JP2005265023A - ハイブリッド車の変速制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 無段変速モードでの走行時に急な変速が求められる場合、変速操作の制限を緩和し、変速追従性を改善することができるハイブリッド車の変速制御装置を提供すること。
【解決手段】 エンジンEとモータMG1,MG2が入力される駆動力合成変速機TMを備え、走行モードとして、無限変速比がとれる無段変速モードと、摩擦締結要素の締結により固定変速比がとれる固定変速モードと、を有するハイブリッド車において、前記無段変速モードでの走行時であって、急な変速が求められている場合、前記固定変速モードで締結される摩擦締結要素を、目標変速比に向かう変速比変化を促すように半締結状態にする変速アシスト制御手段を設けた。
【選択図】 図5

Description

本発明は、エンジンとモータが入力される駆動力合成変速機を備え、走行モードとして、無限変速比がとれる無段変速モードと、摩擦締結要素の締結による固定変速モードと、を有するハイブリッド車の変速制御装置に関する。
従来、エンジンと2つのモータジェネレータが入力される遊星歯車式の駆動力合成変速機を備え、走行モードとして、主に2つのモータジェネレータの回転数を制御する変速操作により無限変速比がとれる無段変速モードを有するハイブリッド車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−34154号公報
しかしながら、上記従来のハイブリッド車にあっては、無限変速比がとれる無段変速モードでは、変速比安定化を主にモータトルクが負っているが、モータトルクの場合、トルクリミット、モータパワーリミット、インバータリミットなどにより変速操作が制限されるため、無段変速モードでの走行時であって、変速比の変化幅が大きな急変速が要求された場合、モータ・バッテリのみで変速を行うと、変速操作の制限を受けることがあり、この場合、最適な動力性能や燃費性能を得るべく設定された目標変速比を得ることができないなど、急変速要求に対する変速追従性が劣る、という問題がある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、無段変速モードでの走行時に急な変速が求められる場合、変速操作の制限を緩和し、変速追従性を改善することができるハイブリッド車の変速制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の変速制御装置では、エンジンとモータが入力される駆動力合成変速機を備え、走行モードとして、無限変速比がとれる無段変速モードと、摩擦締結要素の締結により固定変速比がとれる固定変速モードと、を有するハイブリッド車において、
前記無段変速モードでの走行時であって、急な変速が求められている場合、前記固定変速モードで締結される摩擦締結要素を、目標変速比に向かう変速比変化を促すように半締結状態にする変速アシスト制御手段を設けた。
よって、本発明のハイブリッド車の変速制御装置にあっては、変速アシスト制御手段において、無段変速モードでの走行時に急な変速が求められた場合、固定変速モードで締結される摩擦締結要素が、目標変速比に向かう変速比変化を促すように半締結状態にされるため、変速用のモータトルクあるいは変速用のパワーフローをアシストすることで、変速操作の制限が緩和されることになる。その結果、モータ・バッテリで変速する場合に比べて変速追従性を改善することができる。
以下、本発明のハイブリッド車の変速制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1,実施例2,実施例3に基づいて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系構成を説明する。
図1は実施例1の変速制御装置が適用されたハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。実施例1におけるハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2と、出力ギヤOG(出力部材)と、駆動力合成変速機TMと、を有する。
前記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づいて、スロットルバルブのバルブ開度等が制御される。
前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータであり、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流を印加することによりそれぞれ独立に制御される。
前記駆動力合成変速機TMは、ラビニョウ型遊星歯車列PGR(差動装置)と、ローブレーキLB(摩擦締結要素)と、を有し、前記ラビニョウ型遊星歯車列PGRは、第1サンギヤS1と、第1ピニオンP1と、第1リングギヤR1と、第2サンギヤS2と、第2ピニオンP2と、第2リングギヤR2と、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2とを支持する共通キャリアPCと、によって構成されている。つまり、ラビニョウ型遊星歯車PGRは、第1サンギヤS1と、第1リングギヤR1と、第2サンギヤS2と、第2リングギヤR2と、共通キャリアPCと、の5つの回転メンバを有する。この5つの回転メンバに対する入出力要素の連結関係について説明する。
前記第1サンギヤS1には、第1モータジェネレータMG1が連結されている。前記第1リングギヤR1(アシスト回転要素)は、ローブレーキLBを介してケースに固定可能に設けられている。前記第2サンギヤS2には、第2モータジェネレータMG2が連結されている。前記第2リングギヤR2には、エンジンクラッチECを介してエンジンEが連結されている。前記共通キャリアPCには、出力ギヤOGが直結されている。なお、出力ギヤOGからは、図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右の駆動輪に駆動力が伝達される。
