JP2005258306A - マスク - Google Patents

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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

【課題】 エッチングで製作した円弧MLAでありながら、干渉縞のピッチを細かくすること。
【解決手段】 露光量に応じた感光性材料の現像後の膜厚分布により感光性材料の三次元光学素子形状を作製する透過率制御型の三次元形状形成マスクにおいて、作製する基本形状に対応する基本パターンが少なくとも2つ以上繰り返され、マスク上の基本パターンを少なくとも2つ以上のグループに分け、各グループ間で感光性材料の形状を高さ方向に相対的にずらして透過率を設計した。
【選択図】 図1

Description

本発明は露光量に応じて感光性材料の残存する膜厚が変化する略線形な特性部分を利用して露光量の変化によって感光性材料の三次元形状を作製するマスクに関するものである。
半導体素子製造工程のリソグラフィ工程において、投影露光装置が用いられる。リソグラフィ工程とは、半導体素子の回路パターンを半導体素子となる基板(シリコン基板等)上に投影転写する工程のことである、近年、半導体素子の微細化への要求はますます高くなっており、線幅は0.15μmを切るようになってきている。そのため投影露光装置に対する解像力向上の要求は高くなっている。
投影露光装置の解像力を向上させるために、投影レンズの高NA化と、露光波長の短波長化が近年ますます加速している。露光波長の短波長化はKrFエキシマレーザーを光源とした248nmから、ArFエキシマレーザーを光源とした193nm、そしてF2レーザーを光源とした157nmへと進んでいる。
光学系には色収差と呼ばれる光の波長によって硝材の屈折率が異なる事に起因する結像性能を悪化させる収差がある。このため、KrFエキシマレーザーを光源として用いた投影露光装置においては、単一の光を発光するように狭帯域化されたKrFエキシマレーザーが用いられている。また、ArFエキシマレーザーを光源として用いた投影露光装置においては、投影光学系に石英と蛍石(CaF2)の2硝材を用いて色消しが行われている。
F2レーザーを光源として用いた投影露光装置においては、F2レーザーを狭帯域化しようとする試みはなされているが、いずれも投影露光装置の光源として満足できる出力を達成していない。そのため、現在投影露光装置の光源としては、F2レーザーの自然発光をラインセレクトしたものが利用されている。ラインセレクトされたF2レーザーの半値幅は1pm程度であり、投影露光装置に用いられる投影光学系は色収差の補正が必要となる。
157nmを露光波長として用いた場合、光を透過する硝材は限られている。今日、157nmの波長に対して満足のいく透過率が得られることが分かっている硝材には、蛍石(CaF2)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化リチウム(LiF)等があるが、投影露光装置の投影光学系に用いるために必要な硝材の均一性と結晶の大口径化を達成できる硝材は蛍石(CaF2)のみである。そのため、ArFエキシマレーザーを光源とした投影露光装置のように2硝材による色消しを行うことができない。
そのため、屈折レンズだけではなくミラーを用いたカタディオ系を用いて色消しを行う投影光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ミラーを用いた投影光学系はミラーにおいて光を遮らないように光学系を構成する必要があり、結像領域は軸上から特定の高さの円弧領域となる。
結像領域が円弧領域である投影光学系をもちいて、マスクに描画されたパターンを感光剤の塗布された基板上に投影する投影露光装置においては、マスクを円弧状に照明する照明光学装置が必要となる。従来技術における円弧領域を照明領域とする照明光学装置は、矩形形状を照明し、視野絞りで円弧領域を切り出すものであった。
従来の円弧領域を結像領域とする投影光学系を用いた走査型投影露光装置に対する照明装置について図6を用いて説明する。
