JP2005255922A - はんだ付け用耐熱性マスキングテープおよびプリント基板のはんだ付け方法 - Google Patents

はんだ付け用耐熱性マスキングテープおよびプリント基板のはんだ付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の課題は、環境に対する配慮から溶融温度の高い鉛フリーはんだ合金が使用されてきている。鉛フリーはんだ合金のはんだ付けに従来のSn-Pbはんだ合金用のマスキングテープを使用すると、プリント基板に糊材が残ったり、マスキングテープおよびマスキングシートを剥がすときに途中で切れたりすることが発生していた。
【解決手段】
マスキングテープの糊材に使用される耐熱性樹脂を、低温域から温度が上昇するするに従い減少を続け、100〜200℃の領域に最小値があり、その後温度の上昇に伴い増加する樹脂であり、且つ、粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上であり、300℃では107dyne/cm2以下の動的粘弾性を持った樹脂が、高耐熱性に効果があり、シリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル酸エステル共重合樹脂とを混合した樹脂がその条件に該当しており、粘着性が高く、耐熱性の高い優れたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント基板と電子部品を数次にわたってはんだ付けする際に、第2回目以降の実装工程ではんだ、接着剤および塗料などが付着しては困る箇所に保護材として貼り付けておき、はんだ付け後剥離することが可能なマスキングテープに関する。特に、鉛フリーはんだに使用可能な耐熱性の高いマスキングテープに関する。
プリント基板のはんだ付けには、はんだごてを用いてはんだ付けを行うマニュアルソルダリング。溶融したはんだにポストフラックスを付けて浸漬するか、溶融したはんだを波状に噴流させる自動はんだ付け装置を用いてはんだ付けを行うフローソルダリング。ソルダペーストまたはフォームソルダを用いて、固体のはんだをはんだ付けを行う場所に必要な量だけ供給して再融解させ、はんだ付けを行うリフローソルダリングがある。
プリント基板のはんだ付けは、以前は片面にだけ銅電極がある片面基板を用いて、マニュアルソルダリングやフローソルダリングで行われることが多かったが、今日ではプリント基板の両面に銅電極がある両面基板が主流になっている。両面基板のはんだ付けは両面ともソルダペーストを用いてリフローソルダリングではんだ付けをおこなうか、片面をソルダペーストを用いてリフローソルダリングではんだ付けをおこない、その後自動はんだ付け装置でフローソルダリングをすることがおこなわれている。
自動はんだ付け装置でフローソルダリングをおこなう時は、はんだに接触するプリント基板片面全体にはんだが付着してしまう。しかし、コンピューターなどの長期の信頼性を求められる産業機器の基板は、後から挿入するコネクターなどの挿入部品部分に防錆効果に優れた金メッキが用いられることが多い。これらの金メッキが施されたプリント基板が自動はんだ付け装置で溶融はんだに接すると金メッキがすべてはんだ中にとけ込んでしまい接触信頼性が低下してしまう。そのため、金メッキ基板などのフローソルダリングではんだ付けをおこなうときにはんだが付着しては困る場所に保護用として貼る耐熱性のテープを耐熱マスキングテープとして使用されてきた。
耐熱マスキングテープは、プリント基板などの被着体に貼り付けられた後にはんだ付けを行うため被着体と一緒に自動はんだ付け装置ではんだ中に投入され、加熱処理される。その後、貼り付けたマスキングテープを剥離する。しかし耐熱性のないマスキングテープでは、剥離した後に糊材が残留するので、溶剤等で洗浄をする必要があった。また支持基材が加熱により劣化して、引っ張り強度や引き裂き強度が低下して紙層間で剥離したり、ぼろぼろとなったりして剥離できなくなった。
さらに耐熱マスキングテープは強い粘着性も必要である。プリント基板をマスキングして自動はんだ付け装置ではんだ付けを行う際に粘着性が弱いと、フラックスを塗布した時に剥がれてしまうので、はんだを付着させたくない場所にはんだが付いてしまう。この現象は、マスキングテープがフラックスの溶剤によって膨潤することによって起きるので、マスキングテープに多量の溶剤が接触しやすい、発泡フラクサーによりフラックスを塗布する場合に顕著に現れる。そのため耐熱マスキングテープは、耐熱性と粘着性の二つの特性を兼ね揃えていなければならない。
