JP2005244447A - データ通信システム、データ通信方法、および移動端末装置 - Google Patents

データ通信システム、データ通信方法、および移動端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で通信品質の向上を図り、帯域幅の増加や音声の途切れを抑制でき、ハンドオーバへの利用にも適したデータ通信方法、およびデータ通信システムを実現する。
【解決手段】送信処理部と受信処理部とを備えた通信装置間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信方法であって、通信装置は、受信データ処理部20の受信品質測定部26において、受信信号に基づく受信品質を検出し、送信データ処理部10のパケット化部14により上記受信品質に応じたブランチ数の圧縮データをパケット化し、これらのパケットを含む送信信号を通信部39から送信することにより、受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、送信処理部と受信処理部とを備えた通信装置間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信システム、データ通信方法、および移動端末装置に関し、特に、移動端末装置と基地局装置との間で移動体を対象とした音声データ通信を行なうデータ通信システム、およびデータ通信方法に関する。
従来、通信サービスエリアを複数のセルに分割して構成されたCDMA(Code Division Multiple Access)方式の移動通信システムにおいては、現在接続中の基地局または移動局の受信品質が劣化した場合、周辺セルの基地局との間でダイバーシティハンドオーバ(Diversity Hand Over、以下、適宜、DHOと呼ぶ)を行なうことにより、受信品質を向上させる手法が採られている(例えば、特許文献1参照)。CDMA方式とは、符号分割多元接続方式の略称であり、伝送情報に拡散コードを掛け合わせてフレーム単位で情報を伝送し、受信側で同一の拡散コードを受信信号に掛け合わせることによって元の伝送情報を取り出す方式である。また、DHOとは、移動局が、あるセルの基地局と通信中に他の基地局のセル内に移動したとき、移動前と移動後の両方のセルの基地局と通信を行なうことである。
このような従来のセル間でDHOを行なう移動通信システムでは、無線制御局と、この無線制御局にそれぞれ有線で接続された複数の基地局を有する。また、それぞれの基地局は、移動局との通信範囲であるセルを形成している。ここで、移動局が、ある基地局のセルとその基地局に隣接した基地局のセルとのほぼ中間に位置するとき、それぞれのセルを管理する基地局は、DHOの状態となって移動局と接続される。各基地局は、この移動局との接続に関する情報を無線制御局に送信する。無線制御局は、各基地局からの情報に基づいてDHO後の基地局を決定し、移動局の移動に伴って、決定した基地局へと接続するように切り替え制御を行なう。例えば、携帯電話のような移動通信システムの場合では、このようなDHOを実施することで、あるエリアから他のエリアへと移動中であっても、通話が途切れることなく円滑に基地局の接続切り替えを行なうことができ、通信品質の向上を図っている。
ところで、一般に、移動通信システムにおいては、受信信号レベルがフェージング等によって常に変動している。このため、上述したDHO技術のように、ダイバーシティ通信技術を利用して通信品質を改善しようとする手法が数多く提案されている。ダイバーシティ通信とは、互いに受信信号レベルの相関が低い複数の通信路を設定し、これらの出力を選択、あるいは合成することにより通信品質の改善を図る通信手法である。このようなダイバーシティ通信において、複数の通信路は、一般にダイバーシティ枝、または単にブランチと呼ばれる。また、通信路、すなわちブランチの設定方法により、例えば、受信アンテナを複数用いる空間ダイバーシティ方式、同一の信号を異なるタイミングで複数回送信する時間ダイバーシティ方式、複数の周波数で同一の信号を送出する周波数ダイバーシティ方式などが知られている。DHOもこれらダイバーシティ方式の一手法である。
このようなダイバーシティ方式において、空間ダイバーシティ方式は複数のアンテナが必要であり、周波数ダイバーシティ方式では複数の周波数で送信する装置、および受信する装置が必要であるため、設備が大規模になるなどの課題があった。これに対して、時間ダイバーシティ方式は、伝送データの冗長性が大きくなり伝送速度が低下するという課題はあるが、一系列の送受信系でダイバーシティ通信ができるという利点があった(例えば、特許文献2参照)。
図12は、従来の時間ダイバーシティ方式を利用した通信システムの一例を示した構成図である。図12では、送信装置910から受信装置920に対し、時間ダイバーシティ方式を利用してデータが伝送される一例を示している。
送信装置910において、入力端子931の入力データは、遅延バッファ912に供給される。遅延バッファ912は、データを一定のビット数遅延させる遅延器919を複数有しており、これら遅延器919により、一定のビット数単位毎に入力データを遅延させる。さらに、遅延バッファ912は、入力データを一定のビット数単位で遅延させた複数のデータ系列を出力する。すなわち、遅延バッファ912からは、入力データを一定時間間隔でN(Nは2以上の整数)通りに時間シフトしたデータ系列が出力される。多重化部914は、遅延バッファ912からのN個のデータ系列を、例えば、2のN乗値変調方式用符号化手段により同時に符号化する。送信部933は、N個のデータ系列を符号化した信号を含む送信信号を、アンテナ939から受信装置920へと送信する。これにより、ブランチ数がN個の時間ダイバーシティ送信が実行される。
受信装置920において、送信装置910からの送信信号は、アンテナ979にて受信され、受信信号として受信部934に供給される。受信部934は、この受信信号を復調し、復調信号を分離部924に供給する。また、受信部934は、受信信号の信号レベルに対応した受信レベル信号を合成制御部925に出力する。分離部924は、供給された復調信号からN個のデータ系列を復元する。遅延バッファ923は、データを所定のビット数遅延させる遅延器929を複数有しており、分離部924からのN個のデータ系列は、遅延バッファ923の各遅延器に供給される。これにより、遅延バッファ923からは、送信装置910において一定時間間隔で遅延させた遅延時間を補正したN個のデータ系列が出力される。合成制御部925は、受信レベル信号に基づき、N個のデータ系列において、例えば、最も高い受信レベルに対応するデータ系列を選択するよう合成部922を制御する。合成部922は、このような合成制御部925からの制御により、最も高い受信レベルに対応するデータ系列を選択し、選択したデータを出力データとして出力端子932から出力する。
このような構成により、送信装置910により、遅延時間差をおいて複数回、同一のデータを送出し、受信装置920において、これらの信号をブランチとして選択、あるいは合成する時間ダイバーシティ通信を実現できる。特に、受信装置920において、各時間の受信レベルに応じて、各ブランチから最適なデータを選択する構成であるため、通信品質の向上を図ったデータ通信を実現できる。
なお、このような時間ダイバーシティ通信方式と類似した方式として、再送制御を利用した通信方式がある(例えば、特許文献3参照)。再送制御とは、受信信号において誤りが検出された場合、受信側から送信側に対してそのデータ、あるいはパケットを再度送信するよう要求し、送信側から再送信するよう制御することである。再送制御を利用した通信方式では、このような制御を行なうことで通信品質の向上を図っている。しかし、携帯電話のような音声通信の場合、伝送するデータは、二つの電話装置間でのリアルタイムな会話を主とした音声データあり、このような再送制御を行なうと会話が途絶えてしまうこととなる。このため、携帯電話のような音声通信の場合には、リアルタイム性も通信品質を決定する重要な要素となる(例えば、特許文献3、あるいは特許文献4参照)。
特開2002−232353号公報 特開昭58−151740号公報 特開平9−247131号公報 特開2003−283557号公報
しかしながら、上述したDHOを利用した通信システムでは、携帯電話などの移動端末装置と複数の基地局との同時接続が必要であるため、同時接続を制御する無線制御局や各基地局の設備が大規模になり、また、移動端末装置においても同時接続の処理が必要となり、移動通信で重要な装置の小型化、低消費電力化、および経済化に反するという課題があった。
一方、上述したように、時間ダイバーシティ方式は、一系列の送受信系でダイバーシティ通信ができるため、DHOに比較して簡易な処理で通信品質の向上を図った通信システムを実現でき、移動通信で重要な装置の小型化、低消費電力化、および経済化を図ることができる。しかし、上述した従来例の場合、常に複数のデータ系列を伝送するような手法であるため、広帯域な伝送手段が必要となったり、伝送帯域が制限される場合には、伝送データの冗長性が大きくなり伝送速度が低下するなどの課題があった。
また、再送制御を利用した通信方式では、簡易な処理で通信品質の向上を図ることができ、広帯域な伝送手段も必要とはしないが、上述したように、電話のような音声通信の場合には、リアルタイム性に欠けるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡易な構成や処理で通信品質の向上を図るとともに、データ伝送における必要帯域幅の増加を抑制することが可能であり、音声データの通信システムにおいても音声の途切れを抑制でき、これにより、ハンドオーバ処理への利用にも適したデータ通信方法、およびデータ通信システムを実現することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明のデータ通信方法は、送信処理部と受信処理部とを備えた通信装置間における、時間ダイバーシティ方式を利用したデータ通信方法である。さらに、通信装置は、受信処理部において、受信信号に基づく受信品質を検出し、送信処理部において、前記受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴としている。
このようなデータ通信方法によれば、時間ダイバーシティ方式を利用したデータ通信方法であるため、例えば、携帯電話などの音声データ通信システムに適用し、セル間の電波状況が悪化したような状況の場合には、ブランチ数を増加させて受信品質の向上を図ることができる。すなわち、本発明のデータ通信方法は、電波状況に応じてブランチ数を可変し通信の劣化を抑制するため、電波状況が悪化したような状況においてもDHOのように複数の基地局と通信接続する必要はない。このため、移動端末装置や無線制御局装置は簡易な構成や、簡易な処理を実行するのみでよく、これにより通信品質の向上を図ることができる。
また、本発明のデータ通信方法は、電波状況に応じてブランチ数を可変できるため、例えば、セル内の電波状況が良い場合には、ブランチ数を1、すなわち時間ダイバーシティ通信ではなく通常の通信とするように、容易に設定できる。このため、常時時間ダイバーシティ通信を行なうような通信方法と比較して、伝送データの冗長性を抑制でき、広帯域幅の伝送手段も必要ない。
また、本発明のデータ通信方法は、電波状況が悪化したような状況の場合には、時間ダイバーシティ方式に基づき複数のデータ系列を常時送信するため、再送制御のように誤り音声データを検出した後、その音声データを再送するような方式に比べて、会話が途切れるというような不具合を抑制することができる。