上記連結関係により、図2に示す共線図上において、第1モータジェネレータMG1(第1サンギヤS1)、エンジンE(第2リングギヤR2)、出力Output(出力ギヤOG)、第2モータジェネレータMG2(第2サンギヤS2)の順に配列され、ラビニョウ型遊星歯車列PGRの動的な動作を簡易的に表せる剛体レバーモデルを導入することができる。ここで、「共線図」とは、差動歯車のギヤ比を考える場合、式により求める方法に代え、より簡単で分かりやすい作図により求める方法で用いられる速度線図であり、縦軸に各回転メンバの回転数(回転速度)をとり、横軸に各回転メンバをとり、各回転メンバの間隔をサンギヤとリングギヤの歯数比に基づく共線図レバー比になるように配置したものである。
前記エンジンクラッチECとローブレーキLBは、後述する油圧制御装置5からの油圧により締結される多板摩擦クラッチと多板摩擦ブレーキであり、エンジンクラッチECは、図2の共線図上において、エンジンEと共に第2リングギヤR2の回転速度軸と一致する位置に配置され、ローブレーキLBは、図2の共線図上において、第1リングギヤR1の回転速度軸(出力ギヤOGの回転速度軸と第2サンギヤS2の回転速度軸との間の位置)に配置される。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
実施例1におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、油圧制御装置5と、統合コントローラ6と、アクセル開度センサ7と、車速センサ8と、エンジン回転数センサ9と、第1モータジェネレータ回転数センサ10と、第2モータジェネレータ回転数センサ11と、第2リングギヤ回転数センサ12と、を有して構成されている。
前記エンジンコントローラ1は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neを入力する統合コントローラ6からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。
前記モータコントローラ2は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ10,11からのモータジェネレータ回転数N1,N2を入力する統合コントローラ6からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)と、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)と、をそれぞれ独立に制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2からは、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリS.O.Cの情報が統合コントローラ6に対して出力される。
前記インバータ3は、前記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2との各ステータコイルに接続され、モータコントローラ2からの指令により独立した三相交流を作り出す。このインバータ3には、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ4が接続されている。
前記油圧制御装置5は、統合コントローラ6からの油圧指令を受け、エンジンクラッチECと、ローブレーキLBと、の締結油圧制御及び解放油圧制御を行う。この締結油圧制御及び解放油圧制御には、滑り締結制御や滑り解放制御による半クラッチ制御も含む。
前記統合コントローラ6は、アクセル開度センサ7からのアクセル開度APと、車速センサ8からの車速VSPと、エンジン回転数センサ9からのエンジン回転数Neと、第1モータジェネレータ回転数センサ10からの第1モータジェネレータ回転数N1と、第2モータジェネレータ回転数センサ11からの第2モータジェネレータ回転数N2と、第2リングギヤ回転数センサ12からのエンジン入力回転速度ωin等の情報を入力し、所定の演算処理を行う。そして、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、油圧制御装置5に対し演算処理結果にしたがって制御指令を出力する。
なお、統合コントローラ6とエンジンコントローラ1、および、統合コントローラ6とモータコントローラ2とは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線14、15により接続されている。
次に、ハイブリッド車の走行モードについて説明する。
実施例1のハイブリッド車における走行モードとしては、電気自動車無段変速モード(以下、「EVモード」という。)と、電気自動車固定変速モード(以下、「EV-LBモード」という。)と、ハイブリッド車固定変速モード(以下、「LBモード」という。)と、ハイブリッド車無段変速モード(以下、「E-iVTモード」という。)と、を有する。
前記「EVモード」は、図2(a)の共線図に示すように、二つのモータジェネレータMG1.MG2のみで走行する無段変速モードであり、エンジンEは停止でエンジンクラッチECは解放である。
前記「EV-LBモード」は、図2(b)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結した状態で、二つのモータジェネレータMG1,MG2のみで走行する固定変速モードであり、エンジンEは停止でエンジンクラッチECは解放である。第1モータジェネレータMG1から出力Outputへの減速比、及び、第2モータジェネレータMG2から出力Outputへの減速比が大きいので駆動力が大きく出るモードである。
前記「LBモード」は、図2(c)の共線図に示すように、ローブレーキLBを締結した状態で、エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2で走行する固定変速モードであり、エンジンEは運転でエンジンクラッチECは締結である。エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2から出力Outputへの減速比が大きいので駆動力が大きく出るモードである。
前記「E-iVTモード」は、図2(d)の共線図に示すように、エンジンEとモータジェネレータMG1,MG2で走行する無段変速モードであり、エンジンEは運転でエンジンクラッチECは締結である。