現在では電子機器の小型化が求められており、電子機器に内蔵されている電子部品もほとんどの部品がチップ化したことに象徴されるようにより小型化している。小型の部品の実装では、はんだ量をコントロールしやすいリフローソルダリングでおこなわれているのが一般的だが、耐熱マスキングテープは、リフローソルダリングにも用いられてきている。例えば携帯電話の実装には、実装の密集度を高めるためにCOB(Chip on Board)基板が用いられているが、COB基板のチップ部品実装後にICをワイヤーボンデングをするために、基板上の金メッキをリフローガスから清浄を守るために使用されたりしている。リフローソルダリングでは、フローソルダリングに比較して長時間高温にさらされるので、より耐熱性の高いマスキングテープが必要となる。
従来プリント基板のはんだ付けにはPb-Snはんだ合金を使用していた。このPb-Snはんだ合金は、共晶組成(Pb-63Sn)では融点が183℃であり、熱に弱い電子部品に対しても熱影響が少なく、またはんだ付け性に優れているため未はんだやディウエット等のはんだ付け不良の発生も少ないという特長を有している。このPb-Sn合金を用いてはんだ付けされた電子機器が古くなったり、故障したりした場合、機能アップや修理をせず廃棄処分されていた。プリント基板を廃棄する場合、焼却処分でなく埋め立て処分をしていたが、埋め立て処分をするのは、プリント基板の銅箔にはんだが金属的に付着しており、銅箔とはんだを分離して再使用することができないからである。この埋め立て処分されたプリント基板に酸性雨が接触すると、はんだ中のPbが溶出し、それが地下水を汚染するようになる。そしてPbを含んだ地下水を長年月にわたって人や家畜が飲用するとPb中毒を起こすことが懸念されている。そこでPbを含まないいわゆる「鉛フリーはんだ」が、新しい電子機器の生産から使用が始まっている。
鉛フリーはんだとはSnを主成分としたものであり、現在使用されている鉛フリーはんだとしては、Sn-3.5Ag(融点:221℃)、Sn-3Ag-0.5Cu(融点:198℃)、Sn-0.7Cu(融点:227℃)などがあり、従来から使用されているSn-37Pb(融点:183℃)はんだ合金に比較して約40℃前後はんだの溶融温度が高い。これらの鉛フリーはんだ合金に従来のマスキングテープを使用すると、耐熱性が不足しているので、プリント基板上に糊材(粘着材)が残ったり、マスキングシートおよびマスキングテープを剥がすときに途中で切れたりする。そのため、鉛フリーはんだ合金でのはんだ付けされる電子部品、プリント基板やマスキングテープなどの部材も従来のSn-Pbはんだ合金に比較して耐熱性の高いものが求められている。
耐熱マスキングテープは、紙などの支持基材に、粘着性を持った糊材(粘着剤)が塗布された構造になっている。耐熱マスキングテープに使用する支持基材および糊材には、フローソルダリングやリフローソルダリングの加熱に耐えられる材料の選定が重要である。支持基材としては天然パルプが一般的で、耐熱性を高めるために共重合ポリエステルなどの合成繊維を混抄したものも使用されている。さらに高い耐熱性が必要なものには、高価であるが耐熱性が高いポリイミド樹脂フィルムなども使用されている。
耐熱マスキングテープに使用される糊材は、一般的に素練りされた天然ゴムに、ロジン系樹脂などの粘着性樹脂を混合したものが使用されている。また、カルボキシル基含有ビニル系モノマーとビニールモノマーを混合した熱活性型粘着剤が開示されている(特開平6−9938)。アクリル酸アルキルエステル−カルボン酸含有モノマー系重合体(特開平7−26391)やガラス転移点が350℃以下のポリイミド結合を有する樹脂でできたものもある(特開平5−105850)。またウエハ加工用のテープとして、アクリル系樹脂エマルジョンにシリコン系界面活性剤を加えたものや(特開平6−73347)、シリコン含有モノマーに反応性活性剤を添加してシリコンアクリル共重合体樹脂を合成し、エマルジョン化して粘着剤にしたものもある(特開平6−77193)。
しかしこれらの糊材は、鉛フリーはんだで使用できるほど耐熱性を持ち合わせていなかったり、はんだ付けに使用できるほど粘着性が強くなかった。さらにプリント基板に面実装の電子部品を仮固定するために使用する200〜280℃における動的粘弾性が10〜10dyne/cm2 である樹脂系材料からなる電子部品の仮固定用粘着剤も開示されている。(特開平3−179072)
特開平6−9938号公報 特開平7−26391号公報 特開平5−105850号公報 特開平6−73347号公報 特開平6−77193号公報 特開平3−179072号公報
本発明が解決しようとする課題は、環境に対する配慮から今後使用される溶融温度の高い鉛フリーはんだ合金の使用でも、プリント基板上に糊材が残ったり、マスキングテープを剥がすときに途中で切れたりすることのなく、且つ粘着力の高い耐熱性のプリント基板用マスキングテープを提供することである。
