JP2005271385A - 液体噴射装置及び液体噴射装置の負圧発生方法 - Google Patents

液体噴射装置及び液体噴射装置の負圧発生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体貯蔵部と液体吐出部との姿勢変化等の相対位置の変化があっても装置全体を大型化することなく、液体吐出部における静背圧等の背圧を所定の範囲内に維持できる液体噴射装置等提供すること。
【解決手段】液体を貯蔵する液体貯蔵部2と、液体をターゲットに対して吐出する液体吐出部55A等と、液体貯蔵部と液体吐出部との間に設けられ、液体吐出部の負圧を発生させるための負圧発生手段700と、を有し、負圧発生手段は、負圧発生手段の液体貯蔵部側の液体圧力である貯蔵部側圧力Puと、負圧調整手段の液体吐出部側の液体圧力である吐出部側圧力Plとの間の差圧Prを調整するための可動調整弁720と、差圧を調整するため可動調整弁を変位させる弁変位手段300とを有する液体噴射装置10。
【選択図】図5

Description

本発明は、液体をターゲットに対して吐出する液体噴射装置及び液体噴射装置の負圧発生方法に関するものである。
従来より、液体噴射装置である例えば、インクジェット式記録装置には、インクジェット式記録ヘッドが備えられている。このインクジェット式記録ヘッドには、記録用紙等にインクを吐出するためのノズルが多数設けられている。
このノズルがインクを正常に吐出するには、ノズル内を所定の静背圧等の背圧(負圧)状態にし、各ノズルにメニスカスと呼ばれるインクの配置状態を現出させる必要がある。
ところで、インクジェット式記録装置には、オフキャリッジタイプと称されるものがある。オフキャリッジタイプは、インクを収容するインクカートリッジが前記インクジェット式記録ヘッド上に載置されておらず、別の場所に配置され、インクはチューブ等でインクジェット記録ヘッドに供給される構成となっている。
このため、印字等に際し、インクジェット式記録ヘッドの高さを変更した場合は、インクジェット式記録ヘッドのうち、ノズルが形成されているノズルプレート面とインクカートリッジとの相対位置が変化してしまうことになる。
このような相対位置の変化は、前記ノズル内のインクの静背圧の変動をもたらし、吐出性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
このような問題を解決するために、インクジェット式記録ヘッドの上下動に同期してインクカートリッジを上下に動かし、これによって、両者の相対位置を一定にする提案が行われている(例えば、特許文献1)。
特開平11−277768号公報(図1等)
しかし、特許文献1に記載されている提案では、インクジェット式記録ヘッドと別にインクカートリッジの動作機構を設ける必要があり、インクジェット記録装置全体が大型化するという問題があった。
また、インクジェット式記録ヘッドが傾く等して姿勢が変化した場合は、インクカートリッジの動作はそれに追従できず、追従するためには、別の新たな動作機構を設置する必要があり、更に、インクジェット式記録装置が大型化するという問題があった。
そこで、本発明は、前記液体貯蔵部と前記液体吐出部との姿勢変化等の相対位置の変化があっても装置全体を大型化することなく、前記液体吐出部における静背圧等の背圧を所定の範囲内に維持することのできる液体噴射装置及び液体噴射装置の負圧発生方法を提供することを目的とする。
前記課題は、本発明によれば、液体を貯蔵する液体貯蔵部と、前記液体をターゲットに対して吐出する液体吐出部と、前記液体貯蔵部と前記液体吐出部との間に設けられ、前記液体吐出部の負圧を発生させるための負圧発生手段と、を有し、前記負圧発生手段は、前記負圧発生手段の前記液体貯蔵部側の液体圧力である貯蔵部側圧力と、前記負圧調整手段の前記液体吐出部側の液体圧力である吐出部側圧力との間の差圧を調整するための可動調整弁と、前記差圧を調整するため前記可動調整弁を変位させる弁変位手段と、を有することを特徴とする液体噴射装置により達成される。
第1の発明の構成によれば、前記負圧発生手段は、液体を貯蔵する液体貯蔵部と前記液体をターゲットに対して吐出する液体吐出部との間に設けられ、前記負圧発生手段の前記液体貯蔵部側の液体圧力である貯蔵部側圧力と、前記負圧発生手段の前記液体吐出部側の液体圧力である吐出部側圧力との間の差圧を調整するための可動調整弁を有している。
また、前記差圧を調整するため前記可動調整弁を変位させる弁変位手段を有している。
このため、例えば前記液体貯蔵部と前記液体吐出部との相対位置の変化や前記液体貯蔵部内の前記液体量の減少等により、前記貯蔵部側圧力が変動しても、前記可動調整弁を変位させることで前記差圧を調整し、前記液体吐出部における静水頭(静背圧)等の背圧を所定の範囲に維持することができる。
すなわち、本発明の構成では、前記液体吐出部の高さ等が変化し、前記液体貯蔵部との間の高さ等が変化しても、前記負圧発生装置が差圧を調整すれば静背圧を所定の範囲内に維持することができる。このため、従来のように、前記液体貯蔵部の高さ等も同期して変化させる必要がないので、液体噴射装置全体が大型化することがない。
また、前記液体吐出部が傾く等して姿勢が変化し、前記液体貯蔵部との間の高さ等が変化した場合でも、同様に、前記負圧発生装置の前記差圧を変更することで、前記液体吐出部の静背圧を所定の範囲内に維持させることができる。このため、液体噴射装置を大型化することなく、姿勢変化に伴う圧力変化を吸収し、静背圧を所定の範囲内に維持させることができる。
好ましくは、第2の発明によれば、第1の発明の構成において、前記液体貯蔵部と前記液体吐出部の位置の変化である変化情報を取得する位置変化取得手段と、前記変化情報に基づき姿勢情報を生成するための姿勢情報生成情報を格納する姿勢情報生成情報格納手段と、前記液体貯蔵部の前記液体の貯蔵変化量情報を検出する貯蔵変化量検出手段と、前記負圧発生手段の前記差圧の差圧情報を生成する差圧情報生成情報を格納する差圧情報生成情報格納手段と、を有し、前記差圧情報は、少なくとも前記姿勢情報及び/又は前記液体の貯蔵変化量情報に基づいて定められることを特徴とする液体噴射装置である。
