JP2005249681A - 硬さ評価システム、硬さ評価方法および硬さ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

硬さ評価システム、硬さ評価方法および硬さ評価方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、硬さ測定が困難な微小領域についても硬さを推定し得る硬さ評価システムおよび硬さ評価方法を提供する。
【解決手段】電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定手段6と、相関情報を保存する相関情報保存手段7と、相関情報を参照し、結晶方位角度差測定手段6が硬さを評価したい硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関情報とを比較し、金属材料の硬さを推定することで評価を行う硬さ評価手段8と、硬さ評価手段8が推定した硬さから硬さ以外の特性を推定することで評価を行う特性評価手段9とを具備する。また、相関情報保存手段7には、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関を示す第1の相関情報11と、例えば、材料の機械的特性や機械的特性の経年変化および応力腐食割れ感受性等の硬さ以外の特性と硬さとの相関を示す第2の相関情報12とを保存し格納する相関情報DB13が格納される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、部材の劣化を評価するシステム等に係り、特に、部材の微小領域における硬さを評価する硬さ評価システム、硬さ評価方法および硬さ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
発電プラント等を構成する構造材料は、使用環境によって延靭性の低下や応力腐食割れ感受性の増大等の経年的な劣化が生じることがある。このような経年的な劣化を評価する指標は幾つかあるが、その一つに硬さが用いられている。中でも、高硬度鋼は、原子炉等の高温高圧水環境下において応力腐食割れを発生する可能性があることが知られており、例えば、ステンレス鋼がある硬さ以上の値で応力腐食割れ感受性を示すことは非特許文献「Stress Corrosion Cracking of Cold Worked Stainless Steels in high temperature Water」(CORROSION 94,No.237)に記載されている。
また、硬さの評価は、ダイヤモンド等の圧子をある荷重で被測定部に押し込み、その際に形成された圧痕の大きさから決定されるのが一般的である。このような硬さの評価を行う硬さ評価システムおよび硬さ評価方法の一例は、特開2000−249640号公報に記載されている。
特開2000−249640号公報 「Stress Corrosion Cracking of Cold Worked Stainless Steels in high temperature Water」(CORROSION 94,No.237)
発電プラント等の実機における構造部材の損傷は、材料表面や溶接部近傍から発生することが多く、硬さの情報を得るためには、極表面近傍や溶接部近傍等の微小領域において測定を行う必要がある。しかしながら、上述した硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、圧痕の大きさと被測定部の面積の関係で硬さ測定範囲に制限があり、極表面近傍や溶接部近傍等の微小領域における硬さ測定が困難であった。
また、実機を運用しつつ実機の部材の損傷を評価するためには、硬さ測定用の試料を採取する際に実機に影響を及ぼさない程度の大きさにとどめる必要があるので、上述する従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、測定が困難あるいは測定できない微小な試料しか採取できない事情がある。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、発電プラント等の構造材料のように従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、硬さ測定が困難な微小領域についても、硬さを推定し得る硬さ評価システム、硬さ評価方法および硬さ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することにある。
本発明に係る硬さ評価システムは、上述した課題を解決するために、請求項1に記載するように、電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差を測定可能な結晶方位角度差測定手段と、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関を示す相関情報を保存する相関情報保存手段と、前記相関情報を参照し、前記結晶方位角度差測定手段が硬さを評価したい硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関情報とを比較し、金属材料の硬さを推定することで評価を行う硬さ評価手段とを具備することを特徴とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る硬さ評価システムは、請求項2に記載するように、前記相関情報保存手段に前記相関情報に加え、硬さと硬さ以外の特性との相関を示す第2の相関情報を予め保存しておき、前記第2の相関情報と前記硬さ評価手段が推定した硬さから前記硬さ以外の特性を推定することで評価を行う特性評価手段をさらに具備することを特徴とする。
