JP2005272748A - 発泡樹脂の成形方法及び発泡樹脂成形体 - Google Patents

発泡樹脂の成形方法及び発泡樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】 使用可能な熱可塑性樹脂の種類を拡げるとともに、強度及び剛性の向上を容易とする発泡樹脂の成形方法及び発泡樹脂成形体を提供する。
【解決手段】発泡樹脂成形体の原料とされる複合樹脂は、熱可塑性樹脂に層状有機化変性粘土を配合してなるものである。複合樹脂の加熱溶融時において、層状有機化変性粘土から分解ガスが発生し、これが層状有機化変性粘土の層間に留まり、保持される。そして、分解ガスを保持する層状有機化変性粘土が可塑化された熱可塑性樹脂中に配合され、微細で均一な気泡を有する発泡樹脂が形成される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば自動車内装部品等の成形材料として使用される発泡樹脂の成形方法及び発泡樹脂成形体に関するものである。
従来より、この種の発泡樹脂としては以下に示すものが知られている(例えば特許文献1、2及び3)。特許文献1及び2では、熱可塑性樹脂に、ベントナイト及び発泡剤としての水が添加されているものが開示されている。こうした場合、水を吸収したベントナイトがゲル化し、これが熱可塑性樹脂中に均一に分散することによって優れた気泡構造を有する発泡樹脂が得られる。また特許文献3では、ポリプロピレン系樹脂に、有機化変性粘土及び無水マレイン酸変性ポリプロピレンが配合され、この状態でこれら各成分を溶融混錬することにより得られる複合樹脂組成物を原料とする発泡樹脂が開示されている。こうした場合、溶融混錬時において、有機化変性粘土が層剥離してポリプロピレン系樹脂中に均一に分散し、発泡核効果を発揮する。そして、ここで得られた複合樹脂組成物に超臨界状ガスを浸透させた後に脱ガス化することによって発泡樹脂が得られる。
特開2001−200087号公報 特開2001−302834号公報 特開2003−73510号公報
ところが、上記特許文献1及び2では、発泡剤として水を添加するものであるため、吸水により剛性が低下し易い樹脂や、加水分解して強度が低下し易い樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等)には使用できない。そのため、選択される熱可塑性樹脂が限定されるものであった。一方、特許文献3で示す発泡樹脂の射出成形を行う場合、射出ゲートから離れた低圧部では発泡セル(気泡)の径が過剰に大きくなり、不均一な発泡構造を有する発泡樹脂となる。そのため、発泡樹脂成形体の強度及び剛性が低下する可能性があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、使用可能な熱可塑性樹脂の種類を拡げるとともに、強度及び剛性を向上させることができる発泡樹脂の成形方法及び発泡樹脂成形体を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の発泡樹脂の成形方法は、熱可塑性樹脂に層状有機化変性粘土を配合してなる複合樹脂を加熱溶融して得られる発泡樹脂の成形方法において、前記加熱溶融の際に前記層状有機化変性粘土から発生した分解ガスを用いて発泡処理を施すことを要旨とする。
請求項2に記載の発明の発泡樹脂の成形方法は、請求項1に記載の発明において、前記分解ガスの発生温度は、前記熱可塑性樹脂の融点より低いことを要旨とする。
請求項3に記載の発明の発泡樹脂の成形方法は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記層状有機化変性粘土は、4級アンモニウム塩により変性されたベントナイトであることを要旨とする。
