JP2005273560A - 分子ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ガス流路のコンダクタンスを容易かつ精度よく変化させることができる分子ポンプを提供する。
【解決手段】 本発明は、ねじ溝ポンプNPにおける環状の分子吸引部に対してコンダクタンスを変化させる調圧リング盤13を近接させたものである。分子ポンプにおける回転体4の下部には円筒部4Nが一体的に付設され、この円筒部4Nの外方周面にはステータリング9が近接対向設置されている。このステータリング9の上部に環状の調圧リング盤13を設置したものである。この環状の調圧リング盤13はステータリング9に設けられた螺旋溝の入り口付近に対向して近設され、しかも電磁石14、15の作動でねじ溝ポンプNPに対して進退される。この進退によりコンダクタンスが変化調整される。非接触で進退し摺動部を有しないため、分子ポンプ内部から発塵することはない。
【選択図】 図1

Description

半導体製造装置や分析装置などの中真空から超高真空にわたる圧力範囲で使用される分子ポンプに関するもの。
このような分子ポンプにおいて、その代表的なターボ分子ポンプは、その主体をなすターボ機構が円筒状のケーシング内に回転自在に保持され、ケーシングの一方側における吸気口からの分子、ガス等を吸気し、他方側の排気口に排気する構成をなしている。すなわち、ターボ機構はケーシングの中央部位の軸芯に配置された回転体がケーシングに架設された上下の軸受にて回転自在に保持されるとともに、この回転体は同じくケーシングに架設されたモータにて高速回転されるよう連結されている。そして、このターボ機構は回転体の外周部に複数段固定された回転翼とケーシング側に固定された複数段の固定翼との組み合わせであって、この中で回転翼がモータにて高速回転、具体的には1分間に数万回転という回転速度で駆動され、ガス、分子を圧縮して排気する。
従来におけるターボ分子ポンプの一般的な例を示すと図14に示すとおりである。以下、このターボ分子ポンプTPの主体であるターボ機構TKについて説明すると、回転軸3の上方部には一体的に円筒部4Nが形成されていて、この円筒部4Nには外周に複数段(具体的には9段)の回転翼B1〜B9(図面には最上段の回転翼B1と最下段の回転翼B9のみ符号を付しその他の符号は付記を省略している)が延設されている。この回転翼B1〜B9は軸芯方向に一定の間隔を有して配置されている。この回転軸3と回転翼B1〜B9などは一体的であり、回転体4を構成している。他方、上方に吸気口6が形成されたケーシング5の内周側からは、固定翼T1〜T8(図面には最上段の固定翼T1と最下段の固定翼T8のみ符号を付してその他の付記は省略している)が各回転翼B1〜B9と交互に設けられターボ機構TKが構成されている。なお、図14においてSは各固定翼T1〜T8を一定の間隔で保持するためのスペーサである。7は排気口である。
この回転軸3は、ポンプ機台部1上に設置された支持部8にて回転自在に保持されるとともにモータ駆動される。すなわち、支持部8には回転軸3のためのアキシャル用の軸受とラジアル用の軸受および、回転軸3を回転駆動するモータ(図示せず)が内設されている。モータにはインバータ(図示せず)から電気エネルギーが供給され、回転軸3を高速で回転駆動する。
そして、さらに回転体4の一部すなわち具体的には下方には円筒部4Nが一体的に形成され、しかもその外周にはねじ溝(この溝は図面では明確には開示されていない)が形成されている。なお、このねじ溝はステータリング9の側に形成される場合もある。このねじ溝は下方になるにつれて溝の深さが浅い円錐上をなしている。しかもこの円筒部4Nの外周には容器を兼ねたポンプ機台部1の上方円筒部の内周に接合されたステータリング9の内周面に近接している。このステータリング9の内周面と前記円筒部4Nとの組合わせによってねじ溝ポンプNPが構成されている。このねじ溝ポンプNPはドラッグポンプとして機能し、粘性流領域における分子を引き込んで排気する。
このようなターボ分子ポンプTPは、ターボ機構TKによるターボポンプ機構とねじ溝ポンプNPによるねじ溝ポンプ機能を有機的に結合したものであり、通常ハイブリッド形ターボ分子ポンプと称されている。ターボ分子ポンプTPとしては、このようなハイブリッド形のものが排気特性が良く、よく利用されている。なお、分子ポンプとしてはターボ機構TKのみを採用するものと、上記したステータリング9と外周にねじ溝が形成された回転体(円筒体)4との組合わせのみからなるねじ溝ポンプNPなどがある。
