JP2005268100A - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 陽極と陰極との間に1またはそれ以上の有機薄膜層を有し、少なくとも1の有機薄膜層が化学結合を介して陽極、陰極または他の有機薄膜層と結合していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】なし
Description
これらの報告例を含め、従来の技術では、発光層、正孔輸送層および電子輸送層として使用される有機薄膜を、物理吸着を介して累積させる手法が一般的であった。
本発明の有機EL素子は、有機層において発光するアセン骨格を有する化合物を含むため、電極間に当該化合物を含む有機層のみを発光層として有する1層型の素子としても使用できる。一方で、本発明の有機EL素子を、電極間に複数の有機層を有する多層型の素子とした場合に特に効果が大きい。すなわち、アセン骨格に電子吸引性基あるいは電子供与性基を導入した有機シラン化合物を用いることによって、当該化合物を含む有機薄膜層を正孔輸送層としても、あるいは電子輸送層としても使用可能である。中でも、本発明で使用される有機シラン化合物はπ電子共役系分子とケイ素原子とを有し、それの直接結合による電子吸引の効果を有するため、特に電子輸送層として使用したときに、本発明の有機EL素子は電子移動特性等の性能が特に優れ、より低駆動電圧で高発光効率を実現できる。
本発明の有機EL素子は陽極と陰極との間に1またはそれ以上の有機薄膜層を有してなるものである。
陽極および陰極は有機EL素子の分野で従来から使用されている、あらゆる電極が使用可能である。詳しくは、陽極は通常、光透過率が高く、かつ正孔注入特性が高い薄膜が使用され、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、SnO2、インジウム錫酸化物、亜鉛酸化物、インジウム亜鉛酸化物などのような金属酸化物または混合金属の酸化物を使用することができ、金のように高い仕事関数を有する金属、またはPEDOT(poly[3,4-(ethylene-1,2-dioxy)thiophene])、ポリアニリン(polyaniline)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリチオフェン(polythiophene)などのような高分子に電解質等のドーパント(dopant)を添加した伝導性高分子等が挙げられる。陰極は通常、電子注入特性が高い薄膜が使用され、例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金等のような合金、あるいは、マグネシウム、カルシウム等、あるいは、フッ化リチウム(LiF)/アルミニウム、リチウムオキサイド(Li2O)/アルミニウム等のような二層構造を有する電極等が挙げられる。
構成(1);陽極−発光層−陰極、
構成(2);陽極−正孔輸送層−発光層−陰極、
構成(3);陽極−発光層−電子輸送層−陰極、および
構成(4);陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極。
発光層に有機シラン化合物が含有される場合、発光層は正孔輸送層と化学結合を介して結合される。そのような場合の発光層構成材料は上記構成(1)の発光層と同様である。発光層に有機シラン化合物が含有されない場合の発光層は上記構成(1)の他の発光物質から構成されていればよい。
発光層に有機シラン化合物が含有される場合、発光層は陽極と化学結合を介して結合される。そのような場合の発光層構成材料は上記構成(1)の発光層と同様である。発光層に有機シラン化合物が含有されない場合の発光層は上記構成(1)の他の発光物質から構成されていればよい。
電子輸送層に有機シラン化合物が含有される場合、電子輸送層は発光層と化学結合を介して結合される。そのような場合の電子輸送層構成材料は上記構成(3)の電子輸送層と同様である。電子輸送層に有機シラン化合物が含有されない場合の電子輸送層は上記構成(3)の他の電子輸送物質から構成されていればよい。
正孔輸送層に有機シラン化合物が含有される場合、正孔輸送層は陽極と化学結合を介して結合される。そのような場合の正孔輸送層構成材料は上記構成(2)の正孔輸送層と同様である。正孔輸送層に有機シラン化合物が含有されない場合の正孔輸送層は上記構成(2)の他の正孔輸送物質から構成されていればよい。
発光層に有機シラン化合物が含有される場合、発光層は正孔輸送層と化学結合を介して結合される。そのような場合の発光層は上記構成(1)の発光層と同様である。発光層に有機シラン化合物が含有されない場合の発光層は上記構成(1)の他の発光物質から構成されていればよい。
本発明の有機EL素子に含有される有機シラン化合物について説明する。
本発明において有機シラン化合物は多環式縮合芳香族炭化水素骨格(以下、単に多環骨格という)に機能性基および特定のシリル基を有してなるものである。機能性基およびシリル基はそれぞれ後述の一般式(I)で表される有機シラン化合物が有し得る機能性基およびシリル基と同様である。
−SiX1X2X3 (i)