そして、前記4つの走行モードのモード遷移制御は、統合コントローラ6により行われる。すなわち、統合コントローラ6には、要求駆動力Fdrv(アクセル開度APにより求められる。)と車速VSPとバッテリS.O.Cによる三次元空間に、図3に示すような前記4つの走行モードを割り振った走行モードマップが予め設定されていて、車両の停止時や走行時には、要求駆動力Fdrvと車速VSPとバッテリS.O.Cの各検出値により走行モードマップが検索され、要求駆動力Fdrvと車速VSPにより決まる車両動作点やバッテリ充電量に応じて最適な走行モードが選択される。なお、図3は三次元走行モードマップをバッテリS.O.Cが充分な容量域のある値で切り取ることにより、要求駆動力Fdrvと車速VSPとの二次元によりあらわした走行モードマップの一例である。
前記走行モードマップの選択により、「EVモード」と「EV-LBモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、ローブレーキLBの締結・解放が行われる。「E-iVTモード」と「LBモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、ローブレーキLBの締結・解放が行われる。また、「EVモード」と「E-iVTモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、エンジンEの始動・停止と共にエンジンクラッチECの締結・解放が行われる。「EV-LBモード」と「LBモード」との間においてモード遷移を行う場合、図4に示すように、エンジンEの始動・停止と共にエンジンクラッチECの締結・解放が行われる。なお、これらのモード遷移制御は、例えば、予め決められた手順にしたがったシーケンス制御により行われる。
次に、作用を説明する。
[変速アシスト制御処理]
図5は実施例1の統合コントローラ6において実行される変速アシスト制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(請求項1乃至5の変速アシスト制御手段)。なお、この処理は、無段変速モード(「EVモード」または「E-iVTモード」)での走行中に実行される。
ステップS1では、実変速比iと目標変速比iとの変速比誤差が設定誤差よりも大きいか否かが判断され、YESの場合はステップS2へ移行し、NOの場合はステップS1の判断が繰り返される。
ステップS2では、ステップS1での変速比誤差大との判断に基づき、ローブレーキLBが設けられる油圧アシスト回転要素(第1リングギヤR1)の回転数がゼロになる方向へのハイ側からロー側への変速要求か、あるいは、ロー側からハイ側への変速要求かが判断され、YESの場合はステップS3へ移行し、NOの場合はステップS1へ戻る。
ステップS3では、ステップS2での第1リングギヤR1の回転数がゼロになる方向への変速要求であるとの判断に基づき、ローブレーキLBに対し油圧半クラッチ指令dTLBが出力され、ステップS4へ移行する。ここで、油圧半クラッチ指令dTLBは、予め定めた一定値により与えられる。
ステップS4では、ステップS3での油圧半クラッチ指令dTLBと同時に、駆動力不変のためのモータトルク補正値dT1(=油圧半クラッチ指令dTLB)がモータ指令に加えられ、ステップS1へ戻る。
[急変速要求の判断]
図6のフローチャートのステップS1では、実変速比iと目標変速比iとの変速比誤差が設定誤差よりも大きいことにより、急変速要求が判断される。
ここで、「実変速比i」は、駆動力合成変速機TMの入力回転数Niと出力回転数Noとの比であるNi/Noにより算出される。なお、出力回転数Noは、出力回転系に設けられた車速センサ8からのセンサ信号により得られ、入力回転数Niは、エンジンクラッチECの解放時には第2リングギヤ回転数センサ12からのセンサ信号、エンジンクラッチECの締結時には第2リングギヤ回転数センサ12またはエンジン回転数センサ9からセンサ信号により得られる。
また、実施例1のハイブリッド車では、「E-iVTモード」において、バッテリ4の消費量を最小に抑えつつ、共線図上のレバーをバランスさせながら変速比を維持するように、エンジンEの動作点(Ne,Te)や両モータジェネレータMG1,MG2の動作点(N1,T1),(N2,T2)を決定する制御を行うものである。このため、「目標変速比i」は、例えば、ドライバのアクセル踏み込み操作やアクセル足離し操作により、要求駆動力Fdrv(=出力トルクTo)が大きく変化した場合、出力トルクToの変化に対し、共線図上のレバーバランスを表す下記の(1)式(トルク上下方向のバランス式)と、(2)式(モータパワーのバランス式)と、(3)式(レバー回転方向のバランス式)と、が共に成立するときの駆動力合成変速機TMの入力回転数Niと出力回転数Noとの比により決められる。
To=T1+T2+Te …(1)
N1・T1+N2・T2=Pb(バッテリパワーPbは、Pb=0とする。) …(2)
aT1+To=(1+b)T2 …(3)
なお、「EVモード」における「目標変速比i」の設定については、エンジン回転数Neに代え、第2リングギヤ回転数センサ12からのセンサ信号による入力回転数Niを用い、エンジントルクTe=0とすることで、「E-iVTモード」と同様に設定される。
前記変速比誤差の「設定誤差」は、例えば、目標変速比iを得るためには共線図上のレバーを目標変速比方向に回転させるモーメントを与える必要があが、このレバー回転方向のモーメントを与えるため、両モータジェネレータMG1,MG2に対して与えるモータトルクの変速比用成分により、トルクリミット・モータパワーリミット・インバータリミットなどにより制限を受ける領域に限りなく近づくことが予測されたり、または、制限を受ける領域に入ることが予測されるような変速比変化幅により定められる。
[変速アシスト制御作用]
実施例1の統合コントローラ6において実行される変速アシスト制御は、無段変速モード(「EVモード」または「E-iVTモード」)での走行中であって、実変速比iと目標変速比iとの変速比誤差が設定誤差よりも大きく、かつ、第1リングギヤR1の回転数がゼロになる方向へのロー側からハイ側への変速要求、あるいは、ハイ側からロー側への変速要求がある場合、図6のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進み、ステップS3において、ローブレーキLBに対し一定値による油圧半クラッチ指令dTLBが出力され、次のステップS4において、一定値によるモータトルク補正値dT1(=油圧半クラッチ指令dTLB)がモータ指令に加えることで行われる。