このような分子ポンプは、その吸気口が被排気部におけるチャンバに連結されてチャンバ内を高真空に排気する。この分子ポンプと被排気部との連結部にはチャンバの圧力を一定に保持するために、被排気部と分子ポンプの間に開口面積可変できるバルブを設けている。この開口面積可変なバルブを用いてチャンバの圧力(真空度)を一定に保つには、チャンバの目標圧力と、チャンバ内を測定した出力の測定圧力の信号に基づいてバルブの開口面積が変化するようバルブを作動させ、所望の圧力を保持する工夫が提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−129991号公報
ターボ分子ポンプを中心とする分子ポンプは、その大型化に伴い被排気部との連結部に介在される開口面積可変なバルブも大型化している。したがって、まず第1にバルブの開閉の応答速度が遅いこと、第2にバルブには摺動部や接触部があり、この部位がパーティクルの発生源になること、そして第3にバルブ自体が高価となり経済的に問題があることなどの課題が生じている。前記した工夫の提案では、分子ポンプにおける回転体とステータリングとの相対距離を変化させることによって、チャンバの圧力を制御するものであるが、回転体とステータリングとの相対距離を大きくした場合、チャンバの圧力が上昇(真空度が低下)するととともに、圧縮比が低下してしまうという問題を有している。この圧縮比低下は、排気作用を行う部品同士すなわち回転体とステータリングを相対移動させるが故におこる問題である。
さらにこの提案ではステータリングを電歪素子で軸方向に駆動させる方式が提案されているが、この場合はステータリングを半径方向に変動しないようにガイドを設ける必要がある。したがって、ステータリングとガイドとの摺動部を有することになり、この摺動部から発塵し、チャンバ内が汚れる問題がある。
本発明はこのような課題を解決する分子ポンプを提供するものである。
本発明が提供する分子ポンプは、上記課題を解決するために、分子ポンプ内のねじ溝ポンプ機構における環状の分子吸引部または分子排出部に対向して近設した調圧リング盤と、この調圧リング盤を前記分子吸引部または分子排出部に対して進退させる進退機構を設け、この進退機構の作動によってガス流路のコンダクタンスを変化させ、分子ポンプの吸気口側の圧力を制御できるようにしたものである。さらに本発明が提供する分子ポンプは、分子ポンプ内のターボ機構に近設した調圧リング盤と、この調圧リング盤をターボ機構に対して進退させる進退機構を設け、この進退機構の作動によってガス流路のコンダクタンスを変化させ、分子ポンプの吸気口側の圧力を制御できるようにしたものである。排気機能を有する機構(ターボ機構またはねじ溝ポンプ機構)に対して、排気作用のない調圧リング盤を相対移動させることで、被排気部のチャンバの圧力を制御するものであり、排気機能を有する機構の内部同士の相対距離は変化しない。調圧リング盤は磁気軸受機構で制御するため摺動部を有しない。
本発明が提供する分子ポンプによれば、ねじ溝ポンプを構成する回転体とステータリングとの相対距離が変化することがないために圧縮比の低下は起こらない。また摺動部を有しないため、分子ポンプ内部から発塵することはない。そのために、被排気部のチャンバ内が汚れることなくクリーンな真空が得られる。他方、調圧リング盤のコンダクタンスが大きくなり、被排気部のチャンバの圧力変化範囲がより大きくできる、また、ポンプの軽量化が図れる。さらに調圧リング盤がポンプ内の他部品へ接触しないような部材を設けたため、より信頼性の高いポンプとなる。チャンバと分子ポンプの間に調圧するためのバルブを設けない場合は、バルブを不要にしてチャンバの圧力を制御することを可能とし、排気システム全体のコストダウン化を図ることができる。
