JP2005252332A - 音場再生装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 後方の仮想スピーカの音が前方から聞こえてしまうといった不具合を解消し、車室音場の再生に好適な音場再生装置及びその制御方法を提供する。
【解決手段】 音場再生装置10は、聴取者の前方に想定される仮想スピーカFL’、FR’から到達する音を、聴取者の前方に配置されたフロントスピーカL1、R1から放音させ、聴取者の後方に想定される仮想スピーカRL’、RR’から到達する音を、聴取者の後方に配置されたリアスピーカL2、R2だけから放音させるように入力音声信号SL、SRに音場効果を付加して4チャンネルの音声信号を生成した後、これら音声信号にクロストークキャンセル処理を施して出力する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のスピーカを用いて仮想空間に配置された複数の仮想スピーカから聴取位置に届く音を再生する音場再生装置及びその制御方法に関する。
リスニングルームやコンサートホール等の室内音響設計を行う際、音響性能をシミュレーションによって予測してその音場効果を付加した音声信号を再生する音場再生装置が知られている(例えば、特許文献1)。また、この種の音場再生装置には、2個のスピーカによりコンサートホール等の音場効果を付加した2チャンネルの音声信号を再生するものが知られている(例えば、特許文献2)。
特開平7−168587号公報 特開平10−70798号公報
ところで、2個のスピーカを用いて、例えば4スピーカ構成の車両の室内音場を無響室等で再現する場合を想定すると、まず、運転席等に聴取者としてのダミーヘッドを模擬し、シミュレーションで求めたインパルス応答や頭部伝達関数を用いるのが一般的である。
しかしながら、実際に視聴する聴取者とダミーヘッドの頭や耳の形状の違いによる頭部伝達関数や外耳道音響伝搬特性の差違によって、2個のスピーカを聴取者の前方に配置した場合は、車両の各フロントドア等に設置されるフロントスピーカからの音は比較的良好に再現できるが、車両のリアドア等に配置されるリアスピーカからの音の再現は難しく、リアスピーカの音が前方から聞こえてしまう場合があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、後方の仮想スピーカの音が前方から聞こえてしまうといった不具合を解消し、車室音場の再生に好適な音場再生装置及びその制御方法を提供することを目的としている。
上述課題を解決するため、本発明は、複数のスピーカを用いて、仮想空間に配置された複数の仮想スピーカから聴取位置に届く音を再生する音場再生装置において、各仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、その聴取位置を基準に定めた所定方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させると共に、前記所定方向と反対方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することを特徴とする。この構成によれば、本来の方向と異なる方向から音が聞こえてしまう場合を回避できる。
上記構成において、前記聴取位置の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の前方にある前記スピーカから放音させ、かつ、前記聴取位置の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の後方にある前記スピーカから放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することが好ましい。また、前記聴取位置を聴取者の位置とし、前記複数の仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答を記憶する記憶手段と、前記入力音声信号に前記各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して所定の組み合わせで加算することによって前記複数チャンネルの音声信号を生成する演算手段とを有するように構成すればよい。
また、前記演算手段は、前記入力音声信号として、左右2チャンネルの音声信号を入力し、右チャンネルの音声信号に対しては、前記聴取者の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成すると共に、前記聴取者の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成し、左チャンネルの音声信号に対しては、前記聴取者の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成すると共に、前記聴取者の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成することが好ましい。