1は光源となるF2レーザーである。F2レーザーは波長157nmの波長の光を射出する。
2は被照射面上の照度を制御するための減光手段である。F2レーザー等のパルス光源を走査型投影露光装置の露光光源として使用する場合、レーザーのパルス間の出力バラツキに起因する露光量バラツキが発生する。そのため露光を行うパルス数を所定のパルス数以上として、パルスバラツキをパルス平均する事によって、露光量バラツキを軽減する必要がある。そのため、感光剤の感度が高い場合。光を減光して照度を下げて、所定のパルス数以上で露光するようにする必要がある。2はそのための減光手段である。
3はビーム揺動手段である。F2レーザーは可干渉性があるために、被照明面にスペックルが発生する。スペックルが発生すると被照明面での照度むらとなるために露光量バラツキとなり、マスクから基板に焼き付けた像の線幅が場所によって異なる(CD均一性が悪化する)という問題が発生する。そのため、ビームを揺動してスペックルの分布を揺動して露光中に時間平均することが行われている。ビームを揺動する方法としては、傾けた平行平板を回転させる方法、ミラーを揺動する方法。クサビプリズムを回転させる方法等がある。
4はハエノメレンズであり、5はコンデンサレンズである。4の射出面に形成された2次光源で5のコンデンサレンズを用いて6のハエノメレンズ入射面をケーラー照明している。4のハエノメレンズはターレット上に置かれており、切り替えることによってハエノメレンズからの射出NAが変えられ、6のハエノメレンズ入射面での照射範囲がかえらえる用になっている。これは、9のリレーレンズの倍率を変えた際に10のハエノメレンズ射出面での光強度分布が集光しないようにするためである。
6はハエノメレンズであり、7はコンデンサレンズである。6の射出面に形成された3次光源で7のコンデンサレンズを用いて8の有効光源形成絞りをケーラー照明している。4から7の2段ハエノメレンズの構成によって、レーザービームのプロファイルが変化しても8の有効光源形成絞りでの光の分布が変化せず、常に均一な有効光源が形成できるようになっている。たとえば、4、5の1段目のハエノメレンズがないとすると、レーザーからの位置分布が変化した際に6の入射面での光強度分布が変化するので、8の有効光源形成絞りでの光の角度分布が変化する。もし、光の角度分布が変化すると、後述する10のハエノメレンズ射出面での光強度分布がシフトする為に、17の基板上での角度分布が傾き、基板がデフォーカスすると転写パターンの転写位置が変化するという軸上テレセン度となる。よって、4から7の2段ハエノメレンズの構成としている。
8は有効光源形成絞りである。有効光源とはレチクル面を照明する照明光源の形状のことである。有効光源の形状は通常、円形である。一方6のハエノメレンズとしては、ハエノメレンズの素子レンズの外形が四角形である四角ハエノメレンズや、素子レンズの外形が六角形である六角ハエノメレンズ、シリンドリカルレンズを素子レンズとして並べたシリンドリカルレンズアレイといったものが使われる。そのため8の有効光源形成絞りの光源側で形成される分布は、四角ハエノメレンズ、シリンドリカルレンズアレイの場合、正方形となり、六角ハエノメレンズの場合は六角形となる。よって、有効光源の形状を円形とするために、円形の開口をもった8の有効光源形成絞りが必要となる。
9はズームリレーレンズであって、8の有効光源形成絞りで形成された円形の光強度分布を10のハエノメレンズ入射面に所定の倍率で投影している。レチクルを照明する照明光源の大きさはコヒーレンズファクタと呼ばれ、投影光学系のパフォーマンスをあげるために、転写するパターンに応じて可変にすることが望まれている。それを実現するために、9のリレー光学系の倍率を可変とすることによって、10のハエノメレンズ入射面での照射領域の大きさを変えられるようにしている。
10はハエノメレンズであり11はコンデンサレンズである。11のハエノメレンズ射出面に形成される4次光源を用いて13のマスキングブレード上を均一な照度分布で照明する