本発明は、分子ポンプ内において特にポンプ作用を行うターボ機構、あるいはねじ溝ポンプ機構に対して、対向して調圧リング盤を近設させ、この調圧リング盤の介設でコンダクタンスを変化させるようにした点に最大の特徴がある。調圧リング盤は、排気機能を有する主体がターボ機構またはねじ溝ポンプ機構であり、軸芯を有する円筒状であることから円盤状をなしている。円盤全面を面で形成してもよいし排気機構部の環状に沿うよう環状の面を有するものでもよい。そして、この調圧リング盤をターボ機構やねじ溝ポンプ機構に対向して近接させるとともに、これらに対して進退させる進退機構を設けたものである。この進退機構としては最良の機構は非接触で行われることであり、その点では磁気力を利用する機構が有利である。すなわち、この調圧リング盤の位置制御を電磁石と調圧リング盤の間の磁力にて行うものである。さらに望ましくは、調圧リング盤が他の部品部材に接触しないための接触防止部材(ストッパ)が設けられる。
本発明が第1に提供する実施例は、ねじ溝ポンプにおける環状の分子吸引部に対してコンダクタンスを変化させる調圧リング盤を近接させた構成のものである。この具体的な構成は図1に示されているが、図1はハイブリッド形のターボ分子ポンプTPの縦断面を示している。図に示すように回転体4は支持部8の内方に設置された軸受(図示せず)によって回転自在に保持された回転軸3の上端に支持され、同じく支持部8の内方に設けられた高周波モータ(図示せず)により数万rpmにて回転駆動されるよう構成されている。この回転体4には回転翼B1〜B9が設置され、他方、ケーシング5側には固定翼T1〜T8が設置されている。この回転翼B1〜B9と固定翼T1〜T8は数mmの間隔を保って複数段設置されている。この回転翼B1〜B9と固定翼T1〜T8の組合せによりターボ機構TKが構成されている。また、固定翼T1〜T8はスペーサSによって位置決めされ、このスペーサSはケーシング5とポンプ機台部1により上下に挟み込まれることで位置決めされている。
さて、回転体4の下部にはドラッグポンプとしてのねじ溝ポンプNPが構成されている。すなわち、回転体4の下方には円筒部4Nが一体的に付設され、この円筒部4Nの外方周面にはステータリング9が近接対向設置されている。そして、ステータリング9側に螺旋溝9Mが形成されている。この構成はステータリング9を斜視的に示す図2から明らかである。図2に示すようにステータリング9は上方にフランジ部9Fが形成され、円筒部9Rの内方に螺旋溝9Mが複数本形成されている。このステータリング9が容器を兼ねたポンプ機台部1(図1)の上方における円筒部の内周に嵌合架設されている。
以上がドラッグポンプとしてのねじ溝ポンプNPの構造であるが、その上方には回転翼B1〜B9と固定翼T1〜T8にて構成されるターボ機構TKが設置されている。したがって、ターボ分子ポンプTPにおいては、吸気口6からのガスはターボ機構TKにて圧縮されながら、ねじ溝ポンプNPへと流れる。流入したガスはねじ溝ポンプNPのねじ溝部(上方からみると環状)に吸収されてさらに圧縮され排気口7へと排出される。ポンプへ飛来するガスの流量が同じとき、被排気部のチャンバの圧力を変化させるには、このガス流路のコンダクタンスが可変であれば実現できる。
実施例1は、この原理に基づいてステータリング9の上部に環状の調圧リング盤13を設置したものである。この環状の調圧リング盤13は図2に示すステータリング9に設けられた螺旋溝9M(図2)の入り口付近に対向して近設され、比較的細い環状をなしている。この調圧リング盤13の幅は図3に示す外径と内径の差の半分で図2におけるステータリング9の螺旋溝9Mの大きさに対応している。この調圧リング盤13をステータリング9に対して回転体4の軸方向に進退させる機構として電磁石14による進退機構が採用されている。図3に示すように調圧リング盤13の上下には上側の電磁石14と下側の電磁石15(図3は平面図であり電磁石15は示されていない)がポンプの軸芯まわりに120度の間隔で設置され、進退機構を構成している。また、両電磁石14、15の近傍には図5に示すように非接触式の位置センサ16がそれぞれの電磁石14、15の側方位に設置されている。なお、図5は図1におけるA部を拡大して示す図である。
この位置センサ16は図5に示すように、その上端が調圧リング盤13の下面に近接して対応し調圧リング盤13の変位に応じ信号を出力するようになっている。他方、電磁石14、15の構成は、図5におけるB部を拡大して図6に示すとおりである。図6は電磁石14、15ならびに調圧リング盤13の進退動作を一定以下に制限するストッパ17の構成のみを示している。この電磁石14、15は、図7に示すように通電による磁界の発生で調圧リング盤13を上方ないし下方に作動させるが、この電磁石14、15への通電は図8に示す位置制御回路PCにて行われる。この図8に示すように進退作動の制御は位置センサ16の信号で現在位置の情報を考慮しながら、目標位置に位置決めするようになっている。
