JP2005259963A - 電子線検出器較正方法、電子線露光装置及び電子線露光システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 複数の電子線露光装置によって露光を行った際に、各電子ビーム露光装置によって露光されたパターン間の不均一を防止する。
【解決手段】 基準用電子線検出器55を搬入出する搬入出機構5を電子線露光装置1に設け、基準用電子線検出器55を使用して、各電子線露光装置1に設けられた各電子線検出器57を較正する。
【選択図】 図8
【解決手段】 基準用電子線検出器55を搬入出する搬入出機構5を電子線露光装置1に設け、基準用電子線検出器55を使用して、各電子線露光装置1に設けられた各電子線検出器57を較正する。
【選択図】 図8
Description
本発明は、半導体集積回路などの製造工程で使用される微細パターンを露光する電子線露光装置に設けられる、電子線電流値、電子線強度分布、電子線平行度、電子線非点収差又は電子線入射角度を検出する、電子線検出器を較正する電子線検出器較正方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化のニーズに伴い、回路パターンの一層の微細化が要望されている。現在、微細化の限界を規定しているのは主として露光装置であり、電子ビーム直接描画装置やX線露光装置などの新しい方式の露光装置が開発されている。
最近では新しい方式の露光装置として、量産レベルで超微細加工用に使用可能な電子線近接露光装置が開示されている(例えば特許文献1、およびこれに対応する日本国特許出願の特許文献2)。
図1は、特許文献1に開示された電子線近接露光装置の基本構成を示す図である。この図を参照して、電子線近接露光装置について簡単に説明する。図示するように、電子光学鏡筒(カラム)10内には、電子ビーム15を発生する電子線源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器23、24とを含み、電子ビーム15を光軸に平行に走査する走査手段25、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、および静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
試料40は、表面がマスク30に近接するように配置される。この状態でマスク30に垂直に電子ビーム15を照射すると、マスク30の開口を通過した電子ビーム15が試料40の表面のレジスト層42に照射される。
走査手段25の主偏向器21、22は、図2に示すように、電子ビーム15がマスク30上の露光パターンが設けられるメンブレン部分の全面を走査するように、電子ビームを偏向制御する。
このとき主偏向器21、22は、電子ビーム15をマスク30上のいずれに偏向制御しても、電子ビーム15がほぼ垂直にマスク30に入射するように調整されている。これによりマスク30のマスクパターンが試料40上のレジスト層42に等倍転写される。
このとき主偏向器21、22は、電子ビーム15をマスク30上のいずれに偏向制御しても、電子ビーム15がほぼ垂直にマスク30に入射するように調整されている。これによりマスク30のマスクパターンが試料40上のレジスト層42に等倍転写される。
XYステージ46は、静電チャック44に吸着された試料40を水平の直交2軸方向に移動させるもので、マスクパターンの等倍転写が終了するたびに試料40を所定量移動させ、これにより1枚の試料40に複数のマスクパターンを転写できるようにしている。
走査手段25中の副偏向器23、24は、マスク歪みを補正するように電子ビーム15のマスクパターンへの入射角度を制御(傾き制御)する。いま図3に示すように電子ビーム15の露光用マスク30への入射角度をα、露光用マスク30とウエハ40とのギャップをGとすると、入射角度αによるマスクパターンの転写位置のずれ量δは、
δ=G・tanα
で表される。図3上ではマスクパターンが正規の位置からずれ量δだけずれた位置に転写される。したがって、露光用のマスク30に、例えば図4(A)に示されるようなマスク歪みがある場合には、電子ビーム走査位置におけるマスク歪みに応じて、電子ビームの傾き制御を行うことにより、図4(B)に示されるようにマスク歪みのない状態でのマスクパターンを転写することが可能となる。
δ=G・tanα
で表される。図3上ではマスクパターンが正規の位置からずれ量δだけずれた位置に転写される。したがって、露光用のマスク30に、例えば図4(A)に示されるようなマスク歪みがある場合には、電子ビーム走査位置におけるマスク歪みに応じて、電子ビームの傾き制御を行うことにより、図4(B)に示されるようにマスク歪みのない状態でのマスクパターンを転写することが可能となる。
