JP2005268235A - イオンビーム照射装置及び方法 - Google Patents

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吉幸 外羽
Toshio Hayashi
俊雄 林
Masahiro Ito
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誠司 小方
Yuzo Sakurada
勇蔵 桜田
Taijirou Uchida
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Abstract

【課題】
プラズマ発生源として真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成させ、形成された磁気中性線に沿って交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生させるようにした磁気中性線放電イオン源を用いて、均一なイオンビームとして引き出すことができるイオンビーム照射装置が提供される。
【解決手段】
真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生させることのできる電場発生手段とでプラズマ発生源が構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体上或いは電子部品、その他の基板上の物質にイオンを注入して材質の改質を行うイオン注入装置や、ターゲット材表面にイオンを照射し、ターゲット物質をスパッタしてほぼ対向する位置に載置された基板にスパッタされた物質を堆積させるイオンビームスパッタ装置等に使用されるイオンビーム照射装置及び方法に関するものである。
従来技術において最も多く用いられてきたイオンビーム照射装置は、添付図面の図9で示されるようなKaufman型のものである。図10及び図11にはマルチカスプ型プラズマイオン源を搭載したイオン照射装置の例を示し、図10に示すものは直流放電型、図11に示すものは高周波放電型であり、これらの放電方式も同様に用いられる。
図9のKaufman型のイオン源を備えたイオン照射装置について説明する。
上部フランジAに備えられたフィラメントBに通電すると、フィラメントBは熱せられ、熱電子が発生する。発生した熱電子は放電室C内の円筒の陽極Dに向かって飛翔する。放電室Cにガスが導入されていると、飛翔する電子がガスに衝突し、ガスのイオン化が起こって放電が開始し持続する。この放電室すなわちプラズマ室には+50〜100kVの電圧が印加されるので、プラズマ中の一価のイオンは接地電位に対し+50〜100keVの電位を持つことになる。このプラズマの出口に、放電室と同電位の多数のオリフィスを設けた第1電極Eが配置され、それぞれと同軸のオリフィスを設けかつ電位的に独立な第2電極F及び第3電極Gが配置されている。第2電極Fには接地電位より数kV負の電位を印加し、第3電極Gは接地電位とする。放電室Cから第1電極Eのオリフィスに入ったイオンは第1及び第2電極E,F間の電場により引き出される。このようにして引き出されたイオンは接地電位に維持されている保持台H上の基板Iに向かって飛翔し、放電室Cに印加した電位のエネルギーでイオンが基板Iに衝突する。基板Iに衝突したイオンはカスケード衝突を起こしながら基板内部に入り込むと同時に基板表面上の物質をスパッタして真空中にたたき出す。このようにして、基板内部に進入したイオンは基板物質と混ざり合い基板表面上の物性を変えて表面改質が行われるか、あるいはまた、基板表面上の物質をスパッタする。
第2電極Fに負の高電圧を印加するのは、基板から発生する2次電子やイオンと残留ガス分子との衝突により発生した電子などが放電室側に逆流するのを防ぐためである。第2電極Fに印加する電圧の絶対値は、第1電極E(放電室)に印加する電圧に比較して小さいのが一般的であるので、以下の説明では、第1電極Eと第2電極Fとの間の電位差と第1電極Eと接地電位との電位差の違いは無視する。
図12を参照して本発明が解決しようとする課題について説明する。
図12は、3枚から構成された多孔電極J、K、Lを通して、放電室内で生成されたプラズマからイオンを所定のエネルギーで引き出すことを示している。図12において、プラズマに接する第1電極Jと第2電極Kとの間の電位差をV、電極間の距離をd、生成されたプラズマの密度をn0、プラズマの電子温度をTe、イオンの質量をmとする。この時、ビームを発散させることなく最も効率よく引き出す為には、プラズマから供給されるイオン飽和電流Jiと、引き出し部から引き出される空間電荷制限電流Jsが、ほぼ一致していることが必要である。従って、イオン飽和電流Jiと、空間電荷制限電流Jsは、
Js=(4ε/9)・(2e/m)1/2・(V3/2/d2
Ji=en(kTe/m)1/2
で表されるから、効率よく引き出すためには
Js=Ji
になることが必要になる。