で表されるシリル基(以下、単にシリル基という)であり、少なくとも1個の基は機能性基であり、他の基は水素原子である。mが2以上のとき、全てのR7およびR8はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられるが、反応性を考慮すると、好ましくは塩素原子である。
シリル基が加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原子を2以上有する場合、それらの基は一部または全部が同一でも異なっていてもよい。
シクロアルキル基は炭素数4〜8、特に5〜7のものが好ましく、具体例としてシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基が挙げられる。
ジアリールアミノ基は、2個の水素原子がアリール基で置換されてなるアミノ基であり、含まれるアリール基は上記と同様である。ジアリールアミノ基の具体例として、例えば、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(ビフェニリル)アミノ基、N,N−ジ(テルフェニリル)アミノ基、N−フェニルN−ビフェニリルアミノ基、N−フェニルN−テルフェニリルアミノ基、N−ビフェニリルN−テルフェニリルアミノ基、N,N−ジナフチルアミノ基、N−フェニルN−ナフチルアミノ基、N−ビフェニリルN−ナフチルアミノ基、N−テルフェニリルN−ナフチルアミノ基、N−メチルフェニル−N−ビフェニリルアミノ基、N−メチルフェニル−N−ナフチルアミノ基、N−メチルフェニル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジ(メチルフェニル)アミノ基等が挙げられる。
アルコキシ基は炭素数1〜6、特に3〜4のものが好ましく、直鎖状または分枝状いずれのものでもよいが、より好ましくは分枝状のものである。好ましい具体例として2−プロピルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基などが挙げられる。
オキシアリール基は、水酸基の水素原子がアリール基で置換されてなる基であり、含まれるアリール基は、シリル基が有し得る「隣接分子と反応することのない基」としてのアリール基と同様である。オキシアリール基の具体例として、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニリルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
エステル基は−COOR'あるいは−OCOR’(R'はアルキル基またはアリール基であり、それらはそれぞれ「隣接分子と反応することのない基」としてのアルキル基またはアリール基と同様である)で表される基である。具体例として、例えば、−COOCH3、−COOCH2CH3、−COO(CH2)2CH3、−COOCH(CH3)2、−COO(CH2)3CH3、−COOCH(CH3)CH2CH3、−COOC(CH3)3、−COOPh、−COO(Ph)2、−COO(Ph)3、−OCOCH3、−OCOCH2CH3、−OCO(CH2)2CH3、−OCOCH(CH3)2、−OCO(CH2)3CH3、−OCOCH(CH3)CH2CH3、−OCOC(CH3)3、−OCOPh、−OCO(Ph)2、−OCO(Ph)3、(Phはフェニル基)等が挙げられる。
一般式(II)のアセン骨格の好ましい具体例として、例えば、フェナントレン骨格、クリセン骨格、ピセン骨格等が挙げられる。
一般式(III)のアセン骨格の好ましい具体例として、例えば、ピレン骨格、アントアントレン骨格等が挙げられる。
本発明の有機シラン化合物は、例えば、多環骨格含有分子に機能性基およびシリル基を導入することによって合成可能である。
具体的には、例えば、機能性基がアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ジまたはトリアリールアルキル基の場合には当該機能性基を有するグリニャール試薬が使用可能である。また例えば、機能性基がジアリールアミノ基の場合にはジアリールアミンが使用可能である。また例えば、機能性基がアルコキシ基、オキシアリール基の場合にはそれらの基を有するアルコールが使用可能である。また例えば、機能性基がハロゲン化アルキル基の場合にも、当該機能性基を有するグリニャール試薬が使用可能である。また例えば、機能性基がニトリル基、ニトロ基、エステル基の場合には、原料化合物からの合成過程にて付与し、かつ、その後の反応経路を穏やかなルートにする手法が使用可能である。なお、穏やかな反応経路を選択できない場合には、その反応の前後に、保護/脱保護反応を利用することができる。保護/脱保護反応に用いる保護基とは、たとえばトリメトキシシリル基があげられる。
X4−SiX1X2X3
(式中、X1〜X3は前記と同様である;X4は水素原子またはハロゲン原子、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは水素原子または塩素原子である)で表されるシラン誘導体(以下、単にシラン誘導体という)と反応させることによって導入可能である。所定部位が既にハロゲン化されているにはハロゲン化の必要はない。
