JP2005246539A - 回転磁場によるマニピュレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 磁性粒子含有物質あるいは非磁性粒子を基板上において容易かつ安価にマニピュレートすることのできる、回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
【解決手段】 常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する基板(7)およびその基板上に配置された常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する少なくとも1つの磁性粒子を含む磁性粒子含有物質(6)に対して回転磁場を印加することで、前記磁性粒子内の磁気双極子を回転させて、その磁性粒子と基板間の磁気双極子−磁気双極子相互作用によりその磁性粒子を含む磁性粒子含有物質(6)を基板(7)上で移動させる。
【選択図】 図2

Description

この出願の発明は、回転磁場によるマニピュレーション方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、磁性粒子含有物質あるいは非磁性粒子を基板上において容易かつ安価にマニピュレートすることのできる、回転磁場によるマニピュレーション方法に関するものである。
これまで、強磁性、常磁性あるいは反磁性の磁性を有する微小磁性粒子の捕捉および移動といった微小磁性粒子のマニピュレーションを行うには、たとえばレーザーを移動させたい微小磁性粒子に照射することによってその微小磁性粒子をトラップ(捕捉)し、移動させるレーザーマニピュレーション装置が知られているが、そのようなレーザーマニピュレーション装置は非常に高価であり、熱的なダメージも与えるため、とくに生体分子を粒子に修飾してマニピュレートする場合に問題となり、あまり実用的ではない。
また電場によるマニピュレーションも知られているが、そのような電場によるマニピュレーションは、移動させたい磁性粒子に限らずすべての粒子が電気泳動によって移動してしまったり、あるいは電気浸透流が発生する場合もあり、移動させたい微小磁性粒子のみを移動させるのは困難であった。
また、強磁性流体中の非磁性粒子に回転磁場を印加させることでそれらの非磁性粒子の動きを制御した例も知られている(非特許文献1)。しかしながらその例においても、非磁性粒子すなわち磁気ホールが形成する鎖状クラスターの回転運動に注目しているのみであり、非磁性粒子のマニピュレーションについては一切解析されていない。
G. HelgesenおよびP. Pieranski, "Dynamic behavior of simple magnetic hole systems" Physical Review A 42, p.7271-7280, 1990
そこでこの出願の発明は、容易かつ安価であり、移動させたい磁性粒子含有物質や非磁性粒子のみを移動させることができ、分子など様々な磁性粒子を含む磁性粒子含有物質や非磁性粒子のマニピュレートが可能な回転磁場によるマニピュレーション方法を提供することを課題としている。
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、まず第1には、常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する基板およびその基板上に配置された常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する磁性粒子を含む磁性粒子含有物質に対して回転磁場を印加することで、前記磁性粒子内の磁気双極子を回転させて、その磁性粒子と基板間の磁気双極子−磁気双極子相互作用によりその磁性粒子を含む磁性粒子含有物質を基板上で移動させることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
第2には、この出願の発明は、第1の発明において、基板上で移動させる磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が常磁性または強磁性を有する場合に、その基板を常磁性または強磁性を有する基板とすることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
さらに、第3には、第1の発明において、基板上で移動させる磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が反磁性を有する場合に、その基板を、反磁性を有する基板とすることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
また、第4には、第1ないし3いずれかの発明において、磁性粒子の粒径が1nm以上であることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法をも提供する。