12はスリットであって、被照明面の照明領域を制御するものである。10のハエノメレンズとしては、ハエノメレンズの素子レンズの外形が四角形である四角ハエノメレンズ、もしくはシリンドリカルレンズを素子レンズとして並べたシリンドリカルレンズアレイといったものが使われる。そのため12のスリットの位置は矩形形状で照明される。ところが、前述のように投影光学系の結像領域が円弧であるために、照明領域は円弧にする必要がある。そのために12のスリットは図7の円弧の開口を持ったものである。また走査投影露光装置においては、スリットの幅をスリットと垂直方向で変える事によって、スリットと垂直方向の露光量むらを補正する事が可能であるので、スリット幅を調整できるようにしておくことが望ましい。
13は露光領域を制御するためのマスキングブレードである。所望の露光領域を得るために、走査露光にあわせて駆動される。
14はマスキング結像レンズであり、13の光強度分布を15のレチクル面に投影する。
15は回路パターンが描画されたレチクルである。157nmの波長に対しては、従来の石英基板のレチクルでは、十分な透過率が得られない。そのためFドープ石英や、蛍石等の157nmの波長に対して透過率の高い基板を用いる必要がある。
16はカタディオ系の投影光学系であって、レンズとミラーによって色消しを行って、円弧の結像領域において、良好な結像性能を達成している。
17は感光剤の塗布された基板である。15のレチクルの回路パターンが16の投影光学系によって投影される。15のレチクルと17の感光剤の塗布された基板は、同期して走査露光され、投影光学系の結像領域よりも広い露光領域に露光される。
18は17の基板が載せられたステージであって、前記露光時の走査と、ショットごとに行われるステップを行う。
以上の従来技術によれば、円弧領域を照明するために、矩形照明領域が12のスリットでの円弧切り出しを行っている。そのためスリットで光線が蹴られるために照明効率の低下が起こり、感光基板上において高い照度が得られない。感光基板上で高い照度が得られれば、露光時間の短縮化ができ、単位時間あたりの回路パターンの転写(スループット)を多くする事ができる。そのために感光基板上の高照度化を達成する事が求めらえている。
高照度化の技術として、光ファイバを用いる方法や、ハエノメレンズの素子レンズの外形を円弧形状にした円弧ハエノメレンズを用いる方法が提案されている(特許文献2及び3参照。)。
光ファイバを用いる方法は、光ファイバによる均一化が良好でないという理由と、157nmの波長に対する光ファイバーができないという理由で実用は困難である。
円弧ハエノメレンズを用いる方法も実用が困難である。素子レンズの加工は、ロッドレンズを加工後、外形を円弧状に削りだすために、非常にコストがかかり、加工の誤差も大きい。そのため、円弧ハエノメレンズはコストが高く、また素子レンズを積み重ねることによって加工誤差が積み上がり全体としての性能がでない。よって円弧ハエノメレンズを利用するという方法も実用が困難である。
ところが近年、フォトリソグラフィーのエッチング技術を利用した、回折光学素子、マイクロレンズアレイ(MLA)の加工が可能になってきた。そこで、円弧ハエノメレンズをマイクロレンズアレイで製作して高照度化を達成する方法が検討されている。マイクロレンズアレイで製作した円弧ハエノメを以後円弧MLAと呼ぶ。図8に円弧MLAのR面から見た図とその断面を示す。円弧MLAはフォトリソグラフィーで製作するために、円弧ハエノメレンズの素子レンズに相当するR形状を数回の露光とエッチングで製作できる。よって比較的安価に製作する事が可能である。また、加工誤差も露光装置のアライメント誤差のみであるので少なく、また素子レンズを積み重ねるわけではないので、加工誤差が積みあがらず、性能の悪化もすくない。
特開2001−228401号公報 特公平5−68846号公報 特開昭62−115718号公報