また、本発明のデータ通信方法は、送信処理部と受信処理部とを備えた通信装置間における、時間ダイバーシティ方式を利用したデータ通信方法である。さらに、一方の通信装置は、受信処理部において、受信信号に基づく受信品質を検出し、送信処理部において、前記受信品質に関する情報を含む送信信号を他方の通信装置に送信する。さらに、他方の通信装置は、受信処理部において、受信信号に含まれる前記受信品質に関する情報を抽出し、送信処理部において、前記受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴としている。
このようなデータ通信方法によれば、相手方が実際に受信している受信品質に基づき、ブランチ数を可変してデータを送信できる。すなわち、例えば、携帯電話などの音声データ通信システムに適用し、セル間の電波状況が悪化したような状況の場合において、相手方はこちらからの声が聞こえているが、こちらは相手方の声が聞き取りにくいというような非対称な会話の途切れを抑制することが可能となる。また、相手方が受信した電波状況に応じて適応的にブランチ数を可変して送信するため、必要以上にブランチ数を設けることを抑制でき、その結果、必要以上の送信を制限でき、低消費電力化を図ることができる。
また、本発明のハンドオーバ方法は、移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置と、複数の基地局装置を制御する無線制御局装置とを含むデータ通信システムにおける、移動端末装置と通信接続中の基地局装置から、移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるハンドオーバ方法である。さらに、本発明のハンドオーバ方法は、基地局装置が、通信接続中の移動端末装置からの信号を受信し、受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。さらに、本発明のハンドオーバ方法は、無線制御局装置が、通信接続中の基地局装置の受信品質に関する情報を監視し、受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるように制御することを特徴としている。
また、本発明のハンドオーバ方法は、基地局装置が、通信接続中の移動端末装置からの信号を受信し、受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質に関する情報を含む送信信号を通信接続中の前記移動端末装置に送信し、移動端末装置が、通信接続中の基地局装置からの受信品質に関する情報を含む信号を受信し、受信品質に関する情報を抽出し、受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。さらに、本発明のハンドオーバ方法は、無線制御局装置が、通信接続中の基地局装置の受信品質に関する情報を監視し、受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるように制御することを特徴としている。
また、本発明のハンドオーバ方法は、移動端末装置が、通信接続中の基地局装置からの信号を受信し、受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質に関する情報を含む送信信号を通信接続中の基地局装置に送信し、基地局装置が、通信接続中の移動端末装置からの受信品質に関する情報を含む信号を受信し、受信品質に関する情報を抽出し、受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。さらに、本発明のハンドオーバ方法は、無線制御局装置が、通信接続中の移動端末装置から基地局装置へと送信された受信品質に関する情報を監視し、受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるように制御することを特徴としている。
このようなハンドオーバ方法によれば、現在接続中の基地局装置または移動局装置の受信品質が劣化した場合、周辺セルの基地局装置との間で、受信状況に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ通信を利用したハンドオーバ処理を実行するため、セル間などの受信状況が良好でない場合の受信品質の向上を図ることができる。また、時間ダイバーシティ方式を利用したハンドオーバ方法であるため、一系列の送受信系でダイバーシティ通信ができ、DHOなどに比較して簡易な処理で通信品質の向上を図ったハンドオーバ処理が可能となる。
また、本発明のデータ通信システムは、移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間でデータ通信を行なうデータ通信システムである。さらに、本発明のデータ通信システムは、移動端末装置、および基地局装置の少なくともどちらか一方の通信装置が、通信信号を受信する受信部と、受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の圧縮データ系列を選択する選択部と、複数の圧縮データ系列から、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御する多重制御部と、選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明のデータ通信システムは、移動端末装置、および基地局装置のどちらか一方の通信装置が、通信信号を受信する受信部と、受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、受信品質情報を含む送信信号を他方の通信装置に送信する送信部とを備える。さらに、本発明のデータ通信システムは、他方の通信装置が、受信品質情報を含む送信信号を受信し、送信信号を復元するとともに、受信品質情報を抽出する受信部と、入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の圧縮データ系列を選択する選択部と、複数の圧縮データ系列から、受信品質情報に応じた系列数分の圧縮データ系列を選択するよう選択部に対して指示制御する多重制御部と、選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴としている。
このようなデータ通信システムによれば、複数の圧縮データ系列を受信状況に応じて送信するようなデータ通信システムであるため、簡易な構成で実現できる。また、電波状況が悪化したような状況の場合には、複数の圧縮データ系列を増加させ送信することで、ブランチ数を増加させた時間ダイバーシティ送信が可能となり、受信品質の向上を図ることができる。さらに、このようなデータ通信システムでは、電波状況に応じてブランチ数を可変できるような構成のため、電波状況が良い場合には、ブランチ数を1、すなわち時間ダイバーシティ通信ではなく通常の通信とするように、容易に設定できる。このため、常時時間ダイバーシティ通信を行なうような通信方法と比較して、伝送データの冗長性を抑制でき、広帯域幅の伝送手段も必要ない。また、このようなデータ通信システムでは、電波状況が悪化したような状況の場合には、時間ダイバーシティ方式に基づき複数の圧縮データ系列を常時送信するため、会話が途切れるというような不具合を抑制することができる。
また、本発明の移動端末装置は、移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信システムにおける移動端末装置である。さらに、本発明の移動端末装置は、移動端末装置が、通信信号を受信する受信部と、受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の前記圧縮データ系列を選択する選択部と、複数の圧縮データ系列から、受信品質情報に応じた系列数分の圧縮データ系列を選択するよう選択部に対して指示制御する多重制御部と、選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明の移動端末装置は、移動端末装置が、基地局装置からの受信品質情報を含む送信信号を受信し、送信信号を復元するとともに、基地局装置からの受信品質情報を抽出する受信部と、受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、移動端末装置における受信品質情報として出力する受信品質測定部と、入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の圧縮データ系列を選択する選択部と、複数の圧縮データ系列から、基地局装置からの受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう選択部に対して指示制御する多重制御部と、選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、パケット化部で順次生成される各パケットを、移動端末装置における受信品質情報を含む送信信号として送信する送信部とを備えたことを特徴としている。
このような移動端末装置によれば、受信状況に応じて適応的に複数の圧縮データ系列を送信することが可能となり、受信状況に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を実現できる。このため、受信状況が悪化した状況においても、ブランチ数を増加させることで、受信状態の改善を図ることができる。また、電波状況に応じて適応的にブランチ数を可変して送信するため、必要以上にブランチ数を設けることが抑制でき、その結果、必要以上の送信を制限でき、低消費電力化を図ることができる。
本発明によれば、時間ダイバーシティ方式を利用し、電波状況に応じてブランチ数を可変して通信の劣化を抑制し通信品質の向上を図ることが可能となり、それによって、電波状況が悪化したような状況においても複数の基地局と通信接続する必要はなく、簡易な構成や処理で通信品質の向上を図ることができる。また、本発明によれば、電波状況に応じてブランチ数を可変できるため、データ伝送における必要帯域幅の増加を抑制することができる。また、本発明によれば、電波状況が悪化したような状況の場合には、時間ダイバーシティ方式に基づき複数のデータ系列を常時送信するため、音声データの通信システムにおいても音声の途切れを抑制できる。このため、ハンドオーバ処理への利用にも適したデータ通信方法、データ通信システム、および移動端末装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における通信装置の構成図である。また、図2は、本発明の実施の形態1における、図1の通信装置を利用したデータ通信システムの構成図である。本発明の実施の形態1における通信装置は、入力されたデータを送信するための処理を行なう送信処理部と、受信した信号からその信号に含まれるデータを復元するための受信処理部とを備える。さらに、本通信装置は、受信状況に応じて、時間ダイバーシティ方式を利用して通信を行なうことを特徴としている。また、本実施の形態1では、入力された音声データを圧縮処理し、さらにパケット化して送信するとともに、受信した信号からパケットを抽出し、抽出した各パケットに含まれる圧縮音声データを伸張処理して元の音声データに復元する通信装置、およびこの通信装置を用いたデータ通信システムの例を挙げて説明する。
図1に示す本実施の形態1の通信装置おいて、入力端子31は、音声信号をデジタル化した音声データが入力される入力端子である。入力端子31に入力された入力音声データは、送信データ処理部10に供給される。