請求項4に記載の発明の発泡樹脂成形体は、前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡樹脂の成形方法により成形されていることを要旨とする。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、加熱溶融時に層状有機化変性粘土から発生する分解ガスが該層状有機化変性粘土の層間に留まり、保持される。そして、分解ガスを保持する層状有機化変性粘土が熱可塑性樹脂中に配合されたとき、該熱可塑性樹脂の発泡処理が施され、発泡樹脂が得られる。即ち、本請求項1に記載の発明は、層状有機化変性粘土の自己発泡により発泡処理が施されるものである。この発泡樹脂中には前記分解ガスにより微細な気泡が均一に形成されるため、発泡樹脂の発泡構造に起因する発泡樹脂成形体の強度及び剛性の低下が効果的に抑制される。
請求項2に記載の発明によれば、分解ガスを発生した状態にある層状有機化変性粘土が、可塑化しつつある熱可塑性樹脂に均一に分散されるため、発泡樹脂中に存在する気泡がさらに均一なものとされる。
請求項3に記載の発明によれば、加熱溶融時において、層状有機化変性粘土の層間に存在する4級アンモニウムが容易に熱分解し、これに伴って窒素ガスが発生する。
請求項4に記載の発明によれば、微細で均一な気泡を有する発泡樹脂から発泡樹脂成形体が成形されるため、該発泡樹脂成形体の軽量化及び強度の向上が図られる。
本発明によれば、使用可能な熱可塑性樹脂の種類を拡げるとともに、強度及び剛性を向上させることができる。
以下、本発明の最良の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態における発泡樹脂成形体は、熱可塑性樹脂に層状有機化変性粘土を配合してなる複合樹脂を原料として得られるものである。この発泡樹脂成形体の成形方法としては、例えば押出発泡成形や射出発泡成形等の通常一般の成形方法を用いることができる。該発泡樹脂成形体は、インテークマニホールド、エンジンヘッドカバー、タイミングベルトカバー、スポイラー、ガーニッシュ、センターピラー等の主に強度及び剛性が要求される自動車部品や生活用雑貨等に使用される。
熱可塑性樹脂は、前記複合樹脂のベース樹脂として使用されるものであり、成形加工が可能な合成樹脂を示す。この熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。これらは単独で含有されていてもよく、2種以上を組合せて含有されてもよい。本実施形態では、後述する分解ガスの発生温度よりも高い融点を有する熱可塑性樹脂が適宜選択される。具体的にはポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂等である。
ここで、ポリアミド系樹脂としては、ポリカプロラクタム(登録商標名:ナイロン6、融点:220℃)やポリヘキサメチレンアジポアミド(登録商標名:ナイロン66、融点:250℃)等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂としては、ポリカーボネート(融点:230℃)、ポリブチレンテレフタレート(融点:225℃)、ポリエチレンテレフタレート(融点:254℃)等が挙げられる。
また、この熱可塑性合成樹脂に造核剤を配合してもよい。造核剤は発泡樹脂中の気泡の径を調整するために使用される。この造核剤としては、公知の押出発泡成形に使用される造核剤、例えばタルク粉、炭酸カルシウム粉等が挙げられる。これらは単独で使用されてもよく、2種以上を組合せて使用されてもよい。造核剤の配合量は、熱可塑性合成樹脂100重量部に対して0.05〜5重量部が好ましく、0.1〜2.5重量部が特に好ましい。造核剤の配合量が0.05重量部未満の場合には、造核剤の作用効果が十分に発揮されずに気泡の径が過剰に大きくなり、発泡樹脂成形体の強度が低下する可能性が高い。一方、造核剤の配合量が5重量部を超える場合には、気泡の径が過剰に微小なものとなり、発泡樹脂成形体の剛性が低下する可能性が高い。さらに、熱可塑性樹脂には、必要に応じて酸化防止剤、相溶化剤、防曇剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料等の各種添加剤やガラス繊維、炭素繊維等の強化繊維を適宜添加してもよい。熱可塑性樹脂に強化繊維を添加した場合には、得られる発泡樹脂成形体の強度の向上が図られる。また、熱可塑性樹脂にリサイクル樹脂等を配合してもよい。
