JP2005263745A - 核酸化合物、核酸格子及び核酸多面体 - Google Patents

核酸化合物、核酸格子及び核酸多面体 Download PDF

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Abstract

【課題】 ナノ材料やナノデバイスとして利用可能な核酸化合物を提供する。
【解決手段】 第1自由端塩基配列31, 33と、第1自由端塩基配列31, 33より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列31, 33に接続された相補的塩基配列21, 22と、相補的塩基配列21, 22と等しい配列長を有し、相補的塩基配列21, 22に接続された固定塩基配列41, 42と、固定塩基配列41, 42に接続された第2自由端塩基配列32, 34とをそれぞれ備える2つの基本構造51, 52を有し、2つの基本構造51, 52のそれぞれの相補的塩基配列21, 22が水素結合している核酸構造体。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノ材料やナノデバイスとして利用可能な核酸化合物、核酸格子及び核酸多面体に関する。
地球上の全ての生命体が有するデオキシリボ核酸(DNA)は、2本のポリヌクレオチド鎖による二重螺旋状構造を有する。DNAの構成分子である核酸塩基には、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)の4種があり、これらの核酸塩基は、二重螺旋構造の中心線に対して垂直な平面で互いに内側に突出した形で存在し、水素結合により相補的な塩基対を形成する。このようにDNAは安定した構造を有し、また化学修飾も容易であることから、DNAを天然の高分子素材として利用する試みがなされている(例えば特許文献1参照。)。
特開2002−254554号公報
しかし従来のキャスト法等によりDNAをフィルム化する方法は、DNAを溶かす溶媒の調整、及びキャスト法による成型プロセス等が必要であり、製造工程が複雑であった。また従来のDNAフィルムは、マトリックス状に配置されたDNAのそれぞれについて、相補的塩基対を形成させる方法はなかった。そのため、合成が容易で、かつ個々の分子が化学的に安定した結合を形成し、ナノ材料やナノデバイスとして利用可能な機能性材料の登場が望まれていた。
本発明は上記問題点を鑑み、ナノ材料やナノデバイスとして利用可能な核酸化合物、核酸格子及び核酸多面体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の特徴は、(イ)第1自由端塩基配列と、(ロ)第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列に接続された相補的塩基配列と、(ハ)第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、相補的塩基配列に接続された固定塩基配列と、(ニ)固定塩基配列に接続された第2自由端塩基配列とをそれぞれ備える2つの基本構造を有し、(ホ)2つの基本構造のそれぞれの相補的塩基配列が水素結合している核酸化合物であることを要旨とする。
本発明の第2の特徴は、(イ)第1自由端塩基配列と、(ロ)第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列に接続された相補的塩基配列と、(ハ)第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、相補的塩基配列に接続された固定塩基配列と、(ニ)固定塩基配列に接続された第2自由端塩基配列とをそれぞれ備える2つの基本構造のそれぞれの相補的塩基配列が水素結合している核酸化合物を単位胞とし、(ホ)核酸化合物を複数備える核酸格子であることを要旨とする。
本発明の第3の特徴は、(イ)第1自由端塩基配列と、(ロ)第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列に接続された相補的塩基配列と、(ニ)第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、相補的塩基配列に接続された固定塩基配列と、(ホ)固定塩基配列に接続された第2自由端塩基配列とをそれぞれ備える4つの基本構造のそれぞれを稜とする核酸多面体であることを要旨とする。
本発明によれば、ナノ材料やナノデバイスとして利用可能な核酸化合物、核酸格子及び核酸多面体を提供することができる。
次に図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。なお以下の示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部品の配置等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態に係る核酸化合物は、図1に示すように、基本構造51及び基本構造52を備える。基本構造51は第1自由端塩基配列31、第1自由端塩基配列31より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列31に接続された相補的塩基配列21、相補的塩基配列21と等しい配列長を有し、相補的塩基配列21に接続された固定塩基配列41、及び固定塩基配列41に接続された第2自由端塩基配列32を備える。また基本構造52は第1自由端塩基配列33、第1自由端塩基配列33より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列33に接続された相補的塩基配列22、相補的塩基配列22と等しい配列長を有し、相補的塩基配列22に接続された固定塩基配列42、及び固定塩基配列42に接続された第2自由端塩基配列34を備える。
