JP2005263992A - ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂あるいはそれらの廃棄物からポリアミド樹脂を簡単なプロセスで容易に製造することができる方法を提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂、例えばポリアルキレンテレフタレート樹脂と、ポリウレタン樹脂、例えばトリジイソシアネ-とポリプロピレングリコールの反応生成物を主体とする樹脂とを、例えば250℃〜450℃の温度および水の臨界圧力以上の圧力に維持された反応領域で、超臨界水または亜臨界水を反応溶媒として反応させてポリアミド樹脂、例えば全芳香族ポリアミド樹脂を生成し、この生成されたポリアミド樹脂を前記反応領域から回収するポリアミド樹脂の製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル樹脂製品およびポリウレタン樹脂製品のリサイクル技術として有用な、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からポリアミド樹脂を製造する方法に関する。
ポリエステル樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートは、繊維、ボトル、フィルム、シート等に大量に消費されている。また、ポリウレタン樹脂は、軟質、半硬質、硬質ポリウレタンフォームあるいはポリウレタンエラストマ等として、家具、寝具、自動車、建物や家電品の断熱材、靴底等に幅広く使用されている。
近年、資源の有効利用や環境保全の観点から、各種プラスチック製品のリサイクルが強く求められるようになり、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂についてもその要望は高く、様々なリサイクル技術が検討されている。
その代表的なものが、樹脂を原料モノマーまたはその誘導体に還元するいわゆるケミカルリサイクル法と称するもので、ポリエステル樹脂については、メタノール分解法、エチレングリコール分解法、エステル交換法等の方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、ポリウレタン樹脂のケミカルリサイクル法としては、グリコール分解法、アミン分解法、加水分解法等の方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、これらの方法で再生したモノマーは、バージン材に比べ価格が高くなる場合が多く、事業化しても採算性に乏しいものとなる問題があった。そして、このことがリサイクル化の普及を妨げる要因の1つとなっている。
本発明者等はこのような問題を解決するため、ポリエステル樹脂からモノマーの回収を経ることなく直接に有用な高分子化合物(ポリアミド樹脂)を合成する方法を開発し、先に出願した(例えば、特許文献3参照。)。この方法では、分解生成物の回収や精製工程等を必要としないため、再生コストを低減し、採算性を高めることが可能となる。しかしながら、この方法は、原料モノマーのすべてをプラスチック製品の廃棄物に依存するものではなく、また、ポリウレタン樹脂の有用なリサイクル技術を開示するものでもなかった。
そこで、本発明者等はさらに鋭意研究を重ねた結果、超臨界水または亜臨界水を用いることにより、実質的にポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂のみから直接ポリアミド樹脂を合成することができ、ポリエステル樹脂のみならずポリウレタン樹脂も採算性よくリサイクルすることができることを見出した。
特開2002−114839号公報 特開平10−310663号公報 特開2003−292616号公報
本発明はこのような知見に基いてなされたものであり、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂あるいはそれらの廃棄物からポリアミド樹脂を簡単なプロセスで容易に製造することができ、使用済みとなったポリエステル樹脂製品のみならずポリウレタン樹脂製品も採算性よくリサイクルすることが可能となるポリアミド樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の請求項1に記載の発明のポリアミド樹脂の製造方法は、ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂とを、所定の温度および圧力に維持された反応領域で、超臨界水または亜臨界水を反応溶媒として反応させてポリアミド樹脂を生成し、この生成されたポリアミド樹脂を前記反応領域から回収することを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のポリアミド樹脂の製造方法において、反応領域における反応温度を250℃〜450℃とし、かつ、反応圧力を水の臨界圧力以上とすることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載のポリアミド樹脂の製造方法において、ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂とを、ポリエステル樹脂の繰り返し単位1モルに対しポリウレタン樹脂の繰り返し単位が1モル〜10モルとなる割合で反応させることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法において、ポリアミド樹脂生成後、反応領域を速やかに気相領域とするか、または、反応生成物を反応領域から気相領域に速やかに排出させて、ポリアミド樹脂を回収することを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