JP2005264026A - 蛍光性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を含むコーティング剤から形成される被膜の形成部分を、作業効率を低下させることなく、視認により確認するための蛍光性組成物を提供する。
【解決手段】主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、有機蛍光色素、およびプロトン性含フッ素溶媒を必須とする蛍光性組成物、および該蛍光性組成物を、基材に塗布して、つぎに乾燥してなる可視光領域における視認性が極めて優れる被膜。
【選択図】なし
【解決手段】主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体、有機蛍光色素、およびプロトン性含フッ素溶媒を必須とする蛍光性組成物、および該蛍光性組成物を、基材に塗布して、つぎに乾燥してなる可視光領域における視認性が極めて優れる被膜。
【選択図】なし
Description
本発明は、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体、有機蛍光色素、およびプロトン性含フッ素溶媒を必須とする蛍光性組成物、および該蛍光性組成物から形成される極めて視認性に優れる被膜に関する。
主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体は、撥水性、撥油性、透明性、耐光性、耐薬品性、離型性などの性質に優れ、特定の溶媒に溶解させた溶液組成物とすることができる。そのため前記の性質を有する被膜を形成するコーティング剤(特許文献1参照)として、該溶液組成物は種々の用途(たとえば、オイルシール剤、フラックス這い上がり防止剤、インクジェットノズルの撥インク剤など)に用いられる。また、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体に色素が分散した溶液組成物、および該溶液組成物から形成される光機能材料も知られている(特許文献2参照)。
しかし、特許文献1のコーティング剤および該コーティング剤から形成される被膜は透明性に優れるため、コーティング剤の塗布部分や被膜の形成を視認により確認するのが困難であり、作業効率が低下する問題がある。
特許文献2の光機能材料は、波長400nm以下の紫外光領域の光吸収能に優れるが、可視光領域の光吸収が弱く視認性が低い問題がある。また可視光領域における材料の発色を強めるために色素量を増やすと、色素が飽和して析出する、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体が沈殿する、などして溶液組成物の安定性が低下する問題がある。
特許文献2の光機能材料は、波長400nm以下の紫外光領域の光吸収能に優れるが、可視光領域の光吸収が弱く視認性が低い問題がある。また可視光領域における材料の発色を強めるために色素量を増やすと、色素が飽和して析出する、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体が沈殿する、などして溶液組成物の安定性が低下する問題がある。
本発明者は、前記の問題を解決すべく種々の検討を行った結果、特定の有機蛍光色素がプロトン性含フッ素溶媒に溶解した溶液と主鎖に脂肪族環構造を有する含フッ素重合体とを含む溶液が、相溶して安定な組成物を形成することを見いだした。そして該組成物から形成される被膜は、極めて視認性に優れることを見いだした。
すなわち本発明は、以下の発明を提供する。
<1>主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体、有機蛍光色素、およびプロトン性含フッ素溶媒を必須とする蛍光性組成物。
<2>有機蛍光色素が、波長430〜780nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素であることを特徴とする<1>に記載の蛍光性組成物。
<3>有機蛍光色素をプロトン性含フッ素溶媒に溶解した溶液と主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を含フッ素溶媒に溶解した溶液とを混合することを特徴とする<1>または<2>に記載の蛍光性組成物の製造方法。
<4><1>または<2>に記載の蛍光性組成物を、基材に塗布し、つぎに乾燥してなる被膜。
<1>主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体、有機蛍光色素、およびプロトン性含フッ素溶媒を必須とする蛍光性組成物。