本発明者は、マスキングテープの糊材の耐熱性が、糊材として用いる樹脂の動的粘弾性に依存すること、その粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上であり、300℃では107dyne/cm2以下である特性を持った樹脂が耐熱性に効果があり、シリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル酸エステル共重合樹脂とを混合した樹脂を用いた糊材がこの条件に合うことを見出し、本発明を完成させた。
物体は力を加えると変形し、液体状態では粘性の流れを、固体状態では弾性変形を示す。マスキングテープの糊材が持っている粘着力とは、剥がされるのに抵抗する力であり、界面の分子間で破壊に抵抗する力と糊材が変形に抵抗する力の和からなっている。マスキングテープに使用される糊材は、分子量100万程度の高い分子量の樹脂からなり、流体的側面と弾性的側面を同時に持っており、粘弾性体といわれる。
マスキングテープに使用される糊材のような粘弾性体は、温度によってその影響を大きく受ける、温度と弾性率の関係を取ったものを動的弾性率と呼んでおり、粘着力に大いに関係がある。例えば、同じ糊材でも低温域では弾性率が1010dyne/cm2以上の硬く脆いガラス領域、温度を上げると粘弾性が1010〜10dyne/cm2の転移領域、さらに温度を上げると弾性率が106〜105.5dyne/cm2のゴム状領域、最高温域では105.5dyne/cm2未満の液状流動域に区別される。マスキングテープに使用される糊材が液体流動域などの弾性率が低い領域のものは、密着性や粘着性は良いが、耐熱性がないためはんだ付けなど高い温度に使用されると、糊が被接着面に残って、糊残りを起こしてしまう。またマスキングテープに使用される糊材が、ガラス領域など弾性率が高いと糊材が硬く、脆くなるので、立体的な面に使用するとマスキングテープの密着性が悪く、はんだ付け用のマスキングテープ用糊材としては使用できない。そのためマスキングテープの糊材の樹脂は、物性の変化がゆっくり変化して、温度の変化に対して物性の変化割合が少ない転移領域のものが良く使用されている。しかし、鉛フリーはんだでは高い耐熱性を要求されるために弾性率の高い樹脂が用いられるが、この樹脂は硬く、密着性が悪くなる傾向があった。
本発明は、温度を加えることにより減少した粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上であり、その後温度を加えることにより再度増加し、300℃では107dyne/cm2以下である特性を持ったマスキングテープの糊材の樹脂を用いることにより、耐熱性と粘着性との釣合をもたらした。この弾性率の変化は、マスキングテープに塗布される時点で重合などの架橋反応が一部未反応で、マスキングテープを使用する時にはんだ付けの熱で完全に架橋反応が進行するため発生しており、プリント基板をマスキングする時は、糊材の樹脂が完全に架橋していないので柔軟性があり、糊材の粘着性も高い。マスキングテープにはんだの熱が加わることにより、糊材の樹脂が完全に架橋するのでマスキングテープの剥離後の糊残りが発生しない。
本発明は、支持基材に塗工する耐熱性を有する樹脂の弾性率が、低温域から温度が上昇するに従い減少を続け、100〜200℃の領域に最小値があり、その後温度の上昇に伴い増加する樹脂であり、且つ、粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上であり、300℃では107dyne/cm2以下である樹脂を用いたことを特徴とする耐熱性マスキングテープである。本発明は、一定幅に裁断してテープ状にするだけでなく、マスキングする箇所の形に裁断して、シート状にしても良い。本発明のマスキングテープには、シート状のマスキングシートも含まれる。
本発明の温度を加えることにより減少した粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上であり、その後温度を加えることにより再度増加し、300℃では107dyne/cm2以下である特性を持ったマスキングテープの糊材の樹脂として、シリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル共重合体を混合した樹脂をあげる事ができる。シリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル共重合体樹脂の混合した樹脂では、はんだ付けの熱で未反応のシリコンアクリル共重合体樹脂の官能基とアクリル共重合体の官能基が架橋反応を起こして弾性率が上がるために、温度が高い鉛フリーはんだのはんだ付けでも、糊残りが発生しない。