本発明に係る硬さ評価方法は、上述した課題を解決するために、請求項4に記載するように、硬さを測定したい金属材料の硬度被測定部位について硬さを評価する硬さ評価行程を具備し、この硬さ評価行程は、前記硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定ステップと、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め作成した結晶方位角度差と硬さとの相関情報を取得する結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップと、前記結晶方位角度差測定ステップで前記硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と前記結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報とを比較して前記硬度被測定部位の硬さを推定する硬さ推定ステップとを備えることを特徴とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る硬さ評価方法は、請求項5〜8に記載するように、前記硬度被測定部位は、金属材料の微小領域、表面近傍、溶接部近傍および微小試験片のいずれかであることを特徴とする。
ここで、請求項5に記載する微小領域とは、従来の硬さ評価装置、すなわち、ダイヤモンド等の圧子をある荷重で被測定部に押し込み、その際に形成された圧痕の大きさから硬さを測定し評価する硬さ評価装置を用いて硬さ測定が困難または不可能な程度の大きさの領域をいう。また、請求項6に記載する表面近傍とは、表面(面積)のみならず、上記の硬さ評価装置を用いて硬さを測定し得る材料の厚さ方向をも含めた範囲をいう。さらに、請求項7に記載する溶接部近傍とは、溶接を行っている箇所のみならず、溶接を行ったことにより熱影響を受けている箇所をも含む範囲をいう。さらにまた、請求項8に記載する微小試験片とは、実機から硬さ測定用として、実機に影響を及ぼさない程度に採取された試料から加工し得る大きさの試験片をいう。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る硬さ評価方法は、請求項9に記載するように、前記硬さ評価行程は、予め作成した耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性と硬さとの相関情報を取得する機械的特性−硬さ相関取得ステップと、この機械的特性−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と前記硬さ推定ステップで推定した硬さとから前記機械的特性を推定する機械的特性推定ステップとをさらに備えたり、請求項10に記載するように、前記硬さ評価行程は、経年変化を予測したい金属材料と同一成分系の材料について、予め作成した引張特性、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性の経年変化と硬さとの相関情報を取得する機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップと、この機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と前記硬さ推定ステップで推定した硬さとから前記機械的特性の経年変化を予測する機械的特性経年変化予測ステップとをさらに備えたり、請求項11に記載するように、前記硬さ評価行程は、応力腐食割れ感受性を予測したい金属材料と同一成分系の材料について、予め作成した応力腐食割れ感受性と硬さとの相関情報を取得する応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップと、この応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と前記硬さ推定ステップで推定した硬さとから前記応力腐食割れ感受性を予測する応力腐食割れ感受性予測ステップとをさらに備えることを特徴とする。
さらに、上述した課題を解決するために、本発明に係る硬さ評価方法を実行させるプログラムは、請求項12に記載するように、硬さを測定したい金属材料の硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定ステップと、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め作成した結晶方位角度差と硬さとの相関情報を取得する結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップと、前記結晶方位角度差測定ステップで前記硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と前記結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報とを比較して前記硬度被測定部位の硬さを推定する硬さ推定ステップとを備える硬さ評価行程をコンピュータに実行させるものである。
本発明に係る硬さ評価システム、硬さ評価方法および硬さ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムによれば、微小領域の分析が可能な電子後方散乱回折像法(EBSP)によって測定した結晶方位角度差と硬さの相関性を予め取得しておくので、微小領域における結晶方位角度差を測定した結果から発電プラント等の構造材料において硬さ測定が困難な微小領域において硬さを推定することができる。
また、硬さは材料脆化の指標となり得ることから、材料の経年変化特性や応力腐食割れ感受性の予測にも利用することができ、発電プラント等の実機の安全運転確保に貢献することができる。
以下、本発明に係る硬さ評価システム、硬さ評価方法および硬さ評価方法をコンピュータに実行させるプログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に本発明に係る硬さ評価システムの一実施例である硬さ評価システム1のシステム構成を概略的に表した構成概略図を示す。
