JP2005273105A - 脂肪族ポリエステル繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】
従来得られなかった平滑性、耐摩耗性および集束性を有し、紡糸・巻き取り工程、延伸工程および高次加工工程での操業性と通過性に優れた脂肪族ポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】
脂肪酸エステルを25〜50重量%および乳化剤成分を20〜40重量%配合した油剤を、繊維重量に対し0.2〜3.0重量%付与してなる繊維であって、該繊維が融点130℃以上の脂肪族ポリエステルからなる、糸−糸動摩擦係数が0.170〜0.300の脂肪族ポリエステル繊維であり、脂肪族ポリエステルとしてはポリ乳酸が好適である。
【選択図】 なし
従来得られなかった平滑性、耐摩耗性および集束性を有し、紡糸・巻き取り工程、延伸工程および高次加工工程での操業性と通過性に優れた脂肪族ポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】
脂肪酸エステルを25〜50重量%および乳化剤成分を20〜40重量%配合した油剤を、繊維重量に対し0.2〜3.0重量%付与してなる繊維であって、該繊維が融点130℃以上の脂肪族ポリエステルからなる、糸−糸動摩擦係数が0.170〜0.300の脂肪族ポリエステル繊維であり、脂肪族ポリエステルとしてはポリ乳酸が好適である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、脂肪族ポリエステル繊維に関するものである。更に詳しくは、本発明は、繊維の摩擦を低減した製品品位の好な脂肪族ポリエステル繊維に関するものである。
生分解性を有するポリ乳酸繊維は、微生物が多数生存する環境下に放置すると徐々に分解され地球環境に優しい性質を持つ素材である。しかしながら、ポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルは一般的に融点が低く、しかも摩擦係数が高いため、製糸工程のプレートやガイド類との摩擦などによる毛羽や糸切れが起こりやすく、高次通過性や製品品位が低下するという問題があった。
これら問題を解決するために、平滑剤成分を55〜75重量%及び乳化剤成分を20〜40重量%配合した油剤を0.2〜3.0重量%付与し、繊維(糸)−金属摩擦係数を0.3〜0.45とした脂肪族ポリエステル繊維(特許文献1参照)や、鉱物油及び/又は脂肪酸エステルを55重量%以上、ノニオン界面活性剤を25重量%以上、およびアニオン系界面活性剤を2〜8重量%含有する油剤を、0.3〜0.7重量%付与し、糸−金属摩擦係数を0.3以下とし、繊維−繊維摩擦係数を0.25以下としたポリ乳酸系繊維(特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、これら提案の油剤では、脂肪族ポリエステル繊維の糸−金属摩擦係数を低くすることができても、加熱ローラーや加熱プレートなどでの高温処理を受けるプロセス過程で、多量に含まれている油剤成分が高温加熱により劣化や酸化分解して変質し、加熱ローラーや加熱プレートなどに付着して汚れを増加させ、清掃周期の短縮化や汚れによる操業性の低下や選別欠点の増加、ひいては高次通過性の低下まで引き起こすという課題があった。さらに、後者の特許文献2の提案においては、摩擦係数の測定方法が不明確なため、その効果も不明確である。
特開2003−20567号公報
特開2004−27374号公報
そこで、本発明の目的は、従来得られなかった平滑性、耐摩耗性および集束性を有し、紡糸・巻き取り工程、延伸工程および高次加工工程での操業性と通過性に優れた脂肪族ポリエステル繊維を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成線とするものであり、本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、脂肪酸エステルを25〜50重量%および乳化剤成分を20〜40重量%配合した油剤を、繊維重量に対し0.2〜3.0重量%付与してなる繊維であって、該繊維が融点130℃以上の脂肪族ポリエステルからなることを特徴とする脂肪族ポリエステル繊維である。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記の脂肪族ポリエステルはポリ乳酸であり、そして、脂肪族ポリエステル繊維の糸−糸動摩擦係数は0.170〜0.300である。
本発明によれば、脂肪族ポリエステル繊維について新規油剤を適用することにより、従来得られなかった平滑性、耐摩耗性および集束性を有し、紡糸・巻き取り工程、延伸工程および高次加工工程での操業性と通過性に優れた脂肪族ポリエステル繊維を得ることができる。
