JP2005266328A - 先球光ファイバならびに光デバイス - Google Patents

先球光ファイバならびに光デバイス Download PDF

Info

Publication number
JP2005266328A
JP2005266328A JP2004078850A JP2004078850A JP2005266328A JP 2005266328 A JP2005266328 A JP 2005266328A JP 2004078850 A JP2004078850 A JP 2004078850A JP 2004078850 A JP2004078850 A JP 2004078850A JP 2005266328 A JP2005266328 A JP 2005266328A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
optical
tip
spherical
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004078850A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuyasu Furusawa
光康 古澤
Satoshi Makio
諭 牧尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2004078850A priority Critical patent/JP2005266328A/ja
Publication of JP2005266328A publication Critical patent/JP2005266328A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
  • Optical Couplings Of Light Guides (AREA)

Abstract

【課題】 調整および固定が容易で、小型で配列の集積度の高い、先球光ファイバを提供する。
【解決手段】 光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成し、前記先球部は単一の中心の球面を有し、それぞれの前記光ファイバは、その中心軸が前記中心を通るように光ファイバ光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心を、前記光ファイバの中心軸上に配置して先球光ファイバとする。それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光を、前記先球部の球面によって屈折させ、コリメート光として空気中に出射させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は光通信等において、小型で低反射のコリメータとして用いられる光ファイバに関する。
光通信システムにおいて光の伝搬路として用いられる光ファイバは、その中心部に光を伝搬させるコアと、コアの周囲に形成されて且つコアよりも屈折率の小さいクラッド層を備える。この光ファイバの端部は発光素子、受光素子やフィルター素子に対向させて配置される。光ファイバ中を伝搬してきた光が、端部では空気による屈折率差により、反射戻り光が発生して、半導体レーザ等の発光素子に戻るために発振状態が不安定となる問題があった。そのため、光ファイバの端部を斜めに切断すること、端部を球面化すること、あるいは空気との屈折率差を緩和する反射防止膜を端部に設けること等が、反射戻り光を抑制することを目的に行われている。
また、光ファイバ間にミラーなどの素子を挿入するために、光ファイバからの出射光をレンズによりコリメートして再び光ファイバに結合することが行われている。レンズには屈折率分布型のGRINレンズなどが用いられている。しかし、GRINレンズは、光ファイバに比べて寸法が大きく、使い勝手が悪いという問題がある。
先球部の先端でビームを十分拡げるために、光が伝搬する第1の光ファイバの端部に、この光ファイバのコア部と屈折率が等価で単一屈折率を持ち同一外径からなる第2の光ファイバを接続し、その第2の光ファイバの先端を球面化し、それら一対の球面化した光ファイバ(以下、先球光ファイバと呼ぶ)を対向させて高結合のコリメータとして使用できることが特許文献1にて開示されている。図8にその構造を示す。
一対の先球光ファイバを対向させて、先球先端間の距離を5mm以上として光の高結合を実現するには、先球部の曲率半径を0.23mm以上、すなわち先球部の直径を0.46mm以上にする必要がある。この値は光ファイバの外径0.125mmの約4倍である。MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた光スイッチ素子などでは、複数のコリメータを配列させる必要があるが、先球光ファイバを配列させる場合、配列する密度(集積度)は先球部の直径0.46mmで決まってしまい、限度があった。そのため、デバイスサイズの小型化には限界がある。