上述のようにエッチングにより円弧MLAを製作する方法は、比較的安価に加工誤差の少ない円弧MLAの作成が出来るが、エッチングで作成しているために、深く掘れないという問題がある。エッチングによるレンズ形成は、レジストを基板上に塗布した後にグレーマスクを用いて露光を行い、できたレンズ形状のレジストマスクとしてエッチングによって、その形状を基板に写すことによって行われる。一般に用いられているノボラック系のレジストを用いると、通常半導体プロセスなどリソグラフィで用いられるレジストの厚みは1μm以下の程度であり、エッチングにより基板に作製される形状もレジストの膜厚以下の構造となる。仮に半導体素子の実装に用いられるバンプ形成用のレジストで20μm程度のレジストを用いても、形成できる形状の大きさがレジストの膜厚に依存していることには変わり無く、レンズサイズのうち、少なくとも高さ(サグ量)は数十μmが限度となる。つまり、基板を深く掘り込めないために、レンズのサグ量が取れず、結果として素子レンズの大きさが小さい円弧MLAしか作れないという制約がある。特に円弧MLAの場合、素子レンズの長手方向と短手方向での幅が異なる為、長手方向のサグ量で素子レンズの大きさが決まってしまい、短手方向の素子レンズのピッチは非常に細かくなってしまう。
例えば、円弧領域の形状が、図7であって、そこでのNAが0.8で照明する照明装置を考える。円弧MLAの径をφ140とすると、ヘルムホルツ・ラグランジェの関係より、長手方向に、円弧MLAから射出するNAは21×0.8÷140=0.12が必要である。このときのコンデンサレンズの焦点距離fは(21÷2)÷0.12=87.5mmである。円弧MLAの素子レンズの曲率半径をR、長手方向の幅をX、円弧MLA基板の屈折率をNとすると、射出NAは(N−1)÷R×X÷2で求まる。一方サグ量は、中心と最軸外の距離をdとして、R−√(R2+d2)で求まる。dは最軸外までの距離であるが、長手方向と短手方向の差が大きい時には、d〜X÷2とできる。Nを1.5として、ほり込めるサグ量を10μmとすると、次の2つの方程式を解けば、素子レンズの曲率半径Rと、長手方向の幅Xが決まる。
(1.5−1)÷R×X÷2=0.12
R−√(R2−(X÷2)2)=0.010
これより、素子レンズの曲率半径は0.342mm(342μm)、長手方向の幅は0.164mm(164μm)となる。短手方向の幅は、長手方向の幅の4÷21であるので、0.031mm(31μm)となる。
ハエノメレンズとは素子レンズで波面分割をする光学素子である。そのため素子レンズが小さくなると、隣り合う素子レンズからの光が干渉をおこし、被照明面で干渉縞が発生する。
光の干渉については、一般の物理の教科書にて回折格子の干渉として説明されている。回折格子の繰り返しパターンのピッチをp、露光波長をλ、コンデンサレンズの焦点距離をfとすると、被照明面での干渉縞のピッチは、fλ÷pとなる。よって、波長が短くなると干渉縞のピッチが短くなり、回折格子の繰り返しパターンのピッチが細かくなると、干渉縞のピッチが長くなる。これは、回折光としても理解できる。回折格子からの回折光が飛ぶ角度θは、p×sinθ=nλを満たす。回折光はコンデンサレンズによって、フーリエ変換されるため、角度分布が位置分布に変換される。よって、回折光の強めあう位置は、被照明面で、fnλ÷pとなり、fλ÷pピッチで強めあう縞ができる(図9)。
円弧MLAにおける干渉縞に関しても回折格子と同様にfλ÷pピッチで発生する。前述の長手方向21mm、短手方向4mmの円弧領域をNA0.80で照明する場合の円弧MLAについて当てはめると、焦点距離は87.5mm、短手方向のピッチは0.031mmであったので、157nmの波長に対しては、87.5×0.000157÷0.031=0.443mmピッチ、633nmの波長に対しては、1.79mmピッチの干渉縞が発生する事になる。短手方向の長さは4mmであるために、157nmでは短手方向には9本の干渉縞が、633nmでは2.2本の干渉縞が入る計算となる。そのため、被照明領域の照度分布はもはや連続的な分布とはならず、均一な分布ではなくなってしまう。