法において、ポリアミド樹脂生成後、反応領域を超臨界二酸化炭素で置換し、その後、降温降圧してポリアミド樹脂を回収することを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法において、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂がいずれも廃棄物からの回収物であることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法において、ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレフタレート樹脂であり、ポリウレタン樹脂がベンゼン核を含むジイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により得られたものであることを特徴とするものである。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法によれば、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からそれぞれのモノマー成分の回収を経ることなく直接に有用な高分子化合物であるポリアミド樹脂を合成することができ、ポリエステル樹脂製品およびポリウレタン樹脂製品に対し採算性に優れたリサイクルが可能となる。しかも、反応溶媒として超臨界水または亜臨界水を使用するため環境保全性にも優れている。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において原料として使用されるポリエステル樹脂は、ジカルボン酸またはその誘導体化合物とポリオール化合物の脱水縮合反応により得られたものである。
ジカルボン酸またはその誘導体化合物としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジクロライド、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびその誘導体、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸等の脂肪族ジカルボン酸およびその誘導体が挙げられる。また、ポリオール化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール等のアルキレングリコール、シクロヘキサンジオール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の芳香族2価アルコール等が挙げられる。これらのポリエステル樹脂は、廃棄物から回収されたものであってもよい。本発明においては、特に、廃棄物から回収されたポリブチレンテレフタレートの使用が好ましい。
また、上記ポリエステル樹脂と反応させるポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により得られたものである。
ポリイソシアネート化合物としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香脂肪族ジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、4,4′-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(H12MDI)、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)等の脂環族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等の脂肪族ジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)等が挙げられる。
また、ポリオール化合物としては、ポリエステル樹脂で例示したものの他、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、キシレングリコール等のジオール、グリセリン、1,1,1-トリス(ヒドロキシメチル)プロパン等のトリオール、D-ソルビトール、キシリトール、D-マンニトール、D-マンニット等のポリオール、さらには、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、エポキシポリオール、天然油ポリオール、シリコンポリオール、フッ素ポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。
本発明において原料として使用されるポリウレタン樹脂は、使用済みとなったポリウレタン樹脂製品、すなわち、軟質、半硬質、硬質ポリウレタンフォーム製品あるいはポリウレタンエラストマ製品等の廃棄物から回収されたものであってもよい。
本発明は、このようなポリウレタン樹脂のなかでも、ポリイソシアネート化合物として、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香脂肪族ジイソシアネートのようなベンゼン核を含むジイソシアネートを用いたポリウレタン樹脂を用いて、特性の良いポリアミド樹脂を容易に製造することができる。
これらの原料の使用比率は、ポリエステル樹脂の繰返し単位1モルに対し、ポリウレタン樹脂の繰返し単位が1モル〜10モルとなる範囲が好ましい。ポリウレタン樹脂の使用量があまり少ないと超臨界水等による分解が進みすぎたり(ポリウレタン樹脂は、一般にポリエステル樹脂に比べ超臨界水等により分解されやすい。)、装置によっては分解成分が反応領域から排出されてしまい、ポリアミド樹脂が十分に生成されないおそれがある。また、あまり多くしてもポリアミド樹脂の生成量は変わらず非経済的である。より好ましい使用比率は、ポリエステル樹脂の繰返し単位1モルに対し、ポリウレタン樹脂の繰返し単位が2モル〜8モルとなる範囲であり、3モル〜5モルの範囲が特に好ましい。
