JP2005266229A - 光熱写真画像形成材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 写真性能に優れた(高感度と低カブリ)光熱写真画像形成材料を提供する。第2の目的として、現像前の保存性(生保存性)と現像後の保存性(画像保存性)に優れる光熱写真画像形成材料を提供する。
【解決手段】 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を有する光熱写真画像形成材料において、一般式(1)の化合物を含有することを特徴とする光熱写真画像形成材料。
【化1】
Figure 2005266229

(式中、R1〜R4は各々、置換基を表し、該置換基の少なくとも一つはアルキルシリル基又はアルコキシ硼素基であり、Lは2価の連結基を表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は熱現像により画像を形成する光熱写真画像形成材料に関するもので、特に高い感度と低いカブリを得ることができ、保存性に優れた光熱写真画像形成材料に関する。
X線撮影による医療画像診断の分野で、ドライ処理システムが普及している。このシステムは、被写体を透過したX線エネルギーをイメージングプレート中の輝尽性蛍光体に吸収させ、紫外線、可視光線、あるいは赤外線等で時系列的に輝尽性蛍光体を励起し、蓄積されたX線エネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を光電的に読みとって電気信号を得、得られた電気信号をレーザー光の強度に変換し、このレーザー光で光熱写真画像形成料中のハロゲン化銀に潜像を形成させ、これを100℃以上の温度で熱現像して被写体又は被検体のX線画像を可視画像として再生する。
従来から、このタイプの光熱写真画像形成材料(以下、「光熱写真材料」とも称す)は、色素で分光増感された高感度のハロゲン化銀粒子、有機銀塩及び還元剤を含む感光層と、該感光層に向けて照射した光が吸収されずに通過して支持体の界面や中間層や接着層等で乱反射するのを防ぐイラジエーション防止層(AI層)あるいは支持体の反対側に設けるバッキング層(BC層)から構成され、更には、感光層の上やBC層の上に、取扱い時の擦傷を防ぐための保護層が設けられている。
一般に光熱写真材料は、露光後加熱現像のみで画像を出すので処理が簡単であるが、定着工程がないので、現像後の画像の保存性を向上させることが重要となっている。現像後の保存性向上のためには、高温度で現像して画像が出るようにするのがよいのだが、余り高温にするとカブリが出易くなり、感度が低下する。そこで120±10℃付近の温度で一般的には現像され、140±10℃程度に上げることは難しかった。カブリを下げるためにメルカプト化合物を使用することが開示されている(例えば特許文献1参照)。しかし、メルカプト化合物ではカブリ抑制の効果が少なく、高い感度が得にくく保存性も向上させるのに限度があった。現像処理後の読影時シャーカステン暴露による焼出し銀の抑制に使用されるポリハロメタン化合物はカブリ抑制と生保存性に有効なことが開示されている(例えば特許文献2参照)が、使用量が多いと感度が低下するため限度があった。保存性の向上ために、バインダーの架橋剤として知られる化合物を使用する試みもされているが充分ではなかった。フェノール誘導体の或る種の化合物は、カブリ、感度及び保存性等の改良によいとされている(例えば特許文献3参照)が、充分ではなかった。
特開2000−19681号公報 特開平9−319022号公報 特開2003−7592号公報
本発明の目的は、写真性能において高い感度と低いカブリの優れた光熱写真画像形成材料を提供することにある。本発明の第2の目的は、現像前の保存性(生保存性)と現像後の保存性(画像保存性)に優れる光熱写真画像形成材料を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討の結果、特定の置換基を有するビスフェノール化合物が現像時の写真性能(感度及びカブリ特性)、生保存性及び画像保存性を向上させ、更に弗化炭素基を有するポリスルホン酸塩化合物、ポリハロメタン化合物及びヒンダードフェノール系還元剤を併用することにより、あるいはイソシアナート又はビニルスルホニル架橋剤で更に架橋することにより熱現像時の写真性能及び生保存性及び画像保存性を向上させることを見い出し、本発明を為すに至った。
即ち、本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
(請求項1)
支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を有する光熱写真画像形成材料において、一般式(1)の化合物を含有することを特徴とする光熱写真画像形成材料。
Figure 2005266229
(式中、R1〜R4は各々、置換基を表し、該置換基の少なくとも一つはアルキルシリル基又はアルキルオキシ硼素基であり、Lは2価の連結基を表す。)
(請求項2)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中に弗化炭素基を少なくとも1個有するポリスルホン酸塩化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項3)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中にポリハロメタン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項4)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中にヒンダードフェノール系還元剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項5)
