JP2005262428A - 微細加工方法 - Google Patents

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Hiroyoshi Minoda
弘喜 箕田
Manabu Watabe
学 渡部
Kunio Takayanagi
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Abstract

【課題】 高分解能で極微細構造を迅速に形成できるとともに、環境保全上、問題となる物質を含む廃棄物を発生しないため環境に優しい微細加工方法の提供。
【解決手段】 走査型プローブ顕微鏡のプローブを基板表面に当接または近接させながら走査して、前記基板表面に存在する微細構造材と前記プローブとの間の相互作用によって、前記微細構造材を移動させて、前記基板表面上に微細構造を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡を用いて基板表面に微細構造を形成する微細加工方法に関する。
近年、半導体デバイス等の各種の分野で、集積度および性能の向上を目的として、従来よりも微細な構造を高精度で形成することが求められるようになってきている。また、ナノオーダの原子または分子で構成される極微細な構造によって、量子効果等の新たな効果を発現する新規なデバイスが得られる、と期待されている。
ところで、従来、半導体デバイス等の製造において、微細構造を形成するためには、リソグラフィ技術が利用されている。このリソグラフィ技術は、基板表面にレジストを塗布し、マスクを介して所定のパターンを光や電子等によって露光した後、基板表面をエッチングして、所望の回路パターン等を形成する方法である。
しかし、従来のリソグラフィ技術によって実現できる微細構造は、用いる露光光線の回折限界等によってサイズが制約され、数十nm程度の線幅が限界である、と言われている。また、リソグラフィ技術では、エッチングなどの化学的な方法を利用しているので環境汚染の原因となる廃棄物質が生成するなどの問題がある。
そこで、より微細な構造を得る方法として、走査型プローブ顕微鏡を微細加工に用いる技術が注目を集めている。この走査型プローブ顕微鏡は、表面の観測に用いる検出対象によって、トンネル電流の検出による走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope:STM)、原子間力の検出による原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)等に大別される。
これらの走査型プローブ顕微鏡は、原子分解能を有するため、これらを用いて原子や分子を動かして再配置することによって原子レベルでの微細加工が可能である。例えば、STMによるナノ構造形成の例としては、STM探針を利用して原子を1個1個移動させて、円形状に並べたりすることができることが報告されている(非特許文献1〜非特許文献3)。また、AFMによる微細構造作製については、例えば、Au粒子やGaAs粒子、あるいはAuのクラスターを非接触プローブを用いて1個ずつ移動させる、あるいは薄膜をAFMプローブを走査して薄膜成分を掻き取る、窪みを形成する、などの各種の加工を行なうことによってナノオーダの微細構造を形成したことが報告されている(非特許文献4〜非特許文献9)。
しかし、従来の走査型プローブ顕微鏡を利用する微細加工は、前記のとおり、基本的に、1原子または1分子を1個ずつ動かす方法で、任意のナノ構造の作製を高い分解能で描画することは可能であるが、ナノ構造構築には非常に長い時間を要するため、産業上、求められる各種の微細構造を作成する技術として応用することは困難である。