<2>有機蛍光色素が、波長430〜780nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素であることを特徴とする<1>に記載の蛍光性組成物。
<3>有機蛍光色素をプロトン性含フッ素溶媒に溶解した溶液と主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を含フッ素溶媒に溶解した溶液とを混合することを特徴とする<1>または<2>に記載の蛍光性組成物の製造方法。
<4><1>または<2>に記載の蛍光性組成物を、基材に塗布し、つぎに乾燥してなる被膜。
本発明の蛍光性組成物は、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体との相溶性に優れ、紫外領域における蛍光性および可視光領域における強い発色性を有する有機蛍光色素を必須とする。そのため、本発明の蛍光性組成物は、視認性に優れる該含フッ素重合体を含む被膜を形成できる。
本明細書において、式(a)で表される化合物を化合物(a)と記す。本明細書において、「主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する」とは、主鎖を構成する炭素原子の少なくとも1つが含フッ素脂肪族環の炭素原子を形成することを意味する。
以下、本発明における主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体を含フッ素環状重合体という。含フッ素環状重合体としては、主鎖に含フッ素脂肪族環構造を形成するモノマー(以下、単に環形成含フッ素モノマーともいう。)を重合して得られる含フッ素重合体が好ましい。
環形成含フッ素モノマーとしては、下記の化合物が挙げられる。
(A)含フッ素脂肪族環構造を有し、含フッ素脂肪族環構造を形成する炭素原子の少なくとも1つが炭素−炭素2重結合を有する含フッ素モノマー(以下、単にモノマー(a)という。)。
モノマー(a)としては、下記の含フッ素モノマーが好ましい(ただし、Z1、Z2、およびR1〜R4は、それぞれ独立に、F、ClまたはCF3を示す。)。
(A)含フッ素脂肪族環構造を有し、含フッ素脂肪族環構造を形成する炭素原子の少なくとも1つが炭素−炭素2重結合を有する含フッ素モノマー(以下、単にモノマー(a)という。)。
モノマー(a)としては、下記の含フッ素モノマーが好ましい(ただし、Z1、Z2、およびR1〜R4は、それぞれ独立に、F、ClまたはCF3を示す。)。
モノマー(a)の具体例としては、下記の化合物が挙げられる。
(B)反応性の異なる炭素−炭素2重結合を2個有する、環化重合しうる含フッ素モノマー(以下、単にモノマー(b)という。)。
モノマー(b)としては、下記の含フッ素モノマーが好ましい。
CF2=CFOCX1X2CX3X4CF=CF2 (1)
CF2=CFOCY1Y2CF=CF2 (2)
CF2=CF2(CFRF)pCH2CH=CH2 (3)
ただし、X1〜X4、Y1、およびY2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、またはトリフルオロメチル基を示す。pは1または2を示し、RFはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。
モノマー(b)の具体例としては、CF2=CFOCF2CF=CF2、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2等が挙げられる。
モノマー(b)としては、下記の含フッ素モノマーが好ましい。
CF2=CFOCX1X2CX3X4CF=CF2 (1)
CF2=CFOCY1Y2CF=CF2 (2)
CF2=CF2(CFRF)pCH2CH=CH2 (3)
ただし、X1〜X4、Y1、およびY2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、またはトリフルオロメチル基を示す。pは1または2を示し、RFはフッ素原子またはトリフルオロメチル基を示す。
モノマー(b)の具体例としては、CF2=CFOCF2CF=CF2、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2等が挙げられる。
含フッ素環状重合体は、環形成含フッ素モノマーの1種以上を重合して得られる含フッ素環状重合体であってもよく、環形成含フッ素モノマーの1種以上と環形成含フッ素モノマーと共重合する他のモノマー(以下、単に他のモノマーという)の1種以上とを重合して得られる含フッ素環状重合体であってもよい。後者の含フッ素環状重合体における他のモノマーは、全モノマーに対して0〜20モル%であるのが好ましい。