第5には、第1ないし4いずれかの発明において、回転磁場の回転方向を変えることにより基板上での磁性粒子含有物質の移動方向を変えることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
第6には、第1ないし5いずれかの発明において、単一の磁性粒子を、その磁性粒子の半径以上のオーダーの凹凸を有する基板上で移動させることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
第7には、第1ないし6いずれかの発明において、磁性粒子含有物質が、単一の磁性粒子、複数の磁性粒子、磁性粒子のクラスター、磁性原子内包のフラーレンおよび磁性原子内包ナノチューブのうちのいずれかであることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
第8には、非磁性基板上の磁性流体中に配置された非磁性粒子に対して回転磁場を印加することで、前記非磁性粒子内に見かけの磁気モーメントを回転磁場と反対方向に誘起させ、非磁性粒子を非磁性基板上で移動させることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
第9には、第8の発明において、磁性流体が液体溶媒中に1nm以上10nm以下の強磁性粒子が分散されているものであることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法を提供する。
この出願の発明によれば、容易かつ安価であり、基板上で移動させたい磁性粒子含有物質あるいは非磁性粒子のみを移動させることができ、分子など様々な磁性粒子を含む磁性粒子含有物質や非磁性粒子のマニピュレートが可能な回転磁場によるマニピュレーション方法を提供することができる。
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。この発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることは言うまでもない。
この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法は、常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する基板およびその基板上に配置された常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する磁性粒子を含む磁性粒子含有物質に対して回転磁場を印加することで、前記磁性粒子内の磁気双極子を回転させて、その磁性粒子と基板間の磁気双極子−磁気双極子相互作用によりその磁性粒子を含む磁性粒子含有物質を基板上で移動させることを大きな特徴としている。
なお、この出願の発明における「磁性粒子含有物質」は、磁性粒子を内包する物質やその他の磁性粒子含有物質はもちろんのこと、単一あるいは複数の磁性粒子自体のことも意味している。
また、「回転磁場」とは一様磁場の方向が時間とともに回転するものであり、回転磁場の発生の仕方としては、永久磁石を回転させる方法と、図1のように電磁石(1)を設置し中央に試料(2)を設置し、ファンクションジェネレータ(3)のマスター(3A)およびスレーブ(3B)で各電磁石のコイル(4A)、(4B)、(4C)、(4D)のコイル電流の位相を変化させる方法があるが、後者の方が磁場強度を変えられる点で有利である。なお、図1の(5A)、(5B)は電力増幅器である。
磁性粒子を含む磁性粒子含有物質をマニピュレートするための適切な磁場の回転周波数は、磁性粒子の粒子質量、粒子径、粒子形状(ナノチューブ等)、粒子磁気モーメント、基板磁気モーメント、また磁性粒子を含む磁性粒子含有物質が溶媒中にある場合、その溶媒の粘性係数に依存して変化する。磁気モーメントはかなりの高周波まで回転磁場に追従して回転し、磁気モーメント間の引力によって磁性粒子含有物質が移動するが、磁性粒子含有物質の移動の緩和時間が磁気モーメントの変動時間に比べて短くないと磁性粒子含有物質は移動しない。
また磁性粒子含有物質の移動の抵抗としては、たとえば磁性粒子を含む磁性粒子含有物質が溶媒中にある場合、溶媒からの粘性抵抗(溶媒の粘性と粒子径に依存)、溶媒分子からの揺動力(ブラウン運動)、粒子質量がある。また粒子間引力は磁気モーメントの大きさに依存し、磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が常磁性体の場合、磁気モーメントの大きさは磁場強度に依存する。
そして、この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法は、真空中あるいは空気などの気体中で行えることはもちろんのこと、水、油などの液体(溶媒)中においても行うことが可能である。