送信データ処理部10は、供給された入力音声データを圧縮処理する。さらに、送信データ処理部10は、圧縮処理した入力音声データである圧縮音声データを所定のビット数毎に一つのブロックとして区分し、区分した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納することでパケット化を行なう。また、送信データ処理部10は、圧縮音声データを一定のビット数単位毎に遅延させた複数の圧縮音声データ系列を生成し、複数の圧縮音声データ系列から、制御情報に応じた系列数分の圧縮音声データ系列を選択し、選択した系列数分の圧縮音声データ系列のブロックを各パケットに格納するよう制御する機能を有している。送信データ処理部10は、このような機能を有することで、制御情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信が可能な一連のパケット系列で構成されるビットストリームを生成する。
送信データ処理部10において、入力端子31からの入力音声データは、圧縮処理部11に供給される。圧縮処理部11は、供給された入力音声データに対して圧縮処理を施し、低ビットレートに圧縮変換された音声データである圧縮音声データを出力する。圧縮処理部11は、例えば、音声符号化方式として知られているビットレート32KbpsのADPCM方式(ITU−T標準G.726)、あるいは、ビットレート8KbpsのCS−ACELP方式(ITU−T標準G.729)などの方式に基づいた圧縮符号化処理を行なう。なお、圧縮処理の方式としてこれらの方式に限定されるものでなく、また、例えば、64KbpsのPCM方式(ITU−T標準G.711)のような符号化処理のみであってもよい。圧縮処理部11は、入力音声データ(以下、適宜、入力データと呼ぶ)に対して圧縮処理を施し、生成した圧縮音声データ(以下、適宜、圧縮データと呼ぶ)を遅延バッファ12に供給する。
遅延バッファ12は、圧縮データを一定のビット数遅延させる遅延器129を複数有している。遅延器129は、例えば、シフトレジスタなどにより実現できる。遅延バッファ12は、これら遅延器129により、一定のビット数単位毎に圧縮データを遅延させる。さらに、遅延バッファ12は、遅延させない圧縮データも含めて、圧縮データを一定のビット数単位で遅延させた複数の圧縮データ系列を出力する。すなわち、遅延バッファ12からは、圧縮データを一定時間間隔でN(Nは2以上の整数)通りに時間シフトした各圧縮データ系列が出力される。図1に示す遅延バッファ12では、遅延器129をn個用いて(n+1)通りに時間シフトした圧縮データ系列d0からdnまでが出力される例を挙げている。遅延器129の遅延時間をtとした場合、圧縮データ系列d0は、遅延させない圧縮データが出力され、圧縮データ系列d1は、圧縮データ系列d0に対して時間t遅れて圧縮データが出力され、圧縮データ系列d2は、圧縮データ系列d0に対して時間2t遅れて圧縮データが出力され、圧縮データ系列dnは、圧縮データ系列d0に対して時間nt遅れて圧縮データが出力される。
選択部13には、遅延バッファ12から複数の圧縮データ系列が供給される。選択部13は、多重制御部15から指示された系列数分の圧縮データ系列を選択する。また、多重制御部15には、後述する受信品質測定部26から、選択部13が選択する系列数分に対応した個数を示す送信ブランチ情報が通知される。多重制御部15は、この送信ブランチ情報に基づき、選択部13に対して、送信ブランチ情報で指示される個数に応じた系列数分の圧縮データ系列を複数の圧縮データ系列から選択するよう指示制御する。例えば、受信品質測定部26から多重制御部15に対してb個を示す送信ブランチ情報が通知された場合、多重制御部15は、選択部13に対して、個数b個の系列数分の圧縮データ系列を複数の圧縮データ系列から選択するよう指示制御する。これにより、選択部13は、例えば、b個の系列数分の圧縮データ系列として、圧縮データ系列d0から圧縮データ系列d(b−1)までを選択する。
パケット化部14には、選択部13により選択された一つまたは複数の圧縮データ系列が供給される。パケット化部14は、選択部13から供給された一つまたは複数の圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータを一つのブロックとして抽出する。さらに、パケット化部14は、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納することで、送信パケットを生成する。パケット化部14は、このような送信パケットの生成を、順次、一つまたは複数の圧縮データ系列に対して行なう。また、パケット化部14は、多重制御部15と同様に、受信品質測定部26から送信ブランチ情報が通知される。パケット化部14は、この送信ブランチ情報を含め、順次生成した送信パケットを一連のパケット系列で構成されるビットストリームとして送信部33に供給する。このようなパケット化部14が行なう処理の一例として、例えば、送信ブランチ情報が2個を示す場合、各パケットには、圧縮データ系列d0から抽出したブロックのデータと、圧縮データ系列d1から抽出したブロックのデータとの、2個のブロックが格納され、2個を示す送信ブランチ情報とともにビットストリームを構成する。
以上、圧縮処理部11、遅延バッファ12、選択部13、多重制御部15、およびパケット化部14により送信データ処理部10が構成される。また、このような構成により、選択部13が圧縮データ系列を複数選択した場合には、同一の圧縮データがそれぞれ時間シフトされてパケットに格納されることとなり、このようなパケット系列で構成されるビットストリームとして送出される。すなわち、このようなビットストリームにより、同一のデータを異なるタイミングで複数回送信することができ、時間ダイバーシティ方式に対応したデータ通信を実現することができる。なお、選択部13により圧縮データ系列が一つのみ選択された場合には、ブランチ数が1である時間ダイバーシティ通信、言い換えれば時間ダイバーシティを行なわない通常のデータ通信を実現できる。本発明は、多重制御部15の制御により、ブランチ数が1から所定のブランチ数までの時間ダイバーシティ送信に適応的に切り替えて圧縮データを送出することを一つの特徴としている。
送信部33は、パケット化部14からのビットストリームが供給され、このビットストリームを重畳した送信データに変換し、この送信データを通信部39に供給する。通信部39は、供給された送信データに対して変調処理、電力増幅等を施し、送信信号として出力する。このようにして、入力端子31に入力された入力データは、以上のような処理が施され、例えば通話相手の通信装置に伝送される。また、上述した送信データ処理部10と送信部33とにより、入力されたデータを送信するための処理を行なう送信処理部が構成される。
一方、通信部39は、さらに、相手側の通信装置から送信された送信信号を受信信号として受信し、受信信号に対して復調処理等を施し、復調信号を受信部34に供給する。受信部34は、供給された復調信号に対して誤り訂正等を行ない、受信したビットストリームとして受信データ処理部20に供給する。また、受信部34は、復調信号、あるいは誤り訂正処理における誤り率に関する情報など、受信品質を測定するために必要な信号を受信データ処理部20に通知する。
受信データ処理部20は、上述した送信データ処理部10で生成したビットストリームと同様のデータ系列に対して、パケットの抽出、圧縮データの伸張処理等を行なう。すなわち、供給されたビットストリームから各パケットを抽出し、各パケットに格納された圧縮データを抽出し、抽出した圧縮データに対して伸張処理を行ない、相手側の通信装置から送られたデータを復元する。また、受信データ処理部20は、パケットに、所定のビット数毎に一つのブロックとして区分された複数のブロック単位で圧縮データが含まれる場合には、ブロック毎に圧縮データを抽出する。さらに、受信データ処理部20は、ブロック毎に異なる時間遅延させた複数の圧縮データ系列を復元し、復元した各圧縮データ系列を選択、あるいは合成により選択圧縮データを生成し、選択圧縮データに対して伸張処理を行なう。また、受信データ処理部20は、受信した受信信号の品質を測定し、測定した結果に基づく受信品質に関する情報を生成し、送信データ処理部10に通知する機能を有することを特徴とする。
受信データ処理部20において、受信部34からのビットストリームは、パケット抽出部24に供給される。パケット抽出部24は、供給されたビットストリームから順次パケットを抽出する。さらに、パケット抽出部24は、抽出したパケットに格納された圧縮データを抽出する。上述したように、各パケットには、圧縮データが一つまたは複数のブロック単位で格納されている。このため、パケット抽出部24は、ビットストリームに含まれる送信ブランチ情報を利用してパケットに含まれるブロック数を確認し、送信ブランチ情報に基づくブロック数の圧縮データ系列として抽出する。例えば、送信ブランチ情報が2個を示す場合、パケット抽出部24は、パケットから、圧縮データ系列d0に対応したブロックのデータと、圧縮データ系列d1に対応したブロックのデータとを抽出する。
遅延補正部23は、パケット抽出部24で抽出したブロック別の圧縮データを所定の異なったビット数分遅延させる遅延器123を複数有している。遅延補正部23は、これら遅延器129により、相手側からのそれぞれ異なった遅延量とする各圧縮データ系列に対して、その遅延量を補正し、遅延量を補正したそれぞれの圧縮データを出力する。遅延補正部23から出力された圧縮データは合成部22に供給される。すなわち、遅延補正部23からは、伝送系等においてデータ誤りが発生しない場合には、同一の圧縮データが出力される。図1に示す遅延補正部23では、例えば、相手側の送信データ処理部において最も遅延量が少ない圧縮データ系列のd0が、遅延補正部23の最も遅延量の多い遅延器123に供給され、他の圧縮データ系列d1、d2等と同一タイミングとなるように補正され、補正された圧縮データ系列c0が出力される。また、例えば、送信ブランチ情報が2個を示す場合には、圧縮データ系列d0のブロックと、圧縮データ系列d1のブロックとの圧縮データが遅延補正部23に供給され、同一タイミングに補正された圧縮データ系列c0と圧縮データ系列c1との2系列の圧縮データが出力される。
合成部22は、遅延補正部23から供給される複数の圧縮データ系列から、後述する合成制御部25の制御情報に従って一つの圧縮データ系列を選択する。合成部22は、選択した圧縮データ系列の選択圧縮データを伸張処理部21に供給する。なお、遅延補正部23から一つの圧縮データ系列が供給された場合には、合成部22は、その圧縮データ系列を出力する。また、以下、合成部22は一つの圧縮データ系列を選択するとして説明するが、合成部22が、例えば、合成制御部25の制御情報に従って、複数の圧縮データ系列に対し重み付けを行ない合成するような機能であってもよい。
伸張処理部21は、供給された選択圧縮データに対して、その圧縮状態を元に戻すための伸張処理を行なう。これにより、相手側において入力されたデータに対応したデータが復元され、伸張処理部21からは、復元したデータである出力データが出力端子32に出力される。
一方、受信品質測定部26は、受信した受信信号の品質を測定し、測定した結果に基づく受信品質に関する情報を生成し、合成制御部25、および送信データ処理部10に通知する。受信品質測定部26は、受信部34から通知される復調信号、あるいは誤り訂正処理における誤り率に関する情報を受け取る。受信品質測定部26は、これらの情報に基づき、受信した信号の品質を決定する。例えば、受信品質測定部26は、復調信号から受信レベルを測定し、受信レベルが低い場合には受信品質の劣化、受信レベルが高い場合には受信品質が良好とする。あるいは、受信品質測定部26は、誤り率に関する情報により逐次誤り率を測定し、誤り率が高い場合には受信品質の劣化、誤り率が低い場合には受信質が良好とする。あるいは、受信レベル、および誤り率の双方に基づき受信品質を決定してもよい。受信品質測定部26は、受信品質の結果に基づき、受信品質情報を生成し、合成制御部25に通知する。