また、他の従来技術の先球光ファイバとして、先球部2に1本の光ファイバが接続されている構造(以下、シングル型先球光ファイバと呼ぶ)がある(特許文献2)。
特開平5−288956号公報(第3〜4頁、図1) 特開2003−262758号公報(第4頁、図1)
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は調整および固定が容易であり、小型で配列するときの集積度の高い先球光ファイバを得ることにある。
本発明は、光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成し、前記光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心を、前記光ファイバの中心軸上に配置し、前記中心は前記光ファイバごとに異なる位置にして、先球光ファイバとする。略同屈折率とは、同一の屈折率もしくはコアの屈折率の近傍の値の屈折率に相当する。
前記光ファイバの為す角ξは、前記球面の曲率半径をR、第1光ファイバの径をd1、第2の光ファイバの径をd2、前記第1の光ファイバのコア端部と球面との距離をT1、前記第2の光ファイバのコア端部と球面との距離をT2とすると、数1および数2を満たすようにする。
Figure 2005266328
Figure 2005266328
それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光を、前記先球部の球面によって屈折させ、コリメート光として空気中に出射させる。
他の本発明は、前記先球光ファイバと1枚以上の反射板とで構成し、前記先球光ファイバの前記第1の光ファイバのコア端部から発し空気中に出射した光を、前記反射板によって反射させて前記先球部に再帰させ、屈折させて前記第2の光ファイバのコア端部に挿入、伝搬させる光学系を搭載する光デバイスとする。
前記光デバイスは、光スイッチ、光パワーモニター、光アイソレーター、光サーキュレーター、乃至光減衰器のいずれかとする。
他の本発明は、前記先球光ファイバを1対と、1枚以上の反射板と、反射板を移動させる駆動素子で構成される光スイッチであって、
前記先球光ファイバの一方は第1の光ファイバと第2の光ファイバとを備え、前記先球光ファイバの他方は第3の光ファイバと第4の光ファイバとを備え、
前記第2の先球光ファイバは前記反射板を基準としたときに前記第1の先球光ファイバの鏡像となるように配置され、
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間で光結合させているときに、前記反射板は前記第3の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させており、
反射板を移動させたときに、前記第1の光ファイバと前記第3の光ファイバとの間で光結合され、前記第2の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させて光路切り替えを行う光スイッチとする。
[1] 本発明の先球光ファイバは、光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成され、前記光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心が前記光ファイバの中心軸上にあり、前記中心は前記光ファイバごとに異なる位置にあることを特徴とする。
この構造の先球光ファイバでは、光ファイバ同士の位置関係は、先球部を介して固定であり、調整する必要がない。このため、デバイスの組み立て工数を低減することができる。また、1つの先球部を、2本以上の光ファイバが共有するので、コリメータ配列するときの集積度を上げることができ、デバイスサイズの小型化が可能になる。
前記球面の中心と前記中心軸とがずれる(以下、軸ずれと呼ぶ)と、光断面強度分布が歪み、結果として結合効率が低下して、挿入損失が大きくなる。
本発明の先球光ファイバでは、前記軸ずれが低減されるため、光強度断面分布の歪みが抑えられ、結果として受発光素子や他の先球光ファイバとの結合が高効率、低挿入損失となる。
[2] 本発明の先球光ファイバについて、前記光ファイバの為す角ξは、前記光ファイバの為す角ξは、前記球面の曲率半径をR、第1光ファイバの径をd1、第2の光ファイバの径をd2、前記第1の光ファイバのコア端部と球面との距離をT1、前記第2の光ファイバのコア端部と球面との距離をT2とすると、数1および数2を満たすようにする。数1および数2は上記の数式を用いる。
