JP2005267289A - クロック信号分配装置 - Google Patents

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Hatsuhiro Kato
加藤初弘
Hidekazu Kondo
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Abstract

【課題】高周波のクロックを集積回路などの回路ブロックに伝達する方式として,クロックの伝達遅延や配線などからの電磁誘導ノイズの発生を伴わない方式を実現する。
【解決手段】少なくとも2つの対向する電極から構成された共鳴装置内に,電磁波の定在波を形成し,定在波による振動を伝達遅延がないクロック信号として発生させる。電磁波は電極で構成された共鳴装置内に存在し,共鳴装置の外に漏れず,電磁誘導ノイズの発生が抑えられる。共鳴装置に電磁波のエネルギーを供給する駆動装置として,共鳴装置に隣接して設けた電極をガンダイオードなどで振動させる。また,共鳴装置からクロック信号あるいはこの元となる信号を取り出す伝達装置として,前記共鳴装置の電極に導波路を接続して用いる。
【選択図】図1


Description

この発明は,高速なクロックを集積回路などのシステムを構成する回路ブロックに分配する方式に関する。
集積回路などのシステムは,クロック信号によって各回路ブロック間が同期しながら動作している。このクロック信号の周波数はシステムの処理速度を決める重要な因子である。回路ブロックが同期して動作するためには,システム上の隅々まで一様なクロックを分配する必要があるが,クロック周波数が増しその周期と配線の伝達遅延が同程度になると,空間的に離れた回路ブロック間の位相を揃えることが困難になる。
従来の集積回路技術ではクロックの位相を揃える方法として,例えば図7に示すように構成された例が知られている。図7においてクロックを分配する配線は幾何学的配置に高い対称性を持ち,駆動ゲートDrから8点ある配線の末端すなわちP1,P2,・・・,P8までの長さが全て同一となるように形成されている。このことにより,クロック用の配線に伝達遅延があったとしても,各末端まで同じ時間遅れで信号が伝達される。
さらに,配線末端の一点から得た信号と外部から入力するクロック信号を比較し,駆動ゲートDrの動作を制御する位相補償回路PLLを設けることで,クロックの入力信号と配線末端の信号の位相を揃える方式がとられている。このとき,クロック配線は集積回路全体にわたり大きな遅延を生じるので,配線をいくつかの部分に分割して駆動する方法すなわち多段駆動方式が取られる場合もある。
他の従来技術として特許第2998690号に記載されたものの概要を図8に示す。この技術は,クロック信号を電磁波として発生源81から放射し半導体基板21の上に設けられたアンテナ82に依って受信させるものである.この方式ではクロック信号を電磁波に依って伝達するために伝達遅延は,電磁波の伝達時間のみとなり配線遅延による伝達遅延がない。
特許第2998690号 特開2002−134809号公報
配線を用いてクロック信号を分配する場合,当該配線の表面近くに電流が集中する様になる。この厚さすなわち表皮の厚さ
Figure 2005267289
は,クロック周波数をf,配線の抵抗率をp,透磁率を
Figure 2005267289
とすると
Figure 2005267289
で与えられることが知られている。ここで,
Figure 2005267289
は円周率である。銅配線を用いクロック周波数が10GHzである場合,表皮の厚さ
Figure 2005267289

Figure 2005267289
となり現在の典型的な技術である集積回路で使用されている配線厚と同程度となる。
このことからクロック信号の周波数が10GHz以上になると,表皮効果のため配線抵抗の著しい増加が生じるために,クロック信号の伝達遅延が増加とするとともに信号の減衰が生じる。さらに,クロック周波数が増加すると信号配線からの誘導イズが発生するようになる。クロック配線がシステムの至る所に設けられていることから,この誘導イズはシステムの誤動作の原因となり得る深刻な問題である。
