JP2005261502A - 医療用器具洗浄消毒装置 - Google Patents

医療用器具洗浄消毒装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005261502A
JP2005261502A JP2004074999A JP2004074999A JP2005261502A JP 2005261502 A JP2005261502 A JP 2005261502A JP 2004074999 A JP2004074999 A JP 2004074999A JP 2004074999 A JP2004074999 A JP 2004074999A JP 2005261502 A JP2005261502 A JP 2005261502A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
disinfecting
endoscope
disinfecting apparatus
medical instrument
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004074999A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukenao Abe
祐尚 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Pentax Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pentax Corp filed Critical Pentax Corp
Priority to JP2004074999A priority Critical patent/JP2005261502A/ja
Publication of JP2005261502A publication Critical patent/JP2005261502A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)
  • Endoscopes (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】 医療用器具の劣化を十分に防止しつつ、医療用器具を効率良く洗浄消毒することが可能な医療用器具洗浄消毒装置を提供すること。
【解決手段】 本発明の内視鏡用洗浄消毒装置20は、その上端側に、内視鏡10を格納するための洗浄消毒槽21を有し、洗浄消毒槽21の上面開口には開閉自在な蓋体22を有している。洗浄消毒槽21および蓋体22の表面付近には、アンチモンポルフィリン錯体を含む材料で構成された抗菌部を有している。抗菌部におけるアンチモンポルフィリン錯体の含有量は、0.1〜30wt%であるのが好ましい。アンチモンポルフィリン錯体を構成するポルフィリン化合物としては、例えば、エチオポルフィリン、メソポルフィリン、プロトポルフィリン、ジューテロポルフィリン、ヘマトポルフィリン、コプロポルフィリン、ウロポルフィリン等を用いることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、医療用器具洗浄消毒装置に関するものである。
医療の分野では、消化管等の検査、診断、処置等に、内視鏡が使用されている。
このような内視鏡には、使用時等に、粘液等の汚れが付着することがある。このような汚れは、感染症等の原因となりうるため、使用時ごとに、洗浄、消毒が行われてきた。従来、内視鏡の洗浄消毒に用いられてきた洗浄消毒装置は、通常、洗浄液(洗浄水)が貯留されるタンクや、洗浄液(洗浄水)を搬送する流路等を有しているが、洗浄消毒装置内の洗浄液(洗浄水)中に細菌等が混入し、上記のような部位等で増殖する懸念があった。
一方、上記のような問題を解決する目的で、洗浄水を貯留するタンク内に、波長が210〜329nmの紫外線を放射する紫外線ランプを取り付けた洗浄消毒装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、紫外線の殺菌性を利用し、細菌の増殖を防止することを期待したものであるが、このような洗浄装置を用いても十分な効果が得られない。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。すなわち、紫外線は、優れた殺菌性を有するものの、水中の透過率が低い。このため、タンク内の洗浄液を対流させる等しても、洗浄水全体を十分に殺菌するのは困難であった。また、放射する紫外線の強度(光量)を大きくし、洗浄液全体に対して殺菌処理を施すことも考えられるが、十分な効果を発揮するためには、莫大な強度(光量)が必要となり、装置の構成、コストの面等から現実的ではない。また、このような場合、以下のような問題点も発生する。すなわち、内視鏡は、例えば、可撓管外皮等の汚れが付着しやすい部位の構成材料として、各種樹脂材料のような有機材料が用いられている。このような材料は、一般に紫外線に対する安定性が低い。したがって、洗浄消毒装置内(タンク内)の洗浄水全体に十分な光量の紫外線を照射し、十分な殺菌性を発揮させようとした場合、内視鏡の構成材料の劣化を促進してしまう。その結果、内視鏡の耐久性は著しく低いものとなる。
実開平5−82403号公報
本発明の目的は、医療用器具の劣化を十分に防止しつつ、医療用器具を効率良く洗浄消毒することが可能な医療用器具洗浄消毒装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(7)の本発明により達成される。
(1) 液体が貯留される貯留部または液体が搬送される搬送部の壁面付近に、アンチモンポルフィリン錯体を含む材料で構成された抗菌部を有することを特徴とする医療用器具洗浄消毒装置。
これにより、医療用器具の劣化を十分に防止しつつ、医療用器具を効率良く洗浄消毒することが可能な医療用器具洗浄消毒装置を提供することができる。
(2) 前記抗菌部中における前記アンチモンポルフィリン錯体の含有率は0.1〜30wt%である上記(1)に記載の医療用器具洗浄消毒装置。
これにより、より優れた抗菌性を発揮しつつ、医療用器具洗浄消毒装置に求められる他の特性を十分に優れたものとすることができる。
(3) 前記抗菌部は、樹脂を含む材料で構成されたものである上記(1)または(2)に記載の医療用器具洗浄消毒装置。