層状有機化変性粘土は、可塑化しつつある熱可塑性樹脂に発泡処理を施すための発泡剤として使用される。層状有機化変性粘土の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して1.0〜50重量部が好ましく、5.0〜20重量部が特に好ましい。層状有機化変性粘土の配合量が1.0重量部未満の場合には、発泡効果が低下し、気泡が微量な発泡樹脂となる可能性が高い。一方、層状有機化変性粘土の配合量が50重量部を超える場合には、熱可塑性樹脂への層状有機化変性粘土の分散性が低下するため、発泡樹脂中に気泡むらが発生する可能性が高い。加えて、熱可塑性樹脂の溶融粘度が高くなり、これに伴って発泡樹脂の押出しも困難になる可能性がある。
本実施形態における層状有機化変性粘土は、ベントナイトの層間に4級アンモニウムが介在してなるものである。このベントナイトは、主成分がモンモリロナイトであり、石英、α−クリストバライト、オパール、長石、雲母等の随伴鉱物を含んだ塩基性粘土鉱物である。化学成分から言えば、該ベントナイトは酸化珪素が主成分であり、次いで多い化学成分は酸化アルミニウムである。このベントナイトの具体例としては、天然ベントナイト、精製ベントナイト等が挙げられる。ここで、モンモリロナイトとは、約1nmの薄い珪酸塩層(層状珪酸塩)からなる粘土鉱物である。モンモリロナイトの板状結晶粒子の層表面はマイナスに帯電するとともに、その層間にナトリウムやカルシウムのような交換性陽イオンを介在することにより、同モンモリロナイトは電荷的に中性を保っている。本実施形態では、モンモリロナイトの層間に予め存在する交換性陽イオンと4級アンモニウム塩とがイオン交換されることにより4級アンモニウムが層間に介在する、いわゆる4級アンモニウム塩により変性された有機ベントナイトが選択される。
ここで、前記4級アンモニウム塩としては、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジ硬化牛脂ジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩等が挙げられる。
この有機ベントナイトの層間に介在する4級アンモニウムは、前記熱可塑性樹脂の融点よりも低い温度(210〜245℃)で熱分解し、これに伴って分解ガス(窒素ガス)が発生する。そして、この分解ガスにより、可塑化しつつある熱可塑性樹脂中に気泡が形成される。
また、発泡樹脂成形体の発泡状況をさらに改善するために、上記複合樹脂に公知の発泡剤を添加してもよい。この発泡剤としては、一般に押出発泡成形に使用される蒸発型発泡剤が用いられる。即ち、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム等の無機ガス、炭素数3〜6の飽和炭化水素、塩化メチル、塩化エチル等のハロゲン化炭化水素、1−ジフルオロ−1−クロロエタン(HCFC142b)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC236ea)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)等のフロン類、アセトン、ジメチルケトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。これらの発泡剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
さて、図1に示すように、押出機11を用いて、上記複合樹脂を原料とする押出発泡成形を行う場合、ホッパー12に充填された複合樹脂は、シリンダ13の外周に設けられたヒータ14の熱により加熱溶融される。そして、同複合樹脂はスクリュ15により混錬されることにより、回転攪拌されつつ可塑化移送される。その際、まずスクリュ混錬時に作用する剪断力により、有機ベントナイト21を構成する層22が剥離し、複数層に分離する(図2参照)。加えて、ヒータ14の熱により、層間に介在する4級アンモニウムが熱分解を起こし、これに伴って分解ガス23が発生する。この分解ガス23は各層間から抜け出ることなく、有機ベントナイト21中に留まる。次いで、加熱温度のさらなる上昇に伴って熱可塑性樹脂が可塑化し始め、この状態において該熱可塑性樹脂中に有機ベントナイトが分散し、前記分解ガスによって熱可塑性樹脂に発泡処理が施される。その結果、複合樹脂がシリンダ13内を可塑化移送される過程で発泡樹脂が形成される。