これから分かる様に、電極間の距離dが与えられていて、必要な質量mのイオンを必要な電圧Vで引き出すためには、プラズマチャンバー内部に生成されるプラズマの密度nと電子温度Teがそれぞれ上式を満足しなければならない。この条件が満たされない場合、引き出されるビームは発散してしまい、イオンが第2電極Kや第3電極Lに当たるような状態になる。この結果、電極が過度に加熱されたり、電極がイオンによりスパッタされ、不純物が発生したり、電極から発生した2次電子がイオン源側に逆流して、電極間に不必要な電流が流れるなどの問題が生ずる。
なお、一般のプラズマ発生装置においては、密度nと電子温度Teを独立に制御するのは困難である。また、多孔電極を用いたイオン源を用いて全ての引き出し孔からビームを発散させずに引き出す為には、生成されたプラズマの密度nと電子温度Teが、電極に接する領域において、ほぼ一様になっていることが必要とされる。
以上の問題点を課題ごとに整理すると以下のようになる。
注入均一性における課題
図10に示すような従来の直流放電型のイオン源を用いた時、フィラメントから発生する電子によってプラズマを生成するため、生成されるプラズマの密度が高くない場合、引き出し電極に接する領域でのプラズマの分布はフィラメントの配置を反映したものになる傾向がある。従って、プラズマの分布を一様にするためには、フィラメントを多数配置したり、充分に密度の高いプラズマを生成するなどの必要があった。
一方、図11に示すような従来の高周波放電型のイオン源を用いた時、プラズマはほぼ軸を中心とした領域で生成される傾向がある。従って、引き出し電極に接する領域でのプラズマ密度nは、軸近傍で高く、周辺部で低くなる。
一般にプラズマ密度を高めるためには、プラズマチャンバー内部のガス圧力を高くする必要があり、イオン源が大型になるに従って、処理室側へのガスの流出量も増えざるを得ない。従って、従来のイオン源を用いる限り、イオンビームの空間的な分布の一様性を保ちかつ処理室の圧力が過度に高くなるのを避けて、イオンビームの径を大型にするのは困難である。
動作範囲における課題
実際のイオンビーム装置では、イオンビームの電流密度、イオンの加速エネルギー、イオン種などに関して種々の条件設定がなされる。例えば、液晶表示装置に用いられる多結晶Si薄膜トランジスターの製造工程において、複数のイオン注入の工程が必要とされるが、この工程では単位面積当たり基板に注入されるイオンの量は、工程によって1016/cm から1012/cm と4桁以上にも渡る。一方、従来の多孔電極型イオン源では、電極に接する領域でほぼ一様なプラズマを生成出来る条件は、イオン飽和電流Jiで評価して、せいぜい1桁程度でしかない。従って、従来のイオン源では、安定したイオンの引き出しを保ちながら、またビームの空間的な分布の一様性を保ちながらビーム電流密度や加速エネルギー及びイオン種に関する条件を大きく変化させることが困難である。
制御手段における課題
従来の多孔電極型イオン源では、プラズマ生成に投入される電力(放電電流や高周波電力)やガス圧を制御することにより、平均的なプラズマの密度nや電子温度Teを制御することは可能である。しかし、プラズマの空間的な分布は、これ等に付随して変化するに過ぎない。従って、従来の多孔電極型イオン源では、プラズマの空間的な分布を、プラズマの密度や電子温度と独立に制御するのが困難である。
従って、本発明はこれらの課題を解決して均一なイオンビームとして引き出すことができるイオンビーム照射装置及び方法を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するため、本発明によれば、プラズマ発生源内においてイオンを生成し、プラズマ室の出口に多孔電極を設けてイオンを引き出し、保持部に載置された基板にイオンを照射するイオンビーム照射装置であって、
プラズマ発生源は、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生させることのできる電場発生手段とを有し、
磁場発生手段により磁場を調整して環状磁気中性線の位置を変更することにより、プラズマの分布を変更するように構成したことを特徴としている。
本発明のイオンビーム照射装置においては、プラズマ発生源は、円筒形で側面が誘電体の真空チャンバー内でプラズマを発生するようにした構造であって、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための同軸上に配列した複数の磁場発生コイルから成り、中央部に配置されたコイルと外側のコイルに互いに逆向きの電流を流すことにより環状磁気中性線の半径を調整すると同時に磁場ゼロの位置での磁場の勾配を調整するようにした磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを有し、複数の磁気中性線形成磁場発生コイルのうち中央部のコイルの内側であって誘電体側壁の外側にプラズマ発生用高周波コイルが配置され得る。