図1によれば、硬さ評価システム1は、電子顕微鏡2と電子計算機3とが、例えば、コネクタ4等の接続手段を介して電気的に接続されており、電子計算機3は、電子顕微鏡2で取得した情報を取得することができる。また、電子計算機3は、金属材料の硬さを評価するための一連の演算処理を実行する硬さ評価プログラム(以下、PGとする)5を読み出すことで、電子計算機3および硬さ評価PG5は協働し、図2に示すような金属材料の硬さを評価する各種手段を実現する。
尚、硬さ評価システム1の電子顕微鏡2は、走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)のいずれかを問わない。
図2に硬さ評価システム1を機能的側面から捉え、機能構成を概略的に表した機能ブロック図を示す。
図2によれば、硬さ評価システム1は、電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定手段6と、相関情報を保存する相関情報保存手段7と、相関情報を参照し、結晶方位角度差測定手段6が硬さを評価したい硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関情報とを比較し、金属材料の硬さを推定することで評価を行う硬さ評価手段8と、硬さ評価手段8が推定した硬さから硬さ以外の特性を推定することで評価を行う特性評価手段9とを具備する。
相関情報保存手段7は、電子計算機3が電子データの読み出し、書き込み(保存および更新)および削除することができるデータ記録手段である。相関情報保存手段7には、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関を示す相関情報(以下、第1の相関情報とする)11と、例えば、材料の機械的特性や機械的特性の経年変化および応力腐食割れ感受性等の硬さ以外の特性と硬さとの相関を示す相関情報(以下、第2の相関情報とする)12とを保存し格納する相関情報データベース(以下、相関情報DBとする)13が格納される。
相関情報保存手段7への電子データの格納は、ユーザが電子計算機3に付属する入力手段を用いて行うことができる。また、硬さ評価手段8が硬さを推定した結果および特性評価手段9が硬さ以外の特性を推定した結果は、電子計算機3に付属するディスプレイ等の表示手段に表示することができる。
このように構成される硬さ評価システム1では、評価したい金属材料について予め作成した第1の相関情報11および第2の相関情報12を格納した相関情報DB13を相関情報保存手段7に格納しておき、結晶方位角度差測定手段6が評価したい被測定部位の結晶方位角度差を測定すると、硬さ評価手段8が結晶方位角度差測定手段6が測定した結果と第1の相関情報11とから被測定部位の硬さを推定し評価することができる。
また、第2の相関情報12として、硬さ以外の特性が相関情報保存手段7に格納されているので、特性評価手段9は、第2の相関情報12および硬さ評価手段8が被測定部位について推定し評価した硬さから第2の相関情報12として格納される特性(例えば、材料の機械的特性、機械的特性の経年変化および応力腐食割れ感受性等と硬さとの特性)を推定または予測することもできる。
次に、本発明に係る硬さ評価方法について説明する。本発明に係る硬さ評価方法は、例えば、上述した硬さ評価システム1を用いることで行うことができ、ユーザは、図3に示すような硬さ評価処理手順を硬さ評価システム1に実行させることで、硬さ評価システム1が被測定部位の硬さについて推定した結果を知ることができ、評価することができる。
図3は、硬さ評価システム1が実行する硬さ評価行程を順番を追って説明する処理フロー図である。
図3によれば、硬さ評価システム1が実行する硬さ評価行程は、硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定ステップ(ステップS1)と、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め作成した結晶方位角度差と硬さとの相関情報、すなわち、第1の相関情報11を取得する結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップ(ステップS2)と、結晶方位角度差測定ステップで前記硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報とを比較して硬度被測定部位の硬さを推定する硬さ推定ステップ(ステップS3)とを備える。
また、本発明に係る硬さ評価方法として評価システム1が実行する硬さ評価行程では、単純に硬さのみの推定にとどまらず、推定した硬さを用いて、硬さと何らかの相関関係を有する他の特性についても評価することができ、例えば、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性を推定(ステップS6〜ステップS7)したり、上記機械的特性の経年変化を予測(ステップS8〜ステップS9)したり、応力腐食割れ感受性を予測(ステップS10〜ステップS11)したりできる。
このため、硬さ評価行程は、結晶方位角度差測定ステップ、結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップおよび硬さ推定ステップ(ステップS1〜ステップS3)に加え、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性を推定するべく、予め作成した耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性と硬さとの相関情報を取得する機械的特性−硬さ相関取得ステップ(ステップS6)と、この機械的特性−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と硬さ推定ステップで推定した硬さとから機械的特性を推定する機械的特性推定ステップ(ステップS7)とをさらに備える。