第2の発明の構成によれば、液体噴射装置は、前記液体収容手段と前記液体吐出部の位置の変化である変化情報を取得する位置変化取得手段を有しているので、液体噴射装置は、自己の位置変化を認識することができる。
また、液体噴射装置は、前記変化情報に基づき姿勢情報を生成するための姿勢情報生成情報を格納する姿勢情報生成情報格納手段を有しているので、液体噴射装置は、前記姿勢情報生成情報に基づいて、例えば、自己が重力方向に対して、どのような姿勢であるかの前記姿勢情報を取得することができる。
すなわち、液体噴射装置は、前記液体貯蔵部と前記液体吐出部の位置の変化情報を前記姿勢情報として取得することができる。例えば、重力に対して傾き等が小さいという前記姿勢情報を取得することができる。
また、液体噴射装置は、前記液体貯蔵部の前記液体の貯蔵変化量情報を検出する貯蔵変化量検出手段を有しているので、例えば、前記液体の残量等が少ないという情報を取得することができる。
また、液体噴射装置は、前記負圧発生手段の前記差圧の差圧情報を生成する差圧情報生成情報を格納する差圧情報生成情報格納手段を有する。
このため、前記負圧発生手段は、前記差圧情報にしたがって前記貯蔵部側圧力と前記吐出部側圧力との圧力差を調整することができる。
そして、前記差圧情報は、少なくとも前記姿勢情報及び/又は前記液体の貯蔵変化量情報に基づいて定められる。
すなわち、前記液体吐出部における静背圧等の背圧の変動要因としては、前記姿勢情報と前記液体の貯蔵変化量情報であるから、前記負圧発生手段が、これらに基づいて前記差圧情報を生成することで、前記負圧発生手段は、より精度良く前記静背圧等の背圧を所定の範囲内に維持させることができる。
好ましくは、第3の発明によれば、第1又は第2の構成において、前記姿勢情報は、重力方向に対する変化情報であることを特徴とする液体噴射装置である。
第3の発明の構成によれば、前記姿勢情報は、重力方向に対する変化情報であるので、液体噴射装置は、前記静背圧等の背圧に関し最も影響を与える重力方向との関係で前記姿勢情報を取得できる。このため、前記負圧発生手段はより精度良く前記静背圧等の背圧を所定の範囲内に維持させることができる。
好ましくは、第4の発明によれば、第1乃至第3の発明のいずれかの構成において、前記位置変化検出手段が、加速度センサであり、前記姿勢情報が、前記加速度センサの検知方向に対応して規定された規定軸線方向と重力方向とがなす角度範囲情報を含むことを特徴とする液体噴射装置である。
第4の発明の構成によれば、前記姿勢情報が、前記加速度センサの検知方向に対応して規定された規定軸線方向と重力方向とがなす角度範囲情報を含むので、前記姿勢情報を簡易且つ正確に取得することができる。
好ましくは、第5の発明によれば、第1乃至第4の発明のいずれかの構成において、前記差圧情報生成情報には、前記液体吐出部を有する液体噴射ヘッドのクリーニング用差圧情報を生成するクリーニング差圧情報生成情報を含むことを特徴とする液体噴射装置である。
第5の発明の構成によれば、前記差圧情報生成情報には、前記液体吐出部を有する液体噴射ヘッドのクリーニング用差圧情報を生成するクリーニング差圧情報生成情報を含む。
このため、前記負圧発生装置が前記クリーニング用差圧情報に基づき前記液体吐出部における負圧を制御することで、クリーニング動作を行うことができる。
例えば、前記負圧発生装置が、前記液体吐出部における負圧を最大とし、その後、負圧を解除することで、いわゆるチョーククリーニングを行うことができる。このチョーククリーニングは、例えば、内部に滞留等している気泡等を前記液体吐出部から排出するために、前記液体を前記液体吐出部から勢い良く吐出させるクリーニングである。
このようなチョーククリーニングは、従来、チョーク用バルブの開閉等により、行っていたが、本発明の構成によれば、液体噴射装置にチョーク用バルブを設けることなくチョーククリーニングが行えるので、コストを低減させることができる。
前記課題は、第6の発明によれば、位置変化取得手段が、液体を貯蔵する液体貯蔵部と前記液体をターゲットに対して吐出する液体吐出部の位置の変化である変化情報を取得する位置変化取得工程と、制御部が、姿勢情報生成情報格納手段内の姿勢情報生成情報と前記変化情報に基づき姿勢情報を生成する姿勢情報生成工程と、貯蔵変化量検出手段が、前記液体貯蔵部の前記液体の貯蔵変化量情報を検出する貯蔵変化量検出工程と、前記制御部が、差圧情報生成情報格納手段内の差圧情報生成情報に基づき差圧情報を生成する差圧情報生成工程と、を有し、前記液体貯蔵部と前記液体吐出部との間に設けられ、前記液体吐出部の負圧を発生させるための負圧発生手段の前記弁変位手段が、前記可動調整弁を変位させることで、前記負圧発生手段の前記液体貯蔵部側の液体圧力である貯蔵部側圧力と、前記負圧発生手段の前記液体吐出部側の液体圧力である吐出部側圧力との間の差圧を調整する差圧調整工程と、を有し、前記差圧調整工程では、前記差圧情報に基づき前記差圧の値を変化させると共に、前記差圧情報が、少なくとも前記姿勢情報及び/又は前記液体の貯蔵変化量情報に基づいて生成されることを特徴とする液体噴射装置の負圧発生方法により達成される。
第6の発明の構成によれば、第1の発明の構成と同様に、前記液体吐出部の高さ等が変化し、前記液体貯蔵部との間の高さ等が変化しても、前記負圧発生装置が差圧を調整すれば静背圧を所定の範囲内に維持することができる。このため、従来のように、前記液体貯蔵部の高さ等も同期して変化させる必要がないので、液体噴射装置全体が大型化することがない。
また、前記液体吐出部が傾く等して姿勢が変化し、前記液体貯蔵部との間の高さ等が変化した場合でも、同様に、前記負圧発生装置の前記差圧を変更することで、前記液体吐出部の静背圧を所定の範囲内に維持させることができる。このため、液体噴射装置を大型化することなく、姿勢変化に伴う圧力変化を吸収し、静背圧を所定の範囲内に維持させることができる。