よって、ローブレーキLBに対し一定値による油圧半クラッチ指令dTLBを出力することで、共線図上のレバーを目標変速比方向に回転させる回転モーメントに、ローブレーキLBの半締結トルクに出力OutputからローブレーキLBまでの取り付けスパンcを掛け合わせた回転モーメントが加えられる。つまり、ローブレーキLBの半締結による回転モーメントが、変速用のトルクあるいは変速用のパワーフローをアシストする作用を示し、この結果、無段変速モードである「EVモード」や「E-iVTモード」での走行中に急な変速が求められている場合、両モータジェネレータMG1,MG2とバッテリ4のみで変速するよりも変速追従性を改善することができる。
加えて、ローブレーキLBを半締結するトルクにより、出力Outputの駆動力がローブレーキLBの半締結トルクの分、変動してしまうことになる。これに対し、ローブレーキLBへの油圧半クラッチ指令dTLBと同じ値で、方向が逆であるモータトルク補正値dT1をモータ指令に加えることで、ローブレーキアシスト制御の前後における出力Outputの駆動力変動を抑制することができる。同時に、モータトルク補正値dT1は、レバー回転方向の回転モーメントを大きくし、より変速を助長するアシストトルクとしても用いられる。以下、ローブレーキアシスト制御の具体例として、「EVモード」におけるLBアシスト制御作用と、「E-iVTモード」におけるLBアシスト制御作用を説明する。
[EVモードでのLBアシスト作用]
図6は「EVモード」でのLBモード変速比よりハイ側からロー側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。
「EVモード」でのLBモード変速比よりハイ側からロー側への変速指令が出されると、第1モータジェネレータMG1に対し上向きトルクを得るモータ1トルク変速比用成分指令が出され、第2モータジェネレータMG2に対し下向きトルクを得るモータ2トルク変速比用成分指令が出される。この両モータジェネレータMG1,MG2に対する変速比用トルク成分により、共線図上のレバーは、慣性が最も大きな出力Output(変速運動に対する車体慣性反力はゼロ)を中心として、点線で示すレバー位置から実線で示すレバー位置に移るように時計回りに回転する。なお、出力Outputには、駆動系が連結されることで、慣性が最も大きな車体慣性となる。
このとき、例えば、第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分がトルクリミットにより制限を受ける場合(低回転数によるトルク飽和)や故障や不具合により正常にトルクが出ない状態である場合には、このトルク制限に拘束されてモータ1トルク変速比用成分の小さな値しか与えることができず、結果として、ロー側への変速のためのレバーの回転モーメントを大きくとることができない。
これに対し、実施例1のように、ローブレーキLBに対し一定値による油圧半クラッチ指令dTLBを出力することで、共線図上のレバーをロー側に回転させる回転モーメントとして、ローブレーキLBの半締結トルクに出力OutputからローブレーキLBまでの取り付けスパンcを掛け合わせた回転モーメントが加えられる。つまり、ローブレーキLBの半締結による回転モーメントが、上記第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分をアシストする作用を示し、この結果、無段変速モードである「EVモード」での走行中に急なロー側への変速要求がある場合、両モータジェネレータMG1,MG2とバッテリ4のみで変速するよりも変速追従性を改善することができる。
加えて、ローブレーキLBを半締結するトルクにより、出力Outputの駆動力がローブレーキLBの半締結トルクの分、変動してしまうことになる。これに対しては、ローブレーキLBへの油圧半クラッチ指令dTLBと同じ値で、方向が逆であるモータトルク補正値dT1をモータ指令に加えることで、ローブレーキアシスト制御の前後における出力Outputの駆動力変動を抑制することができる。同時に、モータトルク補正値dT1が、レバー回転方向の回転モーメントも大きくし、よりロー側への変速を助長するアシストトルクとして用いられる。
図7は「EVモード」でのLBモード変速比よりロー側からハイ側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。
「EVモード」でのLBモード変速比よりロー側からハイ側への変速指令が出されると、第1モータジェネレータMG1に対し下向きトルクを得るモータ1トルク変速比用成分指令が出され、第2モータジェネレータMG2に対し上向きトルクを得るモータ2トルク変速比用成分指令が出される。この両モータジェネレータMG1,MG2に対する変速比用トルク成分により、共線図上のレバーは、慣性が最も大きな出力Outputを中心として、点線で示すレバー位置から実線で示すレバー位置に移るように反時計回りに回転する。
このとき、例えば、第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分がトルクリミットにより制限を受ける場合(低回転数によるトルク飽和)や故障や不具合により正常にトルクが出ない状態である場合には、このトルク制限に拘束されてモータ1トルク変速比用成分の小さな値しか与えることができず、結果として、ハイ側への変速のためのレバーの回転モーメントを大きくとることができない。
これに対し、実施例1のように、ローブレーキLBに対し一定値による油圧半クラッチ指令dTLBを出力することで、共線図上のレバーをハイ側に回転させる回転モーメントとして、ローブレーキLBの半締結トルクに出力OutputからローブレーキLBまでの取り付けスパンcを掛け合わせた回転モーメントが加えられる。つまり、ローブレーキLBの半締結による回転モーメントが、上記第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分をアシストする作用を示し、この結果、無段変速モードである「EVモード」での走行中に急なハイ側への変速要求がある場合、両モータジェネレータMG1,MG2とバッテリ4のみで変速するよりも変速追従性を改善することができる。