現像後のレジスト層42のパターン線幅は、電子ビーム15の露光量すなわち電子ビーム15の電流量と露光時間との積により変化する。したがって、電子線近接露光装置は、電子ビーム15の電流値を把握するために、電子ビーム15を検出する電流検出器や、電子ビーム15の強度分布を測定する電子線強度分布測定器を備える。
また、電子線近接露光装置は、マスク30に照射される電子ビーム15の平行度及び非点収差を調整して、マスク30を通過した電子ビーム15によって試料40表面に露光される露光パターンの解像性を高めるために、電子ビーム15の平行度及び非点収差を検出する解像性検出器を備える。
さらに、電子線近接露光装置は、マスク30に照射される電子ビーム15のマスク30への入射角度を調整するために、電子ビーム15のマスク30への入射角度を検出する入射角度検出器を備える。
さらに、電子線近接露光装置は、マスク30に照射される電子ビーム15のマスク30への入射角度を調整するために、電子ビーム15のマスク30への入射角度を検出する入射角度検出器を備える。
図5は、電流検出器の構成図である。電流検出器50は、筒状の筐体51と、筐体51の上面に設けられ、電子受入口53を有するアパチャ板52と、その下に設けられ、電子受入口53を通過した電子を電流信号に変換するファラデーカップのような電子検出器54を備えた構造を有する。電流検出器50は上記構造により、電子受入口53を通過した電子ビーム15の電流を検出することが可能である。
図6は、電子線強度分布測定器の構成図である。電子線強度分布測定器60は、電子ビーム15を受けた照射箇所が発光することにより電子ビーム15の強度分布に対応する輝度分布を有する発光像Aを作る蛍光面(蛍光板)61と、蛍光面61に生じる発光像Aを撮像するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子62と、蛍光面61に生じる発光像Aを撮像素子62上の投影像Bとして結像する光学系(集束レンズ)63を備える。
そして、発光像Aの撮像信号を表す撮像素子62の出力信号から、発光像Aの各画素位置における輝度情報を抽出して、各画素位置の輝度に基づいてこの画素位置における電子線強度を算出することにより、各画素位置の位置情報とこの位置の電子線強度情報とから、蛍光面61の位置における電子線15の断面の電子線強度分布を求めることができる。
図7は、解像性/入射角度検出器の構成図である。解像性/入射角度検出器64は、所定形状の開口部65を備えるビーム整形アパチャ板66と、電子ビーム15の光軸方向にビーム整形アパチャ板66と所定距離Dを隔てて設けられ、電子ビーム15を受けた照射箇所が発光することにより電子ビーム15の強度分布に対応する輝度分布を有する発光像Aを作る蛍光面(蛍光板)61と、蛍光面61に生じる発光像Aを撮像するCCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子62と、蛍光面61に生じる発光像Aを撮像素子62上の投影像Bとして結像する光学系(集束レンズ)63を備える。
そして、発光像Aの撮像信号を表す撮像素子62の出力信号から、発光像Aの各画素位置における輝度情報を抽出して、各画素位置の輝度に基づいてこの画素位置における電子線強度を算出することにより、各画素位置の位置情報とこの位置の電子線強度情報とから、蛍光面61に生じたビーム整形アパチャ板66の開口部65の発光像Aを示す画像信号を出力する。
蛍光面61は、ビーム整形アパチャ板66と所定距離Dを隔てて設けられているので、平行性が悪い電子ビームまたは非点収差を有する電子ビームが、ビーム整形アパチャ板66に入射すると、蛍光面61に生じる発光像Aの画像信号のコントラストやシャープネスが低下する。これにより解像性/入射角度検出器64は、電子ビーム15の平行度及び非点収差を検出することができる。
また、蛍光面61は、ビーム整形アパチャ板66と所定距離Dを隔てて設けられているので、電子ビーム15の入射角度の変化に伴い、蛍光面61に生じる発光像Aが変位する。したがって、解像性/入射角度検出器64は、発光像Aの変位量及び前記所定距離Dに基づいて、電子ビーム15の入射角度を検出することができる。
複数の電子線露光装置を運用する場合、各露光装置に使用される電流検出器50、電子線強度分布測定器60及び解像性/入射角度検出器64等の電子線検出器は、相互に較正が行われていなければならない。各露光装置に使用される各電子線検出器同士の検出値にバラツキがあると、これら電子線検出器の検出値に基づいて各露光装置の調整を行っても、試料に露光されるパターン線幅や解像性にバラツキが生じてしまうからである。