本発明に用いるシリコンアクリル共重合樹脂は、シリコン含有アクリルモノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーを重合させたもので、シリコン含有量が0.5〜6質量%、分子量が3〜500万の樹脂である。本発明に用いるシリコンアクリル共重合樹脂の例としては、日本純薬株式会社製TY−B,TY−E、ARJ1AYなどがあげられる。またアクリル共重合体樹脂は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメチル(メタ)アクリレート、アクリロニトリルモノマー、ブチルアクリレートマクロモノマー、イソブチルメタアクリレートマクロモノマー、スチレン/アクリロニトリルマクロモノマー、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ペンタエリストールトリアクリレートなどのアクリルモノマーを共重合させた、分子量が68〜7万の未反応モノマーを含有した樹脂である。
本発明は、支持基材の片面に塗工された耐熱性を有する樹脂が、シリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル共重合体樹脂とを混合した樹脂を用いることにより、鉛フリーはんだのような高い温度の使用でも、糊が被接着面に残って糊残りを起こしてしまうことがない。本発明のシリコンアクリル共重合体樹脂は、弾性率を上昇させるために耐熱性を向上させる。またアクリル共重合体樹脂は弾性率を下げてしまうが、粘着性を向上させる相反する特性を持っている。
本発明の糊材として添加するシリコンアクリル共重合体樹脂の量が30質量%未満では耐熱性が低下し、糊残りが起こる。アクリル共重合体樹脂の量が30質量%未満では粘着性が低下し、マスキングテープが剥がれてしまう。
本発明は、含浸紙に耐熱繊維を混抄させた支持基材の片面に耐熱性を有する樹脂が塗工され、基材の反対側に剥離剤が塗工された保護マスキングテープおよびマスキングシートにおいて、支持基材に塗工する耐熱性を有する樹脂が、70〜30質量%のシリコンアクリル共重合体樹脂と30〜70質量%のアクリル酸エステル共重合樹脂とを混合した樹脂であることを特徴とする耐熱性マスキングテープである。
さらにより耐熱性を高めるために、糊材に使用する樹脂としてシリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル酸エステル共重合体樹脂にシランカップリング剤を添加することもできる。本発明に用いるシランカップリング剤は、ビニールトリメトキシシラン、ビニールトリエトキシシラン、トリス−(2−メトキシ・エトキシ)ビニールシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシランなどがあげられる。耐熱性を有する樹脂へのシリコン系樹脂の添加は、動的弾性率を上昇させて耐熱性を高める。しかし、弾性率を著しく上昇させるので、テープが剥がれやすくする。そのため追加で添加するシランカップリング剤は、5質量%以下に抑えなければならない。
本発明は、含浸紙に耐熱繊維を混抄させた支持基材の片面に耐熱性を有する樹脂が塗工され、基材の反対側に剥離剤が塗工された保護マスキングテープにおいて、支持基材に塗工する耐熱性を有する樹脂が、70〜30質量%のシリコンアクリル共重合体樹脂と30〜70質量%のアクリル酸エステル共重合樹脂とを混合した樹脂に、さらに0〜5質量%のシランカップリング剤を添加した樹脂であることを特徴とするはんだ付け用マスキングテープである。
本発明の糊材に使用するシリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル酸エステル共重合樹脂を混合した耐熱性樹脂は、界面活性剤と混ぜてエマルジョン化することができる。本発明に使用する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤および非イオン系界面活性剤が望ましい。アニオン系界面活性剤としては、カルボン酸塩、硫酸エステル、スルホン酸エステル塩、リン酸エステル塩などを挙げることができる。また、非イオン系界面活性剤としては、ポリエチレングリコール型、多価アルコール型の界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤とまぜてエマルジョン化した耐熱性樹脂は溶媒として水を使用することが可能で、光化学スモッグやCO2の発生原因となる、トルエン、キシレンなどのVOC(Volatile Organic Compounds:揮発性有機化合物)溶剤を使用しない、環境にも優しい耐熱マスキングテープを作ることが可能になる。