また、受信品質測定部26は、受信品質の結果に基づき、送信ブランチ情報を生成し、送信データ処理部10の多重制御部15に通知する。送信ブランチ情報は、受信品質が最も良好な場合には、ブランチの個数を1個とし、受信品質の劣化に伴ってブランチの個数が増加するような情報である。
また、合成制御部25は、受信品質測定部26からの受信品質情報を受け取る。受信品質情報は、例えば、各パケットにおける受信品質を示すような情報である。合成制御部25は、受信品質情報に基づき、供給された各圧縮データの中から受信品質が最も良好なパケットに格納された圧縮データ系列を合成部22が選択するように、合成部22を制御する。
以上、パケット抽出部24、遅延補正部23、合成部22、伸張処理部21、受信品質測定部26、および合成制御部25により受信データ処理部20が構成される。また、上述した、受信部34と受信データ処理部20とにより、受信した信号からその信号に含まれるデータを復元するための受信処理部が構成される。
以上のような構成により、本発明の実施の形態1における通信装置は、受信品質測定部26で測定した受信品質に基づく受信状況に応じて、送信するパケットに格納する各圧縮データ系列のブロック数を適応的に可変して送信するため、受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことが可能となる。
図2は、図1で説明した本発明の通信装置を利用したデータ通信システムの構成図である。本データ通信システムは、図1を用いて説明した通信装置と同等の機能を備えた複数の通信装置により構成される。図2において、一方の通信装置100は、図1を用いて説明した通信装置である。また、他方の通信装置200は、図1を用いて説明した通信装置、あるいは図1を用いて説明した通信装置と同等の機能を備えた通信装置である。すなわち、一方の通信装置100、および他方の通信装置200は、図1を用いて説明した通信装置と同等の機能を備えておれば、同一の通信装置であっても、あるいは異なる通信装置であってもよい。双方が異なる通信装置の例として、一方の通信装置100が携帯電話に代表されるような移動端末装置であり、他方の通信装置200が基地局装置とするような場合がある。また、例えば、本発明は無線LAN(Local Area Network)システム等にも利用可能であり、このような場合は、一方の通信装置100が例えば、パーソナルコンピュータに接続された通信装置であり、他方の通信装置200が、無線LANのアクセスポイント装置としてもよい。また、上述したように、本通信装置は、図1を用いて説明した通信装置と同等の機能を備えておればよく、例えば、基地局装置やアクセスポイント装置のように、他方の通信装置200が、複数の通信装置100と通信可能なように複数チャンネル分の送信処理部、および受信処理部を備えたような構成であってもよい。
図3は、送信データ処理部の動作を説明するために示した図である。また、図4は、受信データ処理部の動作を説明するために示した図である。
以下、一方の通信装置を移動端末装置100、他方の通信装置を基地局装置200とした例を挙げ、本発明の通信装置、およびこの通信装置を利用したデータ通信システムの動作について、図2から図4までを参照しながら説明する。
なお、基地局装置200は上述したように複数のチャンネルに対応するように構成されるが、ここでは、図2に示すように一つのチャンネルを代表して説明する。また、図2において、図1と同一の要素名を記した構成要素は、図1で説明した機能と同様の機能を有している。すなわち、通信部239は通信部39と、受信部234は受信部34と、送信部233は送信部33と、受信データ処理部220は受信データ処理部20と、送信データ処理部210は送信データ処理部10と、入力端子231は入力端子31と、出力端子232は出力端子32と、パケット抽出部224はパケット抽出部24と、遅延補正部223は遅延補正部23と、合成部222は合成部22と、伸張処理部221は伸張処理部21と、受信品質測定部226は受信品質測定部26と、および合成制御部225は合成制御部25と、同等の機能を備えている。
図2において、移動端末装置100の入力端子31には入力データが供給され、入力データは圧縮処理部11により圧縮処理が施され、圧縮データが遅延バッファ12に供給される。遅延バッファ12は、遅延させない圧縮データも含めて、圧縮データを一定のビット数単位で遅延させた複数の圧縮データ系列を出力する。図2では、最大ブランチ数を3とした例を挙げている。すなわち、遅延バッファ12が、遅延させない圧縮データ系列d0も含めて、圧縮データ系列d1、および圧縮データ系列d2の3系列の圧縮データ系列を出力する例を挙げている。
図3の(a)は、入力端子31に供給される入力データを示している。入力端子31には、図3の(a)に示すように、時間の経過に従って、順次、データが供給される。例えば、移動端末装置100が携帯電話のような通話を目的とした装置の場合、入力端子31には、デジタル化された音声データが供給される。また、図3の(b)は、遅延バッファ12から出力される圧縮データ系列の様子を示している。図3の(b)のd0に示すように、まず、圧縮処理部11によって入力データは圧縮処理されるため、入力データに対して低ビットレートとなるような圧縮データが生成される。例えば、図3において、時刻t0からt1までの期間の入力データ「A」は、圧縮データ「a」で示すような低ビットレートの圧縮データに変換される。なお、圧縮データ「a」、「b」、「c」などのような一つのまとまった圧縮データは、一つのブロックとしてパケットに格納され伝送される。
また、遅延バッファ12からは、図3の(b)のd0、d1、およびd2で示すような圧縮データ系列が出力される。図3の(b)に示すように、各圧縮データ系列は、一定のビット数、すなわち一定時間T単位でそれぞれ時間シフトしたデータ系列として出力される。例えば、時刻t0からt1までの期間で生成された圧縮データ「a」は、遅延バッファ12の圧縮データ系列d1においては、時間T後の時刻t1からt2までの期間に出力され、遅延バッファ12の圧縮データ系列d2においては、時間2T後の時刻t2からt3までの期間に出力される。言い換えれば、例えば、時刻t2からt3までの期間には、遅延バッファ12の出力として、一定時間T単位でそれぞれ時間シフトした圧縮データ「a」、「b」、および「c」が出力される。
図2において、多重制御部15には、受信データ処理部20から送信ブランチ情報が通知される。多重制御部15は、選択部13に対して、送信ブランチ情報で指示される個数の圧縮データ系列を選択するよう指示制御する。選択部13は、多重制御部15からの制御に応じて、送信ブランチ情報に基づき、供給された圧縮データ系列d0、d1、およびd2から必要な圧縮データ系列を選択する。
図3の(c)では、受信データ処理部20の受信品質測定部により決定された受信品質の一例を示している。ここでは、時刻t0からt3までの期間では受信品質が良好であり、時刻t3からt7までの期間ではやや良好であり、時刻t7以降では受信品質が劣化したような例を挙げている。図3の(d)では、図3の(c)で示したような受信品質に基づき生成した送信ブランチ情報の例を挙げている。図3の(d)で示すように、送信ブランチ情報は、受信品質の劣化に伴ってブランチ数が増加するような情報である。多重制御部15は、この送信ブランチ情報に基づき、選択部13が選択する圧縮データ系列の順序、個数を制御する。例えば、受信データ処理部20から送信ブランチを2個とする送信ブランチ情報が通知された場合、選択部13は、多重制御部15からの制御により、遅延量の少ないd0から、2個分の圧縮データ系列を選択する。すなわち、例えば、図3の時刻t3からt4までの期間では、選択部13は、圧縮データ系列d0の圧縮データ「d」と、圧縮データ系列d1の圧縮データ「c」とを選択する。
図2において、パケット化部14は、選択部13から供給された一つまたは複数の圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータを一つのブロックとして抽出し、各パケットに格納する。
図3の(e)は、各パケットに格納される圧縮データの様子を示した図である。図3の(e)に示すように、例えば、パケットP1においては、時刻t0からt1までの期間の受信品質が良好であったため、送信ブランチ数は1個を示し、これに従って遅延量が最も少ない圧縮データ系列d0の圧縮データ「a」のみである1個のブロックが、このパケットP1に格納される。同様に、例えば、パケットP4においては、時刻t3からt4までの期間の受信品質がやや良好であったため、送信ブランチ数は2個を示し、これに従って遅延量が最も少ない圧縮データ系列d0からの圧縮データ「d」、および次の圧縮データ系列d1からの圧縮データ「c」である2個のブロックが、このパケットP4に格納される。同様に、例えば、パケットP8においては、時刻t7からt8までの期間の受信品質が劣化状態であったため、送信ブランチ数は3個を示し、これに従って遅延量が最も少ない圧縮データ系列d0からの圧縮データ「h」、次の圧縮データ系列d1からの圧縮データ「g」、およびその次の圧縮データ系列d2からの圧縮データ「f」である3個のブロックが、このパケットP8に格納される。なお、一つのパケットは、所定のビット数、あるいはバイト数の長さ区分される単位であり、ヘッダ部、およびデータ部で構成される。ブロック単位の圧縮データは、このデータ部に格納され、データ部の空き領域にはヌルデータ等のパディングデータが格納される。また、ヘッダ部には、パケット識別情報など、パケットを管理するための情報が格納される。
以上のようにして生成された各パケットは、ビットストリームとして送信部33に供給される。さらに、移動端末装置100の通信部39からこのビットストリームを含む送信信号が基地局装置200に伝送される。
一方、図2において、基地局装置200における通信部239は、移動端末装置100から伝送された送信信号を受信信号として受信する。通信部239で受信された受信信号は復調され、復調信号として受信部234に供給され、復調信号は受信部234により誤り訂正等が施され、受信したビットストリームとして受信データ処理部220に供給される。このビットストリームは、受信データ処理部220において、パケット抽出部224に供給される。パケット抽出部224は、供給されたビットストリームから順次パケットを抽出し、さらに、抽出した各パケットからパケットに格納された圧縮データをブロック単位で抽出し、出力する。
図4の(a)は、パケット抽出部224により抽出された各パケットの様子を示した図である。図4の(a)は、図3の(e)で示した移動端末装置100からの各パケットを復元した様子を示している。さらに、図4の(a)では、移動端末装置100から基地局装置200への伝送においてデータ誤りが生じた場合を示している。すなわち、図4の(a)において、パケットP4、P5、P6、およびP8においてデータ誤りが生じ、これらのパケットは劣化パケットとして復元された例を挙げている。また、図4において、データ誤りによりエラーを含んだ圧縮データに対しては、「d’」、「c’」、「f’」などのように記号「’」を付加して示している。
また、図4の(b)は、パケット抽出部224から出力されるブロック単位の各圧縮データ系列を示した図である。パケット抽出部224は、ビットストリームに含まれる送信ブランチ情報を参照して、圧縮データ系列毎に圧縮データを抽出し、出力する。図4の(b)は、このようにしてパケット抽出部224から出力されるそれぞれの圧縮データ系列d0、d1、およびd2の圧縮データを示している。図4の(b)で示す各圧縮データは遅延補正部223に供給される。