また、プラズマ発生源は、円筒形で側面が金属の真空チャンバーで構成される放電プラズマ装置であって、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための同軸上に配列した複数の磁場発生コイルから成り、中央部に配置されたコイルと外側のコイルに互いに逆向きの電流を流すことにより環状磁気中性線の半径を調整すると同時に磁場ゼロの位置での磁場の勾配を調整するようにした磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを有し、高周波コイルは、磁気中性線の形成される面と同一平面内であって磁気中性線と金属円筒側壁の中間の位置に配置され得る。
本発明の別の発明によるイオンビーム照射方法は、真空チャンバー内に磁場を掛け、連して在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成し、この磁気中性線に交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に沿って放電プラズマを発生させ、
前記放電プラズマに面して設けられた多孔電極により前記電プラズマからイオンを引き出し、基板にイオンを照射することから成る。
本発明の方法においては、磁場を調整して環状磁気中性線の位置を変更することによりプラズマの分布が変更され得る。
例えば、誘電体円筒隔壁の外側から高周波電場を真空中に与え、真空中に導入したガスを放電し、3つの円筒コイルにより磁気中性線の位置を制御して、プラズマを制御する。プラズマ中の電子は磁場ゼロの所の磁気中性線付近に留まる性質があるので、磁気中性線の径を制御することにより、発生場所の濃淡の径を制御できる。このようにして発生したリング状のプラズマは引き出し電極部まで拡散する間に均一化する。
磁気中性線は3つのコイルによって形成される。上下のコイルに同方向の電流を流し、中間のコイルに逆方向の電流を流すことにより、中間コイルの内側に磁気中性線が形成される。一般にミラー磁場を議論するとき無視されているが、コイルとコイルの中間位置に磁場0のループが存在している。この位置に第3のコイルを設け上下のコイルと反対の電流を流すと、磁場0のループが左右にスプリットし、内側と外側に磁場0のループが2つ形成される。この内側の磁場0のループを利用するのが(磁気)中性線放電(NLD:Neutral Loop Discharge)である(特開平7−90632号公報参照)。この磁気中性線は中間のコイルに流れる電流の大小でその径が大きくも小さくもなる。従って、コイル電流によってプラズマを制御することができ、例えば、イオン注入の均一性の良い条件を容易に設定することができる。
以上説明してきたように本発明によれば、プラズマ発生源内においてイオンを生成し、プラズマ室の出口に多孔電極を設けてイオンを引き出し、接地電位となっている保持部に載置された基板にイオンを照射するイオンビーム照射装置において、プラズマ発生源として真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成させ、形成された磁気中性線に沿って交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生させるようにした磁気中性線放電イオン源を用いているので、均一なイオンビームとして引き出すことができ、従来にない均一なイオンビーム照射が可能となった。
以下、添付図面の図1〜図8を参照して本発明の実施形態について説明する。
磁気中性線放電イオン源は、磁気中性線の構成法、高周波電場を印加するアンテナの配置によって幾つかの構造が取り得る。
図1、図2、図3、図4には円筒チャンバーの外側に、複数の円筒コイルを配置し、円筒チャンバー内部にリング状の磁気中性線を形成する構造のものを示し、図5、図6、図7、図8には円筒チャンバー上部に平板永久磁石とそれよりも内径の大きなドーナツ状永久磁石により円筒チャンバー内部にリング状の磁気中性線を形成する構造のものを示す。
また高周波アンテナの配置の仕方により図1、図3、図5、図7で示されるような誘電体隔壁の外部に配置するものと図2、図4、図6、図8で示されるようなチャンバー内部に配置するものとがある。
まず図1に示す本発明の第1の実施形態について説明する。
図示装置において1はイオン源ボックスで、その中に磁気中性線放電イオン源が配置されおり、2は真空チャンバーで、円筒状のプラズマ発生室3と基板処理室4とを備えている。円筒状のプラズマ発生室3は誘電体の円筒状側壁3a及び金属製の上壁3bを備え、誘電体の円筒状側壁3aの外側には磁場発生手段を成す三つのコイル5、6、7が設けられており、これらのコイルは図示してない電源に接続されている。上下の二つのコイル5、7には同じ向きの電流が流され、また、中間のコイル6には逆向きの電流が流される。それにより中間のコイル6のレベルでその内側に連続した磁場ゼロの位置ができ、リング状の磁気中性線8が形成される。このリング状の磁気中性線8の形成される位置及び大きさは、上下の二つのコイル5、7に流す電流と中間のコイル6に流す電流との特性を変えることによって適宜設定することができる。
中間のコイル6の内側には同心円的に電場発生手段を成す高周波コイル9が配置され、この高周波コイル9は一重またはそれ以上の多重構造のものであり、高周波電源10に接続され、リング状の磁気中性線8に沿って高周波誘導電場(例えば13.56MHz)を加えて、磁場ゼロの位置に磁気中性線に沿って強い電場を発生させる。また、円筒状のプラズマ発生室3には図示してないがプラズマ発生のためのガスを導入するガス導入口が設けられている。