クロックの伝達方法として例えば図8に示した公知例の様に,金属配線の代わりに電磁波を用いて伝達する方法もある。しかし,この公知例の方式では周波数が高くなると電磁波の指向性が高まり電磁波を集積回路全体に伝達することが難しくなるという問題点がある。こればかりか,周辺環境からの反射に依って電磁波に不用意な干渉が生じるために安定した周波数と振幅を持つクロックを供給できないという問題がある。
以上説明したように従来のクロック分配システムにあっては,クロック周波数が増大すると,信号伝達の遅延・減衰および誘導ノイズなどの問題が生じる。また,電磁波を用いてクロックを伝達したとしても電磁が干渉を起こすという問題が生じる。
本発明はこれらの問題に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,集積回路の様な大規模システムの至る所に位相が揃ったクロックをノイズの発生を抑えつつ分配する方式を提供する事にある。
前記目的を達成するために請求項1記載の発明は,駆動装置を用い電磁波のエネルギーを発生し共鳴装置内に伝達し,前記電磁波を前記共鳴装置内で共鳴させることにより定在波を形成する。更に,前記共鳴措置内の定在波から伝達装置を用いることに依って共鳴装置の外部に電圧あるいは電流が変動する信号として伝達する。
前記共鳴装置内に形成される電磁波の定在波は,高調波成分を除くと空間的に一様に振動するので,空間的に離れた回路ブロック間の同期を取ることが可能であるばかりではなく共鳴装置の形状によりクロックの周波数を調整することが可能である。
例えば図2に示す一実施例の様に,共鳴装置が箱型の形状を有しておりその寸法がa, b,cで,電磁波の定在波が持つ腹の個数がa方向に1個,b方向に0個,c方向に3個の場合,定在波の周波数fが
Figure 2005267289
で与えられることを,電磁波が従うマックスウェルの方程式から導出できる。ここに,
Figure 2005267289

Figure 2005267289
はそれぞれ電極の間に占める物質の誘電率と透磁率である。この事は,共鳴装置の寸法を調整することで定在波の周波数を調整し得ることを示している。
前記共鳴装置の空間の体積を増加させると,この空間内の電磁波のエネルギーが増加するので,電極において抵抗によるエネルギーの消費があったとしてもの伝達距離を長くすることが可能である。
前記共鳴装置における定在波が持つ周波数の変動は,係る共鳴装置を強制振動したときに定在波の振幅が半減する周波数の間隔即ち半値幅
Figure 2005267289
で見積もることができる。請求項1に示す発明に於いて,共鳴装置の形状が図2に示す一実施例のように箱型でその寸法がa,b,cである場合,この半値幅
Figure 2005267289
は,
Figure 2005267289
で与えられる。係る関係式は,共鳴装置における電磁波の振幅が従う関係を,前記周波数fで強制振動させた調和振動子に等価的に対応させることで導いたものであり,
Figure 2005267289
はクロック周波数の変動量に対応する。
ここで,
Figure 2005267289
は共鳴装置の中に蓄えられる電磁波のエネルギーと電極で消費されるエネルギーとの比であり,マックスウェル方程式と電極におけるオームの法則を用いることで求めることが可能である。
共鳴装置が箱型でその幅がa=13.3mm 奥行きがc=16mmであり銅の電極と図2に示した実施例の様に隔壁を有する場合を前提として電磁波に関する有限要素法から数値解析によりQを求め,前記
Figure 2005267289
と共鳴装置の厚さbの関係を求めた一例を図9に示す。このとき,定在波の周波数fは,関係式
Figure 2005267289
によって27GHzであることが分かる。厚さbを
Figure 2005267289
以上にすると,クロックの周波数の変動を共鳴周波数fの10%以内に抑えるとこが可能である。
前記共鳴装置に電磁波のエネルギーを供給するための装置が請求項1記載の駆動装置であり,前記共鳴装置内の電磁波の定在波からクロック信号を取り出す装置が請求項1記載の伝達装置である。
請求項2記載の発明は,電磁波を共鳴させるために少なくとも2つの対向する電極で共鳴装置を構成する。前記電極で挟まれた空間は,非伝導性の物質例えば二酸化ケイ素・エポキシ樹脂・空気などが充填されているかあるいは真空であるとする。