すなわち、各電子線露光装置に使用される電子線検出器が同一の電子ビーム電流に対し同一の検出値を表示するように較正を行わなければならない。そのためには、高い真空度状態にある電子線露光装置内を大気開放して電子線検出器を取り出さなければならず困難であった。
上記理由により従来では、複数の電子線露光装置に使用される電子線検出器間の較正は行われておらず、各装置により検出される試料面上での電子ビームの電流値に相関がとられていなかった。このため、同一露光条件下で露光を行おうとしても複数の電子線露光装置によって露光されたパターンに不均一を生じていた。
また、前記の電子線強度分布測定器60及び解像性/入射角度検出器64では、電子ビーム15が照射される蛍光面(蛍光板)61にコンタミネーションが付着し、計測感度の悪化が生じていた。
したがって、前記の電子線強度分布測定器60及び解像性/入射角度検出器64は、定期的にクリーニング又は蛍光板の交換を行う必要があり、その都度電子線露光装置内を大気開放させるため、装置の不稼働時間を増大させていた。
したがって、前記の電子線強度分布測定器60及び解像性/入射角度検出器64は、定期的にクリーニング又は蛍光板の交換を行う必要があり、その都度電子線露光装置内を大気開放させるため、装置の不稼働時間を増大させていた。
上記問題点を鑑みて、本発明は、複数の電子線露光装置によって露光を行った際に、各電子ビーム露光装置によって露光されたパターン間の不均一を防止することを目的とする。
また本発明は、ある一定期間使用することでコンタミネーションが付着した、上述の電子線検出器を洗浄及び/又は交換をするために、高い真空状態にある電子線露光装置内を大気開放する必要をなくし装置の不稼働時間を短縮することをも目的とする。
また本発明は、ある一定期間使用することでコンタミネーションが付着した、上述の電子線検出器を洗浄及び/又は交換をするために、高い真空状態にある電子線露光装置内を大気開放する必要をなくし装置の不稼働時間を短縮することをも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子線検出器較正方法は、電子線露光装置に搬入出可能な基準用電子線検出器を使用して、各電子線露光装置に設けられた各電子線検出器を較正する。
すなわち、本発明の第1形態に係る電子線検出器較正方法は、電子線源により生じる電子線を試料表面に照射して、露光パターンを前記試料表面に露光する電子線露光装置に設けられた、前記電子線を検出する電子線検出器を較正する電子線検出器較正方法であって、基準用電子線検出器を電子線露光装置内に搬入し、基準用電子線検出器により電子線の電流を検出し、電子線露光装置に設けられた電子線検出器により電子線を検出し、基準用電子線検出器による検出値と電子線露光装置に設けられた電子線検出器による検出値とに基づき、電子線露光装置に設けられた電子線検出器を較正する。
そして、複数の電子線露光装置に設けられる各電子線検出器を較正する際に、1つの基準用電子線検出器を共通に用いる。
また、上記目的を達成するために、本発明に係る電子線露光装置は、電子線露光装置内部を真空状態に保ったまま電子線検出器を搬入出可能な搬入出手段を備える。
すなわち、本発明の第2形態に係る電子線露光装置は、電子線源により生じる電子線を試料表面に照射して、露光パターンを試料表面に露光する電子線露光装置であって、電子線を検出する電子線検出器を、上蓋と下蓋との内部に形成された密閉空間内に収容する電子線検出器収容器から、真空チャンバ内に搬入出可能な搬入出手段と、搬入出手段により搬入出される電子線検出器を、真空チャンバ内と電子線露光装置内との間で搬送する搬送手段と、搬送手段により電子線露光装置内に搬送された電子線検出器を支持して、前記電子線の光軸に垂直な面内で移動し、電子線検出器を電子線の検出位置まで移動させる移動支持手段とを備え、搬入出手段は、電子線検出器収容器が載置されることにより密閉される接続空間と、接続空間内で下蓋を支持して上下方向に移動する下蓋支持移動機構と、接続空間と真空チャンバを遮断状態と被遮断状態にする遮断機構と、接続空間内の気圧を変化させる接続空間気圧調整機構とを有し、移動支持手段は電子線検出器の出力信号を受信可能な入力手段を有する。
電子線露光装置は、電子線を検出する第1の電子線検出器と、第1の電子線検出器による検出値を記憶する第1の記憶手段と、上述の搬入出手段によって搬入される第2の電子線検出器による検出値を記憶する第2の記憶手段と、第1の記憶手段に記憶された検出値と、第2の記憶手段に記憶された検出値とに基づき、第1の電子線検出器による検出値を較正する較正手段とを、備えることとしてよい。