このように基板上の磁性粒子含有物質に回転磁場を印加し、磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子内の磁気双極子を回転させ、その磁性粒子と基板間の磁気双極子−磁気双極子相互作用を利用することにより、レーザーマニピュレーションに比べて基板上の磁性粒子含有物質のマニピュレーションを容易かつ安価に行うことができ、また熱的なダメージがないことから、とくに生体分子を粒子に修飾してマニピュレートする場合に生体分子に熱的なダメージを与えることがなくきわめて有効な手段であるといえる。また電場によるマニピュレーションのようにすべての粒子が電気泳動によって移動するといったことも防止でき、基板上で移動させたい磁性粒子含有物質のみを移動させることが可能となる。
なお、基板上を移動させる磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が常磁性または強磁性を有する場合、その基板として磁性固体あるいは磁性薄膜といった常磁性または強磁性を有する基板を好適に用いることができる。なお、残留磁化がないという点で基板は常磁性体である方が好ましい。また基板上を移動させる磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が反磁性を有する場合、その基板として反磁性固体あるいは反磁性薄膜といった反磁性を有する基板を用いることができ、移動させる磁性粒子含有物質が単一の磁性粒子の場合、その単一の磁性粒子はその磁性粒子の半径以上のオーダーの凹凸を有する基板上において移動させることができる。
また、この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法は、磁性粒子の粒径が1nm以上のときに、その磁性粒子を含む磁性粒子含有物質のマニピュレーションを好適に行うことができ、基板および磁性粒子に印加する回転磁場の回転方向を変えることにより基板上での磁性粒子含有物質の移動方向を変えることも可能である。
そしてとくにこの出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法は、単一の磁性粒子、複数の磁性粒子、磁性粒子のクラスター、磁性原子内包のフラーレンおよび磁性原子内包ナノチューブのうちのいずれかに好適に適用することができる。
この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法を行う場合、磁性粒子は回転磁場により並進運動をするため、生体分子などの様々な分子を磁性粒子表面に修飾することで分子をマニピュレーションすることが可能となる。またさらに、磁性原子内包のフラーレン、ナノチューブのマニピュレーションを行えるようになり、それらのドラッグデリバリーなどへの応用が期待できる。
またこの出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法によれば、非磁性基板上の磁性流体中に配置された非磁性粒子に対して回転磁場を印加することで、前記非磁性粒子内に見かけの磁気モーメントを回転磁場と反対方向に誘起させ、非磁性粒子を非磁性基板上で移動させることも可能であり、たとえば、ポリスチレンなどの非磁性粒子を非磁性基板に沿って移動させることができるのである。なおこのとき、磁性流体として液体溶媒中に1nm以上10nm以下の強磁性粒子が分散されているものを用いることで、非磁性粒子を非磁性基板に沿って好適に移動させることができる。
この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法の一実施形態として、たとえば図2(a)〜(d)に示すように、単一の磁性粒子(6)を基板(7)上でマニピュレートする場合には、磁性粒子(6)のマニピュレーションを行う磁性を有する基板(7)表面上に粒子半径以上のオーダの凹凸があれば、回転磁場により磁性粒子(6)内の磁気双極子を回転させ、磁気双極子−磁気双極子相互作用を利用して、磁性粒子(6)を移動すなわちマニピュレートすることができる。図2の場合、図2(a)では回転磁場によって基板(7)上の単一の磁性粒子(6)に上向きの磁気モーメントが誘起され、同様に基板(7)中においても磁気モーメントが誘起し磁性粒子(6)と基板(7)の間に磁気双極子−磁気双極子相互作用が働き、磁性粒子(6)内の磁気双極子を回転磁場で回転させることによりその磁気モーメントが回転し、ポテンシャルエネルギーの低い安定する位置に磁性粒子(6)を運ぶことができる。
