JP2003270420A - 回折光学素子、屈折光学素子、照明光学装置、露光装置および露光方法 - Google Patents

回折光学素子、屈折光学素子、照明光学装置、露光装置および露光方法

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JP2003270420A
JP2003270420A JP2002324724A JP2002324724A JP2003270420A JP 2003270420 A JP2003270420 A JP 2003270420A JP 2002324724 A JP2002324724 A JP 2002324724A JP 2002324724 A JP2002324724 A JP 2002324724A JP 2003270420 A JP2003270420 A JP 2003270420A
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diffractive
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diffractive optical
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Akihiro Goto
明弘 後藤
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Nikon Corp
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70058Mask illumination systems

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被照射面および照明瞳面において実質的に均
一な輪帯状の照度分布を形成することのできる回折光学
素子を含み、光量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を行う
ことのできる照明光学装置。 【解決手段】 被照射面(M,W)を照明する照明光学
装置。輪帯状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面
に形成するために、入射光束を円環状の光束に変換する
ための回折光学素子(6)を備えている。回折光学素子
は、互いにほぼ同じ形状を有するリング状回折格子が形
成された第1基本回折素子と第2基本回折素子とを備え
ている。第1基本回折素子および第2基本回折素子で
は、その外形形状の中心に対してリング状回折格子の中
心が第1方向および第2方向に沿ってそれぞれ偏芯して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回折光学素子、屈
折光学素子、照明光学装置、露光装置および露光方法に
関し、特に半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜
磁気ヘッド等のマイクロデバイスをリソグラフィー工程
で製造するための露光装置に好適な照明光学装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の典型的な露光装置においては、
光源から射出された光束がフライアイレンズに入射し、
その後側焦点面に多数の光源像からなる二次光源を形成
する。二次光源からの光束は、フライアイレンズの後側
焦点面の近傍に配置された開口絞りを介して制限された
後、コンデンサーレンズに入射する。開口絞りは、所望
の照明条件(露光条件)に応じて、二次光源の形状また
は大きさを所望の形状または大きさに制限する。
【0003】コンデンサーレンズにより集光された光束
は、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明
する。マスクのパターンを透過した光は、投影光学系を
介してウェハ上に結像する。こうして、ウェハ上には、
マスクパターンが投影露光(転写)される。なお、マス
クに形成されたパターンは高集積化されており、この微
細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上に
おいて均一な照度分布を得ることが不可欠である。
【0004】近年においては、フライアイレンズの射出
側に配置された開口絞りの開口部(光透過部)の大きさ
を変化させることにより、フライアイレンズにより形成
される二次光源の大きさを変化させて、照明のコヒーレ
ンシィσ(σ値=開口絞り径/投影光学系の瞳径、ある
いはσ値=照明光学系の射出側開口数/投影光学系の入
射側開口数)を変化させる技術が注目されている。ま
た、フライアイレンズの射出側に配置された開口絞りの
開口部の形状を輪帯状や四つ穴状(すなわち4極状)に
設定することにより、フライアイレンズにより形成され
る二次光源の形状を輪帯状や4極状に制限して、投影光
学系の焦点深度や解像力を向上させる技術が注目されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術では、二次光源の形状を輪帯状や4極状に制限して変
形照明(輪帯照明や4極照明)を行うために、フライア
イレンズにより形成された比較的大きな二次光源からの
光束を輪帯状や4極状の開口部を有する開口絞りによっ
て制限している。換言すると、従来技術における輪帯照
明や4極照明では、二次光源からの光束の相当部分が開
口絞りで遮蔽され、照明(露光)に寄与することがな
い。その結果、開口絞りにおける光量損失により、マス
クおよびウェハ上での照度が低下し、露光装置としての
スループットも低下するという不都合があった。
【0006】そこで、上述の不都合を解消するために、
本出願人は、たとえば特開2000−182933号公
報において、光量損失を実質的に発生させることなく輪
帯状の二次光源を形成する技術を提案している。図11
は、特開2000−182933号公報に開示された従
来の照明光学装置の要部構成を概略的に示す図である。
図11を参照すると、従来の照明光学装置では、プリズ
ム部材(または回折光学素子)101bを用いて、光源
(不図示)からの光束を輪帯状の光束に変換する。
【0007】プリズム部材101bにより形成された輪
帯状の光束は、レンズ群102および103を有する集
光光学系を介して、第1オプティカルインテグレータと
しての第1フライアイレンズ104に、光軸AXに対し
てほぼ対称に斜め方向から入射する。第1フライアイレ
ンズ104を介した光束は、リレー光学系105を介し
て、第2オプティカルインテグレータとしての第2フラ
イアイレンズ106に入射する。
【0008】ここで、図12に示すように、プリズム部
材101bの入射面PL1に光軸AXを中心とした円形
状の光束が入射すると、集光光学系(102,103)
の瞳面PL2には光軸AXを中心としたリング状(幅の
ない円環状)の光束が形成される。一方、第1フライア
イレンズ104は、図13に示すように、縦横に且つ稠
密に配列された正六角形状(光軸AXに垂直な面内にお
ける断面形状)の正屈折力を有する多数のレンズエレメ
ント104aから構成されている。
【0009】したがって、図12に示すように、第1フ
ライアイレンズ104の1つのレンズエレメント104
aを介した光束は、第2フライアイレンズ106の入射
面PL3において正六角形状の光束を形成する。そし
て、最終的に第2フライアイレンズ106の入射面PL
3に形成される輪帯状の照野は、この正六角形状の光束
を光軸AXを中心とした仮想的な円C1上に重畳させた
ものとなる。さらに、第2フライアイレンズ106の後
側焦点面PL4には、第2フライアイレンズ106の入
射面PL3に形成される輪帯状の照野とほぼ同じ光強度
分布を有する輪帯状の実質的な面光源(多数の光源から
なる全体的に輪帯状の面光源)からなる二次光源が形成
される。
【0010】第2フライアイレンズ106の入射面PL
3に形成される輪帯状の照野は、プリズム部材101b
に入射する光束の照度分布が均一であり且つその入射光
束の断面形状が円形状である場合、図14に示すような
照度分布を呈する。図14を参照すると、第2フライア
イレンズ106の入射面PL3において光軸AXを中心
としたほぼ輪帯状の照野が形成されるが、輪帯状の照野
の周方向に沿った6点において照度ピークを有する不均
一な(光軸AXに関して3回回転対称の)照度分布とな
っていることがわかる。
【0011】以下、図15を参照して、第2フライアイ
レンズ106の入射面PL3に形成される輪帯状の照野
の照度分布が不均一になる原因を説明する。図15
(a)において、参照符号C1は、第2フライアイレン
ズ106の入射面PL3に形成された輪帯状の照野内に
設定した光軸AXを中心とする仮想的な円を示してい
る。ここで、理解を容易にするために、仮想円C1上に
おける照度分布のみに着目するものとする。
【0012】第1フライアイレンズ104の後側焦点面
に形成された多数の光源からの光束が図15(a)に示
す仮想円C1上に重畳されるとき、各光束が仮想円C1
上の照度分布に影響を与える度合いは、第1フライアイ
レンズ104を構成するレンズエレメント104aの有
効領域の形状に依存する。つまり、仮想円C1上におけ
る照度分布は、レンズエレメント104aの断面形状に
光学的に対応する正六角形によって切り取られる仮想円
C1の接線を仮想円C1に沿って積分したものとなる。
【0013】例えば、1つのレンズエレメント104a
を介した光束が、その断面形状に光学的に対応する正六
角形状の光束L1を第2フライアイレンズ106の入射
面PL3に形成し、他のレンズエレメント104aを介
した光束が、その断面形状に光学的に対応する正六角形
状の光束L2を第2フライアイレンズ106の入射面P
L3に形成する。このとき、正六角形状の光束L1によ
って切り取られる接線が最も長くなり、正六角形状の光
束L2によって切り取られる接線が最も短くなる。
【0014】したがって、切り取られる接線が最長とな
る光束L1の中心位置P1において光量が最も大きくな
り、この位置P1に図14に示す照度分布のピーク
(山)が現れる。また、切り取られる接線が最短となる
光束L2の中心位置P2において光量が最も小さくな
り、この位置P2に図14に示す照度分布の谷が現れ
る。一般的には、図15(b)に示すように、仮想円C
1の中心すなわち光軸AXにレンズエレメント104a
の有効領域形状を示す正六角形Fの中心を重ね合わせた
場合、正六角形Fの対角線D10、D11およびD12
にそれぞれ直交し且つ仮想円C1の中心AXを通る3つ
の線分(図中破線で示す線分)と仮想円C1との6つの
交点位置Pmにおいて図14に示す照度分布のピークが
現れる。
【0015】このように、従来技術では、被照射面と光
学的に共役な第2フライアイレンズ106の入射面PL
3に形成される輪帯状の照野の照度分布が不均一になる
ため、被照射面における照度分布が不均一になり、ひい
ては微細なパターンを忠実に露光することができなくな
る。また、照明瞳面である第2フライアイレンズ106
の後側焦点面PL4に形成される輪帯状の二次光源の照
度分布も不均一になるため、微細なパターンを忠実に露
光することができなくなる。
【0016】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
のであり、たとえば照明光学装置に用いられて、被照射
面および照明瞳面において実質的に均一な輪帯状の照度
分布を形成することのできる、回折光学素子および屈折
光学素子を提供することを目的とする。
【0017】また、本発明は、被照射面および照明瞳面
において実質的に均一な輪帯状の照度分布を形成するこ
とのできる回折光学素子または屈折光学素子を含み、光
量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を行うことのできる照
明光学装置を提供することを目的とする。
【0018】また、本発明は、光量損失を抑えつつ良好
な輪帯照明を行うことのできる照明光学装置を用いて、
マスクに最適な照明条件のもとで、感光性基板上にマス
クパターンを忠実に転写することのできる露光装置およ
び露光方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の第1発明では、互いにほぼ同じ形状を有す
るリング状回折格子が形成された第1基本回折素子と第
2基本回折素子とを備え、前記第1基本回折素子では、
その外形形状の中心に対して前記リング状回折格子の中
心が第1方向に沿って偏芯しており、前記第2基本回折
素子では、その外形形状の中心に対して前記リング状回
折格子の中心が前記第1方向とは異なる第2方向に沿っ
て偏芯していることを特徴とする回折光学素子を提供す
る。
【0020】第1発明の好ましい態様によれば、前記第
1方向と前記第2方向とは互いにほぼ直交する。また、
前記第1方向に沿った偏芯量と前記第2方向に沿った偏
芯量とはほぼ等しいことが好ましい。この場合、前記第
1基本回折素子および前記第2基本回折素子は、一辺が
長さLの正方形状の外形を有し、前記偏芯量Δは、0.