さらに、上記のようなポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂との反応を進行させる反応溶媒として使用される超臨界水は、臨界温度(374.2℃)および臨界圧力(22.1MPa)を超えた非凝縮性の高密度水であり、また、亜臨界水は、臨界温度(374.2℃)および臨界圧力(22.1MPa)に近い温度、圧力で超臨界に近い状態にある水である。
本発明においては、上記のようなポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂とを超臨界水または亜臨界水を反応溶媒として反応させる。この反応によりポリアミド樹脂が生成されるが、そのメカニズムとしては、まず、ポリウレタン樹脂が超臨界水または亜臨界水と接触、反応して加水分解され、ポリウレタン樹脂の出発原料のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物の中間体であるポリアミン化合物が生成される。次いで、このポリアミン化合物が、超臨界水または亜臨界水中でポリエステル樹脂分子鎖中のエステル結合部分に直接反応し、エステル基がアミド基に置換される。また、ポリエステル樹脂が超臨界水または亜臨界水と接触、反応して加水分解され、この加水分解によって生じたジカルボン酸成分がポリウレタン樹脂の分解生成物であるポリアミン化合物と重縮合する。このようなエステル−アミド置換反応と重縮合反応が並行して進行する結果、ポリアミド樹脂が生成すると考えられる。
なお、このような反応を進行させるための温度および圧力は、本発明の効果に大きく影響し、それぞれ250℃〜450℃および水の臨界圧力(22.1MPa)以上の範囲で調整することが好ましい。反応温度が250℃より低いと、上述したポリエステル樹脂のエステル結合のアミド結合への変換や、ポリエステル樹脂の加水分解物とポリウレタン樹脂の分解生成物であるポリアミン化合物との重縮合反応が十分に進まないおそれがある。また、反応温度が450℃より高いと、ポリエステル樹脂のエステル結合以外の部分でも分解が進み、また、ジカルボン酸化合物やポリアミン化合物の分解もさらに進むようになる。一方、反応圧力が水の臨界圧力より低いと、反応温度が250℃より低い場合と同様、エステル結合のアミド結合への変換もジカルボン酸化合物とポリアミン化合物との重縮合反応も十分に進行しないおそれがある。より好ましい範囲は、反応温度が275℃〜400℃、反応圧力が25MPa〜100MPaの範囲である。
また、反応時間も、本発明の効果に大きく影響し、通常、1分〜30分間、好ましくは1分〜10分間の範囲である。反応時間が1分より短いとポリエステル樹脂のエステル結合のアミド結合への変換およびジカルボン酸化合物とポリアミン化合物との重縮合反応が十分に進まず、ポリアミド樹脂の生成量が低下する。また、反応時間が30分を越えると、一旦形成されたアミド結合部分の加水分解反応と脱水縮合反応が繰り返されることにより、生成されるポリアミド樹脂の分子量分布が大きくなり、樹脂特性が低下する。
本発明においては、次いで、上記反応で生成されたポリアミド樹脂を回収する。回収方法としては、反応領域の圧力を低減して速やかに気相領域とするか、または、反応生成物を反応領域から気相領域に速やかに排出させた後、降温してポリアミド樹脂を回収する方法や、反応領域を超臨界二酸化炭素で置換し、その後、降温降圧してポリアミド樹脂を回収する方法等を用いることができる。このように反応領域を速やかに気相領域としたり、超臨界二酸化炭素で置換したりすることにより、生成されたポリアミド樹脂が加水分解を受けて低分子量化することを防止することができ、十分に高分子量のポリアミド樹脂を得ることができる。回収したポリアミド樹脂は、その後、精製され、製品とされる。
本発明の実施にあたっては、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂の加水分解によって生ずるポリオール化合物やその分解物等の滞留、それらの滞留物による副反応を防止するため、後述する実施例2で用いたような耐圧反応容器に超臨界水または亜臨界水を連続的に導入するセミバッチ式の装置や、後述する実施例1で用いたような連続反応式の装置の使用が好ましく、特に、後者の連続反応式の装置が好ましい。
なお、原料のポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂が廃棄物からの回収物であり、大きさなどが不均一な場合には、予め裁断するなどして大きさや形状をできるだけ均一にしたうえで使用することが好ましい。また、汚れやゴミなどが付着している場合には、反応への影響や回収後の精製工程の負荷を少なくするため、予め除去しておくことが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂の製造方法によれば、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂からそれぞれのモノマー成分の回収を経ることなく直接に有用な高分子化合物であるポリアミド樹脂を合成することができる。このため、使用済みとなったポリエステル樹脂製品およびポリウレタン樹脂製品に対し採算性に優れたリサイクルが可能となる。しかも、反応溶媒として超臨界水または亜臨界水を使用するため環境保全性にも優れている。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例1には図1に示す装置を用いた。また、実施例2には図2に示す装置を用いた。