基本構造51の第1自由端塩基配列31、相補的塩基配列21、固定塩基配列41、及び第2自由端塩基配列32のそれぞれは、図3に示すように、ヒンジ部11, 12, 13によって接続される。ヒンジ部11, 12, 13のそれぞれにおいては、同種の塩基が直鎖状に配列している。図1に示した基本構造52においても同様であるので、図面は省略する。
図4に示すように、基本構造51の第1自由端塩基配列31及び第2自由端塩基配列32のそれぞれは10塩基のオリゴヌクレオチドからなり、相補的塩基配列21及び固定塩基配列41のそれぞれは20塩基のオリゴヌクレオチドからなる。基本構造52の第1自由端塩基配列33、相補的塩基配列22、固定塩基配列42、及び第2自由端塩基配列34のそれぞれの配列長も同様である。また図3に示したヒンジ部11, 12, 13においては、4塩基のチミン(T)が配列している。
さらに図4に示すように、基本構造51の相補的塩基配列21の3'末端から5'末端方向への配列と、基本構造52の相補的塩基配列22の5'末端から3'末端方向への配列は互いに相補的である。したがって、相補的塩基配列21と相補的塩基配列22はアデニン(A)-チミン(T)、グアニン(G)-シトシン(C)間で水素結合による相補的塩基対を形成し、二重螺旋構造を形成している。
なお、図1に示した相補的塩基配列21, 22は融解温度(Tm)が47.0℃±1.0℃のオリゴヌクレオチドである。なお、融解温度(Tm)の値は塩基数が10変動する毎に、10〜15℃変動する。また、第1自由端塩基配列31, 33、固定塩基配列41, 42、及び第2自由端塩基配列32, 34のそれぞれは、それぞれの相補的塩基配列以外の塩基配列との相補性及び自己相補性が5以下の条件を満たすオリゴヌクレオチドである。また、相補的塩基配列22及び固定塩基配列42の配列長は必ずしも同じである必要はない。第1自由端塩基配列31及び第2自由端塩基配列32についても、必ずしも同じ配列長である必要はない。
ここで「融解温度(Tm)」とは、任意のオリゴヌクレオチドの50%がその相補鎖とハイブリッドを形成する温度であり、オリゴヌクレオチドとその相補鎖との間で形成される核酸ハイブリッドの安定性を特徴づける指標となる。融解温度(Tm)の値は、オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いるPCR反応や、イン・サイチュ(in situ) ハイブリダイゼーション、サザンプロット、ノーザンブロット、ドットブロットなどプローブとして用いる場合において、最適な反応温度を決定するのに重要となる。融解温度(Tm)の値は、(1)式より計算する。
Tm={ΔH/((A+ΔS)+Rln(Ct/4))}273.15+16.6log[salt] …(1)
ここで、ΔH(Cal mole-1)はハイブリッド形成の隣接エンタルピー変化の合計(<0)を表す。A(Ca K-1mole-1)は螺旋開始定数を表し、自己相補的配列でない場合は‐10.8Ca K-1mole-1、自己相補鎖の場合は‐12.4Ca K-1mole-1である。ΔS(Ca K-1mole-1)はハイブリッド形成の隣接エントロピー変化の合計(<0)を表す。Rはモル気体定数(1.987 Ca K-1mole-1)を表す。Ct(M)はオリゴヌクレオチドが自己相補的でない場合はそのオリゴヌクレオチドのモル濃度(M)の合計を、自己相補的である場合はその濃度(M)の4倍を表す。
また「自己相補性」とは、オリゴヌクレオチドのホモダイマー形成を防ぐために導入されるパラメータである。自己相補性の値は、図5に示すように、(1),(2),・・・,(n)と塩基配列を1塩基づつずらしながら重なる塩基配列部分に形成される相補的塩基対の数を調べ、その最大値を採用する。N塩基からなるオリゴヌクレオチドの場合には2N - 1回比較する。
以上、図1、図3及び図4に示した第1の実施の形態に係る核酸化合物は、相補的塩基配列21, 22が相補的に水素結合を形成し、ヒンジ部11, 12, 13のそれぞれは複数のチミン(T)の配列としたことから安定した構造を維持することが可能である。従来の架橋剤等によるオリゴヌクレオチドの連結では、架橋剤がオリゴヌクレオチドと比較して構造が弱い、あるいは生体内で酵素と反応して分解しやすいとの問題があった。これに対し、図1、図3及び図4に示した核酸化合物は、制限酵素と反応しない塩基配列を任意に採用することができ、生体内においても安定した構造を維持することが可能である。また図3に示すように、同種の塩基が配列するヒンジ部11, 12のそれぞれで第1自由端塩基配列31及び固定塩基配列41は相補的塩基配列21に対して空間的に可動である。同様に、第2自由端塩基配列32はヒンジ部13の存在により固定塩基配列41に対して空間的に可動である。そのため、図1に示した第1自由端塩基配列31, 33、第2自由端塩基配列32, 34、固定塩基配列41, 42のそれぞれに相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチドと第1の実施の形態に係る核酸化合物を反応させれば、さらに高次の核酸構造体を形成することも可能となる。したがって、第1の実施の形態に係る核酸化合物は、安定した構造を有する核酸フィルムや、識別性の高いドラッグデリバリーシステム等のナノ材料及びナノデバイスとして利用することが可能となる。
