JP2005246671A - 樹脂製燃料容器の製造方法及び樹脂製燃料容器 - Google Patents

樹脂製燃料容器の製造方法及び樹脂製燃料容器 Download PDF

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一彦 木村
Toru Mashita
亨 真下
Mamoru Fukushima
守 福島
Noriyuki Osawa
則之 大澤
Satoshi Komada
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Abstract

【課題】 ブロー成形されたタンク本体において、ピンチオフ部からの気体ガソリンの漏出を少なくする。
【解決手段】 機械的強度が高い樹脂からなる外層11及び内層13と、ガソリンに対する透過阻止性が高い樹脂からなり、外層11と内層13の間に設けられたバリア層12とからなるガソリンタタンクのタンク本体1において、バリア層12,12をピンチオフ部20において互いに連続させる。
【選択図】 図2



Description

この発明は、自動車のガソリンタンクのような各種の燃料を収容するための燃料容器、特に樹脂からなる樹脂製燃料容器の製造方法、及びその製造方法によって製造された樹脂製燃料容器に関する。
図7は、この発明の対象である樹脂製燃料容器の一例としてのガソリンタンクのタンク本体1を示す。このタンク本体1は、図8に示す積層体2によって構成されている。積層体2は、タンク本体1の内側から外側へ向かって順次配置された内層2a、バリア層2b及び外層2cを有しており、内層2aとバリア層2bとは内側接着剤層2dによって接着固定され、バリア層2bと外層2cとは外側接着剤層2eによって接着固定されている。内層2a及び外層2cは、タンク1の機械的強度を確保するためのものであり、バリア2b層より強度が高い樹脂によって構成されている。一方、バリア層2bは、タンク本体1内のガソリンが積層体2を透過してタンク本体1の外部に漏れるのを防止するためのものであり、ガソリンに対する透過阻止性が高い樹脂によって構成されている。
上記タンク本体1は、例えば図9に示すブロー成形法によって製造される。ブロー成形法は、周知のように、まず図9において想像線で示すパリソン3を成形した後、そのパリソン3を一対の金型K1,K2の内部に収容するとともに、パリソン3の上下の端部を金型K1,K2によって挟み付ける。その状態でパリソン3内に加圧空気を導入することによってパリソン3を金型K1,K2の内面に押し付ける。これにより、内部に燃料を収容する収容空間(この空間は、最終的には密閉空間になる。)を有するタンク本体1が成形される。
タンク本体1をブロー成形した場合には、パリソン3のうち、金型K1,K2の上下の端部によって挟持された部分がピンチオフ部3aになり、金型K1,K2から外側に突出した部分がバリ3bになる。バリ3bは、成形完了後に切除されるが、ピンチオフ部3aは、タンク本体1の外面に残る(図7参照)。ピンチオフ部3aは、成形されたタンク本体1の外面から外側に突出した積層体2,2の内層2a,2aどうしを互いに溶着することによって構成されている。したがって、ピンチオフ部3aは、図10に示すように、互いに溶着されて一体化した内層2a,2a(溶着部を想像線で示す。)、この内層2a,2aの外側に存するバリア層2b,2b、バリア層2b,2bの外側に存する外層2c,2c、内層2aとバリア層2bと接着する内側接着剤層2d、及びバリア層2bと外層2cとを接着する外側接着剤層2eによって構成されている。なお、図10においては、内側及び外側接着剤層2d,2eが省略されている。
ピンチオフ部3aにおいては、バリア層2b,2b間に内層2a,2aが存しているので、バリア層2b,2bがタンク本体1の周方向に連続することがなく、互いに離れている。このため、タンク本体1内のガソリンがバリア層2b,2b間に存する内層2a,2aを透過して外部に漏れてしまうおそれがある。このようなガソリンの漏れをできる限り少なくするために、下記特許文献1に記載のものにおいては、図10に示すように、ピンチオフ部3aの幅を基端側から先端側へ向かうにしたがって漸次狭くし、ピンチオフ部3aの先端面におけるバリア層2b,2b間の間隔Wを極力狭くしている。このようにすると、ガソリンが透過する内層2a,2a間の断面積が狭くなる。これにより、ガソリンの漏れをできる限り少なくしようとするものである。