本発明の有機EL素子は通常、基板上に陽極、各有機薄膜層および陰極を順次積層してなっている。
基板材料については特に制限はないが、基板側から発光光を取り出すことを考慮すると、透明あるいは半透明材料が好ましい。したがって、例えば、非晶質の性質を有するガラスまたはプラスチック使用することが好ましく、用途によっては金属またはウェハー(wafer)のように適切な機械強度及び表面平坦度を有する基板を使用することができる。
有機シラン化合物を含有するか否かにかかわらず、発光層、電子輸送層および正孔輸送層の厚みは特に制限されず、通常はそれぞれ独立して1〜500nmであればよい。
有機シラン化合物を含有する有機薄膜層は、所定の物質を用いて、以下に示す方法によって形成可能である。
有機シラン化合物を含有する有機薄膜層は、発光層、電子輸送層または正孔輸送層のいずれの層であっても、溶液プロセスを含む方法によって、被形成層上に化学結合を介して結合されながら、非晶質膜として形成可能である。被形成層とは有機シラン化合物含有層が形成されるべき層を意味するものとする。例えば、前記構成(1)において発光層に有機シラン化合物を含有させる場合は被形成層は陽極を指す。また例えば、前記構成(2)において正孔輸送層に有機シラン化合物を含有させる場合は被形成層は陽極を指す。また例えば、前記構成(3)および(4)において電子輸送層に有機シラン化合物を含有させる場合は被形成層は発光層を指す。
機構A1;有機シラン化合物(シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子は有機溶剤中にわずかに含まれる水分子によって加水分解されて水酸基に変換され、当該水酸基と被形成層の水酸基との間で脱水反応が起こる。
機構B1;有機シラン化合物(シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子と被形成層の水酸基との間でそれぞれ、脱アルコール反応あるいは脱ハロゲン化水素反応が起こる。
それらの結果としてシリル基のケイ素原子と被形成層とはエーテル結合(−O−)を介して化学的に結合されると考えられる。
このような機構による成膜は化学吸着法のみならず、スピンコート法、ディッピング法等、他の溶液プロセスによっても容易に達成できる。
機構C1;有機シラン化合物(シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子は、溶液が滴下される水によって加水分解されて水酸基に変換され、当該水酸基と被形成層の水酸基との間で脱水反応が起こる。
それらの結果としてシリル基のケイ素原子と基板とはエーテル結合(−O−)を介して化学的に結合されると考えられる。
機構A2;有機シラン化合物(シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子は有機溶剤中にわずかに含まれる水分子によって加水分解されて水酸基に変換され、当該水酸基と被形成層のカルボキシル基との間で脱水反応が起こる。
機構B2;有機シラン化合物(シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子と被形成層のカルボキシル基との間でそれぞれ、脱アルコール反応あるいは脱ハロゲン化水素反応が起こる。
機構C2(LB法による場合);有機シラン化合物(シリル基)が有するアルコキシ基あるいはハロゲン原子は、溶液が滴下される水によって加水分解されて水酸基に変換され、当該水酸基と被形成層のカルボキシル基との間で脱水反応が起こる。
それらの結果としてシリル基のケイ素原子と被形成層とはエステル結合[ケイ素原子側:−O−C(=O)−:基板側]を介して化学的に結合されると考えられる。なお、エステル結合には構造上、エーテル結合(−O−)が含まれるため、本発明において、有機シラン化合物がエーテル結合を介して被形成層と結合するとは、エステル結合を介して結合する場合も包含されるものとする。
詳しくは、有機シラン化合物を有機溶剤に溶解する。得られた溶液中に、水酸基あるいはカルボキシル基を表面に有する被形成層を含む基体を浸漬して、引き上げる。あるいは、得られた溶液を被形成層表面に塗布する。その後、有機溶剤で洗浄し、水洗し、放置するか加熱することにより乾燥して、薄膜を定着させる。この薄膜にはさらに電解重合等の処理を施してもよい。
(準備例1)
合成例1及び合成例4で用いる2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンはルートA4あるいはルートA5の第1反応式に従い、以下の方法により合成した。