なお、コンデンサレンズには無収差の理想レンズを用いたので、実際の照明系においては収差によるボケが発生するため、干渉縞のコントラストは低下する。被照射面での照度分布はMLAの素子レンズの幾何光学的な照明領域内を、素子レンズの大きさから決まるピッチの干渉縞が埋める照度分布となる。y方向を円弧の動径方向とすると、x方向とy方向で素子レンズの大きさは異なるため、y方向のピッチはx方向のピッチに比べて大きいことがわかる。干渉縞は被照明面での照度むらとなり基板へのパターンの転写不良となる。x方向に干渉縞が存在すると、干渉縞の暗部では走査露光後の感光基板上で露光量が不足してしまう。y方向に干渉縞が存在すると、光源がパルス光であるために走査方向に走査速度に依存した周期で露光量のバラツキが発生してしまう。
そのため、エッチングで製作した円弧MLAを用いると、高照度化は達成できるものの、干渉縞に起因する露光量のバラツキが発生してしまうという問題があった。露光量のバラツキを緩和するためには干渉縞のピッチを細かくする必要がある。しかし、前述のようにエッチングによって掘り込めるサグ量が取れないために、素子レンズのピッチを大きくして干渉縞の周期を大きくする事ができない。そのため、円弧MLAを用いた投影露光装置の実用化がなされていなかった。
そこで、本発明は、エッチングで製作した円弧MLAでありながら、干渉縞のピッチを細かくすることを例示的な課題とし、さらには、それを投影露光装置に用いて、高照度化を達成しながら、露光量のバラツキを小さくした投影露光装置を提供することも例示的な課題とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面は、円弧MLAの素子レンズから射出される光の位相状態を制御する事によって、干渉縞の本数を増やして課題を解決する。
前述の回折格子において隣り合う開口で位相差をつけると回折光の飛ぶ方向が変化する。例えば隣り合う開口からの光に、位相差が180度つくようにすると、位相差をつけなかった時の暗部が明部となり、明部が暗部となり、白黒反転した干渉縞となる。本発明はこれを利用したものであって、円弧MLAの素子レンズから射出する光に位相差をつけて、素子レンズ間の干渉縞のできる位置をずらして、全体として被照明面での干渉縞のピッチを細かくするものである。
例えば、2つおきに位相差が180度つくようにして、隣り合う素子レンズ間の光の位相差が、0度、180度、0度、180度、0度…とつくようにするとする。位相差が0度である素子レンズ間の干渉縞の明部に、位相差が180度である素子レンズ間の干渉縞の暗部が存在し、位相差が0度である素子レンズ間の干渉縞の暗部に、位相差が180度である素子レンズ間の干渉縞の明部が存在するようになる。そのため見かけ上、干渉縞のピッチは、従来の円弧MLAに比べて半分となる。
本発明は、以上のように微小な素子レンズからなる光学素子において、位相差をつけて干渉縞のピッチを細かくするものであって、円弧MLAのみならず、屈折、もしくは回折によってパワーを持った微小な素子レンズが繰り返し配置された光学素子において有効である。例えば、矩形のマイクロレンズアレイであっても、干渉縞のピッチを細かくする事ができ、被照明面での照度むらを緩和する事が可能である。また、位相差の付け方は上述の2つおきに180度の位相差をつける方法のみならず、光学素子の右半分と左半分で、隣り合う光学素子の位相差を変えて、右半分を0度、左半分を180度とすれば、上述の2つおきに180度の位相差をつけたものと同様の効果を得ることができる。またさらには、素子レンズ間の位相差を0度と180度のみならず、隣り合う素子レンズからの光の位相差を0度から360度までの間でランダムにすることによって、干渉縞のピッチを無限小にまで細かくする事が可能である。隣り合う素子レンズからの光に位相差をつける方法としては、素子レンズの位相差毎のグループで分類して相対的に素子の高さをずらす方法が考えられる。たとえば、基板の屈折率をN、掘り込み量をdとすれば、掘り込まなかった部分と掘り込んだ部分の位相差は(d÷(λ÷N)−d÷λ)×360度=(N−1)×d÷λ×360度となる。位相差を180度つけようとすると、N=1。5、λ=157nmとすると、d=157nmとなる。つまり、157nm素子の高さをずらせば前述の機能を実現できる。また高さをずらすのは屈折、もしくは回折によってパワーを持った面に行う方が、素子レンズとの位置合わせが容易であるため好適である。そのため、MLAの三次元形状を形成するマスク設計時に必要な位相差分を考慮してマスク上の透過率を決定すればよいことになる。位相差分を考慮するとはつまり、与える位相差からMLAの使用材料の屈折率を考えて素子高さに変換し、エッチングで基板に転写する際にはエッチングの選択比、すなわち転写倍率を考慮する必要が有る。もちろん、MLA形状をレジストに形成し、そのまま光学素子として利用する際にはエッチングの選択比を考慮する必要は無い。