遅延補正部223は、移動端末装置100の遅延バッファ12によりそれぞれ異なった遅延量とした各圧縮データ系列に対して、その遅延量を補正し、遅延量を補正したそれぞれの圧縮データを出力する。
図4の(c)は、遅延補正部223から出力されるブロック単位の各圧縮データ系列を示した図である。図4の(c)に示すように、遅延補正部223からは、圧縮データ系列c0、c1、およびc2のそれぞれにおいて、移動端末装置100の遅延バッファ12の遅延量に対応した時間で時間補正された圧縮データが出力される。すなわち、移動端末装置100からブランチ数が2として圧縮データ「c」が送信された場合、例えば、図4の時刻t5からt6までの期間では、圧縮データ系列d0に圧縮データ「c」、圧縮データ系列d1にも圧縮データ「c」というように、同一時刻に、同一の圧縮データが出力される。なお、当然のことながら、伝送系等でエラーが生じ、補正できなかった場合には、例えば、図4の時刻t6からt7までの期間で示す圧縮データ「d’」ように、同一ではないエラーを含んだ圧縮データが出力される。
一方、受信データ処理部220において、受信品質測定部226は、受信した受信信号の品質を測定し、受信品質に関する情報を生成する。合成制御部225は、受信品質測定部226から受信品質情報を受け取り、この受信品質情報に基づき、供給された各圧縮データの中から受信品質が最も良好なパケットに格納された圧縮データ系列を合成部222が選択するように、合成部222を制御する。合成部222は、合成制御部225のこのような制御により、供給された各圧縮データの中から受信品質が最も良好なパケットに格納された圧縮データ系列を選択し、選択した圧縮データ系列の圧縮データを出力する。
図4の(d)は、受信品質測定部226が測定した受信品質の一例を示している。また、図4の(e)は、合成制御部225が合成部222に対して通知する、選択制御情報の一例を示している。すなわち、例えば、図4の時刻t8からt9までの期間においては、遅延補正部223から、図4の(c)で示すように、遅延補正部出力c0にパケットP6に含まれていた圧縮データ「f’」、遅延補正部出力c1にパケットP7に含まれていた圧縮データ「f」、遅延補正部出力c2にパケットP8に含まれていた圧縮データ「f’」、が出力される。一方、合成制御部225は、受信品質情報から、これらのパケットにおける各受信品質を比較し、どのパケットの受信品質が最も良好かを決定する。図4の(d)で示すような受信品質の場合、パケットP6、P7、およびP8を比較すると、P7が最も良好である。このため、合成制御部225は、図4の(e)で示すように、時刻t8からt9までの期間においてパケットP7の圧縮データを出力している遅延補正部出力c1を選択するように制御する。図4の(f)は、合成部222により、以上のようにして選択され、出力された圧縮データを示す図である。また、図4の(g)は、合成部222からの圧縮データを伸張処理部221により伸張処理し、移動端末装置100での入力データを復元し、出力端子232に出力した出力データを示す図である。図4の(f)で示すように、移動端末装置100から基地局装置200へのデータ伝送においてデータ誤りが生じたにもかかわらず、本発明によれば、データ誤りの影響を抑制した出力データを得ることができる。
なお、受信状況が急激に悪化した場合など、合成制御部225が判定する各パケットのすべての受信品質が悪化するような状況もありうる。このような場合には、合成制御部225が合成部222に対して無音データを出力するような制御を行なうようにすればよい。図4の(f)において、時刻t7からt8までの期間にこのような制御を行なった例を示す。すなわち、この例では、パケットP5の圧縮データ「e’」、およびパケットP6の圧縮データ「e’」のどちらもが劣化した場合を示している。このような場合には、劣化した圧縮データの再生を行なわず、無音データを出力することで、耳障りとなるような雑音出力を抑制することができる。
以上、移動端末装置100から基地局装置200へとデータが伝送される場合の動作について説明が、図2では、基地局装置200から移動端末装置100へと同様の動作によりデータ伝送が可能な一例を示している。すなわち、送信データ処理部210は送信データ処理部10と同様の処理を行ない、受信データ処理部20は受信データ処理部220と同様の処理を行なう構成であり、本データ通信システムにより双方の通信が可能な一例を示している。
以上説明したように、本実施の形態1のデータ通信システムは、時間ダイバーシティ方式を利用したデータ通信システムであるため、簡易な構成で実現でき、また、例えば、電波状況が悪化したような状況の場合には、ブランチ数を増加させて受信品質の向上を図ることができる。さらに、本データ通信システムでは、電波状況に応じてブランチ数を可変できるため、例えば、電波状況が良い場合には、ブランチ数を1、すなわち時間ダイバーシティ通信ではなく通常の通信とするように、容易に設定できる。このため、常時時間ダイバーシティ通信を行なうような通信方法と比較して、伝送データの冗長性を抑制でき、広帯域幅の伝送手段も必要ない。また、本発明のデータ通信システムでは、電波状況が悪化したような状況の場合には、時間ダイバーシティ方式に基づき複数の圧縮データ系列を常時送信するため、会話が途切れるというような不具合を抑制することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2におけるデータ通信システムの構成図である。本発明の実施の形態2におけるデータ通信システムは、実施の形態1におけるデータ通信システムと同様に、複数の通信装置により構成される。図5では、同等の機能を備えた一方の通信装置100、および他方の通信装置200により構成された一例を示す。なお、実施の形態1と同様に、通信装置100と通信装置200とは、同等の機能を備えておれば、同一の通信装置であっても、あるいは異なる通信装置であってもよく、以下、一方の通信装置を移動端末装置100、他方の通信装置を基地局装置200とした例を挙げて説明する。
図5に示す本データ通信システムは、図2で示した実施の形態1におけるデータ通信システムとの比較において、次のような特徴を有する。すなわち、実施の形態1では、通信装置が、受信処理部において受信信号に基づく受信品質を検出し、送信処理部において受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。これに対して、本実施の形態2のデータ通信システムでは、基地局装置200が、受信処理部において、移動端末装置100からの信号を受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、送信処理部において、前記受信品質に関する情報を含む送信信号を移動端末装置100に送信し、移動端末装置100が、受信処理部において、受信信号に含まれる基地局装置200からの受信品質に関する情報を抽出し、送信処理部において、受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴とする。なお、以下、基地局装置200が受信品質に関する情報を送信し、移動端末装置100がその情報に応じた時間ダイバーシティ送信を行なうとして説明するが、移動端末装置100が受信品質に関する情報を送信し、基地局装置200がその情報に応じた時間ダイバーシティ送信を行なってもよく、それぞれの装置がこれらの処理を行なうような形態であってもよい。
以下、図5を参照しながら本発明の実施の形態2におけるデータ通信システムの構成、および動作について説明する。なお、基地局装置200は、通常複数のチャンネルに対応するように構成されるが、ここでは、図5に示すように一つのチャンネルを代表して説明する。また、図5において、図2と同一の要素名を記した構成要素は、以下の点を除いて、図2で説明した機能と同様の機能を有している。すなわち、実施の形態2では、移動端末装置100における多重制御部15が、基地局装置200からのビットストリームに含まれる要求ブランチ情報に基づき転送ブランチ情報を生成する。また、このため、基地局装置200が、受信品質測定部226において、要求ブランチ情報を生成し移動端末装置100に送信する。
図5において、移動端末装置100の入力端子31には入力データが供給され、入力データは圧縮処理部11により圧縮処理が施され、圧縮データが遅延バッファ12に供給される。遅延バッファ12は、遅延させない圧縮データも含めて、圧縮データを一定のビット数単位で遅延させた複数の圧縮データ系列d0、d1、d2を出力する。なお、図5では、最大ブランチ数を3とした例を挙げている。また、多重制御部15には、受信データ処理部20からパケット抽出部24にて抽出された要求ブランチ情報が通知される。
要求ブランチ情報は、時間ダイバーシティ送信において、相手側装置から要求されるブランチ数を示す情報である。すなわち、本実施の形態2では、通信装置が、相手側装置から要求されるブランチ数で時間ダイバーシティ送信することを特徴とする。このため、図5での移動端末装置100は、受信データ処理部20において、基地局装置200から通知された要求ブランチ情報を抽出し、多重制御部15に通知する。
多重制御部15は、要求ブランチ情報に基づき基地局装置200に送信する送信ブランチ情報を生成する。多重制御部15は、選択部13に対して、送信ブランチ情報で指示される個数の圧縮データ系列を選択するよう指示制御する。選択部13は、多重制御部15からの制御に応じて、送信ブランチ情報に基づき、供給された圧縮データ系列d0、d1、およびd2から必要な圧縮データ系列を選択する。さらに、パケット化部14は、選択部13から供給された一つまたは複数の圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータを一つのブロックとして抽出し、各パケットに格納する。このようにして生成された各パケットは、送信ブランチ情報を含め、ビットストリームとして送信部33に供給される。さらに、移動端末装置100の通信部39からこのビットストリームを含む送信信号が基地局装置200に伝送される。
一方、基地局装置200における通信部239は、移動端末装置100から伝送された送信信号を受信信号として受信する。通信部239で受信された受信信号は復調され、復調信号として受信部234に供給され、復調信号は受信部234により誤り訂正等が施され、受信したビットストリームとして受信データ処理部220に供給される。このビットストリームは、受信データ処理部220において、パケット抽出部224に供給される。パケット抽出部224は、供給されたビットストリームから順次パケットを抽出し、抽出した各パケットからパケットに格納された圧縮データをブロック単位で抽出し、送信ブランチ情報を参照しながら、圧縮データ系列毎に圧縮データを出力する。遅延補正部223は、異なった遅延量とした各圧縮データ系列に対してその遅延量を補正し、補正したそれぞれの圧縮データを出力する。合成制御部225には、受信品質測定部226から受信品質情報が通知される。合成制御部225は、この受信品質情報に基づき、受信品質が最も良好なパケットにおける圧縮データ系列を選択するよう、合成部222を制御する。伸張処理部221は、合成部222からの圧縮データを伸張処理する。このようにして、基地局装置200は、移動端末装置100での入力データを復元し、出力端子232に出力する。
また、基地局装置200において、受信品質測定部226は、受信部234から通知される復調信号、あるいは誤り訂正処理における誤り率に関する情報を受け取り、受信した信号の受信品質を決定する。受信品質測定部226は、受信品質の結果に基づき、要求ブランチ情報を生成し、送信データ処理部210のパケット化部214に通知する。送信データ処理部210は、この要求ブランチ情報を含むビットストリームを生成し、送信部233に供給し、このようなビットストリームを含む送信信号が通信部239から移動端末装置100へと送信される。