詳細には、まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた200mlガラスフラスコに、マグネシウム0.4M、HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide)100mL、THF20mL及びI2(触媒)、1,2,4,5−テトラクロロベンゼン(例えばキシダ化学より純度99%で購入できる)0.1Mを加えた後、温度80℃にて、クロロトリメチルシラン0.4Mを滴下し、30分間攪拌した後、130℃にて4日間還流させることにより、1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンを合成した。続いて、200mLナスフラスコに、i−Pr2NH20mM、PhI(OAc)2[(ジアセトキシヨード)ベンゼン((diacetoxyiodo)benzene)]50mM、ジクロロメタン50mLを加えた後、0℃にてCF3CO2H(TfOH)50mMを滴下し、2時間攪拌した。続いて前記1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼン50mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、室温にて2時間攪拌することにより、フェニル[2,4,5−トリス(トリメチルシリル)フェニル]ヨードニウム トリフレート(phenyl[2,4,5−tris(trimethylsilyl)phenyl]iodonium Triflateを)合成した。さらに続いて、50mLナスフラスコに、Bu4NF2.0MのTHF溶液を仕込み、前記フェニル[2,4,5−トリス(トリメチルシリル)フェニル]ヨードニウム トリフレート5mM及び3,4−ジ(トリメチルシリル)フラン10mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ジクロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行うことで、1,4−ジヒドロ−1,4−エポキシナフタレン誘導体を合成した。その後、前記1,4−ジヒドロ−1,4−エポキシナフタレン誘導体をヨウ化リチウム1mM,DBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)10mMを含むTHF溶液10mLを、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた50mlガラスフラスコに仕込み、前記1,4−ジヒドロ−1,4−エポキシナフタレン誘導体1mMを加えた後、窒素雰囲気下にて3時間還流させることで、反応を進行させた。反応終了後、抽出及びMgSO4による水分除去を行うことで、標記の2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを合成した。
3−トリエトキシシリル−6,8,9,11−テトラ−t−ブチルテトラセンの合成
3−トリエトキシシリル−6,8,9,11−テトラ−t−ブチルテトラセンはルートA4に従い、2,3,7,8−テトラ(トリメチルシリル)−6,9−(tert−ブチル)−アントラセンを合成し、次いで、前記ルートC2に従って、トリメチルシリル基を4級アンモニウムを用いて脱保護させ、シラン化合物と反応させることによって、合成した。
より詳細には以下の手法により合成した。まず、前記準備例1で合成した2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを出発原料として使用し、合成手法は、3,4−ジ(トリメチルシリル)フランの代わりに、2,5−(tert−ブチル)−3,4−ジ(トリメチルシリル)フランを使用することを除き、準備例1の、1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンから2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを合成する手法と同様の手法にて2,3,7,8−テトラ(トリメチルシリル)−6,9−(tert−ブチル)−アントラセンを合成した。さらに、2,5−(tert−ブチル)−3,4−ジ(トリメチルシリル)フランの代わりに、3,4−(tert−ブチル)フランを使用することを除き、本合成例の2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンから2,3,7,8−テトラ(トリメチルシリル)−6,9−(tert−ブチル)−アントラセンを合成する手法と同様の手法を適用することより、下記構造式(A)にて表される2,3−ジ(トリメチルシリル)−6,8,9,11−テトラ(tert−ブチル)テトラセンを合成した。
さらに、化合物の核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
(8.0ppm〜7.3ppm)(m)(7H;テトラセン骨格由来)
(3.9ppm〜3.7ppm)(m)(6H;シリル基のエチル基由来)
(1.6ppm〜1.1ppm)(m)
(45H;t−ブチル基及びシリル基のメチル基由来)
これらの結果から、この化合物が3−トリエトキシシリル−6,8,9,11−テトラ−t−ブチルテトラセンであることを確認した。
3−ジ−t−ブチルメトキシシリル−9−ジフェニルメチルペンタセンの合成