さらに、前記聴取者の前方のスピーカに対応するチャンネルの前記音声信号に対し、前記前方のスピーカからクロストークを生じさせことなく前記聴取者の左右の耳に音が到達するように演算処理を施す第1クロストークキャンセル手段と、前記聴取者の後方のスピーカに対応するチャンネルの前記音声信号に対し、前記後方のスピーカからクロストークを生じさせることなく前記聴取者の左右の耳に音が到達するように演算処理を施す第2クロストークキャンセル手段とを設けることが好ましい。また、前記聴取者の前方にある前記仮想スピーカと前記複数のスピーカの数をそれぞれ2台とし、前記聴取者の後方にある前記仮想スピーカと前記複数のスピーカの数はそれぞれ2台としてもよい。
また、本発明は、複数のスピーカを用いて、仮想空間に配置された複数の仮想スピーカから聴取位置に届く音を再現する音場再生装置の制御方法において、各仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、その聴取位置を基準に定めた所定方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させると共に、前記所定方向と反対方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することを特徴とする。この構成において、前記聴取位置の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の前方にある前記スピーカから放音させ、かつ、前記聴取位置の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の後方にある前記スピーカから放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することが好ましい。
本発明は、本来の方向と異なる方向から音が聞こえてしまう場合を回避でき、音場を良好に再生することが可能となる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る音場再生装置10をその周辺構成と共に示す図である。この音場再生装置10は、例えば、無響室や反射の少ない環境下において設計段階の仮想車両の室内音場を視聴するために用いられる装置であり、本実施形態では、左右2チャンネルの音声信号SL、SRを入力して上記車内音場の音場効果を付加した4チャンネルの音声信号を生成して出力する場合を例に説明する。
この音場再生装置10に接続される4台のスピーカは、聴取位置(聴取者の位置)の前方に2台(フロント左右チャンネルを構成するフロントスピーカL1、R1)配置し、聴取位置の後方に2台(リア左右チャンネルを構成するリアスピーカL2、R2)を配置する構成とされる。
また、この図において、上記仮想車両のフロント左右チャンネルを構成する仮想スピーカFL’、FR’の位置と、リア左右チャンネルを構成する仮想スピーカRL’、RR’の位置の一例を波線で示している。すなわち、ここでの仮想車両は、フロントドアとリアドアとにスピーカが一台ずつ配置された、4スピーカ構成の車両を想定している。
図1に示すように、この音場再生装置10は、入力音声信号SL、SRに音場効果を付加する音場効果付加部20と、クロストークキャンセル部30、31と、この音場再生装置10全体を制御するコンピュータとして機能する制御部35と、各種データを記憶する記憶部36とを備えている。なお、図示は省略するが、この音場再生装置10は、一般の音場再生装置が備える基本構成、具体的には、入力音声信号をアナログデジタル変換するADコンバータ、出力音声信号(4チャンネルの音声信号)をデジタルアナログ変換するDAコンバータ、アンプ、及び、電源オンやボリューム調整等を行うための入力インターフェースなどを備えている。
ここで、記憶部36には、制御部35が実行する制御用プログラムの他、上記仮想車室内の仮想スピーカFL’、FR’、RL’、RR’毎のインパルス応答を示すデータが記憶される。ここで、インパルス応答とは、各スピーカから聴取位置に到達する音の挙動(直接音や反射音のレベルや遅延時間など)を表す伝達関数であり、コンピュータシミュレーション或いは実測により取得されるものである。
例えば、コンピュータシミュレーションの場合は、仮想車室内の運転席にダミーヘッドを想定し、このダミーヘッドの左右の耳位置EL、ERを視聴位置に設定して、車室内に配置した各仮想スピーカFL’、FR’RL’、RR’と各聴取位置との間のインパルス応答を演算することにより取得する。より具体的には、このシミュレーションにより、仮想スピーカFL’から視聴位置EL、ERまでのインパルス応答FL−L(「−L」は視聴ポイントが左耳)、FL−R(「−R」は視聴ポイントが右耳)と、仮想スピーカFR’から各視聴位置EL、ERまでのインパルス応答FR−L、FR−Rと、仮想スピーカRL’から各視聴位置EL、ERまでのインパルス応答RL−L、RL−Rと、仮想スピーカRR’から各視聴位置EL、ERまでのインパルス応答RR−L、RR−Rとを取得する。なお、このシミュレーション処理は公知の手法を広く適用することが可能である。