前記感光層又は該感光層に隣接する層中に保護基を有するフタラジン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の光熱写真画像形成材料。
(請求項6)
前記感光層又は該感光層に隣接する層のバインダーを架橋する架橋剤がイソシアナート化合物又はビニルスルホン化合物から少なくとも1種選ばれることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の光熱写真画像形成材料。
本発明によれば、高感度かつ低カブリで、現像前の保存性(生保存性)と現像後の保存性(画像保存性)に優れる光熱写真画像形成材料を提供できる。
次に本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光熱写真材料は、通常は支持体上に少なくとも1層の感光層及び該感光層に隣接する層を設けた少なくとも2層以上の層構成から成り、感光層の反対側に設けられるBC層、その保護層等が含まれる。上記光熱写真材料の感光層中には、分光増感色素で増感されてもよい感光性ハロゲン化銀粒子が含まれ、更に該感光層又はその隣接層には銀源となる有機銀塩、銀塩を現像して銀画像を形成するための還元剤が含有され、本発明の一般式(1)で示される化合物が含有される。上記光熱写真材料の感光層やその感光層の隣接層には、熱現像反応の場を提供する親水性バインダーや疎水性バインダーが含有される。上記の光熱写真材料において必要によりイラジエーション防止用又はハレーション防止用の染料を含有するAI層又はBC層が設けられる。
以下、本発明の光熱写真材料に含有される一般式(1)で示される化合物、フタラジン化合物、ポリハロメタン化合物、還元剤、架橋剤について順次説明する。尚、上記光熱写真材料の感光層に含有される感光性ハロゲン化銀粒子、感光層又はその隣接層に含有される有機銀塩、還元剤、感光層又はその隣接層に含有される高分子バインダー等についても、更に順次後述する。
(一般式(1)の化合物)
本発明に使用する前記一般式(1)について詳述する。
一般式(1)において、R1〜R4は各々、水素原子、ハロゲン原子、それぞれ置換基を有してもよい炭素数1〜16のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシル、オクチル、i−オクチル、ドデシル、アダマンチル、シクロヘキシル、シクロブチル等)、アルケニル基(プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ、ヘキシルオキシ等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピリジル、キノリル、イミダゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル等)等を表すが、R1〜R4の少なくとも一つは、炭素数が1〜6のアルキルシリル基(トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルシリル等)又は炭素数1〜6のアルコキシボリル(硼素)基(ジメトキシ硼素、ジエトキシ硼素、ジプロポキシ硼素、ジブトキシ硼素、ジ−i−プロポキシ硼素等)を表す。Lは2価の連結基を表し、−CH2−基、−CHR−基(Rは炭素数1〜6の直鎖又は分枝のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、2,4,4−トリメチルペンチル等)が好ましい)、アルケニル基(プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)を表す。具体的化合物を以下に示す。
Figure 2005266229
Figure 2005266229
Figure 2005266229
上記化合物の使用量は、銀1モル当たり1×10-7〜1×10-3モル、好ましくは1×10-4〜1×10-5モルの範囲で使用するのが好ましい。添加方法は、水、アルコール(メタノール、エタノール、i−ブチルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、i−ブチルケトン等)、芳香族有機溶媒(トルエン、キシレン等)に溶解して添加しても良いし、微粒子にして分散添加してもよい。この場合は、ジェットミル分散、超音波分散やホモジナイザー分散を行い、1μm以下の微粒子にして必要に応じて界面活性剤や粘度調節剤を加えて水や有機溶媒に分散して添加することもできる。
(弗化炭素基を有するポリスルホン酸塩化合物)
本発明に用いる1分子中に弗化炭素基を有するポリスルホン酸塩化合物は、アニオン基としてスルホン酸塩基を2〜6個有し、かつ分子内にCF基又はCF2基を1〜20個有するもので、好ましい構造は下記一般式(F)のように表すことができる。
一般式(F) Lf−(SO3M)n
式中、Lfは弗素原子を有する弗化炭素基を表すが、炭素原子数が2〜100で弗素原子数が2〜24の弗化炭素基である。該弗化炭素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であっても、又、環状構造を有してもよい。前記置換基としては任意の置換基でもよいが、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子、カルボン酸エステル基、カルボンアミド基、カルバモイル基、オキシカルボニル基、燐酸エステル基等が好ましい。SO3M基はスルホン酸塩基を表し、Mはカチオンを与える金属イオン又はアンモニウム基を表す。Mで表されるカチオンとしては、例えばアルカリ金属イオン(リチウム、ナトリウム、カリウムイオン等)、アルカリ土類金属元素イオン(バリウム、カルシウムイオン等)、アンモニウム基が好ましい。これらの内、より好ましくはリチウム、ナトリウム、カリウム各イオン又はアンモニウム基であり、更に好ましくはリチウム、ナトリウム又はカリウムイオンであり、一般式(F)の化合物の総炭素数や置換基、アルキル基の分岐の程度等により適切に選択することができる。nは2〜10の整数、好ましくは2〜4の整数である。