なお、図1においては、基本構造52の第1及び第2自由端塩基配列33, 34に対し、基本構造51の第1及び第2自由端塩基配列31, 32は平行位置に配置している。これに対し、図2に示すように、基本構造52と、基本構造52に対し鏡面対称位置に第1及び第2自由端塩基配列35, 36、固定塩基配列43を有する基本構造53がそれぞれ水素結合した配置としてもよい。
次に、第1の実施の形態に係る核酸化合物の合成方法を図6に示すフローチャートを用いて説明する。
(a) まずステップS200で、複数の基本オリゴヌクレオチド配列の設計を行う。オリゴヌクレオチドの塩基配列はアデニン(A),チミン(T),グアニン(G),シトシン(C)の4つの塩基の組み合わせからなる1次元配列である。塩基数がN(N:自然数)の場合、表現可能な配列の数は4N個であり、塩基数が20の場合は表現可能な配列数は420≒1012個となる。このような長いオリゴヌクレオチド配列を一度に設計するのは困難であるため、塩基数が6の基本オリゴヌクレオチドを網羅的に46パターン設計する。これを図7に示すように、コンピュータシステムの6mer-seed poolに保存する。
(b) 次にステップS210で、ステップS200で網羅的に設計された複数の基本オリゴヌクレオチドからランダムに1の基本オリゴヌクレオチドを抽出する。図7の例では、ATCGTAの配列のものが抽出された例を示している。さらに、抽出された配列と相補的な配列TACGATも抽出する。さらに、それぞれの配列と5塩基共通する配列を6mer-seed poolから抽出する。図7の例ではTCGTATと、ATACGAのそれぞれが抽出される。以下同様に繰り返し、10塩基の配列を決定する。図7の例では、相補的なATCGTATAGGとCCTATACGATが決定される。10塩基を決定するのに用いられた6塩基のパターンは6mer-seed poolから削除し、さらに同様の工程を繰り返して10塩基の配列を順次決定していく。このような工程をとることにより、相補的な塩基配列以外とは、相補鎖が形成されても塩基数は5以下である複数のセグメントオリゴヌクレオチドが設計される。また、同様の方法により、塩基数が20の複数のセグメントオリゴヌクレオチドも設計する。
(c)ステップS220で、ステップS210で設計した複数のセグメントオリゴヌクレオチド配列のそれぞれについて、相補鎖との融解温度(Tm, expected)を計算する。さらに、相補鎖ではないが、部分的に相補的塩基対が形成される場合にはその塩基対配列のとの融解温度(Tm, unexpected)も計算し、その相補的塩基対数をカウントする。さらに融解温度差分ΔTm = Tm, expected - Tm, unexpectedを計算し、融解温度差分ΔTmが高いものを設計されたセグメントオリゴヌクレオチドから抽出する。
(d) ステップS230で、自己相補性が5以上、あるいは図1に示した相補的塩基配列21, 22に用いられる相補的となるよう設計されたセグメントオリゴヌクレオチド配列以外のセグメントオリゴヌクレオチド配列にハイブリダイゼーションが生じ、融解温度差分ΔTm が基準値以下のセグメントオリゴヌクレオチドが存在するか確認し、存在する場合にはそのセグメントオリゴヌクレオチドは破棄し、ステップS210に戻り、新たなセグメントオリゴヌクレオチド配列を生成する。一方、設計された複数のセグメントオリゴヌクレオチドが、配列中の連続する同一塩基の数が4以下、及び自己相補性が5以下の条件を満たし、また図1に示した相補的塩基配列21, 22に用いられる相補的となるよう設計されたセグメントヌクレオチドについては融解温度(Tm)が47.0℃±1.0℃の条件を満たした場合は、ステップS240に進む。
(e) 次に、ステップS240において、ステップS200〜S230の一連の処理により設計された複数のセグメントオリゴヌクレオチド配列に基づいて、固相合成法等によりセグメントオリゴヌクレオチドの合成を順次行い、図1に示した基本構造51, 52をそれぞれ合成する。さらにステップS250において、一組の基本構造51, 52を反応溶液(20mM Tris−Cl(pH8.0),12.5mM MgC12,2mM EDTA)中で等モル量(オリゴヌクレオチド濃度 80nM)混合し、室温から96℃まで加熱後、5分間保持し、その後55℃で2時間放置し、さらに20℃で2時間放置することにより、図1に示す核酸化合物が完成する。
以上示した第1の実施の形態に係る核酸化合物の合成方法によれば、オリゴヌクレオチド間の相補性について識別性が高く、図1に示すように安定した構造を有する核酸化合物を合成することが可能となる。