以上説明したように、本実施の形態2のデータ通信システムでは、基地局装置200が、受信データ処理部220の受信品質測定部226において、移動端末装置100からの信号に基づき受信品質を検出し、この受信品質に基づき要求ブランチ情報を生成する。生成した要求ブランチ情報は、送信データ処理部210のパケット化部214において、ビットストリームに重畳され、移動端末装置100に送信される。また、移動端末装置100が、受信データ処理部20のパケット抽出部24において、受信信号に含まれる基地局装置200からの要求ブランチ情報を抽出する。抽出した要求ブランチ情報は、送信データ処理部10のパケット化部14において、要求ブランチ情報に応じたブランチ数のビットストリームが生成され、このようにして、移動端末装置100から時間ダイバーシティ送信が行なわれる。
なお、受信状態が極端に悪く、データが受信できないような場合には、基地局装置200から移動端末装置100に対して多重可能な最大ブランチ数である要求ブランチ情報を送信するようにしてもよい。これにより、受信状態が極端に悪いような状況における、受信品質を高めることができる。
このように、本実施の形態2のデータ通信システムでは、自装置側での受信状況に応じて、相手側装置に対してブランチ数を要求し、送信させることができ、例えば、相手側装置からの信号の受信状態が悪化しても適応的に相手側装置からのブランチ数を増加させ、受信状態の改善を図ることができる。すなわち、例えば、携帯電話などの音声データ通信システムに適用し、セル間の電波状況が悪化したような状況の場合において、相手方はこちらからの声が聞こえているが、こちらは相手方の声が聞き取りにくい、というような非対称な会話の途切れを抑制することが可能となる。また、相手方が受信した電波状況に応じて適応的にブランチ数を可変して送信するため、必要以上にブランチ数を設けることを抑制でき、その結果、必要以上の送信を制限でき、低消費電力化を図ることができる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの構成図である。本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムは、実施の形態1におけるデータ通信システムと同様に、複数の通信装置により構成される。図6では、同等の機能を備えた一方の通信装置100、および他方の通信装置300により構成された一例を示す。なお、実施の形態1と同様に、通信装置100と通信装置300とは、同等の機能を備えておれば、同一の通信装置であっても、あるいは異なる通信装置であってもよく、以下、一方の通信装置を移動端末装置100、他方の通信装置を基地局装置300とした例を挙げて説明する。
図6に示す本データ通信システムは、図5で示した実施の形態2におけるデータ通信システムとの比較において、基地局装置300の受信データ処理部320が、無音信号の圧縮音声データ期間を検出する無音検出部328をさらに有することを特徴とする。なお、以下、基地局装置300が無音検出部328を有するとして説明するが、移動端末装置100が同様の無音検出部、および以下で説明する同様な機能を有していてもよく、それぞれの装置が、無音検出部を利用した処理を行なうような形態であってもよい。本実施の形態3では、無音検出部328を備えることにより、特に、携帯電話のような音声通信においても、電波状況の悪化による会話の途切れ等を抑制し、リアルタイム性の改善を図っている。
また、図7は、無音検出部328を利用した処理、およびその動作を説明するために示した図である。
以下、図6、および図7を参照しながら本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの構成、および動作について説明する。なお、基地局装置300は、通常複数のチャンネルに対応するように構成されるが、ここでは、図6に示すように一つのチャンネルを代表して説明する。また、図6において、図5と同一の要素名を記した構成要素は、以下の点を除いて、図5で説明した機能と同様の機能を有している。すなわち、まず、上述したように、実施の形態3では、基地局装置300の受信データ処理部320において、無音検出部328を有している。また、図5での遅延補正部223として、図6では、メモリ等の記憶素子を利用したデータバッファ327を有している。また、合成部222には、合成制御部225からの制御とともに、パケット抽出部224から送信ブランチ情報、および以下で説明する有音トリガ信号が通知される。
図6において、移動端末装置100では、実施の形態2と同様に、要求ブランチ情報に応じたブランチ数の圧縮データ系列を含むビットストリームが生成され、移動端末装置100から基地局装置300へと時間ダイバーシティ送信される。
一方、基地局装置300における通信部239は、移動端末装置100から伝送された送信信号を受信する。通信部239で受信された信号は復調され、復調信号として受信部234に供給され、復調信号は受信部234により誤り訂正等が施され、受信したビットストリームとして受信データ処理部320に供給される。このビットストリームは、受信データ処理部320において、パケット抽出部224に供給される。パケット抽出部224は、供給されたビットストリームから順次パケットを抽出し、抽出した各パケットからパケットに格納された圧縮データをブロック単位で抽出し、ブロック単位の圧縮データを出力する。
データバッファ327は、圧縮データ系列毎のブロックで区分される圧縮データを一時記憶する。また、合成部222は、データバッファ327に記憶された圧縮データに対し、合成部222が指示するタイミングで、指定する圧縮データを読み出す。
無音検出部328は、パケット抽出部224で抽出された各ブロック毎の圧縮データを利用して、送信された圧縮データが、有音信号を圧縮符号化したデータであるか、あるいは無音信号を圧縮符号化したデータであるかの判定を行なう。さらに、無音検出部328は、判定の結果を利用して、無音から有音への変化時点のタイミングを検出し、有音トリガ信号として出力する。
図7の(a)は、パケット抽出部224により抽出された各パケットの様子を示した図である。さらに、図7の(a)では、伝送される圧縮データにおいて、有音信号を圧縮符号化した圧縮データと、無音信号を圧縮符号化した圧縮データとを含む場合を示している。図7の(a)では、「X」で示すブロック単位の圧縮データを無音信号の圧縮データとし、それ以外のブロック単位の圧縮データを有音信号の圧縮データとした例を示している。すなわち、図7では、時刻t2まで、および時刻t4から時刻t11までが無音期間であり、時刻t2から時刻t4まで、および時刻t11以降が有音期間である例を示している。また、時刻t11までは、ブランチ数を1とする時間ダイバーシティ送信が実行され、時刻t11以降において、ブランチ数を2とする時間ダイバーシティ送信が実行された例を挙げている。
図7の(b)は、データバッファ327に書き込まれるブロック単位の圧縮データを示している。図7の(b)に示すように、パケット抽出部224からの各圧縮データは、ブロック単位でデータバッファ327の記憶領域にそれぞれ区分して記憶される。
図7の(c)は、無音検出部328から出力される有音トリガ信号のタイミングを示している。有音トリガ信号は、図7の(c)に示す例では、無音から有音への変化時点である時刻t2、および時刻t11の時点で出力させる。
また、合成部222には、合成制御部225からの制御とともに、パケット抽出部224から送信ブランチ情報、および以下で説明する有音トリガ信号が通知される。合成部222は、まず、送信ブランチ情報に基づき、有音信号の圧縮データである有音圧縮データの再生開始時刻を決定する。すなわち、合成部222は、送信ブランチ情報によりブランチの数に従って有音信号を再生する開始時刻を遅らせるような再生遅延時間を決定する。また、合成部222は、有音トリガ信号が通知された時点から、再生遅延時間に相当する遅延時間の後、データバッファ327から所定の圧縮データの読み出しを開始する。
図7の(d)は、パケット抽出部224から通知される送信ブランチ情報を示している。図7の(e)は、再生遅延時間を示している。また、図7の(f)は、データバッファから読み出される圧縮データを示している。図7に示すように、合成部222は、図7の時刻t2において、有音トリガ信号を受け取ると、図7の(d)で示す送信ブランチ数1に応じた再生遅延時間T1を生成し、また、図7の時刻t11において、有音トリガ信号を受け取ると、図7の(d)で示す送信ブランチ数2に応じた再生遅延時間T2を生成する。合成部222は、このような再生遅延時間の後、データバッファ327から圧縮データを読み出す。図7に示すように、再生遅延時間は、送信されるブランチの数に従って有音信号を再生する開始時刻を遅らせるような時間である。本実施の形態3では、ブランチの数が多い場合には、再生開始時刻をより多く遅らせないと遅着となるため、このような処理を行なう。
図7の(g)は、合成制御部225の制御により、合成部222が選択し、出力した圧縮データを示す図である。また、図7の(h)は、合成部222からの圧縮データを伸張処理部221により伸張処理し、移動端末装置100での入力データを復元し、出力端子232に出力した出力データを示す図である。図7の(g)で示すように、本実施の形態3においても実施の形態2と同様に、データ誤りの影響を抑制した出力データを得ることができる。さらに、本実施の形態3のデータ通信システムによれば、音声通信において、受信エラー、瞬断があった場合でも、途切れにくい通話を実現でき、リアルタイム性の向上を図ったデータ通信システムを実現できる。
(実施の形態4)
図8は、本発明の実施の形態4におけるデータ通信システムの全体構成を示す構成図である。本実施の形態4では、携帯電話のような移動体を対象とした移動通信システムに適用した本発明のデータ通信システム、データ通信方法を挙げて説明する。このような移動通信システムは、無線制御局と、この無線制御局にそれぞれ有線で接続された複数の基地局を有する。無線制御局は、これら複数の基地局を一括に制御し、管理する。また、それぞれの基地局は、移動局との通信範囲であるセルを形成している。さらに、無線制御局は、関門局を経由して、通信網であるネットワークに接続される。ネットワークには、このような関門局を経由した複数の無線制御局が接続され、また固定電話など複数の固定局装置にも接続される。このような移動通信システムにより、ネットワークを中心とした、移動局間、移動局と固定局間などの通信が実現される。
また、近年、インターネットに代表されるようにネットワークを中心とした通信技術の進展により、例えば、VoIP(Voice over Internet Protocol)と呼ばれる技術のように、音声データをインターネット、あるいはIPプロトコルにより構成されるネットワーク上で伝送する技術が注目されている。このような技術を利用した通信方法として、IP電話通信がある。IP電話通信は、音声データ、あるいは静止画や動画なども含む各種データをIPパケットに変換し、IPプロトコルのネットワーク上にて伝送する通信であり、このような通信に対応した装置は、IP電話、あるいはインターネット電話と呼ばれている。
本実施の形態4では、上述したような移動通信システムに、IPプロトコルを利用したIP電話通信のデータ通信システムの例を挙げて説明する。