数1および数2について説明する。数1は光ファイバの外径によって、光ファイバ同士の為す角ξが制限されることを示している。本発明の先球光ファイバの作製方法としては、放電加熱を用いるのが好適である。例えば、2本の光ファイバ同士に角度をつけ、先端同士を接近させて放電加熱する。放電加熱中は光ファイバを放電に向かって押し込と、先端同士は溶融して接続し先球部を形成する。先球部の球面の中心は光ファイバの中心軸の交点である。一方、先球光ファイバの特性としては、先球部の曲率半径だけでなく、光ファイバのコア端部と球面との距離T(以下、レンズ長とする)が重要である。このため、放電加熱前の光ファイバ先端には、先球部形成用にコアの無い部分、もしくはコア径の大きい部分が設置され、コア端部の位置を制御する。
図6は放電加熱後の本発明の先球光ファイバを表す模式的な断面図である。光ファイバ11、12の径をd1、d2、為す角をξ、曲率半径をR、光ファイバ11、12に対応するレンズ長をT1、T2とする。図6はコア端部51、52を囲むクラッド同士がちょうど接触している状態である。これより先球部2側では放電の熱で溶融される領域になる。光ファイバ11、12をこれ以上押し込むと、コア端部51、52も溶融されてしまい、レンズ長の制御ができなくなる。また、コアの曲がりや歪みが生じ、先球光ファイバの特性に著しい悪影響を及ぼす。すなわち、コア端部はこの溶融される領域よりも外側に無くてはならない。
光ファイバ11、12の為す角ξが小さければ、クラッド同士が接触してしまい、溶融される領域が大きくなるであろう。よって、所望の曲率半径R、レンズ長Tに対して、角ξは下限値を持つことになる。図6においてクラッドが接触する箇所と球面の中心を結ぶ補助線18を描く。この補助線18と光ファイバ11の為す角θ1は数3で与えられる。
Figure 2005266328
また、補助線と光ファイバ12の為す角θ2も同様にあたえられる。よって、角ξ=θ1+θ2は上記の数1を満たす必要がある。
一方、数2はレンズ長Tの差を制限する。光の出射側と入射側の先球部形状が異なると、光結合の挿入損失が増大してしまう。先球部形状とは、レンズ機能に関係する曲率半径とレンズ長のことを指す。前記球面31の曲率半径と、前記球面32の曲率半径とはともにRで表されるが、光ファイバ1のレンズ長T1と光ファイバ2のレンズ長T2との差が大きければ、挿入損失が増大する。ここで先球部形状の違いを表す指標としてレンズ長比T2/T1を導入する。レンズ長比は1に近いほど、レンズ長が近く挿入損失は小さい。図7にレンズ長比と挿入損失との関係を示す。低挿入損失の0.5dB以下となるためには、形状差パラメータが0.94以上1.06以下でなくてはならないことが分かる。よって、先球部の形状は、数2を満たさなくてはならない。
[3] 上記[1]または[2]の本発明の先球光ファイバについて、それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光を、前記先球部の球面によって屈折させ、コリメート光として空気中に出射させる。
この先球光ファイバでは、出射光がコリメート光になるため、受発光素子や他の先球光ファイバとの結合を行う場合、前記先球部からの距離を十分に取ることができる。結果として受発光素子や他の先球光ファイバの配置が容易になり、かつ高効率で低挿入損失になる。また、光路長の余裕を活かしてフィルターなどの光機能素子を挿入して、光デバイスを作製することができる。また、上記本発明に係る先球光ファイバを一対作製し、対向させてコリメート光の送受を行えば、いわゆるコリメータを構成することができる。
ここで、”コリメート”という用語は、光ファイバのコア端部から出射された光が任意の方向に広がらないように光を収束させること、光ファイバのコア端部から出射された光を平行光線に変換して伝搬させること、光ファイバのコア端部から出射される光が対向する光ファイバの端面もしくはコリメータの受光面に入射される程度に光線を平行化することなどを含む用語として用いる。”コリメータ”という用語は光を上記コリメートする部材のこととして用いる。
[4] 上記[1]乃至[3]のいずれかの本発明の先球光ファイバと1枚以上の反射板とを備え、前記先球光ファイバは第1の光ファイバおよび第2の光ファイバを備え、前記第1の光ファイバのコア端部から発し空気中に出射した光を、前記反射板によって反射させて前記先球部に再帰させ、屈折させて前記第2の光ファイバのコア端部に挿入、伝搬させる光学系を搭載する光デバイスとする。
本発明に係わる先球光ファイバでは、光の出射と入射を一つの先球光ファイバが担うので、光ファイバ同士の位置関係は固定であり、調整する必要がない。光路長の余裕に光機能素子を挿入して光デバイスを作製することができ、しかも組み立て工数を低減させることができる。サイズも小さくできる。