図2は、音場効果付加部20の機能構成を示すブロック図である。音場効果付加部20は、制御部35の制御の下、左右2チャンネルの音声信号SL、SRに対し、上記インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算する8つの畳込演算部41〜48と、この畳込演算部41〜48により生成された音声信号S1〜S8を所定の組み合わせで加算する4つの加算部51〜54とから構成される。
詳述すると、左チャンネル(音声信号SL)の音声系統には、4つの畳込演算部41〜44と2つの加算部51、52とが設けられる。畳込演算部41は、音声信号SLにインパルス応答FL−Lを畳み込み演算することによって、仮想スピーカFL’から左耳に到達する音(直接音だけでなく残響音も含む。以下同様。)の音声信号S1を生成する。また、畳込演算部22は、音声信号SLにインパルス応答FL−Rを畳み込み演算することによって、仮想スピーカFL’から右耳に到達する音の音声信号S2を生成する。加算部51は、これら音声信号S1及びS2を加算してフロント左チャンネルの音声信号S12として出力する。
すなわち、これら畳込演算部41、42及び加算部51は、左チャンネルの入力音声信号SLに対し、フロント左チャンネルの仮想スピーカFL’から聴取位置までのインパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算することによって、仮想スピーカFL’から聴取位置に届く音の音場効果を付与した音声信号S12を生成する第1演算手段として機能する。
また、畳込演算部43は、音声信号SLにインパルス応答RL−Lを畳み込み演算することによって、仮想スピーカRL’から左耳に到達する音の音声信号S3を生成し、畳込演算部44は、音声信号SLにインパルス応答RL−Rを畳み込み演算することによって、仮想スピーカRL’から右耳に到達する音の音声信号声S4を生成する。そして、加算部52は、これら音声信号S3及びS4を加算してリア左チャンネルの音声信号S34として出力する。
すなわち、これら畳込演算部43、44及び加算部52は、左チャンネルの入力音声信号SLに対し、リア左チャンネルの仮想スピーカRL’から聴取位置までのインパルス応答を畳み込み演算して加算することによって、仮想スピーカRL’から聴取位置に届く音の音場効果を付与したリア左チャンネルの音声信号S34を生成する第2演算手段として機能する。
また、右チャンネルの音声系統(音声信号SR)にも、左チャンネルの音声系統と同様に、4つの畳込演算部45〜48と2つの加算部53、54とが設けられる。具体的には、畳込演算部45は、音声信号SRにインパルス応答FR−Lを畳み込み演算することによって、仮想スピーカFR’から左耳に到達する音の音声信号S5を生成する。また、畳込演算部46は、音声信号SRにインパルス応答FR−Rを畳み込み演算することによって、仮想スピーカFR’から右耳の視聴ポイントに到達する音の音声信号S6を生成する。加算部32は、これら音声信号S5及びS6を加算してフロント右チャンネルの音声信号S56として出力する。
すなわち、これら畳込演算部45、46及び加算部53は、右チャンネルの入力音声信号SRに対し、フロント右チャンネルの仮想スピーカFR’から聴取位置までのインパルス応答を畳み込み演算して加算することによって、仮想スピーカFR’から聴取位置に届く音の音場効果を付与したフロント右チャンネルの音声信号S56を生成する第3演算手段として機能する。
また、畳込演算部47は、音声信号SRにインパルス応答RR−Lを畳み込み演算することによって、仮想スピーカRR’から左耳に到達する音の音声信号S7を生成し、畳込演算部48は、音声信号SRにインパルス応答RR−Rを畳み込み演算することによって、仮想スピーカRR’から右耳に到達する音の音声信号S8を生成する。加算部54は、これら音声信号S7及びS8を加算してリア右チャンネルの音声信号S78として出力する。
すなわち、これら畳込演算部47、48及び加算部54は、右チャンネルの入力音声信号SRに対し、リア右チャンネルの仮想スピーカRR’から聴取位置までのインパルス応答を畳み込み演算して加算することによって、仮想スピーカRR’から聴取位置に届く音の音場効果を付与したリア右チャンネルの音声信号S78を生成する第4演算手段として機能する。
このようにして、この音場効果付加部20は、前方の仮想スピーカFL’、FR’から届く音の音場効果をそれぞれ付加した音声信号S12、S56を生成すると共に、後方の仮想スピーカRL’、RR’から届く音の音場効果をそれぞれ付加した音声信号S34、S78を生成する。以上が音場効果付加部20の機能である。