加えて、ローブレーキLBを半締結するトルクにより、出力Outputの駆動力がローブレーキLBの半締結トルクの分、変動してしまうことになる。これに対しては、ローブレーキLBへの油圧半クラッチ指令dTLBと同じ値で、方向が逆であるモータトルク補正値dT1をモータ指令に加えることで、ローブレーキアシスト制御の前後における出力Outputの駆動力変動を抑制することができる。同時に、モータトルク補正値dT1が、レバー回転方向の回転モーメントも大きくし、よりハイ側への変速を助長するアシストトルクとして用いられる。
[E-iVTモードでのLBアシスト作用]
図8は「E-iVTモード」でのLBモード変速比よりハイ側からロー側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。
「E-iVTモード」でのLBモード変速比よりハイ側からロー側への変速指令が出されると、第1モータジェネレータMG1に対し上向きトルクを得るモータ1トルク変速比用成分指令が出され、第2モータジェネレータMG2に対し下向きトルクを得るモータ2トルク変速比用成分指令が出され、エンジンEに対し上向きトルクを得るエンジントルク変速比用成分指令が出される。このエンジンEと両モータジェネレータMG1,MG2に対する変速比用トルク成分により、共線図上のレバーは、慣性が最も大きな出力Outputを中心として、点線で示すレバー位置から実線で示すレバー位置に移るように時計回りに回転する。
このとき、例えば、第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分がトルクリミットにより制限を受ける場合(低回転数によるトルク飽和)や故障や不具合により正常にトルクが出ない状態である場合には、このトルク制限に拘束されてモータ1トルク変速比用成分の小さな値しか与えることができず、結果として、ロー側への変速のためのレバーの回転モーメントを大きくとることができない。
これに対し、実施例1のように、ローブレーキLBに対し一定値による油圧半クラッチ指令dTLBを出力することで、共線図上のレバーをロー側に回転させる回転モーメントとして、ローブレーキLBの半締結トルクに出力OutputからローブレーキLBまでの取り付けスパンcを掛け合わせた回転モーメントが加えられる。つまり、ローブレーキLBの半締結による回転モーメントが、上記第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分をアシストする作用を示し、この結果、無段変速モードである「E-iVTモード」での走行中に急なロー側への変速要求がある場合、両モータジェネレータMG1,MG2とバッテリ4のみで変速するよりも変速追従性を改善することができる。
加えて、ローブレーキLBを半締結するトルクにより、出力Outputの駆動力がローブレーキLBの半締結トルクの分、変動してしまうことになる。これに対しては、ローブレーキLBへの油圧半クラッチ指令dTLBと同じ値で、方向が逆であるモータトルク補正値dT1をモータ指令に加えることで、ローブレーキアシスト制御の前後における出力Outputの駆動力変動を抑制することができる。同時に、モータトルク補正値dT1が、レバー回転方向の回転モーメントも大きくし、よりロー側への変速を助長するアシストトルクとして用いられる。
図9は「E-iVTモード」でのLBモード変速比よりロー側からハイ側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。
「E-iVTモード」でのLBモード変速比よりロー側からハイ側への変速指令が出されると、第1モータジェネレータMG1に対し下向きトルクを得るモータ1トルク変速比用成分指令が出され、第2モータジェネレータMG2に対し上向きトルクを得るモータ2トルク変速比用成分指令が出され、エンジンEに対し下向きトルクを得るエンジントルク変速比用成分指令が出される。このエンジンEと両モータジェネレータMG1,MG2に対する変速比用トルク成分により、共線図上のレバーは、慣性が最も大きな出力Outputを中心として、点線で示すレバー位置から実線で示すレバー位置に移るように反時計回りに回転する。
このとき、例えば、第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分がトルクリミットにより制限を受ける場合(低回転数によるトルク飽和)や故障や不具合により正常にトルクが出ない状態である場合には、このトルク制限に拘束されてモータ1トルク変速比用成分の小さな値しか与えることができず、結果として、ハイ側への変速のためのレバーの回転モーメントを大きくとることができない。
これに対し、実施例1のように、ローブレーキLBに対し一定値による油圧半クラッチ指令dTLBを出力することで、共線図上のレバーをロー側に回転させる回転モーメントとして、ローブレーキLBの半締結トルクに出力OutputからローブレーキLBまでの取り付けスパンcを掛け合わせた回転モーメントが加えられる。つまり、ローブレーキLBの半締結による回転モーメントが、上記第2モータジェネレータMG2でのモータ2トルク変速比用成分をアシストする作用を示し、この結果、無段変速モードである「E-iVTモード」での走行中に急なロー側への変速要求がある場合、両モータジェネレータMG1,MG2とバッテリ4のみで変速するよりも変速追従性を改善することができる。
加えて、ローブレーキLBを半締結するトルクにより、出力Outputの駆動力がローブレーキLBの半締結トルクの分、変動してしまうことになる。これに対しては、ローブレーキLBへの油圧半クラッチ指令dTLBと同じ値で、方向が逆であるモータトルク補正値dT1をモータ指令に加えることで、ローブレーキアシスト制御の前後における出力Outputの駆動力変動を抑制することができる。同時に、モータトルク補正値dT1が、レバー回転方向の回転モーメントも大きくし、よりロー側への変速を助長するアシストトルクとして用いられる。
次に、効果を説明する。
実施例1のハイブリッド車の変速制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) エンジンEとモータMG1,MG2が入力される駆動力合成変速機TMを備え、走行モードとして、無限変速比がとれる無段変速モードと、摩擦締結要素の締結により固定変速比がとれる固定変速モードと、を有するハイブリッド車において、前記無段変速モードでの走行時であって、急な変速が求められている場合、前記固定変速モードで締結される摩擦締結要素を、目標変速比に向かう変速比変化を促すように半締結状態にする変速アシスト制御手段を設けたため、無段変速モードでの走行時に急な変速が求められる場合、変速操作の制限を緩和し、変速追従性を改善することができる。