図8において、移動端末装置100は、携帯電話のような移動局における通信装置であり、移動局が位置するセルに対応した基地局の通信装置である基地局装置400との通信を行なう。また、移動局が他のセルへと移動した場合には、移動端末装置100は、その移動したセルに対応した基地局との通信を行ない、通話等が継続される。例えば、図8において、移動端末装置100を所有する移動局は、まず基地局Aの基地局装置400との通信を開始するが、この移動局の移動に伴い、この移動局が基地局Bのセルの通信範囲に入ると基地局Bの基地局装置400との通信へと切り替える。なお、移動局が、例えば基地局Aと基地局Bとのセル間のような通信状況が良くない場合における通信方法については以下で詳細に説明する。
また、移動端末装置100は、実施の形態1、実施の形態2、あるいは実施の形態3で説明した移動端末装置100と同一の機能を有した移動端末装置である。以下、実施の形態3で説明した移動端末装置100と同一の機能を有した移動端末装置として説明する。また、本実施の形態4では、移動端末装置100を含めてIPプロトコルに基づいた音声通信を行なうとして説明する。
さらに、本データ通信システムは、複数の基地局がそれぞれ所有する基地局装置400を有している。基地局装置400は、通信部439を有し、この通信部439を用いて移動端末装置100の通信部39との間で無線通信を行なう。また、基地局装置400の通信部439は、無線制御局装置500と通信接続されている。無線制御局装置500は、各基地局装置400を一括に制御し、管理する。また、無線制御局装置500は、それぞれの基地局装置400への個別の制御とともに、ハンドオーバ等のセル間の移動に伴う基地局装置400間の制御をも行なう。本データ通信システムは、セル間のような通信状況が悪化した場合、無線制御局装置500の制御により、移動端末装置100と基地局装置400との間で、通信状況に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ通信を実行し、通信品質の向上を図っている。
無線制御局装置500において、基地局接続部56は、各基地局装置400との通信接続を行なう。音声処理部50は、基地局接続部56からのビットストリーム、および基地局接続部56へのビットストリームに対する処理を行なう。音声処理部50は、通信中である移動端末装置100と基地局装置400との送受信処理を行なうため、複数の送信処理部、および複数の受信処理部により構成されている。これにより、音声処理部50は、各基地局のセル内に点在する多くの移動局との通話を可能としている。各送信処理部、および受信処理部は、実施の形態1から実施の形態3までで説明した基地局装置200、または基地局装置300の送信部、送信データ処理部、および受信部、受信データ処理部と同様な機能を有している。また、ネットワーク接続部55は、関門局における関門局装置810と接続され、関門局装置810を介して音声処理部50とネットワーク820とを接続する。装置制御部59は、基地局接続部56、音声処理部50、およびネットワーク接続部55の制御を行なう。特に、装置制御部59は、音声処理部50に対して、通信状況に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ通信の実行をも制御する。
無線制御局装置500のネットワーク接続部55は、関門局装置810を介して、IPパケットをネットワーク上に送信し、またネットワークからIPパケットを受信する。ネットワーク820は、例えば、インターネットのようなIPプロトコルに基づいたネットワークである。ネットワーク820には、上述したような関門局装置810を介した複数の無線制御局装置500やIP電話機のような複数の固定局装置110などが接続される。このような本データ通信システムにより、IPプロトコルに基づくネットワークを中心とした、移動局間、移動局と固定局間などの通信が実現される。
図9は、無線制御局装置500の詳細な構成を示す構成図である。上述したように、無線制御局装置500の音声処理部50は、複数の送信処理部51、および複数の受信処理部52により構成されている。
図9において、送信処理部51のパケット抽出部511にはネットワーク820からのIPパケットが供給される。供給されたIPパケットには、音声データを圧縮処理した圧縮データがブロック単位で格納されている。パケット抽出部511は、供給された各IPパケットからそれぞれのパケットを抽出し、抽出したIPパケットからIPパケットに格納された圧縮データをブロック単位で抽出し、その圧縮データを遅延バッファ512に供給する。遅延バッファ512は、遅延させない圧縮データも含めて、圧縮データを一定のビット数単位で遅延させた複数の圧縮データ系列を出力する。また、多重制御部515には、受信処理部52からパケット抽出部524にて抽出された要求ブランチ情報が通知される。要求ブランチ情報は、時間ダイバーシティ送信において、移動端末装置100から要求されるブランチ数を示す情報である。
多重制御部515は、要求ブランチ情報に基づき移動端末装置100に送信する送信ブランチ情報を生成する。多重制御部515は、選択部513に対して、送信ブランチ情報で指示される個数の圧縮データ系列を選択するよう指示制御する。選択部513は、多重制御部515からの制御に応じて、送信ブランチ情報に基づき、供給された圧縮データ系列から必要な圧縮データ系列を選択する。さらに、パケット化部514は、選択部513から供給された一つまたは複数の圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータを一つのブロックとして抽出し、選択された一つまたは複数の圧縮データ系列を、順次、各IPパケットに格納する。さらに、パケット化部514は、各IPパケットとともに、送信ブランチ情報、および装置制御部59から通知された要求ブランチ情報を含めてビットストリームを生成する。このようにして生成されたビットストリームは、送信部533に供給される。送信部533は、供給されたビットストリームにより変調した変調信号を生成し、基地局接続部56に供給する。さらに、基地局接続部56からこの変調信号を含む信号が基地局装置400に伝送される。基地局装置400は、伝送された変調信号を移動端末装置100へと送信する。
一方、基地局装置400は、移動端末装置100からの送信信号を受信し、復調して復調信号を復元し、復元した復調信号を基地局接続部56に伝送する。
基地局接続部56は、基地局装置400から伝送された復調信号を受信し、受信処理部52の受信部534に供給する。受信部534に供給された復調信号は、受信部234により誤り訂正等が施され、受信したビットストリームとしてパケット抽出部524に供給される。
パケット抽出部524は、供給されたビットストリームから順次IPパケットを抽出し、抽出した各IPパケットからIPパケットに格納された圧縮データをブロック単位で抽出し、このビットストリームに含まれる送信ブランチ情報を参照しながら、圧縮データ系列毎に圧縮データを出力する。データバッファ527は、圧縮データ系列毎のブロックで区分される圧縮データを一時記憶する。また、合成部522は、データバッファ527に記憶された圧縮データに対し、合成部522が指示するタイミングで、指定する圧縮データを読み出す。
無音検出部528は、パケット抽出部524で抽出された各ブロック毎の圧縮データを利用して、送信された圧縮データが、有音信号を圧縮符号化したデータであるか、あるいは無音信号を圧縮符号化したデータであるかの判定を行なう。さらに、無音検出部528は、判定の結果を利用して、無音から有音への変化時点のタイミングを検出し、有音トリガ信号として出力する。
合成部522には、パケット抽出部524から送信ブランチ情報、およびこの有音トリガ信号が通知される。合成部522は、まず、送信ブランチ情報に基づき、有音信号の圧縮データである有音圧縮データの再生開始時刻を決定し、有音トリガ信号が通知された時点から、再生遅延時間に相当する遅延時間の後、データバッファ527から所定の圧縮データの読み出しを開始する。さらに、合成部522は、合成制御部525からの制御により、この受信品質情報に基づき、受信品質が最も良好なパケットにおける圧縮データ系列を選択する。
選択された圧縮データ系列は、パケット化部529に供給される。パケット化部529は、供給された圧縮データ系列をIPパケット化しネットワーク接続部55に供給する。ネットワーク接続部55からは、圧縮データが格納された各IPパケットが、関門局装置810を介してネットワーク820上へと伝送される。ネットワーク820上へと伝送された各IPパケットは、さらに、相手側である例えば固定局装置へと伝送される。
また、受信部534は、受信品質測定部526に対して、復調信号、あるいは誤り訂正処理における誤り率に関する情報を出力する。受信品質測定部526は、これらの情報に基づき、受信した信号の品質を測定し、測定した結果に基づく受信品質に関する情報を生成し、合成制御部525、および装置制御部59に通知する。例えば、受信品質測定部526は、復調信号から受信レベルを測定し、受信レベルが低い場合には受信品質の劣化、受信レベルが高い場合には受信品質が良好とする。あるいは、受信品質測定部526は、誤り率に関する情報により逐次誤り率を測定し、誤り率が高い場合には受信品質の劣化、誤り率が低い場合には受信質が良好とする。あるいは、受信レベル、および誤り率の双方に基づき受信品質を決定してもよい。なお、ここでは、各受信処理部52が受信品質測定部526を有した例を挙げて説明するが、各基地局装置400が受信品質測定部526を有し、各基地局装置400から無線制御局装置500へと受信レベルや誤り率を通知するような形態であってもよい。
装置制御部59は、受信品質測定部526から通知された受信品質に関する情報に基づき、移動端末装置100に対して要求する要求ブランチ数を決定する。この要求ブランチ数は、上述したようにパケット化部514に通知される。さらに、この要求ブランチ数は、要求ブランチ情報として基地局装置400を介して移動端末装置100に伝えられる。
また、移動端末装置100においても、実施の形態3で説明した機能と同等な機能を有している。
本データ通信システムは、以上説明したような構成であり、例えば、両装置間の電波状況が悪化した場合には、次のような動作を行なう。すなわち、電波状況が悪化した場合、移動端末装置100と基地局装置400との通信において、装置制御部59は受信品質測定部526からの受信品質に関する情報により、受信品質の悪化を検出する。このため、装置制御部59は、受信品質の悪化に応じたブランチ数を決定し、要求ブランチ情報としてパケット化部514に通知する。これにより、基地局装置400から移動端末装置100に対して、受信品質の悪化に応じたブランチ数が通知されることとなる。移動端末装置100は、基地局装置400からこのようにして要求されるブランチ数に応答し、要求に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。その結果、基地局装置400は、電波状況が悪化したにもかかわらず、ブランチ数分の中から劣化のない、あるいは劣化の少ないIPパケットを選択でき、基地局装置400における受信品質の向上を図ることが可能となる。
また、移動端末装置100と基地局装置400との通信において、電波状況が良好な場合は、基地局装置400から移動端末装置100に対して、ブランチ数を1とする要求ブランチ情報が通知される。これにより、移動端末装置100から基地局装置400に対して、ブランチ数を1とした時間ダイバーシティ送信、すなわち、通常の送信が実行され、伝送データの冗長を抑制できる。