特開2001−97053
最近、環境破壊の防止という観点から樹脂製ガソリンタンクでは、ガソリンの漏れの許容限度が厳しくなる傾向にある。そこで、ピンチオフ部3aからのガソリンの漏れをできる限り少なくするため、ピンチオフ部3aにおけるバリア層2b,2bの間隔Wをより一層狭くすることが要望されていた。
上記の要望に応えるために、この発明に係る樹脂製燃料容器の製造方法は、燃料の透過阻止性が高い樹脂からなるバリア層、並びにこのバリア層の外面と内面とにそれぞれ固着された樹脂からなる外層及び内層を有する積層体によって構成され、内部に燃料の収容空間が形成された容器本体を備え、上記容器本体の外面に上記容器本体の外面から外側に突出した上記積層体の上記内層どうしを溶着することによって上記容器本体の外面から外側に突出するピンチオフ部が形成された樹脂製燃料容器の上記容器本体を三次元中空成形法によって成形するに際し、上記内層と上記バリア層との固着強度と、上記外層と上記バリア層との固着強度とが、上記ピンチオフ部の形成時において互いに異なる強度に設定されていることを特徴とする樹脂製燃料容器の製造方法。
この場合、上記外層と上記バリア層との固着強度が、上記内層と上記バリア層との固着強度より弱く設定されていてもよく、上記内層と上記バリア層との固着強度が、上記外層と上記バリア層との固着強度より弱く設定されていてもよい。
上記内層と上記バリア層とは、それらの間に設けられた内側接着剤層によって接着されていてもよく、上記外層と上記バリア層とはそれらの間に設けられた外側接着剤層によって接着されていてもよい。
また、この発明に係る樹脂製燃料容器は、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって製造され、上記バリア層が上記ピンチオフ部において連続していることを特徴としている。
上記特徴構成を有するこの発明の製造方法によれば、ピンチオフ部を形成すべき一対の積層体が、三次元中空成形法において用いられる一対の金型によって押圧されると、各積層体の内層が外層に対して容器本体の内部側へ移動しようとする。すると、内層とバリア層との間の固着強度と、外層とバリア層との間の固着強度とが異なるので、内層とバリア層との間と、外層とバリア層との間とのいずれか一方において滑りが発生する。いずれの間で滑りが発生した場合であっても、各積層体の内層が容器本体の内部側へ移動するのに伴って各積層体のバリア層が容器本体の内側へ移動するとともに、接近移動する。これにより、バリア層を極めて接近させるか、互いに接触させて連続させることができる。
また、上記特徴構成を有するこの発明の樹脂製燃料容器によれば、ピンチオフ部においてバリア層が連続しているので、容器本体内の燃料の気体がピンチオフ部を通って外部に漏れ出る量を従来のものに比して大幅に少なくすることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して説明する。
まず、この発明が適用された実施の形態の燃料タンクについて述べると、この実施の形態では、図7に示すガソリンタンクのタンク本体(容器本体)1にこの発明が適用されている。ただし、この発明は、ガソリンタンクのタンク本体1のみならず、軽油用の燃料タンク、その他各種の燃料容器の容器本体に適用可能である。また、容器本体内に収容される燃料としては、液体燃料及び気体燃料のいずれでもよい。
タンク本体1は、積層体によって構成されている。積層体は、ガソリン(燃料)に対する透過阻止性が高い樹脂からなるバリア層、並びにこのバリア層を構成する樹脂より弾性係数及び/又は靭性(この発明において機械的強度と称する。)が高い樹脂からなり、バリア層の外側と内側とにそれぞれ固着された外層及び内層を有するものであれば、外層とバリア層との固着強度と、内層とバリア層との固着強度とが後述する関係を有する限り、その種類を問わない。したがって、図8に示す積層体2を用いることも可能であるが、この実施の形態では、図1に示す積層体10が用いられている。積層体10は、タンク本体1の外側から内側に向かって順次配置された外層11、バリア層12及び内層13を有している。外層11とバリア層12とは、外側接着剤層14によって接着固定されている。バリア層12と内層13とは、内側接着剤層15によって接着固定されている。