調圧リング盤13のアキシャル方向位置は、位置センサ16の検出信号によって現在位置の情報が得られ、この現在位置情報と進退させたい目標位置に基づいて図8に示す位置制御回路PCが作動し、調圧リング盤13の位置が制御される。調圧リング盤13のラジアル方向位置は、図7の部拡大図に示す両電磁石14、15と調圧リング盤13の間の磁束線は常に最小になろうとし、さらに両電磁石14、15の磁束の出る面積よりも調圧リング盤13の磁束の出る面積を小さく設定しているので、特に制御回路を用いなくてもその位置は安定する。
また、調圧リング盤13の位置については、外乱により万一回転しても問題のないように構成されている。なお、図8において19は位置制御器であり、入力された差信号に基づいて電磁石14、15を作動させ、調圧リング盤13が微少進退する。その変位後の位置についての信号が位置センサ16から出力される。つぎに、ステータリング9と調圧リング盤13との寸法関係は図8に示すように、調圧リング盤13の内径がステータリング9の内径以下になるよう設定し、かつ調圧リング盤13の外径がステータリング9の外径以上になるよう設定されている。
上記のように構成された電磁石14、15によって、図3、図4に示すように周囲120度間隔で3地点より調圧リング盤13の位置をポンプ軸芯方向に連続的に微動進退させる。その結果、ステータリング9に設けられた螺旋溝9M(図2)が徐々に閉塞され、または開放されるようになっている。このような操作によって螺旋溝9M入り口付近のコンダクタンスを連続的に変化させることが可能となる。調圧リング盤13をポンプ軸芯方向で上方に連続的に移動させると調圧リング盤13のねじ溝ポンプNPに対する近設隙間は増え、コンダクタンスは連続的に大きくなる。すなわち、ターボ分子ポンプTPの排気速度は連続的に大きくなる。したがって、被排気部のチャンバの圧力を連続的に下げることができる。逆に、調圧リング盤13をポンプ軸芯方向下方に連続的に移動させるとチャンバの圧力を連続的に上げることができる。このような特性は図9に示すとおりである。図9は調圧リング盤13のポンプ軸芯方向位置と排気速度の関係を示している。なお、図10は調圧リング盤13のポンプ軸芯方向位置と吸気口圧力の関係(特性)を示している。
本発明が第2に提供する実施例は、進退機構の異常時を保障する機構を設けたものである。具体的には調圧リング盤13の位置制御系すなわち進退機構に異常が生じた場合を考慮し、電磁石14、15やその他の部品に接触することを防止するストッパ(接触防止部材)17が設けたものである。このストッパ17は図6に示すとおり、電磁石14、15のために保持枠18に突設されている。調圧リング盤13の移動可能な変位量はストッパ17により移動距離RS以下に制限されている。また、調圧リング盤13とストッパ17以外の部品までの距離はRSを超えるように設定されている。このストッパ17の介設によって調圧リング盤13が電磁石14、15や回転体4に接触することは解消される。したがって、ターボ分子ポンプとしての信頼性は向上する。
以上説明してきたように、排気機能を行うターボ機構TKやねじ溝ポンプNPに対して、排気作用のない調圧リング盤13を進退(相対移動)させることで、被排気部のチャンバの圧力を変化させることができ、回転体4とステータリング9の相対距離が変化しないために圧縮比の低下は起こることはない。しかも、調圧リング盤13を電磁石14、15で制御するものであり、摺動部を有しないため、ターボ分子ポンプTP内部から発塵することはない。ひいては、被排気部のチャンバ内が汚れることなくクリーンな真空が得られる。なお、図示例ではストッパ17を保持枠18に突設した例を示したが、電磁石14、15に付設させるようにすることも可能である。