上記一般式(F)の化合物は、それぞれの好ましい態様を組み合わせることが、より好ましく、その代表的具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、下記の構造表記中、特に断りない限りアルキル基、パーフルアロアルキル基は直鎖の構造を意味する。
Figure 2005266229
弗素化化合物の合成方法は、電解弗素化方法を使用して誘導体を作製し、これをエステル化、アミド化することにより得られる。電解弗素化方法は、有機化合物の弗素化方法としてよく知られている。この方法は、比較的簡単な装置により原料の有機化合物に対応した完全弗素化物が得られるという利点がある。電解弗素化は、分子中に炭素−水素結合を有する有機化合物を無水弗化水素酸(温度を下げて弗化水素を液化させたもの)に溶解又は分散させて、陽極及び陰極間に通電することにより行われる。電解弗素化に使用される炭素−水素結合を有する有機化合物としては、炭素原子に直接結合した水素原子を有する有機化合物であれば特に制限なく用いることができる。電解2化の対象として知られている脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素類;直鎖又は環状の脂肪族第1アミン、第2アミン、第3アミン、芳香族アミン等のアミン類;直鎖又は環状の脂肪族エーテル、芳香族エーテル、ポリエーテル等のエーテル類;直鎖又は環状の脂肪族アルコール、芳香族アルコール等のアルコール類;フェノール類;直鎖又は環状の脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸等、及びこれらから誘導されるカルボン酸クロリド等のカルボン酸ハライド、酸無水物、エステル等のカルボン酸及びその誘導体類;ケトン類;アルデヒド類;脂肪族スルホン酸、芳香族スルホン酸及びこれらから誘導されるスルホン酸クロリド等のスルホン酸ハライド、エステル等のスルホン酸及びその誘導体類;チオエーテル等の含硫黄化合物などを挙げることができる。弗素化合物の製造方法は、特開2000−79345号を参考にすることができる。
(ポリハロメタン化合物)
本発明に使用するポリハロメタン化合物は、1個の分子の中にトリハロメタン基を少なくとも1個有する化合物であり、脂肪族基上に置換されたり、芳香族環や複素環に置換されている。芳香族環や複素環は2価の連結基を介して更に芳香族環や複素環に連結してもよい。芳香族はフェニル基やナフタレン基が好ましく、これら環上にロゲン原子(塩素、臭素、弗素等)、アルキル基(メチル、エチル、ブチル、オクチル、ドデシル、オクタデシル等)、複素環基(ピリジル、ピリミジニル、キノリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル等)で、これらの環上には、芳香族環と同様な置換基を有してもよい。又、芳香族環や複素環上にには、耐拡散性を付与するための基やハロゲン化銀への吸着を促進する基を置換してもよい。トリハロメタン基に隣接する基がスルホニル基やカルボニル基であることが好ましいが、直接芳香族環や複素環上に結合してもよく、結合の方式は限定されない。芳香族環や複素環は還元された非アリール型の飽和環が特に好ましい。トリハロメタン基のハロゲン原子としては、臭素原子が好ましいが、塩素、弗素、沃素でもよく、これらの組合せでもよい。ポリハロメタン化合物の好ましい構造は下記一般式(2)で示される。
Figure 2005266229
式中、X1、X2及びX3は各々、水素原子、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基又はアリール基を表すが、少なくとも一つはハロゲン原子である。L1は−CO−、−SO−又は−SO2−を表し、pは0又は1を表す。Zで表される環は、飽和又は不飽和の単環でも、縮環してもよく、好ましくは炭素数6〜30の単環又は2環の基(フェニル、ナフチル等)であり、Zで表される複素環は、N、O又はSの少なくとも一つの原子を含む3〜10員の飽和もしくは不飽和の複素環であり、これらは単環であっても、更に他の環と縮合環を形成してもよい。複素環基として好ましくは、縮合環を有してもよい5〜6員の飽和又は不飽和複素環基であり、より好ましくは縮合環を有してもよい5〜6員の芳香族複素環基である。更に好ましくは窒素原子を含む縮合環を有してもよい5〜6員の飽和又は不飽和複素環基であり、特に好ましくは窒素原子を1〜4原子含む縮合環を有していてもよい5〜6員の不飽和複素環基である。このような複素環基における複素環としては、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、ホスホレン、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、プテリジン、アクリジン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、インドレニン、テトラザインデンであり、より好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、テトラザインデンであり、更に好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾールであり、特に好ましくはピペリジン、ピペラジン、ピリジン、チアジアゾール、キノリン、ベンゾチアゾールである。
Zで表される環基は、−L1−C(X1)(X2)(X3)の他に置換基を有してもよく、該置換基として好ましくはアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニル基、ウレイド基、燐酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、複素環基等であり、より好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ウレイド基、燐酸アミド基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、複素環基であり、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、複素環基であり、特に好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子である。