上記[4]の本発明の光デバイスにおいて、反射板の反射面を金属膜もしくは誘電体膜とする。
反射面を金属膜もしくは誘電体膜とすることで、反射によって生じる光損失を低減することができる。また、誘電体膜の構成を適宜設定することで、一部の光を透過させ、反射板後方に受光素子を配置させて光信号や光強度を検出することもできる。
[5] 上記[4]の本発明の光デバイスは、発光デバイス、光スイッチ、光パワーモニター、光アイソレーター、光サキュレーター、光減衰器のうち少なくとも1つの機能を有する構成とすることができる。
この本発明に係わる光デバイスとして、具体的に次のようなものが挙げられる。すなわち、LDモジュール(Laser Diode Module)のように発光素子の光を先球光ファイバにより外部に送り出す装置、光ファイバ同士を突き合わせ若しくは移動させて光路を切り替えるファイバ駆動型光スイッチ、光路内にミラー配置若しくは移動させて光路を切り替えるミラー駆動型光スイッチ、ミラーの代わりにプリズムを動かして光路を切り替えるプリズム駆動型光スイッチ、導波路と外部の光ファイバと結合させる箇所に本発明の先球光ファイバを適用できる導波路型光スイッチ、マイクロミラーをマトリクス状に2次元配置して光路を切り替えるMEMS型光スイッチ、マイクロミラーアレイ同士を3次元的に対向させることにより光路を切り替えるMEMS型光スイッチ、誘電体多層膜によって一部の光を透過させ、その強度を検出する光パワーモニター、空気中に出射した光の光路中にファラデー回転子を挿入した光アイソレーターおよび光サキュレーター、光吸収体を挿入した光減衰器などである。
これらに限らず、光ファイバの光路を結合あるいは中継させる必要のある光通信装置、光通信回線もしくは光測定装置についても、本発明に係わる先球光ファイバを用いると、光の伝達を高結合で実現する光デバイスとなる。先球部に接続する複数の光ファイバ同士の位置が固定で調整する必要がないことから、これら光デバイスの組み立てを容易に行うことができる。
[6] 上記[1]乃至[3]のいずれかの本発明の先球光ファイバを1対と、1枚以上の反射板と、反射板を移動させる駆動素子で構成される光スイッチであって、
前記先球光ファイバの一方は第1の光ファイバと第2の光ファイバとを備え、前記先球光ファイバの他方は第3の光ファイバと第4の光ファイバとを備え、
前記第2の先球光ファイバは前記反射板を基準としたときに前記第1の先球光ファイバの鏡像となるように配置され、
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間で光結合させているときに、前記反射板は前記第3の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させており、
反射板を移動させたときに、前記第1の光ファイバと前記第3の光ファイバとの間で光結合され、前記第2の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させて光路切り替えを行う光スイッチとする。
本発明によれば、光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、先球部に接続する2本以上の光ファイバとで先球光ファイバを構成するので、光ファイバ間の位置関係は固定であり、先球光ファイバの調整や固定が容易である。また、1つの先球部を2本以上の光ファイバが共有するので、小型であり、さらにはコリメータ配列の高い集積化が可能になる。
また、反射板を適切に配置することで、出射光を先球部に再帰させる光路折り返し光結合を行うことができる。光路内に光機能素子を挿入して光デバイスを作製する際、1つの先球光ファイバで光の入出射を担うので、調整、固定が容易であり、組み立て工数を低減することができる。
以下、本発明に係わる実施例を説明する。ただし、これら実施例により本発明が限定されるものではない。なお、類似の部品については同じ符号で説明する。
(実施例1)
図1は本発明に適用する先球光ファイバの1実施例に係わる模式的な断面図である。先球部2に2本の光ファイバ11、12が接続している。先球部2は単一の中心9の球面を有し、光ファイバ11、12の中心軸は球面の中心9を通る。すなわち、光ファイバ11のコア端部51から発した光の到達する球面31と、光ファイバ12のコア端部52から発した光の到達する球面32とは、同一中心の球面である。
光ファイバ11のコア41を伝搬する光はコア端部51から発せられ、球面の中心9を通って球面31に達し、屈折されて空気中に出射光61となって出射される。同じく、光ファイバ12のコア42を伝搬する光はコア端部52から発せられ、球面の中心9を通って球面32に達し、屈折されて空気中に出射光62となって出射される。ここで、光ファイバ11、12はそれぞれコア41、42とそれらを覆うクラッド81、82で構成した。符号11、12はそれぞれコア41、42とクラッド81、82からなる光ファイバを示しており、クラッド81、82のみを指している訳ではない。