以下、この発明の好適な実施の形態を添付図面等を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は本発明の液体噴射装置の実施の形態にかかるインクジェット式記録装置(以下「記録装置」という)10を示す概略斜視図である。
(記録装置10の全体構成の概略について)
図1に示すように、記録装置10は、本体部11を有している。この本体部11は、例えば搭載台Bの上に置かれている。本体部11は、図1に示すように箱形となっており、本体部11の図において底面側である本体部底面11Aを搭載台Bに当接するように配置することもできるが、図1の本体部11の背面側である本体部背面11Bを搭載台Bに当接するように配置することができるようになっている。
また、記録装置10は、液体である例えば、インクを貯蔵する液体貯蔵部である例えば、インクカートリッジ2乃至5を有し、インクをターゲットである例えば、用紙29に吐出するためのインクジェット式記録ヘッド30(以下「記録ヘッド30」という)も有している。これらインクカートリッジ2等及び記録ヘッド30は、キャリッジ14に搭載されている。
キャリッジ14は、ヘッド走査軸17に沿って移動可能な構成となっている。また、用紙29を支持するためのプラテン12も配置されている。
また、記録装置10は、本体部11はキャリッジ14に搭載されているインクカートリッジ2等と記録ヘッド30の位置の変化を検出する加速度センサ8を有している。この加速度センサ8は、インクカートリッジ2等と記録ヘッド30の液体吐出部(例えば、後述するノズル開口55A等)の位置変化である変化情報を取得する位置変化取得手段の一例である。
すなわち、図1の本体部11が利用者によって保持等され、本体部11を傾けると、その傾き等の位置変化を検知する構成となっている。
また、記録装置10には、図1に示すように、加速度センサ8と共に又は加速度センサ8に代わり、位置スイッチ18が設けられていてもよい。この位置スイッチ18は本体部11の接地面、図1では、本体部底面11A、本体部背面11B、本体部右側面11C、及び本体部左側面11Dに配置される。そして、当該面が搭載台Bに配置されるとスイッチがオンされ、記録装置10の姿勢が判明する構成となっている。
図2は、図1の本体部11内の吸引装置20等を示す概略図である。図2に示すように、吸引装置20にはポンプ19が接続されている。
キャリッジ14に搭載された記録ヘッド30は、図1に示すように、記録装置10の印字領域で用紙29へ印字等を行うと、その後、非印字領域であるホームポジション18へ移動する。
このとき、図2のインク吸引装置20が記録ヘッド30へ当接し、後述するノズル開口55A等を覆い、且つポンプ19を駆動させることで記録ヘッド30のクリーニング行える構成となっている。
なお、図2に示すように、ポンプ19には、廃液タンク100が設置され、記録ヘッド30から吸引されたインクは、廃液タンク100内に収容される構成となっている。
(記録ヘッド30とインクカートリッジ2等との関係について)
図3は、図1に示す記録ヘッド30とインクカートリッジ2乃至5の主な配置状態を示す概略断面図である。
記録装置10は、特にカラープリンタとして用いられる場合には、図3のインクカートリッジ2乃至5にそれぞれ異なる色のインクを収容する。そして、各々のインクカートリッジ2乃至5と接続するためのインク経路50が記録ヘッド30に形成されている。
フィルタ室340を介してインク経路50によって記録ヘッド30内に導かれたインクは、ノズルプレート62まで導かれる。
図4は、記録ヘッド30の主な内部構成を示す概略図である。図4に示すように記録ヘッド30のインク経路50により導かれたインクは、圧力室51内に収容される。
そして、圧力室51の図4において上部に配置された圧電振動子39に電圧が印加され圧電振動子39が伸縮し、圧力室51に圧力が加わると、圧力室51内のインクはノズルプレート62に形成された液体吐出部であるノズル開口55A等から吐出される構成となっている。
ところで、ノズル開口55A等から円滑にインク滴を吐出するには、以下の条件が必要となる。
すなわち、圧電振動子39による圧力が加わわらない状態では、ノズル開口55A等内に配置されているインクには、負圧が生じ内側(図5の圧力振動子39側)に引かれるように、メニスカスが生じていることが求められる。
しかし、図5に示すように記録ヘッド30の上部にインクカートリッジ2等が配置され、インクカートリッジ2内のインクの圧力が、そのまま記録ヘッド30のインク経路50を介して図5の圧力室51内のインクに働くこととすると、ノズル開口55A等内のインクには負圧が働き難く、場合によっては正圧となって、インクの吐出不良等を招くことになる。
このノズル開口55A等における負圧を静背圧等の背圧ともいい、この負圧を適度に発生させる構成が必要となっている。
(負圧発生装置700等について)
図5は、本実施の形態における負圧発生手段の一例である負圧発生装置700等を示す概略図である。
図5に示すように負圧発生装置700は、インクカートリッジ2等とノズル開口55A等との間に設けられ、ノズル開口55A等に負圧を発生させ、ノズル開口55A等内のインクにメニスカスを生じさせる構成となっている。
以下、図5を示しながら具体的に、説明する。インクカートリッジ2は、その他のインクカートリッジ3,4,5と同様に大気開放口2Hを有している。インクカートリッジ2の中にはインクパック2Pが収容されている。このインクパック2Pは変形可能な柔軟性のある容器であり、インクパック2Pの中にはインク1000が収容されている。
インクカートリッジ3乃至5のいずれにおいても好ましくはインクパック2Pが収容されており、各インクパック2Pの中には例えば異なる種類のインク1000が収容されている。
負圧発生装置700は、インクカートリッジ2乃至5と記録ヘッド30の対応するインク経路50との間の液体供給路の役割をも果たしている。