(2) 前記変速アシスト制御手段は、無段変速モードでの走行時であって、急な変速が求められている場合、摩擦締結要素の半締結に伴う駆動力の変動をキャンセルするようにモータトルクを補正するため、摩擦締結要素を半締結する変速アシスト制御による駆動力変動を抑制することができる。
(3) 前記摩擦締結要素は、駆動力合成変速機TMのアシスト回転要素に設けられ、締結により変速比を固定するブレーキであり、前記変速アシスト制御手段は、無段変速モードでの走行時であって、実変速比iと目標変速比iとの変速比誤差が設定誤差よりも大きいときで、かつ、前記アシスト回転要素の回転数がゼロとなる方向へのハイ側からロー側への変速要求がある場合、前記ブレーキを半締結にすると共にこのブレーキ半締結に伴う駆動力の変動をキャンセルするようにモータトルクを補正するため、無段変速モードでの走行時にハイ側からロー側への急変速要求があった場合、ハイ側からロー側への変速追従性を改善することができると共に、ブレーキアシスト制御による駆動力変動を抑制することができる。
(4) 前記摩擦締結要素は、駆動力合成変速機TMのアシスト回転要素に設けられ、締結により変速比に固定するブレーキであり、前記変速アシスト制御手段は、無段変速モードでの走行時であって、実変速比iと目標変速比iとの変速比誤差が設定誤差よりも大きいときで、かつ、前記アシスト回転要素の回転数がゼロとなる方向へのロー側からハイ側への変速要求がある場合、前記ブレーキを半締結にすると共にこのブレーキ半締結に伴う駆動力の変動をキャンセルするようにモータトルクを補正するため、無段変速モードでの走行時にロー側からハイ側への急変速要求があった場合、ロー側からハイ側への変速追従性を改善することができると共に、ブレーキアシスト制御による駆動力変動を抑制することができる。
(5) 前記変速アシスト制御手段は、ブレーキアシスト制御での前記ブレーキに対する半締結トルク値と前記モータに対するモータトルク補正値とを、一定値により与えるため、予め決めた値を用いる簡単な処理にてブレーキアシスト制御を行うことができる。
(6) 前記駆動力合成変速機TMは、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列され、入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンEからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを連結した差動装置であり、前記摩擦締結要素は、前記差動装置のアシスト回転要素に設けられ、締結によりロー側変速比に固定するローブレーキLBであり、前記無段変速モードは、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを駆動源とする電気自動車無段変速モード、または、エンジンEと両モータジェネレータMG1.MG2とを駆動源とするハイブリッド車無段変速モードであり、前記固定変速モードは、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2とを駆動源として前記ローブレーキLBを締結する電気自動車固定変速モード、または、エンジンEと両モータジェネレータMG1,MG2とを駆動源として前記ローブレーキLBを締結するハイブリッド車固定変速モードであるため、両モータジェネレータMG1,MG2が変速アクチュエータとして動作する無段変速モードでの走行時、最も頻度が高いLBモード変速比よりハイ側からロー側への急変速要求に対し、変速追従性を改善するローブレーキアシスト制御が有効に機能し、高い発進加速応答性や中間加速応答性を実現することができる。
実施例2は、ブレーキアシスト制御での半締結トルク値とモータトルク補正値とをトルク余裕代に基づいて決定するようにした例である。なお、システム構成は、実施例1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
図10は実施例2の統合コントローラ6において実行される変速アシスト制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(請求項6の変速アシスト制御手段)。なお、この処理は、無段変速モード(「EVモード」または「E-iVTモード」)での走行中に実行される。また、ステップS21,ステップS22,ステップS23,ステップS24は、図5に示す実施例1のステップS1,ステップS2,ステップS3,ステップS4と同様であるので説明を省略する。
ステップS25では、ステップS22での第1リングギヤR1の回転数がゼロになる方向への変速要求であるとの判断に基づき、半クラッチトルク範囲とモータトルク余裕から半クラッチトルクdTLBとモータトルク補正dT1(=dTLB)とを決定する。
ここで、「半クラッチトルク範囲」は、実変速比iから目標変速比iまでローブレーキLBの半締結により移行させる場合の必要締結トルクを上限値とするトルク範囲をいう。「モータトルク余裕」は、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2について、それぞれのモータジェネレータに加えることができる最大トルクと現在加えているトルクとの差をいう。そして、「半クラッチトルク範囲」と、第1モータジェネレータMG1の「モータトルク余裕」と、第2モータジェネレータMG2の「モータトルク余裕」と、を比較し、最も低いトルク値を基準として、半クラッチトルクdTLBとモータトルク補正dT1(=dTLB)とが決定される。例えば、最も低いトルク値が第1モータジェネレータMG1の「モータトルク余裕」であり、モータ1トルクの正方向余裕がdT1である場合、これが、半クラッチトルクdTLBとなる。
次のステップS23では、ステップS25で決定された油圧半クラッチ指令dTLBがローブレーキLBに対し出力され、ステップS24では、ステップS25で決定されたモータトルク補正値dT1(=油圧半クラッチ指令dTLB)がモータ指令に加えられる。