出射光61、62がコリメート光となるの条件としては、特許文献2に開示されている条件を用いることができる。特許文献2の先球光ファイバは、先球部2に1本の光ファイバが接続されている構造(以下、シングル型先球光ファイバと呼ぶ)である。先球部2の曲率半径Rとコア端部から先球部の球面までの距離T(以下、レンズ長と呼ぶ)をある特定の値に設定することで、コリメート光として出射させることができる。曲率半径Rが225μm、レンズ長Tが805μmの先球光ファイバでは出射光がコリメート光となる。これを2本用意して対向させると、光結合を行うことができ、先球部先端間の距離(光路長)を5.0mmに設定すると結合効率は最大となった。このときの先球部先端間距離(光路長)をワーキングディスタンスと呼ぶ。
本実施例の先球光ファイバ(以下、デュアル型先球光ファイバと呼ぶ)においても、先球部の球面の曲率半径Rと、コア端部51と先球部の球面31との距離T1(レンズ長)とを、それぞれ225μm、805μmとすることにより、ワーキングディスタンス5.0mmで光結合するコリメータとなる。
本実施例のデュアル型先球光ファイバは、放電加熱法によって作製した。すなわち、2本の光ファイバ11、12の先端同士を接近させ、放電によって加熱した。表面張力によって先端同士は溶融、接着し、球面化して、先球部2を形成した。光ファイバ11、12の先端には、あらかじめコアの無い光ファイバもしくはコア径の大きな光ファイバを所定の長さだけ接続しておき、放電加熱後のレンズ長T1、T2が設定値になるようにした。球面31、32の曲率半径Rは、放電の強度、時間を調整することにより制御した。
本実施例のデュアル型先球光ファイバの構成では、出射光61が2枚の反射板によって先球部に再帰し、屈折されて光ファイバ12のコア端部に挿入、伝搬する。以下、これを光路折り返し光結合と呼ぶ。2本の光ファイバの位置関係の調整は不要で、反射板の調整をすればよく、光デバイスを作製する上で組立工数を低減できる。以下、デュアル型先球光ファイバと反射板の位置関係について、図2の配置を示す断面図を用いて説明する。
2本の光ファイバの為す角ξの中線をX軸、X軸に垂直な方向をY軸に取る。原点は先球部2の中心9である。先球部2の球面31、32は同一の中心9を持ち、曲率半径Rである。反射板を2枚とし、X軸に対して対称に配置した。それら反射板71、72の位置を(Xm,−Ym)、(Xm,Ym)とし、光の入射角をαとする。先球光ファイバのワーキングディスタンスをDとする。光ファイバ12の中心軸上に反射板72があり、反射板71、72によって折り返される光路がワーキングディスタンスDに一致する必要があるため、Xmは数4によって求められる。
Figure 2005266328
Ymは数5によって求められる。
Figure 2005266328
反射板72への光入射角αは、反射板72とX軸との為す角と一致し、数6によって求められる。
Figure 2005266328
以上の計算をもとに反射板71、72を設定した。球面31、32の曲率半径Rを225μm、レンズ長T1、T2を805μm、2本の光ファイバ11、12の為す角ξを16°、ワーキングディスタンスは5mmとした。この場合、反射板72のX方向位置Xmは2.37mm、Y方向位置Ymは0.33mm、ミラーの光入射角は42°となる。
上記の計算に従い反射板7を実際に設置し、光路折り返し光結合を行った。反射板7は反射面がAu膜の全反射ミラーとした。この光結合の挿入損失ILは0.3dBであった。先球部2の球面31、32に反射防止膜を施すことで、挿入損失をさらに低減できる。ここで挿入損失ILとはIL=−10Log10(P1/P0)で表され、光強度P0は光源とセンサーを光ファイバで接続した状態で、光強度P1はデュアル型先球光ファイバでの光ファイバ11、12をそれぞれ光源とセンサーに接続した場合である。
また、本実施例の先球部9の大きさは曲率半径の2倍程度であり、小型化・集積化が実現できる。作製時では、2本の光ファイバ同士をファイバ形状から直接先球化するので、作製工数が低減できる。
(実施例2)
実施例1のデュアル型先球光ファイバとその光路折り返し光結合を用いて、実施例1と同じく、さまざまな光デバイスを作製することができる。その一例として光パワーモニターを作製した。図3にその模式的な断面図を示す。反射板71、72を一部透過型誘電体多層膜131、132とし、一部透過型誘電体多層膜を挟んでデュアル型先球光ファイバと反対側に受光素子141、142を設置した。