前記共鳴装置の主な機能は,電極の境界で電磁波を反射させることにより定在波を形成することにある。係る機能を達成するために前記電極の境界は,開放端であっても良いし伝導性材料例えば銅・アルミニウム・銀などによって形成された側壁または柱の列で形成された短絡端であっても良い。前記電極の境界を開放端にすると,係る境界において電磁波の定在波に腹を持たせ,短絡端であれば節を持たせる事が出来る。係る手段を以て定在波の形状を制御することが可能である。
前記電極の境界を図2に示す一実施例の様に導電性材料の側壁で形成した場合,その表面に流れる電流を図6に示した。図6は,共鳴装置の内部に電磁波の定在波が存在している場合に,共鳴装置の電極および側壁において流れる電流の向きをベクトル図で示したものである。この電流の分布は,電極が完全導体である場合に共鳴装置内の磁場をマックスウェルの方程式によって求め,更に電極表面におけるこの磁場の回転として導出したものである。図6に示すように側壁に流れる電流の向きは2つの電極の間を直線的に結ぶ線に沿って流れる。
従って,前記電極の境界を短絡する際に,伝導材料の柱を並べて側壁の替わりに用いることも可能である。この場合,電流の流れる方向と柱の向きが一致しているので電流の流れに大きな影響を与える恐は無く,連続的な側壁と同じ機能を伝導材料の柱が果たす。
請求項3記載の発明は,請求項1記載の共鳴装置に電磁波のエネルギーを供給するための駆動装置に関するものである。その構成は,対向する伝導性の材料例えば銅・アルミニウム・銀などからなる緩衝用電極を前記共鳴装置を構成する電極に隣接して設置するとともに,共鳴装置と駆動装置の電極の接触部分で電磁波の反射が生じるように,前記接触部分の一部を隔壁で分離するかあるいは幾何学的に間隔を設ける。また,前記緩衝電極の一部に接続され時間的に振動する電圧あるいは電流を供給する装置例えばガンダイオードあるいはガリウム砒素基板上に形成された高周波発振装置などからなる。
前記緩衝用電極の一部に前記共鳴装置の共鳴周波数に概ね一致する周波数を持って変動する電圧あるいは電流を例えばガンダイオードで印加することにより,前記緩衝用電極間に電磁波を注入することができる。ここで,共鳴周波数に概ね一致する周波数とは,前記共鳴装置が持つ共鳴振幅の半期幅程度の中に納まる周波数を示す。
一般的に緩衝電極間に存在する電磁波の周波数は多くの高調波成分を持つので,このまま前記共鳴装置に伝達すると共鳴状態が安定しない。このことを避けるために,前記緩衝用電極の長さ即ち電流あるいは電圧を与える点と共鳴装置との間隔を,電磁波が概ね前記共鳴装置の共鳴周波数で振動する長さに設定する。この為の長さは例えば緩衝用電極と共鳴装置が隔壁で隔てられている場合,共鳴装置内に存在する定在波の波長の半分あるいは1.5倍などである。
請求項4記載の発明は,請求項1記載の共鳴装置内から外部にクロック信号を取り出す機能を有する伝達装置に関係する。係る装置を実現するために,前記共鳴装置を構成する複数の電極の1つに接続する配線と,当該電極とは異なる電極に接続された配線の2つを用いる。
前記2つの配線は対向するかあるいは一方を他方を内部に包含する形態にすることに依って配線間を電磁波が伝達するようにする。
請求項5記載の発明は,集積回路の配線層あるいは集積回路を実装するパッケージ内に請求項1あるいは請求項2,請求項3,請求項4のいずれかに記載の発明を設置することで,集積回路上の回路ブロックに空間的に一様で安定した周波数のクロック信号を電磁誘導ノイズを抑えつつ分配するものである。
前記共鳴装置内に形成される定在波は高調波成分を除けばその周波数が共鳴装置の形状により決まるので,定在波の周波数をそのままあるいは分周してクロック信号の周波数に変換する事に依り,周波数の安定したクロックを分配することが可能となる。
前記定在波は空間の至る所で同じ周波数で振動しているので,この信号をクロック信号に変換することに依って空間的な伝達遅延のないクロック信号を集積回路のようなシステム上の回路ブロックに分配することが可能となる。
また,共鳴装置は電磁波をその内部に含んでいるので,クロック信号による電磁誘導ノイズを抑えることが可能である.
