JP2005260005A - 光増幅器および光増幅装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 フォトニック結晶を用いて作製した小型の光増幅器を提供する。
【解決手段】 この光増幅器は、誘電率の異なる複数の物質を周期的に配列してなるフォトニック結晶を用いたものであって、フォトニック結晶が発光中心として希土類元素および/または遷移金属元素を含むものであり、発光中心の発光エネルギー(導入イオンの発光準位)Ωionとフォトニック結晶のバンド端エネルギーΩoとがほぼ等しくなるように作製される。好ましくは、発光中心の発光エネルギーとフォトニック結晶のバンド端エネルギーとの関係は、0.95Ωo≦Ωion≦Ωoを満たすものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は光信号を増幅する光増幅器に係り、特にフォトニック結晶を用いて構成した光増幅器および光増幅装置に関するものである。
近年、光通信や光信号処理等に関する技術は、インターネットの急速な普及とその高性能化に必要な技術として大変注目されている。特に高速のインターネット用としては、家庭やオフィスにまで光ファイバーが導入される、いわゆるFTTH(Fiber To The Home)やFTTB(Fiber To The Building)などの形態において浸透が始まっている。
このような光を用いた通信においては、光信号の送信側から送られた光信号は光ファイバーを介して伝播するうちにその強度が減衰する。したがって、このようなシステムにおいて、光信号を増幅する光増幅器(光アンプ)の技術はさらに重要性を増すものと考えられている。
従来、光増幅器としては、光通信帯域すなわち1.5ミクロン帯や1.3ミクロン帯域の増幅器として、石英ファイバーにEr(エルビウム)イオンをドープ(1.5ミクロン帯)したり、フッ化物ガラスにPr(プラセオジミウム)イオンをドープ(1.3ミクロン帯)したファイバーアンプが知られている。前者はEDFA(Erbium Doped Fiber Amplifier)とよばれ、後者はPDFA(Praseodymium Doped Fiber Amplifier)と呼ばれることがある。
また光増幅器として、半導体を用いた半導体光増幅器OSA(Optical Semiconductor Amplifier)も知られている。半導体光増幅器は半導体レーザーによく似ており、電流注入により励起が可能であることや、コンパクト(小型)であることなどの特徴がある。今後このような光増幅器技術が小型集積化光回路を形成する上で重要な技術になるものと考えられている。
光増幅器としては、上述のように高速大容量の光通信で用いられている増幅器として、EDFAやPDFAが知られているが、この種のファイバーアンプではその長さが10m前後と長く、小型集積化光回路を実現する上では問題があった。一方、半導体光増幅器は電流注入により励起が可能であり、小型であるなどの特徴はあるものの、小型集積化した光回路内への埋め込み実装を行うためには多数の工程を要するという問題があった。
ところで、最近フォトニック結晶という技術が注目されている。フォトニック結晶とは光の波長と同程度の間隔をおいて誘電率を周期的に変調した人工的な構造物であり、結晶中の電子が原子より周期的なクーロンポテンシャルを受けて、そのエネルギー状態に、半導体のバンド構造を形成するのとよく似た考え方に基づいて、光に対するバンド構造が出現するという特徴をもっている。フォトニック結晶で誘電率(または屈折率)を周期的に変化させることにより光に対する周期的なポテンシャルを与える事が出来ると考えることが出来る。
このようにして光に対するバンド構造が形成されるため、光に対するバンドギャップを出現させることができる。また、このフォトニック結晶のバンドの分散を利用すると光の群速度を非常に遅くすることが出来、新しい光の制御、応用が開ける可能性を秘めているため、盛んに研究が行われている。このようにフォトニック結晶をもちいることにより、光を導波させたり、光ファイバーでは実現出来ない非常に急峻な折り曲げができることが知られている。またフォトニック結晶中にその周期的な誘電率の変化を乱して、点欠陥を人工的に導入すると低閾値のレーザー発振が可能であることが知られている。例えば、特許文献1には、このようなフォトニック結晶を用いた光デバイスが提案されている。
特開平11−330619号公報
上述のように従来からフォトニック結晶を用いて光デバイスを作製することについての提案がなされている。しかしながら従来、フォトニック結晶を用いて光信号を増幅する場合に、光に対するバンド構造との関係でフォトニック結晶の構成をどのように規定するかについては知られておらず、フォトニック結晶を用いた小型の光増幅器を作製することは困難であった。