本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、基本的に脂肪族ポリエステルからなるものである。本発明で用いられる脂肪族ポリエステルは、その融点が130℃以上であることが必要である。融点が130℃よりも低い場合、単糸間の融着の発生による延伸性不良や、染色加工時、熱セット時および摩擦加熱時に溶融欠点が生じるなど、製品の品位が著しく低いものとなる。脂肪族ポリエステルの融点は、好ましくは150℃以上であり、更に好ましくは160℃以上である。ここで、融点とはDSC測定によって得られた溶融ピークのピーク温度を意味する。また、融点の好ましい上限は300℃以下である。
本発明で用いられる具体的な脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブチレートバリレートなどのポリオキシ酸類、ポリエチレンサクシネートなどの脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮合物類およびこれらのブレンド物、および変性物を用いることができる。
高融点と高耐熱性の観点から望ましい脂肪族ポリエステルとしてはL−乳酸を主成分とするポリ乳酸およびグリコール酸を主成分とするポリグリコール酸を挙げることができる。ポリ乳酸においてL−乳酸を主成分とするとは、構成成分の60重量%以上がL−乳酸からなっていることを意味し40重量%を越えない範囲内でD−乳酸を含有する脂肪族ポリエステルであってもよい。
ポリ乳酸の製造方法には乳酸を原料として一旦環状二量体であるラクチドを生成せしめ、その後開環重合を行う二段階のラクチド法と、乳酸を原料として溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知られている。本発明で用いられるポリ乳酸は、いずれの製法によって得られたポリ乳酸であってもよい。
ポリ乳酸の平均分子量は繊維の強度面から高い方が好ましく、通常少なくとも50000であり、好ましくは少なくとも100000であり、より好ましくは100000〜300000である。
また、本発明で用いられるポリ乳酸はL−乳酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の成分を共重合したポリ乳酸であってもよい。共重合可能な成分としてはグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2
,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、および5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、および5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸等の分子内に複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの誘導体が挙げられる。
また、本発明においては溶融粘度を低減させるため、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートおよびポリエチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルポリマを内部可塑剤として、あるいは外部可塑剤として用いることができる。
また、脂肪族ポリエステルには、必要に応じて各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを添加しても良い。
また、本発明においては、上記の脂肪族ポリエステル繊維に対する油剤の選択が重要であり、本発明では、脂肪族ポリエステル繊維に、特に以下の油剤成分を特定の割合で組み合わせた油剤を付与させることが必要である。かかる油剤は、脂肪酸エステルを25〜50重量%の含有率に調整して使用することが必要であり、好ましくは25〜45重量%である。この脂肪酸エステルは、平滑剤として機能する成分である。脂肪酸エステルの含有率が25重量%を下回ると繊維−金属摩擦係数が高くなり、繊維がプレートやガイド類を通過する際に毛羽や糸切れなどが発生する。また、脂肪酸エステルの含有率が50重量%を上回ると、加熱ローラーや加熱プレートなどで高温の処理を受けた際に、油剤成分が劣化や酸化分解などにより変質して、加熱ローラーや加熱プレートなどに付着し汚れを増加させ、清掃周期の短縮化などの原因となる。
また、本発明の油剤には、乳化剤成分を20〜40重量%の含有率に調整して使用することが必要であり、好ましくは20〜35重量%である。乳化剤成分の含有率が20重量%を下回ると、油剤成分が水に均一に乳化しないため繊維への付着ムラが起こり、繊維−金属摩擦係数の変動など繊維物性が不均一なものとなる。また、乳化剤成分の含有率が40重量%を上回ると加水粘度が上昇し、製糸工程での平滑性が損なわれ、毛羽や糸切れや静電気の原因となる。