1、X2及びX3は、好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、複素環基であり、より好ましくはハロゲン原子、ハロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、トリハロメチル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。ハロゲン原子の中でも好ましくは塩素、臭素、沃素原子であり、更に好ましくは塩素、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
ポリハロメタン化合物の代表的具体例を以下に挙げる。
Figure 2005266229
Figure 2005266229
Figure 2005266229
(ヒンダードフェノール系還元剤)
本発明の光熱写真材料に含有される好ましい還元剤は、米国特許3,770,448号、同3,773,512号、同3,593,863号、及びリサーチ・ディスクロージャ(Research Disclosure、以下RDと略記)17029及び29963に記載されており、次のものが挙げられる。
ビスフェノール類(ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン等)、紫外線感応性アスコルビン酸誘導体又は3−ピラゾリドン類等を挙げることができる。中でも特に好ましい還元剤は、ヒンダードフェノール類である。
ヒンダードフェノール類としては、下記一般式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005266229
式中、R10は水素原子、又は炭素原子数1〜10のアルキル基(i−プロピル、ブチル、2,4,4−トリメチルペンチル等)、芳香族環基(フェニル、ナフチル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル等)又は複素環基(フリル、チオフェニル、ピリジル、オキサゾリル、チアゾリル等)を表し、R11〜R14は各々、炭素原子数1〜8の直鎖又は分枝のアルキル基(メチル、エチル、t−ブチル等)を表す。
一般式(3)で表されるヒンダードフェノール系化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005266229
Figure 2005266229
一般式(3)で表される還元剤の使用量は、好ましくは銀1モル当たり1×10-2〜10モル、特に1×10-2〜2モルである。2種以上使用する場合には、その使用量の合計が上記範囲以内であればよい。
(フタラジン化合物)
次に、保護基を有するフタラジン化合物について説明する。該化合物は、フタラジン環の窒素原子の一方に各種置換基を導入して得ることができる。
好ましい保護基を導入したフタラジン化合物(以下、単にフタラジン化合物と略記)は下記一般式(4)で示すことができる。
Figure 2005266229
式中、置換基R21はアルキル基、アルキルカルボキシオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、R22〜R27は各々、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、それぞれ置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、芳香族基又は複素環基を表す。置換基の機能として、拡散性を制御する基、非拡散性基、拡散性基、吸着性基、酸性基等の基であってもよい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基の炭素数は1〜60が好ましく、特に好ましくは、1〜40である。炭素数が多いとカブリ抑制、色調や保存性において良い効果が得れなくなる。X-はアニオン種を表し、例えば塩素、臭素、4弗化硼素、パークロレート等のイオンである。
フタラジン化合物の合成法は、WO96/05176Aを参考に合成することができる。保護基の導入方法は、米国特許6,605,418号及び同6,630,291号を参考にして合成することができる。好ましいフタラジン化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2005266229
本発明で、一般式(1)の化合物と併用するフタラジン化合物、ポリハロメタン化合物、ヒンダードフェノール化合物、架橋剤等は、一般式(1)で示される化合物の1モルに対して1×10-2〜1×103モル添加することが好ましい。添加する位置は、ハロゲン化銀の存在する感光層に限定する必要がなく、隣接層や下塗り層でもよい。添加する方法は、一般式(1)の化合物と同様な方法で添加することができる。
続いて、本発明の光熱写真材料に使用される有機銀塩、感光性ハロゲン化銀粒子、バインダー、染料、マット剤、その他支持体等について順次説明する。
(有機銀塩)
光熱写真材料に含有される有機銀塩は還元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する有機酸、ヘテロ有機酸及び酸ポリマーの銀塩などが用いられる。又、配位子が、4.0〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機又は無機の銀塩錯体も有用である。銀塩の例は、RD17029及び29963に記載されており、有機酸の塩(没食子酸、蓚酸、ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩)等が好ましい。