(第1の実施の形態の変形例)
図1あるいは図2に示した核酸化合物を組み合わせることによって、図8に示すように核酸格子を形成することも可能である。第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子は、図8に示すように、複数の核酸化合物152, 162, 172, 182を格子の単位胞として備える。核酸化合物152は基本構造52, 53を備え、基本構造52, 53のそれぞれは、図2に示したように、第1自由端塩基配列33, 35、相補的塩基配列22, 23、固定塩基配列42, 43、及び第2自由端塩基配列34, 36を備え、相補的塩基配列22, 23のそれぞれは水素結合を形成している。核酸化合物162は基本構造62, 63を備え、核酸化合物172は基本構造72, 73を備え、核酸化合物182は基本構造82, 83を備える。基本構造62, 63, 72, 73, 82, 83のそれぞれについても、詳細は図2と同様であるので、説明は省略する。また図8おいて、核酸化合物152, 162, 172, 182のそれぞれを備える核酸格子の周囲には保護配列121, 122, 123, 124が配置されている。
図9は、図8に示す核酸格子の基本構造52, 53, 62, 63, 72, 73, 82, 83及び保護配列121, 122, 123, 124のそれぞれの塩基配列を示す。図9に示す塩基配列をとることにより、図8に示す核酸格子の核酸化合物152, 162, 172, 182のそれぞれの第1及び第2自由端塩基配列は、隣接する固定塩基配列と相補的塩基対によって水素結合を形成し、二重螺旋構造をとる。また、保護配列121, 122, 123, 124のそれぞれも、核酸化合物152, 162, 172, 182から形成される核酸格子の外周と、相補的塩基対により水素結合を形成し、二重螺旋構造をとる。
図8に示す核酸格子は、図6に示した手順と同様の方法により核酸化合物152, 162, 172, 182のそれぞれを別個に合成した後、等モル量(オリゴヌクレオチド濃度 80nM)の核酸化合物152, 162, 172, 182を反応溶液(20mM Tris−Cl(pH8.0),12.5mM MgC12,2mM EDTA(pH8.0))中で混合し、室温から加熱後5分間96℃で維持した後、55℃まで徐冷して2時間放置し、さらに20℃で2時間放置することにより合成可能である。
図8に示す核酸格子を構成する核酸化合物152, 162, 172, 182のそれぞれは、閉じた構造ではないため、第1及び第2自由端塩基配列は自由に回転可能である。そのため、核酸化合物152, 162, 172, 182のいずれかの第1及び第2自由端塩基配列が他方の核酸化合物の固定塩基配列と巻きあうことにより、二重螺旋構造をとることが可能となる。また、図8に示す核酸格子は、図1あるいは図2に示した安定した構造を有する核酸化合物を組み合わせることによって、外力による変形に耐えうる構造を有することが可能となる。
また、さらに複数の核酸化合物を組み合わせることによって、図10、図11、図12に示すような核酸格子を形成することも可能である。図10に示す核酸格子は、基本構造105, 125を備える核酸化合物145と、基本構造120, 140を備える核酸化合物160が交互に充填された構造をとっている。核酸化合物145の基本構造105, 125の拡大図は図1に示した核酸化合物と同様であり、それぞれの第1及び第2自由端塩基配列が平行に配置される。核酸化合物160においても同様である。
図11に示す核酸格子は、基本構造106, 126を備える核酸化合物147と、基本構造107, 127を備える核酸化合物167が交互に充填された構造をとっている。核酸化合物147の基本構造106, 126の拡大図は図2に示した核酸化合物と同様であり、それぞれの第1及び第2自由端塩基配列が鏡面対称位置に配置される。核酸化合物167においても同様である。
図12に示す核酸格子は、基本構造108, 128を備える核酸化合物228と、基本構造148, 168を備える核酸化合物248と、基本構造188, 208を備える核酸化合物268が交互に充填された構造をとっている。
また図13(a), (b), (c)に示すように、複数の核酸化合物を備え、隣接する核酸化合物アレイ111, 112, 113, 114, 115, 116, 117, 118のそれぞれは、相補的塩基配列の部分において折り曲がることができる。そのため、図13(c)に示す構造を維持するために、図14に示すように隣接する核酸化合物アレイ111, 112間に架橋剤27a, 27b, 27c, …、核酸化合物アレイ112, 113間に架橋剤28a, 28b, 28c, …、核酸化合物アレイ113, 114間に架橋剤29a, 29b, 29c, …、核酸化合物アレイ114, 115間に架橋剤30a, 30b, 30c, …、核酸化合物アレイ115, 116間に架橋剤37a, 37b, 37c, …のそれぞれを導入しても良い。