外層11は、外側のバージン層11Aと内側の再生材層11Bとによって構成されている。バージン層11Aは、バリア層12を構成する樹脂より機械的強度が高い樹脂、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)によって構成されている。バージン層11Aを構成する樹脂には、その耐候性を向上させるために、カーボンブラック(MB:マスターバッチ)を全体にわたって均一に混入するのが望ましい。再生材層11Bは、積層体を用いてタンク本体1をブロー成形したときに発生する端材を粉砕溶融した後、共押出成形してなるものである。したがって、再生材層11Bは、バージン層11A、バリア層12及び内層13をそれぞれ構成する樹脂が混合した混合材によって構成されている。混合材であるから、再生材層11Bもバリア層12より機械的強度が高くなっている。よって、外層11全体もバリア層12より機械的強度が高くなっている。バージン層11Aと再生材層11Bとは、溶着又は融着(この発明においては、両者を含めて溶着という。)によって互いに固着されている。再生材層11Bは、外側接着材層14によってバリア層12に接着固定されている。
バリア層12は、タンク本体1内に収容されるガソリン(燃料)が積層体10を透過してタンク本体1から気体となって外部に漏れ出るのを阻止するためのものであり、ガソリンに対する透過阻止性が外層11及び内層13をそれぞれ構成する樹脂より高い樹脂、例えばエチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)によって構成されている。
内層13は、バリア層12を構成する樹脂より機械的強度が高い樹脂によって構成されている。この実施の形態では、内層13は、外層11のバージン層11Aを構成する樹脂と同一の高密度ポリエチレンによって構成されている。ただし、内層13は、外層11と異なる樹脂によって構成してもよく、また耐候性が要求されることがないので、カーボンブラックを混入しなくてもよい。
タンク本体1は、ブロー成形法、ニ分割部品加熱圧着法、二分割部品加熱溶着法、又はそれらに準じる三次元中空成形法によって成形される。それらの成形法によってタンク本体1を成形すると、タンク本体1の外面にピンチオフ部が形成される。このピンチオフ部にこの発明が適用されている。なお、この実施の形態では、タンク本体1がブロー成形法によって成形されている。
図2は、この発明が適用されたタンク本体1のピンチオフ部20の断面形状を示している。ピンチオフ部20は、図9に示すブロー成形法によって図7に示すタンク本体1を成形したときに形成されるピンチオフ部3aに代わって形成されている。したがって、ピンチオフ部20も、ピンチオフ部3aと同様に、タンク本体1から外側に突出した積層体10,10を互いに溶着することによって形成されており、その溶着部上を延びる突条の形態をなしている。
ピンチオフ部20は、断面台形状又は三角形状をなしており、その幅が先端側(図2において上端側)で狭く、基端側で広くなっている。この点は、従来のピンチオフ部3aと同様である。しかし、このピンチオフ部20においては、積層体10,10の外層11,11どうし(バージン層11A,11Aどうし及び再生材層11B,11Bどうし)、外側接着剤層14,14どうし、バリア層12,12どうし、内側接着剤層15,15どうし、及び内層13,13どうしが、ピンチオフ部20の幅方向の中央部において互いに溶着しており(溶着部を想像線で示す。)、外層11、外接着材層14、バリア層12、内側接着材層15及び内層13が、ピンチオフ部20以外の部分は勿論のこと、ピンチオフ部20においてもタンク本体1の周方向に連続している。
上記構成のピンチオフ部20を有するタンク本体1においては、バリア層12がピンチオフ部20においても連続しているので、タンク本体1内に収容されたガソリンがピンチオフ部20を透過して外部に漏れ出るのをほとんど無くすことができる。