負圧発生装置700は、概略的には上流室701、下流室703、力伝達部材704、ガイド部材705、ストッパ706、バネ707を有している。ここで、このような負圧発生装置700の各要素について説明する。
上流室701と下流室703は、1つの通路部710を構成している。上流室の端部711は、インクカートリッジ2(3乃至5)の出口部712に対して着脱可能に接続するようになっている。
上流室701を形成している壁部713には、孔が形成されている。この孔にはガイド部材705が固定されている。このガイド部材705の中には圧力制御部材720が挿入されている。
圧力制御部材720は、挿入方向Vに関してガイド部材705を介して、往復移動可能となっている。このガイド部材705は圧力制御部材720の外周面721をシールするためのシール部材としての役割を果たす。
これによって、圧力制御部材720が壁部713において挿入方向Vに関して往復移動しても、上流室701内のインクが壁部713とガイド部材705を通じて外部にもれることがない。
下流室703は、通路部710を構成している一部であるが、下流室703の供給口723は、記録ヘッド30のインク経路50に着脱可能に接続できるようになっている。
上流室701と下流室703の間には、弾性部材800が配置されている。この弾性部材800の面方向は、上流室701の壁部713と平行である。
図6(a)(b)は、圧力制御部材720と弾性部材800の形状例を示している。
まず、圧力制御部材720の形状について説明する。圧力制御部材720は、略円柱状の部材であるが、圧力制御部材720は外周面721と先細りになったテーパ状の外周部730を有している。このテーパ状の外周部730は、挿入方向Vにしたがって先細りに形成されている部分である。テーパ状の外周部730と外周面721の断面形状、すなわち挿入方向Vに垂直な方向の断面形状は好ましくは円形状である。圧力制御部材720は金属やプラスチックにより作ることができる。
弾性部材800は図6(a)(b)に示すように、好ましくは円形状の開口部801を有している。この開口部801を形成している内縁部803は、圧力制御部材720のテーパ状の外周部730と摺接するようになっている。
つまり、圧力制御部材720が挿入方向Vに沿って開口部801に対する挿入量を変化することにより、弾性部材800の内縁部803とテーパ状の外周部730が摺接することで、この摺接する圧力状態を変化させることができるようになっている。
例えば、圧力制御部材720が挿入方向Vに沿って挿入量を増やせば、外周部730と内縁部803の摺接部分の圧力は徐々に上向していく。この圧力が増してゆくと、インクは上流室701から下流室703へ開口部801を通じて流れる量が減少してゆく。
弾性部材800は、ゴムやエラストマー等により形成することができる。この弾性部材800は、シート状の部材であっても良いしドーム状の部材であっても勿論構わない。
図5に戻ると、負圧発生装置700のバネ707は、力伝達部材704と壁部713の間に設けられている。ストッパ706は外周面721に設けられている。
バネ707は、挿入方向Vと反対方向に沿って圧力制御部材720の位置を復帰させるための付勢部材である。ストッパ706がガイド部材705の内側に当たることにより、バネ707は圧力制御部材720を初期位置に位置決めさせる。
次に、図5に示す変位発生部300について、図7を参照しながら説明する。
図7は、変位発生部300の構造例を示している。変位発生部300は、モータ301、クラッチ302、送りねじ303、ナット304および押圧部材305を有している。送りねじ303は、サポート306により回転可能に例えば記録ヘッド30側に保持されている。ナット304は送りねじ303の回転によりE方向に移動可能である。このE方向は、挿入方向Vと同じ方向である。ナット304は押圧部材305を保持している。
クラッチ302は、モータ301の出力軸と送りねじ303を着脱可能に連結することができる。モータ301は例えば電動モータである。
モータ301が作動することにより、押圧部材305は力伝達部材704を介してバネ707の力に抗して圧力制御部材720を挿入方向Vに沿って挿入することができる。モータ301が逆転することにより、圧力制御部材720はバネ707の復元力により挿入方向Vと反対方向に戻すことができる。
以上のように図5に示す負圧発生装置700は、変位発生部300により圧力制御部材720を図4の矢印V方向に進退させることで、上流室701と下流室703とのインクの圧力差(差圧)を調整することができる構成となっている。
すなわち、図5で矢印Puで示すのが、貯蔵部側圧力の一例である上流室701の上流室圧力(Pu)である。また、図5の矢印Plで示すのが、吐出部側圧力の一例である下流圧(Pl)である。
そして、負圧発生装置700は、可動調整弁を構成する例えば、圧力制御部材720と弾性部材800等を有し、この可動調整弁により上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)との間の差圧を調整する構成となっている。
また、負圧発生装置700は、弁変位手段である例えば、変位発生部300、力伝達部材704、制御装置7等を有し、この変位発生部300によって図5の上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)との差圧を調整するために、圧力制御部材720を変位させる構成となっている。
(記録装置10の主な電気的な接続例について)
図8は、図1に示す記録装置10の電気的な接続例等を示す概略ブロック図である。
記録装置10は制御装置7を有しており、制御装置7は、ローカルプリンタケーブルまたは通信ネットワークを介してホストコンピュータ40のプリンタドライバ41に接続されている。
プリンタドライバ41は、記録装置10の各構成要素に対して印刷やクリーニング動作あるいはインク吸引動作を実行させるためのコマンドを送るソフトウェアを搭載している。
このためホストコンピュータ40及び制御装置7等が、本発明の制御部の一例となっている。