この実施形態では、プラズマ発生室3の誘電体円筒隔壁の外側から高周波電場を真空中に与え、真空中に導入したガスを放電し、3つのコイル5、6、7により磁気中性線8の位置を制御して、プラズマを制御している。
プラズマ発生室3から基板処理室4へ通じるプラズマの出口には、図示したように、放電室すなわちプラズマ発生室3と同電位の多数のオリフィスを設けた第1電極11が配置され、第1電極11の外側には第1電極11のオリフィスのそれぞれと同軸のオリフィスを設けかつ電位的に独立した第2電極12及び第3電極13が配置されている。第2電極12には接地電位より数kV負の電位が印加され、第3電極13は接地電位とする。第2電極12に負の高電圧を印加するのは、基板から発生する2次電子やイオンと残留ガス分子との衝突により発生した電子などがプラズマ発生室3側に逆流するのを防ぐためである。プラズマ発生室3から第1電極11のオリフィスに入ったイオンは第1及び第2電極11、12間の電場により引き出される。このようにして引き出されたイオンは接地電位に維持されている基板ホルダー14上の基板15に向かって飛翔し、プラズマ発生室3に印加した電位のエネルギーでイオンが基板15に照射される。
図2には本発明の第2の実施形態を示し、この実施形態は、プラズマ発生室3の円筒状側壁3a´が金属から成り、また高周波コイル9がプラズマ発生室3内の磁気中性線8の形成される面と同一平面内であって磁気中性線8と金属円筒状側壁3a´の中間の位置に配置されている点で図1に示す実施形態と異なっている。すなわち図2の実施形態による構造では、金属円筒状側壁3a´の内側から高周波電場を真空中に与え、真空中に導入したガスを放電し、3つのコイル5、6、7により磁気中性線8の位置を制御してプラズマを制御するようにしている。この構成は金属元素を含むガスを用いるときに適している。というのは、高周波コイルが誘電体隔壁の外側に配置されている場合には、誘電体隔壁への金属元素の付着により高周波が遮られるが、高周波コイルを隔壁の内側に配置することによりそのような問題が生じないからである。
図3には本発明の第3の実施形態を示し、この場合にはプラズマ発生室3の上壁3bが誘電体から成り、その外面上に高周波コイル9が配置されている。その他の構成は図2の場合と同じである。
図4には本発明の第4の実施形態を示し、この場合にはプラズマ発生室3の上壁3b´は金属から成り、電場発生用高周波コイル9は磁気中性線8と上壁との中間の位置に設置され、そして磁気中性線8の径と同一径或いはそれよりも大きな径に形成される。その他の構成は図3の場合と同じである。
図5には本発明の第5の実施形態を示し、この場合にはプラズマ発生室3の上壁3bは誘電体から成り、磁気中性線を形成するための磁場発生手段として3つのコイル5、6、7に変えて、誘電体の上壁3bの外面上にドーナツ状または円盤状の永久磁石16とそれよりも内径の大きなドーナツ状の永久磁石17が同心状に配置され、また高周波コイル9は、永久磁石16、17の中間の位置に配置されている。すなわち第5の実施形態は磁場発生手段の構成を除いて図3に示す第3の実施形態と実施的に同様に構成される。
図6には本発明の第6の実施形態を示し、この場合には、磁場発生手段の構成は、図5の第5の実施形態の場合と実質的に同じであり、また電場発生用高周波コイル9は図4に示す第4の実施形態の場合と同様に磁気中性線8と上壁との中間の位置に設置され、そして磁気中性線8の径と同一径或いはそれよりも大きな径に形成される。
図7には本発明の第7の実施形態を示し、この場合には、磁場発生手段の構成は、図5、図6の第5、第6の実施形態の場合と実質的に同じであり、また電場発生用高周波コイル9は図1に示す第1の実施形態の場合と同様に円筒状のプラズマ発生室3の誘電体の円筒状側壁3aの外側で磁気中性線8の形成される面と同一平面に配置されている。
図8には本発明の第8の実施形態を示し、この場合には、磁場発生手段の構成は、図5、図6,図7の第5、第6、第7の実施形態の場合と実質的に同じであり、また電場発生用高周波コイル9は図2に示す第2の実施形態の場合と同様に高周波コイル9がプラズマ発生室3内の磁気中性線8の形成される面と同一平面内であって磁気中性線8と金属円筒状側壁3a´の中間の位置に配置されている。
図6及び図8に示す構造も図2に示すものと同様に金属元素を含むガスを用いる場合に適している。一方、プラズマ発生室の壁の一部を誘電体で構成し、その外側に高周波コイルを配置した図1、図3、図5及び図7の場合には、高周波コイルを真空中に導入しないので、簡便であるという利点がある。
次に、図1に示す構成の装置を用いて実施した実験結果について説明する。
磁気中性線付近の磁場勾配を2ガウス/cm、磁気中性線の直径を24cmとしたとき、拡散距離17cmの所で、直径20cmの範囲において±2%と言う均一なプラズマ密度が得られている。この時の条件は高周波電力500W(13.56MHz)、圧力1mTorr、ガス種はArであった。