(感光性ハロゲン化銀粒子)
光熱写真材料の感光層中に含有される感光性ハロゲン化銀は、シングルジェット又はダブルジェット法など写真技術の分野で公知の任意の方法により、例えばアンモニア法乳剤、中性法、酸性法等の何れかの方法で予め調製し、次いで本発明の他の成分と混合して本発明に用いる組成物中に導入することができる。この場合に感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の接触を充分に行わせるため、例えば感光性ハロゲン化銀を調製する時の保護ポリマーとして、米国特許3,706,564号、同3,706,565号、同3,713,833号、同3,748,143号、英国特許1,362,970号に記載されたポリビニルアセタール類などのゼラチン以外のポリマーを用いる手段や、英国特許1,354,186号に記載されるような感光性ハロゲン化銀乳剤のゼラチンを酵素分解する手段、又は米国特許4,076,539号に記載されるように、感光性ハロゲン化銀粒子を界面活性剤の存在下で調製することによって保護ポリマーの使用を省略する手段等の各手段を適用することができる。
感光性ハロゲン化銀は、画像形成後の白濁を低く抑えるために、又、良好な画質を得るために粒子サイズが小さいものが好ましい。平均粒子サイズで0.1μm以下、好ましくは0.01〜0.1μm、特に0.02〜0.08μmが好ましい。又、ハロゲン化銀の形状としては特に制限はなく、立方体、八面体の所謂、正常晶や正常晶でない球状、棒状、平板状等の粒子がある。又、ハロゲン化銀組成としても特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化銀の何れでもよい。
上記ハロゲン化銀の量は、ハロゲン化銀及び後述の有機銀塩の総量に対し50質量%以下好ましくは25〜0.1質量%、更に好ましくは15〜0.1質量%の間である。
上記ハロゲン化銀形成成分を用いて有機銀塩の一部をハロゲン化銀に変換させる工程の反応温度、反応時間、反応圧力等の諸条件は作製の目的に合わせ適宜設定することができるが、通常、反応温度は−23〜74℃、その反応時間は0.1秒〜72時間であり、その反応圧力は大気圧に設定されるのが好ましい。
上記した各種の方法によって調製される感光性ハロゲン化銀は、例えば含硫黄化合物、金化合物、白金化合物、パラジウム化合物、銀化合物、錫化合物、クロム化合物又はこれらの組合せによって化学増感することができる。この化学増感の方法及び手順については、例えば米国特許4,036,650号、英国特許1,518,850号等、特開昭51−22430号、同51−78319号、同51−81124号等に記載されている。又、ハロゲン化銀形成成分により有機銀塩の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する際に、米国特許3,980,482号に記載されるように、増感を達成するために低分子量のアミド化合物を共存させてもよい。
又、これらの感光性ハロゲン化銀には、照度不軌や、階調調整のために元素周期律表の6〜10族に属する金属、例えばRh、Ru、Re、Ir、Os、Fe等のイオン、その錯体又は錯イオンを含有させることができる。特に元素周期律表の6〜10族に属する金属のイオン又は錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属としては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、Pd、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましく、中でも印刷製版用感光材料に使用される場合はRh、Re、Ru、Ir、Osから選ばれることが好ましい。これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に導入できる。
金属のイオン又は錯体イオンの含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当たり1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましくは1×10-8〜1×10-4モルである。これらの金属のイオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込まれることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で添加する。添加に際しては、数回に亘って分割して添加してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させることもできるし、特開昭63−29603号、特開平2−306236号、同3−167545号、同4−76534号、同6−110146号、同5−273683号等に記載される様に粒子内に分布を持たせて含有させることもできる。好ましくは粒子内部に分布を持たせることができる。
これらの金属化合物は、水あるいは適当な有機溶媒(アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解して添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物と塩化ナトリウム、塩化カリウムとを一緒に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は水溶性ハライド溶液中に添加して置く方法、あるいは銀塩溶液とハライド溶液が同時に混合される時、第3の水溶液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入する方法、あるいはハロゲン化銀調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープしてある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属化合物と塩化ナトリウム、塩化カリウムとを一緒に溶解した水溶液を水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の水溶液を反応容器に投入することもできる。