3−ジ−t−ブチルメトキシシリル−9−ジフェニルメチルペンタセンは前記ルートD2の手法により合成した。即ち、クロロジフェニルメタンを当量のマグネシウムと反応させることによって、グリニヤール試薬を形成した後に、ブロモペンタセンを含むニトロベンゼン中に前記グリニヤール試薬を徐々に添加することによって、9−ジフェニルメチルペンタセンを合成した。続いて、NBSを用いて3−ブロモ−9−ジフェニルメチルペンタセンを形成させたのちにニトロベンゼン中に溶解させたH−Si(C(CH3)3)2OCH3と反応させることによって、3−ジ−t−ブチルメトキシシリル−9−ジフェニルメチルペンタセンを合成した。
より詳細には、まず、所定量のクロロジフェニルメタンを含む、例えばクロロホルム溶液中に、マグネシウムを加えることによって、グリニヤール試薬を形成させた。続いて、9−ブロモペンタセンのクロロホルム溶液をゆっくりと加えることによって、9−ジフェニルメチルペンタセンを形成した。つづいて、例えばNBSを用いて前記9−ジフェニルメチルペンタセンをブロモ化した後に、3位以外がブロモ化された化合物を抽出により除去することによって、3−ブロモ−9−ジフェニルメチルペンタセンを得た。更に、クロロジ(tert−ブチル)メトキシシランをクロロホルム中に溶解させ、その溶液を、前記3−ブロモ−9−ジフェニルメチルペンタセンを含むクロロホルム溶液に加えることによって反応させ、標記化合物を合成した(収率10%)。
さらに、化合物の核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
(8.4ppm〜8.2ppm)(m)(2H:ペンタセン骨格由来)
(7.9ppm〜7.5ppm)(m)
(20H:ペンタセン骨格及びジアリールアルキル基のベンゼン環由来)
(5.4ppm〜5.3ppm)(m)(1H:ジフェニルエチル基のエチル基由来)
(3.6ppm〜3.5ppm)(m)(3H:シリル基のメチル基由来)
(1.5ppm〜1.2ppm)(m)(18H:シリル基のt−Bu基由来)
これらの結果から、この化合物が3−ジ−t−ブチルメトキシシリル−9−ジフェニルメチルペンタセンであることを確認した。
1,4,8,11−テトラニトロ−2−ジ−t−ブチルエトキシシリル−ペンタセンは以下の手法により合成した。すなわち、まず、1,2,4,5−テトラクロロベンゼンから、2,3−ジ(トリクロロシリル)6,7−ジニトロナフタレンを合成し、例えばトリメチルシリル基のような保護基をニトロ基に反応させた後、順次アセン骨格数を増加させ、その後保護基を脱保護させることにより標記の化合物を合成した。
詳細には、まず、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた200mlガラスフラスコに、マグネシウム0.4M、HMPT(Hexamethyl phosphorous triamide)100mL、THF20mL及びI2(触媒)、1,2,4,5−テトラベンゼン(例えばキシダ化学より純度99%で購入できる)0.1Mを加えた後、温度80℃にて、クロロトリメチルシラン0.4Mを滴下し、30分間攪拌した後、130℃にて4日間還流させることにより、1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンを合成した。続いて、200mLナスフラスコに、i−PrNH20mM、PhI(OAc)2((diacetoxyiodo)benzene)50mM、ジクロロメタン50mLを加えた後、0℃にてCF3CO2H(TfOH)50mMを滴下し、2時間攪拌した。続いて前記1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼン50mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、室温にて2時間攪拌することにより、phenyl[2,4,5−tris(trimethylsilyl)phenyl]iodonium Triflateを合成した。さらに続いて、50mLナスフラスコに、Bu4NF2.0MのTHF溶液を仕込み、前記phenyl[2,4,5−tris(trimethylsilyl)phenyl]iodonium Triflate5mM及び3,4−ジニトロフラン10mMを含むジクロロメタン溶液10mLを0℃にて滴下し、30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ジクロロメタン及び水にて抽出を行ない、カラムクロマトグラフにて精製を行うことで、1,4−dihydro−1,4−epoxynaphthalene誘導体を合成した。その後、前記1,4−dihydro−1,4−epoxynaphthalene誘導体をヨウ化リチウム1mM,DBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]undec−7−ene)10mMを含むTHF溶液10mLを、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた50mlガラスフラスコに仕込み、前記1,4−dihydro−1,4−epoxynaphthalene誘導体1mMを加えた後、窒素雰囲気下にて3時間還流させることで、反応を進行させた。反応終了後、抽出及びMgSO4による水分除去を行うことで、2,3−ジ(トリクロロシリル)6,7−ジニトロナフタレンを合成した。