クロストークキャンセル部(第1クロストークキャンセル部)30は、制御部35の制御の下、音場効果付加部20から出力されたフロント左右チャンネルの音声信号S12、S56間のクロストークをキャンセルする所定の処理を施すものである。また、クロストークキャンセル部(第2クロストークキャンセル部)31は、制御部35の制御の下、音場効果付加部20から出力されたリア左右チャンネルの音声信号S34、S78間のクロストークをキャンセルする処理を施すものである。ここで、クロストークをキャンセルする処理とは、各チャンネルの音声が反対側の耳へまわりこむ現象(クロストーク)をキャンセルするための演算処理であり、公知の手法を適用すればよい。
例えば、図3にクロストークキャンセル部30の一例を示すように、クロストークキャンセル部30を、4個のフィルタ61〜64と2個の減算器65、66により構成し、各フィルタ61〜64の伝達関数を適当に選ぶことによって、聴取者の左右に耳に聴取される音からクロストーク成分を相殺することが可能となる。なお、クロストークキャンセル部31は、上記クロストークキャンセル部31と同様の構成を適用すればよいため、その説明は省略する。
図4は、この音場再生装置10の動作フローを示す図である。なお、この図において、左側のステップS1A〜S4Aの処理はフロント左右チャンネルの音声処理を示し、右側のステップS1B〜S4Bの処理はリア左右チャンネルの音声処理を示しており、これら音声処理は並行して行われるようになっている。
まず、フロント左右チャンネルの音声処理について説明する。制御部35は、2チャンネルの音声信号SL、SRを入力すると、音場効果付加部20により、前方の仮想スピーカFL’、FR’と聴取位置との間の各インパルス応答を音声信号SL、SRにそれぞれ畳み込み演算させて上記音声信号S1、S2、S5、S6を生成させ(ステップS1A)、音声信号S1、S2を加算した音声信号S12と、音声信号S5、S6を加算した音声信号S56とを生成する(ステップS2A)。
次いで、制御部35は、クロストークキャンセル部30により、音声信号S12、S56に上記クロストークキャンセル処理を施して出力させる(ステップS3A)。そして、制御部35は、これら音声信号S12、S56をデジタルアナログ変換し、アンプにより増幅した後、フロント左右チャンネルの音声信号として出力する(ステップS4A)。これにより、フロントスピーカL1、R1から仮想スピーカFL’、FR’から聴取位置に到達する音を正確に再現した音声が放音される。
このように、聴取者の前方に想定される仮想スピーカFL’、FR’から到達する音を、聴取者の前方に配置されたフロントスピーカL1、R1だけから放音させるので、実際に視聴する聴取者とダミーヘッドの頭や耳の形状の違いによる伝達関数や外耳道音響伝搬特性に差違が生じても、仮想スピーカFL’、FR’の音は前方からの音が支配的となり、仮想スピーカFL’、FR’の音の再現性を良好にすることができる。
一方、上記処理と並行して、制御部35は、音場効果付加部20により、後方の仮想スピーカRL’、RR’と聴取位置との間の各インパルス応答を音声信号SL、SRにそれぞれ畳み込み演算させて上記音声信号S3、S4、S7、S8を生成させ(ステップS1B)、音声信号S3、S4を加算した音声信号S34と、音声信号S7、S8を加算した音声信号S78とを生成する(ステップS2B)。次いで、制御部35は、クロストークキャンセル部31により、音声信号S34、S78に上記クロストークキャンセル処理を施して出力する(ステップS3B)。そして、制御部35は、これら音声信号S34、S78をデジタルアナログ変換し、アンプにより増幅した後、リア左右チャンネルの音声信号として出力する(ステップS4B)。これにより、リアスピーカL2、R2から仮想スピーカRL’、RR’から聴取位置に到達する音を正確に再現する音声が放音される。
このように、聴取者の後方に想定される仮想スピーカRL’、RR’から到達する音を、聴取者の後方に配置されたリアスピーカL2、R2だけから放音させるので、実際に視聴する聴取者とダミーヘッドの伝達関数や外耳道音響伝搬特性に差違が生じても、仮想スピーカRL’、RR’の音は後方からの音が支配的となり、仮想スピーカRL’、RR’の音の再現性を良好にすることができる。
これによって、仮想車室に配置された仮想スピーカFL’、FR’と仮想スピーカRL’、RR’からの音と、実際のスピーカL1、R1、L2、R2からの音との差違が小さくなり、十分な音場再生を行うことが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係る音場再生装置10は、聴取者の前方に想定される仮想スピーカFL’、FR’から到達する音を、聴取者の前方に配置されたフロントスピーカL1、R1から放音させ、聴取者の後方に想定される仮想スピーカRL’、RR’から到達する音を、聴取者の後方に配置されたリアスピーカL2、R2だけから放音させるように入力音声信号SL、SRに音場効果を付加することにより、本来前方から聞こえる音が後方から聞こえたり、本来後方から聞こえる音が前方から聞こえてしまうという不具合を解消し、車室音場を良好に再生することができる。