したがって、実施例2の変速アシスト制御では、半クラッチトルク範囲とモータトルク余裕から半クラッチトルクdTLBとモータトルク補正dT1(=dTLB)とが決定されることで、第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2に対してトルクリミットを超えるモータトルク補正dT1を行うことなく、モータジェネレータによる変速操作の制限に対し、最大限の変速追従性を得ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例2のハイブリッド車の変速制御装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4),(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記変速アシスト制御手段は、ブレーキアシスト制御での前記ブレーキに対する半締結トルク値と前記モータに対するモータトルク補正値とを、半締結トルクによるトルク範囲とモータトルク限界までの余裕トルク範囲とに基づき決定した値により与えるため、両モータジェネレータMG1,MG2の耐久信頼性を確保しながら、変速操作が制限される範囲で最大限の変速追従性を得ることができる。
実施例3は、ブレーキアシスト制御での半締結トルク値とモータトルク補正値とを変速比誤差の大きさに応じて決定するようにした例である。なお、システム構成は、実施例1と同様であるので図示並びに説明を省略する。
図11は実施例3の統合コントローラ6において実行される変速アシスト制御処理の流れを示すフローチャートであり、以下、各ステップについて説明する(請求項7の変速アシスト制御手段)。なお、この処理は、無段変速モード(「EVモード」または「E-iVTモード」)での走行中に実行される。また、ステップS31,ステップS32,ステップS33,ステップS34は、図5に示す実施例1のステップS1,ステップS2,ステップS3,ステップS4と同様であるので説明を省略する。
ステップS35では、ステップS32での第1リングギヤR1の回転数がゼロになる方向への変速要求であるとの判断に基づき、変速比誤差Wierror(=i−i)から半クラッチトルクdTLBとモータトルク補正dT1(=dTLB)とを決定する。
ここで、「半クラッチトルクdTLB」は、例えば、dTLB=K・(Wierror)の式による比例制御などにより求める。
次のステップS33では、ステップS35で決定された油圧半クラッチ指令dTLBがローブレーキLBに対し出力され、ステップS34では、ステップS35で決定されたモータトルク補正値dT1(=油圧半クラッチ指令dTLB)がモータ指令に加えられる。
したがって、実施例3の変速アシスト制御では、変速比誤差Wierrorから半クラッチトルクdTLBとモータトルク補正dT1(=dTLB)とが決定されることで、ローブレーキLBに与えられる油圧半クラッチ指令dTLBは、目標変速比iまで共線図上のレバーを回転されるのに適正なトルクとなり、ローブレーキLBの半締結により目標変速比iより超える変速(オーバーシュート変速)や、目標変速比iまで到達しない変速(アンダーシュート変速)が防止され、ローブレーキLBの半締結により、直ちに実変速比が目標変速比iにほぼ一致する高い収束性を得ることができる。
次に、効果を説明する。
実施例3のハイブリッド車の変速制御装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(4),(6)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記変速アシスト制御手段は、ブレーキアシスト制御での前記ブレーキに対する半締結トルク値と前記モータに対するモータトルク補正値とを、変速比誤差Wierrorの大きさに応じて決定した値により与えるため、無段変速モードでの走行時に急な変速が求められる場合、変速操作の制限を緩和し、応答の良い変速追従性と目標変速比iへの良好な収束性を得ることができる。
以上、本発明のハイブリッド車の変速制御装置を実施例1,2,3に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1,2,3では、摩擦締結要素としてローブレーキを用いたローブレーキアシスト制御の例を示したが、例えば、図1に示す差動装置において、第1モータジェネレータと第1サンギヤとを繋ぐ経路に、締結によりハイ側変速比に固定するハイブレーキを設け、このハイブレーキを無段変速モードでの走行時に急な変速が要求された場合、半締結によるハイブレーキアシスト制御を行っても、実施例1,2,3と同様の効果を得ることができる。
また、自動変速機の変速制御装置との相違を述べると、モータが主であること、固定変速比まで摩擦締結要素(ローブレーキLBなど)を完全に締結しきらないこと、イナーシャフェーズのみの適用であること、等である。
実施例1,2,3でのハイブリッド車として、ラビニョウ型遊星歯車列により構成された差動装置による駆動力合成変速機を備えた例を示したが、エンジンとモータが入力される駆動力合成変速機を備え、走行モードとして、無限変速比がとれる無段変速モードと、摩擦締結要素の締結により固定変速比がとれる固定変速モードと、を有するハイブリッド車であれば、パラレル型ハイブリッド車への適用に限らず、シリーズ型ハイブリッド車へも適用することができる。
実施例1の変速制御装置が適用されたハイブリッド車を示す全体システム図である。 実施例1の変速制御装置が適用されたハイブリッド車に採用されたラビニョウ型遊星歯車列による各走行モードをあらわす共線図である。 実施例1の変速制御装置が適用されたハイブリッド車での走行モードマップを示す図である。 実施例1の変速制御装置が適用されたハイブリッド車での4つの走行モード間におけるモード遷移経路を示す図である。 実施例1の統合コントローラにおいて実行される変速アシスト制御処理の流れを示すフローチャートである。 「EVモード」でのLBモード変速比よりハイ側からロー側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。 「EVモード」でのLBモード変速比よりロー側からハイ側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。 「E-iVTモード」でのLBモード変速比よりハイ側からロー側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。 「E-iVTモード」でのLBモード変速比よりロー側からハイ側への変速時におけるLBアシスト作用を示す共線図である。 実施例2の統合コントローラにおいて実行される変速アシスト制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3の統合コントローラにおいて実行される変速アシスト制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