本発明の第3形態に係る電子線露光システムは、上述の電子線露光装置を複数台備え、第2の電子線検出器として1つの基準用電子線検出器を使用して、各電子線露光装置の各第1の電子線検出手段を較正する。
共通の基準用電子線検出器を使用して、各電子線露光装置に備え付けられた電子線検出器の較正を行うことにより、複数の電子線露光装置において、同一条件下で露光を行った際の電子ビームの電流値に相関をとることが可能となる。これにより複数の電子線露光装置によって露光されたパターンに生じていた不均一を防止することが可能となる。
また、コンタミネーションが付着した上述の電子線検出器を洗浄及び/又は交換をする際に必要であった、高い真空状態にある電子線露光装置内を大気開放する必要をなくし、電子線検出器の洗浄及び/又は交換を容易にし、かつ装置の不稼働時間を短縮することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図8は、本発明に係る電子線検出器較正方法を使用する電子線近接露光装置の構成図である。電子線近接露光装置1の基本構成は、図1に示した構成及び上記の文献1に開示された構成に類似した構成を有している。よって、図1と同一の機能部分には同一の参照番号を付して表し、詳しい説明は省略する。
また以下の説明では、本発明に係る電子線検出器較正方法及び電子線露光装置は、電子線近接露光装置に適用して説明するが、本発明はこれに限定されず他の電子線露光装置、例えば電子線直接描画装置などにも適用可能である。
図8に示すように、電子線近接露光装置1は、カラム10及びチャンバ8を備えている。カラム10内には、電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と整形アパチャ18と電子ビーム15を平行ビームにする照射レンズ16とを有する電子銃12、対となる主偏向器21、22と、対となる副偏向器23、24とを含み、電子ビーム15を光軸に平行に走査するように前記電子ビーム15を偏向する偏向手段走査手段25、露光するパターンに対応する開口を有するマスク30、静電チャック44とXYステージ46とから構成される。試料(半導体ウエハ)40は、表面にレジスト層42が形成され、静電チャック44上に保持されている。
電子線近接露光装置1には、電子ビーム15を検出するためにカラム10内に電子線検出器57が備え付けられている。電子線検出器57は、例えば電子ビーム15の電流値を検出するための図5に示す電流検出器50であってよく、電子ビーム15の強度分布を測定するための図6に示す電子線強度分布測定器60であってもよい。さらに、電子線検出器57は、電子ビーム15の平行度、非点収差及び入射角度を検出するための図7に示す解像性/入射角度検出器64であってもよい。
電子線検出器57は、不使用時には、図8に示すように電子ビーム15の光軸以外の領域に退避しているが、使用時には電子ビーム15の光軸上まで移動されて、照射された電子ビーム15の電流値、強度分布、平行度、非点収差又は入射角度を検出する。
また、電子線近接露光装置1には、後述の電子線検出器搬入出機構5によって電子線近接露光装置外部に搬入出される基準用電子線検出器55を受け取って電子線露光装置1内に搬送し、または電子線露光装置1内の基準用電子線検出器55を受け取って電子線検出器搬入出機構5まで搬送する電子線検出器搬送機構6を備えている。
電子線検出器搬送機構6のアーム機構7は、電子線検出器搬入出機構5から搬入された基準用電子線検出器55を受け取って電子線露光装置1内に搬送し、テーブル機構9に搭載する。また、アーム機構7は電子線露光装置1内のテーブル機構9に搭載された基準用電子線検出器55を受け取って、電子線検出器搬入出機構5まで搬送する。
基準用電子線検出器55の移動支持手段であるテーブル機構9は、電子ビーム15の光軸と垂直な面(すなわち電子線近接露光装置1の水平面)において移動可能であり、位置9’において電子線検出器搬送機構6のアーム機構7から基準用電子線検出器55を受け取り、基準用電子線検出器55を、電子ビーム15検出位置である電子ビーム15の照射位置まで移動する。
電子線検出器搬送機構6は、電子線近接露光装置1内部を高真空状態及びクリーン状態に保持すると共に、装置の安全のためにゲート11及び13を備えている。
電子線検出器搬送機構6は、電子線近接露光装置1内部を高真空状態及びクリーン状態に保持すると共に、装置の安全のためにゲート11及び13を備えている。