続いて、3,4−ジニトロフランを使用する変わりに、3,4−ジ(トリメチルシリル)フランを使用することを除き、上記の1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンから2,3−ジ(トリメチルシリル)6,7−ジニトロナフタレンを合成する手法と同様の手法を2回適用することによって、2,3−(トリメチルシリル)7,10−ジニトロテトラセンを合成した。さらに続いて、3,4−ジニトロフランを使用する変わりに、3−(トリメチルシリル)4−(オキシトリメチルシリル)フランを使用することを除き、上記の1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンから2,3−ジ(トリメチルシリル)6,7−ジニトロナフタレンを合成する手法と同様の手法を1回適用し、2−(オキシトリメチルシリル)3−(トリメチルシリル)1,4,8,11−テトラニトロペンタセンを合成した後、前記2−(オキシトリメチルシリル)3−(トリメチルシリル)1,4,8,11−テトラニトロペンタセン1mMを少量の水及びPhNMe3Fを含むTHF溶媒に溶解させた後、攪拌することで、2−ヒドロキシ1,4,8,11−テトラニトロペンタセンを合成した。さらに、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコに窒素雰囲気下にて、水素化ジ(tert−ブチル)エトキシシラン5mM、THF30mlを仕込み、氷冷したのち、乾燥THF5ml、前記2−ヒドロキシ1,4,8,11−テトラニトロペンタセン5mMを加え、30℃にて1時間成熟を行うことによって、標記の1,4,8,11−テトラニトロ−2−ジ−t−ブチルエトキシシリル−ペンタセンを合成した。
さらに、化合物の核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
(8.1ppm〜8.0ppm)(s)(1H:ペンタセン由来)
(7.9ppm〜7.8ppm)(m)(8H:ペンタセン由来)
(3.6ppm〜3.5ppm)(m)(6H:シリル基のエチル由来)
(1.4ppm〜1.3ppm)(m)
(27H:シリル基のt−Bu基およびメチル基由来)
これらの結果から、この化合物が1,4,8,11−テトラニトロ−2−ジ−t−ブチルエトキシシリル−ペンタセンであることを確認した。
2,3−ジ(ジ−t−ブチルメトキシシリル)−6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンの合成
2,3−ジ(ジ−t−ブチルメトキシシリル)−6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンは、以下の手法により合成した。まず、1,2,4,5−テトラクロロベンゼンを出発原料として用いて前記ルートA5に従って中間体Bを合成した。
より詳細には、合成例1と同様に以下の手法により合成した。まず、前記準備例1で合成した2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを出発原料として使用し、合成手法は、3,4−ジ(トリメチルシリル)フランの代わりに、2,5−(N,N−ジフェニルアミノ)−3,4−ジ(トリメチルシリル)フランを使用することを除き、準備例1の、1,2,4,5−テトラ(トリメチルシリル)ベンゼンから2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンを合成する手法と同様の手法にて2,3,7,8−テトラ(トリメチルシリル)−6,9−(N,N−ジフェニルアミノ)−アントラセンを合成した。さらに、2,5−(N,N−ジフェニルアミノ)−3,4−ジ(トリメチルシリル)フランの代わりに、フランを使用することを除き、本合成例の2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンから2,3,7,8−テトラ(トリメチルシリル)−6,9−(N,N−ジフェニルアミノ)−アントラセンを合成する手法と同様の手法を適用することで、2,3−ジ(トリメチルシリル)ー6,11−(N,N−ジフェニルアミノ)テトラセンを合成した後、さらに、本合成例の2,3,6,7−テトラ(トリメチルシリル)ナフタレンから2,3,7,8−テトラ(トリメチルシリル)−6,9−(N,N−ジフェニルアミノ)−アントラセンを合成する手法と同様の手法を再度適用することより、上記構造式(B)にて表される2,3,9.10ーテトラ(トリメチルシリル)−6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンを合成した。続いて、前記2,3,9.10ーテトラ(トリメチルシリル)−6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセン1mMを少量の水及びPhNMe3Fを含むTHF溶媒に溶解させた後、攪拌することで、6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンを合成した。さらに、窒素雰囲気下にて、200mlナスフラスコに乾燥THF5ml、前記6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンを5mM、マグネシウムを加えた後、1時間攪拌することにより、グリニヤール試薬を形成したのち、攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロートを備えた100mlナスフラスコにクロロ−ジ(tert−ブチル)メトキシシラン5mM、THF30mlを仕込み、氷冷したのち、前記グリニヤール試薬を加え、30℃にて1時間成熟を行った。次いで、反応液を減圧にてろ過し、塩化マグネシウムを除いた後、ろ液からTHF及び未反応のクロロジ(tert−ブチル)メトキシシランをストリップすることにより標記化合物を10%の収率で得た。