28L<Δ<0.3Lの条件を満足することが好まし
い。
【0021】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記第1基本回折素子と前記第2基本回折素子とはほぼ
同数である。また、前記第1基本回折素子と前記第2基
本回折素子とはほぼ交互に隣接配列されていることが好
ましい。
【0022】さらに、第1発明の好ましい態様によれ
ば、前記第1基本回折素子および前記第2基本回折素子
には、複数の同心円によって規定された円形状および輪
帯状の領域が形成され、前記第1基本回折素子は、前記
円形状または輪帯状の領域のうち、前記同心円の中心か
ら偶数番目の領域に凸面が形成された第1基準素子と、
前記同心円の中心から奇数番目の領域に凸面が形成され
た第1補完素子とを有し、前記第2基本回折素子は、前
記円形状または輪帯状の領域のうち、前記同心円の中心
から偶数番目の領域に凸面が形成された第2基準素子
と、前記同心円の中心から奇数番目の領域に凸面が形成
された第2補完素子とを有する。
【0023】この場合、前記第1基準素子と前記第1補
完素子とはほぼ同数であり、前記第2基準素子と前記第
2補完素子とはほぼ同数であることが好ましい。また、
この場合、前記第1基準素子と前記第2基準素子とを隣
接配置して一組の基準ブロックとし、前記第1補完素子
と前記第2補完素子とを隣接配置してもう一組の補完ブ
ロックとし、該基準ブロックおよび補完ブロックをそれ
ぞれほぼ同数だけ含み、かつ基準ブロックおよび補完ブ
ロックの空間的配置をランダム配置とすることが好まし
い。また、前記円形状の領域の直径の寸法と前記輪帯状
の各領域の輪帯幅の寸法とはほぼ等しいことが好まし
い。
【0024】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記第1基本回折素子は、第1基準素子とn種類(nは
1以上の整数)の第1補完素子とを有し、前記第2基本
回折素子は、第2基準素子とn種類の第2補完素子とを
有し、第i位相(i=1〜n)の第1補完素子および第
2補完素子は、前記第1基準素子および前記第2基準素
子が発生する光振幅に対してi番目の位相差を持った光
振幅を発生するパターンを有する。この場合、前記第1
基本回折素子および前記第2基本回折素子は、それぞれ
複数種類の補完素子を有し、前記i番目の位相差はほぼ
等間隔で変化していることが好ましい。また、この場
合、前記第1基準素子と前記第i位相の第1補完素子と
の前記i番目の位相差および前記第2基準素子と前記第
i位相の第2補完素子との前記i番目の位相差は、ほぼ
i/(n+1)波長であることが好ましい。
【0025】さらに、第1発明の好ましい態様によれ
ば、前記回折光学素子は、複数の前記第1基準素子と、
複数の前記第2基準素子と、複数の前記第i位相の第1
補完素子と、複数の前記第i位相の第2補完素子とを備
えている。この場合、前記複数の前記第1基準素子と、
前記複数の第2基準素子と、前記複数の第i位相の第1
補完素子と、前記複数の第i位相の第2補完素子とはす
べてのiについてほぼ同数であることが好ましい。ま
た、前記複数の前記第1基準素子と前記複数の第2基準
素子と前記複数の第i位相の第1補完素子と前記複数の
第i位相の第2補完素子とは、前記回折光学素子の全体
に亘ってランダム配列されていることが好ましい。ある
いは、
【0026】また、第1発明の好ましい態様によれば、
前記回折光学素子は複数のブロックパターンを備え、各
ブロックパターンにおいて前記複数の前記第1基準素子
と前記複数の第2基準素子と前記複数の第i位相の第1
補完素子と前記複数の第i位相の第2補完素子とがラン
ダム配列されている。この場合、各ブロックパターンに
おいて前記複数の前記第1基準素子と前記複数の第2基
準素子と前記複数の第i位相の第1補完素子と前記複数
の第i位相の第2補完素子とはすべてのiについてほぼ
同数であることが好ましい。また、前記複数種類のブロ
ックパターンにおいて、各種類のブロックパターン毎に
ランダム配列の形態が異なることが好ましい。さらに、
第1発明では、前記リング状回折格子は、2値型の回折
光学素子パターン、ブレーズ型の回折光学素子パター
ン、および多値型の回折光学素子パターンのうちのいず
れか1つのパターンを有することが好ましい。
【0027】本発明の第2発明では、互いにほぼ同じ頂
角を有する円錐プリズムからなる第1基本屈折素子と第
2基本屈折素子とを備え、前記第1基本屈折素子では、
その外形形状の中心に対して前記円錐プリズムの中心軸
線が第1方向に沿って偏芯しており、前記第2基本屈折
素子では、その外形形状の中心に対して前記円錐プリズ
ムの中心軸線が前記第1方向とは異なる第2方向に沿っ
て偏芯するように構成されていることを特徴とする屈折
光学素子を提供する。
【0028】第2発明の好ましい態様によれば、前記第
1方向と前記第2方向とは互いにほぼ直交する。また、
前記第1方向に沿った偏芯量と前記第2方向に沿った偏
芯量とはほぼ等しいことが好ましい。さらに、前記第1
基本屈折素子と前記第2基本屈折素子とはほぼ同数であ
ることが好ましい。また、前記第1基本屈折素子と前記
第2基本屈折素子とはほぼ交互に隣接配列されているこ
とが好ましい。
【0029】本発明の第3発明では、被照射面を照明す
る照明光学装置において、輪帯状の光強度分布を有する
二次光源を照明瞳面に形成するために、入射光束を円環
状の光束に変換するための第1発明の回折光学素子また
は第2発明の屈折光学素子を備えていることを特徴とす
る照明光学装置を提供する。
【0030】第3発明の好ましい態様によれば、光束を
供給するための光源手段と、前記光源手段からの光束
を、光軸に対して様々な角度成分を有する光束に変換し
て、第1の所定面へ入射させるための角度光束形成手段
と、前記第1の所定面に入射した前記様々な角度成分を
有する光束に基づいて、輪帯状の照野を第2の所定面上
に形成するために前記回折光学素子または前記屈折光学
素子を含む照野形成手段と、前記第2の所定面上に形成
された前記輪帯状の照野からの光束に基づいて、前記輪
帯状の照野とほぼ同じ光強度分布を有する輪帯状の二次
光源を形成するためのオプティカルインテグレータと、
前記オプティカルインテグレータからの光束を前記被照
射面へ導くための導光光学系とを備えている。
【0031】この場合、前記角度光束形成手段は、複数
の光学要素からなる光学部材を有し、前記回折光学素子
および前記屈折光学素子は、前記光学部材の各光学要素
に対応する要素光束の中に基本回折素子または基本屈折
素子が複数個含まれるように位置決めされていることが
好ましい。あるいは、前記角度光束形成手段は、複数の
光学要素からなる光学部材を有し、前記回折光学素子ま
たは前記屈折光学素子は、前記光学部材の各光学要素に
対応する要素光束中に、前記第1基本回折素子および前
記第2基本回折素子あるいは前記第1基本屈折素子およ
び前記第2基本屈折素子が含まれるように位置決めされ
ていることが好ましい。
【0032】本発明の第4発明では、第3発明の照明光
学装置と、前記被照射面に配置されたマスクのパターン
を感光性基板に投影露光するための投影光学系とを備え
ていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0033】本発明の第5発明では、第3発明の照明光
学装置を介してマスクを照明し、照明された前記マスク
に形成されたパターンの像を感光性基板上に投影露光す
ることを特徴とする露光方法を提供する。
【0034】本発明の第6発明では、入射光束を所定の
射出光束に変換する回折光学素子を含む回折光学装置に
おいて、前記回折光学素子の入射側光路および射出側光
路の少なくとも一方に配置される光透過性保護部材を備
え、該光透過性保護部材は蛍石または酸化物結晶で形成
されることを特徴とする回折光学装置を提供する。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の典型的な形態によれば、
外形形状の中心に対して第1方向に偏芯してリング状回
折格子が形成された第1基本回折素子と、外形形状の中
心に対して第2方向に偏芯してリング状回折格子が形成
された第2基本回折素子とにより、回折光学素子が構成
されている。この場合、後述するように、第1基本回折
素子の強度分布特性と第2基本回折素子の強度分布特性
とでは、光強度分布における山および谷の方位角への依
存性が異なることになる。
【0036】このため、本発明の回折光学素子の強度分
布特性では、光強度の分布において山と谷とが互いに埋
め合い、強度分布の方位角への依存性が弱くなって、強
度分布の形態が平坦になる。その結果、本発明の回折光
学素子を備えた照明光学装置では、上述の回折光学素子
の強度分布特性に基づいて、被照射面および照明瞳面に
おいて実質的に均一な輪帯状の照度分布を形成すること
ができ、ひいては光量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を
行うことができる。
【0037】また、本発明の照明光学装置が組み込まれ
た露光装置および本発明の照明光学装置を用いた露光方
法では、光量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を行うこと
のできる照明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条
件のもとで、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転
写することができる。さらに、感光性基板上にマスクパ
ターンを忠実に転写することのできる本発明の露光装置
および露光方法を用いて、良好なマイクロデバイスを製
造することができる。
【0038】本発明の実施形態を、添付図面に基づいて
説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる照明光学
装置を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
図1において、感光性基板であるウェハWの法線方向に
沿ってZ軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に平
行な方向にY軸を、ウェハWの面内において図1の紙面
に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
【0039】図1の露光装置は、露光光(照明光)を供
給するための光源1として、193nmの波長の光を供
給するArFエキシマレーザー光源(または248nm
の波長の光を供給するKrFエキシマレーザー光源)を
備えている。光源1からZ方向に沿って射出された平行
光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有
し、整形光学系2に入射する。整形光学系2は、たとえ
ば図1の紙面内(YZ平面内)において負屈折力を有す
るレンズと正屈折力を有するレンズとから構成されてい
る。
【0040】整形光学系2を介して所定の矩形状の断面
を有する光束に整形された平行光束は、折り曲げミラー
3でY方向に偏向された後、回折光学素子4に入射す
る。一般に、回折光学素子は、ガラス基板に露光光(照
明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成すること
によって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する
作用を有する。具体的には、回折光学素子4は、入射し
た矩形状の平行光束を回折してファーフィールドに円形
状の光束を形成する機能を有する発散光束形成素子であ
る。
【0041】したがって、回折光学素子4を介して回折
された光束は、第1変倍光学系(アフォーカルズームレ
ンズ)5に入射し、その瞳面に円形状の光束を形成す
る。この円形状の光束からの光は、第1変倍光学系5か
ら射出されて、輪帯照明用の回折光学素子6に入射す
る。第1変倍光学系5は、発散光束形成素子としての回
折光学素子4と輪帯照明用の回折光学素子6とを光学的
にほぼ共役な関係に維持しながら、所定の範囲で倍率を
連続的に変化させることができるように構成されてい
る。ただし、図1に示すように、回折光学素子6は、回
折光学素子4と光学的に共役な面から光源側にわずかに
位置ずれしている。
【0042】こうして、回折光学素子6には、光軸AX
に対してほぼ対称に斜め方向から光束が入射する。すな
わち、回折光学素子4と第1変倍光学系5とは、光源1
からの光束を光軸AXに対して様々な角度成分を有する
光束に変換して、回折光学素子6の入射面(第1の所定
面)へ入射させるための角度光束形成手段を構成してい
る。回折光学素子6は、平行光束を入射させた場合にこ
の光束を回折して光軸AXを中心としたリング状の光束
をファーフィールドに形成する機能を有する。回折光学
素子6の詳細な構成および作用については後述する。
【0043】回折光学素子6を介した光束は、第2変倍
光学系(ズームレンズ)7を介して、オプティカルイン