基準用電子線検出器55は、電子線近接露光装置1に備え付けられた上述の電子線検出器57と同じ種類の電子線検出器である。すなわち、基準用電子線検出器55は電子線検出器57の種類に応じて、電子ビーム15の電流値を検出するための図5に示す電流検出器50であってよく、電子ビーム15の強度分布を測定するための図6に示す電子線強度分布測定器60であってもよい。さらに、電子ビーム15の平行度、非点収差及び入射角度を検出するための図7に示す解像性/入射角度検出器64であってもよい。
基準用電子線検出器55は、その検出値を外部に出力するための出力手段56を備える。一方、テーブル機構9には、基準用電子線検出器55の出力手段56に対応する入力手段73が設けられ、出力手段56及び入力手段73によって、基準用電子線検出器55及びテーブル機構9間は通信が可能である。出力手段56及び入力手段73は、電極の接触により電気的に接続される出力端子及び入力端子により実現されてもよいが、基準用電子線検出器55側の出力手段56を、出力信号を無線送信する無線送信手段とし、テーブル機構9側の入力手段73を、基準用電子線検出器55の無線送信信号を受信する無線受信手段としてもよい。
電子線近接露光装置1には、電子線近接露光装置1に備え付けられた電子線検出器57に接続され、その検出値を記憶する記憶手段である第1メモリ70と、テーブル機構9の入力手段73に接続され出力手段56及び入力手段73を経由して入力された基準用電子線検出器55の検出値を記憶する記憶手段である第2メモリ71を備える。
さらに、電子線検出器57、第1メモリ70及び第2メモリ71に接続され、第1メモリ70に記憶された電子線検出器57の検出値と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の検出値との相違に基づいて、電子線検出器57から直接入力される検出値を較正して、較正済み検出値を出力する較正手段72を備える。
さらに、電子線検出器57、第1メモリ70及び第2メモリ71に接続され、第1メモリ70に記憶された電子線検出器57の検出値と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の検出値との相違に基づいて、電子線検出器57から直接入力される検出値を較正して、較正済み検出値を出力する較正手段72を備える。
図9は、本発明に係る電子線検出器較正方法のフローチャートである。
ステップS201において、電子線検出器搬入出機構5及び電子線検出器搬送機構6によって、基準用電子線検出器55を電子線近接露光装置1のチャンバ8内に搬入し、テーブル機構9に搭載する。このとき電子線検出器搬入出機構5は後述の機構により、電子線近接露光装置1を大気開放することなく、電子線近接露光装置1の外部から基準用電子線検出器55を搬入する。
ステップS201において、電子線検出器搬入出機構5及び電子線検出器搬送機構6によって、基準用電子線検出器55を電子線近接露光装置1のチャンバ8内に搬入し、テーブル機構9に搭載する。このとき電子線検出器搬入出機構5は後述の機構により、電子線近接露光装置1を大気開放することなく、電子線近接露光装置1の外部から基準用電子線検出器55を搬入する。
ステップS202において、テーブル機構9に搭載された基準用電子線検出器55は、電子ビーム15の照射位置までテーブル機構9により搬送され、電子ビーム15を検出する。この検出値は、出力手段56及び入力手段73を介して電子線近接露光装置1に取り込まれ、第2メモリ71に記憶される。
ステップS203において、電子線近接露光装置1に備え付けられた電子線検出器57は、電子ビーム15の照射位置まで移動されて、電子ビーム15を検出する。この検出値は、第1メモリ70に記憶される。
ステップS204において、較正手段72は、第1メモリ70に記憶された電子線近接露光装置1に備え付けられた電子線検出器57の検出値と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の検出値とに基づいて、以後、電子線検出器57から入力される検出値を較正する。
このとき例えば電子線検出器57及び基準用電子線検出器55が図5に示す電流検出器50である場合には、較正手段72は、第1メモリ70に記憶された電子線検出器57の電流値と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の電流値との比を求め、この比と所定の比例定数とを、電子線検出器57から直接入力される電流値に乗ずることにより、電子線検出器57を較正する。