また、核酸化合物アレイ111, 112, 113, 114, 115, 116, 117, 118のそれぞれにリガンド等の生体相互作用分子7a, 7b, 7c,…, 47a, 47b, 47c, …, 8a, 8b, 8c,…, 48a, 48b, 48c, …,9a, 9b, 9c,…, 49a, 49b, 49c, …,10a, 10b, 10c, …, 50a, 50b, 50c, …, 49a, 49b, 49c, …,17a, 17b, 17c, …, 57a, 57b, 57c, …を導入することにより、ナノオーダーの生体分子チップとしても利用することが可能となる。 図14に示す核酸格子も、図15に示すように、架橋剤や生体分子相互作用分子が修飾された核酸化合物を順次反応させていくことにより、形成することができる。また配列の異なる核酸化合物を組み合わせることにより、文字認識等にも応用可能である。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る核酸多面体の斜視図を図16に、図16に示した核酸多面体の平面展開図を図17に示す。図16及び図17に示すように、核酸多面体は4つの基本構造51, 52, 55, 56のそれぞれを稜とする。
基本構造55は第1自由端塩基配列131、第1自由端塩基配列131より長い配列長を有し、第1自由端塩基配列131に接続された相補的塩基配列25、相補的塩基配列25と等しい配列長を有し、相補的塩基配列25に接続された固定塩基配列45、固定塩基配列45に接続された第2自由端塩基配列132を備える。
同様に基本構造56は、第1自由端塩基配列136、相補的塩基配列26、固定塩基配列46、第2自由端塩基配列135を備える。また基本構造51, 52のそれぞれの構成要素は、図1と同様であるので説明は省略する。
図4に示すように、基本構造55の第1自由端塩基配列131及び第2自由端塩基配列132のそれぞれは10塩基からなり、相補的塩基配列25及び固定塩基配列45のそれぞれは20塩基からなる。基本構造56の第1自由端塩基配列136、相補的塩基配列26、固定塩基配列46、及び第2自由端塩基配列135のそれぞれの配列長も同様である。また図3に示した基本構造51と同様に、基本構造55の第1自由端塩基配列131、相補的塩基配列25、固定塩基配列45、及び第2自由端塩基配列132のそれぞれは、4塩基のチミン(T)からなるヒンジ部で接続されている。基本構造56においても同様である。
さらに図4に示すように、基本構造55の相補的塩基配列25の3'末端から5'末端方向への配列と、基本構造56の相補的塩基配列26の5'末端から3'末端方向への配列は互いに相補的である。したがって、相補的塩基配列25と相補的塩基配列26はアデニン(A)-チミン(T)、グアニン(G)-シトシン(C)間で水素結合による相補的塩基対を形成し、二重螺旋構造を形成している。
なお、相補的塩基配列25, 26は融解温度(Tm)が47.0℃±1.0℃のオリゴヌクレオチドからなる。また、第1自由端塩基配列131, 136、相補的塩基配列25, 26、固定塩基配列45, 46、及び第2自由端塩基配列132, 136のそれぞれは、自己相補性が5以下の条件を満たすオリゴヌクレオチドからなる。
また図17に示す基本構造52の固定塩基配列42の3'末端から5'末端方向への10塩基の配列と、基本構造56の第2自由端塩基配列135の5'末端から3'末端方向への配列は、図18に示すように互いに相補的である。同様に基本構造52の固定塩基配列42の3'末端から11塩基目から5'末端方向への配列と、基本構造56の第1自由端塩基配列136の5'末端から3'末端方向への配列は、互いに相補的である。
さらに基本構造51の固定塩基配列41の3'末端から5'末端方向への10塩基の配列と、基本構造55の第2自由端塩基配列132の5'末端から3'末端方向への配列は互いに相補的であり、基本構造51の固定塩基配列41の3'末端から11塩基目から5'末端方向への配列と、基本構造55の第1自由端塩基配列131の5'末端から3'末端方向への配列は、互いに相補的である。
同様に、基本構造55の固定塩基配列45の3'末端から5'末端方向への10塩基の配列と、基本構造52の第2自由端塩基配列34の5'末端から3'末端方向への配列は互いに相補的であり、基本構造55の固定塩基配列45の3'末端から11塩基目から5'末端方向への配列と、基本構造52の第1自由端塩基配列33の5'末端から3'末端方向への配列は、互いに相補的である。
したがって、図16に示す核酸多面体においては、それぞれの稜において、相補的塩基配列21と相補的塩基配列22、固定塩基配列46と第1及び第2自由端塩基配列31, 32、相補的塩基配列25と相補的塩基配列26、固定塩基配列42と第1及び第2自由端塩基配列136, 135、固定塩基配列41と第1及び第2自由端塩基配列131, 132、固定塩基配列45と第1及び第2自由端塩基配列33, 34のそれぞれが互いに水素結合を形成し、二重螺旋構造をなしている。また核酸多面体はオリゴヌクレオチドを材料としているため、化学修飾が容易である。そのため、立体的にリガンド等の生体分子を当方的に配置する必要があるドラッグデリバリーシステム等のナノ材料及びナノデバイス等に第2の実施の形態に係る核酸多面体は利用可能である。
次に、第2の実施の形態に係る核酸多面体の合成方法を図19に示すフローチャートを用いて説明する。