したがって本発明の目的は、フォトニック結晶を用いて作製した小型の光増幅器および光増幅装置を提供することにある。
上記目的は、誘電率の異なる複数の物質を周期的に配列してなるフォトニック結晶を用いた光増幅器であって、前記フォトニック結晶が発光中心として希土類元素および/または遷移金属元素を含むものであり、前記発光中心の発光エネルギーと前記フォトニック結晶のバンド端エネルギーとがほぼ等しくなるように作製された光増幅器により達成される。
ここで、前記発光中心の発光エネルギーをΩionとし、前記フォトニック結晶のバンド端エネルギーをΩoとしたとき、0.95Ωo≦Ωion≦Ωoの関係を満たすことが好ましい。前記希土類元素および/または遷移金属元素は、前記誘電率の異なる複数の物質のうちの一種にのみ含まれるようにすることができる。また、前記フォトニック結晶は、前記複数の物質の薄膜を交互に複数積層した1次元構造、前記複数の物質のうちの一種からなるスラブ導波路に他の物質を周期的に配列した2次元構造、または前記複数の物質のうちの一種からなるストライプ状の部材をウッドパイル状に積み重ねた3次元構造を有するものとすることができる。
また、本発明に係る光増幅器は、誘電率の異なる複数の物質を周期的に配列してなるフォトニック結晶を用いた光増幅器であって、前記物質の配列の周期性を一部乱して形成された欠陥導波路を備え、前記欠陥導波路が発光中心として希土類元素および/または遷移金属元素を含むものであり、前記発光中心の発光エネルギーと前記欠陥導波路の光伝播エネルギーとがほぼ等しくなるように作製されたものである。
ここで、前記希土類元素は、エルビウムおよび/またはプラセオジミウムとし、また前記遷移金属元素は、クロムおよび/またはチタンとすることが好ましい。
また、本発明に係る光増幅装置は、上記光増幅器を備え、前記フォトニック結晶に対して前記発光中心を励起する励起手段と、励起状態にある前記発光中心からの放出光のエネルギーとほぼ等しいエネルギーの信号光を入射する信号光照射手段とを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、フォトニック結晶を用いて作製した超小型の光増幅器を得ることができる。
以下、本発明に係る光増幅器の実施例について説明するが、その前にまず、本発明の原理について述べる。
フォトニック結晶は前述のように誘電率の異なる複数の物質を周期的に配列した構造を有するものである。今、フォトニック結晶を構成する物質に、Er(エルビウム)イオンやPr(プラセオジミウム)イオンのような希土類の発光中心物質、またはCr(クロム)イオンやTi(チタン)イオンのような遷移金属による発光中心物質を導入(ドープ)することを考える。
フォトニック結晶中にドープされた希土類発光中心や遷移金属発光中心は、その発光波長より短波長の光を用いて励起すると、その光を吸収して励起状態に遷移し、その後発光準位まで緩和して発光する。発光準位の寿命が長い時は反転分布が形成される。
図1は、フォトニック結晶による光増幅の原理を示す図である。図示のように、本例のフォトニック結晶10は、発光中心物質として希土類元素や遷移金属元素イオンがドープされたストライプ状の部材11をウッドパイル(woodpile)状に積み重ねて構成される。ここで、フォトニック結晶10のバンド構造は、フォトニック結晶を構成する物質の大きさを変化させることにより人工的に変化させることが出来、フォトニック結晶のバンド端付近のエネルギーと発光中心の発光のエネルギーを一致させるように設計する事が出来るので、そのように設計しておく。ここで、フォトニック結晶10に励起光12を照射し発光中心イオンを励起しておくと、励起された発光中心は緩和して反転分布を形成する。この反転分布は光だけでなく、電気的に励起することによっても実現することが可能である。これにより、入力された信号光13はフォトニック結晶10を介して増幅作用を受け、増幅光14として出力される。