また、硬さ評価行程は、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性の経年変化を予測するべく、経年変化を予測したい金属材料と同一成分系の材料について、予め作成した引張特性、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性の経年変化と硬さとの相関情報を取得する機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップ(ステップS8)と、この機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と硬さ推定ステップで推定した硬さとから機械的特性の経年変化を予測する機械的特性経年変化予測ステップ(ステップS9)とをさらに備える。
さらに、硬さ評価行程は、応力腐食割れ感受性を予測するべく、応力腐食割れ感受性を予測したい金属材料と同一成分系の材料について、予め作成した応力腐食割れ感受性と硬さとの相関情報を取得する応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップ(ステップS10)と、この応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と硬さ推定ステップで推定した硬さとから応力腐食割れ感受性を予測する応力腐食割れ感受性予測ステップ(ステップS11)とをさらに備える。
ここで、硬さ評価行程を行うにあたり、事前に作成しておく第1の相関情報11について説明する。
第1の相関情報11、すなわち、結晶方位角度差と硬さとの相関を求めるには、まず、実際に評価したい材料と同一成分系であり、かつ結晶粒度が同等な材料について冷間圧延加工等の加工処理を施して異なる硬さを有した試料を複数用意する。以下の説明は、冷間圧延加工処理を施したものとして説明する。この際、各試料の硬さがほぼ均一であることを確認しておく。そして、電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差の測定を行う。
図4に電子後方散乱回折像法によって測定する結晶方位角度差について説明する説明図を示す。
結晶方位角度差を測定する方法には、各試料のある線について電子後方散乱回折像法によって結晶方位角度差を測定する線分析方法と、各試料のある面積について電子後方散乱回折像法によって結晶方位角度差を測定する面分析方法とがある。
線分析方法による測定点18の結晶方位角度差とは、図4に示すように、測定点18と線状に隣接する測定点19との結晶方位の角度差の平均値とする。すなわち、図4によれば、一方の結晶方位角度差がa、他方の結晶方位角度差がbなので、測定点18の結晶方位角度差は、(a+b)/2となる。
また、面分析方法による測定点18の結晶方位角度差とは、図4に示すように、測定点18を含むある平面上において測定点18と隣接する全測定点19それぞれについての結晶方位角度差を平均したものである。すなわち、図4によれば、測定点18と隣接する測定点19は、6つあり、それぞれの結晶方位角度差がf,g,h,i,j,kであるので、測定点18の結晶方位角度差は、(f+g+h+i+j+k)/6となる。
線分析方法および面分析方法のいずれかで結晶方位角度差を求め、求めた結晶方位角度差を試料の結晶方位角度差として採用する。一方、硬さについては、用意した各試料について硬さ測定を行い、得られた硬さ測定結果と硬さ測定を行った試料の結晶方位角度差とを関連付け、硬さと結晶方位角度差との相関を求めることで第1の相関情報11を作成することができる。
尚、硬さと結晶方位角度差との相関を求める際、冷間圧延加工に伴う硬さ増加と結晶方位角度差の関係を表すために、冷間圧加工を受けていない試料の結晶方位角度差は全て結晶粒界による角度差と考え、冷間圧加工を受けていない試料の結晶方位角度差が0となるよう補正することにした。これは、測定した結晶方位角度差には結晶粒界を含んでおり、結晶粒界は通常大きな角度差を有しているためである。また、冷間圧延加工を受けた試料の補正は、測定した結晶方位角度差の値から冷間圧延加工を受けていない試料の結晶方位角度差を引いて表わすものとする。
図5に上記補正を行ったSUS316L鋼の冷間圧延加工材で測定した硬さと結晶方位角度差との相関図を示す。
ある一定の硬さまで結晶方位角度差は直線状に増加し、ビッカース硬さが約HV300から急激に増加する傾向が認められた。試料の金属組織観察の結果、ビッカース硬さHV300までは、結晶粒内が歪んでいるが結晶粒界が存在し,ビッカース硬さHV300以上では結晶粒界が壊れていることが確認された。
従って、結晶方位角度差は、結晶粒界を維持できるある限界硬さ(図5に示す例ではビッカース硬さHV300)までの直線と、結晶粒界が壊れている場合(図5に示す例ではビッカース硬さHV300超)の2種類の直線で表わされる。尚、結晶粒界が壊れている場合は、結晶方位角度差の測定結果から結晶粒界と結晶粒内の識別ができないので、結晶方位角度差と硬さとの相関図として示される直線を1次式として近似する。
このようにして作成された第1の相関情報11を用いて、硬さ評価システム1は、硬さ評価行程を実行する。硬さ評価行程の実行は、ユーザが硬さを評価したい硬度被測定部位について電子顕微鏡2を用いて撮像を行い、電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差の測定実行を電子計算機3の入力手段(図1において図示せず。以下、同様とする。)から入力操作することで、硬さ評価システム1に硬さ評価行程の処理実行を開始させる(START)。
硬さ評価行程では、図3に示すように、まず、ステップS1で結晶方位角度差測定ステップがなされ、結晶方位角度差測定手段6が、硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する。