可能な限り少ない要素数で実現しうる本発明の最良の形態は,前記共鳴装置として対向する上下2つ電極をその境界に側壁を設けて短絡して用い,当該上下の電極のおのおのと連結する2つの電極を前記駆動装置の前記緩衝用電極として用いる事である。
このとき,前記緩衝用電極と前記共鳴装置の間に存在する前記側壁の一部を設けぬ場所即ち導入窓を設け,電磁波を前記駆動装置から前記共鳴装置の内部に伝達し得るようにする。また,電磁波のエネルギーを発生する装置としては,表面実装用のガンダイオードを前記緩衝用電極の一部に設置する。
また,前記伝達装置としては,前記共鳴装置を構成する上下2つの前記電極のうち下側の電極に穴を開け当該穴の周辺に接続する伝導性材料で出来た管を設置するともに,当該管の内部を通り,前記共鳴装置を構成する上側の前記電極に接続する配線を設ける。
前記伝達装置を複数個設ける場合は,前記共鳴装置内の電磁波が作る定在波の振幅が概ね一致する位置が,前記2つの配線の端子に現れる電圧あるいは電流の大きさがが概ね一致するので適当である。
本発明を効果的に利用する形態を図面に即して説明する。 図1は,請求項1に述べたロックの駆動装置D,共鳴装置Cv,伝達装置Gとシステム上の回路ブロックBが統合されて設置された場合の各装置とその間を伝達するクロック信号およびこれと関係する信号の流れを示したものである。
ここに,CK0は伝達装置から共鳴装置へ伝達される電磁波の信号,CK1は共鳴装置Cvから伝達装置Gへ伝達される電磁波の信号,CK2は,共鳴装置から回路ブロックBへ伝達される信号でクロック信号あるいはクロック信号を生成するための信号である。
図2は請求項2に示された共鳴装置の形状の一実施例および請求項3に示された駆動装置の形状の一実施例を説明するものである。図3および図4は請求項1および請求項4に述べた伝達装置の形状に関する一実施例を示す。図5は請求項1あるいは請求項4に述べた伝達装置からの信号を所望の信号に変換する装置を半導体基板上に実現した場合の一実施例を説明するための図であり,請求項5に示した発明に係わる一実施例でもある。
図1において共鳴装置Cvは,電磁波の定在波を形成する空間を有する請求項1に記述された装置である。この共鳴装置Cvは,例えば集積回路で使用される金属配線技術などを用いて形成可能で,その構造の一例を図2に関連して述べる。係る共鳴装置Cvの主要部は,半導体基板21の上部に対向して設置された2枚の電極23aおよび23bである。ここで,半導体基板とは,例えばケイ素,ガリウム砒素,インジウム燐などを指す。
これらの電極により挟まれた空間において,電磁波が所望の周波数で振動する定在波を形成するように電極の形状を決定する。図2において電極23aは,便宜上位置をずらして描かれている。その正しい設置位置は側壁22の上部であり,図中に示した破線に沿って移動させた位置である。
係る対向する電極の役割は,それらの境界によって電磁波を反射させることにある。 図2に示す一実施例では,電極23aの境界に設けられた側壁22の存在如何にかかわらず,電極23aの境界で電磁波の反射が生じる。電極23aの寸法が電極23bより小さいが,これは電磁波を半導体基板21上にある集積回路の回路ブロックから遮蔽するための手段である。
図2の共鳴装置における側壁22は,電磁波の定在波の節の位置を制御するために設けたものであり,その設置位置および設置の有無は必要に応じて変更する。図2において共鳴装置Cvの側壁22は,連続的な壁として描いてあるが,伝導材料の柱を並べて側壁の替わりに用いることも可能であることは既に課題を解決する手段においてにおいて述べた通りである。
係る伝導材料の柱の列は,例えば集積回路技術で使用されている貫通孔とその埋め込み技術によって形成できる。また,この技術によって連続的な側壁を形成し得ることも,現在の技術水準からいって容易に想像できる事実である。