アンチモンポルフィリン錯体は、酸化チタン等の他の光触媒に比べて、樹脂等の有機材料(有機化合物)との親和性に優れている。このため、光触媒としてのアンチモンポルフィリン錯体が、医療用器具洗浄消毒装置から脱落するのを効果的に防止することができ、より長期間にわたって優れた抗菌性を発揮することができる。また、酸化チタン等の他の光触媒が、その触媒機能を十分に発揮し得る条件下においては、樹脂等の有機材料(有機化合物)が、変性、劣化等の悪影響を受け易くなるのに対し、アンチモンポルフィリン錯体は、このような問題の発生を効果的に防止することができ、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
(4) 波長が380〜770nmの可視光を照射する光源を備えている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
これにより、より優れた抗菌性を発揮することができる。
(5) 前記液体は、主として水で構成されたものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
水は、紫外線の透過率が低いため、従来提案されていたような紫外線を照射する洗浄消毒装置では、水を主とする液体および該液体を用いる場合に、十分な効果が得られないことがあったが、本発明によれば、水中の透過率に優れる可視光領域の光を利用するため、前記液体が、主として水で構成されたものであると、本発明の効果はより顕著に発揮される。
(6) 抗菌部は、少なくとも表面付近が金属材料で構成された基部上に設けられたものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
これにより、入射した光の利用効率を特に優れたものとすることができ、抗菌部の機能をより効果的に発揮させることができる。
(7) 医療用器具洗浄消毒装置は、内視鏡の洗浄消毒に用いるものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
内視鏡は、体腔内に挿入して用いられるものであるため、各種医療用器具の中でも、特に高度な洗浄消毒が求められるものである。したがって、本発明を、内視鏡の洗浄消毒に用いられる内視鏡用洗浄消毒装置に適用することにより、その効果がより顕著に現れる。
本発明によれば、医療用器具の劣化を十分に防止しつつ、医療用器具を効率良く洗浄消毒することが可能な医療用器具洗浄消毒装置を提供することができる。
以下、本発明の医療用器具洗浄消毒装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。以下の説明では、医療用器具洗浄消毒装置の一例として、医療用器具としての内視鏡を洗浄消毒する内視鏡用洗浄消毒装置について説明する。内視鏡は、体腔内に挿入して用いられるものであるため、各種医療用器具の中でも、特に高度な洗浄消毒が求められるものであり、したがって、本発明を適用することにより、その効果が顕著に現れるものである。
図1は、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置(医療用器具洗浄消毒装置)で洗浄対象物(消毒対象物)として用いられる内視鏡の一例としての電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図、図2は、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置の実施形態を示す外観斜視図、図3は、図2に示す内視鏡用洗浄消毒装置が備える洗浄消毒槽の縦断面を示す拡大図、図4は、図2に示す内視鏡用洗浄消毒装置の部分縦断面図である。以下の説明では、図1中の上方を「基端」、下方を「先端」と言う。
まず、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄消毒される内視鏡の構成の一例について説明する。
図1に示す内視鏡(医療用器具)10は、電子内視鏡(電子スコープ)であり、可撓性(柔軟性)を有する長尺の可撓管11および当該可撓管11の先端部に設けられた湾曲部12を備える挿入部可撓管1と、挿入部可撓管1の基端部に設けられ、術者が把持して内視鏡10全体を操作する操作部6と、操作部6に接続された接続部可撓管7と、接続部可撓管7の先端側に設けられた光源差込部8とを有している。内視鏡10の内部には、光ファイバー束によるライトガイド、画像信号ケーブル、ケーブル、チューブ類等の内蔵物(図示せず)が配置、挿通されている。
挿入部可撓管1と接続部可撓管7とは、それぞれ、中空部を有する(管状の)芯材の外周を外皮で被覆した内視鏡用可撓管で構成されている。内視鏡用可撓管を構成する外皮は、繰り返し施される洗浄・消毒・滅菌処理等の際に、各種消毒薬等の薬品に曝されることから耐薬品性を有し、かつ、摩擦により体腔内の組織に損傷を与えることを防止するため、柔軟性(可撓性)を有する材料を主材料として構成されているのが好ましい。このような材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等のフッ素系樹脂、ポリイミドのような各種可撓性を有する樹脂や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリスチレン系、フッ素系等の熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ラテックスゴムのような各種エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、操作部6には、その側面に操作ノブ61、62が設置されている。この操作ノブ61、62を操作すると、挿入部可撓管1内に配設されたワイヤ(図示せず)が牽引されて、湾曲部12が4方向に湾曲し、その方向を変えることができる。
湾曲部12の先端部内側には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられ、また、光源差込部8の先端部に、画像信号用コネクタ82が設けられている。この画像信号用コネクタ82は、外筒内に多数の接続ピンが突設された構造になっており、ケーブルを介してモニタ装置(図示せず)に接続された光源プロセッサ装置(図示せず)に接続される。また、光源差込部8の先端部には、光源用コネクタ81が設置され、この光源用コネクタ81が光源プロセッサ装置に接続される。
光源プロセッサ装置から発せられた光は、光源用コネクタ81、および、光源差込部8内、接続部可撓管7内、操作部6内および挿入部可撓管1内に連続して配設されたライトガイド(図示せず)を通り、湾曲部12(挿入部可撓管1)の先端部より観察部位に照射され、照明する。このようなライトガイドは、例えば、石英、多成分ガラス、プラスチック等により構成される光ファイバーが複数本束ねられて構成されている。
前記照明光により照明された観察部位からの反射光(被写体像)は、撮像素子で撮像される。撮像素子では、撮像された被写体像に応じた画像信号が出力される。この画像信号は、挿入部可撓管1内、操作部6内および接続部可撓管7内に連続して配設され、撮像素子と画像信号用コネクタ82とを接続する画像信号ケーブル(図示せず)を介して、光源差込部8に伝達される。