光ファイバ11からの出射光61は、一部透過型誘電体多層膜132によってその一部が透過し、その透過光161が受光素子141で検出される。一方、反射光は一部透過型誘電体多層膜132によって再反射され、球面32に達して屈折され、光ファイバ42のコア端部52に挿入される。
光ファイバ12からの出射光62は、一部透過型誘電体多層膜132によってその一部が透過し、その透過光162が受光素子142で検出される。一方、反射光は一部透過型誘電体多層膜131によって再反射され球面31に達して屈折され、光ファイバ41のコア端部51に挿入される。
この構成の光パワーモニターは、光の進行方向ごとの光強度を検知することができた。挿入損失は0.5dBで、低挿入損失であり良好な特性を示した。また、先球部9の大きさは曲率半径の2倍程度であるため、光パワーモニターそのものの大きさを小さくすることができた。また受光素子間の距離dが大きくすることができる。このため、アイソレーションを大きくなる。アイソレーションとは、受光素子141が受光すべき光が、部品内の散乱、乱反射などによって受光素子142に検知されてしまう光強度を表す指標である。
本実施例では、先球部2に接続する光ファイバ11と光ファイバ12の位置関係は固定で、一部透過型誘電体多層膜13の位置調整をすればよい。シングル型先球光ファイバを用いた構成では、2本の先球光ファイバ同士の位置調整が必要になるが、本実施例のデュアル型先球光ファイバでは、その調整が不要である。よって組み立てが容易になって量産時の工数低減となる。
(実施例3)
実施例2の光パワーモニターにおいて、反射板72をAu膜の全反射ミラーとし、光ファイバ12の光強度は、反射板72で反射され一部透過型誘電体多層膜131を透過した光172によって検出するように構成してもよい。その模式的な断面図を図4に示す。透過光172を受けるように受光素子142を配置する。光ファイバ11から光ファイバ12への光結合の際、実施例2では一部透過型誘電体多層膜によって2回反射されることになるが、本実施例では全反射ミラーで1回と一部透過型誘電体多層膜で1回となる。このため、本実施例では透過光の損失は1回となり、光結合効率は向上する。
また、反射板72を一部透過型誘電体多層膜132のままで、光ファイバ11の光強度を一部透過型誘電体多層膜132の透過光171で検出してもよい。このように受光素子の配置をさまざまに設定することができる。
(実施例4)
また、他の変形型の実施例として、もう一つのデュアル型先球光ファイバを設けることで2×2型光スイッチを形成することができた。図5にその模式的な断面図を示す。実施例2と同形の第1のデュアル型先球光ファイバに反射板71、72を配置し、光路折り返し結合の光学系を形成した。これに鏡像関係となるように、第2のデュアル型先球光ファイバと反射板73、74を配置した。さらに、光路変更のためのプリズム171、172を反射板71、72の間、および反射板73、74の間に設置した。プリズムは駆動素子(図示せず)によって光路を遮らない位置に移動可能とした。反射板71、72、73、74、プリズム171、172には光を反射させるためのAu薄膜を被着形成させた。第1のデュアル型先球光ファイバは光ファイバ11と光ファイバ12を備え、第2のデュアル型先球光ファイバは光ファイバ13と光ファイバ14を備えた。
図5(a)はプリズム171、172が光路中にないときを示しており、光ファイバ11のコア部41から先球部21を伝って出射された出射光61が反射板71、72で反射されて光ファイバ12の先球部21(=光ファイバ11と共有する先球部)から入射してコア部42に伝搬した。光ファイバ14のコア部44から先球部22を伝って出射された出射光64が反射板74、73で反射されて光ファイバ13の先球部22(=光ファイバ14と共有する先球部)から入射してコア部43に伝搬した。
ついで図5(b)は、駆動素子によってプリズム171、172を移動し、光路中に配置したときを示している。光ファイバ11のコア部41から先球部21を伝って出射された出射光61は、反射板71、プリズム171、172、反射板73で反射され光ファイバ13の先球部22から入射してコア部43に伝搬した。光ファイバ14のコア部44から先球部22を伝って出射された出射光64は、反射板74、プリズム172、171、反射板72で反射され光ファイバ12の先球部21から入射してコア部42に伝搬した。
すなわち、駆動素子によってプリズムを移動させて、光路を切り替える光スイッチとする。本実施例の光スイッチの挿入損失は、いずれの光路においても0.5dB以下で、低挿入損失であり良好な特性を示した。
本実施例も実施例2と同様に、先球部21に接続する光ファイバ11と光ファイバ12の位置関係、およびは先球部21に接続する光ファイバ11と光ファイバ12の位置関係は固定で、反射板の調整とデュアル型先球光ファイバ同士の調整をすればよい。シングル型先球光ファイバを用いた構成では、4本の先球光ファイバの位置調整が必要になり、工数が大きくかかるが、本実施例では、2本の先球光ファイバの調整ですみ、量産時の組み立て工数を低減できる。