(a) ステップS200からステップS240で、図6のフローチャートと同様の方法により、図4、2に示した配列を有するオリゴヌクレオチドである基本構造51, 52, 55, 56のそれぞれを合成する。さらにステップS250で、基本構造51と基本構造52を反応させ図1と同様の核酸化合物を合成する。同様に、基本構造55と基本構造56を反応させ核酸化合物を合成する。
(b) ステップS260で、基本構造51, 52を備える核酸化合物と、基本構造55, 56を備える核酸化合物を、反応溶液(20mM Tris−Cl(pH8.0),12.5mM MgC12,2mM EDTA(pH8.0))中で等モル量(オリゴヌクレオチド濃度 80nM)混合し、室温から加熱後5分間96℃で維持し、その後55℃まで徐冷して20分放置する。さらに20℃で2時間放置することにより、図16に示す核酸化合物が完成する。
以上、図19に示した方法で合成した核酸多面体を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した画像を図20、及び図20に示した囲いの中の拡大観察画像を図21に示す。AFM観察にあたっては、核酸多面体を含む80nMの溶液に、濃度10mMとなるように塩化マグネシウム(MgCl2)を混合し、その混合溶液をマイカ基板の劈開面上にアンカリングし5分間静置する。次に純水1mlでマイカ基板を5回洗浄した後、窒素ガスでマイカ基板上に残った余分な水滴を飛ばし、真空オーブンを用いて40℃、20分の真空乾燥を行ったものを用意し、AFMで観察する。
図16及び図4、2に示したように、第2の実施の形態に係る核酸多面体の稜の一辺は、ヒンジ部を含めて24塩基のオリゴヌクレオチドからなる。1塩基の長さが約0.34nmであるので、24塩基のオリゴヌクレオチドは約8.16nmの長さを有する。図21に示すAFM観察画像では、核酸多面体は一辺の長さが約10〜12nmである。AFM観察画像のおいては、配列長から予測される大きさよりもやや大きい核酸多面体が観察されるが、AFMのコンボリューション効果によるものと考えられる。「コンボリューション効果」とは、AFMの分解能はプローブ先端の曲率半径によって左右されるため、プローブ先端の曲率半径が被観察物よりも大きいと、被観察物が実際よりも大きいサイズで観察される現象をいう。コンボリューション効果を考慮すれば、図21の観察結果より、第2の実施の形態に係る核酸多面体は、図16及び図4、2に示した構造及び塩基配列をとることにより、安定した多面体構造を維持することが可能になったといえる。
さらに、図19に示す方法で合成した核酸多面体を電気泳動して得られるバンドパターンを図22に示す。電気泳動にあたっては、3% アガロースゲル及びTBE(45mM Tris‐borate,1mM EDTA)バッファー液を用いる。また、参照用として、基本構造52のみ、図1に示した核酸化合物に該当する基本構造52と基本構造51を反応させたもの、図1に示した核酸化合物と基本構造56を反応させたもの、及び125塩基を示すマーカーも同時に泳動させる。図4、2に示した配列を有する図16に示した核酸多面体の塩基数は288であるが、図22に示すバンドパターンでは核酸多面体の泳動パターンは125塩基対を示すマーカの近傍にとどまっている。このことからも、基本構造51, 52, 55, 56を反応させたものは高次構造を形成し、図16に示した核酸多面体を形成していることが分かる。
なお、第2の実施の形態に係る核酸多面体を形成するオリゴヌクレオチドの配列は図4、2に示した配列に限定されない。例えば、ヒンジ部のチミン(T)の塩基数は任意であり、またヒンジ部がなくても図16に示す核酸多面体を形成することも可能である。またヒンジ部ではチミン(T)以外のアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)等のいずれかの同種の塩基を配列させてもよい。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。例えば第1の実施の形態の変形例1では、図8に示した核酸格子は、まず核酸化合物152, 162, 172, 182のそれぞれを図6に示した方法で別個に合成した後、等モル量の核酸化合物152, 162, 172, 182を反応させることによって得られると述べた。これに対し、図23に示すその他の実施の形態に係る方法では、まず担体70から固相合成法により架橋塩基配列200, 300のそれぞれを伸長させ、それぞれ3'末端が架橋塩基配列200に接続する基本構造90と架橋塩基配列300に接続する基本構造190を合成する。基本構造90, 190のそれぞれの塩基配列は図8及び図9に示した基本構造83, 82と同様の塩基配列をとることにより、互いに相補的塩基配列部分において水素結合を結合する。
さらに図23に示す合成された基本構造90, 190のそれぞれの5'末端から架橋塩基配列201, 301を伸長させ、それぞれ3'末端が架橋塩基配列201, 301に接続する基本構造91, 191を合成する。以下同様に、合成された基本構造91, 191のそれぞれの5'末端から架橋塩基配列202, 302を伸長させ、それぞれ3'末端が架橋塩基配列202, 302に接続する基本構造92, 192を合成し、合成された基本構造92, 192のそれぞれの5'末端から架橋塩基配列203, 303を伸長させ、それぞれ3'末端が架橋塩基配列203, 303に接続する基本構造93, 193を合成する。