そして、光源差込部8内および光源プロセッサ装置内で所定の処理(例えば、信号処理、画像処理等)がなされ、その後、モニタ装置に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
挿入部可撓管1の内部には、処置具を挿通する処置具挿通チャンネル9が形成されている。この処置具挿通チャンネル9は、操作部6に形成された突出部63に基端開口部91を有しており、湾曲部13の先端に先端開口部92を有している。
処置具挿通チャンネル9の基端開口部(口金)91には、内視鏡用鉗子栓5が着脱自在に取り付けられている。内視鏡用鉗子栓5は、基端開口部91に着脱可能に設置される本体と、該本体に対し着脱可能に設置される蓋体とを備えている。
このような内視鏡10では、例えば、挿入部可撓管1を体腔内に挿入した状態で、各種の処置具(図示せず)を基端開口部91から処置具挿通チャンネル9内に挿入し、先端開口部92から突出(露出)させて使用することができる。使用可能な処置具としては、特に限定されないが、例えば、生検鉗子、把持鉗子等の鉗子類、体温センサー等の各種センサー類、心電測定用等の電極、ナイフ、レーザーメス等の切開具類、造影チューブ、洗浄チューブ、ドレナージチューブ等の各種チューブ類(カテーテル類)、破砕プローブ(破石具)、ヒートプローブ、注射針、結紮具、ワイヤ類等の各種の処置具(検査具)等が挙げられる。
次に、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置について詳細に説明する。
本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、例えば、上記のような内視鏡の洗浄消毒に用いられるものである。なお、本明細書中においては、特に断りがない限り、「洗浄」とは、水洗、酵素洗浄、アルカリ洗浄(アルカリ洗)等のことを指す。本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、洗浄(例えば、酵素洗浄、アルカリ洗浄(アルカリ洗)等)に用いられるものに限定されず、消毒、滅菌等に用いられるものであってもよい。また、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、内視鏡本体を洗浄消毒するものに限定されず、内視鏡そのものを構成する部品や、内視鏡とともに使用することができる器具、装置類等の内視鏡関連品(例えば、洗浄用アダプタ、送水ボトルのチューブ、漏水テスターのチューブ等)の洗浄消毒に適用されるものであってもよい。
図2に示すように、本実施形態の内視鏡用洗浄消毒装置(医療用器具洗浄消毒装置)20は、その上端側に、内視鏡10を格納するための洗浄消毒槽(貯留部)21を有し、洗浄消毒槽21の上面開口には開閉自在な蓋体22を有している。
洗浄消毒槽21の内部には、操作部保持部213、コネクタ保持部(光源差込部保持部)214等が配置されている。これにより、洗浄消毒槽21内において、内視鏡10の操作部6、光源差込部8を適切な状態に保持することができる。操作部保持部213およびコネクタ保持部214には、内視鏡10内に配管されている流体管路内に対する掃除用ブラシの挿脱と洗浄液および乾燥用エアーの注入を行う機能が組み込まれていてもよい。なお、このような構成としては、例えば特開平8−275918号公報に記載されているもの等を適用することができる。
蓋体22は、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、可視光透過性の材料(可視光を透過する材料)で構成されたものであるのが好ましい。これにより、洗浄消毒槽21に光を照射する光源を内視鏡用洗浄消毒装置20に備えなくても、後に詳述する抗菌部の機能をより効果的に発揮させることができる。その結果、内視鏡用洗浄消毒装置20の小型化に寄与することができる。なお、ここでの「可視光透過性」とは、380〜770nmの波長の光を60%以上透過する性質のことを指すが、可視光透過性の材料としては、380〜770nmの波長の光を70%以上透過する材料を用いるのが好ましく、380〜770nmの波長の光を80%以上透過する材料を用いるのがより好ましい。これにより、前述したような効果をさらに顕著に発揮させることができる。このような材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、蓋体22の内表面付近には、後に詳述するような抗菌部が形成されているのが好ましい。
また、内視鏡用洗浄消毒装置20は、洗浄水を貯留する洗浄水用貯留タンク(洗浄水貯留部)、洗浄液を貯留する洗浄液用貯留タンク(洗浄液貯留部)、消毒液を貯留する消毒液用貯留タンク(消毒液貯留部)を備えており、これらの貯留タンク(貯留部)は、それぞれに対応する管路(搬送部)に接続されている。そして、これらの管路は、それぞれ、端部(貯留タンクに接続するのとは反対側の端部)に放出口(洗浄水放出口、洗浄液放出口、消毒液放出口)を有しており、該放出口から、それぞれ、洗浄水、洗浄液、消毒液を、洗浄消毒槽21に供給(放出)する構成になっている。なお、図2においては、洗浄水用貯留タンク、洗浄液用貯留タンク、消毒液用貯留タンクおよびこれらに接続された管路、ならびに洗浄水放出口、洗浄液放出口、消毒液放出口は、図示していない。
洗浄水としては、例えば、イオン交換水、蒸留水、精製水等の純水、飲料水レベルの水、0.2μm程度のフィルターを通した水等を用いることができる。また、洗浄液としては、例えば、中性洗浄剤、酵素系洗浄剤、アルカリ系洗浄剤等を用いることができる。また、消毒液としては、例えば、グルタルアルデヒド、オルトフタルアルデヒド、過酢酸等を用いることができる。
また、内視鏡用洗浄消毒装置20の使用時において、洗浄水、洗浄液、消毒液は、いかなる順序で、洗浄消毒槽21に供給されるものであってもよい。また、洗浄水、洗浄液、消毒液のうち少なくとも1つについて、洗浄消毒槽21内に複数回供給する構成であってもよい。例えば、洗浄消毒槽21内に、洗浄液と消毒液とを交互に繰り返し供給し、その後、洗浄水を供給することにより、洗浄消毒槽21の内壁に付着した洗浄液、消毒液を洗い流すとともに、内視鏡10を洗浄消毒するような構成にしてもよい。
また、内視鏡用洗浄消毒装置20の前面パネルには、操作ボタン23、例えば液晶等を用いた表示用のディスプレイ24等が配置されている。
また、内視鏡用洗浄消毒装置20の側面からは、可撓管26が延出しており、その先端には、防水キャップ25が取り付けられている。この防水キャップ25は、内視鏡用洗浄消毒装置20の使用時に、画像信号用コネクタ82に被せることにより、内視鏡10の画像信号用コネクタ82内に洗浄水等が浸入するのを防止する機能を有する。