一方、基板(7)の表面がなめらかな場合、すなわち基板(7)表面上に粒子半径以上のオーダの凹凸がない場合には、移動によってポテンシャルエネルギーが上昇するため、単一の磁性粒子はマニピュレートすることはできない。すなわちたとえば図3(a)〜(c)に示すように、基板(7)上での磁性粒子(6)が図3(a)の位置にある状態で、磁気モーメントが回転する場合のポテンシャルエネルギーが最も低く、基板(7)上での磁性粒子(6)が図3(b)の位置にある状態で磁気モーメントが回転する場合には、図3(a)の位置で磁気モーメントが回転する場合に比べてポテンシャルエネルギーは高くなる。また図3(c)に示すように、磁性粒子(6)が並進運動する場合のポテンシャルエネルギーは、磁気モーメントがある角度を超えると図3(a)の場合よりも高くなる。したがって、単一の磁性粒子(6)がなめらかな基板(7)上を移動することによってポテンシャルエネルギーが上昇してしまうため1粒子はマニピュレートすることはできないのである。
ここで図4に図3(a)〜(c)の状態の系のポテンシャルエネルギー(λkT)と磁気モーメントの回転角度の関係を示す。図4中の黒三角は図3(a)の状態を示すグラフであり、黒四角は図3(b)の状態を示すグラフであり、白丸は図3(c)の状態を示すグラフであるが,図4(a)〜(c)より明らかなようにとくに磁気モーメントの回転角度が大きい場合に(a)の状態のポテンシャルエネルギーが(b)、(c)の状態のものよりも小さいことから、(a)の状態が(b)、(c)の状態よりも安定しており、したがってなめらかな基板表面の場合、単一の磁性粒子(6)が移動できないことが分かる。
一方マニピュレートを行う磁性粒子が2つの磁性粒子の場合は、図5(a)〜(c)に示すように、回転磁場を印加することにより2つの磁性粒子(8)の磁気モーメントを回転させるのであるが、この場合には、2つの磁気粒子(8)の一方の磁性粒子(8A)を中心にしてその周りで他方の磁性粒子(8B)を回転させ、続いて磁性粒子(8B)を中心にしてその周りで磁性粒子(8A)を回転させるといったことを繰り返すことによって、基板(7)の表面の凹凸に関係なく2つの磁性粒子(8)をマニピュレートすることができる。
なお、図6に2つの磁性粒子の移動と磁場強度・磁場周波数の関係を示す。なお、図6の横軸は1粒子の並進速度と2つの磁性粒子の回転速度の比ΩHであり、縦軸は双極子−双極子相互作用エネルギーと熱エネルギーの比λであり、λとΩHは以下のような式で表される。
ただし、m、μ0、d、k、T、η0、ωはそれぞれ、粒子あるいは粒子に誘起される磁気モーメント、溶媒の透磁率(真空の透磁率に等しい)、粒径、ボルツマン定数、絶対温度、溶媒の粘性係数、回転磁場の角周波数である。
ここで磁気モーメントの大きさ|m|と磁場H0の関係は以下のとおりである。
なおχは磁化率である。
図6中、黒丸で示した領域で2つの磁性粒子のマニピュレーションが可能となり、白三角の領域では、2つの磁性粒子の移動はカオティックである。また×の領域では、2つの磁性粒子は移動しない。
たとえばT(絶対温度)=300K、η0(溶媒の粘性係数)=1×10-3Pa・sの場合、図6中の菱形状の(a)〜(c)は下記の条件に対応する。
(a)d(粒径)=5×10-8m、χ(磁化率)=4.4×10-6H/m、
0(磁場)=1.59×105A/m(B=0.2T)、
f(角周波数/2π)=ω/(2π)=100Hz
(b)d=2×10-7m、χ=4.4×10-6H/m、
0=3.98×104A/m(B=0.05T)、f=10Hz
(c)d=2×10-6m、χ=5.0×10-7H/m、
0=2.39×104A/m(B=0.03T)、f=1Hz
以上の例より明らかなように、この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法は、基板上の磁性粒子含有物質に回転磁場を印加し、磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子内の磁気双極子を回転させ、その磁性粒子と基板間の磁気双極子−磁気双極子相互作用を利用することにより、基板上の磁性粒子含有物質のマニピュレーションをレーザーマニピュレーションなどに比べて容易かつ安価に行うことができ、また電場によるマニピュレーションのようにすべての粒子が電気泳動によって移動するといったことも防止でき、基板上で移動させたい磁性粒子含有物質のみを移動させることが可能となるのである。
一方、非磁性粒子の場合、たとえば、図7に示すように、非磁性基板(9)上の磁性流体(10)中に配置された非磁性粒子(11)(図7では3つの非磁性粒子が鎖状に並んだ状態)に対して回転磁場(12)を印加することで、非磁性粒子(11)内に見かけの磁気モーメント(13)を回転磁場(12)と反対方向に誘起させ、非磁性粒子(11)を非磁性基板(9)上で移動させる。このとき、磁性流体(10)としては、液体溶媒中に1nm以上10nm以下の強磁性粒子が分散されているものを好適に用いることができる。
このようにすることによって、非磁性粒子の場合においても、磁性粒子含有物質の場合と同じように回転磁場によりマニピュレートすることができるのである。