テグレータとしてのマイクロレンズアレイ(またはフラ
イアイレンズ)8を照明する。なお、第2変倍光学系7
は、回折光学素子6とマイクロレンズアレイ8の後側焦
点面とを光学的にほぼ共役に結んでいる。換言すると、
第2変倍光学系7は、回折光学素子6とマイクロレンズ
アレイ8の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結
んでいる。
【0044】したがって、回折光学素子6を介した光束
は、第2変倍光学系7の後側焦点面(ひいてはマイクロ
レンズアレイ8の入射面)に、回折光学素子4による円
形状分布と回折光学素子6自身によるリング状分布との
コンボリューションに基づく光強度分布、すなわち光軸
AXを中心とした輪帯状の照野を形成する。このよう
に、回折光学素子6と第2変倍光学系7とは、回折光学
素子6の入射面(第1の所定面)に入射した様々な角度
成分を有する光束に基づいて、光軸AXを中心とした輪
帯状の照野をマイクロレンズアレイ8の入射面(第2の
所定面)上に形成するための照野形成手段を構成してい
る。この輪帯状の照野の幅(外径と内径との差の1/
2)は第1変倍光学系5の倍率に依存して変化し、その
全体的な大きさは第2変倍光学系7の焦点距離に依存し
て変化する。
【0045】マイクロレンズアレイ8は、縦横に且つ稠
密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズから
なる光学素子である。マイクロレンズアレイ8を構成す
る各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野
の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領
域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。一般に、マ
イクロレンズアレイは、たとえば平行平面ガラス板にエ
ッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによ
って構成される。
【0046】ここで、マイクロレンズアレイを構成する
各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズ
エレメントよりも微小である。また、マイクロレンズア
レイは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフ
ライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズが互いに
隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしな
がら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されて
いる点でマイクロレンズアレイはフライアイレンズと同
じである。なお、図1では、図面の明瞭化のために、マ
イクロレンズアレイ8を構成する微小レンズの数を実際
よりも非常に少なく表している。
【0047】したがって、マイクロレンズアレイ8に入
射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割さ
れ、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面にはマイクロ
レンズアレイ8への入射光束によって形成される照野と
ほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸A
Xを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光
源が形成される。このように、マイクロレンズアレイ8
は、その入射面(第2の所定面)上に形成された輪帯状
の照野からの光束に基づいて、輪帯状の照野とほぼ同じ
光強度分布を有する輪帯状の二次光源を形成するための
オプティカルインテグレータを構成している。
【0048】マイクロレンズアレイ8の後側焦点面に形
成された輪帯状の二次光源からの光束は、必要に応じて
輪帯状の光透過部を有する開口絞りを介して制限され、
コンデンサー光学系9の集光作用を受けた後、照明視野
絞りとしてのマスクブラインド10を重畳的に照明す
る。マスクブラインド10の矩形状の開口部(光透過
部)を介した光束は、結像光学系(11a,11b)の
集光作用を受けた後、マスクMを重畳的に照明する。こ
こで、結像光学系(11a,11b)はマスクブライン
ド10とマスクMとを光学的にほぼ共役に結んでおり、
マスクM上には結像光学系(11a,11b)を介して
マスクブラインド10の矩形状の開口部の像が形成され
る。
【0049】マスクMは、二次元的に移動可能なマスク
ステージMS上に支持されている。マスクMのパターン
を透過した光束は、投影光学系PLを介して、感光性基
板であるウェハW上にマスクパターンの像を形成する。
ウェハWは、二次元的に移動可能なウェハステージWS
上に支持されている。こうして、投影光学系PLの光軸
AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハWを
二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露
光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスク
Mのパターンが逐次露光される。
【0050】なお、一括露光では、いわゆるステップ・
アンド・リピート方式にしたがって、ウェハの各露光領
域に対してマスクパターンを一括的に露光する。この場
合、マスクM上での照明領域の形状は正方形に近い矩形
状であり、マイクロレンズアレイ8の各微小レンズの断
面形状も正方形に近い矩形状となる。一方、スキャン露
光では、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式にし
たがって、マスクおよびウェハを投影光学系に対して相
対移動させながらウェハの各露光領域に対してマスクパ
ターンをスキャン露光する。この場合、マスクM上での
照明領域の形状は短辺と長辺との比がたとえば1:3の
矩形状であり、マイクロレンズアレイ8の各微小レンズ
の断面形状もこれと相似な矩形状となる。
【0051】なお、本実施形態では、発散光束形成素子
としての回折光学素子4に代えて、たとえば縦横に且つ
稠密に配列された多数の正六角形状の微小レンズ(また
はレンズエレメント)から構成されたマイクロレンズア
レイ(またはフライアイレンズ)を用いることもでき
る。この場合、マイクロレンズアレイ8の入射面には、
正六角形とリングとのコンボリューションに基づく光強
度分布、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の照野が
形成され、マイクロレンズアレイ8の後側焦点面には光
軸AXを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二
次光源が形成される。
【0052】図2は、本実施形態における輪帯照明用の
回折光学素子の全体構成を概略的に示す図である。ま
た、図3は、本実施形態における輪帯照明用の回折光学
素子に含まれる第1基本回折素子の構成を概略的に示す
図である。図4は、本実施形態における輪帯照明用の回
折光学素子に含まれる第1基本回折素子および第2基本
回折素子の断面を概略的に示す図である。さらに、図5
は、本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子に含
まれる第2基本回折素子の構成を概略的に示す図であ
る。
【0053】図2を参照すると、本実施形態における輪
帯照明用の回折光学素子6は、縦横に且つ稠密に配列さ
れた多数の第1基本回折素子(A,Ad)と第2基本回
折素子(B,Bd)とで構成されている。第1基本回折
素子(A,Ad)は、図3に示すように、一辺の長さが
Lの正方形状の外形(境界)を有し、その外形形状の中
心S0に対して+X方向に偏芯量Δ=0.29Lだけ偏
芯した点A0を中心として、等間隔のリング状位相回折
格子が形成されている。
【0054】図4を参照して本実施形態における輪帯照
明用の回折光学素子6の断面形状を説明する。図4
(a)及び(b)はそれぞれ第1基本回折素子A及びA
dの点A 0を通る直線における断面図である。まず図4
(a)を参照すると、第1基本回折素子のひとつである
素子Aは点A0を中心とする半径r1の(円形)領域1と
半径riおよびri-1で囲まれる(輪帯)領域i(i=
2,3・・)とから構成される。同図のように円形領域
1の直径はWである。また輪帯領域iの幅ri−ri-1
全てWに等しい。つまり素子Aは点A0を通る直線の局
所的断面図が深さd、ピッチP(=2W)、線幅Wが均
一な1次元位相回折素子となるように構成されている。
図4(a)に示したように素子Aは中心A0から順番に
つけた領域の指標i(i=1,2,3・・)が偶数の領
域が凸面(図3(a)で斜線部)となるよう構成されて
いる。この意味で第1基本回折素子Aを第1基準素子A
と呼ぶことにする。図4(b)はもう一方の第1基本回
折素子Adの断面図である。図4(b)の第1基本回折
素子Adは、図4(a)に示した第1基準素子Aの断面
に対して、深さ方向の凸面と凹面の順番が逆転している
点のみが異なる。すなわち第1基本回折素子Adは中心
0から順番につけた領域の指標i(i=1,2,3・
・)が奇数の領域が凸面(図3(b)で斜線部)となる
よう構成されている。この意味で第1基本回折素子Ad
を第1補完素子Adと呼ぶことにする。
【0055】図5を参照すると、第2基本回折素子
(B,Bd)は、第1基本回折素子(A,Ad)と同様
の構成を有する。しかしながら、第1基本回折素子
(A,Ad)では外形形状の中心S0に対して+X方向
に偏芯量Δ=0.29Lだけ偏芯した点A0を中心とし
て等間隔のリング状位相回折格子が形成されているのに
対し、第2基本回折素子(B,Bd)では外形形状の中
心S0に対して+Z方向に偏芯量Δ=0.29Lだけ偏
芯した点B0を中心として等間隔のリング状位相回折格
子が形成されている点だけが相違する。
【0056】すなわち、第2基本回折素子は、中心B0
から順番につけた領域の指標i(i=1,2,3・・)
が偶数の領域が凸面(図5(a)で斜線部)となるよう
構成されている第2基準素子Bと、該指標i(i=1,
2,3・・)が奇数の領域が凸面(図5(b)で斜線
部)となるよう構成されている第2補完素子Bdとを有
する。
【0057】本実施形態では、一例として、正方形状の
各素子A,Ad,B,Bdの一辺の長さLを250μm
に設定し、図4または図5に示すリング状位相回折格子
のピッチPを3μmに設定している。この場合、偏芯量
Δ=0.29Lは、72.5μmである。また、リング
状位相回折格子の段差(凸部と凹部との間の高さ寸法)
dを、位相差がλ/2になるように、次の式(1)で設
定している。 d=λ/[2(n1−n2)] (1)
【0058】ここで、λは照明光(露光光)の波長すな
わち使用波長であり、n1は回折光学素子6のガラス基
板の使用波長における屈折率であり、n2は照明光路の
雰囲気を形成する媒体の使用波長における屈折率であ
る。具体的に、使用波長λを193nmとし、ガラス基
板の屈折率を1.5とし、媒体としての空気または不活
性ガスの屈折率を1.0とすると、リング状位相回折格
子の段差dは193nm程度に設定されることになる。
【0059】再び図2を参照すると、本実施形態の回折
光学素子6は、第1基準素子Aと第1補完素子Adと第
2基準素子Bと第2補完素子Bdとを同数だけ含んでい
る。また、第1基準素子Aを2つと第2基準素子Bを2
つの計4つを一組の基準ブロックとし、第1補完素子A
dを2つと第2補完素子Bdを2つの計4つを一組の補
完ブロックとし、基準ブロックおよび補完ブロックをそ
れぞれ同数だけ含んでいる。また、基準ブロックおよび
補完ブロックの空間的配置位置はコンピュータによって
発生した乱数によって決定している。具体的には0と1
による乱数列をいくつか発生しておき、そのうち0の数
と1の数が同数になる乱数列を選択し、0を基準ブロッ
ク、1を補完ブロックとして順次割り当てて行けばよ
い。なお、基準ブロックと補完ブロックの数は完全に同
じでなくてもよく、数%のずれは許容される。
【0060】図6は、本実施形態における輪帯照明用の
回折光学素子の強度分布特性を説明する第1の図であ
る。また、図7は、本実施形態における輪帯照明用の回
折光学素子の強度分布特性を説明する第2の図である。
上述したように、各素子A、Ad、BおよびBdには等
間隔(等ピッチP)のリング状位相回折格子が形成され
ているので、各素子の大きさが無限に大きければ、発散
角θ=sin-1(λ/P)で定まるコーンの全方位に同じ
強さの光を発生する。
【0061】しかしながら、実際には、多数の素子を縦
横に且つ稠密に配列(インテグレート)して回折光学素
子6を構成するために、各素子の外形は有限の大きさの