基本構造90, 91, 92, 93, 190, 191, 192, 193それぞれの塩基配列を図8及び図9に示した基本構造83, 63, 53, 73, 82, 72, 52, 62の塩基配列と同様にすることにより、固相担体上においても、基本構造90, 91, 92, 93, 190, 191, 192, 193のそれぞれは相補的塩基配列部分で水素結合を形成するため、DNA合成酵素あるいは耐熱性DNA合成酵素(Taqポリメラーゼ)を用いることで増幅可能である2本鎖のオリゴヌクレオチドのみで図23に示す結晶格子を合成することが可能となる。
さらに図23と同様の方法で図24に示す核酸化合物アレイ211, 212, 213を備える結晶格子を合成し、図24の実線の矢印で示すように、核酸化合物アレイ211, 212, 213のそれぞれの両端が相補的塩基配列となるように設計すれば、円筒を構築することが可能である。また図24の破線の矢印で示すように、核酸化合物アレイ211, 212, 213のそれぞれ一端が、隣接する核酸アレイの他端と相補的塩基配列となるように設計すれば、螺旋構造を構築することも可能である。
以上示したように、この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明からは妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の第1の実施の形態に係る核酸化合物を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る核酸化合物を示す模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基本構造の模式図である。 本発明の第1の実施の形態に係る基本構造の配列表である。 本発明の第1の実施の形態に係る自己相補性の説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る核酸化合物の合成法を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る配列探索法の模式図である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の模式図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の配列表である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の模式図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の模式図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の模式図(その4)である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の模式図(その5)である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の模式図(その6)である。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係る核酸格子の合成法を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る核酸多面体を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る核酸多面体の平面展開図である。 本発明の第2の実施の形態に係る基本構造の配列表である。 本発明の第2の実施の形態に係る核酸多面体の合成法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る核酸多面体の原子間力顕微鏡画像(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る核酸多面体の原子間力顕微鏡画像(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る核酸多面体の電気泳動パターンである。 本発明のその他の実施の形態に係る核酸格子の模式図(その1)である。 本発明のその他の実施の形態に係る核酸格子の模式図(その2)である。
符号の説明
7a, 7b, 7c,…, 47a, 47b, 47c, …, 8a, 8b, 8c,…, 48a, 48b, 48c, …,9a, 9b, 9c,…, 49a, 49b, 49c, …,10a, 10b, 10c, …, 50a, 50b, 50c, …, 49a, 49b, 49c, …,17a, 17b, 17c, …, 57a, 57b, 57c…生体相互作用分子
11, 12, 13…ヒンジ部
21, 22, 25, 26…相補的塩基配列
27a, 27b, 27c, …, 28a, 28b, 28c, …, 29a, 29b, 29c, …, 30a, 30b, 30c, …, 37a, 37b, 37c …架橋剤
31, 33, 131, 136…第1自由端塩基配列
32, 34, 132, 135…第2自由端塩基配列
41, 42, 43, 45, 46…固定塩基配列