(分光増感色素)
本発明に使用する分光増感色素は、必要により例えば特開昭63−159841号、同60−140335号、同63−231437号、同63−259651号、同63−304242号、同63−15245号、米国特許4,639,414号、同4,740,455号、同4,741,966号、同4,751,175号、同4,835,096号等に記載された増感色素が使用できる。本発明に使用される有用な増感色素は、例えばRD17643IV−A項(1978年12月,23頁)、同18431X項(1979年8月,437頁)に記載もしくは引用された文献に記載されている。特に各種スキャナー光源の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択することができる。例えば特開平9−34078号、同9−54409号、同9−80679号記載の化合物が好ましく用いられる。
(バインダー)
本発明の光熱写真材料の感光層又は非感光層に用いられる高分子バインダーとしては、ハロゲン化銀、有機銀塩、還元剤が反応する場として好ましい素材、熱消色染料が80〜200℃以下の熱で消色する反応に好ましい素材、あるいは塩基発生前駆体が熱により速やかに塩基を発生するような素材が選択される。上記高分子バインダーとしては、例えばメタノールやエタノール等のアルコール類、メチルエチルケトンやアセトン等のケトン類、ジメチルスルホキシドやジメチルホルムアミド等を含む極性溶媒に溶解して用いられるポリマーと、水分散系ポリマーとがあり、本発明の光熱写真材料の高分子バインダーとしては何れでもよい。又、好ましいポリマーの組成について更にガラス転移点(Tg)が−20〜80℃が好ましく、特に−5〜60℃が好ましい。Tgが高いと熱現像する温度が高くなり、低いとカブリが発生し易くなり、感度の低下や軟調になるからである。
上記極性溶媒等に溶解して用いられるポリマーとしては、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース誘導体、澱粉及びその誘導体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレンオキシド、アクリル酸アミド−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体などが挙げられる。更に乾燥後、膜を形成した後、その塗膜の平衡含水率の低いものが好ましく、特に含水率の低いものとして、例えばセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(メチルメタクリル酸)等のポリ(アクリル酸エステル)類、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類を挙げることができる。
(架橋剤)
バインダーは、単独で造膜することにより、下層や上層との接着を保持し、傷の付き難い膜強度を得ることができるが、架橋剤を使用することにより更に膜接着や膜強度を高めることができる。架橋剤の使用は、下塗り層中に添加する方法、AH層、感光層、保護層、BC層、BC保護層等に添加して使用することができる。塗布液の安定性の観点から、塗布直前にスタチックミキサーを使用して添加することが好ましいが、塗布液の調製時に添加してもよい。
好ましい架橋剤剤は、イソシアナート基又はビニルスルホニル基を有する架橋剤が好ましい。特に好ましい架橋剤はイソシアナート基又はビニルスルホニル基を少なくとも2個、より好ましくは3個有する多官能型架橋剤を挙げることができる。ビニルスルホニル化合物の合成方法は、特開2003−002874を参考にすることができる。好ましい架橋剤としてH−1〜H−13を下記に示す。
H−1 ヘキサメチレンジイソシアナート
H−2 ヘキサメチレンジイソシアナートの3量体
H−3 トリレンジイソシアナート
H−4 フェニレンジイソシアナート
H−5 キシリレンジイソシアナート
Figure 2005266229
(AI層又はBC層に使用される染料)
光熱写真材料には、必要によりイラジエーション防止用又はハレーション防止用のAI層又はBC層が設けられる。該AI層又はBC層に用いられる染料としては、画像露光光を吸収する染料であればよいが、好ましくは前述した米国特許5,384,237号等に記載される熱消色性染料が用いられる。用いられる染料が熱消色性でない場合は、使用量が光熱写真材料に画像障害を及ぼさない範囲に限定されるが、熱消色性染料であれば必要にして十分な量の染料を添加することができる。
(マット剤)
マット剤としては有機物及び無機物の何れでもよく、無機物のマット剤としては、例えばスイス特許330,158号に記載のシリカ、スイス特許330,158号に記載のポリスチレンあるいはポリメタアクリレート、米国特許3,079,257号に記載のポリアクリロニトリル、米国特許3,022,169号に記載のポリカーボネート等を用いることができる。
マット剤の形状は、定形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で、球形のものが用いられる。マット剤の大きさは、マット剤の体積を球形に換算した時の直径で表される。本発明においてマット剤の粒径とは、この球形換算した直径のことを示すものとする。
本発明に用いられるマット剤は、平均粒径が0.5〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜8.0μmである。又、粒子の単分散度は50以下であることが好ましく、更に好ましくは40以下であり、特に好ましくは20以下のマット剤である。ここで、粒子の単分散度は、粒子径の標準偏差を粒子径の平均値で割り100を掛けた数字で表される。