またここではF2光学系を例に説明をしたが、MLAによる干渉縞は白色光でも観察されており、F2以外の波長用の素子に対しても有効性は変わらない。
したがって、本出願にかかる第一の発明は作製する形状が基本形状の繰り返しであるときに、基本パターンを二つ以上のグループに分けて、作製する感光性材料の高さをグループ間で相対的にずらした形状にしてマスクの設計を行ったことを特徴とする。
また本出願にかかる第二の発明はグループに分ける際に少なくとも一方向には連続する複数個の基本パターンを一つにグループに含めて、マスクの設計を簡略なものにする、また干渉時の比率を最適化したことを特徴とする。
また本出願にかかる第三の発明はグループ分けする際に少なくとも一方向には隣接する基本パターンが常に異るグループの組合せとなる様にグループ分けを設定しており、位相差をもった素子の組合せの数を最も多くしていることを特徴とする。
また本出願にかかる第四の発明はグループ間の位相差をグループの数で一周期を分割した量とし、制御する位相差が均等で、できる干渉縞のコントラストが最も小さくなっていることを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付の図面を参照して説明される好ましい実施例等によって明らかにされるであろう。
本発明によればマスク設計時にグループ分けして位相差を発生することで、レンズ高さに制約を持ったリソグラフィ技術を用いたマイクロレンズの干渉縞の影響を、低減することができる。
以下に、本発明の実施の形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施例で作製しようとするマイクロレンズアレイである。図1のマイクロレンズアレイ51は球面レンズを複数集めることで構成されている。このレンズアレイを構成要素のレンズの中心を通る断面で観察したものが図2である。ここで52は断面を観察した際の表面形状、53は断面形状をサンプリングするために基板を基準に設定した等しい高さの線である。直線53によってレンズ表面をサンプリングすると実際には基板からの高さが等しい等高線が得られている。次に等しい高さの線53と三次元形状の表面形状52との交点を形状のサンプリング点54(実際には等高線)とする。このサンプリング点54を元に複数の領域を設定する。図3に示した通り、表面形状52上に複数のサンプリング点54が求められる。ここでサンプリング点54を基準平面である基板表面56に投影した点60で、隣接する投影したサンプリング点60間の中点を求める。中点は三次元形状を作製する上でマスク開口率を変化させる領域境界59を与える。領域境界59が求まった後は、領域内の高さをサンプリング点54の高さで代表し、領域内部の開口率を決定する。その際は図4に示す別途測定してある感光性材料の露光量と残膜の特性から代表高さに対応する露光量を求める。さらに三次元形状でもっとも露光量を必要とする部位の露光量を100%として各領域毎の露光量の最大露光量からの比率をもとめ、これが必要な透過率となる。
さらに解像限界以下のパターンを用いて露光を行うと、開口率と透過率は等しくはならない。そこで、事前に開口率を変えたパターンと100%の透過率を有する開口パターンで設定露光量を変えたパターンを用いて、各開口率での実効透過率を求めておく。設計形状から得られた透過率は実効透過率に対応する開口率への変換を経て、最終的な開口率が求まる。
本実施例ではエッチング条件に選択比が1となる条件を選択したので、180度の位相差に必要な高さの違いをそのままレジスト形状時の高さの差として計算し、透過率を求めた。