本発明は、シリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル酸エステル共重合樹脂を混合した耐熱性樹脂が界面活性剤と共にエマルジョン化された樹脂であることを特徴とするマスキングテープである。
本発明のマスキングテープの支持基材に用いる繊維は、耐熱性のあるものが必要で、パルプ、マニラ麻、化学繊維、人靭繊維および皮革コラーゲンを主体として、ビニロン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維などの耐熱性合成繊維やガラス繊維などの無機繊維を混抄したものを支持基材として用いることにより、鉛フリーはんだのリフローはんだ付けで、支持基材が加熱により劣化して、引っ張り強度や引き裂き強度が低下して紙層間で剥離したり、ぼろぼろとなったりして剥離できなくなることは無くなる。特に、パルプにアクリル繊維を混抄した繊維からなる支持基材は、耐熱性が高く、しかも本発明のシリコンアクリル共重合体樹脂およびアクリル酸エステル共重合体と溶解パラメーターの値が近いので、アンカー処理が不要となる。
本発明は、マスキングテープに用いる支持基材がパルプにアクリロニトリル繊維を混抄させたことからなるはんだ付け用マスキングテープである。
本発明の耐熱性樹脂は、糊材として支持基材の表面に塗布されるだけでなく、支持基材の中に含浸させて耐熱性を高めることが可能である。支持基材の中に含浸させることにより、支持基材の表面に塗布された樹脂との密着性が高まり、より強い粘着性樹脂でも投錨力が良くなる。
本発明の糊材を用いて、片面に糊材が塗布されたマスキングテープおよびマスキングシートだけでなく、両面に糊材を塗布して両面テープにしても良い。本発明のマスキングテープには、基材の両面に糊材が塗布された両面テープも含まれる。
本発明の耐熱マスキングテープは、環境に対する配慮から溶融温度の高い鉛フリーはんだ合金の使用でも、プリント基板上に糊材が残ったり、マスキングテープを剥がすときに途中で切れたりすることのない、耐熱性のプリント基板用マスキングテープである。また、剥がれ易い発泡フラクサーではんだ付けする時も、剥がれない粘着性の強いプリント基板用マスキングテープである。
本発明は、コネクターなどを後付する時、鉛フリーはんだのフローソルダリングで金メッキ基板をはんだ付けする際にコネクターを挿入する部分にマスキングテープを貼付すると良い。金メッキ部分がはんだ付けされずに残り、コネクターの腐食防止と接触抵抗を少なくすることができる。
またCOB基板において、リフロー後に金線でワイヤーボンディングをする時、そのままリフロー炉に基板を入れてしまうと、リフロー炉内で発生するフラックスガスで基板表面が汚れてしまうので、ワイヤーボンディング箇所にマスキングテープを貼付すると良い。リフロー後の洗浄なしで、ワイヤーボンディングが可能となる。
本発明の糊材に使用する耐熱性樹脂を表1の配合で作り、動的粘弾率G’を測定した。150℃および300℃の測定値は表1に、代表的な例のグラフを図1に示す。
実施例1
動的粘弾性試験
・試験装置:岩本製作所製粘弾性スペクトルメーター VES−F3
・測定周波数:3Hz
・測定温度50℃〜300℃
本発明の耐熱性樹脂を表1の配合で作り、厚さ53μmの支持基材に含浸材を35μm含浸させる。グラビアローラーで支持基材に耐熱性の樹脂と架橋剤を混合したものを38μmの厚みに塗布し、その支持基材の裏面には剥離剤を8μmの厚みで塗布する。熱風炉でエージングを行い耐熱性樹脂を重合、架橋させる。エージング後室温まで冷却し、25mmの幅に裁断した。作製したマスキングテープを以下に述べる条件で、テープの粘着性を比較した。
支持基材:アクリロニトリル混抄フラット紙(アクリロニトリル樹脂30質量%、パルプ70質量%)
耐熱性樹脂:表1を参照。
架橋剤:シランカップリング剤
剥離剤:シリコンアクリル樹脂とシリコンエマルジョンとフッ素エマルジョンの96:2:2混合液
テープとしての特性試験を行った。結果は、表1に示す。
粘着性試験
試験方法:JISZ 0237 10.4「180度引きはがし粘着力」に準じた。
実施例2で作成したマスキングテープを用いて、はんだ付け後の耐熱性(糊残り)試験を実施した。
試験基板:50mm×50mm×0.5mmのJIS H 3100に規定するりん脱酸銅板
圧着装置:JISZ 0237 10.2.4 に規定されたローラー
はんだ槽:1,000ccの容量のもの。温度設定260℃
はんだ :Sn-3Ag-0.5Cuの組成の鉛フリーはんだ
試験方法:
1. 銅板の表面をスチールウールで、均一に研磨後、ブロアーを使用して、銅板表面に付着したゴミ等を吹き飛ばす。
2. 銅板に空気が入らないようにしてテープを貼り、ローラーを一往復して圧着する。
3. 室温で15分放置後、260℃に設定したはんだ槽に銅板を投入して20秒間加熱する。
4. 15分放冷後にテープを剥離、銅板の表面を観察する。
5. 判定基準は、次の6段階に分類した。
・ほとんど糊残りのないもの−−−レベル0
・1〜2カ所糊残りしているもの−−−レベル1
・一部に糊残りの見られるもの−−−レベル2
・部分的に糊残りが見られるもの−−−レベル3
・大部分に糊残りが見られるもの−−−レベル4
・全面に糊残りが見られるもの−−−レベル5
測定結果を表1に、限度見本を図2に示す。
実施例2で作成したマスキングテープを用いて試験基板のランドをマスキング後、自動はんだ付け装置でプリント基板のはんだ付けを行い、24時間後にマスキングテープを剥がした。自動はんだ付け装置ではんだ付け後にマスキングテープが剥がれていないこと、24時間後にマスキングテープを剥がして糊残りがないことの2つの項目について比較した。
結果を表2に示す。
1.作業条件
試験基板:5個コネクターランドを配置したFR-4両面金メッキ基板、サイズ100×120mm
試験部品:200ピンコネクター
自動はんだ付け装置:千住金属工業製 エコマスターSPD2−300
自動はんだ付け装置条件:
1).コンベアスピード:1m/min
2).コンベア角度:3℃
3).噴流高さ:5mm
4).はんだ付け温度・時間:260℃、5秒
5).はんだ:Sn-3.0Ag-0.5Cu鉛フリーはんだ
6).フラクサー:発泡
7).フラックス:千住金属工業製 スパークルフラックスES−1061
8).フラックス比重:0.822

2.作業性判定基準
次の通り判定基準を定めた。
1).はんだ付け後の剥がれ
剥がれのないもの :○
端が一部はがれているもの:△
1/3以上剥がれているもの:×

2).24時間経過後の糊残り
糊残りのないもの :○
かすかに糊残りの発生したもの :△
ランド面1/3以上に糊残りが発生したもの:×
結果は、本願発明のシリコンアクリル共重合体樹脂とアクリル酸エステル共重合樹脂とを混合した樹脂を糊材に使用した耐熱性マスキングテープである、動的粘弾率が低温域から温度が上昇するするに従い減少を続け、100〜200℃の領域に最小値があり、その後温度の上昇に伴い増加し、且つ、粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上で、300℃では107dyne/cm2以下である樹脂は、はんだ付け時のテープの剥がれもなく、粘着性も良好であり、剥離後の糊残りがなく、はんだ付け後の耐熱性も良好な優れたものである。
代表的な例の動的粘弾率G’の測定結果。 耐熱性(糊残り)試験の限度見本

Claims (6)

  1. 含浸紙に耐熱繊維を混抄させた支持基材の片面に耐熱性を有する樹脂が塗工され、基材の反対側に剥離剤が塗工された耐熱性マスキングテープにおいて、支持基材に塗工する耐熱性を有する粘着性樹脂が、70〜30質量%のシリコンアクリル共重合体樹脂と30〜70質量%のアクリル酸エステル共重合樹脂とを混合した樹脂であることを特徴とする耐熱性マスキングテープ。
  2. 支持基材に塗工する耐熱性を有する樹脂に、さらに0〜5質量%のシランカップリング剤を添加した樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の耐熱性マスキングテープ。
  3. 支持基材に塗工する耐熱性を有する樹脂が界面活性剤でエマルジョン化された樹脂であることを特徴とする請求項1および2に記載の耐熱性マスキングテープ。
  4. 含浸紙に耐熱繊維を混抄させた支持基材の片面に耐熱性を有する樹脂が塗工され、基材の反対側に剥離剤が塗工された耐熱性マスキングテープにおいて、支持基材に塗工する耐熱性を有する樹脂の弾性率が、低温域から温度が上昇するするに従い減少を続け、100〜200℃の領域に最小値があり、その後温度の上昇に伴い増加する樹脂であり、且つ、粘弾率の最小値が105.2dyne/cm2 以上であり、300℃では107dyne/cm2以下である樹脂を用いたことを特徴とする耐熱性マスキングテープ。
  5. 耐熱繊維を混抄させた支持基材が、パルプにアクリロニトリル繊維を混抄させた繊維からなる請求項1〜4に記載の耐熱性マスキングテープ。
  6. 請求項1〜5に記載の耐熱マスキングテープを使用して、プリント基板をはんだ付けするはんだ付け方法。
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