正方形によって規定されているので、方位角φ(図6を
参照)について強度分布が発生することになる。本実施
形態では、リング状位相回折格子の中心A0およびB0
正方形状の境界(外形)の中心S0からそれぞれ偏芯さ
せることによって、方位角φについての強度分布の最適
化(均一化)を図っている。
【0062】図6を参照すると、第1基準素子Aに形成
されたリング状位相回折格子の中心A0を通り且つ正方
形状の境界Sで切り取られた直線状の破線Dが示され、
この破線Dと+X軸とのなす角度が方位角φとして規定
されている。ここで、破線Dは、ある方位角φについて
の回折光強度の見積りを行うための補助線である。すな
わち、破線Dの長さが、方位角φに発散してゆく回折光
の強度ウエイトに対応している。
【0063】図7を参照すると、(a)は第1基本回折
素子(A,Ad)の強度分布特性(φ特性)を、(b)
は第2基本回折素子(B,Bd)の強度分布特性を、
(c)は輪帯照明用の回折光学素子6全体の強度分布特
性をそれぞれ示している。なお、図7(a)〜(c)に
おいて、横軸φは方位角(度:deg)を示し、縦軸Iは
φ方向の光強度を示している。
【0064】図7(a)を参照すると、第1基本回折素
子(A,Ad)の強度分布特性では、方位角φが0度か
ら増大するにつれてφ方向の光強度Iが大きくなり、点
線Dが正方形状の境界Sの第1頂点(図6中の左下の頂
点)に達した時点で最大Ima xとなる。その後、方位角
φの増大に伴って光強度Iが減少して最小Iminとなっ
た後に増大し、点線Dが正方形状の境界Sの第2頂点
(図6中の右上の頂点)に達した時点で極大I1(I1
max)となる。さらに、方位角φの増大に伴って光強
度Iが減少し、方位角φが90度に達した時点で極小I
2(I2>Imin)となる。
【0065】次いで、方位角φが90度から増大するに
つれてφ方向の光強度Iが大きくなり、点線Dが正方形
状の境界Sの第3頂点(図6中の右下の頂点)に達した
時点で極大I1となる。その後、方位角φの増大に伴っ
て光強度Iが減少して最小Im inとなった後に増大し、
点線Dが正方形状の境界Sの第4頂点(図6中の左上の
頂点)に達した時点で最大Imaxとなる。さらに、方位
角φの増大に伴って光強度Iが減少し、方位角φが18
0度に達した時点で極小I2となる。
【0066】以上のように、第1基本回折素子(A,A
d)の強度分布特性では、方位角φの0度〜90度の変
化に伴う光強度Iの変化は、方位角φの180度〜90
度の変化に伴う光強度Iの変化と同じである。そして、
図示を省略したが、方位角φの180度〜360度の変
化に伴う光強度Iの変化は、方位角φの0度〜180度
の変化に伴う光強度Iの変化と同じである。
【0067】一方、図7(b)を参照すると、第2基本
回折素子(B,Bd)の強度分布特性では、方位角φが
0度から増大するにつれてφ方向の光強度Iが大きくな
り、点線Dが正方形状の境界Sの第1頂点(図5中の右
上の頂点)に達した時点で極大I1となる。その後、方
位角φの増大に伴って光強度Iが減少して最小Imin
なった後に増大し、点線Dが正方形状の境界Sの第2頂
点(図5中の左下の頂点)に達した時点で最大Imax
なる。さらに、方位角φの増大に伴って光強度Iが減少
し、方位角φが90度に達した時点で極小I2となる。
【0068】次いで、方位角φが90度から増大するに
つれてφ方向の光強度Iが大きくなり、点線Dが正方形
状の境界Sの第3頂点(図5中の右下の頂点)に達した
時点で最大Imaxとなる。その後、方位角φの増大に伴
って光強度Iが減少して最小Iminとなった後に増大
し、点線Dが正方形状の境界Sの第4頂点(図5中の左
上の頂点)に達した時点で極大I1となる。さらに、方
位角φの増大に伴って光強度Iが減少し、方位角φが1
80度に達した時点で極小I2となる。
【0069】以上のように、第2基本回折素子(B,B
d)の強度分布特性においても、方位角φの0度〜90
度の変化に伴う光強度Iの変化は、方位角φの180度
〜90度の変化に伴う光強度Iの変化と同じである。そ
して、図示を省略したが、方位角φの180度〜360
度の変化に伴う光強度Iの変化は、方位角φの0度〜1
80度の変化に伴う光強度Iの変化と同じである。こう
して、第2基本回折素子(B,Bd)の強度分布特性
は、第1基本回折素子(A,Ad)の強度分布特性が方
位角φについて90度だけずれたものとなる。
【0070】上述したように、輪帯照明用の回折光学素
子6は、第1基本回折素子(A,Ad)と第2基本回折
素子(B,Bd)とを同数だけ含んでいる。したがっ
て、回折光学素子6の強度分布特性は、図7(c)に示
すように、第1基本回折素子(A,Ad)の強度分布特
性と第2基本回折素子(B,Bd)の強度分布特性とを
平均して得られる特性となる。
【0071】この場合、第1基本回折素子(A,Ad)
の強度分布特性と第2基本回折素子(B,Bd)とでは
光強度Iの分布における山(ピーク:最大または極大)
および谷(最小または極小)の方位角φへの依存性が異
なるため、回折光学素子6の強度分布特性では光強度I
の分布において山と谷とが互いに埋め合い、強度分布の
方位角φへの依存性が弱くなって、強度分布の形態が平
坦になっていることがわかる。
【0072】なお、回折光学素子6の強度分布特性の均
一性すなわち強度分布の方位角φへの依存性を、次の式
(2)で示す強度均一性コントラストCで評価すること
ができる。 C=(Imax−Imin)/(Imax+Imin) (2)
【0073】図7(c)に示す回折光学素子6の強度分
布特性における強度均一性コントラストCは約4%であ
る。因みに、リング状位相回折格子の中心と正方形状の
境界の中心とを偏芯させない従来の回折素子では強度均
一性コントラストCが約17%であり、リング状位相回
折格子の中心と正方形状の境界の中心とを偏芯させた第
1基本回折素子(A,Ad)や第2基本回折素子(B,
Bd)では強度均一性コントラストCが約7%である。
【0074】以上のように、本実施形態では、輪帯照明
用の回折光学素子6が、外形形状の中心S0に対して+
X方向に偏芯した点A0を中心としてリング状位相回折
格子が形成された第1基本回折素子(A,Ad)と、外
形形状の中心S0に対して+Z方向に偏芯した点B0を中
心としてリング状位相回折格子が形成された第2基本回
折素子(B,Bd)とで構成されている。この場合、第
1基本回折素子(A,Ad)の強度分布特性と第2基本
回折素子(B,Bd)の強度分布特性とでは、光強度I
の分布における山および谷の方位角φへの依存性が異な
ることになる。
【0075】このため、回折光学素子6の強度分布特性
では、光強度Iの分布において山と谷とが互いに埋め合
い、強度分布の方位角φへの依存性が弱くなって、強度
分布の形態が平坦になる。その結果、本実施形態の照明
光学装置では、上述の回折光学素子6の強度分布特性に
基づいて、被照射面および照明瞳面において実質的に均
一な輪帯状の照度分布を形成することができ、ひいては
光量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を行うことができ
る。
【0076】特に、本実施形態では、第1基本回折素子
(A,Ad)における偏芯方向と第2基本回折素子
(B,Bd)における偏芯方向とが直交している。この
ため、第1基本回折素子(A,Ad)の強度分布特性と
第2基本回折素子(B,Bd)の強度分布特性とが、方
位角φについて90度だけずれることになる。その結
果、被照射面および照明瞳面における輪帯状の照度分布
は、光軸AXに関して4回回転対称になる。
【0077】一方、前述の従来技術では、図13に示す
ように、被照射面および照明瞳面に形成される輪帯状の
照度分布が光軸AXに関して6回回転対称になる。この
ため、被照射面であるマスク上およびウェハ上の直交す
る二方向に関して照明条件が異なることになり、ウェハ
上に転写されるパターンの線幅が直交する二方向で異な
ってしまう。これに対し、本実施形態では、被照射面お
よび照明瞳面に形成される輪帯状の照度分布が完全に均
一でなくても光軸AXに関して4回回転対称になるの
で、直交する二方向での線幅差、いわゆるVH線幅差を
低減することができる。
【0078】また、本実施形態では、第1基本回折素子
(A,Ad)における偏芯量と第2基本回折素子(B,
Bd)における偏芯量とが同じであり、第1基本回折素
子(A,Ad)と第2基本回折素子(B,Bd)とが同
数である。その結果、回折光学素子6の強度分布特性で
は光強度Iの分布において山と谷とを最も効率的に埋め
合い、強度均一性コントラストCの最小化を、ひいては
輪帯状の照度分布における均一性の最適化を図ることが
できる。
【0079】さらに、本実施形態では、互いに補完的な
形状のリング状位相回折格子が形成された第1基準素子
Aと第1補完素子Adとで第1基本回折素子(A,A
d)が構成され、互いに補完的な形状のリング状位相回
折格子が形成された第2基準素子Bと第2補完素子Bd
とで第2基本回折素子(B,Bd)が構成され、かつ前
述した基準ブロックおよび補完ブロックがほぼ同数でか
つ空間的にランダムに配置されているために、輪帯状の
照度分布における干渉縞の影響を良好に抑えることがで
きる。
【0080】ところで、本実施形態では、ArFエキシ
マレーザー光を用いているので、回折光学素子6に入射
する矩形状の光束は、一辺方向に沿ってガウス型の光強
度分布を有し、他辺方向に沿ってトップハット型の光強
度分布を有する。しかしながら、本実施形態では、第1
基準素子Aおよび第2基準素子Bの組と第1補完素子A
dおよび第2補完素子Bdの組とを交互に隣接配列して
いるので、回折光学素子6への入射光束に上述のような
光強度分布があっても、被照射面および照明瞳面におい
て比較的均一な照度分布を形成することができる。
【0081】なお、上述の実施形態では、第1基本回折
素子(A,Ad)および第2基本回折素子(B,Bd)
が正方形状の外形を有するが、これに限定されることな
く、各素子A,Ad,B,Bdの外形形状を、たとえば
正六角形や他の適当な形状に設定することもできる。ま
た、上述の実施形態では、輪帯照明用の回折光学素子6
を用いて輪帯状の照度分布を形成しているが、回折光学
素子6に代えて屈折光学素子を用いることにより同じく
輪帯状の照度分布を形成する変形例も可能である。ま
た、上述の実施形態では外形に対する偏芯の種類(方向
及び偏芯量セット)を2種類としたが、この偏芯の種類
は3種類以上であってもかまわない。さらに、外形形状
と偏芯の種類の組み合わせがn種類ある場合、第1から
第nまでの各基本回折素子の方位角φに対する強度分布
の山と谷が埋め合い、かつ、輪帯状の強度分布が光軸A
Xに対して4の倍数の回転対称性を持つように設計する
他の変形例も可能である。この場合n種類の基本回折素
子は同数含まれ、かつ回折素子全体の有効径内における
各基本回折素子間の位置関係はランダムに配置されるこ
とが望ましい。
【0082】図8は、本実施形態における輪帯照明用の
回折光学素子に代えて使用可能な屈折光学素子の全体構
成を概略的に示す図である。図8を参照すると、回折光
学素子に代えて使用可能な屈折光学素子60は、互いに
同じ頂角を有する円錐プリズムからなる多数の第1基本
屈折素子60aと多数の第2基本屈折素子60bとから
構成されている。第1基本屈折素子60aでは、その正
方形状の外形形状の中心に対して円錐プリズムの中心軸
線が第1方向に沿って偏芯しており、第2基本屈折素子
60bでは、その正方形状の外形形状の中心に対して円
錐プリズムの中心軸線が第2方向に沿って偏芯するよう
に構成されている。
【0083】すなわち、各素子60aおよび60bで
は、円錐プリズムの底面が上述の中心軸線に平行な6つ
の面により正方形状にカットされている。ここで、円錐
プリズムの底面を正方形状にカットするのは、図示した
ように円錐プリズムの底面を縦横に且つ稠密に配列させ
るためである。なお、図8の変形例においても、上述の
実施形態と同様に、第1基本屈折素子60aにおける偏
芯方向と第2基本屈折素子60bにおける偏芯方向とが
互いにほぼ直交し、第1基本屈折素子60aにおける偏
芯量と第2基本屈折素子60bにおける偏芯量とがほぼ
等しいことが好ましい。
【0084】また、第1基本屈折素子60aと第2基本
屈折素子60bとがほぼ同数であり、第1基本屈折素子
60aと第2基本屈折素子60bとがほぼ交互に隣接配
列されていることが好ましい。さらに、第1基本屈折素
子60aおよび第2基本屈折素子60bにおいて円錐プ
リズムの底面の形状は正方形に限定されることなく、た
とえば正六角形や他の適当な形状であってもよい。
【0085】上述の実施形態では、図2に示すように、
4つの基準素子からなる基準ブロック(A,B,B,
A)と4つの補完素子からなる補完ブロック(Ad,B
d,Bd,Ad)とをそれぞれ同数だけ含むように構成
し、基準ブロックおよび補完ブロックの空間的配置位置
をコンピュータによって発生した乱数によって決定して
いる。しかしながら、図2に示す構成に限定されること
なく、回折光学素子の全体構成について様々な変形例が
可能である。