電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差の測定は、従来の硬さ評価システムでは、硬さ測定が困難となる微小な大きさの領域(以下、微小領域とする)について行う。結晶方位角度差の測定方法は、上述した第1の相関情報11を作成する場合と同様にして線分析または面分析により行う。測定した結果は、硬さ評価手段8に送られる。
硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定し、測定結果が硬さ評価手段8に送られると、結晶方位角度差測定ステップは完了し、続いて、ステップS2で、第1の相関情報11を取得する結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップがなされる。
硬さ評価手段8は、まず、結晶方位角度差測定ステップで測定された結果を結晶方位角度差測定手段6から受け取る。そして、相関情報保存手段7に格納される相関情報DB13から硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め作成した結晶方位角度差と硬さとの相関情報、すなわち、第1の相関情報11を読み出し取得する。
硬さ評価手段8が結晶方位角度差測定ステップで測定された結晶方位角度差の結果と第1の相関情報11とを取得すると、結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップは完了し、続いて、ステップS3で硬さ推定ステップがなされる。硬さ評価手段8は、結晶方位角度差測定ステップで硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差の測定結果と、結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップで取得した第1の相関情報11とを比較して硬度被測定部位の硬さを推定する。推定結果は、電子計算機3のディスプレイ等の表示手段(図1において図示せず。以下、同様とする。)に表示される。ユーザは、この推定結果を見ることにより硬さ評価を行うことができる。
硬さ評価手段8が硬度被測定部位の硬さを推定し、電子計算機3のディスプレイ等の表示手段に推定結果を表示すると、ステップS3の硬さ推定ステップが完了し、次にステップS4に進み、終了確認ステップがなされる。
終了確認ステップでは、まず、硬さ評価手段8が硬さ評価行程を終了するか否かをユーザに確認するべく、硬さ評価行程を終了するか否かについて表示手段に通知してユーザに問いかけ、ユーザからの入力を受け付ける。そして、ユーザが硬さ評価行程を終了する旨の入力があった場合(ステップS4でYESの場合)には、硬さ評価手段8は硬さ評価行程を終了する(END)。
一方、ユーザが硬さ評価行程を終了しない旨の入力があった場合(ステップS4でNOの場合)には、ステップS5に進み、引き続き行う処理ステップが何かをユーザに問いかけ、ユーザからの入力を受け付ける。具体的には、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性を推定したいのか(ステップS6〜ステップS7)、機械的特性の経年変化を予測したいのか(ステップS8〜ステップS9)、応力腐食割れ感受性を予測したいのか(ステップS10〜ステップS11)について確認する。
ステップS5で機械的特性を推定したい旨の入力があった場合には、特性評価手段9がその旨の入力を認識し、ステップS6に進む。そして、ステップS6で機械的特性−硬さ相関取得ステップがなされる。機械的特性−硬さ相関取得ステップでは、特性評価手段9が、予め作成した耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性と硬さとの相関情報を第2の相関情報12として取得する。
機械的特性−硬さ相関取得ステップにおいて、第2の相関情報12として取得される機械的特性と硬さとの相関情報は、予め作成しておき、特性評価手段9が参照可能なように相関情報保存手段7に格納しておく必要がある。硬さと他の機械的特性(例えば耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値 他)は一般的に相関性があることから予め硬さと他の機械的特性の相関を求めておけば、硬さを他の機械的特性の指標とすることができる。
硬さと他の機械的特性(例えば耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値 他)との相関情報を事前に入手して、硬さと他の機械的特性との相関情報を特性評価手段9が参照可能な第2の相関情報12として作成することができる。作成された第2の相関情報12は、相関情報DB13に格納され、特性評価手段9が参照可能な状態にする。
機械的特性と硬さとの相関情報として作成された第2の相関情報12を特性評価手段9が参照可能な状態にあり、ステップS5で機械的特性を推定したい旨の入力があった場合には、硬さ推定ステップで推定した硬さを硬さ評価手段8から取得したうえで、ステップS6に進み、ステップS6で、機械的特性−硬さ相関取得ステップがなされる。
機械的特性−硬さ相関取得ステップでは、特性評価手段9が相関情報保存手段7から相関情報DB13に格納された第2の相関情報12を参照し、機械的特性と硬さとの相関情報を取得する。特性評価手段9が機械的特性と硬さとの相関情報を取得すると、続いて、ステップS7に進み、ステップS7で機械的特性推定ステップがなされる。
機械的特性推定ステップでは、特性評価手段9が機械的特性−硬さ相関取得ステップで取得した機械的特性と硬さとの相関情報および硬さ推定ステップで推定した硬さから機械的特性を推定する。推定した結果は、電子計算機3のディスプレイ等の表示手段に表示される。特性評価手段9が機械的特性を推定すると、機械的特性推定ステップを完了し、機械的特性推定ステップの完了をもって、硬さ評価行程を終了する(END)。