制御装置7は、図1の加速度センサ8、インク吸引装置20、記録ヘッド30、キャリッジ14等と接続され、これらの動作を制御する構成となっている。また、図1の用紙29を搬送する搬送ベルト15の駆動部とも接続され、搬送ベルト15を制御する構成となっている。
また、制御装置7は、図5の変位発生部300と接続され、図5の圧力制御部材720の動作を制御する構成となっている。
なお、図1の実施形態では、複数のインクカートリッジ2乃至5が、キャリッジ14の上に直接搭載されているオンキャリッジ型のものであるが、これに限らずインクカートリッジ2乃至5はキャリッジとは別の位置に搭載されているオフキャリッジ型のものでも勿論構わない。
図9(a)は、図8の記録装置10の電気的接続例をさらに詳しく記載した概略説明図である。
図9(a)に示す加速度センサ8は、図1に示すように本体部11の中に設けられている。この加速度センサ8は、記録装置10の設置姿勢、すなわち本体部11が搭載台Bの上に搭載されている状態を検知するためのセンサである。
加速度センサ8は、図9(a)に示すように、加速度データD1を規定軸傾き演算部600に入力する。
規定軸傾き演算部600は、加速度データD1に基づいて、規定軸の単位ベクトルと検知した加速度ベクトルの内積から、g・cosθを算出する。
図9(b)は規定軸傾き演算部600が姿勢の変化を検知する方法を示す概略説明図である。
図9(b)に示すように規定軸傾き演算部600は、角度検出時の基準となる規定軸Lを中心として本体部11の傾きを検出することができる。規定軸Lは、図1の本体部底面11Aに対して垂直な方向である。
すなわち、規定軸Lは、加速度センサ8の検知方向に対応して規定された規定軸線の一例である。
規定軸Lは重力方向下向きに関して、すなわち記録ヘッド30のノズル開口からインクが噴射される方向と平行な方向をプラス方向として、その反対方向をマイナス方向としている。
一方、図9(b)に示すように、重力方向(重力軸)が検知軸L1なり、この検知軸L1と規定軸Lとがなす角度θが角度範囲情報となり、これが姿勢情報となる。
すなわち、規定軸傾き演算部600は、加速度データD1に基づいて、規定軸の単位ベクトルと検知した加速度ベクトルの内積から、g・cosθを算出するが、この算出方法のデータが記憶部603に格納されている。換言すれば、この算出方法のデータを加速度データD1(変化情報)に基づき計算することで、姿勢情報が生成される。このため、記憶部603は姿勢情報生成情報格納手段の一例である。
ところで、規定軸Lが1軸の場合には、内積が検出値なので内積演算は必ずしも必要ではない。
また、加速度センサ8の種類としては、例えば静電容量型のものやピエゾ抵抗型のものを採用することができる。静電容量型のものは、例えば多結晶シリコンの錘をバネで支えた構造のものを採用でき、錘の動きにより、静電容量を変化させることで規定軸Lに対する本体部11の傾き角度θを検出する。ピエゾ抵抗型のものは、ピエゾ抵抗効果、すなわち応力に比例して抵抗率が変化するのを利用して、やはり規定軸Lに対する本体部11の傾き角度θを検出する。
加速度センサ8の規定軸が1軸の場合には、その規定軸と検知しようとする軸の方向を合わせる。規定軸が2軸の場合には、2つの規定軸を含む面内の成分が検出できるように検知軸を設定する。規定軸が3軸以上の場合には、3軸の加速度センサを用いれば、特に検知軸の方向はこだわらない。
ところで、図9(a)に示すように、規定軸傾き演算部600は、規定軸傾き(θ)データ(姿勢情報)D2をCPU(中央処理装置)601に供給する。
一方、図9(a)に示す、インクカートリッジ記憶素子606は、インクカートリッジ2等内のインクの量をあらかじめ記憶している。このインクカートリッジ2等内のインク量が、液体の貯蔵変化量情報の一例である。
具体的には、図8に示す記録ヘッド30とインクカートリッジ2等は相互に通信可能であるため、記録ヘッド30のインクの吐出回数等の履歴情報に基づき算出されるインク消費量等のデータをインクカートリッジ記憶素子606は有している。
すなわち、図8の記録ヘッド30等がインクの貯蔵変化量検出手段の一例となっている。
図9(a)のインクカートリッジ記憶素子606内に格納されているインク消費量情報D5(すなわち、インクカートリッジ内のインク量データ)は、インターフェース605を介して記録制御部611等を介してCPU601に供給する。
これにより、CPU601には、規定軸傾き(θ)データD2とインク消費量情報D5が入力されることになる。
一方、図9(a)の記憶部603には、規定軸傾き(θ)データD2とインク消費量情報D5に基づき算出される差圧情報が格納されている。すなわち、図5のノズル開口55A等における負圧(静背圧)を適度に保持するための上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)との間の圧力の差圧データ(差圧情報)が格納されている。
すなわち、ノズル開口55A等における負圧に影響を与える変動要因は、規定軸傾き(θ)データD2とインク消費量情報D5であるから、前記差圧データは、これらの情報に基づいて生成されている。
したがって、この差圧データに従って、上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)との間の圧力の差圧を求めれば、当該、規定軸傾き(θ)とインク消費量において、最も適切な負圧をノズル開口55A等に発生させることができることになる。
差圧データが、差圧情報生成情報の一例であり、記憶部603が差圧情報生成情報格納手段の一例である。
CPU601は、この差圧データに基づき生成された差圧情報(負圧制御情報)と、上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)の差圧が同等になるように、図9(a)変位発生部制御部608が変位量命令を変位発生部300に送信する。
具体的には、図7の圧力制御部材720が図のV方向に進退することで差圧を調整する。