続いてこの発泡樹脂は、シリンダ13の先端に取着されたダイス16から押出され、成形用金型(図示略)のキャビティ内に充填される(図1参照)。そして、該成形用金型内で所要時間加熱及び加圧を行う。その後、成形用金型を離型することにより所定形状の発泡樹脂成形体が得られる。
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 本実施形態では、押出発泡成形の際の加熱溶融時において、4級アンモニウムの熱分解に際して発生する分解ガスにより熱可塑性樹脂中に気泡が形成されて発泡処理が施される。この分解ガスは、ベントナイトの層間に終始留まり、消失することがほとんどない。そのため、この分解ガスに起因する微細な気泡が均一且つ豊富に存在する発泡樹脂が得られる。従って、本実施形態の成形方法によれば、発泡構造が改善され、強度及び剛性に優れた発泡樹脂成形体を得ることができる。加えて、発泡倍率の向上も図られており、発泡樹脂成形体の軽量化も実現することができる。また、発泡処理の際に超臨界状ガスを発生させる装置等を必要とする上記従来技術に比べて、本実施形態の発泡処理は有機ベントナイトの自己発泡により行われるものである。従って、発泡処理の簡素化を好適に図ることができる。
・ 本実施形態では、分解ガスの発生温度が熱可塑性樹脂の融点よりも低いものとなっている。即ち、押出発泡成形の際に熱可塑性樹脂が可塑化し始めるときには、既にベントナイトの層間に分解ガスが存在している。そして、熱可塑性樹脂の可塑化に伴い、分解ガスが該熱可塑性樹脂中に均一に分散されて発泡処理が行われる。そのため、発泡樹脂中に存在する気泡がさらに均一なものとされ、その結果、均一な発泡構造を有する発泡樹脂を容易に得ることができる。
・ 本実施形態の発泡処理においては水を用いないため、選択される熱可塑性樹脂の汎用性を向上することができる。即ち、環境への配慮を鑑みて発泡剤として水を使用する上記従来技術では使用できなかった熱可塑性樹脂が本実施形態では使用可能となる。また、本実施形態では、ベントナイトの層間に分解ガスが留まったまま発泡処理がなされて所望の発泡樹脂が得られる。ここで、発泡処理後においても、分解ガスがベントナイトの層間に保持され得るため、該分解ガスが外部に放出されて有害化されることがない。従って、本実施形形態では、水を発泡剤として用いた場合と同様に、無害な発泡処理を行うことができるとともに、環境に十分に配慮した発泡樹脂成形体を得ることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜3、比較例1〜2)
下記の各例で得られた複合樹脂を原料として以下に示す成形条件で発泡樹脂成形体を成形し、各例の物性評価を行った。これらの測定結果を表1に示す。なお、表中の気泡の大きさを示す単位はμm、比重を示す単位はkg/cm3、引張り強度を示す単位はMPaである。
(実施例1〜3)
80℃で4時間乾燥させた熱可塑性樹脂としてのポリアミド系樹脂450gと各種層状有機化変性粘土(ベントナイトA、B、C)50gとをドライブレンドして複合樹脂を調製した。
(比較例1)
有機ベントナイトを配合せず、80℃で4時間乾燥させたポリアミド系樹脂500gのみを原料とした。
(比較例2)
80℃で4時間乾燥させたポリアミド系樹脂450gに含水ベントナイト(ベントナイトD)50gを配合して複合樹脂を調製した。
<成形条件>
2軸押出機:栗本鐵工所(株)製、シリンダー温度:220℃、スクリュー回転数:96min-1
<発泡樹脂成形体の物性評価>
(1)発泡状況:発泡樹脂成形体の縦断面を走査型電子顕微鏡(島津製作所(株)製、倍率:2000倍)にて観測し、気泡の存在状況について、非常に多い(◎)、多い(○)、少ない(△)、なし(×)の4段階で評価した。
(2)気泡の大きさ:発泡樹脂成形体の縦断面を走査型電子顕微鏡(島津製作所(株)製、倍率:2000倍)にて観測し、存在する気泡の径の平均値を算出した。
(3)比重:発泡樹脂成形体を10×10×10cmに切断し、この重量を測定した。