本発明において、油剤の成分として用いられる脂肪酸エステルとしては、例えば、メチルオレート、i−プロピルミリステート、オクチルパルミテート、オレイルラウレート、オレイルオレート等の一価アルコールと一塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、ジオクチルセバケート、ジオレイルアジペート等の一価アルコールと多塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、硬化ヒマシ油エチレンオキサイド付加物、二塩基性のポリエステル、シリコーン化合物、ジオクチルフタレート、トリオレイルトリメリテート等の一価アルコールと芳香族カルボン酸のエステル、エチレングリコールジオレート、トリメチロールプロパントリカプリレート、およびグリセリントリオレート等の多価アルコールと一塩基脂肪族カルボン酸のエステルまたはこれらの誘導体の単独、あるいは混合使用を挙げることができる。
また、本発明で用いられる乳化剤としては、活性水素を1以上有する化合物のアルキレンオキサイド付加物、すなわち、ラウリルアルコール、i−ステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルアルコール等の一価ヒドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物、グリセリンのモノオレイン酸エステル、トリメチロールプロパンのジステアリン酸エステル等の多価アルコール部分エステルおよびこれらのアルキレンオキサイド付加物、ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加物、ラウリルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン類のアルキレンオキサイド付加物、ミリスチン酸、ステアリン酸、およびオレイン酸等の高級脂肪族のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられるが、ここで付加するアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等が挙げられ、これらは単独であるいは混合して使用される。
本発明で用いられる油剤には、本発明の効果を阻害しない範囲内で、本発明の構成成分以外に、イオン性界面活性剤、従来公知の集束剤、防錆剤、防腐剤、酸化防止剤、耐熱剤および耐水剤等を併用することができる。
本発明で用いられる油剤は、好ましくは水系エマルションとして脂肪族ポリエステル繊維に付与させることができるが、油剤は溶媒系で付与しても良い。油剤の脂肪族ポリエステル繊維への付与量は、繊維重量に対して0.2〜3.0重量%であることが必要である。油剤の付与量が0.2重量%未満では油剤の効果が小さくなる。また、油剤の付与量が3.0重量%を超えると脂肪族ポリエステル繊維の走行時抵抗が小さくなり、油剤がローラー、プレートおよびガイド類に付着し汚れの原因となる。
以上のようにして得られた脂肪族ポリエステル繊維は、繊維−繊維動摩擦係数が0.170〜0.300を満足し、製糸工程での糸落ちが少なく、紡糸・巻き取り工程、延伸工程、高次加工工程などの操業性、通過性に優れた繊維となる。繊維−繊維動摩擦係数が0.170よりも小さいと巻き取ったパッケージに糸落ちが多発する。また、繊維−繊維動摩擦係数が0.300よりも大きいと巻き取り性は向上するが解舒性は不良傾向となる。
本発明において、かかる特定の油剤を用いて脂肪族ポリエステル繊維を製造する方法としては、一度未延伸糸を巻き取ってから、延伸機で延伸する方法、紡糸と延伸を一段で行う方法、2,000〜4,000m/分で半未延伸糸をえる方法、5,000〜10,000m/分の紡糸速度で紡糸延伸を行う高速紡糸、紡糸した糸条を連続で延伸熱処理する直接紡糸延伸法のいずれであってもよい。
また、本発明の脂肪族ポリエステル繊維については、さらに仮撚加工、エア混繊、織編および分繊などの任意の加工が可能である。
本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、マルチフィラメントでもモノフィラメントでも良く、さらに断面形状は、丸、扁平、中空、Y型、T型および多角形等任意である。また、ポリエチレンテレフタレート糸やポリプロピレンテレフタレート糸等の他の糸との混繊、あるいは、他の成分との芯鞘複合、海島複合およびサイドバイサイド複合いずれでも良い。
本発明の脂肪族ポリエステル繊維の伸度は、品質安定の点から20〜180%であることが好ましく、より好ましくは25〜60%である。伸度が20%未満では繊維の耐摩耗性が低くなり、油剤を付与しても実用上使用できないことがある。また、伸度が180%を超えると脂肪族ポリエステル繊維の配向が不十分となり、保管や運搬中のわずかな温度変化や荷重で糸が容易に変質してしまう場合がある。