次に、上記ピンチオフ部20を有するタンク本体1をブロー成形する場合について説明する。タンク本体1をブロー成形するに際しては、外側接着剤層14と内側接着剤層15とのブロー成形時における接着強度(固着強度)を互いに異なる強度にする。より正確に述べると、積層体10,10がピンチオフ部20を形成するために、互いに溶着されるときにおける外側接着剤層14の接着強度と内側接着剤層15の接着強度とを互いに異なる強度にする。この実施の形態では、外側接着剤層14の接着強度が内側接着剤層15の接着強度より弱く設定されている。接着強度の差は、できる限り大きくするのが望ましい。これを実現するには、接着強度が弱い接着剤層の接着強度をできる限り弱くするのがよい。外側接着剤層14の接着強度と内側接着剤層15の接着強度とは、積層体10,10の溶着時における接着強度が異なり、かつタンク本体1の成形完了後における外側接着剤層14及び内側接着剤層15の接着強度がタンク本体1として十分な強度を有するという条件を満たすものであれば、溶着完了後の接着強度が同一であっても、異なっていてもよい。
図3は、タンク本体1をブロー成形する際の成形初期の状態を示している。ブロー成形用の金型30,40には、金型30,40の互いに接近する方向へ突出する挟持突出部31,41が形成されている。挟持突出部31,41のタンク本体1となるべき積層体10と対向する対向面(図3において下面)は、パリソン(図9参照)内に導入される加圧空気によって積層体10が押圧接触させられている。以下、説明の便宜上、挟持突出部31,41のタンク本体1となるべき積層体10が接触する面を下面と称するものとし、図2〜図6における上下方向をそのまま上下方向と称する。図4〜図6に示すように、挟持突出部31の突出方向における先端面には、下面から上方に向かって延びる傾斜面31aが形成されている。この傾斜面31aは、図2に示すピンチオフ部20の一方の側面20aと同一の角度をもって傾斜させられている。傾斜面31aの高さは、側面20と同一の高さに設定されている。挟持突出部31の先端面の上端部には、傾斜面31aの上端縁から挟持突出部31の上面まで延びる垂直面31bが形成されている。垂直面31bは、挟持突出部31,41の接近離間方向と直交する平面とされている。
挟持突出部41の先端面は、ピンチオフ部20がその幅方向の中央を通る線(図2における想像線)に関して対称に形成されている関係上、挟持突出部31,41の突出方向と直交し、かつそれらの間の中央に位置する線(図示せず)に関して挟持突出部31の先端面と対称に形成されている。したがって、挟持突出部41の先端面には、挟持突出部31の傾斜面31a及び垂直面31bと対称な傾斜面41a及び垂直面41bが形成されている。傾斜面31a,41a及び垂直面31b,41bは、ピンチオフ部20が非対称に形成される場合には、それに応じて非対称に形成される。
図3及び図4に示すように、いま、上記挟持突出部31,41の垂直面31b,41bが、外層11,11を互いに接近するように押し、内層13,13どうしが互いに接触したものとする。この状態では、積層体10,10(ピンチオフ部20となるべき積層体10,10)は、垂直面31b,31bによってほとんど押し潰されていることはない。また、傾斜面31a,41aが、積層体10の外層11,11に対して離れている。一方、挟持突出部31,41の下面には、パリソン内に導入される空気の圧力によって積層体10,10が押圧接触させられている。
図4に示す状態から挟持突出部31,41を互いに接近させると、それらの間に位置する積層体10,10が圧縮され、それに伴って上下方向に伸張される。このとき、外層11,11が挟持突出部31,41に直接圧縮されるのに対し、内層13が挟持突出部31,41から離れ、挟持突出部31,41に外層11、接着剤層14,15及びバリア層12を介して広範囲に圧縮されるため、内層13の伸張量が外層11の伸張量より大きくなる。すると、バリア層12と内層13とを接着する内側接着剤層15の接着強度が強いのに対し、バリア層12と外層11とを接着する外側接着剤層14の接着強度が弱いので、外層11とバリア層12との間に外側接着剤層14を介在した滑りが生じる。この結果、図5に示すように、バリア層12及び接着剤層14,15が上下に分断する。なお、挟持突出部31,41を接近移動させるにしたがって傾斜面31a,41aがその上部側から外層11,11に押圧接触するようになる。