また、2本の光ファイバが1つの先球部の利用することから、光スイッチ全体のサイズも小さくできる。
本実施例1、2、3では先球部に接続する光ファイバを2本としたが、3本以上としても同じく光路折り返し光結合とそれを用いた光デバイスを実現できる。この場合、配列の集積度はさらに高くなり、光デバイスの小型化を実現できる。
本発明は、光通信等において、小型で低反射のコリメータとして機能する光ファイバとして利用できる。光パワーモニターや光スイッチに適用し、少ない組み立て工数で作製することができる。
本発明の1実施例の先球光ファイバの模式的に示す断面図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバと反射板の配置を説明するための断面図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバを用いた光パワーモニターの模式図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバを用いた光パワーモニターの模式図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバを用いた光スイッチの模式的な断面図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバの模式的に示す断面図である。 本発明の先球光ファイバの特性を説明するためのグラフである。 従来の光パワーモニターを説明するための図である。
符号の説明
1、11、12、13、14 光ファイバ
2、21、22 先球部
3、31、32、33、34 球面
4、41、42、43、44 コア
5、51、52、53、54 コア端部
6、61、62、63、64 出射光(コリメート光)
7、71、72、73、74 反射板
8、81、82、83、84 クラッド
9、91、92、93、94 球面の中心
101、102 シングル型先球光ファイバ
131、132 一部透過型誘電体多層膜
141、142 受光素子
15 クロスポイント
161、162 透過光
171、172 プリズム

Claims (6)

  1. 光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成され、前記先球部は単一の中心の球面を有し、それぞれの前記光ファイバは、その中心軸が前記中心を通るように配置されていることを特徴とする先球光ファイバ。
  2. 請求項1に記載の先球光ファイバにおいて、前記光ファイバの為す角ξは、前記球面の曲率半径をR、第1光ファイバの径をd1、第2の光ファイバの径をd2、前記第1の光ファイバのコア端部と球面との距離をT1、前記第2の光ファイバのコア端部と球面との距離をT2とすると、数1および数2を満たすことを特徴とする先球光ファイバ。
    Figure 2005266328
    Figure 2005266328
  3. 請求項1又は2に記載の先球光ファイバにおいて、それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光が、前記先球部の球面によって屈折し、コリメート光となって空気中に出射することを特徴とする先球光ファイバ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の先球光ファイバと1枚以上の反射板を備え、前記先球光ファイバは第1の光ファイバおよび第2の光ファイバを備え、前記第1の光ファイバのコア端部から発し空気中に出射した光が、前記反射板によって反射されて前記先球部に再帰し、屈折されて前記第2の光ファイバのコア端部に挿入し伝搬することを特徴とする光学系を搭載した光デバイス。
  5. 請求項4に記載の光デバイスにおいて、光スイッチ、光パワーモニター、光アイソレーター、光サーキュレーター、もしくは光減衰器のうち少なくとも1つの機能を有することを特徴とする光デバイス。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の先球光ファイバを1対と、1枚以上の反射板と、反射板を移動させる駆動素子で構成される光スイッチであって、
    前記先球光ファイバの一方は第1の光ファイバと第2の光ファイバとを備え、前記先球光ファイバの他方は第3の光ファイバと第4の光ファイバとを備え、
    前記第2の先球光ファイバは前記反射板を基準としたときに前記第1の先球光ファイバの鏡像となるように配置され、
    前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間で光結合させているときに、前記反射板は前記第3の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させており、