このとき例えば電子線検出器57及び基準用電子線検出器55が図5に示す電流検出器50である場合には、較正手段72は、第1メモリ70に記憶された電子線検出器57の電流値と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の電流値との比を求め、この比と所定の比例定数とを、電子線検出器57から直接入力される電流値に乗ずることにより、電子線検出器57を較正する。
また、例えば電子線検出器57及び基準用電子線検出器55が、図6に示す電子線強度分布測定器60である場合には、較正手段72は、第1メモリ70に記憶された、電子線検出器57の撮像素子62の各画素の輝度情報が示す電子線強度と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の撮像素子62の各画素の輝度情報が示す電子線強度との各比を求める。
そして、この各比と所定の比例定数とを、電子線検出器57から直接入力される撮像信号の各画素の輝度情報が示す電子線強度に乗ずることにより、電子線検出器57を較正する。
そして、この各比と所定の比例定数とを、電子線検出器57から直接入力される撮像信号の各画素の輝度情報が示す電子線強度に乗ずることにより、電子線検出器57を較正する。
さらに、例えば電子線検出器57及び基準用電子線検出器55が、図7に示す解像性/入射角度検出器64である場合には、較正手段72は、第1メモリ70に記憶された、電子線検出器57の撮像素子62の各画素の輝度と、第2メモリ71に記憶された基準用電子線検出器55の撮像素子62の各画素の輝度との各比を求める。
そして、この各比と所定の比例定数とを、電子線検出器57から直接入力される撮像信号の各画素の輝度に乗ずることにより、電子線検出器57を較正する。
そして、この各比と所定の比例定数とを、電子線検出器57から直接入力される撮像信号の各画素の輝度に乗ずることにより、電子線検出器57を較正する。
ステップS205において、電子線検出器搬入出機構5及び電子線検出器搬送機構6によって、基準用電子線検出器55を電子線近接露光装置1のチャンバ8外に搬出する。
図10に示すとおり、電子線検出器57を較正するべき複数の電子線近接露光装置1A〜1Cが存在する場合には、同一の基準用電子線検出器55によってステップS201〜S205を繰り返す(ステップS206)。図10は、図8の電子線近接露光装置と同一の構成を備える複数の電子線近接露光装置1A〜1Cを備える電子線近接露光システムを示す図である。
複数の電子線近接露光装置1A〜1Cは、同じ基準用電子線検出器55の検出値に基づいて、各々備え付けられた各電子線検出器57を較正することにより、その検出値間の相関を図り、複数の電子線近接露光装置1A〜1C間の電子ビームの電流値を均一に調整することができる。
複数の電子線近接露光装置1A〜1Cは、同じ基準用電子線検出器55の検出値に基づいて、各々備え付けられた各電子線検出器57を較正することにより、その検出値間の相関を図り、複数の電子線近接露光装置1A〜1C間の電子ビームの電流値を均一に調整することができる。
電子線近接露光装置の内部は高真空状態に維持され、また内部に存在するパーティクルによる露光欠陥の発生を防止するために高クリーン状態に維持される。一方で基準用電子線検出器55は、複数の電子線近接露光装置で使用するために電子線近接露光装置の外部に取り出されて輸送される。
したがって、基準用電子線検出器55の搬入の際の電子線近接露光装置の大気開放の煩雑を避け、基準用電子線検出器55を搬入しても電子線近接露光装置内部の高クリーン状態に維持するために、高真空状態及び高クリーン状態で収納する電子線検出器収容器に基準用電子線検出器55を収納して輸送することが望ましい。図11に電子線検出器収容器の構成例を示す。
したがって、基準用電子線検出器55の搬入の際の電子線近接露光装置の大気開放の煩雑を避け、基準用電子線検出器55を搬入しても電子線近接露光装置内部の高クリーン状態に維持するために、高真空状態及び高クリーン状態で収納する電子線検出器収容器に基準用電子線検出器55を収納して輸送することが望ましい。図11に電子線検出器収容器の構成例を示す。
図示するように、電子線検出器収容器80は、上蓋82と、上蓋82との間に内部空間84を形成するように上蓋と結合される下蓋81と、上蓋82と下蓋81により形成される内部空間84を密閉するシール部材であるOリング83と、を有している。内部空間84が真空状態であれば、上蓋82と下蓋81とは大気圧を受けて結合され、離れることはない。
図12は、図11の電子線検出器収容器80に収納された基準用電子線検出器55を搬入出する電子線検出器搬入出機構5の動作を説明する図である。