J. A. Stroscio and D. M. Eigler, Science 254, 1319(1991). D. M. Eigler and L. K. Schweizer, Nature 344, 524 (1990). F. Crommie, C. P. Lutz, and D. Eigler, Science 262, 218 (1993). Y.Kim and C.M.Lieber, Science 257 375(1992) T. Sumomogi, T. Endo, K. Kuwahara and R. Kaneko, J.Vac.Sci.Technol.B 13 1257(1995) S.L.Brandow, W.J.Dressick, C.S.Dulcey, T.S.Koloski, L.M.Shirey, J.Schmidt and J.M.Calvert, J.Vac.Sci.Technol.B 15 1818 (1997) J.M.Calvert, J.Vac.Sci.Technol.B 15 1818 (1997) T. Junno, K. Deppert, L. Montelius, and L. Samuelson, Appl. Phys. Lett. 66 3627 D. M. Schaefer, R. Reifenberger, A. Patil and R. P. Andres, Appl.Phys.Lett. 66 1012 (1995)
そこで、本発明は、高分解能で極微細構造を迅速に形成できるとともに、環境保全上、問題となる物質を含む廃棄物を発生しないため環境に優しい微細加工方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の微細加工方法は、走査型プローブ顕微鏡のプローブを基板表面に当接または近接させながら走査して、前記基板表面に存在する微細構造材と前記プローブとの間の相互作用によって、前記微細構造材を移動させて、前記基板表面上に微細構造を形成することを特徴とする。
この微細加工方法では、走査型プローブ顕微鏡のプローブを基板表面に当接または近接させながら任意に走査することによって、基板表面に存在する微細構造材とプローブとの間の相互作用によって前記微細構造材を移動させて、所望の形態の微細構造を迅速に形成することができる。
また、前記微細構造は、前記微細構造材で形成されたナノワイヤ、ナノドットおよび自己組織膜から選ばれる少なくとも1種の構造体であることを特徴とする。これによって、所望の形態の微細構造を迅速にかつ高精度で形成することができる。
さらに、前記プローブが、カーボンナノチューブからなる先端部を備えることが好ましい。これによって、カーボンナノチューブの先端の曲率半径(約数nm)程度の線幅または寸法の微細構造を基板表面に形成することができる。
本発明の方法によれば、基板表面上に所望の微細構造を迅速にかつ高分解能で形成することができ、しかも形成される微細構造は、用いるプローブの曲率半径と同程度までサイズを小さくすることができる。また、形成される微細構造は、用いるプローブの曲率半径と同程度までサイズを小さくすることができる。さらに、従来の方法よりも高分解能で加工できる。
また、化学エッチング等を行なうことなく基板上に直接描画によりナノワイヤ配線やナノドット構築を行なうことができるため、環境汚染の原因となる廃棄物質が生成するなど、の問題が生じない。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の微細加工方法の実施形態として、基板1の表面に走査型プローブ顕微鏡2のプローブ3を当接または近接させて走査して、基板1の表面に形成された薄膜4を構成する微細構造材を移動させて微細構造を形成する方法を説明する図である。
走査型プローブ顕微鏡2は、基板1の表面に先端が当接または近接されるプローブ3と、プローブ3を支持するカンチレバー5と、基板1を載置する基台6とを備える。
カンチレバー5は、一端の連絡支持部7cで略V字状に連絡された2枚の平板状のカンチレバー腕部7a,7bと、そのカンチレバー腕部7a,7bの他端が接続されたカンチレバー基部8とを備える。カンチレバー腕部7a,7bは、例えば、SiO2 、Si3 4等で形成される。
プローブ3は、略V字状に連絡されたカンチレバー腕部7a,7bの連絡支持部7cの下面に設けられ、基板1に向けて凸状に形成された針状の先端部3aを有する。このプローブ3は、一般に、円錐状、角錐状等の形状を有し、また、先端部3aは、曲率半径が10nm以下の球状等の形態を有するものである。このプローブの材質、形状等は、形成する微細構造の形態、用いる微細構造材および基板の表面性状、印加圧力、プローブの走査方向、電場や磁場等の印加する外部パラメーター等に応じて適宜選択される。