また、フロント左右チャンネルの音声信号S12、S56にクロストークキャンセル処理を施すと共に、リア左右チャンネルの各音声信号S34、S78にクロストークキャンセル処理を施すことによって、車室音場の再現性をより向上させることができる。
上述した実施形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更可能である。さらに、実施例で示した構成はそれに限定されるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、聴取者の位置を後部席に設定し、上記仮想スピーカFL’、FR’RL’、RR’が全て聴取者の前方に位置するようになった場合は、仮想スピーカFL’、FR’RL’、RR’から到達する音を、フロントスピーカL1、R1だけから放音するように入力音声信号SL、SRに音場効果を付加すればよい。
また、仮想スピーカの数は4台に限らない。要は、複数の仮想スピーカのうち、聴取位置の前方にある仮想スピーカから到達する音は前方のスピーカから放音するようにし、聴取位置の後方にある仮想スピーカから到達する音は後方のスピーカから放音するようにすればよい。
さらに、上記実施形態では、聴取位置の前方か後方かを基準に、各仮想スピーカの音を放音するスピーカを割り振る場合について説明したが、前方か後方かに限らず、例えば、聴取位置の左か右かに基づいて仮想スピーカの音を放音するスピーカを割り振るようにしてもよい。
具体的には、図1に示すスピーカの配置構成の場合は、聴取位置の左に想定される仮想スピーカFL’、RL’から到達する音は左の前後スピーカL1、L2から放音するように入力音声信号SLに音場効果を付加して2チャンネル(フロント左チャンネル、リア左チャンネル)の音声信号を生成し、聴取位置の左に想定される仮想スピーカFL’、RL’から到達する音は左の前後スピーカR1、R2から放音するように入力音声信号SRに音場効果を付加して2チャンネル(フロント右チャンネル、リア右チャンネル)の音声信号を生成するようにしてもよい。この場合、左の音と右の音を明確に分離でき、左から聞こえる音が右から聞こえてしまったり、その逆の場合が生じる場合を回避することができる。
要は、本発明は、各仮想スピーカから聴取位置に届く音を、その聴取位置を基準に定めた所定方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させると共に、該所定方向と反対方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することにより、本来の方向と異なる方向から音が聞こえてしまう場合を回避でき、音場を良好に再生することが可能となる。
また、上述の実施形態では、上記音場効果付加処理やクロストークキャンセル処理をハードウェアによって行う場合について述べたが、ソフトウェア処理によって行うようにしてもよい。さらに、音場再生装置10の制御を行うための制御プログラムを予め記憶部36に記憶しておく場合について述べたが、この制御プログラムを、磁気記録媒体、光記録媒体、半導体記録媒体などのコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納し、コンピュータが記録媒体からこの制御プログラムを読み取って実行するようにしてもよい。また、この制御プログラムを通信ネットワーク上の配信サーバなどからダウンロードできるようにしてもよい。
さらにまた、本発明の音場再生装置は、無響室や反射の少ない環境下において設計段階の仮想車両の室内音場を視聴するためのものに限らず、車載される音場再生装置など様々な音場再生装置に広く適用が可能である。
本実施形態に係る音場再生装置をその周辺構成と共に示す図である。 音場効果付加部の機能構成を示すブロック図である。 クロストークキャンセル部の一例を示す図である。 音場再生装置の動作フローを示す図である。
符号の説明
10 音場再生装置
20 音場効果付加部
30、31 クロストークキャンセル部
35 制御部
36 記憶部
41〜48 畳込演算部
51〜54 加算部
61〜64 フィルタ
L1、L2、R1、R2 スピーカ
FL’、FR’、RL’、RR’ 仮想スピーカ

Claims (8)

  1. 複数のスピーカを用いて、仮想空間に配置された複数の仮想スピーカから聴取位置に届く音を再生する音場再生装置において、
    各仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、その聴取位置を基準に定めた所定方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させると共に、前記所定方向と反対方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することを特徴とする音場再生装置。