他のモノマーとしては、CH2=CHF、CHF=CHF、CF2=CH2、CF2=CHF、CF2=CFCl、CF2=CF2、CF2=CFCF3などの炭素数が3以下のポリフルオロオレフィン類;CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF2CF3などのポリフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;CF2=CFO(CF2)3COOCH3、CF2=CFOCF2CF(CF3)O(CF2)3COOCH3、CF2=CFO(CF2)3CH2NH2、CF2=CFOCF2CF(CF3)SO2Fなどの官能基を有する含フッ素モノマー類が挙げられる。
重合は公知の方法にしたがって、行うのが好ましい。モノマー(a)の重合は、特公昭63−18964号公報に記載される方法にしたがうのが好ましく、モノマー(b)の重合は、特開昭63−238111号公報や特開昭63−238115号公報に記載される方法にしたがうのが好ましい。
本発明の含フッ素環状重合体は、基材との密着性や有機蛍光色素との相溶性を高める観点から、官能基を含有する含フッ素環状重合体が好ましい。官能基としては、カルボキシル基、スルホニル基、エステル基、アシロキシ基、アルケニル基、加水分解性シリル基、水酸基、マレイミド基、アミノ基、シアノ基、およびイソシアネート基が挙げられる。
官能基を含有する含フッ素環状重合体を製造する方法としては、下記の方法のいずれかで行うのが好ましい。
[方法1]環形成含フッ素モノマーと前記の官能基を含有するモノマーを共重合する方法。
[方法2]環形成含フッ素モノマーを官能基が形成しうる重合開始剤および/または連鎖移動剤を用いて重合する方法。
[方法3]含フッ素環状重合体を、酸素ガス雰囲気下で高温処理して、側鎖および/または末端基を部分的に酸化分解してカルボキシル基とする方法。
方法1〜3の方法は、公知の方法(たとえば、特開平4−189880号公報、特開平4−226177号公報、特開平6−220232号公報など参照。)にしたがって実施するのが好ましい。
[方法1]環形成含フッ素モノマーと前記の官能基を含有するモノマーを共重合する方法。
[方法2]環形成含フッ素モノマーを官能基が形成しうる重合開始剤および/または連鎖移動剤を用いて重合する方法。
[方法3]含フッ素環状重合体を、酸素ガス雰囲気下で高温処理して、側鎖および/または末端基を部分的に酸化分解してカルボキシル基とする方法。
方法1〜3の方法は、公知の方法(たとえば、特開平4−189880号公報、特開平4−226177号公報、特開平6−220232号公報など参照。)にしたがって実施するのが好ましい。
本発明の有機蛍光色素とは、蛍光性および発色性を有する有機化合物であり、蛍光性を有するため紫外線照射によって暗部でも容易に視認できる。
本発明の有機蛍光色素としては、形成される被膜の視認性の観点から、波長430〜780nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素が好ましく、波長430〜630nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素が特に好ましい。
本発明の有機蛍光色素としては、形成される被膜の視認性の観点から、波長430〜780nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素が好ましく、波長430〜630nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素が特に好ましい。
本発明の有機蛍光色素の極大吸光度におけるモル吸光係数(以下、単にεともいう。ε=A/cを示す。Aは極大吸光度を示す波長における光路長1cmあたりの光吸光度を示し、cは溶液中のモル濃度(mol/L)を示す。)は、1000以上であるのが好ましく、10000以上であるのが特に好ましい。
本発明の有機蛍光色素は、プロトン性含フッ素溶媒と相溶性の高い有機蛍光色素が好ましい。また有機蛍光色素の分子量は、プロトン性含フッ素溶媒に対する溶解性の観点から、1000以下であるのが好ましい。
本発明の有機蛍光色素の具体例としては、スチルベン系蛍光色素、クマリン系蛍光色素、ナフタルイミド系蛍光色素、ピリジン系蛍光色素、キサンテン系蛍光色素、キノフタリン系蛍光色素、スピロピレン系蛍光色素、オキサジン系蛍光色素、ポリメチン系蛍光色素、キノン系蛍光色素、スピロピラン系蛍光色素、オキサジン系蛍光色素、ポリメチン系蛍光色素、キノン系蛍光色素などが挙げられる。
蛍光性組成物における有機蛍光色素は、含フッ素環状重合体に対して相溶して組成物を形成し、かつ該組成物が発色性に優れる被膜を形成する観点から、0.005〜50質量%が好ましい。