本発明が第3に提供する実施例は、コンダクタンスの変化、制御を被排気部の圧力を検知しながら設定目標、あるいは被排気部における使用目的の事情に沿い制御するように構成したものである。すなわち、被排気部のチャンバの圧力情報をもとに調圧リング盤の位置を制御し、被排気部のチャンバの圧力を制御するものである。この実施例は、図11に示すが、ターボ分子ポンプTP内部には上述した調圧リング盤13の位置制御回路PCを備え、かつ被排気部のチャンバの圧力および目標圧力をもとに制御する圧力制御回路ACを設けている。なお、図11において20は圧力制御器であり、入力された差信号に基づいて前述の位置制御回路PCを作動させる。その結果、被排気部のチャンバの圧力が制御されるのである。その圧力は圧力センサPSにて検出される。上記のような構成によって、被排気部のチャンバとターボ分子ポンプTPの間に調圧バルブ等を設ける必要がなく、被排気部のチャンバの圧力を制御することが可能となり、排気システム全体のコストダウンにつながる。
本発明の特徴は以上詳述したとおりであるが、上記ならびに図示例に限定されるものではなく種々の変形例を挙げることができる。まず第1の変形例としては、調圧リング盤13の設置位置である。図示例ではねじ溝ポンプNPの最上段部位に調圧リング盤13を対向近設した例であるが、この調圧リング盤13をねじ溝ポンプNPの最下段部位もしくはターボ機構TKの最上段部位もしくはターボ機構TKの最下段部位に対向近設させるようにすることもできる。第2の変形例としてはこの調圧リング盤13の大きさ、形状に関する実施例である。図3に示す実施例では調圧リング盤13の中空孔の径は外径に比較して小さく、すなわち環状の幅が大きく設定されている。これを両径の差を小さく、すなわち幅を小さくすることも可能である。すなわち調圧リング盤13は特にターボ機構TKに対向する場合は、そのターボ機構TKのポンプ幅に対応する大きさが望ましいが、その大きさより敢えて細かくすることでコンダクタンスの調整をゆるやかにするようにすることもできる。
また、ドラッグポンプとしてのねじ溝ポンプNPに対向する調圧リング盤13についてもその幅を小さくすることでコンダクタンスの調整をゆるやかにすることができる。図4はこのような幅の小さい例で両径の差が小さい。第3は進退機構についての変形例を説明する。上記ならびに図示例は電磁石14、15すなわち電磁力を使用した例である。これは磁力が非接触で作動できること、大きさを調整できることから必須の条件である。この場合電磁石14、15からの漏れ磁束を遮断するために、透磁率の大きい部材で磁石を覆うように構成しても良い。このように材料の調整、改良により回転体での渦電流の発生を抑制し、回転体の温度上昇を防ぎ、ターボ分子ポンプTPの信頼性を向上させることができる。
さらに上記変形例に関連して、調圧リング盤13の電磁石14、15からの磁束が通る部位に透磁率の高い部材を使用し、それ以外の部分はアルミなど透磁率の低い部材を用いても良い。この場合は、磁束の漏れを防ぐことができ信頼性向上が図れるほか、アルミなどの透磁率が低くかつ密度の小さな部材を用いることで、ポンプ全体の軽量化が図れる。
なお、ターボ機構TKの最下部に調圧リング盤13を配置し、この調圧リング盤13を120度間隔の3地点で制御する場合、調圧リング盤13のラジアル方向の位置制御は、電磁石14、15と調圧リング盤13の間の磁力線は常に最小になろうとするため制御を必要としない。第4の変形例として、調圧リング盤13の支持機構の変形例を挙げることができる。図12がその例を示している。図12はターボ分子ポンプTPの縦断面図を示しているがC部がその要部である。このC部を拡大して示しているのが図13で、調圧リング盤13の外周端部に連結杆23が付設され、この連結杆23が両電磁石14、15間の可動部24に連結されている。この例では進退できる大きさは間隔L未満である。
これら変形例について詳述する。たとえば回転翼B1〜B9の下部に調圧リング盤を設置することにより、回転翼B1〜B9付近のコンダクタンスを変化させる場合、調圧リング盤13に対する電磁石14、15、位置センサ16の相対的位置は上述のとおりである。このように構成された電磁石14、15の機構による3点での制御にて調圧リング盤13の位置をアキシャル方向に上下させることにより、回転翼B1〜B9付近のコンダクタンスを変化させることが可能となる。調圧リング盤13をポンプ軸芯の下方に移動させると調圧リング盤13とターボ分子ポンプTPの隙間は増え、コンダクタンスは大きくなり、被排気部のチャンバの圧力を下げることができる。また、調圧リング盤13をポンプ軸芯の上方に移動させると被排気部のチャンバの圧力を上げることができる。