マット剤の添加方法は、予め塗布液中に分散させて塗布する方法でも、塗布液を塗布した後、乾燥が終了する以前にマット剤を噴霧する方法でもよい。
(支持体)
支持体としては、紙、合成紙、不織布、金属箔、プラスチックフィルム等の支持体が使用可能であり、又、これらを組み合わせた複合シートを任意に用いてもよい。
〈画像露光〉
露光方法としては、特開平9−304869号、同9−311403号及び特開2000−10230号記載の方法によりレーザー露光することができる。
〈熱現像装置〉
光熱写真材料を現像する装置は、特開平11−65067号、同11−72897号及び同11−84619号記載の装置を使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明の実施の態様はこれらにより限定れない。尚、特に断りない限り、実施例における「%」は「質量%」を示す。
実施例1
以下のようにして光熱写真材料を作製した。
〈下引済み支持体の作製〉
厚さ175μmのPET支持体の両面に8W/m2・分のコロナ放電処理を施し、一方の面に下記下引下層塗布液a−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層A−1を設け、又、反対側の面に下記下引下層塗布液b−1を乾燥膜厚0.8μmになるように塗設し乾燥させて下引層B−1を設けた。
(下引下層塗布液a−1)
ブチルアクリレート/t−ブチルアクリレート/スチレン/2−ヒドロキシエチルア
クリレート(30/20/25/25%比)共重合体ラテックス液(固形分30%)
270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる。
(下引下層塗布液b−1)
ブチルアクリレート/スチレン/グリシジルアクリレート(40/20/40%比)
共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g
ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレンウレア) 0.8g
水で1リットルに仕上げる。
引き続き、下引層A−1及び下引層B−1の上表面に、8W/m2・分のコロナ放電を施し、下引層A−1の上には下記下引上層塗布液a−2を乾燥膜厚0.1μmになる様に塗布・乾燥して下引層A−2(感光層側)を設け、下引層B−1の上には下記下引上層塗布液b−2を乾燥膜厚0.8μmになる様に塗布・乾燥して帯電防止機能を持つ下引上層B−2(BC層側)を設けた。
(下引上層塗布液a−2)
ゼラチン 0.4g/m2になる質量
シリカ粒子(平均粒径3μm) 0.1g
水で1リットルに仕上げる
(引上層塗布液b−2)
スチレン−ブタジエン共重合ラテックス液(固形分20%) 80g
ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g
水で1リットルに仕上げる。
このように作製した下引済み支持体上に、後記組成のAI層、感光層、感光層保護層を同時重層塗布した。
まず、塗布に先立ちハロゲン化銀乳剤を調製し、引き続き水分散有機銀塩を調製した。
〈ハロゲン化銀乳剤Aの調製〉
水900ml中にイナートゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解して、28℃、pH3.0に合わせた後、硝酸銀74gを含む水溶液370mlと(98/2)モル比の臭化カリウムと沃化カリウムを含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながらコントロールド・ダブルジェット法で10分間かけて添加した。硝酸銀の添加と同期してヘキサクロロイリジウムのナトリウム塩を10-6モル/銀1モル添加した。その後、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン0.3gを添加し、水酸化ナトリウムでpHを5に調整して平均粒子サイズ0.036μm、投影直径面積の変動係数8%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ、脱塩処理後、フェノキシエタノール0.1gを加え、pH5.9、pAg7.5に調整してハロゲン化銀乳剤Aを得た。
〈水分散有機銀塩の調製〉
4720mlの純水にベヘン酸111.4g、アラキジン酸83.8g、ステアリン酸54.9gを80℃で溶解した。次に高速で攪拌しながら1.5モルの水酸化ナトリウム水溶液540.2mlを添加し、濃硝酸6.9mlを加えた後、55℃に冷却して有機酸ナトリウム溶液を得た。この有機酸ナトリウム溶液を55℃に保ったまま、前記ハロゲン化銀粒子乳剤A(銀0.038モルを含む)と純水420mlを添加し5分間攪拌した。次に、1モル濃度の硝酸銀溶液760.6mlを2分間かけて添加し、更に20分攪拌し、濾過により水溶性塩類を除去した。その後、濾液の電導度が2μS/cmになるまで脱イオン水による水洗、濾過を繰り返し、所定の濃度まで水を加えて仕上げた。
〈感光層及びBC層の塗布〉
前記下引層を施した支持体上に、以下の各層を順次形成して光熱写真材料試料を作製した。尚、乾燥は各々45℃・1分間で行った。
〈BC層側の塗布〉
バック面側には、以下の熱消色性染料組成物の水溶液又は水分散体に更に水に加えて調製したBC層塗布液を以下の付量になるように塗布・乾燥してBC層を形成した。
(BC層塗布液)
イナートゼラチン 1.8g/m2
染料:C 1.2×10-5モル/m2
活性剤:N−プロピルオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2
ジヘキシルスルホ琥珀酸ナトリウム塩 0.02g/m2
硬膜剤:h−0 0.02g/m2
(BC保護層塗布液)
イナートゼラチン 1.1g/m2