本発明のプロトン性含フッ素溶媒とは、解離してプロトンを生じやすい含フッ素溶剤である。プロトン性含フッ素溶媒は、有機蛍光色素と含フッ素環状重合体との相溶性と蛍光性組成物における安定性の観点から、含フッ素アルコールが好ましい。
含フッ素アルコールの具体例としては、トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−(パーフルオロブチル)エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)エタノール、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフルオロ−1−プロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロ−1−ノナノール、2H−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ−2−ブタノールなどが挙げられる。
含フッ素アルコールの具体例としては、トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、2−(パーフルオロブチル)エタノール、2−(パーフルオロヘキシル)エタノール、2−(パーフルオロオクチル)エタノール、2−(パーフルオロデシル)エタノール、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エタノール、1H,1H,3H−テトラフルオロ−1−プロパノール、1H,1H,5H−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,7H−ドデカフルオロ−1−ヘプタノール、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロ−1−ノナノール、2H−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1H,1H,3H−ヘキサフルオロ−2−ブタノールなどが挙げられる。
本発明の蛍光性組成物には、撥水撥油性を向上させる観点から、含フッ素環状重合体以外の含フッ素重合体を添加してもよい。該含フッ素重合体としては、ペルフルオロポリエーテル、ポリフルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などが挙げられる。
本発明の蛍光性組成物には、形成される被膜の強度を向上させる、および該被膜を基材上に形成する際に基材との密着性を向上させる観点から、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、およびイソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を有するシランカップリング剤を添加してもよい。
本発明の蛍光性組成物には、形成される被膜の強度を向上させる、および該被膜を基材上に形成する際に基材との密着性を向上させる観点から、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、およびイソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を有するシランカップリング剤を添加してもよい。
本発明の蛍光性組成物の製造方法としては、1種以上の前記の含フッ素環状重合体、1種以上の前記の有機蛍光色素、および1種以上の前記のプロトン性含フッ素溶媒を任意の順序で混合して製造できる。
該製造方法としては、保存安定性や作業効率の観点から、含フッ素環状重合体を含フッ素溶媒に溶解した溶液(以下、単に溶液Aともいう。)と有機蛍光色素をプロトン性含フッ素溶媒に溶解した溶液(以下、単に溶液Bともいう。)とを調整して、つぎに溶液Aと溶液Bを混合するのが好ましい。溶液Bは、溶液Aとの相溶性の観点から、溶液Aに対して5〜20質量%であるのが好ましい。
該製造方法としては、保存安定性や作業効率の観点から、含フッ素環状重合体を含フッ素溶媒に溶解した溶液(以下、単に溶液Aともいう。)と有機蛍光色素をプロトン性含フッ素溶媒に溶解した溶液(以下、単に溶液Bともいう。)とを調整して、つぎに溶液Aと溶液Bを混合するのが好ましい。溶液Bは、溶液Aとの相溶性の観点から、溶液Aに対して5〜20質量%であるのが好ましい。
溶液Aにおける含フッ素溶媒としては、含フッ素環状重合体を溶解する、溶液Bと相溶する観点から、ポリフルオロ芳香族化合物、ポリフルオロアルキルアミン化合物、ポリフルオロシクロアルカン化合物、およびポリフルオロエーテル化合物から選ばれる1種以上であるのが好ましい。
