JP2005265301A - 極低温冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スリーブに熱伝達する際に温度に応じた適切な熱伝達が、ヘリウムが存在する隙間を介して行なわれるようにする極低温冷却装置の提供。
【解決手段】冷凍機20の冷却ステージ21,22に発生した寒冷を、ヘリウムガス50が存在する隙間C1s、C1bを介してスリーブ31に熱伝達するようにされた極低温冷却装置において、冷却対象の温度が10Kより高い場合は、スリーブ側面の熱伝達面積Aをスリーブ底面の熱伝達面積Bより大きくして熱伝達し、冷却対象の温度が10Kより低い場合は、スリーブ内の圧力を高めて熱伝達する。
【選択図】図2
【解決手段】冷凍機20の冷却ステージ21,22に発生した寒冷を、ヘリウムガス50が存在する隙間C1s、C1bを介してスリーブ31に熱伝達するようにされた極低温冷却装置において、冷却対象の温度が10Kより高い場合は、スリーブ側面の熱伝達面積Aをスリーブ底面の熱伝達面積Bより大きくして熱伝達し、冷却対象の温度が10Kより低い場合は、スリーブ内の圧力を高めて熱伝達する。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷凍機の冷却ステージに発生した寒冷を、ヘリウムガスが存在する隙間を介してスリーブに熱伝達するようにされた極低温冷却装置に係り、特に、メンテナンスや故障等で冷凍機を交換する際に、交換によって生じる温度変化が少なくなるようにされた極低温冷却装置に関する。
図1に例示する如く、例えば2段式の機械式冷凍機20をスリーブ30に挿入して、その先端に配設された被冷却物10を冷却するようにされた極低温冷却装置が知られている。ここで、冷凍機20は、メンテナンスや故障の際に交換できるように、スリーブ30へ着脱可能となっていて、トップフランジ24で、ボルト40等によりスリーブ30のトップフランジ34に締結される。被冷却物10は、例えばボルト締結、半田付け、蝋付け等により、スリーブ30の2段ステージ32に取り付けられている。
そして、冷凍機2段ステージ22により発生した寒冷は、スリーブ2段ステージ32を介して被冷却物10を冷却する。この時、冷凍機2段ステージ22とスリーブ2段ステージ32の間の熱接触を良好にするため、インジウム等の熱接触媒体42が介在されている。図示していないが、スリーブ2段ステージ32と被冷却物10の間に熱スイッチが有る場合もある。
冷凍機1段ステージ21より発生する寒冷も、図示していないが、スリーブ1段ステージ31に接続された輻射シールド板の冷却等に使用される。この輻射シールド板は、被冷却物10への輻射侵入熱の低減を図るために用いられ、スリーブ1段ステージ31を介して冷凍機1段ステージ21と連結され、冷却される。
この時、冷凍機1段ステージ21とスリーブ1段ステージ31の間の熱接触を、2段ステージと同じにすることはできない。何故ならば、冷凍機20とスリーブ30は、それぞれ2段構造となっているが、それらの長さを完全に一致させることは困難なので、一方の部位が接触している際に、他方の部位は離れていて、接触していないことになるからである。
そこで、従来は、1段ステージに、ばね44を設け、弾性的に接触させることで、両ステージの熱接触を得る構造としている。又、使用時には、真空容器内に配設されるスリーブ30の外側だけでなく、スリーブ30の内側の冷凍機20との間も真空排気され、バルブ46によって封じ切られている。
このように両ステージで良好な熱接触を得られるようにしているが、それでも未だ交換する冷凍機の長さのばらつきによる接触面圧の違いや挿入時の傾き、接触面の表面状態等によって冷凍機20をスリーブ30へ挿入する毎に到達温度が異なることが多々あり、良好な温度再現性を得ることが困難であった。
このような問題点を解決するべく、特許文献1に提案されているように、スリーブ1段ステージ31と冷凍機1段ステージ21の隙間を小さくして、ヘリウムガスを導入することが考えられる。
しかしながら、隙間にヘリウムガスを充填しただけでは、十分な熱伝達が行なわれない場合があるという問題点を有していた。
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、ヘリウムガスが存在する隙間を介してスリーブに熱伝達する際に、良好な熱伝達が行なわれるようにすることを課題とする。
本発明は、冷凍機の冷却ステージに発生した寒冷を、ヘリウムガスが存在する隙間を介してスリーブに熱伝達するようにされた極低温冷却装置において、冷却対象の温度が10Kより高い場合は、スリーブ側面の熱伝達面積をスリーブ底面の熱伝達面積より大きくして熱伝達し、冷却対象の温度が10Kより低い場合は、スリーブ内の圧力を高めて熱伝達するようにして、前記課題を解決したものである。