図3に示すように、洗浄消毒槽21は、基部211と、基部211の表面に設けられた抗菌部212とで構成されている。
基部211は、洗浄消毒槽21の形状を十分に保持することが可能な材料で構成されているのが好ましい。また、基部211は、少なくともその表面付近が、可視光を反射する材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、後に詳述する抗菌部212における光(可視光)の利用効率を高めることができ、抗菌部212の機能をより効果的に発揮させることができる。すなわち、抗菌部212に入射した光の内、アンチモンポルフィリン錯体の触媒機能の発揮に利用されなかった光を基部211で反射することにより、抗菌部212の機能をより効果的に発揮させることができる。このような材料としては、例えば、Al、Ag、Feや、これらから選択される少なくとも1種を含む合金(例えば、ステンレス鋼等)の金属材料等が挙げられる。
抗菌部211は、少なくともその表面付近に、アンチモンポルフィリン錯体を含む材料で構成されている。アンチモンポルフィリン錯体は、光触媒としての機能を有しており、光、特に可視光成分を含む光が照射された(入射した)環境下において、例えば、抗菌性を発揮し、洗浄消毒槽21に付着した汚れや、洗浄消毒槽21に貯留される液体(例えば、洗浄水、洗浄液、消毒液)に含まれる汚れ等を分解する機能等を有している。
抗菌部を構成するアンチモンポルフィリン錯体は、可視光領域の光により、優れた触媒機能を発揮することができ、特に、内視鏡および内視鏡関連品(以下、単に内視鏡ともいう)で問題となる、大腸菌、黄色ブドウ球菌、レジオネラ菌、ヘリコバクターピロリ菌、緑膿菌等の細菌に対する抗菌性に優れ、また、粘液等の汚れを効果的に分解することができること、そして、内視鏡用洗浄消毒装置が、液体が貯留される貯留部または液体が搬送される搬送部の壁面付近にアンチモンポルフィリン錯体を含む材料で構成された抗菌部を有するものであると、洗浄水等の内視鏡の洗浄消毒に用いられる液体中における細菌の繁殖、汚れの残存等を効果的に防止することができ、内視鏡の洗浄消毒をより効果的に行うことができることを本発明者は見出した。
特に、アンチモンポルフィリン錯体は、可視光領域の光により、優れた触媒機能を発揮することができるので、紫外線照射装置等の特別な装置を用いる必要がない。特に、本実施形態のように、蓋体が可視光透過性の材料で構成されたものである場合、内視鏡用洗浄消毒装置が設置、使用される環境下での明かり(例えば、太陽光や、室内照明等に広く用いられている蛍光灯等による光)により、優れた触媒機能を発揮することができる。また、可視光領域の光は、紫外線に比べ、水中の透過率も高い。したがって、洗浄消毒槽(貯留部)内に比較的多量の液体(例えば、洗浄水、洗浄液、消毒液)が貯留されている場合であっても、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、優れた抗菌性(殺菌性、防汚性)を発揮することができる。
また、前述したように、アンチモンポルフィリン錯体は、可視光領域の光により、優れた触媒機能を発揮することができるので、例えば、内視鏡用洗浄消毒装置20の使用後、当該内視鏡用洗浄消毒装置20を、可視光領域の光が照射される環境下に置くことにより、内視鏡用洗浄消毒装置20の使用時以外における、細菌の繁殖、汚れの付着等も効果的に防止することができる。したがって、本発明によれば、内視鏡用洗浄消毒装置が設置される環境の無菌性(清浄性)が比較的低い場合であっても、内視鏡用洗浄消毒装置としての機能を十分に発揮することができる。
なお、本明細書中において、「アンチモンポルフィリン錯体」とは、ポルフィリン化合物を配位子としたアンチモン(Sb)錯体のことを指す。ポルフィリン化合物は、下記式(I)で表されるポルフィン核を有するものであり、例えば、式(I)中の1〜8位およびα〜δ位の少なくとも1箇所にメチル基、エチル基、プロピオン基等の脂肪族置換基、フェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、ベンジル基等の芳香族置換基等の炭化水素基や、アシル基、アルコキシル基、カルボキシル基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミノ基、ホルミル基、ニトロ基等の置換基が導入された各種誘導体を含むものである。このようなポルフィリン化合物の中でも、特に、エチオポルフィリン、メソポルフィリン、プロトポルフィリン、ジューテロポルフィリン、ヘマトポルフィリン、コプロポルフィリン、ウロポルフィリンや、上記式(I)で示されるポルフィン核の1位、3位、5位および7位にフェニル基が導入された化合物であるのが好ましい。アンチモンポルフィリン錯体がこれらの化合物を有するものであると、可視光の中でも特に、アンチモンポルフィリン錯体の触媒機能の発現に大きく寄与する、500〜700nmの波長領域の利用効率が特に優れたものとなる。その結果、本発明の効果は、さらに顕著なものとなる。
Figure 2005261502
ポルフィリン化合物は、(アンチモン錯体としてではないが、)ヘモグロビン、シトクロム、カタラーゼ(以上、鉄錯体)等として生体内に含まれる物質であり、生体に対する安全性が高く、例えば、急性毒性、慢性毒性、局所刺激性や抗原性が極めて低い。したがって、本発明は、生体に適用される(医療用の)内視鏡の洗浄消毒を行う内視鏡用洗浄消毒装置に好適に適用することができる。
また、アンチモンポルフィリン錯体中におけるアンチモン(Sb)は、原子の状態(中性状態)であってもよいし、イオンの状態であってもよい。
また、ポルフィリン化合物は、各種有機化合物の中でも特に優れた安定性(化学的安定性、熱的安定性等)を有しており、また、アンチモンにポルフィリン化合物が配位したアンチモンポルフィリン錯体も同様に、優れた安定性(化学的安定性、熱的安定性等)を有している。このため、本発明は、比較的過酷な条件下で使用される滅菌装置等にも好適に適用することができる。
抗菌部212は、少なくともアンチモンポルフィリン錯体を含む材料で構成されたものであればよいが、樹脂を含む材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、抗菌部212の基部211に対する密着性を特に優れたものとすることができる。抗菌部212を構成する樹脂材料としては、例えば、各種熱可塑性樹脂、各種熱硬化性樹脂等が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、ポリメチルメタクリレート、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、抗菌部212中には、これら以外の成分、例えば、アンチモンポルフィリン錯体以外の抗菌性物質を含むものであってもよい。