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、磁性粒子含有物質あるいは非磁性粒子を基板上において容易かつ安価にマニピュレートすることのできる、回転磁場によるマニピュレーション方法が提供され、生体分子などの様々な分子を磁性粒子表面に修飾することで分子をマニピュレーションすることが可能となり、さらに、磁性原子内包のフラーレン、ナノチューブや非磁性粒子のマニピュレーションを行えるようになり、それらのドラッグデリバリーなどへの応用が期待できる。
この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法に用いる回転磁場を発生させる電磁石の一実施形態を示す断面図である。 この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法の一実施形態を例示した図である。 この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法を適用できない例を示した図である。 図3の場合の磁気モーメントの回転角度とポテンシャルエネルギーの関係を示すグラフである。 この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法の他の実施形態を例示した図である。 この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法を用いた2つの磁性粒子の移動と磁場強度・磁場周波数の関係を示すグラフである。 この出願の発明の回転磁場によるマニピュレーション方法の他の実施形態を例示した図である。
符号の説明
1 電磁石
2 試料
3 ファンクションジェネレータ
3A (ファンクションジェネレータの)マスター
3B (ファンクションジェネレータの)スレーブ
4A、4B、4C、4D コイル
5A、5B 電力増幅器
6 磁性粒子
7 基板
8 2つの磁性粒子
9 非磁性基板
10 磁性流体
11 非磁性粒子
12 回転磁場
13 見かけの磁気モーメント

Claims (9)

  1. 常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する基板およびその基板上に配置された常磁性、強磁性および反磁性のうちのいずれかの磁性を有する磁性粒子を含む磁性粒子含有物質に対して回転磁場を印加することで、前記磁性粒子内の磁気双極子を回転させて、その磁性粒子と基板間の磁気双極子−磁気双極子相互作用によりその磁性粒子を含む磁性粒子含有物質を基板上で移動させることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法。
  2. 基板上で移動させる磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が常磁性または強磁性を有する場合に、その基板を、常磁性または強磁性を有する基板とすることを特徴とする請求項1記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。
  3. 基板上で移動させる磁性粒子含有物質に含まれる磁性粒子が反磁性を有する場合に、その基板を、反磁性を有する基板とすることを特徴とする請求項1記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。
  4. 磁性粒子の粒径が1nm以上であることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。
  5. 回転磁場の回転方向を変えることにより基板上での磁性粒子含有物質の移動方向を変えることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。
  6. 単一の磁性粒子を、その磁性粒子の半径以上のオーダーの凹凸を有する基板上で移動させることを特徴とする請求項1ないし5いずれかに記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。
  7. 磁性粒子含有物質が、単一の磁性粒子、複数の磁性粒子、磁性粒子のクラスター、磁性原子内包のフラーレンおよび磁性原子内包ナノチューブのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。
  8. 非磁性基板上の磁性流体中に配置された非磁性粒子に対して回転磁場を印加することで、前記非磁性粒子内に見かけの磁気モーメントを回転磁場と反対方向に誘起させ、非磁性粒子を非磁性基板上で移動させることを特徴とする回転磁場によるマニピュレーション方法。
  9. 磁性流体が液体溶媒中に1nm以上10nm以下の強磁性粒子が分散されているものであることを特徴とする請求項8記載の回転磁場によるマニピュレーション方法。


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