磁気中性線放電で得られるプラズマは0.5Paから0.05Paの範囲で安定であり、高周波電力の大小によってプラズマ密度を容易に制御できる。また、圧力や高周波電力によって密度分布が発生する場合でも磁気中性線の径を制御することによって均一性の良い条件を容易に設定することができる。
ところで、上記の各実施形態では、イオンビーム照射装置について説明したが、本発明の装置はイオンビームを用いる他の装置においても同様に使用できることは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第2の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第3の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第4の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第5の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第6の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第7の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 本発明の第8の実施形態による装置の構成を示す概略線図。 従来のKaufman型のイオンビーム照射装置の構成を示す概略線図。 従来のマルチカスプ型プラズマイオン源を搭載した直流放電型イオ ン照射装置の構成を示す概略線図。 従来のマルチカスプ型プラズマイオン源を搭載した高周波放電型イ オン照射装置の構成を示す概略線図。 本発明が解決しようとする課題の説明図。
符号の説明
1:イオン源ボックス
2:真空チャンバー
3:円筒状のプラズマ発生室
4:基板処理室
5、6、7:磁場発生手段を成すコイル
8:磁気中性線
9:電場発生手段を成す高周波コイル
10:高周波電源
11:第1電極
12:第2電極
13:第3電極
14:基板ホルダー
15:基板
16:ドーナツ状または円盤状の永久磁石
17:ドーナツ状の永久磁石

Claims (5)

  1. プラズマ発生源内においてイオンを生成し、プラズマ室の出口に多孔電極を設けてイオンを引き出し、保持部に載置された基板にイオンを照射するイオンビーム照射装置であって、
    前記プラズマ発生源は、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生させることのできる電場発生手段とを有し、
    前記磁場発生手段により磁場を調整して前記環状磁気中性線の位置を変更することにより、プラズマの分布を変更するように構成した
    イオンビーム照射装置。
  2. プラズマ発生源は、円筒形で側面が誘電体の真空チャンバー内でプラズマを発生するようにした構造であって、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための同軸上に配列した複数の磁場発生コイルから成り、中央部に配置されたコイルと外側のコイルに互いに逆向きの電流を流すことにより環状磁気中性線の半径を調整すると同時に磁場ゼロの位置での磁場の勾配を調整するようにした磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを有し、複数の磁気中性線形成磁場発生コイルのうち中央部のコイルの内側であって誘電体側壁の外側にプラズマ発生用高周波コイルを設置した請求項1に記載のイオンビーム照射装置。
  3. プラズマ発生源は、円筒形で側面が金属の真空チャンバーで構成される放電プラズマ装置であって、真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための同軸上に配列した複数の磁場発生コイルから成り、中央部に配置されたコイルと外側のコイルに互いに逆向きの電流を流すことにより環状磁気中性線の半径を調整すると同時に磁場ゼロの位置での磁場の勾配を調整するようにした磁場発生手段と、この磁場発生手段によって真空チャンバー内に形成された磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを有し、高周波コイルを、磁気中性線の形成される面と同一平面内であって磁気中性線と金属円筒側壁の中間の位置に配置した請求項1に記載のイオンビーム照射装置。
  4. 真空チャンバー内に磁場を掛け、連して在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成し、この磁気中性線に交番或いは高周波電場を加えてこの磁気中性線に沿って放電プラズマを発生させ、
    前記放電プラズマに面して設けられた多孔電極により前記電プラズマからイオンを引き出し、基板にイオンを照射することから成る
    イオンビーム照射方法。
  5. 前記磁場を調整して前記環状磁気中性線の位置を変更することによりプラズマの分布を変更する請求項4に記載のイオンビーム照射方法。

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