また、上述したポルフィリン化合物は、有機化合物であるため、例えば、抗菌部212を構成する樹脂材料等との親和性、相溶性に優れている。このため、光触媒としてのアンチモンポルフィリン錯体が、抗菌部212から脱落するのを効果的に防止することができ、より長期間にわたって優れた抗菌性を発揮することができる。すなわち、内視鏡用洗浄消毒装置の耐久性を特に優れたものとすることができる。また、酸化チタン等の他の光触媒が、その触媒機能を十分に発揮し得る条件下においては、樹脂等の有機材料(有機化合物)が、変性、劣化等の悪影響を受け易くなるのに対し、アンチモンポルフィリン錯体は、このような問題の発生を効果的に防止することができ、本発明の効果をより顕著に発揮することができる。
抗菌部におけるアンチモンポルフィリン錯体の含有率は、特に限定されないが、0.1〜30wt%程度であるのが好ましく、1〜15wt%程度であるのがより好ましく、1〜5wt%程度であるのがさらに好ましい。アンチモンポルフィリン錯体の含有率が少なすぎると、ポルフィリン化合物の組成、抗菌部212を構成する樹脂材料の種類等によっては、比較的高強度の光(可視光)を照射しなければ、十分な抗菌性が発揮されない可能性がある。また、アンチモンポルフィリン錯体の含有率が多すぎると、基部211と抗菌部212との密着性が低下する可能性がある。また、アンチモンポルフィリン錯体の含有率が前記範囲を超えて多くしても、それ以上の効果の増大が期待できない。
なお、アンチモンポルフィリン錯体の含有率は、抗菌部212全体で実質的に均一であってもよいし、抗菌部212の各部で異なるものであってもよい。例えば、抗菌部212におけるアンチモンポルフィリン錯体の含有率は、抗菌部212の厚さ方向に連続的または段階的に変化するものであってもよい。このような場合、抗菌部212の外表面付近の領域におけるアンチモンポルフィリン錯体の含有率が、前記範囲内の値であるのが好ましい。
上記のような抗菌部は、洗浄消毒槽21の液体が接触し得る部位のほぼ全体に設けられているのが好ましい。また、抗菌部は、操作部保持部213、コネクタ保持部214等の表面付近にも設けられているのが好ましい。
また、図4に示すように、本実施形態の内視鏡用洗浄消毒装置20は、その内部に、洗浄水を貯留する洗浄水貯留タンク(貯留部)28を有しており、また、洗浄水貯留タンク28内に光(可視光)を照射する機能を有する光源29を有している。
そして、洗浄水貯留タンク28も、上述した洗浄消毒槽21と同様に、抗菌部を有している。このため、光源から可視光成分を含む光が照射されることにより、洗浄水貯留タンク28内における細菌の増殖や、洗浄水貯留タンク28内への洗浄水の供給(補充)の際に混入する可能性のある汚れ等による、洗浄水貯留タンク28、洗浄水の汚染を、効果的に防止することができる。言い換えると、洗浄水貯留タンク28内に供給される洗浄水中に、細菌、汚れが含まれる場合であっても、抗菌部により、汚れの分解、細菌の増殖防止(殺菌)等の効果が得られる。特に、比較的長期間にわたって、洗浄水が洗浄水貯留タンク28内に貯留される場合であっても、洗浄水貯留タンク28、洗浄水の汚染を効果的に防止することができる。
また、洗浄水は、内視鏡の洗浄消毒に用いる液体の中でも、特に細菌等による汚染が起こり易い。したがって、洗浄水貯留タンク28に抗菌部が設けられることにより、本発明による効果はさらに顕著なものとなる。
光源29としては、可視光成分を含む光を照射することが可能なものであればいかなるものを用いてもよいが、そのスペクトル分布において、380〜770nmの波長領域に極大値(特に、最大値)を有するものであるのが好ましく、500〜700nmの波長領域に極大値(特に、最大値)を有するものであるのがより好ましい。これにより、比較的小さい電力で、抗菌部の機能をより効果的に発揮させることができる。
また、上述したような抗菌部は、洗浄液貯留タンク28に接続される管路(搬送部)の内表面付近に設けられているのが好ましい。これにより、前述したような効果はさらに顕著なものとなる。また、このような場合、管路内に前記と同様な光源を配置したり、前述したような材料で構成された基部上に抗菌部を設けることにより、管路内に設けられた抗菌部の機能をより効果的に発揮させることができる。
また、洗浄液貯留タンク28に、内視鏡用洗浄消毒装置20の外部から採光できるような構成であってもよい。これにより、光源29を小型化(低出力のものに変更)したり、省略した場合であっても、上述したような抗菌部の機能をより効果的に発揮させることができる。
また、上記のような抗菌部は、洗浄液貯留タンク、消毒液貯留タンクや、これらに接続される管路に設けられてもよい。このような場合であっても、前記と同様な効果が得られる。特に、上記のような洗浄消毒槽21、洗浄液貯留タンク28およびこれに接続される管路とともに、洗浄液貯留タンク、消毒液貯留タンクや、これらに接続される管路に抗菌部が設けられることにより、本発明による効果はさらに顕著なものとなる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部材(各部)の構成は、同様の機能を有する任意のものに置換すること、もしくは、任意の構成を付加することもできる。
また、前述した実施形態では、抗菌部が樹脂を含む材料で構成されたものとして説明したが、抗菌部は、樹脂を含まない材料で構成されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、内視鏡として電子内視鏡(電子スコープ)を用いるものとして説明したが、本発明は、光学内視鏡(ファイバースコープタイプの内視鏡)の洗浄消毒に用いる洗浄消毒装置に適用することができることは言うまでもない。
また、前述した実施形態では、医療用器具洗浄消毒装置の一例として内視鏡用洗浄消毒装置について説明したが、本発明の医療用器具洗浄消毒装置は、内視鏡以外の医療用器具(医療用装置や、それらの構成部品を含む)の洗浄消毒に用いるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、洗浄消毒槽21に可視光を照射する光源を備えない構成について説明したが、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、洗浄消毒槽に光(可視光)を照射する光源を備えるものであってもよい。これにより、抗菌部212の機能をより効果的に発揮させることができる。また、このような場合、当該光源としては、前述した光源29と同様のものを用いるのが好ましい。