図12(A)に示すように、電子線検出器搬入出機構5は、電子線検出器収容器80が載置される筐体91と、電子線検出器収容器80を筐体91に載置することにより密閉される接続空間92とを有する。接続空間92内には、電子線検出器収容器80の載置面に位置する下蓋支持支持台93と、下蓋支持台93を支持して上下方向に移動する第1支柱96と、が設けられている。
図12(A)に示すように、電子線検出器搬入出機構5は、電子線検出器収容器80が載置される筐体91と、電子線検出器収容器80を筐体91に載置することにより密閉される接続空間92とを有する。接続空間92内には、電子線検出器収容器80の載置面に位置する下蓋支持支持台93と、下蓋支持台93を支持して上下方向に移動する第1支柱96と、が設けられている。
さらに、接続空間92と筐体91内の真空チャンバ100とを遮断する遮断板98が設けられている。筐体91の電子線検出器収容器80との接触部分にはOリング102が設けられており、筐体91の遮断板98との接触部分にはOリング103が設けられている。したがって接続空間92は、電子線検出器収容器80を載置することにより、外部及び真空チャンバ100から遮断される。
遮断板98は、上下移動可能な第2支柱101に支持されており、下方に移動することにより接続空間92と真空チャンバ100がつながった状態になる。遮断板98には、第1支柱96のガイド97が設けられており、第2支柱101には第1支柱96の駆動機構が設けられており、第1支柱96に支持された下蓋支持台93は、遮断板98に対して上下移動可能である。
接続空間92は、気体経路94を介してバルブ95につながっており、バルブ95はさらに図示していない真空源(真空装置)及び窒素ガス源(N2パージ源)に接続されており、内部を真空状態、大気圧状態及びそれ以外の気圧状態にし、その気圧状態を維持することが可能である。
次に図12(A)〜(D)を参照して、基準用電子線検出器55の真空チャンバとの搬入出動作を説明する。図12(A)に示すように、遮断板98により接続空間92と真空チャンバ100が遮断された状態にし、下蓋支持台93を電子線検出器収容器80の載置面に位置させる。バルブ95は閉じた状態にする。この状態で内部空間84が真空状態に保持され、基準用電子線検出器55を保持した電子線検出器収容器80を筐体91と下蓋支持台93上に載置する。この状態が図12(B)である。
この状態で接続空間92の内部を真空状態にする。これにより、電子線検出器収容器80は大気圧により筐体91に結合された状態になる。電子線検出器収容器80の内部空間84と接続空間92は共に真空状態であり、圧力がかからないので、下蓋21は上蓋22から離れることが可能である。
図12(C)のように、下蓋支持台93を降下させると、下蓋81が基準用電子線検出器55を支持したまま降下する。さらに、図12(D)のように遮断板98を降下させると、接続空間92と真空チャンバ100がつながった状態になり、基準用電子線検出器55は真空チャンバ100内に取り込まれる。遮断板98は更に降下して、電子線検出器搬送機構6による電子線検出器55の取り出しが可能となる適切な位置に位置決めされる。
以上説明した、電子線検出器搬入出機構5の機構及び動作により、電子線近接露光装置1は、その内部を大気開放することなく、外部から基準用電子線検出器55を真空チャンバ100内に搬入し、電子線検出器搬送機構6により真空チャンバ100から電子線近接露光装置1のチャンバ8内に搬送することが可能となる。
使用の終了した基準用電子線検出器55を電子線検出器収容器80に戻すときには、逆の動作を行う。電子線検出器搬送機構6が、露光装置1のチャンバ8内から真空チャンバ100内へ基準用電子線検出器55を搬送し、基準用電子線検出器55を下蓋81上に載せる。次に、遮断板98を上昇して接続空間92と真空チャンバ100を遮断状態にし、さらに下蓋支持台93を上昇させて、下蓋81を上蓋82に接触させる。そして、接続空間92内に1気圧の窒素ガスを徐々に導入すると、電子線検出器収容器80の内部空間は真空状態で、接続空間92内は1気圧であるので、下蓋81は上蓋82に接合されて離れなくなる。この状態では、電子線検出器収容器80は筐体91から取り出せる。
なお、テーブル機構9、電子線検出器搬入出機構5及び電子線検出器搬送機構6の用途は、電子線近接露光装置1に備え付けられた各電子線検出器57の較正の目的に限定されない。すなわち、テーブル機構9、電子線検出器搬入出機構5及び電子線検出器搬送機構6は、基準用電子線検出器55だけ搬入出することに限定する必要はない。