ここで感光性材料の解像力を含め、プロセス全体の解像力と比較してサンプリングの間隔が十分に密であれば、前記矩形の近似形状ではなく、連続的な滑らかな曲線が得られることが分かっている。
本発明ではグループ毎にレンズの断面形状を所望の高さだけシフトして、上記の手順を用いて順次マスクに必要な透過率を求める。本実施例では隣接する素子間で、つまり交互に0度、180度と位相差が生じるような高さの差を計算して設計値に付与した。
次に求められた開口率をつかってマスクを設計/製作する。ここでは目的の形状が球面レンズを集めたレンズアレイなので、基本となる球面レンズを抜きだして考える。
図5に示すように先ほど図3に示した等高線53を用いてマスク領域を設計すると領域境界66はレンズ中心と中心を同一にする同心円となる。63はドットパターンを配置するために一定ピッチで定義したますめ、64はドットパターンである。ここでは中央部の領域を代表して表している。それぞれの領域毎の開口率に応じてドットパターンのサイズを決めて行く。
ここでドットパターンは使うレジストによってドットが開口部であってもよいし、ドットが遮光部であってもよい。開口部のドットを配置する場合、ピッチの半分のサイズのドットパターンを一様に配置すると開口率は25%である。ドットパターンを配置するます目の原点は球面の頂点に設定すると設計時に考えやすいと考えられる。
領域境界の中心と同じ位置を原点として、所望のピッチでます目を描く。前記ます目の交点上にドットパターンを配置して行く。一つ外側の領域においてもます目の交点にドットパターンを配置する。そして、所望の領域内部にます目の交点が存在する場合のみ所望のサイズのドットパターンを配置し、ドット配置の点(ます目の交点)が領域を外れた場合にはドットパターンを配置しない。そして次の領域でも同様の作業を繰り返してゆく。ここではアレイ形状が目標となる形状であったが、マスク中心をドット配置のます目の原点としてもマスク設計は可能である。ただし、アレイ形状の場合はマスク設計データ作成時に基本図形について作成し、基本図形のデータを繰り返す手法が良く使われる。したがって、アレイ形状の場合にはドットパターン配置の原点を基本図形の中心に設定すると、マスク設計および製造がより平易になる。ここで得られた感光性材料でできたレンズアレイはこのまま光学素子として使用することも可能である。本実施例ではさらに紫外光線で使える光学素子とするために石英ガラスを基板とし、感光性材料に用いたレジストをマスクとして異方性ドライエッチングを行うことで三次元形状を石英基板に転写した。異方性ドライエッチングは平行平板型のRIE(リアクティブイオンエッチング)装置を用いて行った。感光性材料に市販のフォトレジスト材料(クラリアント社製AZ−P4903レジスト(商品名))を用いて形成した三次元形状をエッチング転写したところ良好な性能を示すレンズアレイを作製できた。このように異方性のドライエッチング等を用いて三次元形状の感光性材料をマスクとして基板に形状を転写すると、本発明で提供する三次元形状形成マスクで形状を作製するために必須な感光性という特性と、光学素子自身が持つべき光学特性とを材料が合わせ持つ必要がなくなる。したがって、別材料に転写することで本発明によるマスクによって作製される三次元形状の適用範囲が格段に広がることになる。
また、円弧以外の輪郭であってもマスク設計仕様の違いであって、本発明の効果には影響しない。
第1の実施例のインテグレータを用いる事により、従来4mmスリット中に9本であった干渉縞が、18本となり、光源がパルス光であるために走査方向に走査速度に依存した周期で露光量のバラツキが従来に比べて小さくなった。
本発明の第2の実施例は第1の実施例では180度つけていた位相変調円弧MLAの位相差を120度にしたものである。インテグレータの隣り合う素子レンズ間に、0度、120度、0度、−120度の位相差をつけている。