また、前述した実施形態では、洗浄消毒槽が基部と抗菌部とで構成されるものとして説明したが、洗浄消毒槽全体が実質的に同一の材料で構成されたものであってもよい。また、基部と抗菌部との間に、少なくとも1層の下地層が形成されていてもよい。これにより、例えば、基部と抗菌部との密着性の向上等を図ることができる。また、このような場合、下地層は、可視光の透過性および/または反射性に優れた材料で構成されたものであるのが好ましい。これにより、光の利用効率を優れたものにすることができる。このような材料としては、各種樹脂材料、各種金属材料(合金を含む)等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、内視鏡用洗浄消毒装置として、洗浄および消毒を行うものとして説明したが、洗浄、消毒のいずれか一方のみを行うものであってもよい。また、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、滅菌処理を行うものであってもよい。
また、本発明において、抗菌部は、前述したような箇所以外に設けられていてもよい。例えば、操作ボタンの表面付近等に前述したような抗菌部が形成されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、前述した実施形態の内視鏡用洗浄消毒装置の洗浄消毒槽(操作部保持部、コネクタ保持部を含む)、洗浄水貯留タンク、洗浄液貯留タンク、消毒液貯留タンク、およびこれらを接続する管路に対応する形状を有するステンレス鋼製の部材(基部となるべき部材)を用意した。これらの部材の表面(液体と接触し得る側の表面)に、アンチモンポルフィリン錯体を含有するポリプロピレンを被覆することにより、厚さ0.5mmの抗菌部を形成した。
なお、アンチモンポルフィリン錯体を構成するポルフィリン化合物としては、エチオポルフィリン、すなわち、下記式(I)で示されるポルフィン核の1位、3位、5位および7位にメチル基を有し、2位、4位、5位および8位にエチル基を有する化合物を用いた。
Figure 2005261502
また、抗菌部におけるアンチモンポルフィリン錯体の含有率は、いずれも1wt%とした。
次に、これらを用いて、図2〜図4に示すような内視鏡用洗浄消毒装置を作製した。なお、蓋体としては、ポリプロピレンで構成され、その内表面に上記と同様な抗菌部が形成されたもの(380〜770nmの波長領域の光の透過率が95%以上)を用いた。また、洗浄液貯留タンク内の光源としては、そのスペクトル分布において、500〜700nmの波長領域に最大値を有する白色蛍光灯(実質的に紫外線の波長領域の光を含まない)を用いた。また、洗浄液貯留タンクおよび消毒液貯留タンク内にも、同様の白色蛍光灯を配した。また、洗浄液貯留タンク、洗浄液貯留タンクおよび消毒液貯留タンク内に配された光源により、これらの各タンクに接続された管路内にも光(可視光)が導かれるようにした。
(実施例2〜5)
抗菌部中におけるアンチモンポルフィリン錯体の含有率を、表1に示すように変更した以外は、前記実施例1と同様にして内視鏡用洗浄消毒装置を製造した。
(実施例6〜10)
アンチモンポルフィリン錯体を構成するポルフィリン化合物として、コプロポルフィリン、すなわち、上記式(I)で示されるポルフィン核の1位、3位、5位および7位にメチル基を有し、2位、4位、5位および8位に2’−カルボキシルエチル基(−CHCHCOOH基)を有する化合物を用いた以外は、前記実施例1〜5と同様にして内視鏡用洗浄消毒装置を製造した。
(実施例11〜15)
アンチモンポルフィリン錯体を構成するポルフィリン化合物として、上記式(I)で示されるポルフィン核の1位、3位、5位および7位にフェニル基を有し、2位、4位、5位および8位に水素を有する化合物を用いた以外は、前記実施例1〜5と同様にして内視鏡用洗浄消毒装置を製造した。
(比較例1)
前記のステンレス鋼製の各部材および蓋体の表面に、抗菌部を形成しなかった以外は、前記実施例1と同様にして内視鏡用洗浄消毒装置を製造した。
(比較例2)
前記のステンレス鋼製の各部材および蓋体の表面に、抗菌部の代わりに、アンチモンポルフィリン錯体を含有しないポリプロピレンで構成された被膜を形成し、洗浄液貯留タンク、洗浄液貯留タンクおよび消毒液貯留タンク内の光源として、紫外線ランプ(東芝ライテック社製、殺菌ランプ)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして内視鏡用洗浄消毒装置を製造した。
[評価]
《接種菌液の調製》
試験菌として、大腸菌および黄色ブドウ球菌を用いた。
まず、これらの試験菌を、それぞれ、普通寒天培地(SA培地)で培養した。
次に、普通ブイヨン培地(NB培地)を滅菌精製水で500倍に希釈し、pHを約7に調整した「1/500NB培地」に、各試験菌を分散させた。
これにより、接種菌液を得た。
《評価》
一方、図1に示すような電子内視鏡を複数用意し、これらの挿入部可撓管の外表面に、大腸菌を含む接種菌液0.5mLと、黄色ブドウ球菌を含む接種菌液0.5mLとを、それぞれ、3箇所ずつ接種し、各接種菌液の上に45mm×45mmのポリエチレンフィルムを被せた。
次に、この状態で、各電子内視鏡を、温度35℃、湿度95%RHの環境下に24時間放置した。その後、これらの電子内視鏡を、前記各実施例および各比較例の内視鏡用洗浄消毒装置の洗浄消毒槽内に収納し、各内視鏡用洗浄消毒装置を稼動させた(40分間)。なお、洗浄水としては0.2μmのフィルターを通した水(洗浄消毒槽への放出時の温度が約20℃)を用い、洗浄液としては酵素系「ENDOZIME AW」Ruhof社製を用い、消毒液としてはグルタルアルデヒド「CIDEX plus28」ワールドプレシジョン インスツルメンツ ジャパン社製を用いた。また、各内視鏡用洗浄消毒装置の稼動は、白色蛍光灯による照明がなされた室内で行った。また、各内視鏡用洗浄消毒装置による洗浄消毒は、各タンクに対応する液体を貯留した状態で、内視鏡用洗浄消毒装置内の光源を1時間照射し続けた後に行った。
上記のような洗浄消毒処理が施された各電子内視鏡について、菌液を接種した箇所における生菌数を測定し、以下の4段階の基準に従い、内視鏡用洗浄消毒装置の抗菌性について評価した。
なお、大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数については、それぞれ、接種菌液を接種した3箇所の平均値とした。
A:大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数が、いずれも、比較例1の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄消毒を行った電子内視鏡の0.1%未満。