また、プローブ3は、カンチレバー腕部7a,7bの作製の際に、カンチレバー腕部7a,7bの連絡支持部7cの先端下部をエッチング等によって加工してプローブ3に形成する、あるいは結晶のエッチピットを鋳型として利用して作製したものを、カンチレバー腕部7a,7bの連絡支持部7cの先端下部に装着する等のいずれの方法によって形成してもよい。
さらに、カンチレバー腕部7a,7bの連絡支持部7cの先端下部に直接、またはプローブ3の先端部3aに、カーボンナノチューブを取り付け、そのカーボンナノチューブの先端を、基板1の表面に当接または近接させて微細構造を形成してもよい。これによれば、プローブ3の先端部3aよりも曲率半径の小さいカーボンナノチューブの先端を利用して、数nmの線幅の微細構造を形成することができるため、好ましい。
基台6は、上面に基板1が載置され、ピエゾ素子、駆動モータ等の駆動部(図示せず)によって、基板1を上下方向(Z軸方向)、ならびに基板1の表面にそって直交する方向(X軸方向およびY軸方向)に駆動することによって、基板1の表面に当接または近接されたプローブの先端部3aによる走査を行なうことができる。
この基台6のZ軸方向、X軸方向およびY軸方向の駆動は、プローブ3が取り付けられたカンチレバー5の変位を検出することによって行なわれる。
ここで、カンチレバー5の変位の検出手段としては、カンチレバー7a,7bの連絡支持部7cの上面7dにレーザー光を照射し、その反射光を光センサーで検知する手段が代表的である。この変位を連続的に検出し、基台6を3次元方向に駆動することによって、基板1の表面にプローブ3の先端部3aを当接または近接させる状態を制御して走査を行なうことができる。例えば、プローブ3による基板1への印加圧力等も制御される。
また、本発明の微細加工方法は、レーザー光による変位の検知手段を用いる走査型プローブ顕微鏡に限定されず、他の検知手段によって変位を検知する走査型プローブ顕微鏡を用いる場合にも適用できる。例えば、カンチレバー5またはプローブ3の変位を、カンチレバー自身のピエゾ抵抗変化等によって検知する自己検知方式の走査型プローブ顕微鏡を用いてもよい。
また、基板1は、前記微細構造材を堆積可能なものであれば、形成する微細構造、求められる特性、性能等に応じて適宜選択できる。例えば、マイカ、SiO2、Si3 4、ITO等を用いることができる。また、基板1の形態等も適宜選択することができる。さらに、基板1の表面は、堆積する微細構造材に応じて、粗面化等の表面処理を施してもよい。
薄膜4は、基板1の表面に堆積した微細構造材で形成される。
前記微細構造材は、基板1の表面に当接または近接して走査されるプローブ3の先端部3aによって、基板1の表面に沿って移動可能な程度に、基板1の表面との相互作用を示す物質を用いることができる。また、基板1の表面に強く吸着して、走査されるプローブ3の先端部3aによって移動されない程度に基板1の表面との相互作用が大きい微細構造材を用いる場合には、基板1の表面を表面処理または他の材料でコーティングして、微細構造材との相互作用の小さい表面を形成した後、微細構造材を堆積することによって形成することができる。
この微細構造材は、導電体、磁性体の原子または分子から選ばれる少なくとも1種からなるものである。導電体としては、例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、アルミニウム等の金属、遷移金属フタロシアニン、アルカンチオール等の導電性分子が挙げられる。また、磁性体としては、例えば、ニッケル、コバルト、鉄やこれらの合金等が挙げられる。
これらの微細構造材は、基板1の表面または表面の上方に形成する微細構造の機能、性能等に応じて適宜選択される。例えば、微細構造として導電性物質からなる配線を形成する場合には、導電体からなる微細構造材を用いることができる。
薄膜4は、蒸着、CVD、スパッタリング、原子層堆積法、電解めっき法、無電解めっき法等の公知の方法によって、基板1の表面に前記微細構造材を堆積させることによって形成することができる。
次に、図1に示す走査型プローブ顕微鏡2において、微細加工を行なう方法について説明する。
まず、基台6の上面に、表面に微細構造材からなる薄膜4が形成された基板1を載置した後、カンチレバー5を駆動して、プローブ3の先端部3aを基板1の表面に形成された薄膜4に近接させると、プローブ3の先端部3aと基板1または薄膜4との間に原子間力に基づく引力または斥力が作用し、カンチレバー5に変位(たわみ)が生じる。このカンチレバー5の変位を検出することによって、基板1の表面構造を測定することができる。