電子線近接露光装置1の電子ビーム15の電流値、平行度、非点収差又は入射角度の、日常行われる調整に使用される電子線検出器(例えば、上述の図5に示す電流検出器60、図6に示す電子線強度分布測定器60、図7に示す解像性/入射角度検出器64など)をテーブル機構9に設けることとしてよい。
そして、これら電子線検出器を電子線近接露光装置1の外で洗浄又は修繕(例えば、上記蛍光板61の交換など)するために、電子線検出器搬入出機構5及び電子線検出器搬送機構6を使用して、電子線検出器を電子線近接露光装置1から搬入出するために使用してもよい。
5…電子線検出器搬入出機構
6…電子線検出器搬送機構
8…チャンバ
10…カラム
15…電子ビーム
50…電流検出器
55…基準用電子線検出器
70、71…メモリ
72…較正手段
6…電子線検出器搬送機構
8…チャンバ
10…カラム
15…電子ビーム
50…電流検出器
55…基準用電子線検出器
70、71…メモリ
72…較正手段
Claims (5)
- 電子線源により生じる電子線を試料表面に照射して、露光パターンを前記試料表面に露光する電子線露光装置に設けられる、前記電子線を検出する電子線検出器を較正する電子線検出器較正方法であって、
基準用電子線検出器を前記電子線露光装置内に搬入し、
前記基準用電子線検出器により前記電子線を検出し、
前記電子線露光装置に設けられた前記電子線検出器により前記電子線を検出し、
前記基準用電子線検出器の検出値と、前記電子線露光装置に設けられた前記電子線検出器の検出値とに基づき、前記電子線露光装置に設けられた前記電子線検出器を較正することを特徴とする電子線検出器較正方法。 - 1つの前記基準用電子線検出器を用いて、複数の前記電子線露光装置に設けられる各前記電子線検出器を較正することを特徴とする請求項1に記載の電子線検出器較正方法。
- 電子線源により生じる電子線を試料表面に照射して、露光パターンを前記試料表面に露光する電子線露光装置であって、
前記電子線を検出する電子線検出器を、上蓋と下蓋との内部に形成された密閉空間内に収容する電子線検出器収容器から、真空チャンバ内に搬入出可能な搬入出手段と、
前記搬入出手段により搬入出される前記電子線検出器を、前記真空チャンバ内と前記電子線露光装置内との間で搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により前記電子線露光装置内に搬送された前記電子線検出器を支持して、前記電子線の光軸に垂直な面内で移動し、前記電子線検出器を前記電子線の検出位置まで移動させる移動支持手段と、を備え、
前記搬入出手段は、前記電子線検出器収容器が載置されることにより密閉される接続空間と、前記接続空間内で前記下蓋を支持して上下方向に移動する下蓋支持移動機構と、前記接続空間と前記真空チャンバを遮断状態と被遮断状態にする遮断機構と、前記接続空間内の気圧を変化させる接続空間気圧調整機構とを有し、
前記移動支持手段は、前記電子線検出器の出力信号を受信可能な入力手段を有することを特徴とする電子線露光装置。 - 前記電子線を検出する第1の電子線検出器と、
前記第1の電子線検出器による検出値を記憶する第1の記憶手段と、
前記搬入出手段によって搬入される、前記電子線を検出する第2の電子線検出器による検出値を記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された検出値と、前記第2の記憶手段に記憶された検出値とに基づき、前記第1の電子線検出器による検出値を較正する較正手段とを、備えることを特徴とする請求項3に記載の電子線露光装置。 - 請求項4に記載の電子線露光装置を複数台備え、
前記第2の電子線検出器として1つの基準用電子線検出器を使用して、各前記電子線露光装置の各前記第1の電子線検出手段を較正する電子線露光システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004069068A JP2005259963A (ja) | 2004-03-11 | 2004-03-11 | 電子線検出器較正方法、電子線露光装置及び電子線露光システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008041890A (ja) * | 2006-08-04 | 2008-02-21 | Canon Inc | マルチ荷電粒子ビームの計測方法、露光装置、及びデバイス製造方法 |
-
2004
- 2004-03-11 JP JP2004069068A patent/JP2005259963A/ja active Pending
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