硬膜剤:h−0 0.01g/m2
活性剤:N−プロピルパーフロロオクチルスルホンアミド酢酸 0.02g/m2
マット剤(PMMA:平均粒子径5μm) 0.12g/m2
〈感光層側の塗布〉
(AI層塗布液)
バインダー:PVB−1 0.4g/m2
染料:C(BC層と同じ) 0.02g/m2
(感光層の塗布)
感光層形成のため以下の組成物をメチルエチルケトンに溶解した塗布液を調製した。この塗布液を35℃付近に保ち、以下の付量になるように塗布・乾燥した。銀量として1.26g/m2になる量の調製液をポリマーバインダーと混合した。
(感光層塗布液)
バインダー:PVB−1(AI層と同じ) 2.6g/m2
一般式(1)の化合物:表1記載 2×10-5モル/m2
一般式(2)の化合物:表1記載 2.2×10-4モル/m2
一般式(3)の化合物:表1記載 1.2×10-4モル/m2
分光増感色素:D 2×10-5モル/m2
カブリ防止剤−1:ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド 0.3mg/m2
カブリ防止剤−2:イソチアゾロン 1.2mg/m2
一般式(4)で示される還元剤:表1記載 3.3×10-4/m2
架橋剤 2×10-5モル/m2
以下の組成物を加えて調製した塗布液を、以下の付量になるように感光層上に塗布・乾燥して表面保護層を形成した。
(表面保護層塗布液)
セルロースアセテートプロピオネート(CAP) 1.2g/m2
4−メチルフタル酸 0.7g/m2
テトラクロロフタル酸 0.2g/m2
テトラクロロフタル酸無水物 0.5g/m2
一般式(F)の化合物 3.3×10-5モル/m2
シリカマット剤(平均粒径5μm) 0.5g/m2
界面活性剤:E 0.1g/m2
このようにして、光熱写真材料試料101〜114を作製した。尚、試料作製に用いた添加剤の構造を以下に示す。
Figure 2005266229
PMMA:ポリメチルメタクリレート
3−0:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
h−0:1,2−ビス(アクリルアミド)エタン
h−1:ホルムアルデヒド
h−2:グルタルアルデヒド
h−3:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン・ナトリウム
h−4:ムコクロル酸
《写真性能の評価》
上記作製した試料を5cm×12cmのサイズで50枚用意した後、二つに分け、一方を23℃・46%RH(相対湿度)の雰囲気下、810nmの半導体レーザー露光用の感光計で露光し、露光後137℃で5秒間加熱・現像後、得られた試料の写真性能を評価した(室温下試料)。別の一方は23℃・RH46%で機密性のアルミ箔(厚さ14μm)包装袋に減圧(10hPa)下に熱シールし、更に断熱性の紙箱(中心層にナノサイズの空隙粒子を充填)の60℃の恒温室に3日間保存した(高温下試料)後、同様に露光、現像して得られた試料を生保存試験試料とした。尚、レーザー露光及び現像処理は25℃±1℃・54%±1%RHに調湿した部屋で行った。
上記室温下試料及び高温下試料の感度及びカブリを濃度計により測定した。感度はカブリ濃度より0.3高い濃度を与える露光量の比の逆数で評価し、試料101を基準(100)として相対値で表した。現像後の保存性(画像保存性)は、現像済み試料を11200ルクス輝度のシャウカステン上に10時間放置した後の光カブリ値を示した。
結果を表1に示す。
Figure 2005266229
表1より本発明の一般式(1)の化合物を使用することで現像時の写真性能(感度及びカブリ特性)、生保存性及び画像保存性が優れることが判る。本発明の一般式(1)の化合物及びフタラジン、ポリハロメタン又はビスフェノール化合物を併用する、あるいはイソシアナート又はビニルスルホニル架橋剤で更に架橋することで、熱現像時の写真性能、生保存性及び画像保存性が更に向上する。

Claims (6)

  1. 支持体上に感光性ハロゲン化銀粒子、有機銀塩、還元剤及び結合剤を含有する感光層を有する光熱写真画像形成材料において、一般式(1)の化合物を含有することを特徴とする光熱写真画像形成材料。
    Figure 2005266229
    (式中、R1〜R4は各々、置換基を表し、該置換基の少なくとも一つはアルキルシリル基又はアルキルオキシ硼素基であり、Lは2価の連結基を表す。)
  2. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中に弗化炭素基を少なくとも1個有するポリスルホン酸塩化合物を含有することを特徴とする請求項1記載の光熱写真画像形成材料。
  3. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にポリハロメタン化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の光熱写真画像形成材料。
  4. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中にヒンダードフェノール系還元剤を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の光熱写真画像形成材料。
  5. 前記感光層又は該感光層に隣接する層中に保護基を有するフタラジン化合物を含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の光熱写真画像形成材料。
  6. 前記感光層又は該感光層に隣接する層のバインダーを架橋する架橋剤がイソシアナート化合物又はビニルスルホン化合物から少なくとも1種選ばれることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の光熱写真画像形成材料。
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