さらに変形例として、調圧リング盤13をターボ分子ポンプTPの最上部(吸気口近傍)に設置することもできる。この場合は、圧力制御の範囲がより大きくなる。そしてさらに、調圧リング盤13の一部に空間を設け、調圧リング盤13のコンダクタンスを大きくすることもできる。この場合、調圧リング盤13が軽量化でき、電磁石の小型化が可能となり、コストダウンできる。また、圧力制御器20は図11ではターボ分子ポンプTPに内設しているが、外部にあっても良い。さらに、いままでの説明から明らかなとおり、本発明の分子ポンプはターボ機構TKのみによる分子ポンプと、ねじ溝ポンプNPのみからなる分子ポンプさらにはこれらの組み合わせからなる分子ポンプにおいて適用できるし、特にねじ溝ポンプNPについては図示例のようなステータリングを有しないねじ溝ポンプにも適用できる。なお、これら各変形例を示す図において図1あるいは図14に示す符号と同一の符号で示す部品は図1、図14と同様の機能を有するものであり説明は省略する。
本発明が第1に提供する分子ポンプの構成を縦断面して示す図である。 本発明の要部にかかわる構成を示す斜視図である。 本発明の要部の構成を示す図である。 本発明の要部の構成の変形例を示す図である。 本発明の要部を拡大して示す図である。 本発明の要部を拡大して示す図である。 本発明の要部を拡大して示す図である。 本発明の要部構成の位置制御を示す図である。 本発明の要部構成の位置と排気特性の関係を示す図である。 本発明の要部構成の位置と排気特性の関係を示す図である。 本発明の要部構成の位置制御と被排気部圧力の関係を示す図である。 本発明による分子ポンプの変形例の縦断面を示す図である。 本発明による分子ポンプの変形例の要部を拡大して示す図である。 従来の分子ポンプの構成を縦断面して示す図である。
符号の説明
1 ポンプ機台部
3 回転軸
4 回転体
4N 円筒部
5 ケーシング
6 吸気口
7 排気口
8 支持部
9 ステータリング
9M 螺旋溝
9F フランジ部
9R 円筒部
13 調圧リング盤
14 電磁石
15 電磁石
16 位置センサ
17 ストッパ
18 保持枠
19 位置制御器
20 圧力制御器
23 連結杆
24 可動部
B1〜B9 回転翼
T1〜T8 固定翼
TK ターボ機構
TP ターボ分子ポンプ
NP ねじ溝ポンプ
AC 圧力制御回路
L 間隔
PC 位置制御回路
PS 圧力センサ
RS 移動距離
S スペーサ

Claims (4)

  1. 円筒状のケーシング内に軸受を介して回転自在に保持された回転体と、前記ケーシング内周側に接合されたステータリングと、回転体を高速回転させるモータを備え、回転体の外周面とステータリングの内周面を近接設置させてねじポンプ機構を構成し、吸気口からの分子を排気口に排気する分子ポンプにおいて、分子ポンプ内のねじ溝ポンプ機構における環状の分子吸引部または分子排出部に対向して近設した調圧リング盤と、この調圧リング盤を前記分子吸引部または分子排出部に対して進退させる進退機構を設け、この進退機構の作動によってガス流路のコンダクタンスを変化させ、分子ポンプの吸気口側の圧力を制御できるようにしたことを特徴とする分子ポンプ。
  2. 進退機構を1個または2個以上の磁気軸受機構で構成したことを特徴とする請求項1記載の分子ポンプ。
  3. 円筒状のケーシング内に軸受を介して回転自在に保持された回転枠に複数段固定された回転翼と、前記ケーシング内周側に固定された複数段の固定翼と、前記回転枠を高速回転させるモータを備えて回転翼と固定翼からなるターボ機構を構成し、前記ケーシングの一端側の吸気口からの分子を吸気して他端側の排気口に排気する分子ポンプにおいて、分子ポンプ内のターボ機構に近設した調圧リング盤と、この調圧リング盤をターボ機構に対して進退させる進退機構を設け、この進退機構の作動によってガス流路のコンダクタンスを変化させ、分子ポンプの吸気口側の圧力を制御できるようにしたことを特徴とする分子ポンプ。
  4. 進退機構を1個または複数個の磁気軸受機構により構成したことを特徴とする請求項3記載の分子ポンプ。
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