図10は、記憶部603に格納されている差圧データを示す概略説明図である。図11及び図12は、差圧データの対象となる記録装置の姿勢等を示す概略図である。
図9でX軸はインクカートリッジ2等内のインクの消費量(%)である。すなわち、図4で示すインクカートリッジ2等内のインク1000の残量を示す。
また、図9のY軸は、図4の上流室圧(Pu)と圧力制御部材720とノズル開口55A等までの位置水頭差(Pd)とを合わせた圧力(Pu+Pd)を示す。
すなわち、数字0の部分が圧力0であり、負圧にするためには、マイナスにする必要がある、特に、ノズル開口55A等内のインクに適度なメニスカスを発生させるには、図10に示すように、圧力が負圧でマイナス300乃至マイナス600の範囲内が好ましい。
図10のS1乃至S3は、図1の記録装置10の配置状態である姿勢を示す。すなわち、S1は図1に示すように記録装置10を横置きした状態を示す。この場合は、図5に示すようにインクカートリッジ2等がノズル開口55A等の上部に配置するため、圧力(Pu+Pl)は図10に示すように極めて高くなっている。
S2は、図1のように横置きに配置されているの記録装置10を、90度傾け、本体部11の本体部背面11Bを下面にした縦置きにした状態を示す。
この場合は、図11に示すように、インクカートリッジ2等がノズル開口55A等の図に置いて横方向に配置されるため、圧力(Pu+Pl)は、S1の場合より低くなる。
また、S3は、記録装置10をS1の姿勢から180度傾け、本体部11を上下逆にした状態を示す。この場合は、図12に示すように、インクカートリッジ2等はノズル開口55A等より低い位置にあるため、圧力(Pu+Pd)はS2の場合よりさらに低くなる。
このような例えば、3つの姿勢S1乃至S3を例に以下、説明する。図10のS1aは、姿勢S1の一例である。すなわち、S1aは、図9(b)で検知軸L1と規定軸Lが重なった状態あり、且つインク消費量も小さいため図5の圧力(Pu+Pl)はプラス450と大きな値となっている。
この状態では、上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)との間に差圧を発生させないと、ノズル開口55A等内のインクに適度なメニスカスを形成させることはできないので、図5の圧力制御部材720を矢印V方向へ進めて上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)との差圧を大きくするように制御する。
すると、その差圧(図10の「Pr」)により、図5のノズル開口55A等内の負圧も図10のマイナス300乃至マイナス600の範囲内(静背圧の安定範囲)となり、ノズル開口55A等内に適度なメニスカスを形成することができることになる。
また、図10のS2aは姿勢S2の一例である。S2aは、図9(b)で検知軸L1と規定軸Lの傾きθが90°となった状態であり、且つインクが半分以上消費された状態である。このときの図11の圧力(Pu+Pl)はマイナス100程度である。
そこで、差圧(Pr)が図11の上流室701と下流室703との間で生じるように、圧力制御部材720を矢印V方向へ進める。これによりノズル開口55A等の負圧は図10のマイナス300乃至マイナス600に範囲内(静背圧の安定範囲)に収まり、ノズル開口55a等に適度なメニスカスを形成させることができることになる。
また、図10のS3aは姿勢S3の一例である。S3aは、図9(b)で検知軸L1と規定軸Lの傾きθが180°となった状態であり、且つインクが消費が少ない場合である。このときの図12の圧力(Pu+Pl)は、マイナス400程度であり、適度なメニスカスを形成できる場合である。
したがって、図12の圧力制御部材720を移動させる必要がなく、現状のままで維持させることで、図12のノズル開口55A等に適度なメニスカスを形成させることができる。
以上のように、姿勢S1乃至S3について説明したが、この姿勢に限らず、図9(b)で検知軸L1と規定軸Lとの傾きθからなる姿勢を把握できれば、どの角度でも同様に圧力差(Pr)を求め、ノズル開口55A等内のインクに最適なメニスカスを形成させることができる。
したがって、記録ヘッドのノズル開口55A等の高さ等が変化し、インクカートリッジ2等との間の高さが変化しても、負圧発生装置700が上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)の差圧を調整すれば、ノズル開口55A等の静背圧を所定の範囲内に維持させることができる。このため、従来のようにインクカートリッジをノズル開口55A等の高さ等の変化に合わせて同期して変化させる必要がないので、記録装置10全体が大型化することがない。
また、利用者が記録装置10の本体部11を傾けたため、ノズル開口55A等が、例えば45度傾いた場合でも、その姿勢の変化は加速度センサ8等で正確に把握できる。そして、その傾いた姿勢に合わせた差圧情報を図10の差圧データから取得できる。
さらに、この差圧データに基づき、負圧発生装置700が前記差圧を調整することで、どのような角度であっても常に、最適な負圧(静背圧)がノズル開口55A等に発生することになる。
このため、特に持ち運ぶモバイルタイプの記録装置10であっても、印字性能が低下し難いという優れた効果を生じる。
また、図5の上流室701と下流室703との差圧(図10の「Pr」)は、ノズル開口55A等の負圧(静背圧)の変動要素である図9(b)の傾きθである姿勢情報と、インクカートリッジ2等内のインク残量状態に基づいて定められるので、より精度の高い、差圧の調整が可能となり、より精度良くノズル開口55A等にメニスカスを形成させることができる。
ところで、図9に示すようにCPU601は記憶部603に格納されている図10の差圧データに基づきインクエンド又は警告情報をプリンタドライブ41に送信する。
具体的には、図10のS1b、S2b及びS3bの位置は、圧力(Pu+Pl)が負圧となりすぎ、ノズル開口55A等からインクの吐出ができなくなる状態であることがわかる。