(4)引張り強度:発泡樹脂成形体の中央部に引張り圧縮試験機(TG−20;ミネペア(株)製)を用いて荷重を加え、同発泡樹脂成形体が破壊した際の最大引張り強度を測定した。
Figure 2005272748
PA6:ポリカプロラクタム、東レ(株)製、CM1017、融点:225℃
有機ベントナイトA:豊順鉱業(株)製、エスベンNZ、分解温度:210℃
有機ベントナイトB:豊順鉱業(株)製、エスベンNX、分解温度:240℃
有機ベントナイトC:豊順鉱業(株)製、エスベンE、分解温度:245℃
ベントナイトD:豊順鉱業(株)製、ベンゲル
なお、有機ベントナイトA〜Cにおける分解温度とは、分解ガスが発生する温度を意味する。
表1に示すように、実施例1〜3では、微細で均一な気泡構造を有する発泡樹脂が得られ、これに伴って発泡樹脂成形体の強度及び剛性の向上が確認された。これらの中でも実施例1は、他の実施例に比べて多量の気泡が確認され、その結果、発泡樹脂成形体の軽量化が図られていた。これは、実施例1では分解ガスの発生温度がPA6の融点よりも低いため、PA6への気泡の分散性が向上して発泡状況が改善されたものと推察される。
一方、比較例1では、層状有機化変性粘土を使用していないため、発泡処理がほとんどなされておらず、成形体の軽量化が確認できなかった。また、比較例2では、発泡処理に水を用いているため、PA6が加水分解を起こし、これに伴って発泡樹脂中の気泡の大きさが極度に大きく、また不均一な気泡構造となったため、発泡樹脂成形体の強度及び剛性が著しく低下したものと推察される。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ ベントナイトを有機化変性する化合物は、同ベントナイトの交換性陽イオンとイオン交換可能な有機カチオンであればよく、4級アンモニウム塩に限定されない。この種の化合物としては、例えば4級ホスホニウム塩等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
・ 4級アンモニウム塩と同様に窒素ガスを発生可能とする化合物を層間に有する層状有機化変性粘土を用いてもよい。この化合物としては、ベンゼンスルホヒドラジン系、アゾニトリル化合物系、アゾカルボン酸系、ジアゾアセトアミド系、ニトロソ化合物系等が挙げられる。この場合、これらの化合物の熱分解による分解ガスの発生温度よりも高い融点を有する熱可塑性樹脂が適宜選択される。
・ ベントナイトの代わりに、ヘクトライト、カオリナイト、ハロイサイト等の他の粘土を使用してもよい。これらの粘土は、ベントナイトと同様、層間に交換性陽イオンを有しているものである。
・ 射出発泡成形法により発泡樹脂成形体を成形してもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記熱可塑性樹脂の融点は210℃以上であることを特徴とする請求項3に記載の発泡樹脂の成形方法。この場合、優れた気泡構造を有する発泡樹脂を得ることができる。
・ 熱可塑性樹脂と、該熱可塑性樹脂に配合された発泡剤とから形成され、前記発泡剤として層状有機化変性粘土を使用したことを特徴とする発泡樹脂。
本実施形態の押出機を示す側断面図。 本実施形態の有機ベントナイトを示す概略図。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂に層状有機化変性粘土を配合してなる複合樹脂を加熱溶融して得られる発泡樹脂の成形方法において、
    前記加熱溶融の際に前記層状有機化変性粘土から発生した分解ガスを用いて発泡処理を施すことを特徴とする発泡樹脂の成形方法。
  2. 前記分解ガスの発生温度は、前記熱可塑性樹脂の融点より低いことを特徴とする請求項1に記載の発泡樹脂の成形方法。
  3. 前記層状有機化変性粘土は、4級アンモニウム塩により変性されたベントナイトであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡樹脂の成形方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡樹脂の成形方法により成形されていることを特徴とする発泡樹脂成形体。
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