B:大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数のいずれか一方が、比較例1の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄消毒を行った電子内視鏡の0.1%未満、他方が0.1%以上1%未満。
C:大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数が、いずれも、比較例1の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄消毒を行った電子内視鏡の初期の0.1%以上1%未満。
D:大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数のいずれか一方が、比較例1の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄消毒を行った電子内視鏡の0.1%以上1%未満、他方が1%以上。
E:大腸菌および黄色ブドウ球菌の生菌数が、いずれも、比較例1の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄消毒を行った電子内視鏡の1%以上。
これらの結果を、抗菌部の構成とともに表1に示す。なお、上記式(I)で示されるポルフィン核の1位、3位、5位および7位にフェニル基を有し、2位、4位、5位および8位に水素を有する化合物は、TPPで示した。
Figure 2005261502
表1に示すように、実施例1〜15の内視鏡用洗浄消毒装置で処理した電子内視鏡では、いずれも、生菌数の減少が顕著であった。このことから、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、内視鏡の洗浄、消毒を効果的に行うことができるものであることがわかる。
これに対し、比較例1、2の内視鏡用洗浄消毒装置で処理した電子内視鏡では、生菌数が多かった。
また、上記の各実施例の内視鏡用洗浄消毒装置を用いて、電子内視鏡に対して500回繰り返し洗浄消毒処理を施したが、当該洗浄消毒処理が施された電子内視鏡の外観、特性の劣化は認められなかった。
また、上記のように洗浄消毒処理を500回繰り返し行った各実施例の内視鏡用洗浄消毒装置を用いて、上記と同様にして菌液を接種した電子内視鏡の洗浄消毒処理を改めて行ったところ、前記と同様な効果が得られた。すなわち、本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、多数回繰り返し使用した後であっても、内視鏡を効率良く洗浄消毒することができる(細菌等の汚れを効率良く除去することができる)ことが認められた。これは、抗菌部を構成するアンチモンポルフィリン錯体が優れた安定性を有するためであると考えられる。
本発明の内視鏡用洗浄消毒装置で洗浄対象物(消毒対象物)として用いられる内視鏡の一例としての電子内視鏡(電子スコープ)を示す全体図である。 本発明の内視鏡用洗浄消毒装置の実施形態を示す外観斜視図である。 図2に示す内視鏡用洗浄消毒装置が備える洗浄消毒槽の縦断面を示す拡大図である。 図2に示す内視鏡用洗浄消毒装置の部分縦断面図である。
符号の説明
10 内視鏡(医療用器具)
1 挿入部可撓管
11 可撓管
12 湾曲部
5 内視鏡用鉗子栓
6 操作部
61、62 操作ノブ
63 突出部
7 接続部可撓管
8 光源差込部
81 光源用コネクタ
82 画像信号用コネクタ
9 処置具挿通チャンネル
91 基端開口部
92 先端開口部
20 内視鏡用洗浄消毒装置(医療用器具洗浄消毒装置)
21 洗浄消毒槽(貯留部)
211 基部
212 抗菌部
213 操作部保持部
214 コネクタ保持部(光源差込部保持部)
22 蓋体
23 操作ボタン
24 ディスプレイ
25 防水キャップ
26 可撓管
28 洗浄水貯留タンク(貯留部)
29 光源(蛍光灯)

Claims (7)

  1. 液体が貯留される貯留部または液体が搬送される搬送部の壁面付近に、アンチモンポルフィリン錯体を含む材料で構成された抗菌部を有することを特徴とする医療用器具洗浄消毒装置。
  2. 前記抗菌部中における前記アンチモンポルフィリン錯体の含有率は0.1〜30wt%である請求項1に記載の医療用器具洗浄消毒装置。
  3. 前記抗菌部は、樹脂を含む材料で構成されたものである請求項1または2に記載の医療用器具洗浄消毒装置。
  4. 波長が380〜770nmの可視光を照射する光源を備えている請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
  5. 前記液体は、主として水で構成されたものである請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
  6. 抗菌部は、少なくとも表面付近が金属材料で構成された基部上に設けられたものである請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
  7. 医療用器具洗浄消毒装置は、内視鏡の洗浄消毒に用いるものである請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用器具洗浄消毒装置。
JP2004074999A 2004-03-16 2004-03-16 医療用器具洗浄消毒装置 Pending JP2005261502A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074999A JP2005261502A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 医療用器具洗浄消毒装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004074999A JP2005261502A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 医療用器具洗浄消毒装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005261502A true JP2005261502A (ja) 2005-09-29

Family

ID=35086649

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004074999A Pending JP2005261502A (ja) 2004-03-16 2004-03-16 医療用器具洗浄消毒装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005261502A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313113A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡保管庫