【0086】図16は、回折光学素子の全体構成にかか
る第1変形例を概略的に示す図である。第1変形例の回
折光学素子6aでは、図16に示すように、第1基準素
子Aまたは第1補完素子Adが配置されるべき第1領域
R1と第2基準素子Bまたは第2補完素子Bdが配置さ
れるべき第2領域R2とが市松状に、すなわち直交二方
向に沿って交互に隣接配列されている。そして、多数の
第1領域R1に対する第1基準素子Aおよび第1補完素
子Adの割り当ておよび多数の第2領域R2に対する第
2基準素子Bおよび第2補完素子Bdの割り当ては、コ
ンピュータによって発生した乱数によって決定してい
る。
【0087】具体的には、多数の第1領域R1に対する
第1基準素子Aおよび第1補完素子Adの割り当てに際
して、0および1による乱数列をいくつか発生してお
き、そのうち0の数と1の数とがほぼ同数になる乱数列
を選択し、0を第1基準素子A、1を第1補完素子Ad
として順次割り当てて行けばよい。同様に、多数の第2
領域R2に対する第2基準素子Bおよび第2補完素子B
dの割り当てに際して、0および1による乱数列をいく
つか発生しておき、そのうち0の数と1の数とがほぼ同
数になる乱数列を選択し、0を第2基準素子B、1を第
2補完素子Bdとして順次割り当てて行けばよい。
【0088】第1変形例では、回折光学素子6aに含ま
れる第1基準素子Aと第1補完素子Adとはほぼ同数で
あり、回折光学素子6aに含まれる第2基準素子Bと第
2補完素子Bdとはほぼ同数である。また、第1基準素
子Aまたは第1補完素子Adが割り当てられる第1領域
R1と第2基準素子Bまたは第2補完素子Bdが割り当
てられる第2領域R2とは同数である。したがって、回
折光学素子6aに含まれる第1基準素子Aと第1補完素
子Adと第2基準素子Bと第2補完素子Bdとはほぼ同
数である。こうして、第1変形例では、図2に実施形態
におけるブロック単位のランダム性よりもさらに高いラ
ンダム性を有する配置により、輪帯状の照度分布におけ
る干渉縞の影響をさらに良好に抑えることができる。
【0089】図17は、回折光学素子の全体構成にかか
る第2変形例を概略的に示す図である。また、図18
は、第2変形例における基準素子および3種類の補完素
子に形成されたリング状回折格子の中央部分の断面を概
略的に示す図である。上述の実施形態では、基準素子
(A,B)が発生する光束の位相を0位相とすると、補
完素子(Ad,Bd)が発生する光束の位相がπ位相に
なるように設定している。換言すれば、補完素子(A
d,Bd)は、基準素子(A,B)が発生する光振幅に
対してπの位相差を持った光振幅を発生するように設定
されている。
【0090】これに対し、第2変形例では、基準素子
(A,B)が発生する光束の位相を0位相とすると、第
1位相の補完素子(Ad1,Bd1)が発生する光束の
位相がπ/2位相になるように設定し、第2位相の補完
素子(Ad2,Bd2)が発生する光束の位相がπ位相
になるように設定し、第3位相の補完素子(Ad3,B
d3)が発生する光束の位相が3π/2位相になるよう
に設定している。すなわち、第2変形例における第2位
相の第1補完素子Ad2は上述の実施形態における第1
補完素子Adと同じパターンを有し、第2変形例におけ
る第2位相の第2補完素子Bd2は上述の実施形態にお
ける第2補完素子Bdと同じパターンを有することにな
る。
【0091】具体的には、リングパターンの中心点A0
(B0)を通る直線における断面図である図18を参照
すると、位相差がπである第2位相の補完素子(Ad
2,Bd2)は、基準素子(A,B)を、リング中心A
0(B0)を通る断面図において凹凸パターンを反転させ
たリングパターンに基づいて設定される。また、位相差
がπ/2である第1位相の補完素子(Ad1,Bd1)
は、基準素子(A,B)のリングパターンを、リング中
心A0(B0)を通る断面図において、凹凸パターンのピ
ッチPの1/4だけ中心から外側へシフトしたリングパ
ターンに基づいて設定される。さらに、第3位相の補完
素子(Ad3,Bd3)は、基準素子(A,B)のパタ
ーンを、リング中心A0(B0)を通る断面図において、
凹凸パターンのピッチPの1/4だけ中心から内側へシ
フトしたリングパターンに基づいて設定される。すなわ
ち、第1位相の補完素子(Ad1,Bd1)は、第3位
相の補完素子(Ad3,Bd3)を位相的に反転させた
パターンを有する。
【0092】第2変形例では、基準素子(A,B)、第
1位相の補完素子(Ad1,Bd1)、第2位相の補完
素子(Ad2,Bd2)および第3位相の補完素子(A
d3,Bd3)がそれぞれ発生する光束の強度分布(光
の発散方向や強さ)は同じであるが、その強度分布を規
定する光振幅の位相部分のみが異なっている。このよう
に、強度分布が同じで且つ位相が互いに異なる4種類の
光束をランダムに混合することによって、規則的な干渉
ノイズを格段に低減することが可能になる。
【0093】第2変形例の回折光学素子6bでは、図1
7に示すように、第1基準素子A、第1位相の第1補完
素子Ad1、第2位相の第1補完素子Ad2または第3
位相の第1補完素子Ad3が配置されるべき第1領域R
1と、第2基準素子B、第1位相の第2補完素子Bd
1、第2位相の第2補完素子Bd2または第3位相の第
2補完素子Bd3が配置されるべき第2領域R2とが、
市松状に(すなわち直交二方向に沿って交互に)隣接配
列されている。そして、多数の第1領域R1に対する第
1素子(A,Ad1,Ad2,Ad3)の割り当ておよ
び多数の第2領域R2に対する第2素子(B,Bd1,
Bd2,Bd3)の割り当ては、コンピュータによって
発生した乱数によって決定している。
【0094】具体的には、多数の第1領域R1に対する
第1素子(A,Ad1,Ad2,Ad3)の割り当てに
際して、0,1,2,3による乱数列をいくつか発生し
ておき、そのうち0の数と1の数と2の数と3の数とが
ほぼ同数になる乱数列を選択し、0を第1基準素子A、
1を第1位相の第1補完素子Ad1、2を第2位相の第
1補完素子Ad2、3を第3位相の第1補完素子Ad3
として順次割り当てて行けばよい。同様に、多数の第2
領域R2に対する第2素子(B,Bd1,Bd2,Bd
3)の割り当てに際して、0,1,2,3による乱数列
をいくつか発生しておき、そのうち0の数と1の数と2
の数と3の数とがほぼ同数になる乱数列を選択し、0を
第2基準素子B、1を第1位相の第2補完素子Bd1、
2を第2位相の第2補完素子Bd2、3を第3位相の第
2補完素子Bd3として順次割り当てて行けばよい。
【0095】第2変形例では、回折光学素子6bに含ま
れる第1基準素子Aと第1位相の第1補完素子Ad1と
第2位相の第1補完素子Ad2と第3位相の第1補完素
子Ad3とはほぼ同数であり、回折光学素子6bに含ま
れる第2基準素子Bと第1位相の第2補完素子Bd1と
第2位相の第2補完素子Bd2と第3位相の第2補完素
子Bd3とはほぼ同数である。また、第1領域R1と第
2領域R2とは同数である。したがって、回折光学素子
6bに含まれる各素子AとAd1とAd2とAd3とB
とBd1とBd2とBd3とはほぼ同数である。
【0096】こうして、第2変形例においても第1変形
例と同様に、図2の実施形態におけるブロック単位のラ
ンダム性よりもさらに高いランダム性を有する配置によ
り、輪帯状の照度分布における干渉縞の影響をさらに良
好に抑えることができる。また、第2変形例では、強度
分布が同じで且つ位相が互いに異なる4種類(上述の実
施形態および第1変形例では2種類)の光束をランダム
に混合することによって、規則的な干渉ノイズを格段に
低減することが可能になる。
【0097】なお、第2変形例では、基準素子(A,
B)と3種類の補完素子(Ad1,Ad2,Ad3,B
d1,Bd2,Bd3)とで合計4種類の位相をランダ
ム配置する場合について説明したが、これに限定される
ことなく、さらに位相の種類を増加して(さらに補完素
子の種類数を増加して)、さらに均一な照明を行うこと
ができる。一般に、1つの基準素子に対して位相の異な
る複数の補完素子を設定する場合、干渉ノイズの低減効
果を向上させるために、位相差はほぼ等間隔で変化する
ことが好ましい。
【0098】次に、上述の実施形態を参照して、部分ラ
ンダム配置について具体的に説明する。図19は、回折
光学素子をリソグラフィにより製造するために用いられ
るマスクの構成を概略的に示す図である。また、図20
は、図19のマスクを用いてガラス基板上に生成された
回折光学素子を示す図である。図19を参照すると、マ
スクの中央には、2つのブロックパターンAAP1およ
びAAP2が、たとえばEB(電子ビーム)描画によっ
て形成されている。
【0099】ブロックパターンAAP1内には、基準ブ
ロック(A,B,B,A)および補完ブロック(Ad,
Bd,Bd,Ad)が、たとえば250個づつ、ブロッ
クパターンの全体に亘ってランダム配列されている。ブ
ロックパターンAAP1におけるランダム配列の規則に
ついては、たとえばコンピュータによって発生した乱数
によって決定されている。同様に、ブロックパターンA
AP2内にも、基準ブロック(A,B,B,A)および
補完ブロック(Ad,Bd,Bd,Ad)が、たとえば
250個づつランダム配列されている。ただし、ブロッ
クパターンAAP2におけるランダム配列の規則は、ブ
ロックパターンAAP1におけるランダム配列の規則と
は異なる。
【0100】また、マスクの周辺には、3つのアライメ
ントマークamが描画されている。アライメントマーク
amは、レジストの塗布されたガラス基板上に縮小投影
露光によってブロックパターンAAP1およびAAP2
を露光する際の位置基準となる。さらに、マスクには、
一対の切断用ガイドパターン(ガイド窓)GPが描画さ
れている。切断用ガイドパターンGPは、回折光学素子
を所定の形状に切断するための切断線をマークするため
に使用される。
【0101】また、マスクには、線幅およびエッチング
深さを制御するための制御用規則パターンとして、たと
えばライン・アンド・スペースパターンLSが形成され
ている。すなわち、パターンLSは、その内部に線幅2
μm程度の直線状のライン・アンド・スペースパターン
を含んだテストパターンであり、ブロックパターンAA
P1およびAAP2の露光の前後に、このパターンLS
を回折光学素子の有効径の外側に焼き付け、線幅制御と
エッチング深さ制御のために用いられる。
【0102】図20に示す回折光学素子6cは、図19
のマスクを用いてブロックパターンAAP1とAAP2
とを互い違いに、たとえば4×12回露光し、現像およ
びエッチングして得られたものである。こうして生成さ
れた回折光学素子6cでは、その有効径(有効領域)の
全体に亘って素子がランダム配置されておらず、いわゆ
る部分ランダム配置されている。このような部分ランダ
ム配置では、互い違い配列された各ブロックパターン内
において素子がランダム配置されていること、およびエ
キシマレーザの干渉性が有限であることから、所定の光
学性能を発揮することができる。また、一枚または比較
的少数枚のレチクル原版(マスク)で回折光学素子を簡
易に且つ安価に製造することができる。
【0103】なお、干渉ノイズについてより高い低減効
果を達成するためには、2つのブロックパターンAAP
1およびAAP2に加えて、さらにAAP3,AAP
4,・・・のように内部配列の異なる別のブロックパタ
ーンを適宜用意することが好ましい。この場合、全ての
ブロックパターンを順次回折光学素子上に露光し、現像
およびエッチングすることによって、その有効径の全体
に亘って素子が部分ランダム配置された回折光学素子を
製造することが可能である。
【0104】ところで、全てのブロックパターンを図1
9のマスク上に配置しきれない場合には、他の1つまた
は複数のマスク上に残りのブロックパターンを描画し、
マスクを順次交換しながら全てのブロックパターンをガ
ラス基板上に露光することにより回折光学素子を製造す
ることが可能である。なお、以上において図19および
図20を一例として説明した部分的ランダム配置による
回折光学素子のパタニング方法は、上述の実施形態のみ
ならず、上述の第1変形例や第2変形例などにも同様に
適用することが可能である。
【0105】なお、上述の実施形態および各変形例にお
いて、リング状回折格子の半径方向断面の周期(ピッ
チ)Pを0.1μm〜250μm程度に、基準素子およ
び補完素子の有効径(有効領域)の面積を5μm×5μ
m〜1000μm×1000μm程度に、回折光学素子
の有効径内における基準素子および補完素子の数を約1
0個以上に設定することができる。
【0106】また、図1に示す露光装置では、複数極状
の二次光源を形成するために波面分割型のオプティカル
インテグレータであるマイクロレンズアレイ8を用いて
いるが、このマイクロレンズアレイ8に代えて内面反射
型のオプティカルインテグレータであるロッド・インテ
グレータ(ロッド型インテグレータ)を用いることもで
きる。図21は、図1の露光装置においてマイクロレン
ズアレイに代えてロッド・インテグレータを用いた場合
の要部構成を概略的に示す図である。
【0107】図21を参照すると、マイクロレンズアレ