ポリフルオロ芳香族化合物の具体例としては、ペルフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどが挙げられる。
ポリフルオロアルキルアミン化合物の具体例としては、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、ペルフルオロ(トリプロピルアミン)などが挙げられる。
ポリフルオロシクロアルカン化合物の具体例としては、ペルフルオロシクロデカリン、ペルフルオロシクロヘキサンなどが挙げられる。
ポリフルオロエーテルの具体例としては、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、メチルペルフルオロイソプロピルエーテル、メチルペルフルオロブチルエーテル、メチル(ペルフルオロヘキシルメチル)エーテル、メチルペルフルオロオクチルエーテル、エチルペルフルオロブチルエーテルなどが挙げられる。
ポリフルオロアルカン化合物の具体例としては、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、2H,3H−ペルフルオロペンタン、1H−ペルフルオロヘキサンなどが挙げられる。
ポリフルオロ芳香族化合物の具体例としては、ペルフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンなどが挙げられる。
ポリフルオロアルキルアミン化合物の具体例としては、ペルフルオロ(トリブチルアミン)、ペルフルオロ(トリプロピルアミン)などが挙げられる。
ポリフルオロシクロアルカン化合物の具体例としては、ペルフルオロシクロデカリン、ペルフルオロシクロヘキサンなどが挙げられる。
ポリフルオロエーテルの具体例としては、ペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、メチルペルフルオロイソプロピルエーテル、メチルペルフルオロブチルエーテル、メチル(ペルフルオロヘキシルメチル)エーテル、メチルペルフルオロオクチルエーテル、エチルペルフルオロブチルエーテルなどが挙げられる。
ポリフルオロアルカン化合物の具体例としては、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロデカン、2H,3H−ペルフルオロペンタン、1H−ペルフルオロヘキサンなどが挙げられる。
本発明の蛍光性組成物は、含フッ素環状重合体に有機蛍光色素が安定に分散するため、含フッ素環状重合体が有する性質を基材に付与し、かつ、該性質が付与された基材部分を容易に視認できる。そのため本発明の蛍光性組成物は、基材表面を処理してなる表面処理剤や基材に含浸してなる基材改質剤として有用である。
表面処理剤として用いる場合には、本発明の蛍光性組成物を基材に塗布し、つぎに乾燥してなる被膜として用いるのが好ましい。基材は、あらかじめ他の表面処理剤で処理されていてもよく、物理的な処理がされていてもよい。塗布の方法は、特に限定されず、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、スピンコート法、水上キャスト法、ダイコート法、ラングミュア・プロジェクト法等が挙げられる。
該被膜は、基材表面に被覆されたまま用いてもよく、基材から剥離して得た薄膜として用いてもよい。また被膜の膜厚は、特に限定されず、被膜には発色性と蛍光性に優れる有機蛍光色素が分散して視認性に優れる観点から、1〜1000nmが好ましく、10〜200nmが特に好ましい。
本発明の被膜は、眼鏡レンズ、光学レンズ、光学セル、DVD用ディスク、フォトダイオード、ショーウインドウ、ショーケース、太陽電池、各種ディスプレイ(たとえば、PDP、LCD、FED、有機EL、プロジェクションTV。)等の表面保護膜、半導体素子の保護膜(たとえば、層間絶縁膜、バッファーコート膜、パッシベーション膜、α線遮蔽膜、高密度実装基板用層間絶縁膜、高周波素子用防湿膜、撥水撥油膜(たとえば、通気性布帛、モーターの流体軸受装置における軸受部、注射器、水素吸蔵合金、バイオセンサー用測定チップなどの表面の撥水撥油膜。)、および離型剤として有用である。
本発明の被膜は、眼鏡レンズ、光学レンズ、光学セル、DVD用ディスク、フォトダイオード、ショーウインドウ、ショーケース、太陽電池、各種ディスプレイ(たとえば、PDP、LCD、FED、有機EL、プロジェクションTV。)等の表面保護膜、半導体素子の保護膜(たとえば、層間絶縁膜、バッファーコート膜、パッシベーション膜、α線遮蔽膜、高密度実装基板用層間絶縁膜、高周波素子用防湿膜、撥水撥油膜(たとえば、通気性布帛、モーターの流体軸受装置における軸受部、注射器、水素吸蔵合金、バイオセンサー用測定チップなどの表面の撥水撥油膜。)、および離型剤として有用である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[例1(実施例)]含フッ素環状重合体溶液の製造例