次に、基台6を、図1に示すZ軸方向に駆動することによって、プローブ3の先端部3aから基板1に印加される印加圧力を調整して、図2に示すように、プローブ3の先端部3aを基板1の表面に当接させる。このとき、印加圧力は、形成する微細構造(ナノワイヤ)の大きさおよび配列周期等に応じて、15〜50nN程度に調整される。
そして、基台6をX軸方向およびY軸方向、さらにZ軸方向に駆動することによって、プローブ3の先端部3aを基板1の表面に当接させながら走査させることができる。これによって、基板1の表面に存在する薄膜を構成する微細構造材と、プローブ3の先端部3aとの間の相互作用によって、微細構造材を移動させて、基板1の表面上に微細構造を形成することができる。例えば、図3に示すように、プローブ3を基板1の表面に沿って、所定の間隔を開けて、一方向に直線的に走査させることができる。これによって、図4(a)に示すように、プローブ3の先端部3aは、基板1の表面に当接され、基板1の表面に存在する薄膜4の微細構造材と相互作用する。そして、図4(b)〜図4(d)に示すように、プローブ3の走査方向と直交する方向に微細構造材が移動され、プローブ3の走査方向に沿って、微細構造からなるナノワイヤ9と、プローブ3の基板1との当接部に対応する条溝とが平行に形成される。
次に、図4(e)〜図4(g)に順を追って示すように、ナノワイヤ9を越えて新たな当接個所に移動して、さらに先端部3aを基板1に当接させるとともに、プローブ3を基板1の表面に沿って走査することによって、新たなナノワイヤ9および条溝が形成される。例えば、図5(a)の走査型プローブ顕微鏡による表面像に示すように、所定の間隔でナノワイヤが配列された微細構造を形成することができる。
また、プローブ3の走査方向、走査速度、印加圧力、薄膜の形態や外部パラメーター(電場、磁場)等を制御することによって、ナノワイヤだけでなく、基板1のX−Y平面上に所望の形状の図形を形成することができる。例えば、ナノドット等を形成することができる。
さらに、前記の説明では、プローブ3の先端部3aを基板1の表面に当接させた状態でプローブ3の走査を行なった例を説明したが、本発明の微細加工方法においては、プローブ3の先端部3aを基板1の表面に当接させた状態だけでなく、印加圧力を制御して先端部3aを基板1の表面に近接させた状態で、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の任意の方向に走査することによって、基板1の表面に形成された薄膜4をその表面から部分的に掘り下げた深さの条溝、または基板1の表面に達する条溝を形成するように、微細構造材を移動させることができる。これによって、基板1の表面の3次元方向に所望の形態を有する微細構造を形成することができる。
本発明の微細加工方法においては、周囲雰囲気は、特に制限されず、大気雰囲気、真空雰囲気、気体雰囲気、液体雰囲気のいずれの雰囲気でもよい。これによって、例えば、基板1の種類、微細構造材の性質、形成する微細構造の性質または形態等に応じて、酸化性雰囲気、あるいは非酸化性雰囲気等の雰囲気を適用することができる。
したがって、このようなプローブ3の走査を、走査方向を3次元方向で制御して繰返すことによって、所望の形態の微細構造を、基板1の上に迅速に形成することができる。例えば、前記微細構造材で形成されたナノワイヤ、ナノドット、自己組織化膜等の2次元または3次元構造を有する所望の微細構造を形成することができる。また、本発明の方法は、例えば、下記の応用が考えられる。
(1)基板上に薄膜成長をさせる場合に、薄膜物質が付着しやすいような材料(活性物質)と付着しにくい材料(不活性物質)とで所望のパターンを、本発明の方法によって形成しておけば、パターニングされた自己集積膜を作製する。
(2)基板上に薄膜成分を堆積する間、プローブを所望のパターンで連続して走査することによって、走査した領域から薄膜成分を排除して、薄膜成長が終わった段階は、パターンニングされた自己集積膜を得る。
このとき、印加圧力およびプローブ3の先端部3aのZ軸方向の位置を調節して、基板1の上に形成された微細構造の表面をプローブ3が走査するようにすれば、形成された微細構造を走査型顕微鏡像として得ることができる。これによって、形成された微細構造の確認を容易に行なうことができる。