イ8に代えてロッド・インテグレータ81を配置するこ
とに対応して、第2変倍光学系7とロッド・インテグレ
ータ81との間の光路中にインプットレンズ82を配置
し、ロッド・インテグレータ81とコンデンサー光学系
9との間の光路中にリレーレンズ83を配置している。
ここで、図21に示すA面が図1のマイクロレンズアレ
イ8の入射面に対応し、図21に示すB面が図1のマイ
クロレンズアレイ8の射出面に対応している。
【0108】ロッド・インテグレータ81は、石英ガラ
スや蛍石のような硝子材料からなる内面反射型のガラス
ロッドであり、内部と外部との境界面すなわち内面での
全反射を利用して集光点を通りロッド入射面に平行な面
に沿って内面反射数に応じた数の光源を形成する。ここ
で、形成される光源のほとんどは虚像であるが、中心
(集光点)の光源のみが実像となる。すなわち、ロッド
・インテグレータ81に入射した光束は内面反射により
角度方向に分割され、集光点を通りその入射面に平行な
面に沿って多数の光源からなる二次光源が形成される。
【0109】したがって、回折光学素子6を通過した光
束はA面に複数極状の照野を形成した後に、インプット
レンズ82を介して、ロッド・インテグレータ81の入
射面81aの近傍に集光する。こうして、ロッド・イン
テグレータ81によりその入射側に形成された複数極状
の二次光源からの光束は、その射出面81bにおいて重
畳された後、リレーレンズ83およびコンデンサー光学
系9を介して、所定のパターンが形成されたマスク(レ
チクル)Mを重畳的に照明する。
【0110】なお、リレーレンズ83およびコンデンサ
ー光学系9を取り外し、ロッド・インテグレータ81の
射出面81bをマスクMの近傍に設置することもでき
る。あるいは、第2変倍光学系7およびインプットレン
ズ82を取り外し、ロッド・インテグレータ81の入射
面81aを回折光学素子6の射出面の近傍に設置するこ
ともできる。あるいは、第2変倍光学系7、インプット
レンズ82、リレーレンズ83およびコンデンサー光学
系9を取り外し、ロッド・インテグレータ81の入射面
81aを回折光学素子6の射出面の近傍に設置するとと
もに、ロッド・インテグレータ81の射出面81bをマ
スクMの近傍に設置することもできる。
【0111】また、図1に示す露光装置において、光源
1と発散光束形成素子としての回折光学素子4との間の
光路中に、たとえば特開平9−205060号公報、特
開平10−125585号公報、特開2000−277
421号公報などに開示された光遅延系を付設すること
もできる。以下、折り曲げミラー3と回折光学素子4と
の間の光路中に光遅延系を付設した場合について簡単に
説明する。
【0112】この場合、整形光学系2および折り曲げミ
ラー3を介して所望の断面形状に変換された光束は、全
反射ミラーと部分反射ミラーとから構成された光遅延系
に入射する。光遅延系では、部分反射ミラーを透過した
一部の光束が回折光学素子4に入射し、部分反射ミラー
で反射された残部の光束が全反射ミラーに入射する。全
反射ミラーで反射された光束は、部分反射ミラーに入射
し、部分反射ミラーを透過した一部の光束が回折光学素
子4に入射し、部分反射ミラーで反射された残部の光束
が全反射ミラーに入射する。
【0113】こうして、光遅延系では、全反射ミラーと
部分反射ミラーとの間で繰り返される多重反射により、
入射ビームを順次光遅延された多数のビーム群に変換す
る。その結果、光遅延系の作用により、ウェハ共役面に
おける干渉ノイズを低減することができる。なお、光遅
延系のさらに詳細な構成および作用については、たとえ
ば特開平9−205060号公報、特開平10−125
585号公報、特開2000−277421号公報を参
照することができる。
【0114】また、上述の実施形態では、2値型(2値
バイナリー型)の回折光学素子パターンを用いている
が、これに限定されることなく、ブレーズ型の回折光学
素子パターンまたは多値型(多段バイナリー型)の回折
光学素子パターンを用いることもできる。以下、図22
を参照して、ブレーズ型の回折光学素子パターン、多値
型の回折光学素子パターン、および2値型の回折光学素
子パターンについて一般的に説明する。
【0115】図22(a)はブレーズ型のリング状回折
光学素子をリングパターンの中心A 0(B0)を通る周期
方向の断面で切断した断面図であり、図22(b)は多
値型のリング状回折光学素子をリングパターンの中心A
0(B0)を通る周期方向の断面で切断した断面図であ
り、図22(c)は2値型のリング状回折光学素子をリ
ングパターンの中心A0(B0)を通る周期方向の断面で
切断した断面図である。図22(a)を参照すると、ブ
レーズ型の回折光学素子の切断面は鋸歯状となってお
り、鋸歯状にステップが発生するピッチPは、回折光学
素子に対して設定すべき所望の回折角θに応じて、次の
式(3)にしたがって設定されている。 P=λ/sinθ (3)
【0116】また、断面における深さd0は、基板の屈
折率をnとし、基板が配置されている気体の屈折率を1
として、次式(4)で与えられる。 d0=λ/(n−1) (4)
【0117】本発明では、このようなブレーズ型の回折
光学素子パターンを有する基準素子および補完素子を用
いることが可能である。この場合には、基準素子および
補完素子のパターンは凸面と凹面との2値型ではなく、
断面形状が高さ方向に変化するパターンとなる。このよ
うな高さ方向の異なるパターンの生成に際して、透過率
が徐々に変化するグレイスケールマスクを使用すること
が可能である。
【0118】図22(b)を参照すると、多値型の回折
光学素子の切断面は、図22(a)の鋸歯状形状をL段
(L≧3)の階段型形状に近似した形状となっている。
そして、各階段の境界は、ピッチPの範囲を各階段のス
テップ領域にしたがってL分割することによって容易に
規定することができる。図22(b)は、L=8の8値
位相型回折光学素子の場合を示している。断面における
深さdLは、基板の屈折率をnとし、基板が配置されて
いる気体の屈折率を1として、次式(5)で与えられ
る。 dL=λ・(L−1)/{ L・(n−1)} (5)
【0119】本発明では、このような多値型の回折光学
素子パターンを有する基準素子および補完素子を用いる
ことが可能である。この場合には、基準素子および補完
素子のパターンは凸面と凹面との2値型ではなく、断面
形状が階段形状となり、高さ方向に変化するパターンと
なる。このような高さ方向の異なるパターンの生成に際
して、透過率がステップ的かつ多段階に変化するグレイ
スケールマスクを使用することが可能である。
【0120】図22(c)を参照すると、2値型の回折
光学素子の切断面は、図22(b)の階段型近似におい
てL=2とした場合の形状となっている。すなわち、2
値型の回折光学素子の切断面は、図22(c)に示すよ
うに、厚さd2の方向について凸領域部分と凹領域部分
との2種類の段差で示される矩形状のパターンとなる。
各矩形領域の境界は、P/2によって与えることができ
る。また、断面における深さd2は、基板の屈折率をn
とし、基板が配置されている気体の屈折率を1として、
次式(6)で与えられる。 d2=λ/{ 2・(n−1)} (6)
【0121】上述の実施形態および各変形例では、この
ような2値型の回折光学素子パターンを有する基準素子
および補完素子を用いている。すなわち、図22(c)
は、実質的に図4(a)に対応する図である。この場
合、いわゆる白黒型(透過部と遮光部のみの)マスクを
使用することが可能である。なお、回折光学素子をパタ
ニングする基板の材料としては、たとえば合成石英、水
晶、螢石等を使用することが可能である。
【0122】なお、上述の実施形態では、2値型のリン
グ状回折格子の中心に関して対称的に回折光が発生する
ため、外形形状の中心S0に対して+X方向に偏芯した
点A0を中心としてリング状回折格子が形成された第1
基準素子A、および外形形状の中心S0に対して+Z方
向に偏芯した点B0を中心としてリング状回折格子が形
成された第2基準素子Bの2種類の基準素子を用いてい
る。しかしながら、ブレーズ型や多値型のリング状回折
格子では、その中心に関して一方の側にしか回折光が発
生しないため、第1基準素子Aおよび第2基準素子B
に、外形形状の中心S 0に対して−X方向に偏芯した点
0を中心としてリング状回折格子が形成された第3基
準素子C、および外形形状の中心S0に対して−Z方向
に偏芯した点D0を中心としてリング状回折格子が形成
された第4基準素子Dを加えて、合計4種類の基準素子
を用いることが必要になる。
【0123】すなわち、上述の実施形態および第1変形
例においてブレーズ型や多値型のリング状回折格子を採
用する場合、基準素子(A,B,C,D)と補完素子
(Ad,Bd,Cd,Dd)とで回折光学素子が構成さ
れることになる。また、上述の第2変形例においてブレ
ーズ型や多値型のリング状回折格子を採用する場合、基
準素子(A,B,C,D)と補完素子(Ad1〜Ad
3,Bd1〜Bd3,Cd1〜Cd3,Dd1〜Dd
3)とで回折光学素子が構成されることになる。なお、
ブレーズ型や多値型の補完素子のパターン設定手法は、
図22(a),(b)に関して、図4や図18を用いて
説明した原理と同様の原理によって、リング中心A
0(B0)を通る断面パターンについて位相差を与えたパ
ターンを設定する手法を用いることが可能である。
【0124】次に、上述の実施形態における回折光学素
子の典型的な製造工程について簡単に説明する。まず、
所定の光源から最終段(最もマスク側)のオプティカル
インテグレータ(実施形態ではマイクロレンズアレイ
8)までに含まれるリレーレンズの焦点距離と光束の有
効径と光源の波長と発散光束形成素子の発散角との関係
から、基準素子に形成すべきリング状回折格子のピッチ
を設定する。そして、発散光束形成素子(図1の実施形
態では回折光学素子4)を構成する各光学要素に対応す
る要素光束の中に基準素子または補完素子が複数個含ま
れるように基準素子および補完素子の有効径を設定す
る。
【0125】次いで、発生する強度分布が基準素子と同
じで且つ位相が基準素子とは異なる1つまたは複数の補
完素子のパターンを設定する。こうして得られた基準素
子と1種類または複数種類の補完素子とをそれぞれほぼ
同数だけ有効径内にインテグレートした回折光学素子の
パターンを設定する。このとき、基準素子および補完素
子の配列位置をランダム化(部分ランダムを含む)す
る。
【0126】こうしてパタニングした回折光学素子につ
いて波動光学的シミュレーションを行い、基準素子のピ
ッチおよび補完素子の位相および該位相の種類などを最
適化する。次いで、最適化された回折光学素子のパター
ンにしたがってレチクル(マスク)を製造し、このレチ
クルを用いてレジストの塗布されたガラス基板にパター
ンを焼き付けする。その後、現像工程、エッチング工
程、AR(反射防止)コートを形成する工程などが行わ
れる。
【0127】なお、図1に示した露光装置において、回
折光学素子4および回折光学素子6をカバーガラスによ
って保護する構成としても良い。図23を参照すると、
回折光学素子6(または回折光学素子4)は、この回折
光学素子6(または回折光学素子4)を保持するホルダ
62によって保持されており、このホルダ62には、一
対のカバーガラス61a,61bが固定されている。こ
れら一対のカバーガラス61a,61bは、回折光学素
子6(4)への異物付着を抑え、かつこれら一対のカバ
ーガラス61a,61bによって形成される空間内のク
リーン度を外側空間よりも高めて、その内側空間内に位
置する回折光学素子6(4)の寿命を延ばす作用を持っ
ている。
【0128】ここで、回折光学素子6(4)から射出さ
れる多数の光束のフルエンスが高い場合には、射出側カ
バーガラス61bにコンパクションダメージを与え照明
ムラを生じる恐れがあるため、このカバーガラスを蛍石
(CaF2)で形成することが好ましい。なお、このカ
バーガラスを、水晶などの結晶石英(SiO2)、チタ
ン酸バリウム(BaTiO3)、三酸化チタン(Ti
3)、酸化マグネシウム(MgO)およびサファイア
(Al23)などの酸化物結晶材料で形成しても良い。
また、照明ムラを重視する場合には、上述の実施形態の
通り、カバーガラスを省略する構成をとっても良い。ま
た、回折光学素子6(4)だけではなく、上述の屈折光
学素子60も、上述と同様に一対のカバーガラス61
a,61bで保護する構成としても良い。なお、回折光
学素子4(6)の材料として、蛍石または酸化物結晶を
用いても良い。
【0129】上述の実施形態にかかる露光装置では、照
明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照明
工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用
のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことに
より、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶
表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができ
る。以下、上述の実施形態の露光装置を用いて感光性基
板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成するこ
とによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイス
を得る際の手法の一例につき図9のフローチャートを参
照して説明する。
【0130】先ず、図9のステップ301において、1
ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ
302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上に
フォトレジストが塗布される。その後、ステップ303
において、上述の実施形態の露光装置を用いて、マスク
上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロ
ットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写され
る。その後、ステップ304において、その1ロットの
ウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステッ
プ305において、その1ロットのウェハ上でレジスト
パターンをマスクとしてエッチングを行うことによっ
て、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各
ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に
上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによっ
て、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導
体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パター
ンを有する半導体デバイスをスループット良く得ること
ができる。
【0131】また、上述の実施形態の露光装置では、プ
レート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パター
ン、電極パターン等)を形成することによって、マイク
ロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。
以下、図10のフローチャートを参照して、このときの
手法の一例につき説明する。図10において、パターン
形成工程401では、上述の実施形態の露光装置を用い
てマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布され
たガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ
ー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によっ
て、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターン
が形成される。その後、露光された基板は、現像工程、
エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経るこ
とによって、基板上に所定のパターンが形成され、次の
カラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0132】次に、カラーフィルター形成工程402で
は、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3
つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、
またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組
を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形
成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後
に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立
て工程403では、パターン形成工程401にて得られ
た所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター
形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用い
て液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て
工程403では、例えば、パターン形成工程401にて
得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター
形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に
液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0133】その後、モジュール組み立て工程404に
て、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作
を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付
けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素
子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有
する液晶表示素子をスループット良く得ることができ
る。
【0134】なお、上述の実施形態では、光源1とし
て、193nmの波長の光を供給するArFエキシマレ
ーザー光源(または248nmの波長の光を供給するK
rFエキシマレーザー光源)を用いているが、これに限
定されることなく、157nmの波長の光を供給するF
2レーザー光源や、g線(436nm)やi線(365
nm)の光を供給する水銀ランプなどを用いることがで
きる。水銀ランプを用いる場合、光源1は、水銀ランプ
と楕円鏡とコリメータレンズとを有する構成となる。
【0135】さらに、上述の実施形態では、照明光学装
置を備えた投影露光装置を例にとって本発明を説明した
が、マスク以外の被照射面を照明するための一般的な照
明光学装置に本発明を適用することができることは明ら
かである。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の回折光学
素子は、外形形状の中心に対して第1方向および第2方
向にそれぞれ偏芯してリング状回折格子が形成された第
1基本回折素子と第2基本回折素子とで構成されている
ので、その強度分布特性では光強度の分布において山と
谷とが互いに埋め合い、強度分布の方位角への依存性が
弱くなって、強度分布の形態が平坦になる。
【0137】その結果、本発明の回折光学素子では、た
とえば照明光学装置に用いられて、被照射面および照明
瞳面において実質的に均一な輪帯状の照度分布を形成す
ることができる。また、本発明の回折光学素子を備えた
照明光学装置では、上述の回折光学素子の強度分布特性
に基づいて、被照射面および照明瞳面において実質的に
均一な輪帯状の照度分布を形成することができ、ひいて
は光量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を行うことができ
る。
【0138】また、本発明の照明光学装置が組み込まれ
た露光装置および本発明の照明光学装置を用いた露光方
法では、光量損失を抑えつつ良好な輪帯照明を行うこと
のできる照明光学装置を用いて、マスクに最適な照明条
件のもとで、感光性基板上にマスクパターンを忠実に転
写することができる。さらに、感光性基板上にマスクパ
ターンを忠実に転写することのできる本発明の露光装置
および露光方法を用いて、良好なマイクロデバイスを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる照明光学装置を備え
た露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
の全体構成を概略的に示す図である。
【図3】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
に含まれる第1基本回折素子の構成を概略的に示す図で
ある。
【図4】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
に含まれる第1基本回折素子および第2基本回折素子の
断面を概略的に示す図である。
【図5】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
に含まれる第2基本回折素子の構成を概略的に示す図で
ある。
【図6】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
の強度分布特性を説明する第1の図である。
【図7】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
の強度分布特性を説明する第2の図である。
【図8】本実施形態における輪帯照明用の回折光学素子
に代えて使用可能な屈折光学素子の全体構成を概略的に
示す図である。
【図9】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得
る際の手法のフローチャートである。
【図10】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得
る際の手法のフローチャートである。
【図11】特開2000−182933号公報に開示さ
れた従来の照明光学装置の要部構成を概略的に示す図で
ある。
【図12】従来の照明光学装置の各面における光束の断
面形状を示す図である。
【図13】第1フライアイレンズの構成を概略的に示す
図である。
【図14】第2フライアイレンズの入射面に形成される
輪帯状の照野の照度分布のシミュレーション結果を示す
図である。
【図15】第2フライアイレンズの入射面に形成される
照度分布が不均一になる原因を説明するための図であ
る。
【図16】回折光学素子の全体構成にかかる第1変形例
を概略的に示す図である。
【図17】回折光学素子の全体構成にかかる第2変形例
を概略的に示す図である。
【図18】第2変形例における基準素子および3種類の
補完素子に形成されたリング状回折格子のリング中心A
0(B0)を通る中央部分の断面を概略的に示す図であ
る。
【図19】回折光学素子をリソグラフィにより製造する
ために用いられるマスクの構成を概略的に示す図であ
る。
【図20】図19のマスクを用いてガラス基板上に生成
された回折光学素子を示す図である。
【図21】図1の露光装置においてマイクロレンズアレ
イに代えてロッド・インテグレータを用いた場合の要部
構成を概略的に示す図である。
【図22】(a)はブレーズ型のリング状回折光学素子
をリングパターンの中心A0(B0)を通る周期方向の断
面で切断した断面図であり、(b)は多値型のリング状
回折光学素子をリングパターンの中心A0(B0)を通る
周期方向の断面で切断した断面図であり、(c)は2値
型のリング状回折光学素子をリングパターンの中心A0
(B0)を通る周期方向の断面で切断した断面図であ
る。
【図23】回折光学素子をカバーガラスで覆う場合の構
成を概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 光源 2 整形光学系 4 回折光学素子(発散光束形成素子) 5 第1変倍光学系(アフォーカルズームレンズ) 6 輪帯照明用の回折光学素子 7 第2変倍光学系(ズームレンズ) 8 マイクロレンズアレイ 9 コンデンサー光学系 10 マスクブラインド(照明視野絞り) 11 結像光学系 60 屈折光学素子 M マスク MS マスクステージ PL 投影光学系 W ウェハ WS ウェハステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/027 G02B 27/00 V Fターム(参考) 2H042 CA12 2H049 AA03 AA04 AA13 AA14 AA33 AA37 AA50 AA60 AA63 AA65 2H052 BA02 BA03 BA09 BA12 2H097 BA10 CA12 CA13 LA10 LA11 LA12 LA17 LA20 5F046 BA03 CB13 CB23 DA11

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにほぼ同じ形状を有するリング状回