挟持突出部31,41をさらに接近移動させると、挟持突出部31,41から下側の内層13,13が下方へ移動させられるとともに、内層13,13が圧縮されて薄くなる。この結果、一方の積層体10のバリア層12及び接着剤層14,15と他方の積層体10のバリア層12及び接着剤層14,15とが下方へ移動しつつ互いに接近移動する。挟持突出部31,41をさらに接近移動させると、一方の積層体10のバリア層12及び接着剤層14,15と他方の積層体10のバリア層12及び接着剤層14,15とがさらに接近し、図6に示すように、バリア層12,12、外接着剤層14,14及び内接着剤層15,15のピンチオフ部10内に位置する各端部どうしが互いに突き当たって一体化する。この結果、バリア層12,12、外接着剤層14,14及び内接着剤層15,15がピンチオフ部10内において連続する。このときには、傾斜面31a,41aのほぼ全体が外層11,11に押圧接触している。
挟持突出部31,41をブロー成形の最終段階まで接近移動させると、つまり、金型30,40の挟持突出部31,41以外の対向する端部どうしが互いに接触するまで挟持突出部31,41を接近移動させると、図2に示すピンチオフ部20を有する突条が形成される。金型30,40の離型後、上記突条のうち、垂直面31b,41bによって成形された部分の下端縁を水平に切断することにより、ピンチオフ部20が有するタンク本体1が製造される。このピンチオフ部20を有するタンク本体1においては、前述したように、外層11,11、外側接着剤層14,14、バリア層12,12、内側接着剤層15,15及び内層13,13がピンチオフ部20の幅方向の中央部において連続しているので、ピンチオフ部20からの燃料気体の漏出量を従来のタンク本体に比して大幅に少なくすることができる。
ただし、外側接着剤層14と内側接着剤層15との接着強度の差及び成形条件によっては、積層体11,11の各バリア層12,12が互いに連続しないこともある。しかし、そのような場合であっても、バリア層12,12が極めて接近するので、この発明の製造方法によって製造されたタンク本体1では、ピンチオフ部20からのガソリンの漏れを従来のものに比して大幅に低減することができる。
なお、この発明は上記の実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、外側接着剤層14の接着強度を内側接着剤層15の接着強度より弱くしているが、これとは逆に内側接着剤層15の接着強度を外側接着剤層14の接着強度より弱くしてもよい。そのようにした場合には、外層11とバリア層12との間に外側接着剤層14を介在した滑りが生じる代わりに、バリア層12と内層13との間に内側接着剤層15を介在した滑りが生じる。その結果、内側接着剤層15が切断されるとともに、垂直面31b,41bより下側の内層13,13が垂直面31b,41bの接近移動に伴って下方へ移動する。すると、バリア層12及び外側接着剤層14が内層13,13の下方への移動を補填するように下方へ移動する。勿論、このときには垂直面31b,41bによって押された外層11,11の一部が下方へ移動する。その後、挟持突出部31,41がさらに接近移動すると、バリア層12及び外側接着剤層14は、下方へ移動しつつ互いに接近移動する。垂直面31b,41bがブロー成形の最終段階における位置より所定距離だけ手前の位置まで接近移動すると、積層体10,10のバリア層12,12及び外側接着剤層14,14が互いに突き当たって一体化するとととも、分断した内側接着剤層15,15(ピンチオフ部20においてバリア層12より下側に位置する内側接着剤層15,15)の端部どうしが互いに突き当たって一体化する。そして、垂直面31b,41bがブロー成形の最終段階における位置まで移動すると、図2に示すピンチオフ部20が構成される。その他の成形態様は、上記実施の形態と同様である。
また、上記の実施の形態においては、外層11とバリア層12とを外側接着剤層14を介して接着するとともに、内層13とバリア層12とを内側接着剤層15を介して接着しているが、外層11又はバリア層12を構成する樹脂に無水マレイン酸グラフト重合ポリエチレン等の接着性樹脂を混合させたり、外層11又はバリア層12を構成する樹脂と接着性樹脂とを重合させて、例えば外層11を構成する樹脂を無水マレイン酸グラフト重合ポリエチレン−ポリエチレン共重合体としたり、バリア層12を構成する樹脂を無水マレイン酸グラフト重合ポリアミドとすることによって外層11及び/又はバリア層12に接着性を持たせ、外層11とバリア等12とを直接固着させてもよい。同様にして、内層13及び/又はバリア層12に接着性を持たせ、内層13とバリア層12とを直接固着するようにしてもよい。外層11及び内層13をバリア層12にそれぞれ直接固着する場合には、外層11とバリア層12との固着強度と、内層13とバリア層12との固着強度とを互いに異なる強度にする。
