、7 スルーホール導体、7h スルーホール、10,10a コプレナ線路、11 信号線導体、12,13 接地導体、14 誘電体支持膜、21,23 レジスト、22,26,27 導体、24 レジストパターン、25 凹部、31,32 1/4波長線路、41,42,43,43a 空隙、302 スイッチ部、C,C1,C2 キャパシタ、L,L1,L2 インダクタ、SW1,SW2,SW11,SW12 スイッチ、T1,T2,T3、T11,T12,T13 端子。
Claims (14)
- 少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記基板から第1の空隙を介して離間して移動可能に形成された第1の誘電体支持膜と、
上記第1の誘電体支持膜上に形成され、少なくとも信号線導体と接地導体とを有する伝送線路と、
少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記第1の誘電体支持膜から第2の空隙を介して離間して移動可能に形成された第2の誘電体支持膜と、
上記第2の誘電体支持膜上に上記信号線導体に対向するように形成された接続導体と、
上記第2の誘電体支持膜上に上記接地導体に対向するように形成された制御導体とを備え、
上記制御導体と上記接地導体との間に所定の制御電圧を印加したとき、上記制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜と上記第2の誘電体支持膜とが互いに近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを高周波的に接続して、高周波スイッチ装置をオフ状態からオン状態に遷移させ、もしくは上記高周波スイッチ装置をオン状態からオフ状態に遷移させることを特徴とする高周波スイッチ装置。 - 上記信号線導体は上記接続導体に対向する部分において分断され、上記制御導体と上記接地導体との間に所定の制御電圧を印加したとき、上記分断された信号線導体は上記接続導体を介して高周波的に接続されることを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチ装置。
- 上記制御導体と上記接地導体との間に所定の制御電圧を印加したとき、上記信号線導体は上記接続導体に高周波的に接続されることを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチ装置。
- 上記第2の誘電体支持膜は、上記第1の誘電体支持膜に上記第2の空隙を介して対向する第1の面と、上記第1の面に実質的に平行であって上記第2の空隙に面しない第2の面とを有し、
上記接続導体及び上記制御導体は上記第2の誘電体支持膜の第2の面上に形成され、
上記制御導体と上記接地導体との間に所定の制御電圧を印加したとき、上記信号線導体は上記接続導体に高周波的に上記第2の誘電体支持膜を介して接続されることを特徴とする請求項1記載の高周波スイッチ装置。 - 上記基板上であって、上記伝送線路の直下の位置の少なくとも一部に形成された凹部をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の高周波スイッチ装置。
- 上記凹部の少なくとも一部に形成された別の接地導体をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の高周波スイッチ装置。
- 上記基板上であって、上記制御導体の直下の位置の少なくとも一部に形成された別の制御導体をさらに備え、
上記別の制御導体と上記接地導体との間に所定の第1の制御電圧を印加したとき、上記別の制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記別の制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜が上記基板に近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを接続させず、上記高周波スイッチ装置をオフ状態とする一方、上記制御導体と上記接地導体との間に所定の第2の制御電圧を印加したとき、上記制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜と上記第2の誘電体支持膜とが互いに近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを高周波的に接続して、高周波スイッチ装置をオフ状態からオン状態に遷移させ、もしくは上記高周波スイッチ装置をオン状態からオフ状態に遷移させることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の高周波スイッチ装置。 - 上記基板上であって、上記伝送線路の直下の位置の少なくとも一部に形成された凹部と、
上記凹部であって、上記制御導体の直下の位置の少なくとも一部に形成された別の制御導体をさらに備え、
上記別の制御導体と上記接地導体との間に所定の第1の制御電圧を印加したとき、上記別の制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記別の制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜が上記基板に近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを接続させず、上記高周波スイッチ装置をオフ状態とする一方、上記制御導体と上記接地導体との間に所定の第2の制御電圧を印加したとき、上記制御導体と上記接地導体との間に発生する静電力により上記制御導体と上記接地導体とが吸引され、上記第1の誘電体支持膜と上記第2の誘電体支持膜とが互いに近接するように変形して、上記信号線導体と上記接続導体とを高周波的に接続して、高周波スイッチ装置をオフ状態からオン状態に遷移させ、もしくは上記高周波スイッチ装置をオン状態からオフ状態に遷移させることを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の高周波スイッチ装置。 - 少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記基板から第1の空隙を介して離間して移動可能に第1の誘電体支持膜を形成するステップと、
上記第1の誘電体支持膜上に少なくとも信号線導体と接地導体とを有する伝送線路を形成するステップと、
少なくとも一端が上記基板に固定されかつ上記第1の誘電体支持膜から第2の空隙を介して離間して移動可能に第2の誘電体支持膜を形成するステップと、
上記第2の誘電体支持膜上に上記信号線導体に対向するように接続導体を形成するステップと、
上記第2の誘電体支持膜上に上記接地導体に対向するように制御導体を形成するステップとを含むことを特徴とする高周波スイッチ装置の製造方法。 - 上記伝送線路を形成するステップは、上記接続導体に対向する部分において分断するように上記信号線導体を形成することを特徴とする請求項9記載の高周波スイッチ装置の製造方法。
- 上記第1の誘電体支持膜を形成するステップの前に、上記基板上であって、上記伝送線路の直下の位置の少なくとも一部に凹部を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9又は10記載の高周波スイッチ装置の製造方法。
- 上記第1の誘電体支持膜を形成するステップの前であって上記凹部を形成するステップの後に、上記凹部の少なくとも一部に別の接地導体を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項11記載の高周波スイッチ装置の製造方法。
- 上記第1の誘電体支持膜を形成するステップの前に、上記基板上であって、上記制御導体の直下の位置の少なくとも一部に別の制御導体を形成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項9又は10記載の高周波スイッチ装置の製造方法。
- 上記第1の誘電体支持膜を形成するステップの前に、上記基板上であって、上記伝送線路の直下の位置の少なくとも一部に凹部を形成し、上記凹部であって、上記制御導体の直下の位置の少なくとも一部に別の制御導体を形成するステップをさらに含む請求項9又は10記載の高周波スイッチ装置の製造方法。
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JP2004086823A JP2005277675A (ja) | 2004-03-24 | 2004-03-24 | 高周波スイッチ装置とその製造方法 |
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JP2008278147A (ja) * | 2007-04-27 | 2008-11-13 | Fujitsu Ltd | 可変フィルタ素子、可変フィルタモジュール、およびこれらの製造方法 |
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2004
- 2004-03-24 JP JP2004086823A patent/JP2005277675A/ja active Pending
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JP4542117B2 (ja) * | 2007-04-27 | 2010-09-08 | 富士通株式会社 | 可変フィルタ素子、可変フィルタモジュール、およびこれらの製造方法 |
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