さらに、化合物の核磁気共鳴(NMR)測定を行った。
(8.2ppm)(s)(2H:ペンタセン由来)
(8.0ppm〜7.9ppm)(m)(6H:ペンタセン由来)
(7.2ppm〜7.0ppm)(m)(16H:ジフェニルアミノ基由来)
(6.8ppm〜6.3ppm)(m)(24H:ジフェニルアミノ基由来)
(3.6ppm〜3.5ppm)(m)(6H:シリル基のメトキシ基由来)
(1.4ppm〜1.3ppm)(m)(36H:シリル基のt−Bu基由来)
これらの結果から、この化合物が2,3−ジ(ジ−t−ブチルメトキシシリル)−6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンであることを確認した。
(実施例1)
まず、ガラス基板を有機溶媒(例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超音波洗浄した後、100W、5分間プラズマアッシングを行った。続いて、この基板上にRFスパッタ法にてITO透明電極薄膜を150nmの厚さに成膜し、パターニングした。この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を5.0×10-6Torrまで減圧した後、正孔輸送層としてTPDを50nm厚でITO透明電極上に蒸着し、さらに発光層としてAlq3を50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。続いて、過酸化水素:硫酸=1:4の溶液中に、前記基板を15分間浸漬し、表面を親水化処理した。一方、合成例2で得られた3−ジ−t−ブチルメトキシシリル−9−ジフェニルメチルペンタセンをクロロホルム溶媒に溶解させ、2mMの試料溶液を作成しておき、続いてトラフ中の水面上に、試料溶液を所定量(100μl)滴下し、水面上に前記化合物の単分子膜(L膜)を形成させた。この状態で水面上に圧力を加え、所定の表面圧(30mN/cm2)とした後に、予めセットしておいた前記発光層まで積層した基板を一定速度で引き上げることによって、発光層上に電子輸送層を形成した。さらに、陰極としてMgAgを200nm厚で電子輸送層上に蒸着することによって、有機EL素子を製造した。
このようにして構築した有機EL素子は、特に発光層と電子輸送層との界面が化学結合を介して強固に結合されているため、電子輸送効率が高く、したがって駆動電圧を小さくすることが可能である。構築した有機EL素子は3500cd/m2の最大放出が11.5Vの印加電圧にて確認された。
まず、ガラス基板を有機溶媒(例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超音波洗浄した後、100W、5分間プラズマアッシングを行った。続いて、この基板上にRFスパッタ法にてITO透明電極薄膜を150nmの厚さに成膜し、パターニングした。続いて、過酸化水素:硫酸=7:3の溶液中に、前記基板を15分間浸漬し、表面を親水化処理した。一方、合成例3で得られた1,4,8,11−テトラニトロ−2−ジ−t−ブチルエトキシシリル−ペンタセンをクロロホルム溶媒に溶解させることによって、2mMの試料溶液を調製し、前記陽極まで積層した基板を浸漬することによって、陽極上に正孔輸送層を形成した。この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を7.0×10-6Torrまで減圧した後、発光層としてAlq3を50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。さらに、陰極としてMgAgを200nm厚で正孔輸送層上に蒸着することによって、有機EL素子を製造した。
このようにして構築した有機EL素子は、特に陽極と正孔輸送層との界面が化学結合を介して強固に結合されているため、正孔輸送効率あるいは電子輸送効率が高く、したがって駆動電圧を小さくすることが可能である。構築した有機EL素子は3300cd/m2の最大放出が12.0Vの印加電圧にて確認された。