図1に示す装置は、円筒状の反応塔10を有し、この反応塔10は、上から順に、それぞれ上端に原料あるいはその反応生成物等を導入するための導入口を開口し、下端に原料あるいはその反応生成物等を排出するための排出口を開口した予圧室20、反応室30および減圧室40を備えている。予圧室20の排出口と反応室30の導入口、反応室30の排出口と減圧室40の導入口は、それぞれ共通のバルブ51、52を介して接続され、また、予圧室20の導入口と、減圧室40の排出口にも、それぞれバルブ53、54が接続されている。そして、この反応塔10の下方には、減圧室40の排出口から排出された反応生成物を受けるための受器50が配設されている。
反応室30は、上下にほぼ3等分され、上から順に予熱領域31、反応領域32および冷却領域33が形成されるようになっている。すなわち、予熱領域31の下部と反応領域32の外周には加熱ヒータ34が配置され、冷却領域33の外周には加熱ヒータ34および冷却用配管35が設けられている。冷却領域33外周の加熱ヒータ34および冷却用配管35は必要に応じて選択的に使用される。そして、純水が、純水タンク62からポンプ63により、配管61を介して直接にもしくは冷却用配管35を通って、予熱領域31および反応領域32内にそれぞれ供給されるようになっている。配管61には、予熱器36が設けられている。また、冷却領域33にも、純水タンク64からポンプ65により純水が供給されるようになっており、さらに、これらの各領域31〜33の下部には、導入され加熱加圧された純水や反応によって生じた分解生成物等を排出するための配管66が接続されている。図中、67は、減圧弁である。
予圧室20および減圧室40は、反応室30に原料が導入され、また、その反応生成物等が排出される際に、その内圧が維持されるようにするためのもので、常温の純水によって内圧が加圧され、減圧されるようになっている。すなわち、これらの予圧室20および減圧室40にも、純水タンク64からポンプ65により純水が供給されるようになっているとともに、導入された純水が減圧弁67を備えた配管66から外部へ排出されるようになっている。
さらに、このような予圧室20と、反応室30を構成する3つの領域、すなわち、予熱領域31、反応領域32および冷却領域33と、減圧室40には、原料や反応生成物等をそれらの室もしくは領域に所要時間保持するための支持板71〜75が設けられている。これらのなかで、反応室30の予熱領域31と反応領域32に配置されている支持板72、73は、予熱領域31と反応領域32、反応領域32と冷却領域33をそれぞれ気密に仕切る仕切り板としての機能を併せ持っている。
図2に示す装置は、電気炉81aを備えた耐圧反応容器81と、液体二酸化炭素ボンベ82と、この液体二酸化炭素ボンベ82から耐圧反応容器81内に加圧した二酸化炭素を送り込むポンプ83と、供給される二酸化炭素を予熱する二酸化炭素予熱器84と、純水タンク85と、この純水タンク85から耐圧反応容器81内に加圧した純水を送り込むポンプ86と、供給される純水を予熱する水予熱器87と、耐圧反応容器81から排出される成分から固形物を分離除去する固液分離器88と、これらの各機器を接続する配管89とを備えている。また、二酸化炭素予熱器84と耐圧反応容器81との間、水予熱器87と耐圧反応容器81との間、および耐圧反応容器81と固液分離器88の間の各配管89には、ラインヒータ90が付設されている。なお、耐圧反応容器81と固液分離器88間の配管89に付設されたラインヒータ90は、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂の加水分解物等が耐圧反応容器81から排出される際に析出するのを防止するために設けられている。図2中、91は流量計、92は温度測定用熱電対、93は温度制御用の熱電対、94は減圧弁をそれぞれ示している。
実施例1
ポリエチレンテレフタレート(Mw約30,000)からなる1mm厚のシートを約20mm×約200mmの大きさの短冊状に裁断し試料Aとした。また、トリレンジイソシアネート(TDI)とポリプロピレングリコールとを反応させて得られたポリウレタンフォーム(気孔率80%)を約1cm3の大きさに粗砕し試料Bとした。
上記試料A約2g(テレフタル酸約0.01mol含有)と上記試料B約17g(TDI約0.05mol含有)とを、水透過性の円筒容器(本体:ステンレス鋼(SUS316)、上部および下部蓋体:ガラスフィルタ(3mm厚)/シリカゲル(5mm厚)/ガラスフィルタ(3mm厚)複合材;内径32mm、外径35mm、深さ300mm))11に入れ、図1に示す装置の予圧室20に投入した。投入後、予圧室20上部のバルブ53を閉じ、常温の純水で予圧室20内の内圧を昇圧した。内圧が30MPaに達したところで、予圧室20と反応室30との間のバルブ51を開き、予め純水の導入により370℃、30MPaの状態を形成しておいた反応室30の予熱領域31へ自重落下させ、10分間保持した。
次いで、支持板72を開き、予め純水の導入により390℃、30MPaの状態を形成しておいた反応室30の反応領域32へ自重落下させ、支持板72を閉じた。10分間保持した後、支持板73を開き、予め純水の導入により340℃、30MPaの状態を形成しておいた反応室30の冷却領域33へ自重落下させた後、直ちに、支持板73を閉じ、予熱領域31、反応領域32および冷却領域33の各領域の内圧を15MPaまで急激に減圧した。
減圧後、冷却領域33周囲に設けた冷却用配管35内への通水を開始し、容器11の冷却を開始した。約20分間冷却した後、反応室30下部のバルブ52を開き、予め常温の純水を導入して内圧を15MPaまで昇圧しておいた減圧室40へ自重落下させた後、バルブ52を閉じ、減圧室40内の内圧を減圧した。内圧が常圧に達したところで、減圧室40下側のバルブ54を開き、容器11を受器50に落下させ、容器11内から固形物を回収した。