本発明の脂肪族ポリエステル繊維の伸度は、品質安定の点から20〜180%であることが好ましく、より好ましくは25〜60%である。伸度が20%未満では繊維の耐摩耗性が低くなり、油剤を付与しても実用上使用できないことがある。また、伸度が180%を超えると脂肪族ポリエステル繊維の配向が不十分となり、保管や運搬中のわずかな温度変化や荷重で糸が容易に変質してしまう場合がある。
本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、織物、編み物の他、加工糸用途等に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、加工特性等の測定方法と評価方法は、次のとおりである。
(1)繊維−繊維動摩擦係数
繊維を従動式ローラーに片掛けし、従動式ローラーを2回ねじり、駆動式ローラーにて糸速55m/分において30秒間引き取ったときの従動式ローラー入り張力をT1、出張力をT2として次式で算出した。
繊維−繊維動摩擦係数=0.4697×Log(T2/T1)
(2)毛羽の発生
繊維を編み針に通し、編み針に入る糸道と出る糸道の角度を60°に維持して0.5cN/dtexの張力下で糸速2m/分、5時間チーズに巻き取り、チーズ端面に発生した毛羽数をカウントした。評価は次のとおりである。
○:毛羽数0個 △:毛羽数1〜3個 ×:毛羽数4個以上
(3)静電気の発生
繊維を経糸、緯糸に用いて平織物を製織したときに、静電気が発生して筬を通過したときに繊維同士が寄りつくことがあっかどうかを観察した。評価は次のとおりである。
○:見られず ×:見られた
(実施例1〜4)
融点が172℃のポリL−乳酸のチップを、窒素雰囲気下、100℃の温度で10時間、乾燥機を用いて乾燥した。得られた乾燥チップを押し出し機に投入し、220℃の温度で口金から押し出した。紡出された繊維群に20℃の温度の冷却風を30m/分の速度で吹き付け、冷却固化させた。固化した繊維群に、表1に記載された油剤を純水を用いて10%水系エマルションとなるように調整して付与し繊維を集束させた後、3,000m/分で巻き取った。次に、得られた繊維を、1HR80℃の温度、2HR115℃の温度で伸度が40%となるように延伸し、56T−36fの延伸糸を得た。結果を表1に示す。本発明で規定した範囲の組成の油剤を付与した繊維は、いずれも優れた製糸操業性および高次加工通過性を示すものであった。
繊維を従動式ローラーに片掛けし、従動式ローラーを2回ねじり、駆動式ローラーにて糸速55m/分において30秒間引き取ったときの従動式ローラー入り張力をT1、出張力をT2として次式で算出した。
繊維−繊維動摩擦係数=0.4697×Log(T2/T1)
(2)毛羽の発生
繊維を編み針に通し、編み針に入る糸道と出る糸道の角度を60°に維持して0.5cN/dtexの張力下で糸速2m/分、5時間チーズに巻き取り、チーズ端面に発生した毛羽数をカウントした。評価は次のとおりである。
○:毛羽数0個 △:毛羽数1〜3個 ×:毛羽数4個以上
(3)静電気の発生
繊維を経糸、緯糸に用いて平織物を製織したときに、静電気が発生して筬を通過したときに繊維同士が寄りつくことがあっかどうかを観察した。評価は次のとおりである。
○:見られず ×:見られた
(実施例1〜4)
融点が172℃のポリL−乳酸のチップを、窒素雰囲気下、100℃の温度で10時間、乾燥機を用いて乾燥した。得られた乾燥チップを押し出し機に投入し、220℃の温度で口金から押し出した。紡出された繊維群に20℃の温度の冷却風を30m/分の速度で吹き付け、冷却固化させた。固化した繊維群に、表1に記載された油剤を純水を用いて10%水系エマルションとなるように調整して付与し繊維を集束させた後、3,000m/分で巻き取った。次に、得られた繊維を、1HR80℃の温度、2HR115℃の温度で伸度が40%となるように延伸し、56T−36fの延伸糸を得た。結果を表1に示す。本発明で規定した範囲の組成の油剤を付与した繊維は、いずれも優れた製糸操業性および高次加工通過性を示すものであった。
(比較例1)
表2のように、実施例2記載の油剤を用い油剤付着量を低くしたこと以外は、実施例1と同様の方法で製糸、加工した結果、繊維−繊維動摩擦係数が高くなり、毛羽や静電気の発生が見られた。結果を表2に示す。
表2のように、実施例2記載の油剤を用い油剤付着量を低くしたこと以外は、実施例1と同様の方法で製糸、加工した結果、繊維−繊維動摩擦係数が高くなり、毛羽や静電気の発生が見られた。結果を表2に示す。
(比較例2)
表2のように、平滑剤の量が本発明の範囲を下回る油剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で製糸、加工した結果、繊維−繊維動摩擦係数が高くなり、毛羽の発生が見られた。結果を表2に示す。
表2のように、平滑剤の量が本発明の範囲を下回る油剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で製糸、加工した結果、繊維−繊維動摩擦係数が高くなり、毛羽の発生が見られた。結果を表2に示す。