    折格子が形成された第1基本回折素子と第2基本回折素
    子とを備え、 前記第1基本回折素子では、その外形形状の中心に対し
    て前記リング状回折格子の中心が第1方向に沿って偏芯
    しており、 前記第2基本回折素子では、その外形形状の中心に対し
    て前記リング状回折格子の中心が前記第1方向とは異な
    る第2方向に沿って偏芯していることを特徴とする回折
    光学素子。
  2. 【請求項2】 前記第1方向と前記第2方向とは互いに
    ほぼ直交することを特徴とする請求項1に記載の回折光
    学素子。
  3. 【請求項3】 前記第1方向に沿った偏芯量と前記第2
    方向に沿った偏芯量とはほぼ等しいことを特徴とする請
    求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 【請求項4】 前記第1基本回折素子および前記第2基
    本回折素子は、一辺が長さLの正方形状の外形を有し、 前記偏芯量Δは、 0.28L<Δ<0.3L の条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の回
    折光学素子。
  5. 【請求項5】 前記第1基本回折素子と前記第2基本回
    折素子とはほぼ同数であることを特徴とする請求項1乃
    至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 【請求項6】 前記第1基本回折素子と前記第2基本回
    折素子とはほぼ交互に隣接配列されていることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回折光学素
    子。
  7. 【請求項7】 前記第1基本回折素子および前記第2基
    本回折素子には、複数の同心円によって規定された円形
    状および輪帯状の領域が形成され、 前記第1基本回折素子は、前記円形状または輪帯状の領
    域のうち、前記同心円の中心から偶数番目の領域に凸面
    が形成された第1基準素子と、前記同心円の中心から奇
    数番目の領域に凸面が形成された第1補完素子とを有
    し、 前記第2基本回折素子は、前記円形状または輪帯状の領
    域のうち、前記同心円の中心から偶数番目の領域に凸面
    が形成された第2基準素子と、前記同心円の中心から奇
    数番目の領域に凸面が形成された第2補完素子とを有す
    ることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記
    載の回折光学素子。
  8. 【請求項8】 前記第1基準素子と前記第1補完素子と
    はほぼ同数であり、前記第2基準素子と前記第2補完素
    子とはほぼ同数であることを特徴とする請求項7に記載
    の回折光学素子。
  9. 【請求項9】 前記第1基準素子と前記第2基準素子と
    を隣接配置して一組の基準ブロックとし、前記第1補完
    素子と前記第2補完素子とを隣接配置してもう一組の補
    完ブロックとし、該基準ブロックおよび補完ブロックを
    それぞれほぼ同数だけ含み、かつ基準ブロックおよび補
    完ブロックの空間的配置をランダム配置とすることを特
    徴とする請求項7に記載の回折光学素子。
  10. 【請求項10】 前記円形状の領域の直径の寸法と前記
    輪帯状の各領域の輪帯幅の寸法とはほぼ等しいことを特
    徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の回折光
    学素子。
  11. 【請求項11】 前記第1基本回折素子は、第1基準素
    子とn種類(nは1以上の整数)の第1補完素子とを有
    し、前記第2基本回折素子は、第2基準素子とn種類の
    第2補完素子とを有し、 第i位相(i=1〜n)の第1補完素子および第2補完
    素子は、前記第1基準素子および前記第2基準素子が発
    生する光振幅に対してi番目の位相差を持った光振幅を
    発生するパターンを有することを特徴とする請求項1乃
    至6のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  12. 【請求項12】 前記第1基本回折素子および前記第2
    基本回折素子は、それぞれ複数種類の補完素子を有し、 前記i番目の位相差はほぼ等間隔で変化していることを
    特徴とする請求項11に記載の回折光学素子。
  13. 【請求項13】 前記第1基準素子と前記第i位相の第
    1補完素子との前記i番目の位相差および前記第2基準
    素子と前記第i位相の第2補完素子との前記i番目の位
    相差は、ほぼi/(n+1)波長であることを特徴とす
    る請求項12に記載の回折光学素子。
  14. 【請求項14】 前記回折光学素子は、複数の前記第1
    基準素子と、複数の前記第2基準素子と、複数の前記第
    i位相の第1補完素子と、複数の前記第i位相の第2補
    完素子とを備えていることを特徴とする請求項11乃至
    13のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  15. 【請求項15】 前記複数の前記第1基準素子と、前記
    複数の第2基準素子と、前記複数の第i位相の第1補完
    素子と、前記複数の第i位相の第2補完素子とはすべて
    のiについてほぼ同数であることを特徴とする請求項1
    4に記載の回折光学素子。
  16. 【請求項16】 前記複数の前記第1基準素子と前記複
    数の第2基準素子と前記複数の第i位相の第1補完素子
    と前記複数の第i位相の第2補完素子とは、前記回折光
    学素子の全体に亘ってランダム配列されていることを特
    徴とする請求項14または15に記載の回折光学素子。
  17. 【請求項17】 前記回折光学素子は複数のブロックパ
    ターンを備え、各ブロックパターンにおいて前記複数の
    前記第1基準素子と前記複数の第2基準素子と前記複数
    の第i位相の第1補完素子と前記複数の第i位相の第2
    補完素子とがランダム配列されていることを特徴とする
    請求項14または15に記載の回折光学素子。
  18. 【請求項18】 各ブロックパターンにおいて前記複数
    の前記第1基準素子と前記複数の第2基準素子と前記複
    数の第i位相の第1補完素子と前記複数の第i位相の第
    2補完素子とはすべてのiについてほぼ同数であること
    を特徴とする請求項17に記載の回折光学素子。
  19. 【請求項19】 前記複数種類のブロックパターンにお
    いて、各種類のブロックパターン毎にランダム配列の形
    態が異なることを特徴とする請求項17または18に記
    載の回折光学素子。
  20. 【請求項20】 前記リング状回折格子は、2値型の回
    折光学素子パターン、ブレーズ型の回折光学素子パター
    ン、および多値型の回折光学素子パターンのうちのいず
    れか1つのパターンを有することを特徴とする請求項1
    乃至19のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  21. 【請求項21】 互いにほぼ同じ頂角を有する円錐プリ
    ズムからなる第1基本屈折素子と第2基本屈折素子とを
    備え、 前記第1基本屈折素子では、その外形形状の中心に対し
    て前記円錐プリズムの中心軸線が第1方向に沿って偏芯
    しており、 前記第2基本屈折素子では、その外形形状の中心に対し
    て前記円錐プリズムの中心軸線が前記第1方向とは異な
    る第2方向に沿って偏芯するように構成されていること
    を特徴とする屈折光学素子。
  22. 【請求項22】 前記第1方向と前記第2方向とは互い
    にほぼ直交することを特徴とする請求項21に記載の屈
    折光学素子。
  23. 【請求項23】 前記第1方向に沿った偏芯量と前記第
    2方向に沿った偏芯量とはほぼ等しいことを特徴とする
    請求項21または22に記載の屈折光学素子。
  24. 【請求項24】 前記第1基本屈折素子と前記第2基本
    屈折素子とはほぼ同数であることを特徴とする請求項2
    1乃至23のいずれか1項に記載の屈折光学素子。
  25. 【請求項25】 前記第1基本屈折素子と前記第2基本
    屈折素子とはほぼ交互に隣接配列されていることを特徴
    とする請求項21乃至24のいずれか1項に記載の屈折
    光学素子。
  26. 【請求項26】 被照射面を照明する照明光学装置にお
    いて、 輪帯状の光強度分布を有する二次光源を照明瞳面に形成
    するために、入射光束を円環状の光束に変換するための
    請求項1乃至20のいずれか1項に記載の回折光学素子
    または請求項21乃至25のいずれか1項に記載の屈折
    光学素子を備えていることを特徴とする照明光学装置。
  27. 【請求項27】 光束を供給するための光源手段と、 前記光源手段からの光束を、光軸に対して様々な角度成
    分を有する光束に変換して、第1の所定面へ入射させる
    ための角度光束形成手段と、 前記第1の所定面に入射した前記様々な角度成分を有す
    る光束に基づいて、輪帯状の照野を第2の所定面上に形
    成するために前記回折光学素子または前記屈折光学素子
    を含む照野形成手段と、 前記第2の所定面上に形成された前記輪帯状の照野から
    の光束に基づいて、前記輪帯状の照野とほぼ同じ光強度
    分布を有する輪帯状の二次光源を形成するためのオプテ
    ィカルインテグレータと、 前記オプティカルインテグレータからの光束を前記被照
    射面へ導くための導光光学系とを備えていることを特徴
    とする請求項26に記載の照明光学装置。
  28. 【請求項28】 前記角度光束形成手段は、複数の光学
    要素からなる光学部材を有し、 前記回折光学素子および前記屈折光学素子は、前記光学
    部材の各光学要素に対応する要素光束の中に基本回折素
    子または基本屈折素子が複数個含まれるように位置決め
    されていることを特徴とする請求項27に記載の照明光
    学装置。
  29. 【請求項29】 前記角度光束形成手段は、複数の光学
    要素からなる光学部材を有し、 前記回折光学素子または前記屈折光学素子は、前記光学
    部材の各光学要素に対応する要素光束中に、前記第1基
    本回折素子および前記第2基本回折素子あるいは前記第
    1基本屈折素子および前記第2基本屈折素子が含まれる
    ように位置決めされていることを特徴とする請求項27
    に記載の照明光学装置。
  30. 【請求項30】 請求項26乃至29のいずれか1項に
    記載の照明光学装置と、前記被照射面に配置されたマス
    クのパターンを感光性基板に投影露光するための投影光
    学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
  31. 【請求項31】 請求項26乃至29のいずれか1項に
    記載の照明光学装置を介してマスクを照明し、照明され
    た前記マスクに形成されたパターンの像を感光性基板上
    に投影露光することを特徴とする露光方法。
  32. 【請求項32】 入射光束を所定の射出光束に変換する
    回折光学素子を含む回折光学装置において、 前記回折光学素子の入射側光路および射出側光路の少な
    くとも一方に配置される光透過性保護部材を備え、 該光透過性保護部材は蛍石または酸化物結晶で形成され
    ることを特徴とする回折光学装置。
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JP2002324724A Pending JP2003270420A (ja) 2002-01-09 2002-11-08 回折光学素子、屈折光学素子、照明光学装置、露光装置および露光方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011517126A (ja) * 2008-04-15 2011-05-26 エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ. アライメントターゲット用回折素子
JP2013077022A (ja) * 2006-12-01 2013-04-25 Seiko Epson Corp 光源装置、画像表示装置、プロジェクタ、照明装置、及びモニタ装置
JP2013254978A (ja) * 2007-04-25 2013-12-19 Carl Zeiss Smt Gmbh マイクロリソグラフィ露光装置においてマスクを照明するための照明系

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