前記の共鳴装置の役割は,電磁波が定在波を形成する空間を提供する事にある。従って,この機能が保たれるなら,図2に示す一実施例の様にその形状は箱形であってもよいしその他の形状であってもよい。また,電磁波が存在している前記共鳴装置の空間は,例えば二酸化ケイ素・エポキシ樹脂あるいは空気のような非伝導性の物質が占めていてもよいし真空であってもよい。
また,図2において共鳴装置の内部に鉛直方向の隔壁が設けられているが,この隔壁は電磁波の定在波が持つ節の部分を制御するために設けられたものであり,必要に応じて所望の位置に設置しても良いし設置自体を取りやめてもよい。
図1においてDは,共鳴装置Cvに電磁波のエネルギーを供給する請求項1および請求項3に記述された駆動装置である。この駆動装置Dは図2に示した一実施例のように,共鳴装置Cvを形成する電極と連続して設けられ且開放端を有する緩衝用の電極Bf,ガンダイオードGDおよび導入窓Wにより実現することが出来る。
図2に於いてWと示した側壁が欠けた部分が導入窓Wであり,ここに続いて電磁波の1/4波長分の長さを有する電極Bfを電磁波の緩衝用に設置する。この共鳴板Bfの他端の開放端と電極23bとをガンダイオードGDで接続するとともに端子25を電源に接続する。
図2に於いて24と示した部分は,伝導性材料で形成された接続端子であり貫通孔の埋め込みによって実現し得る。図2において例示したガンダイオードGDは表面実装形を前提として描いているが,この形式のガンダイオードが実現可能なことは例えば特開2002−134809号公報に示されているように公知の事実である。また,ガンダイオードの代わりに半導体基板上に形成された高周波回路を用いることも可能であり,請求項1に示した本発明はこの場合を排除するものではない。
図1において伝達装置Gと示した装置は,共鳴装置Cvに存在する定在波の信号を集積回路上の回路ブロックBに導く装置である。この伝達装置Gの設置位置に関する一実施例が図2にGという記号により描かれている。図2に例示した伝達装置Gの設置位置は定在波の腹の位置であり,係る位置はそれぞれの伝達装置への入力信号が概ね一致する位置である。係る設置位置として例えば定在波の腹の位置から1/8波長の位置でも良いことは改めて述べるまでもない。
図1において示された回路ブロックBは,例えば半導体基板上の集積回路を想定した場合図2において示した半導体基板21上にある。ここで,半導体基板とは,例えばケイ素,ガリウム砒素,インジウム燐などを指す。
図1に示した伝達装置Gの構造に係わる一実施例を図3および図4に示す。図3は伝達装置Gの構造のうち信号の取り出し部分のyz平面による断面図を,図4は信号の振幅を変換する信号変換装置の一部の構造に関する一実施例を示すものである。なお,本実施例では,伝動装置として同軸導波路を用いた場合を想定した。しかし,本発明はこれに制限されるものではなく,例えば平行導波路を用いて施すことも出来る。
図4に示す構造は,図5に示す信号変換装置の回路方式のうちDfと示した差動増幅器を実現する構造に関する一実施例である。信号変換装置の機能は,共鳴装置内の定在波から得られる信号の振幅を例えば集積回路内で使用される信号の振幅に変換することである。
図3において共鳴装置内の信号は上下の電極23a,23bの電位であり,これらの電位を一種の導波路を用いて図4において33および34と示された2端子へ伝達する。係る導波路は図3に於いて31a,31b,31cと示された導波路中心軸とこれを取り囲む32と示された導波路外壁で構成されている。図3において33および34と示された2端子を,図4に同じ記号で示した位置に接続する。
図3に示す構造で水平方向の伝導性材料の板は,例えば集積回路技術で使われる配線技術によって実現することが可能であり,垂直方向の構造は貫通孔の形成技術とその埋め込み技術を利用することで実現可能であることは,現在の技術水準からいって公知の事実である。ここに改めてその形成手順を説明すると次のようになる。ただし,集積回路の加工技術としてFET形成,少なくとも3層の金属配線形成,そして,配線間を結ぶ貫通孔の形成とその埋め込みが可能な場合を仮定する。