図2は、図1のフォトニック結晶における導入イオンのエネルギー準位とフォトニック結晶のバンドの関係の一例を示す図である。図において、横軸は波数ベクトルK、縦軸はエネルギーである。今、図中に示すフォトニック結晶のバンド端Aに近いエネルギーをもつ光をフォトニック結晶に導入する場合を考える。フォトニック結晶中を伝播する光はフォトニック結晶のバンド端Aに近いため群速度が非常に低下した状態で伝播することが出来る。このとき、フォトニック結晶中にはEr等の発光中心がドープされており、励起光21の励起により発光中心は励起状態にあるので反転分布が形成されている。上で述べたように光の群速度が遅いため、光は短い距離を走行しただけでも、励起状態にある発光中心との相互作用時間が長くなる。このとき、その光に誘導されて、励起されていた発光中心が効率的に基底状態へと遷移し、これにより増幅光22が得られる。これが光増幅の原理的なメカニズムである。この現象は、発光中心の発光エネルギー(導入イオンの発光準位)をΩion、フォトニック結晶のバンド端エネルギーをΩoとしたとき、ΩionとΩoとがほぼ等しい場合に生ずる。即ち、発光中心の発光エネルギーとフォトニック結晶のバンド端近傍でのエネルギーが一致するときに放射遷移が最も強く発生するが、完全に一致していなくとも誘導放出が発生する程度にほぼ一致していれば光増幅作用を生じさせることができる。ΩionとΩoの関係は、より好ましくは0.95Ωo≦Ωion≦Ωoを満たすようにされる。
このようにすることにより、誘導放出が効率的に起こり、その結果として外部より導入した光が増幅されるため、超小型の光増幅器を構成することが可能となる。上述のように群速度が低下しているので、反転分布の起こっている距離すなわち、フォトニック結晶の大きさが短くても十分な増幅作用(大きな利得)を得る事が出来る。ここで、励起状態にある前記発光中心からの放出光のエネルギーと等しいエネルギーを有する信号光を用いるときに放射遷移が最も強く発生するが、完全に一致していなくとも誘導放出が発生する程度にほぼ一致していれば光増幅作用を生じさせることができる。
以上この説明では光を用いて発光中心を励起した場合を説明したが、励起手段は電気を用いたものでも良い。すなわち、電極をフォトニック結晶の上下に設けて、電圧を印加することにより電流を発生させて、その時流れる電子が発光中心と衝突することにより、電子のもつエネルギーを発光中心に与えて、発光中心を励起する。このように電気的な手段を用いても、発光中心イオンを励起することが出来る。また、発光中心による発光は、励起準位から基底状態への遷移だけでなく、励起状態間の遷移であってもよい。
また、よく知られているように発光中心のみの導入だけでなく、他のイオンを同時に導入することにより、エネルギーの移動を有効に行わせることが出来る。例えば、ErとともにYb(イッテルビウム)を導入すると、励起されたYbイオンからErの発光準位へのエネルギー移動が有効に起こり、Erの発光効率を上昇させることが出来る。このような役割をするイオンはセンシタイザーと呼ばれる(例えば、Erbium-doped Planar Optical Amplifiers, A.Polman, Proc. 10th European Conference on Integrated Optics, Paderborn, Germany, April, 2001, p75, 2001参照)。
つぎにフォトニック結晶中の欠陥導波路を用いた光増幅について述べる。
図3は、2次元欠陥導波路を用いたフォトニック結晶による光増幅の原理を示す図である。本例は、図示のように、周期的に配列された孔31を備えたフォトニック結晶30の中に欠陥導波路32を形成し、そこに発光中心を導入することにより前述の例と同様にして光増幅を起こすことが出来るものである。図において、フォトニック結晶30に励起光33を照射することにより、入力された信号光34は欠陥導波路32を介して増幅作用を受け、増幅光35として出力される。
ここで、フォトニック結晶中の欠陥導波路32は、設計上において結晶の周期性を一部乱したものであり、例えば2次元フォトニック結晶を考えた時、2次元フォトニック結晶を構成している誘電率の周期性を一部変化させることで実現できる。本例では、フォトニック結晶を形成する周期的な配列構造のある一列を除去することによって欠陥導波路32を作成している。
図4は、図3のフォトニック結晶における導入イオンのエネルギー準位とフォトニック結晶のバンドの関係の一例を示す図である。本例では、欠陥導波路の光伝播モードのエネルギー(振動数)はフォトニック結晶のバンドギャップ内になるように設計される。さらに欠陥導波路に導入された発光中心の発光エネルギー(導入イオンの発光準位)Ωionが、欠陥導波路を伝播する光のモード(光伝播モード)の持つエネルギーと等しくなるようフォトニック結晶の格子定数を適切に選ぶように設計される。
ここで欠陥導波路部分には、励起光41の照射または電気的な手段によって発光中心イオンを励起し、それによる反転分布を形成しておく。このとき欠陥導波路に伝播可能な波長の光を導入すると、導波した光のエネルギーが導入した発光中心における発光のエネルギーにほぼ等しいため、この光によって誘導放出が起こり、増幅光42が得られる。