この微細加工方法において、プローブ3の走査時の印加応力の大きさ、プローブの走査速度、走査方向等を制御することで、形成されるナノワイヤー、ナノドット列等の微細構造のサイズや形成される周期等を調整することが可能である。また、基板1、微細構造材の性質、形成する微細構造の形態に応じて、プローブ、あるいは外部パラメータ(印加電圧、印加磁場)、周囲雰囲気等の他の装置諸元を選択することによって、より高分解能かつ高精度な微細構造を迅速に形成することができる。
本発明の微細加工方法は、磁気抵抗素子、キャパシタ、トランジスタ等の各種素子やその電気回路配線、あるいは、情報通信用のアドレスデコーダ、あるいは、光学フィルター、導波管等の光学素子の作製に適用可能である。例えば、下記のような微細構造を形成することもできる。
(1)まず、X軸方向にナノワイヤ(a)を形成し、そのナノワイヤ(a)の金属薄膜を堆積する。次に、金属薄膜の上にY軸方向にナノワイヤを形成することによって、格子状のナノワイヤパターンを形成することができる。
(2)導電体金属からなる複数のナノワイヤを形成した後、各ナノワイヤの表面を酸化して導電体金属の芯線を金属酸化物からなる絶縁層で被覆した2重構造体を形成する。次に、2重構造体の表面に導電体金属を堆積させて、導電体、絶縁体および導電体の3層からなる構造体を形成すれば、これは、キャパシタとして利用することができる。また、3層目を電場引加用の電極とみなせば、電場引加型のトランジスタとしての応用も可能である。さらに、このような構造を周期的あるいは所定の間隔を置いて複数配列した微細構造を形成することができる。
(3)また上記と同様なプロセスで、1層目の伝導線と3層目の導電線を格子状に、すなわち、1層目の芯線をX軸方向に、3層目の伝導線をY軸方向に形成し、格子状のパターンを形成すれば、情報通信用のアドレスデコーダとしての利用も可能である。
(4)また、磁性体からなる金属ナノワイヤを電極間に形成すれば、従来よりも微細な磁気抵抗素子を容易に構成することができる。
(5)例えば、ITO基板の上に金属ナノドットを周期的に並べ、その周期を制御することで、ITO基板を透過できる光の波長を変えることができ、光学フィルターとして利用することができる。
さらに、本発明の微細加工方法において、再度、プローブを走査して、移動させた微細構造材をさらに移動させて、新たな微細構造を形成することも可能である。
しかも、本発明の微細加工方法は、露光、現像、エッチング等の一連の工程を、導電体層、絶縁体層等のそれぞれの膜や層の形成に際して複雑に組み合わせて行なうことを要するリソグラフィープロセスに比べて、基板上に存在する微細構造材を走査型プローブ顕微鏡のプローブによって走査する操作のみによって、迅速かつ簡便に、また、露光光線の回折限界による適用サイズの限界等の制約を受けずに、高解像度でナノメータオーダの微細構造を形成することができる。例えば、2μm×2μmの領域を5分間で走査して、その領域内に所望のナノワイヤを形成することができる。具体的には、2μm×2μmの領域を5分間で走査する間に10本のナノワイヤを形成した場合には、1本のナノワイヤを形成するに要した時間は30秒となる。そのため、本発明の微細加工方法は、従来のリソグラフィー技術に替わって、MEMS(Micro Electoromechanical System)、NEMS(Nano Electoromechanical System)等の微細構造機能体の加工作製に適用することが可能である。さらに、基板上に複数の材料がランダムに吸着している場合、それぞれの材料が、基板との相互作用が異なる場合、相互作用の弱いものだけを位置を移動させて、強く相互作用しているものは動かさないようにすることも可能である。これによって、基板上に特定成分のみを特定の位置に配置した微細構造を形成することが可能である。
以下、本発明の実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。
(実施例1)