    反射板を移動させたときに、前記第1の光ファイバと前記第3の光ファイバとの間で光結合され、前記第2の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させて光路切り替えを行う光スイッチであることを特徴とする光デバイス。








































JP2004078850A 2004-03-18 2004-03-18 先球光ファイバならびに光デバイス Pending JP2005266328A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004078850A JP2005266328A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 先球光ファイバならびに光デバイス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004078850A JP2005266328A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 先球光ファイバならびに光デバイス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005266328A true JP2005266328A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35090939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004078850A Pending JP2005266328A (ja) 2004-03-18 2004-03-18 先球光ファイバならびに光デバイス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005266328A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6420237B2 (ja) 高性能空間フィルタ
WO2011135877A1 (ja) 光学素子及びそれを備える光学装置
US20030053744A1 (en) Optical switch and its production method, and optical path-switching apparatus comprising optical switch
JP2005049742A (ja) 可変光減衰器
JP2008224824A (ja) 波長選択スイッチ
US4902093A (en) Laser diode to fiber reflective coupling
EP1126304A2 (en) Optical switch
US20030138210A1 (en) Optical fiber with collimated output having low back-reflection
US6912335B2 (en) Optical switch with reduced beam divergence
JP2005266328A (ja) 先球光ファイバならびに光デバイス
KR100361441B1 (ko) 탭 커플러
US20050141805A1 (en) Optical device and movable reflector
JP2005266044A (ja) 先球光ファイバならびに光デバイス
US20040131306A1 (en) Optical switch and optical switch device
US7336866B2 (en) Optical fiber device
JP4764654B2 (ja) 光モジュール
US6970615B1 (en) Compact high-stability optical switches
JP2002107566A (ja) 光機能モジュール
US20020064343A1 (en) Optical coupling device with anisotropic light-guiding member
JP2003262758A (ja) 先球光ファイバとその製造方法、コリメータ、光スイッチおよび光デバイス
JP2004279708A (ja) 光モジュール
JP4400317B2 (ja) 光部品
JP2005043762A (ja) 光パワーモニタ装置
US20030108266A1 (en) Optical isolator
JPH0749430A (ja) 光回路部品