一般に欠陥導波路の伝播光の波数ベクトルと光のエネルギーの関係を表わす分散関係は図に示すように傾斜が緩やかであり、光が欠陥導波路を伝播する群速度は小さい。したがって上で述べたのと同様に励起された発光中心と欠陥導波路を伝播する光との相互作用は大きくなり、短い距離においても大きな利得を得る事が可能である。
なお、この形態においても励起状態にある前記発光中心からの放出光のエネルギーと等しいエネルギーを有する信号光を用いるときに放射遷移が最も強く発生するが、完全に一致していなくとも誘導放出が発生する程度にほぼ一致していれば光増幅作用を生じさせることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
図5は、1次元フォトニック結晶を用いた光増幅器の実施例を示す図である。1次元のフォトニック結晶は誘電体多層膜で作成することが可能であり、2種の誘電体材料を交互に着膜して作成できる。本実施例では、図示のように、シリコン基板51上にAuの反射膜52を介してSiO253とTiO254を互いに積層して作成した。ここでは、SiO2の膜厚を200nm、TiO2の膜厚を160nmとし、スパッタ又はEB蒸着法を用いて交互に積層し、層数64層を着膜した。SiO2にはあらかじめ4wt%のErをドープしてあり、SiO2の着膜と同時に膜中にErが同量混入する。層数64層を構成するSiO2は波長1.5ミクロン帯域で屈折率約1.45を持ち、TiO2は同波長帯域において屈折率2.3を有する。SiO2とTiO2の積層体の上部中央部には、別のAuの反射膜55が形成される。反射膜55の周囲には、例えば5酸化タンタル等による反射防止膜56が設けられる。
本実施例では、フォトニック結晶のバンド端は約1.54ミクロン(μm)に現れる。またSiO2にErをドープするとErイオンからの発光も1.54ミクロン帯域となる。したがって、上記フォトニック結晶中のErを短波長の励起光57を用いて励起し、反転分布を形成しておき、そこに外部より1.54ミクロンの信号光58を反射防止膜56を介して導入すると、信号光はフォトニック結晶により増幅作用を受けるとともに反射膜52と55で反射され、それにより反射防止膜56を介して増幅光59が得られる。
上記フォトニック結晶においては1.54ミクロン近辺はバンド端のエネルギーに相当するためこの光の群速度は非常に遅くなり、励起状態にあるErイオンとの相互作用時間が長くなる。したがって、光の増幅度は短い距離においても実現する。
より具体的な例を示す。信号光の入射部から出射部までの光路長を200μmとし、レーザーダイオード(波長974nm、出力500mW)からの出力光を励起光として、信号光と同軸方向からフォトニック結晶に照射し、発光中心としてドープされたErを励起した。この結果、反転分布が形成され、そこに同軸上から波長1.54μmの信号光(強度0.5mW)を導入したところ、波長1.54μm、出力2mWの出力光が得られ増幅現象が確認された。
ここで、本実施例では、光の入射部分と出射部分にバンド端近傍のエネルギーにおいて反射が無くなる反射防止膜を形成しているので、さらに効率的に外部からの光を1次元フォトニック結晶に導入しそして取り出すことが出来、実効的な光の増幅を得ることができる。さらに多層膜の上下にAu等の反射膜を形成しているため、光が内部を反射しながら伝播するので光の伝播距離が長くなり、光増幅の効率を向上させることが出来る。
(実施例2)
図6は、2次元フォトニック結晶における線欠陥導波路構造を用いた光増幅器の実施例を示す図である。本実施例において線欠陥導波路とは、2次元のフォトニック結晶内に形成されたその結晶固有の周期構造を持たない線状部分を指し、光はその部分に沿って伝播する。この欠陥導波路を伝播する光は通常の導波路に比べ群速度が遅くなる。本実施例では、シリコン基板上にSiO2からなる2次元フォトニック結晶を形成した。SiO2にはErイオンが3wt%ドープされており、光によって励起することにより1.5ミクロン帯において発光する。
次に本実施例による光増幅器の作製方法を説明する。始めにシリコン(Si)の単結晶基板を用意し、洗浄してからこのシリコン基板61上にアルミニウム(Al)62をスパッターにより3ミクロン着膜した。つぎにその上にErをドープしたSiO263をスパターにより1ミクロン着膜して、フォトリソ工程により孔64および欠陥導波路65を持つ2次元フォトニック結晶66を作成する。このときエッチングによりSiO2が除去された後には表面にAlが現れている。その後、Alのエッチング液を用いて、SiO263によるフォトニック結晶66が中空で保持できる程度までAl62を両端を除きエッチングし除去した。欠陥導波路65の長さは300ミクロンである。