(比較例3)
表2のように平滑剤の量が本発明の範囲を上回る油剤を用いたこと以外は、実施例1と同様に製糸、加工した結果、繊維−繊維動摩擦係数が低くなりすぎ、パッケージに糸落ちが多発、製糸操業性が低下した。結果を表2に示す。
表2のように平滑剤の量が本発明の範囲を上回る油剤を用いたこと以外は、実施例1と同様に製糸、加工した結果、繊維−繊維動摩擦係数が低くなりすぎ、パッケージに糸落ちが多発、製糸操業性が低下した。結果を表2に示す。
(比較例4)
表2のように乳化剤の量が本発明の範囲を下回る油剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で製糸、加工した結果、均一な水系エマルションがてきなかったため、繊維への付着ムラが発生し糸質にもムラが見られた。また、毛羽や静電気の発生も部分的に見られた。結果を表2に示す。
表2のように乳化剤の量が本発明の範囲を下回る油剤を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で製糸、加工した結果、均一な水系エマルションがてきなかったため、繊維への付着ムラが発生し糸質にもムラが見られた。また、毛羽や静電気の発生も部分的に見られた。結果を表2に示す。
(比較例5)
表2のように乳化剤の量が本発明の範囲を下回る油剤を用いたこと以外は、実施例と同様の方法で製糸、加工した結果、油剤の加水粘度が上昇し、製糸工程での平滑性が損なわれ操業性が低下した。結果を表2に示す。
表2のように乳化剤の量が本発明の範囲を下回る油剤を用いたこと以外は、実施例と同様の方法で製糸、加工した結果、油剤の加水粘度が上昇し、製糸工程での平滑性が損なわれ操業性が低下した。結果を表2に示す。
(比較例6)
表2のように実施例2に記載の油剤を用い油剤付着量を高くしたこと以外は、実施例2と同様の方法で製糸、加工した結果、動摩擦係数が低くなり、繊維が製糸工程のローラー上で滑り、紡糸・延伸性ともに低下した。結果を表3に示す。
表2のように実施例2に記載の油剤を用い油剤付着量を高くしたこと以外は、実施例2と同様の方法で製糸、加工した結果、動摩擦係数が低くなり、繊維が製糸工程のローラー上で滑り、紡糸・延伸性ともに低下した。結果を表3に示す。
本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、織物、編み物の他、加工糸用途等に好適に適用され、生分解性のため、微生物が多数生存する環境下に放置すると徐々に分解され地球環境に優しい性質を持つ有用な素材である。
Claims (3)
- 脂肪酸エステルを25〜50重量%および乳化剤成分を20〜40重量%配合した油剤を、繊維重量に対し0.2〜3.0重量%付与してなる繊維であって、該繊維が融点130℃以上の脂肪族ポリエステルからなることを特徴とする脂肪族ポリエステル繊維。
- 脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であることを特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステル繊維。
- 繊維−繊維動摩擦係数が0.170〜0.300であることを特徴とする請求項1または2記載の脂肪族ポリエステル繊維。
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---|---|---|---|
JP2004091319A JP2005273105A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 脂肪族ポリエステル繊維 |
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JP2004091319A JP2005273105A (ja) | 2004-03-26 | 2004-03-26 | 脂肪族ポリエステル繊維 |
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JP (1) | JP2005273105A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014210986A (ja) * | 2013-04-17 | 2014-11-13 | 帝人株式会社 | 糸条および布帛および繊維製品 |
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2004
- 2004-03-26 JP JP2004091319A patent/JP2005273105A/ja active Pending
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