オートクレーブ(耐圧ガラス製)に、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2(100g)、連鎖移動剤としてCH3OH(0.5g)、および重合開始剤として((CH3)2CHOC(O)O)2(0.7g)を入れて密閉した。オートクレーブ内を40℃に加熱して22時間、重合を行って重合体を得た。重合体の固有粘度は、30℃のペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中で0.2dl/gであった。つぎに重合体を熱風循環式オーブン中で、大気雰囲気下にて300℃で1時間熱処理し、さらに超純水中に110℃で1週間浸漬した。つづいて100℃で24時間、真空乾燥させて重合体Aを得た。
[例1(実施例)]含フッ素環状重合体溶液の製造例
オートクレーブ(耐圧ガラス製)に、CF2=CFOCF2CF2CF=CF2(100g)、連鎖移動剤としてCH3OH(0.5g)、および重合開始剤として((CH3)2CHOC(O)O)2(0.7g)を入れて密閉した。オートクレーブ内を40℃に加熱して22時間、重合を行って重合体を得た。重合体の固有粘度は、30℃のペルフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中で0.2dl/gであった。つぎに重合体を熱風循環式オーブン中で、大気雰囲気下にて300℃で1時間熱処理し、さらに超純水中に110℃で1週間浸漬した。つづいて100℃で24時間、真空乾燥させて重合体Aを得た。
重合体AをIRスペクトルで分析した結果、カルボキシル基に帰属されるピークが確認された。また重合体Aは、ガラス転移点が108℃であり、25℃においてタフで透明なガラス状(光線透過率95%以上)であった。また重合体Aの10%熱分解温度は、465℃であった。重合体A(1g)をペルフルオロオクタン(99g)に溶解した含フッ素環状重合体溶液を得た。
[例2(実施例)]蛍光性組成物Aの製造例
ローダミン系蛍光色素として2−(6−ジエチルアミノ−3−ジエチルイミノ−3H−キサンテン)−ベンゾ酸ハイドロクロライド(0.01g、547nmにおけるεが85000。)を2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(10g)に溶解し、ピンク色の発色液Aを得た。発色液A(10g)と例1で得た含フッ素環状重合体溶液(100g)とを混合して、5分間撹拌して蛍光性組成物Aを得た。
ローダミン系蛍光色素として2−(6−ジエチルアミノ−3−ジエチルイミノ−3H−キサンテン)−ベンゾ酸ハイドロクロライド(0.01g、547nmにおけるεが85000。)を2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール(10g)に溶解し、ピンク色の発色液Aを得た。発色液A(10g)と例1で得た含フッ素環状重合体溶液(100g)とを混合して、5分間撹拌して蛍光性組成物Aを得た。
[例3(実施例)]蛍光性組成物Bの製造例
ナフタルイミド系蛍光色素である1,4−ビス−(γ−アミノプロピル)アンスラキノン(441nmにおけるεが20000。)を用いる以外は、例2と同様の方法で、黄色の蛍光性組成物Bを得た。
ナフタルイミド系蛍光色素である1,4−ビス−(γ−アミノプロピル)アンスラキノン(441nmにおけるεが20000。)を用いる以外は、例2と同様の方法で、黄色の蛍光性組成物Bを得た。
[例4(実施例)]蛍光性組成物Aの評価例
ディップコート法を用いて、アルミ板に蛍光性組成物Aをコーティングした。つぎに100℃で30分間、アルミ板を加熱乾燥した結果、重合体Aを含む被膜(膜厚45nm)が形成したアルミ板を得た。白色灯下で被膜の形成部分はピンク色に発色し、被膜の形成部分と被膜の非形成部分を目視で容易に区別できた。また該被膜の接触角は、水に対して110度、ノルマルヘキサデカンに対して50度を示した。
ディップコート法を用いて、アルミ板に蛍光性組成物Aをコーティングした。つぎに100℃で30分間、アルミ板を加熱乾燥した結果、重合体Aを含む被膜(膜厚45nm)が形成したアルミ板を得た。白色灯下で被膜の形成部分はピンク色に発色し、被膜の形成部分と被膜の非形成部分を目視で容易に区別できた。また該被膜の接触角は、水に対して110度、ノルマルヘキサデカンに対して50度を示した。
[例5(実施例)]蛍光性組成物Bの評価例