E エンジン
MG1 第1モータジェネレータ
MG2 第2モータジェネレータ
OG 出力ギヤ(出力部材)
TM 駆動力合成変速機
PGR ラビニョウ型遊星歯車列(差動装置)
EC エンジンクラッチ
LB ローブレーキ
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
5 油圧制御装置
6 統合コントローラ
7 アクセル開度センサ
8 車速センサ
9 エンジン回転数センサ
10 第1モータジェネレータ回転数センサ
11 第2モータジェネレータ回転数センサ
12 第2リングギヤ回転数センサ

Claims (8)

  1. エンジンとモータが入力される駆動力合成変速機を備え、走行モードとして、無限変速比がとれる無段変速モードと、摩擦締結要素の締結により固定変速比がとれる固定変速モードと、を有するハイブリッド車において、
    前記無段変速モードでの走行時であって、急な変速が求められている場合、前記固定変速モードで締結される摩擦締結要素を、目標変速比に向かう変速比変化を促すように半締結状態にする変速アシスト制御手段を設けたことを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記変速アシスト制御手段は、無段変速モードでの走行時であって、急な変速が求められている場合、摩擦締結要素の半締結に伴う駆動力の変動をキャンセルするようにモータトルクを補正することを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記摩擦締結要素は、駆動力合成変速機のアシスト回転要素に設けられ、締結により変速比を固定するブレーキであり、
    前記変速アシスト制御手段は、無段変速モードでの走行時であって、実変速比と目標変速比との変速比誤差が設定誤差よりも大きいときで、かつ、前記アシスト回転要素の回転数がゼロとなる方向へのハイ側からロー側への変速要求がある場合、前記ブレーキを半締結にすると共にこのブレーキ半締結に伴う駆動力の変動をキャンセルするようにモータトルクを補正することを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  4. 請求項1または2に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記摩擦締結要素は、駆動力合成変速機のアシスト回転要素に設けられ、締結により変速比に固定するブレーキであり、
    前記変速アシスト制御手段は、無段変速モードでの走行時であって、実変速比と目標変速比との変速比誤差が設定誤差よりも大きいときで、かつ、前記アシスト回転要素の回転数がゼロとなる方向へのロー側からハイ側への変速要求がある場合、前記ブレーキを半締結にすると共にこのブレーキ半締結に伴う駆動力の変動をキャンセルするようにモータトルクを補正することを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  5. 請求項3または4に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記変速アシスト制御手段は、ブレーキアシスト制御での前記ブレーキに対する半締結トルク値と前記モータに対するモータトルク補正値とを、一定値により与えることを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  6. 請求項3または4に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記変速アシスト制御手段は、ブレーキアシスト制御での前記ブレーキに対する半締結トルク値と前記モータに対するモータトルク補正値とを、半締結トルクによるトルク範囲とモータトルク限界までの余裕トルク範囲とに基づき決定した値により与えることを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  7. 請求項3または4に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記変速アシスト制御手段は、変速アシスト制御での前記ブレーキに対する半締結トルク値と前記モータに対するモータトルク補正値とを、変速比誤差の大きさに応じて決定した値により与えることを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1項に記載されたハイブリッド車の変速制御装置において、
    前記駆動力合成変速機は、共線図上に4つ以上の入出力要素が配列され、入出力要素のうちの内側に配列される2つの要素の一方にエンジンからの入力を、他方に駆動系統への出力部材をそれぞれ割り当てると共に、前記内側の要素の両外側に配列される2つの要素にそれぞれ第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを連結した差動装置であり、
    前記摩擦締結要素は、前記差動装置のアシスト回転要素に設けられ、締結によりロー側変速比に固定するローブレーキであり、
    前記無段変速モードは、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを駆動源とする電気自動車無段変速モード、または、エンジンと両モータジェネレータとを駆動源とするハイブリッド車無段変速モードであり、
    前記固定変速モードは、第1モータジェネレータと第2モータジェネレータとを駆動源として前記ローブレーキを締結する電気自動車固定変速モード、または、エンジンと両モータジェネレータとを駆動源として前記ローブレーキを締結するハイブリッド車固定変速モードであることを特徴とするハイブリッド車の変速制御装置。
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