  2. 前記聴取位置の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の前方にある前記スピーカから放音させ、かつ、前記聴取位置の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の後方にある前記スピーカから放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の音場再生装置。
  3. 前記聴取位置は聴取者の位置であり、
    前記複数の仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答を記憶する記憶手段と、
    前記入力音声信号に前記各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して所定の組み合わせで加算することによって前記複数チャンネルの音声信号を生成する演算手段とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の音場再生装置。
  4. 前記演算手段は、
    前記入力音声信号として、左右2チャンネルの音声信号を入力し、
    右チャンネルの音声信号に対しては、前記聴取者の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成すると共に、前記聴取者の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成し、
    左チャンネルの音声信号に対しては、前記聴取者の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成すると共に、前記聴取者の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取者の左右の耳までの各インパルス応答をそれぞれ畳み込み演算して加算した音声信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の音場再生装置。
  5. 前記聴取者の前方のスピーカに対応するチャンネルの前記音声信号に対し、前記前方のスピーカからクロストークを生じさせことなく前記聴取者の左右の耳に音が到達するように演算処理を施す第1クロストークキャンセル手段と、
    前記聴取者の後方のスピーカに対応するチャンネルの前記音声信号に対し、前記後方のスピーカからクロストークを生じさせることなく前記聴取者の左右の耳に音が到達するように演算処理を施す第2クロストークキャンセル手段とを有することを特徴とする請求項3又は4に記載の音場再生装置。
  6. 前記聴取者の前方にある前記仮想スピーカと前記複数のスピーカの数はそれぞれ2台であり、
    前記聴取者の後方にある前記仮想スピーカと前記複数のスピーカの数はそれぞれ2台であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の音場再生装置。
  7. 複数のスピーカを用いて、仮想空間に配置された複数の仮想スピーカから聴取位置に届く音を再現する音場再生装置の制御方法において、
    各仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、その聴取位置を基準に定めた所定方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させると共に、前記所定方向と反対方向に想定される各仮想スピーカと同方向にある各スピーカからそれぞれ放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することを特徴とする音場再生装置の制御方法。
  8. 前記聴取位置の前方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の前方にある前記スピーカから放音させ、かつ、前記聴取位置の後方に想定される前記仮想スピーカから前記聴取位置に届く音を、前記聴取位置の後方にある前記スピーカから放音させるように、入力音声信号に対して音場効果を付加して複数チャンネルの音声信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の音場再生装置の制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10321252B2 (en) 2012-02-13 2019-06-11 Axd Technologies, Llc Transaural synthesis method for sound spatialization

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