又、前記冷却ステージとスリーブの半径方向の隙間を0.1〜0.5mm、軸方向の隙間を0〜0.5mmとしたものである。
本発明は、又、前記極低温冷却装置を備えた超電導磁石装置、MRI装置、超電導応用電力装置、又は、超電導応用デバイス装置を提供するものである。
本発明によれば、冷却対象の温度に応じて、隙間を介した良好な熱伝達を行なうことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
2段式冷凍機の1段ステージに適用した本発明の第1実施形態は、図2に示す如く、冷却対象である輻射シールド板の温度が10Kより高い冷凍機1段ステージ21とスリーブ1段ステージ31間の熱交換を側面と底面の両方で行い、スリーブ側面(図の左右方向)の熱伝達面積Aを、スリーブ底面(図の上下方向)の熱伝達面積Bの1.1倍以上としたものである。好ましくは3倍以上とする。
なお、スリーブとシリンダとの隙間C1より上部の死容積60を無くすために、断熱材等を挿入することができる。
ここで、冷却対象の温度が10Kより高い場合に熱伝達面積を大きくするのは、図3及び図4(図3の一部拡大図)に示す如く、10K以上では、ヘリウムの熱伝導率が圧力の変動によって殆んど変化しないためである。この際、軸方向に伸張すると常温部からの熱侵入が大きくなり、冷却性能の低下を招くため、半径方向に伸張させ、スリーブ側面の熱伝達面積Aを大きくする。
なお、冷凍機20をスリーブ30に挿入する際のトラブルを防ぐため、冷凍機1段ステージ21とスリーブ1段ステージ31の側面フランジ31間の隙間C1sは0.1〜0.5mmとすることが望ましい。一方、冷凍機1段ステージ21とスリーブ1段ステージ31の底面フランジ31b間の隙間C1bは0〜0.5mmとすることが望ましく、接触しても構わない。移送熱量と隙間の関係の一例を図5に示す。
ヘリウムガス50の圧力は、常温で0.01〜1MPa(絶対圧)封入し、冷却定常状態になった時、圧力が0.001〜0.5MPa(絶対圧)となる量とすることができる。好ましくは冷却定常状態の圧力を0.1〜0.2MPa(絶対圧)とする。
一方、冷却対象の温度が10Kより低い場合は、圧力を大きくする。これは、図4に示した如く、10K以下では、圧力の変動によって熱伝達率が変化するためである。なお、同一スリーブ内に10K以上の部分が存在しても、圧力の変動によって熱伝達率が変化しないため、影響を受けることはない。具体的には、低温下で1MPaが保持されるようにする。低温でその圧力となるようにすると、耐圧が非常に高いものにならざるを得ないので、常温で1MPaとし、低温での圧力低下に応じて徐々にガスを流入させ、常に1MPaを保持するようにさせればよい。なお、常温に戻すときには、逆に徐々に圧力を下げる必要がある。
前記冷凍機ステージ21、22とスリーブステージ31、32は、有効な伝熱を得るために、熱伝導の良い銅、アルミニウム又はそれらの合金で製作することが望ましい。
バルブ46としては、シールオフバルブ、ダイヤフラムバルブ、ボールバルブ等を用いることができる。
熱接触媒体42の厚みは、できるだけ小さくするのが望ましい。この熱接触媒体42としては、インジウムやウッドメタル等を用いることができる。
本実施形態による熱負荷試験の一例を図6に、再現性試験の一例を図7に示す。図6のデータは、2段GM冷凍機を用いて、1段ステージ部の側面の隙間C1sを0.1mmに、1段ステージ部の底面の隙間C1bを0.2mmにした場合のもので、40W熱負荷を入力した場合、到達温度は100K程度となり、冷凍機とスリーブのステージ間の温度差は2.3K程度となった。又、図7のデータも、図6と同じ供試体で、200W熱負荷入力して7回再現性試験を実施した結果であるが、温度差の標準偏差は0.076Kとなり再現性良好となった。
次に、3段式冷凍機の全ステージに適用した、本発明の第2実施形態を図8に示す。本実施形態においては、中間の1段ステージ21と31の間、2段ステージ22と32との間を、それぞれ隙間C1、C2としただけでなく、先端の3段ステージ23と33の間も、熱接触媒体を設けることなく隙間C3としている。
他の点については第1実施形態と同じであるので説明は省略する。
前記冷凍機20としては、GM冷凍機、パルス管冷凍機、スターリング冷凍機等を用いることができる。冷却段数も、実施形態に示した2段や3段に限定されず、単段又は4段以上であっても良い。
本発明は、超電導磁石やコイル等の超電導磁石装置、MRI装置、超電導を応用した電力装置(例えば超電導発電機、超電導モータ、超電導トランス、超電導限流器、超電導ケーブル等)、超電導を応用したデバイス装置(例えばSQUID装置、ジョセフソン電圧標準装置、超電導フィルタ、心磁計、脳磁計等)等、極低温冷却する必要が有り、冷凍機を交換する必要の有る機器一般に適用できる。
10…被冷却物
20…冷凍機
21、31…1段ステージ
22、32…2段ステージ
23、33…3段ステージ