さらに、外層11とバリア層12とを直接固着する一方、内層13とバリア層12とを内側接着剤層15を介して接着してもよい。その場合には、外層11とバリア層12との固着強度と、内層13とバリア層12との間の内側接着剤層15による接着強度(固着強度)とを互いに異なる強度にする。これとは逆に、外層11とバリア層12とを内側接着剤層14を介して接着し、内層13とバリア層12とを直接固着してもよい。その場合にも、外層11とバリア層12との間の外側接着剤送4による接着強度と、内層13とバリア層12との固着強度とを互いに異なる強度にする。
この発明に係る樹脂製燃料容器の容器本体を構成する積層体の一例の一部を拡大して示す断面図である。 この発明の一実施の形態のピンチオフ部を示す拡大断面図である。 図2に示すピンチオフ部を有するタンク本体をブロー成形する際の初期状態を示す一部省略断面図である。 図3のX円部の拡大断面図である。 ブロー成形用の一対の金型を図3に示す位置から接近させた状態を示す図3と同様の断面図である。 ブロー成形用の一対の金型を図5に示す位置からさらに接近させた状態を示す図3と同様の断面図である。 この発明が適用されたガソリンタンクのタンク本体を示す斜視図である。 図7に示すタンク本体を構成する積層体の一例の一部を拡大して示す断面図である。 図7に示すタンク本体をブロー成形する際の概略構成を示す図である。 従来のピンチオフ部の一例を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 タンク本体(容器本体)
10 積層体
11 外層
12 バリア層
13 内層
14 外側接着剤層
15 内側接着剤層
20 ピンチオフ部

Claims (6)

  1. 燃料の透過阻止性が高い樹脂からなるバリア層、並びにこのバリア層の外面と内面とにそれぞれ固着された樹脂からなる外層及び内層を有する積層体によって構成され、内部に燃料の収容空間が形成された容器本体を備え、上記容器本体の外面に上記容器本体の外面から外側に突出した上記積層体の上記内層どうしを溶着することによって上記容器本体の外面から外側に突出するピンチオフ部が形成された樹脂製燃料容器の上記容器本体を三次元中空成形法によって成形するに際し、
    上記内層と上記バリア層との固着強度と、上記外層と上記バリア層との固着強度とが、上記ピンチオフ部の形成時において互いに異なる強度に設定されていることを特徴とする樹脂製燃料容器の製造方法。
  2. 上記外層と上記バリア層との固着強度が、上記内層と上記バリア層との固着強度より弱く設定されているしたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂製燃料容器の製造方法。
  3. 上記内層と上記バリア層との固着強度が、上記外層と上記バリア層との固着強度より弱く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製燃料容器の製造方法。
  4. 上記内層と上記バリア層とがそれらの間に設けられた内側接着剤層によって接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂製燃料容器の製造方法。
  5. 上記外層と上記バリア層とがそれらの間に設けられた外側接着剤層によって接着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂製燃料容器の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって製造され、上記バリア層が上記ピンチオフ部において連続していることを特徴とする樹脂製燃料容器。
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