位相差が120度ついた素子レンズ間で発生する干渉縞は、位相差がついていない素子レンズ間で発生する干渉縞に対して、fλ÷p×(120÷360)だけずれた場所に同じピッチの干渉縞を発生する。つまり、位相差がついていない素子レンズ間で発生する干渉縞のピッチの3分の1ずれた場所に干渉縞を発生する。一方位相差が−120度ついた素子レンズ間で発生する干渉縞は、120度ついた素子レンズ間が発生する干渉縞と反対方向に、位相差がついていない素子レンズ間で発生する干渉縞のピッチの3分の1ずれた場所に干渉縞を発生する。よって、位相変調円弧MLA全体としては、これら3種類の干渉縞が重なり合った干渉縞を発生し、被照明面での干渉縞のピッチは、位相差をつけなかったときに比べて3分の1となる。120度の位相差をつけるために付けられている段差は、基板の屈折率をN、波長をλとすると、kを整数としてλ÷(3×(N−1))+k×λ÷(N−1)である。よってN=1.5として157nmで使用する円弧MLAの場合には、104.7nmもしくは418.7nm、もしくは732.7nmの段差をつける。x方向、y方向ともピッチが3分の1になるように、位相差をつけるのが好適である。なお、条件によっては素子レンズ間の位相差が0度と180度のもの比が1:1以外のときが好適な場合もある。たとえば、2:1の場合は、0度、0度、120度、0度、120度、0度、0度となるように、3つおきに段差を変えるようにすればよい。
本発明の第3の実施例は第1の実施例では180度つけていた位相変調円弧MLAの位相差を0から360度の間でランダムにしたものである。
ランダムな位相差をつけたことにより、隣り合う素子レンズによって発生する干渉縞は、それぞれのペアによって異なる位置に発生する。位相変調円弧MLAの加工は第1、第2の実施例と同様にマスクパターンによって段差をつけるが、完全にランダムな無限数の段差をつけることは難しいので、2段階、4段階、8段階の2の累乗の段数をつけることが実際的である。よって実際には2の累乗の段差をランダムに各素子レンズに与えてマスクの設計を行った。
第3の実施例のインテグレータを用いる事により、従来4mmスリット中に9本であった干渉縞が多くなり、光源がパルス光であるために走査方向に走査速度に依存した周期で露光量のバラツキが従来に比べて小さくなる。
なお、本明細書では、位相差が180度、120度、ランダムの場合についての実施例を述べたが、光学系の構成方法よっては、それ以外の位相差をつけたほうが、効果が得られる場合もある。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
本発明の第1の実施形態により形成しようとする三次元形状を有するマイクロレンズアレイの図である。 図1に示す線A−Aに沿った、等高線とマイクロレンズアレイとの関係を説明するための部分断面図である。 マイクロレンズアレイのサンプリングを説明するための部分拡大断面図である。 ポジ型レジストの感光曲線の一例である。 マイクロレンズアレイを構成する一つのレンズ素子としての球面レンズを形成するためのマスクの概略平面図である。 従来技術による投影露光装置を示す図である。 スリットの説明図である。 円弧MLAの説明図である。 回折格子における干渉縞の説明する図である。
符号の説明
51 位相差付与後の円弧状MLA
52 断面図での表面形状
53 断面形状の等高線
54 表面上の等高となる点

Claims (4)

  1. 露光量に応じた感光性材料の現像後の膜厚分布により感光性材料に三次元形状を作製するための透過率制御型のマスクにおいて、
    作製する基本形状に対応する基本パターンが少なくとも2つ以上繰り返され、マスク上の基本パターンを少なくとも2つ以上のグループに分け、各グループ間で感光性材料の形状を高さ方向に相対的にずらして透過率を設計したことを特徴とするマスク。
  2. 前記グループは、少なくとも一方向には隣接した基本パターンを二つ以上を含むことを特徴とする請求項1記載のマスク。
  3. グループは少なくとも一方向には基本パターンの隣接部で異グループの組合せとなることを特徴とする請求項1記載のマスク。
  4. 前記高さ方向の相対的なずらし量は、グループの数をNとしたときに光学素子として機能する段階で使用波長における位相差が略(360/N)度となることを特徴とする請求項1記載のマスク。
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