そこで、図10の差圧データからインクエンドなる旨の情報をプリンタドライブに送信することとなる。
また、図10のS3bの場合は、記録装置10が図12の姿勢を図5又は図11の姿勢に変更すれば、インクエンドとならずに、インクの吐出を継続することが可能なので、姿勢変更を促す情報をプリンタドライブ41に送信することとなる。
図9(a)のクロック発生部604はCPU601と記録制御部611にクロック信号を供給している。記録制御命令D4は、CPU601が記録制御部611に与える信号である。
記録制御部611は、記録制御命令D4に基づいて、インターフェイス605を介して上述のインクエンド(インクの供給終了)や警告情報をプリンタドライバ41に与えながら、プリンタドライバ41を作動することにより、記録ヘッドを作動して記録ヘッドにより用紙に対して所定の印刷を行う。
プリンタドライバ41は、記録の際の記録データD6をインターフェイス605を通じて記録制御部611に供給する構成となっている。
(チョーククリーニング等について)
また、本記録装置10は、図1及び図2に示すように、記録ヘッド30がホームポジション18にある場合、吸引装置20が記録ヘッド30のノズルプレートに当接し、ノズル開口55A等を吸引等するクリーニング動作を行う。このクリーニング動作には、チョーククリーニングなる動作がある。
チョーククリーニング動作は、記録ヘッド30等の内部に気泡等が滞留等している場合に、インクを勢いよくノズル開口55A等へと流し、インクと共に気泡を排除等するクリーニング動作である。
従来は、このチョーククリーニング動作は、チョーク用バルブの開閉により行っていたが、本実施の形態では、チョーク用バルブを設けることなく、チョーククリーニングを行うことができる構成となっている。
したがって、記録装置10の製造コスト等を低減させることができる。
具体的には、図9(a)の記憶部603に格納されている図10の差圧データには、ノズル開口55A等を有する液体噴射ヘッドである例えば、記録ヘッド30のクリーニング用差圧情報を生成する差圧情報生成情報が含まれている。
クリーニング用差圧情報は、例えば、図10の圧力(Pu+Pl)をマイナス800程度までなるように、図5の上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)の差圧を調整する。具体的には、図5の圧力制御部材720によって差圧を調整する。
するとノズル開口55A等における負圧が大となる。その後、急激に負圧が小となるように調整することで、記録ヘッド30内のインクが勢いよくノズル開口55A等へと流れることになる。
すなわち、従来のチョーク弁を用いた場合と同様に、チョーククリーニングを行うことができる。
本実施の形態の記録装置10は以上のように構成されているが、以下、その動作例ついて説明する。
記録装置10の利用者が図1のように配置されている記録装置10を、90°傾けて、図1の本体部背面11Bを下面にした場合を例に説明する。
先ず、図9(a)の加速度センサ8が、図1の記録装置10の姿勢の変化を検知し(位置変化取得工程の一例)、加速度データD1として、規定軸傾き演算部600に送信する。
次に、規定軸傾き演算部600は、規定軸傾き(θ)データD2を生成する(姿勢情報生成工程の一例)。具体的には、図9(b)の検知軸L1と規定軸Lとが成す角度θに基づいて、規定軸傾き(θ)データD2を生成する。すなわち、90°姿勢が傾いた旨の規定軸傾き(θ)データD2を生成するし、CPU601に入力する。
一方、図8の記録ヘッド30のインクの吐出回数等の履歴情報等から図9(a)のインクカートリッジ記憶素子606内にインク消費量情報D5が格納される(貯蔵変化量検出工程の一例)。
そして、インクカートリッジ記憶素子606内に記憶されている図1のインクカートリッジ2等についてインク消費量情報D5は、インターフェース605、記録制御部611を介してCPU601に入力される。
ここで、インク消費量情報D5は60%であるとする。
次に、CPU601は、図9(a)の記憶部603内に格納されている差圧データ(図10)を参照する。
すなわち、規定軸傾き(θ)は90°なので、図10のS2となる。そして、インク消費量は60%なので、図10のS2aが該当する。
このときの差圧(Pr)情報を計算する。これは図5の負圧発生装置700の上流室圧(Pu)と下流室圧(Pl)の差圧(Pr)の情報となる(差圧情報生成工程の一例)。
次に、この差圧(Pr)情報が図9(a)の変位発生部制御部608に入力され、変位発生部制御部608が変位量命令D7を変位発生部300へ送信する。
次に、図7に示すように、変位発生部300は変位量命令D7に従い、圧力制御部材720を矢印V方向に進退させる(差圧調整工程の一例)。
これにより、記録装置10の図5に示すノズル開口55A等の負圧(静背圧)は適度に保たれるので、適度なメニスカスが形成される。
したがって、利用者が記録装置10をたとえ90°傾けて、印字等を行っても吐出不良が生じない良好な記録装置10となる。
また、利用者が任意の角度、例えば、30°、35°等に傾けた場合でも、その角度に応じた背圧をノズル開口55A等に発生させ、メニスカスを適度に形成させることができるので、使い勝手のよい記録装置10ともなる。
本発明は、インクジェット式記録装置としての上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。さらに、上述の各実施形態は、相互に組み合わせて構成するようにしてもよい。また、本発明は、インクジェット式記録装置に限らず、プリンタ等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等の液体を吐出する液体噴射ヘッドを用いた液体噴射装置、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。