蛍光性組成物Aを蛍光性組成物Bとする以外は、例4と同様の方法で、重合体Aを含む被膜(膜厚45nm)が形成したアルミ板を得た。白色灯下で被膜の形成部分は黄色に発色し、被膜の形成部分と被膜の非形成部分を目視で容易に区別できた。また該被膜の接触角は、水に対して110度、ノルマルヘキサデカンに対して50度を示した。
蛍光性組成物Aを蛍光性組成物Bとする以外は、例4と同様の方法で、重合体Aを含む被膜(膜厚45nm)が形成したアルミ板を得た。白色灯下で被膜の形成部分は黄色に発色し、被膜の形成部分と被膜の非形成部分を目視で容易に区別できた。また該被膜の接触角は、水に対して110度、ノルマルヘキサデカンに対して50度を示した。
[例6(比較例)]含フッ素環状重合体溶液の評価例
蛍光性組成物Aを例1で得た含フッ素環状重合体溶液とする以外は、例4と同様の方法で、重合体Aを含む被膜(膜厚50nm)が形成したアルミ板を得た。白色灯下で被膜は透明であり、被膜の形成部分と被膜の非形成部分を目視で区別できなかった。また該被膜の接触角は、水に対して110度、ノルマルヘキサデカンに対して50度を示した。
蛍光性組成物Aを例1で得た含フッ素環状重合体溶液とする以外は、例4と同様の方法で、重合体Aを含む被膜(膜厚50nm)が形成したアルミ板を得た。白色灯下で被膜は透明であり、被膜の形成部分と被膜の非形成部分を目視で区別できなかった。また該被膜の接触角は、水に対して110度、ノルマルヘキサデカンに対して50度を示した。
本発明の蛍光性組成物を用いることにより、可視光領域における発色の強い含フッ素環状重合体を含む被膜を形成できる。該被膜は膜厚が100nm以下(特に50nm以下)でも容易に視認することができるため、被膜の形成を確認するのが困難であった微細部分への被膜の形成を容易に判別することができる。
Claims (4)
- 主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する含フッ素重合体、有機蛍光色素、およびプロトン性含フッ素溶媒を必須とすることを特徴とする蛍光性組成物。
- 有機蛍光色素が、波長430〜780nmにおいて極大吸光度を有する有機蛍光色素である請求項1に記載の蛍光性組成物。
- 有機蛍光色素をプロトン性含フッ素溶媒に溶解した溶液と主鎖に含フッ素脂肪族環構造を有する重合体を含フッ素溶媒に溶解した溶液とを混合する請求項1または2に記載の蛍光性組成物の製造方法。
- 請求項1または2に記載の蛍光性組成物を、基材に塗布し、つぎに乾燥してなる被膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004080058A JP2005264026A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 蛍光性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004080058A JP2005264026A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 蛍光性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005264026A true JP2005264026A (ja) | 2005-09-29 |
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ID=35088900
Family Applications (1)
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JP2004080058A Pending JP2005264026A (ja) | 2004-03-19 | 2004-03-19 | 蛍光性組成物 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005264026A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019115935A (ja) * | 2017-08-10 | 2019-07-18 | ユシロ化学工業株式会社 | ダイカスト用離型剤組成物及びその製造方法 |
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2004
- 2004-03-19 JP JP2004080058A patent/JP2005264026A/ja active Pending
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