24、34…トップフランジ
30…スリーブ
46…バルブ
50…ヘリウムガス
60…C1より上部の死容積
C1、C2、C3…隙間
20…冷凍機
21、31…1段ステージ
22、32…2段ステージ
23、33…3段ステージ
24、34…トップフランジ
30…スリーブ
46…バルブ
50…ヘリウムガス
60…C1より上部の死容積
C1、C2、C3…隙間
Claims (6)
- 冷凍機の冷却ステージに発生した寒冷を、ヘリウムガスが存在する隙間を介してスリーブに熱伝達するようにされた極低温冷却装置において、
冷却対象の温度が10Kより高い場合は、スリーブ側面の熱伝達面積をスリーブ底面の熱伝達面積より大きくして熱伝達し、
冷却対象の温度が10Kより低い場合は、スリーブ内の圧力を高めて熱伝達するようにされていることを特徴とする極低温冷却装置。 - 前記冷却ステージとスリーブの側面の隙間を0.1〜0.5mm、底面の隙間を0〜0.5mmとしたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却装置。
- 請求項1又は2に記載の極低温冷却装置を備えたことを特徴とする超電導磁石装置。
- 請求項1又は2に記載の極低温冷却装置を備えたことを特徴とするMRI装置。
- 請求項1又は2に記載の極低温冷却装置を備えたことを特徴とする超電導応用電力装置。
- 請求項1又は2に記載の極低温冷却装置を備えたことを特徴とする超電導応用デバイス装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004078664A JP2005265301A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 極低温冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004078664A JP2005265301A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 極低温冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005265301A true JP2005265301A (ja) | 2005-09-29 |
Family
ID=35090046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004078664A Pending JP2005265301A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | 極低温冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005265301A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007032143A1 (ja) | 2005-09-13 | 2007-03-22 | Fujikura Ltd. | 成膜装置および成膜方法 |
JP2010506134A (ja) * | 2006-10-10 | 2010-02-25 | マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー | 極低温真空遮断熱カプラ |
CN105627610A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-06-01 | 北京美尔斯通科技发展股份有限公司 | 一种基于固氮的高温超导制冷设备 |
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2004
- 2004-03-18 JP JP2004078664A patent/JP2005265301A/ja active Pending
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JP2010506134A (ja) * | 2006-10-10 | 2010-02-25 | マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー | 極低温真空遮断熱カプラ |
CN105627610A (zh) * | 2016-03-15 | 2016-06-01 | 北京美尔斯通科技发展股份有限公司 | 一种基于固氮的高温超导制冷设备 |
CN105627610B (zh) * | 2016-03-15 | 2018-02-06 | 北京美尔斯通科技发展股份有限公司 | 一种基于固氮的高温超导制冷设备 |
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