51, 52, 53, 55, 56, 62, 72, 73, 82, 83, 90, 91, 92, 93, 105, 106, 107, 108, 120, 140, 148, 188, 190, 191, 192, 193…基本構造
111, 112, 113, 114, 115, 116, 117, 118, 211, 212, 213…核酸化合物アレイ
70…担体
121, 122, 123, 124…保護配列
145, 147, 152, 160, 162, 167, 172, 182, 228, 248, 268…核酸化合物
200, 201, 202, 203, 300…架橋塩基配列

Claims (15)

  1. 第1自由端塩基配列と、
    前記第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、前記第1自由端塩基配列に接続された相補的塩基配列と、
    前記第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、前記相補的塩基配列に接続された固定塩基配列と、
    前記固定塩基配列に接続された第2自由端塩基配列
    とをそれぞれ備える2つの基本構造を有し、
    前記2つの基本構造のそれぞれの前記相補的塩基配列が水素結合していることを特徴とする核酸化合物。
  2. 前記第1及び第2自由端塩基配列のそれぞれは等しい配列長を有し、前記相補的塩基配列は前記第1自由端塩基配列の2倍の配列長を有することを特徴とする請求項1に記載の核酸化合物。
  3. 前記第1自由端塩基配列、前記相補的塩基配列、前記固定塩基配列、及び前記第2自由端塩基配列は、同種の塩基が直鎖上に配列したヒンジ部を介してそれぞれ接続されることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸化合物。
  4. 前記同種の塩基がチミンであることを特徴とする請求項3に記載の核酸化合物。
  5. 第1自由端塩基配列と、
    前記第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、前記第1自由端塩基配列に接続された相補的塩基配列と、
    前記第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、前記相補的塩基配列に接続された固定塩基配列と、
    前記固定塩基配列に接続された第2自由端塩基配列
    とをそれぞれ備える2つの基本構造のそれぞれの前記相補的塩基配列が水素結合している核酸化合物を単位胞とし、
    前記核酸化合物を複数備えることを特徴とする核酸格子。
  6. 前記第1及び第2自由端塩基配列のそれぞれは等しい配列長を有し、前記相補的塩基配列は前記第1自由端塩基配列の2倍の配列長を有することを特徴とする請求項5に記載の核酸格子。
  7. 前記第1自由端塩基配列、前記相補的塩基配列、前記固定塩基配列、及び前記第2自由端塩基配列は、同種の塩基が直鎖上に配列したヒンジ部を介してそれぞれ接続されることを特徴とする請求項5又は6に記載の核酸格子。
  8. 前記同種の塩基がチミンであることを特徴とする請求項7に記載の核酸格子。
  9. 隣接する前記核酸化合物のそれぞれは、一方の前記核酸化合物の前記固定塩基配列と、他方の前記核酸化合物の前記第1及び第2自由端塩基配列とが相補的に水素結合していることを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載の核酸格子。
  10. 第1自由端塩基配列と、
    前記第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、前記第1自由端塩基配列に接続された相補的塩基配列と、
    前記第1自由端塩基配列より長い配列長を有し、前記相補的塩基配列に接続された固定塩基配列と、
    前記固定塩基配列に接続された第2自由端塩基配列
    とをそれぞれ備える4つの基本構造のそれぞれを稜とすることを特徴とする核酸多面体。
  11. 前記第1及び第2自由端塩基配列のそれぞれは等しい配列長を有し、前記相補的塩基配列は前記第1自由端塩基配列の2倍の配列長を有することを特徴とする請求項10に記載の核酸多面体。
  12. 前記第1自由端塩基配列、前記相補的塩基配列、前記固定塩基配列、及び前記第2自由端塩基配列は、同種の塩基が直鎖上に配列したヒンジ部を介してそれぞれ接続されることを特徴とする請求項10又は11に記載の核酸多面体。
  13. 前記同種の塩基がチミンであることを特徴とする請求項12に記載の核酸多面体。
  14. 前記4つの基本構造のそれぞれの1の前記相補的塩基配列が、他の前記基本構造の前記相補的塩基配列と水素結合していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の核酸多面体。
  15. 前記4つの基本構造のそれぞれの1の前記固定塩基配列が、他の前記基本構造の第1及び第2自由端塩基配列と相補的に水素結合していることを特徴とする請求項10乃至14のいずれか1項に記載の核酸多面体。
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