まず、ガラス基板を有機溶媒(例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超音波洗浄した後、100W、5分間プラズマアッシングを行った。続いて、この基板上にRFスパッタ法にてITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を5.0×10-6Torrまで減圧した後、正孔輸送層としてTPDを50nm厚でITO透明電極上に蒸着し、さらに発光層としてAlq3を50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。続いて、過酸化水素:硫酸=1:4の溶液中に、前記基板を15分間浸漬し、表面を親水化処理した。一方、合成例4で得られた2,3−ジ(ジ−t−ブチルメトキシシリル)−6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンをクロロホルム溶媒に溶解させ、2mMの試料溶液を作成しておき、続いてトラフ中の水面上に、試料溶液を所定量(100μl)滴下し、水面上に前記化合物単分子膜(L膜)を形成させた。この状態で水面上に圧力を加え、所定の表面圧(25mN/cm2)とした後に、予めセットしておいた前記発光層まで積層した基板を一定速度で引き上げることによって、発光層上に電子輸送層を形成した。さらに、陰極としてMgAgを100nm厚で電子輸送層上に蒸着することによって、有機EL素子を製造した。
このようにして構築した有機EL素子は、特に発光層と電子輸送層との界面が化学結合を介して強固に結合されているため、電子輸送効率が高く、したがって駆動電圧を小さくすることが可能である。構築した有機EL素子は4500cd/m2の最大放出が10.5Vの印加電圧にて確認された。
まず、ガラス基板を有機溶媒(例えばアセトンやイソプロピルアルコール)中にて超音波洗浄した後、100W、5分間プラズマアッシングを行った。続いて、この基板上にRFスパッタ法にてITO透明電極薄膜を100nmの厚さに成膜し、パターニングした。この状態にて、真空蒸着装置に導入し、槽内を5.0×10−6Torrまで減圧した後、正孔輸送層としてTPDを50nm厚でITO透明電極上に蒸着し、さらに発光層としてAlq3を50nm厚で正孔輸送層上に蒸着した。続いて、合成例4の中間体である6,8,11,13−テトラ(N,N−ジフェニルアミノ)ペンタセンを、真空蒸着法により、発光層上に電子輸送層として10nm形成した。さらに、陰極としてMgAgを100nm厚で電子輸送層上に蒸着することによって、有機EL素子を製造した。
このようにして構築した有機EL素子は15.0Vの印加電圧までの範囲にて、1000Cd以上の発光が確認できなかった。
本比較例では、発光層及び電子輸送層の間が物理吸着を介した結合であり、電子移動が非効率的であることが原因である。つまり、本発明の有機EL素子のように、層間で化学結合を介すると、低い印加電圧にて高い発光効率が得られることが確認できた。
Claims (7)
- 陽極と陰極との間に1またはそれ以上の有機薄膜層を有し、少なくとも1の有機薄膜層が化学結合を介して陽極、陰極または他の有機薄膜層と結合していることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 陽極と陰極との間に1またはそれ以上の有機薄膜層を有する構成が、陽極−発光層−電子輸送層−陰極の構成または陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極の構成であり、電子輸送層が化学結合を介して発光層と結合していることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 陽極と陰極との間に1またはそれ以上の有機薄膜層を有する構成が、陽極−正孔輸送層−発光層−陰極の構成または陽極−正孔輸送層−発光層−電子輸送層−陰極の構成であり、正孔輸送層が化学結合を介して陽極と結合していることを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 化学結合を介して結合する有機薄膜層が、多環式縮合芳香族炭化水素骨格に一般式;
−SiX1X2X3
(式中、X1〜X3のうち少なくとも1個の基は加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原子であり、他の基は隣接分子と反応することのない基である)
で表されるシリル基と機能性基を有する有機シラン化合物を含んでなり、
該有機シラン化合物が、シリル基の有する加水分解により水酸基を与える基もしくはハロゲン原子が変換されてなるエーテル結合を介して、陽極、陰極または他の有機薄膜層と結合していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。 - シリル基が有し得る隣接分子と反応することのない基が、置換または無置換のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ジアリールアミノ基、もしくはジまたはトリアリールアルキル基であることを特徴とする請求項4または5に記載の有機エレクトロルミネッセンス。
- R1またはR2のうちの少なくとも一方の基がシリル基であり、R3はR4と、R5はR6と、R7はR8と、R9はR10と、それぞれ同一の基であることを特徴とする請求項5または6に記載の有機エレクトロルミネッセンス。
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