図3に於いて33および34で示した端子は,FETのケートにつながる配線層である。この上部にFETゲートと第一金属層をつなぐ貫通孔を使用して金属柱31aおよび35を形成する。金属柱35の上部には,36と示した第一配線層を形成する。この配線層は,32と示した導波路外壁の基底部を貫通孔技術で形成する際に貫通孔のストッパーとするとともに金属柱36と導波路外壁32を電気的に接続する働きを担っている。
導波路外壁32とともに導波路中心31bも貫通孔技術を用いて作成する。このとき,31b用の貫通孔を形成するときのストパーとしては,例えばすでに形成済みの金属柱31aを利用する。導波路外壁32は,共鳴装置の下部を形成する金属配線層23bに接続する。
さらに,導波路中心31bは,やはり貫通孔の形成技術により形成する金属柱31cを用いて共鳴装置Cvの上部を形成する金属配線層23aに接続する。このとき,形成する貫通孔のストッパーはすでに形成されている金属柱31bを利用することも可能である。
図3に示した実施例で示した金属層23a,23bを2層および3層目の金属配線を用いて形成するとしたが,これらをより高層の金属配線層により形成することも可能な事はことさら述べるまでもない。このとき,導波路中心31b,導波路外壁32および水平方向金属層36で構成される構造を積み上げることで導波路を延長することが可能であることは,本実施例から容易に推測できる。なお,図3の実施例で示した金属層23a,23bは,図2の実施例において示した共鳴装置における上下の電極23a,23bと同一である。
図4に示す構造は,図1に示した伝達装置Gからの信号を回路ブロックに於いて使用する信号に変換する装置であって図5に示した作動増幅器Dfを半導体基板上に実現する構造の一実施例である。この構造は集積回路技術で形成可能なものであり,図中のトランジスタは半導体基板21上に形成されたFETを,配線は拡散層,貫通孔および金属配線を,負荷抵抗は多結晶シリコン層を利用して形成する。ここで,拡散層とは半導体基板内に不純物を導入して伝導性を増した部分のことである。半導体基板として,例えばケイ素を用いた場合,不純物としてホウ素などが用いられる。
図4において43と示した部分はソースを共有する2つのFETからなる電流スイッチである。係る2つのFETのゲートの端子は,33,34と示した端子を介して共鳴装置を形成する電極23b,23aと接続する。係る電流スイッチのソース側に,図4中に44と示した電流源の役割を担うFETを接続する。係る電流源用のFETのソースには貫通孔と金属層を介して接地電源端子GNDを接続し,ゲートには一定の電位を供給する。
電流スイッチを構成する2つのFETのドレイン側の端子は貫通孔と金属層を介して負荷抵抗層42に接続する。この負荷抵抗の一端を,貫通孔を介して電源端子VDDに接続する。図4で45および46と示した端子が,作動増幅器Dfの出力が現れる端子であり,図5において同じ記号で示した端子と同一である。
図5に示す回路方式は,図1において伝達装置Gとして示した装置からの信号を所望の信号順位に変換する装置であり,図3に示した構造の実施例で33および34と示した端子に現れる信号を増幅する回路方式に関する一実施例である。
図5において作動増幅器Dfと示した回路方式は,共鳴装置Cvから導かれた比較的振幅の小さな信号を増幅する装置の一例である。この増幅装置で変換された信号が図5において46および47と示された端子に現れる。これらの信号は図5においてCnvと示されているレベル変換回路に入力される。この回路部分において,容量CAは端子45に現れる信号の交流部を取り出す働きを担っている。
前記の容量CAに続く部分のインバータの入力と出力は,並列につながれた容量CBおよび抵抗rで短絡されている。前記の抵抗rは,インバータの利得を最も大きなバイアス状態に設定する役割を担っており,容量CBは高周波において入力と出力の位相を一致させる役割を担っている。さらに続くインバータにより集積回路内の信号と同じ準位をもった信号に変換する。