この回収した固形物を80℃で5時間真空乾燥(10mmHg以下)させた後、ジメチルホルムアミドに溶解した。この溶液をろ過し、ろ液にクロロホルムを添加したところ、析出物が現れた。
この析出物をろ過回収し、60℃で5時間乾燥させ、その重量を測定したところ、約2gであった。また、乾燥させた析出物について、赤外分光分析およびNMR分析を行い、析出物が全芳香族ポリアミド(アミド基が芳香環のメタ位に結合したものとパラ位に結合したものが混在)であることを確認した。さらに、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)分析により、析出物の重量平均分子量(Mw)が約20,000であることを確認した。
また、乾燥後の析出物をN-メチルピロリドンに溶解し、1mm厚のフィルムを作製し、その引張ヤング率をASTM-D-882-64Tに準拠して測定したところ、8GPaであった。
実施例2
実施例1と同様の試料Aおよび試料Bをそれぞれ約2g(テレフタル酸約0.01mol含有)および約17g(TDI約0.05mol含有)量り取り、図2に示す装置の耐圧反応容器(内容積約170ml)81内に投入し、さらに、純水を投入し、耐圧反応容器81を密封した。
次いで、耐圧反応容器81と固液分離器88を接続する配管89に付設したラインヒータ90の温度を200℃に設定するとともに、純水タンク85から脱気した純水を連続的に送液し、耐圧反応容器81内の内圧を30MPaまで昇圧した後、その圧力を保持しながら約40分かけて耐圧反応容器81内を390℃まで昇温し、1分間保持した。その後、純水の送液(流量5ml/min)を継続し、耐圧反応容器81内の内温内圧を維持しつつ、耐圧耐圧反応容器81内に脱水した超臨界二酸化炭素を10ml/minの流量で連続的に圧入し、耐圧反応容器81内を超臨界水から超臨界二酸化炭素に置換した。置換後、空冷して、耐圧反応容器81内の内温内圧を常温常圧に戻し、耐圧反応容器81内の固形物を回収した。
この回収した固形物を80℃で5時間真空乾燥(10mmHg以下)させた後、ジメチルホルムアミドに溶解した。この溶液をろ過し、ろ液にクロロホルムを添加したところ、析出物が現れた。
この析出物をろ過回収し、60℃で5時間乾燥させ、その重量を測定したところ、約1.5gであった。また、乾燥させた析出物について、赤外分光分析およびNMR分析を行い、析出物が全芳香族ポリアミド(アミド基が芳香環のメタ位に結合したものとパラ位に結合したものが混在)であることを確認した。さらに、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)分析により、析出物の重量平均分子量(Mw)が約15,000であることを確認した。
また、乾燥後の析出物をN-メチルピロリドンに溶解し、1mm厚のフィルムを作製し、その引張ヤング率をASTM-D-882-64Tに準拠して測定したところ、4GPaであった。
本発明の実施例で使用された装置を概略的に示す図である。 本発明の他の実施例で使用された装置を概略的に示す図である。
符号の説明
10…反応塔、20…予圧室、30…反応室、31…予熱領域、32…反応領域、33…冷却領域、40…減圧室、50…受器、62,64,85…純水タンク、63,65,83,86…ポンプ

Claims (7)

  1. ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂とを、所定の温度および圧力に維持された反応領域で、超臨界水または亜臨界水を反応溶媒として反応させてポリアミド樹脂を生成し、この生成されたポリアミド樹脂を前記反応領域から回収することを特徴とするポリアミド樹脂の製造方法。
  2. 反応領域における反応温度を250℃〜450℃とし、かつ、反応圧力を水の臨界圧力以上とすることを特徴とする請求項1記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  3. ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂とを、ポリエステル樹脂の繰り返し単位1モルに対しポリウレタン樹脂の繰り返し単位が1モル〜10モルとなる割合で反応させることを特徴とする請求項1または2記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  4. ポリアミド樹脂生成後、反応領域を速やかに気相領域とするか、または、反応生成物を反応領域から気相領域に速やかに排出させて、ポリアミド樹脂を回収することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  5. ポリアミド樹脂生成後、反応領域を超臨界二酸化炭素で置換し、その後、降温降圧してポリアミド樹脂を回収することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  6. ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂がいずれも廃棄物からの回収物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法。
  7. ポリエステル樹脂がポリアルキレンテレフタレート樹脂であり、ポリウレタン樹脂がベンゼン核を含むジイソシアネート化合物とポリオール化合物との反応により得られたものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のポリアミド樹脂の製造方法。
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