このように作成されたフォトニック結晶66の欠陥導波路65の上面から励起光67を照射する事でErを励起し反転分布を形成する。つぎに端面から1.5ミクロンの半導体レーザーからの信号光68を導入すると、Erによる増幅効果および導波路を伝播するレーザー光の群速度の低下によるErイオンとの相互作用時間の増大のため、増幅光69が得られる。
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。特に、フォトニック結晶は種々の構造が可能であり、実施例1のような複数の物質の薄膜を交互に複数積層した1次元構造のほか、スラブ導波路に他の物質を周期的に配列した2次元構造やストライプ状の部材をウッドパイル状に積み重ねた3次元構造を有するものとすることができる。
本発明は、特に小型集積化光回路を構成する光増幅器として有用であり、例えば高速大容量の光通信で用いられる光増幅器に利用することができる。
フォトニック結晶による光増幅の原理を示す図である。 図1のフォトニック結晶における導入イオンのエネルギー準位とフォトニック結晶のバンドの関係の一例を示す図である。 2次元欠陥導波路を用いたフォトニック結晶による光増幅の原理を示す図である。 図3のフォトニック結晶における導入イオンのエネルギー準位とフォトニック結晶のバンドの関係の一例を示す図である。 1次元フォトニック結晶を用いた光増幅器の実施例を示す図である。 2次元フォトニック結晶における線欠陥導波路構造を用いた光増幅器の実施例を示す図である。
符号の説明
10 フォトニック結晶
11 ストライプ状の部材
12、21、33、41、57、67 励起光
13、34、58、68 信号光
14、22、35、42、59、69 増幅光
10、30、66 フォトニック結晶
31、64 孔
32、65 欠陥導波路
51、61 シリコン基板
52、55 反射膜
53、63 SiO2
54 TiO2
56 反射防止膜
62 Al

Claims (10)

  1. 誘電率の異なる複数の物質を周期的に配列してなるフォトニック結晶を用いた光増幅器であって、前記フォトニック結晶が発光中心として希土類元素および/または遷移金属元素を含むものであり、前記発光中心の発光エネルギーと前記フォトニック結晶のバンド端エネルギーとがほぼ等しくなるように作製されたことを特徴とする光増幅器。
  2. 前記発光中心の発光エネルギーをΩionとし、前記フォトニック結晶のバンド端エネルギーをΩoとしたとき、0.95Ωo≦Ωion≦Ωoの関係を満たすことを特徴とする請求項1記載の光増幅器。
  3. 前記希土類元素および/または遷移金属元素が、前記誘電率の異なる複数の物質のうちの一種にのみ含まれることを特徴とする請求項1または2記載の光増幅器。
  4. 前記フォトニック結晶が、前記複数の物質の薄膜を交互に複数積層した1次元構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光増幅器。
  5. 前記フォトニック結晶が、前記複数の物質のうちの一種からなるスラブ導波路に他の物質を周期的に配列した2次元構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光増幅器。
  6. 前記フォトニック結晶が、前記複数の物質のうちの一種からなるストライプ状の部材をウッドパイル状に積み重ねた3次元構造を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光増幅器。
  7. 誘電率の異なる複数の物質を周期的に配列してなるフォトニック結晶を用いた光増幅器であって、前記物質の配列の周期性を一部乱して形成された欠陥導波路を備え、前記欠陥導波路が発光中心として希土類元素および/または遷移金属元素を含むものであり、前記発光中心の発光エネルギーと前記欠陥導波路の光伝播エネルギーとがほぼ等しくなるように作製されたことを特徴とする光増幅器。
  8. 前記希土類元素が、エルビウムおよび/またはプラセオジミウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光増幅器。
  9. 前記遷移金属元素が、クロムおよび/またはチタンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光増幅器。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載の光増幅器と、前記フォトニック結晶に対して前記発光中心を励起する励起手段と、励起状態にある前記発光中心からの放出光のエネルギーとほぼ等しいエネルギーの信号光を入射する信号光照射手段とを備えることを特徴とする光増幅装置。
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