また、ステップS5で機械的特性の経年変化を予測したい旨の入力があった場合には、特性評価手段9がその旨の入力を認識し、ステップS8に進む。そして、ステップS8で機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップがなされる。機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップでは、特性評価手段9が予め作成した耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性の経年変化と硬さとの相関情報を第2の相関情報12として取得する。
硬さと他の機械的特性(例えば耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値 他)の経年変化についても一般的に相関性があることから、先に述べた機械的特性−硬さ相関取得ステップの場合と同様にして硬さを他の機械的特性の経年変化の指標とすることができる。また、機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップにおいて、第2の相関情報12として取得される機械的特性の経年変化と硬さとの相関情報は、予め作成しておき、特性評価手段9が参照可能なように相関情報保存手段7に格納しておく必要がある点は、先に述べた機械的特性−硬さ相関取得ステップの場合と同様である。
特性評価手段9が、機械的特性経年変化−硬さとの相関情報を取得すると、続いて、ステップS9に進み、ステップS9で機械的特性経年変化予測ステップがなされる。機械的特性経年変化予測ステップでは、特性評価手段9が機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップで取得した機械的特性の経年変化と硬さとの相関情報および硬さ推定ステップで推定した硬さから機械的特性を推定する。特性評価手段9が機械的特性を推定すると、機械的特性推定ステップを完了し、機械的特性推定ステップの完了をもって、硬さ評価行程を終了する(END)。
さらに、ステップS5で応力腐食割れ感受性を予測したい旨の入力があった場合には、特性評価手段9がその旨の入力を認識し、ステップS10に進む。そして、ステップS10で応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップがなされる。応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップでは、特性評価手段9が予め作成した応力腐食割れ感受性と硬さとの相関情報を取得する。
図6は、非特許文献「Stress Corrosion Cracking of Cold Worked Stainless Steels in high temperature Water」(CORROSION 94,No.237)に記載されている応力腐食割れ感受性と硬さと相関の一例を説明する説明図である。
図6によれば、応力腐食割れ感受性と硬さと相関があることがわかる。つまり、応力腐食割れ感受性と硬さとの間にも相関があるということは、応力腐食割れ感受性の指標としても硬さを使用することができることを意味する。
応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップにおいて、第2の相関情報12として取得される応力腐食割れ感受性と硬さとの相関情報は、予め作成しておき、特性評価手段9が参照可能なように相関情報保存手段7に格納しておく必要がある点は、先に述べた機械的特性−硬さ相関取得ステップの場合と同様である。そして、特性評価手段9が応力腐食割れ感受性と硬さとの相関情報を取得すると、続いて、ステップS11に進み、ステップS11で応力腐食割れ感受性予測ステップがなされる。
応力腐食割れ感受性予測ステップでは、特性評価手段9が機械的特性−硬さ相関取得ステップで取得した機械的特性と硬さとの相関情報および硬さ推定ステップで推定した硬さから応力腐食割れ感受性を予測する。
応力腐食割れ感受性の予測は、応力腐食割れ感受性を有する限界硬さと推定した硬さとを比較することによって予測することができる。特性評価手段9は、硬さの推定値が限界硬さよりも大きい場合には、応力腐食割れ感受性が有りと判断し、硬さの推定値が限界硬さよりも小さい場合には、応力腐食割れ感受性が無しと判断する。このようにして特性評価手段9が応力腐食割れ感受性を予測すると、応力腐食割れ感受性予測ステップを完了する。そして、応力腐食割れ感受性予測ステップの完了をもって、硬さ評価行程を終了する(END)。
以上、本発明に係る硬さ評価システムおよび硬さ評価方法によれば、微小領域の分析が可能な電子後方散乱回折像法(EBSP)によって測定した結晶方位角度差と硬さの相関性を予め取得しておくので、従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、測定できないまたはできたとしても困難なことが多い微小領域においても硬さ評価を行うことができる。
従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、測定できないまたはできたとしても困難なことが多い微小領域とは、より具体的には、発電プラント等の構造材料の表面に機械加工等により形成された加工層である。機械加工等により形成された加工層のような微小領域において、電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差を測定することで、従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法よりも表面加工層の硬さ分布を簡単に得ることができる。