マイカのへきかい面上に1.5nmの厚さに金を蒸着した後、2μm×2μmの領域(A)を、15〜50nNの印加圧力を加えながら、AFMプローブ(先端部の曲率半径:50nm)を5.61μ/sの走査速度でラスタースキャンして、間隔約4nmを開けて9本のナノワイヤ(図5(a)のA〜J)を形成した。その後、形成されたナノワイヤを壊さないように印加圧力を10nN程度に下げて、原子間力顕微鏡によって図5(a)の像を得た。
前記AFMプローブに15〜50nNの圧力を加えながら、前記の領域(A)と1部重なった領域(B)をラスタースキャンして8本のナノワイヤ(図5(b)のE〜M)を形成した。その後、印加圧力を10nN程度に下げて、原子間顕微鏡によって図5(b)の像を得た。
また、領域(A)および領域(B)を走査したときのプローブへの印加圧力(Applied Force)と、形成されたナノワイヤの間隔(spacing)、高さ(height)、幅(width)との関係を、図6(a)〜図6(c)にそれぞれ示す。
さらに、領域(A)におけるプローブの走査方向に対して、プローブの走査方向を45度の角度に変えて領域(B)を走査して、領域(A)と領域(B)にナノワイヤ列を形成した。そのナノワイヤ列を原子間力顕微鏡によって観察したところ、図7に示す像を得た。
また、薄膜形成時の作製条件を変えて、薄膜を形成している金の粒径を大きくすることによって、図8に原子間力顕微鏡像を示すナノドット列を形成することができた。
本発明の実施形態を説明する模式図である。 プローブの先端部と基板の当接状態を説明する模式図である。 基板の表面に沿ってプローブを走査してナノワイヤを形成する方法を説明する概念図である。 (a)〜(g)は、本発明の実施形態における微細構造の形成過程を順を追って示す模式断面図である。 aおよびbは、実施例で形成されたナノワイヤ列の原子間力顕微鏡による画像である。 (a)は、プローブへの印加圧力と、形成されたナノワイヤの間隔との関係、(b)は、印加圧力と形成されたナノワイヤの高さとの関係、(c)は、印加圧力と形成されたナノワイヤの幅との関係、をそれぞれ示す図である。 実施例によって得られたナノワイヤ列の原子間力顕微鏡による画像である。 実施例によって得られたナノドット列の原子間力顕微鏡による画像である。
符号の説明
1 基板
2 走査型プローブ顕微鏡
3 プローブ
4 薄膜
5 カンチレバー
6 基台
7a,7B カンチレバー腕部
7c 連絡支持部
8 カンチレバー基部

Claims (8)

  1. 走査型プローブ顕微鏡のプローブを基板表面に当接または近接させながら走査して、前記基板表面に存在する微細構造材と前記プローブとの間の相互作用によって、前記微細構造材を移動させて、前記基板表面上に微細構造を形成することを特徴とする微細加工方法。
  2. 前記微細構造材が、導電体、磁性体の原子または分子から選ばれる少なくとも1種からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の微細加工方法。
  3. 前記導電体の原子が、金、銀、銅、白金、パラジウムおよびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の微細加工方法。
  4. 前記磁性体が、ニッケル、コバルト、鉄、およびこれらの合金から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の微細加工方法。
  5. 前記導電体の分子が、遷移金属フタロシアニンおよびアルカンチオールから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項2に記載の微細加工方法。
  6. 前記微細構造が、前記微細構造材で形成されたナノワイヤ、ナノドットおよび自己組織化膜から選ばれる少なくとも1種の構造であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の微細加工方法。
  7. 前記プローブが、カーボンナノチューブからなる先端部を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の微細加工方法。
  8. 前記基板が、SiO2からなることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の微細加工方法。
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