本発明の液体噴射装置の実施の形態にかかるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。 図1の本体部内の吸引装置等を示す概略図である。 図1に示す記録ヘッドとインクカートリッジの主な配置状態を示す概略断面図である。 記録ヘッドの主な内部構成を示す概略図である。 背圧調整装置等を示す概略図である。 (a)(b)は、圧力制御部材と弾性部材の形状例を示している。 変位発生部の構造例を示している。 図1に示す記録装置の電気的な接続例等を示す概略ブロック図である。 (a)は、図7の記録装置の電気的接続例をさらに詳しく記載した概略説明図であり、(b)は、規定軸傾き演算部が姿勢の変化を検知する方法を示す概略説明図である。 記憶部603に格納されている差圧データを示す概略説明図である。 差圧データの対象となる記録装置の姿勢等を示す概略図である。 差圧データの対象となる記録装置の姿勢等を示す他の概略図である。
符号の説明
2,3,4,5・・・インクカートリッジ、2H・・・大気開放口、2P・・・インクパック、7・・・制御装置、10・・・インクジェット式記録装置、11・・・本体部、11A・・・本体部底面、11B・・・本体部背面、11C・・・本体部右側面、11D・・・本体部左側面、14・・・キャリッジ、15・・・搬送ベルト、17・・・ヘッド走査軸、18・・・位置スイッチ、19・・・ポンプ、20・・・インク吸引装置、29・・・用紙、30・・・インクジェット式記録ヘッド、40・・・ホストコンピュータ、50・・・インク経路、55A乃至55D・・・ノズル開口、62・・・ノズルプレート、100・・・廃液タンク、300・・・変位発生部、301・・・モータ、302・・・クラッチ、303・・・送りねじ、304・・・ナット、305・・・押圧部材、306・・・サポート、340・・・フィルタ室、600・・・規定軸傾き演算部、601・・・CPU、603・・・記憶部、604・・・クロック発生部、605・・・インターフェイス、606・・・インクカートリッジ記憶素子、608・・・変位発生部制御部、611・・・記録制御部、700・・・負圧発生装置、701・・・上流室、703・・・下流室、704・・・力伝達部材、705・・・ガイド部材、706・・・ストッパ、707・・・バネ、710・・・通路部、711・・・端部、712・・・出口部、713・・・壁部、720・・・圧力制御部材、721・・・外周面、723・・・供給口、730・・・外周部、800・・・弾性部材、801・・・開口部、803・・・内縁部、1000・・・インク、B・・・搭載台、Pu・・・上流室圧、Pl・・・下流室圧、Pd・・・位置水頭差。

Claims (6)

  1. 液体を貯蔵する液体貯蔵部と、
    前記液体をターゲットに対して吐出する液体吐出部と、
    前記液体貯蔵部と前記液体吐出部との間に設けられ、前記液体吐出部の負圧を発生させるための負圧発生手段と、を有し、
    前記負圧発生手段は、前記負圧発生手段の前記液体貯蔵部側の液体圧力である貯蔵部側圧力と、前記負圧調整手段の前記液体吐出部側の液体圧力である吐出部側圧力との間の差圧を調整するための可動調整弁と、
    前記差圧を調整するため前記可動調整弁を変位させる弁変位手段と、を有することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記液体貯蔵部と前記液体吐出部の位置の変化である変化情報を取得する位置変化取得手段と、
    前記変化情報に基づき姿勢情報を生成するための姿勢情報生成情報を格納する姿勢情報生成情報格納手段と、
    前記液体貯蔵部の前記液体の貯蔵変化量情報を検出する貯蔵変化量検出手段と、
    前記負圧発生手段の前記差圧の差圧情報を生成する差圧情報生成情報を格納する差圧情報生成情報格納手段と、を有し、
    前記差圧情報は、少なくとも前記姿勢情報及び/又は前記液体の貯蔵変化量情報に基づいて定められることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 前記姿勢情報は、重力方向に対する変化情報であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記位置変化検出手段が、加速度センサであり、
    前記姿勢情報が、前記加速度センサの検知方向に対応して規定された規定軸線方向と重力方向とがなす角度範囲情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体噴射装置。
  5. 前記差圧情報生成情報には、前記液体吐出部を有する液体噴射ヘッドのクリーニング用差圧情報を生成するクリーニング差圧情報生成情報を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体噴射装置。
  6. 位置変化取得手段が、液体を貯蔵する液体貯蔵部と前記液体をターゲットに対して吐出する液体吐出部の位置の変化である変化情報を取得する位置変化取得工程と、
    制御部が、姿勢情報生成情報格納手段内の姿勢情報生成情報と前記変化情報に基づき姿勢情報を生成する姿勢情報生成工程と、
    貯蔵変化量検出手段が、前記液体貯蔵部の前記液体の貯蔵変化量情報を検出する貯蔵変化量検出工程と、
    前記制御部が、差圧情報生成情報格納手段内の差圧情報生成情報に基づき差圧情報を生成する差圧情報生成工程と、を有し、
    前記液体貯蔵部と前記液体吐出部との間に設けられ、前記液体吐出部の負圧を発生させるための負圧発生手段の前記弁変位手段が、前記可動調整弁を変位させることで、前記負圧発生手段の前記液体貯蔵部側の液体圧力である貯蔵部側圧力と、前記負圧発生手段の前記液体吐出部側の液体圧力である吐出部側圧力との間の差圧を調整する差圧調整工程と、を有し、
    前記差圧調整工程では、前記差圧情報に基づき前記差圧の値を変化させると共に、前記差圧情報が、少なくとも前記姿勢情報及び/又は前記液体の貯蔵変化量情報に基づいて生成されることを特徴とする液体噴射装置の負圧発生方法。
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