また、他には、溶接により熱影響を受けていると思われる箇所、すなわち、溶接部およびその近傍(溶接部近傍)が考えられる。溶接部近傍については、一般に劣化が懸念される箇所であることから硬さ分布が必要となることが多いが、従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、測定できないまたはできたとしても困難なことが多い。そこで、溶接部近傍の硬さ分布を得るべく、電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差を行えば、従来の硬さ評価システムおよびその測定方法よりも簡単に溶接部近傍の硬さ分布を得ることができる。
さらに、他には、構造物そのものから試料を採取する場合が考えられる。構造物そのものから試料を採取する場合、構造物の強度低下につながらない程度に採取する大きさを抑える必要があることから、試料は微小にならざるを得ない。従って、従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法では、測定できないまたはできたとしても困難なことが多い。そこで、電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差を測定すれば、微小サイズの試料についても従来の硬さ評価システムおよび硬さ評価方法よりも簡単に硬さ評価を行うことができる。
一方、本発明に係る硬さ評価システムおよび硬さ評価方法によれば、必ずしも試験片を必要としないので、硬さが未知の金属材料であっても、硬さを推定し評価することができる。
また、使用中の発電プラント等の構造物についても、硬さを推定することができるので、他の材料特性を予測することができる。そして、硬さは材料脆化の指標となり得ることから、例えば、硬さと機械的特性、硬さと機械的特性の経年変化および硬さと応力腐食割れ感受性との相関関係を用いれば、材料の経年変化特性や応力腐食割れ感受性の予測にも利用することができ、発電プラント等の実機の安全運転確保に貢献することができる。
尚、図2に示される硬さ評価システム1は、結晶方位角度差測定手段6と、相関情報保存手段7と、硬さ評価手段8と、特性評価手段9とを具備しているが、特性評価手段9は必ずしも備えていなくても良い。硬さ評価システム1が特性評価手段9を具備していない場合には、相関情報保存手段7に格納される相関情報DB13には、第2の相関情報12は不要となる。
また、硬さ評価システム1では、硬さ評価手段8および特性評価手段9が評価結果を電子計算機3のディスプレイ等の表示手段に出力しているが、必ずしも表示手段でなくても差し支えない。電子計算機3内の記録手段に電子データとして保存したり、図外の印字手段と電気的に接続し、接続した印字手段に出力する構成であっても差し支えない。もちろん、表示手段は、図1には示されない電子計算機3のディスプレイ以外の表示手段であっても差し支えない。
さらに、機械的特性推定ステップで推定される機械的特性の例として、例えば、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値を挙げているが、機械的特性推定ステップで推定される機械的特性には、ここで挙げている耐力等の他にも一般的に利用される全ての機械的特性が包含される。つまり、機械的特性を耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値に限定するものではない。
さらにまた、硬さ評価システム1の特性評価手段9が行う処理ステップとして、例えば、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性を推定する機械的特性推定ステップと、機械的特性の経年変化を予測する機械的特性経年変化予測ステップと、応力腐食割れ感受性を予測する応力腐食割れ感受性予測ステップとを行うが、必ずしもこれらの処理ステップに限定されない。これらは、代表的な一例にすぎず、硬さと相関が認められる特性であれば、どのような特性であっても良い。
一方、図3に示すように、本発明に係る硬さ評価方法は、硬さ評価行程に、機械的特性−硬さ相関取得ステップ(ステップS6)および機械的特性推定ステップ(ステップS7)と、機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップ(ステップS8)および機械的特性経年変化予測ステップ(ステップS9)と、応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップ(ステップS10)および応力腐食割れ感受性予測ステップ(ステップS11)とを備えているが、必ずしもこれらの処理ステップを包含している必要はない。
単に硬さだけを評価するのであれば、結晶方位角度差測定ステップ(ステップS1)と、結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップ(ステップS2)と、硬さ推定ステップ(ステップS3)とを備えていれば十分だからである。
本発明に係る硬さ評価システムの一実施例のシステム構成を概略的に表した構成概略図。 本発明に係る硬さ評価システムを機能的側面から捉え、機能構成を概略的に表した機能ブロック図。 硬さ評価システムが実行する硬さ評価行程を順番を追って説明する処理フロー図。 電子後方散乱回折像法によって測定する結晶方位角度差について説明する説明図。 SUS316L鋼における平均結晶方位角度差と硬さ(ヴィッカース硬度)との関係を示す特性図。 応力腐食割れ感受性と硬さと相関を説明する説明図。
符号の説明
1 硬さ評価システム
2 電子顕微鏡
3 電子計算機
4 コネクタ(接続手段)
5 硬さ評価PG
6 結晶方位角度差測定手段
7 相関情報保存手段
8 硬さ評価手段
9 特性評価手段
11 第1の相関情報
12 第2の相関情報
13 相関情報DB
15 測定点
16 隣接する測定点

Claims (12)

  1. 電子後方散乱回折像法による結晶方位角度差を測定可能な結晶方位角度差測定手段と、
    硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関を示す相関情報を保存する相関情報保存手段と、
    前記相関情報を参照し、前記結晶方位角度差測定手段が硬さを評価したい硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と予め取得した結晶方位角度差と硬さとの相関情報とを比較し、金属材料の硬さを推定することで評価を行う硬さ評価手段とを具備することを特徴とする硬さ評価システム。
  2. 前記相関情報保存手段に前記相関情報に加え、硬さと前記硬さ以外の特性との相関を示す第2の相関情報を予め保存しておき、前記第2の相関情報と前記硬さ評価手段が推定した硬さから前記硬さ以外の特性を推定することで評価を行う特性評価手段をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の硬さ評価システム。
  3. 前記硬さ以外の特性は、耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性、この機械的特性の経年変化特性および金属材料の応力腐食割れ感受性特性の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項2記載の硬さ評価システム。
  4. 硬さを測定したい金属材料の硬度被測定部位について硬さを評価する硬さ評価行程を具備し、
    この硬さ評価行程は、前記硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定ステップと、
    硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め作成した結晶方位角度差と硬さとの相関情報を取得する結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップと、
    前記結晶方位角度差測定ステップで前記硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と前記結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報とを比較して前記硬度被測定部位の硬さを推定する硬さ推定ステップとを備えることを特徴とする硬さ評価方法。
  5. 前記硬度被測定部位は、金属材料の微小領域であることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  6. 前記硬度被測定部位は、金属材料の表面近傍であることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  7. 前記硬度被測定部位は、溶接部近傍であることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  8. 前記被測定部位は、金属材料の微小試験片であることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  9. 前記硬さ評価行程は、予め作成した耐力、引張強さ、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性と硬さとの相関情報を取得する機械的特性−硬さ相関取得ステップと、
    この機械的特性−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と前記硬さ推定ステップで推定した硬さとから前記機械的特性を推定する機械的特性推定ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  10. 前記硬さ評価行程は、経年変化を予測したい金属材料と同一成分系の材料について、予め作成した引張特性、衝撃値、破壊靭性値等の機械的特性の経年変化と硬さとの相関情報を取得する機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップと、
    この機械的特性経年変化−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と前記硬さ推定ステップで推定した硬さとから前記機械的特性の経年変化を予測する機械的特性経年変化予測ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  11. 前記硬さ評価行程は、応力腐食割れ感受性を予測したい金属材料と同一成分系の材料について、予め作成した応力腐食割れ感受性と硬さとの相関情報を取得する応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップと、
    この応力腐食割れ感受性−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報と前記硬さ推定ステップで推定した硬さとから前記応力腐食割れ感受性を予測する応力腐食割れ感受性予測ステップとをさらに備えることを特徴とする請求項4記載の硬さ評価方法。
  12. 硬さを測定したい金属材料の硬度被測定部位について電子後方散乱回折像法により結晶方位角度差を測定する結晶方位角度差測定ステップと、硬さを評価したい金属材料と同一成分系の材料について予め作成した結晶方位角度差と硬さとの相関情報を取得する結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップと、前記結晶方位角度差測定ステップで前記硬度被測定部位について測定した結晶方位角度差と前記結晶方位角度差−硬さ相関取得ステップで取得した相関情報とを比較して前記硬度被測定部位の硬さを推定する硬さ推定ステップとを備える硬さ評価行程をコンピュータに実行させるプログラム。
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