JP2009214092A (ja) * 2008-02-14 2009-09-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒
JP2014100219A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Ihi Shibaura Machinery Corp 内視鏡洗浄装置
CN111530786A (zh) * 2020-04-29 2020-08-14 吴喆晨 一种耳鼻喉科治疗用辅助清洗设备
CN114081978A (zh) * 2021-11-18 2022-02-25 中国人民解放军空军军医大学 骨科手术多功能消毒台

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313113A (ja) * 2006-05-26 2007-12-06 Olympus Medical Systems Corp 内視鏡保管庫
JP2009214092A (ja) * 2008-02-14 2009-09-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 一酸化炭素の電気化学的酸化用触媒
JP2014100219A (ja) * 2012-11-19 2014-06-05 Ihi Shibaura Machinery Corp 内視鏡洗浄装置
CN111530786A (zh) * 2020-04-29 2020-08-14 吴喆晨 一种耳鼻喉科治疗用辅助清洗设备
CN111530786B (zh) * 2020-04-29 2022-03-29 吴喆晨 一种耳鼻喉科治疗用辅助清洗设备
CN114081978A (zh) * 2021-11-18 2022-02-25 中国人民解放军空军军医大学 骨科手术多功能消毒台

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Alvarado et al. APIC guideline for infection prevention and control in flexible endoscopy
Rutala et al. Guideline for disinfection and sterilization in healthcare facilities, 2008. update: May 2019
EP2542269B1 (en) Assembly and method for disinfecting lumens of devices
EP2334340B1 (en) Assembly and method for disinfecting lumens of medical devices
Rutala et al. Draft guideline for disinfection and sterilization in healthcare facilities
CN108024690A (zh) 用于内窥镜的蒸汽灭菌的系统和方法
Clemens et al. Joint AUA/SUNA white paper on reprocessing of flexible cystoscopes
WO2016100818A1 (en) Disinfectant peracetic acid solutions
CA2969758C (en) Cleaning compositions for medical devices
EP3826563B1 (en) Uv light disinfection and cleaning of narrow tube lumens
Chu et al. The microbial flora of the gastrointestinal tract and the cleaning of flexible endoscopes
Coates An evaluation of the use of chlorine dioxide (Tristel One-Shot) in an automated washer/disinfector (Medivator) fitted with a chlorine dioxide generator for decontamination of flexible endoscopes
JP2005261502A (ja) 医療用器具洗浄消毒装置
Babb et al. Comparison of automated systems for the cleaning and disinfection of flexible fibreoptic endoscopes
Muscarella Are all sterilization processes alike?
Shumway et al. Maintenance of gastrointestinal endoscopes
US11690504B2 (en) Automated endoscope reprocessing unit with in-line peracetic acid sensor
Gilling et al. A randomised single‐blind comparison of the effectiveness of T ristel F use (chlorine dioxide) as an office‐based fluid soak, with C idex OPA (ortho‐phthaldehyde) using an automated endoscopic reprocessor (AER) as high‐level disinfection for flexible cystoscopes
Andersen et al. Endoscopes and Other Special Equipment
US20220248945A1 (en) Improved Endoscope Flushing Aid
Rutala et al. Disinfection and sterilization
AU2022282532A1 (en) Peracetic acid test strips
CN115702644A (zh) 一种内镜和医疗器械次氯酸灭菌液
WO2023219884A1 (en) Systems and methods for drying endoscopic devices
Ogoshi et al. E. Drying and Storage.