図5に示す実施例は,FETを用いて実現可能なものを示したが,FETを例えばnpnトランジスタにより置き替えても同じ機能が実現可能であることは本実施例から容易に推測できる事実である。
本発明によればクロック信号の周波数が数十GHzを超える場合でも,集積回路の様な大規模システムの至る所に空間的に位相が揃ったクロック信号を伝達することが可能である。高速な演算を処理する大規模集積回路において本発明を利用すると,空間的に離れた回路ブロック間に伝達遅延がないクロックを供給する事が可能であり,以て回路ブロック間の信号処理の同期を取る事が可能である。
請求項1に記載の一実施例に係るクロック信号分配装置の構成を示す図である。電極23aとこれに接続した素子GDは,便宜上位置をずらして示した。正しい位置は,破線に沿って移動した側壁22の上部である。 図1に示すクロック信号分配装置の全体の構造に係わる一実施例を示す図面である。 図1に示す伝達装置のうち共鳴装置からの信号の取出し部分の構造の一実施例を示す図面である。この図は,上記の取り出し部分をyz平面に関して切断した構造を示す。 図1に示す伝達装置のうち図3に示す装置で取り出された信号を入力とする信号変換装置の一部の構造に関する一実施例を示した図面である。 図1に示す伝達装置のうち図3に示す装置で取り出された信号を入力とする信号変換装置の回路方式に関する一実施例を示した図面である。 図1に示す共鳴装置の一実施例で電極面上に現れる電流をベクトルで表した図面である。 従来のクロック分配方法によって集積回路上にクロックを分配する場合の配線,駆動ゲートおよび位相補償回路PLL回路の配置を示す図面である。 従来のクロック分配方法について示した図である。 共鳴装置の性能に関する評価を示す図である。
符号の説明
21 半導体基板
22 共鳴装置の側壁
23a,23b 共鳴装置の電極
24 ガンダイオード用電極
25 電力供給用端子
31a,31b,31c 導波路中心軸
32 導波路外壁
33,34 導波路の終端
35 貫通孔埋め込み配線
36 水平方向の金属配線層
41 拡散層
42 負荷抵抗層
43 電流スイッチ回路
44 電流源
45,46 作動増幅器の信号取出し端子
81 電磁波発生装置
82 アンテナ

Claims (5)

  1. 電磁波のエネルギーを発生し伝達する駆動装置と,前記駆動装置からの前記電磁波を共振させ定在波を形成する共鳴装置と,前記共鳴装置内部の定在波を電圧あるいは電流変動として外部に伝達する伝達装置からなるクロック信号分配装置。
  2. 前記共鳴装置は,非伝導性の物質あるいは真空を挟んで設けられた少なくとも2つの対向する電極で構成され,前記電極の境界が開放端であるかあるいは伝導性材料によって形成された側壁または柱の列で構成された短絡端であって,前記電極で狭まれた空間に電磁波の定在波を形成することを特徴とする請求項1記載のクロック信号分配装置。
  3. 前記駆動装置は,前記共鳴装置を構成する複数の電極と接続する緩衝電極と,当該緩衝電極間に接続され,且前記共鳴装置内の定在波が持つ周波数に概ね一致した時間的振動を示す電圧あるいは電流を供給する装置とを備えることを特徴とする請求項1記載のクロック信号分配装置。
  4. 前記伝達装置は,前記共鳴装置を構成する複数の電極のうち一つに接続する配線と,この配線と対向するかあるいは取り囲みつつ前記共鳴装置の他の電極に接続した配線からなる信号の取出し部分を備えることを特徴とする請求項1記載のクロック信号分配装置。
  5. 前記駆動装置,前記共鳴装置,前記伝達装置が集積回路に隣接するかあるいは半導体基板上に設置されていることを特徴とする請求項1あるいは,請求項2,請求項3,請求項4のいずれかに記載のクロック信号分配装置。
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