以上、本データ通信システムは、無線制御局装置500が、受信処理部52において、受信信号に基づく受信品質を検出し、送信処理部51において、受信品質に関する情報を含む送信信号を移動端末装置100に送信し、移動端末装置100が、受信処理部において、受信信号に含まれる上記受信品質に関する情報を抽出し、送信処理部において、上記受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なう。本データ通信システムは、このような構成に基づき、電波状況が悪化した場合などの受信品質の向上を図っている。
また、上述したように、移動端末装置100においてもこのような機能と同等な機能を有している。このため、移動端末装置100において受信状況が悪化した場合も、移動端末装置100は、受信品質の悪化に応じたブランチ数を決定し、要求ブランチ情報として無線制御局装置500に通知する。無線制御局装置500は、移動端末装置100からこのようにして要求されるブランチ数に応答し、要求に応じたブランチ数のビットストリームを生成し、これによって基地局装置400から時間ダイバーシティ送信が行なわれる。また、電波状況が良好な場合は、ブランチ数を1とした時間ダイバーシティ送信、すなわち、通常の送信が基地局装置400により実行される。
なお、本実施の形態4では、移動端末装置100、および基地局装置400の双方が受信品質に応じたブランチ数による時間ダイバーシティ送信を行なう例を挙げたが、どちらか一方の装置からこのような時間ダイバーシティ送信が実施されるような形態であってもよい。また、実施の形態1のように、相手側を受信した受信品質に基づき時間ダイバーシティ送信を行なうような形態であってもよく、さらに相手側からの要求、および相手側を受信した受信品質の双方を組み合わせて時間ダイバーシティ送信を行なうような形態であってもよい。
また、以上、無線制御局装置500とネットワーク820との間でIPパケットを伝送するような形態で説明したが、無線制御局装置500はパケット化部529やパケット抽出部511を有さず、ネットワーク接続部55が通常のPCMデータや携帯電話用の圧縮音声データでの接続を行なうような形態であってもよい。
ところで、本データ通信システムのような移動体を対象とした通信システムにおいて、電波状況が悪化する要因に一つとして、例えば、図8で示したように、移動局が、移動に伴い、基地局Aと基地局Bとのセル間に位置するため、通信状況が悪化する場合がある。このような場合、上述したように、移動局は、当初の基地局Aとの通信から、新たな基地局Bへの通信へと切り替えるようなハンドオーバ処理が必要である。本発明のデータ通信システムは、このようなハンドオーバ処理にも適用することができ、特に、複雑な処理や機能を設けることなくハンドオーバ処理にも適用できる。
図10は、本データ通信システムにおいて、無線制御局装置500の装置制御部59が実行するハンドオーバ処理の手順を示すフローチャートである。以下、図10を参照しながら装置制御部59が実行するハンドオーバ処理について説明する。
移動端末装置100からの呼び出し、あるいは移動端末装置100への呼び出しが行なわれると、無線制御局装置500の装置制御部59は、複数の送信処理部51、および複数の受信処理部52の中から、未使用の送信処理部51、および受信処理部52をそれぞれ一つ選択し、通信制御処理を開始する。装置制御部59は、選択した送信処理部51、および受信処理部52と基地局装置400と接続するため、基地局接続部56に対して、移動端末装置100が位置するセルの基地局装置400と接続するよう制御する。この後、装置制御部59は、移動端末装置100との通信に応じて、選択した送信処理部51、および受信処理部52の各処理を監視、および制御する。なお、ここでは、まず基地局Aの基地局装置400と接続されたとして説明する。
装置制御部59は、送受信に応じた送信処理部51、および受信処理部52の制御を開始するとともに、ハンドオーバ処理をも開始する(ステップS400)。
まず、装置制御部59は、受信品質測定部526から通知された受信品質情報を取得する(ステップS40)。装置制御部59は、取得した受信品質情報に基づき、移動端末装置100から受信したIPパケットの受信品質を確認する。装置制御部59は、確認の結果、受信品質が劣化していると判断した場合はステップS41の処理へと進み、受信品質が劣化していないと判断した場合はステップS408の処理へと進む(ステップS41)。装置制御部59は、受信品質の確認の結果、受信品質が劣化していると判断した場合、移動端末装置100に対して要求する要求ブランチ数を決定する。さらに、装置制御部59は、決定した要求ブランチ数を要求ブランチ情報として、送信処理部51のパケット化部514に通知する(ステップS42)。次に、装置制御部59は、順次取得した受信品質情報に基づき、受信品質の劣化が継続しているかどうかを確認する。装置制御部59は、確認の結果、受信品質の劣化が継続していると判断した場合はステップS44の処理へと進み、受信品質の劣化が継続していないと判断した場合はステップS408の処理へと進む(ステップS43)。
装置制御部59は、受信品質の劣化が継続していると判断した場合、次に接続を行なう基地局の探索を行なう(ステップS44)。また、装置制御部59は、取得した受信品質情報に基づき、受信品質が所定のレベル以下に劣化しているかどうかを確認する。装置制御部59は、受信品質が所定のレベル以下に劣化していると判断した場合はステップS46の処理に進み、受信品質が所定のレベル以下に劣化していないと判断した場合はステップS408の処理に進む(ステップS45)。装置制御部59は、受信品質が所定のレベル以下に劣化していると判断した場合、現在接続中である基地局Aから、ステップS44で探索した新たな基地局Bとの接続へと切り替える処理を実行する。これにより、移動端末装置100は、基地局Bの基地局装置400と接続され通信が続行される(ステップS46)。
装置制御部59は、ステップS46の処理が終了すると、移動端末装置100、基地局装置400、および関門局装置810への接続を終了するかどうかを確認する(ステップS408)。確認の結果、接続を終了しない場合にはステップS40からの処理を実行する。また、確認の結果、接続を終了する場合にはこのハンドオーバ処理を終了する(ステップS409)。
以上のように、移動通信システムに適用した本データ通信システムは、複数の基地局装置400を制御する無線制御局装置500を含み、無線制御局装置500が、移動端末装置100と基地局装置400との間の通信における受信品質に関する情報を監視し、受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、他の基地局装置400と移動端末装置100との間の通信へと接続を切り替えるように制御する。
無線制御局装置500の装置制御部59によるこのような処理が実行されることにより、例えば、移動局が基地局Aのセルから基地局Bのセルへと移動するような場合、次のような動作が行なわれる。まず、移動局は、基地局Aと通信を行なう。このときには、通常、受信状況が良好であるため、ブランチ数が1の時間ダイバーシティ通信、すなわち、通常の通信が行なわれる。移動局の移動に伴い、移動局が基地局Aのセルと基地局Bのセルとの境界に近づくと、移動局と基地局Aとの両者、あるいは一方の受信状況が悪化するため、受信状況の悪化に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行ない、両者間の通信品質の確保を図る。これと並行して、無線制御局は新たな接続先である基地局の探索を行なう。また、無線制御局は受信状況を常に監視しており、受信品質があらかじめ設定した所定のレベル以下にまで劣化すると、探索により見つけた新たな接続先である基地局Bとの接続へと切り替える処理を行なう。このとき、移動局と基地局Bとの受信状況がなお良好ではない場合には、受信状況の悪化に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行ない、両者間の通信品質の確保を図る。また、移動局の移動に伴い、移動局が基地局Bに近づくと受信状況が良好となるため、ブランチ数が1の時間ダイバーシティ通信、すなわち、通常の通信が行なわれる。
以上、本データ通信システムは、現在接続中の基地局または移動局の受信品質が劣化した場合、周辺セルの基地局との間で、以上説明したような受信状況に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ通信を利用したハンドオーバ処理を実行し、セル間などの受信状況が良好でない場合の受信品質の向上を図っている。なお、以上の説明では、セル間におけるハンドオーバ処理を例に挙げて説明したが、例えば、一時的にビルの陰などの影響で電波状況が悪化した場合でも、時間ダイバーシティ通信のブランチ数が増加することとなるため、受信品質の向上を図ることができる。
なお、実施の形態1から実施の形態3までにおいては、移動端末装置と基地局装置とが通信を行なうデータ通信システムの例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、実施の形態1で説明したような、自装置で測定した受信品質に応じたブランチ数で時間ダイバーシティ送信する機能を備えた移動端末装置100間で通信するようなデータ通信システムであってもよい。また、例えば、実施の形態2で説明したような、相手装置で測定した受信品質に応じたブランチ数で時間ダイバーシティ送信する機能を備えた移動端末装置100間で通信するようなデータ通信システムであってもよい。また、例えば、自装置で測定した受信品質、および相手装置で測定した受信品質を組み合わせて決定したブランチ数で時間ダイバーシティ送信する機能を備えた移動端末装置100間で通信するようなデータ通信システムであってもよい。また、一方、あるいは双方の移動端末装置100が実施の形態3で説明した無音検出部328を有し、無音検出部328を利用した処理を行なうようなデータ通信システムであってもよい。
また、上述の移動端末装置間でのデータ通信システムは、移動端末装置間で直接に通信を行なうデータ通信システムの例であるが、例えば、既存の電話回線やネットワークを介し、移動端末装置と移動端末装置とが受信品質に応じたブランチ数で時間ダイバーシティ送信するようなデータ通信システムであってもよい。図11は、本発明を利用したこのようなデータ通信システムの構成図である。図11において、一方の移動端末装置100と他方の移動端末装置100とは、例えば、インターネットシステムのような既存のネットワークシステム830を介して接続される。基地局装置400は、例えば、無線LAN基地局の基地局装置である。また、双方の移動端末装置100は、上述したような機能を備え、移動端末装置100間で通信するような移動端末装置である。すなわち、例えば、一方の移動端末装置100が、自装置で測定した受信品質に応じたブランチ数で時間ダイバーシティ送信し、ネットワークシステム830を介して、他方の移動端末装置100がそのブランチ数の送信信号を受信、復元可能である。また、例えば、一方の移動端末装置100が、他方の装置で測定した受信品質に応じたブランチ数で時間ダイバーシティ送信し、ネットワークシステム830を介して、他方の移動端末装置100がそのブランチ数の送信信号を受信、復元することも可能である。このように、図11に示すようなデータ通信システムにおいても本発明を利用することが可能であり、基地局装置400と移動端末装置100との受信状況が悪化した場合の受信品質の向上を図ることができる。
また、以上、実施の形態1から実施の形態4までにおいて、受信状況が良好な場合には、ブランチ数が1である時間ダイバーシティ通信、言い換えれば時間ダイバーシティ送信を行なわない通常のデータ通信を行なうとして説明したが、受信状況が良好な場合であっても複数のブランチ数でデータ通信を行なうような形態であってもよい。
また、実施の形態1から実施の形態4までにおいて、音声データの通信を行なう例を用いて説明したが、画像データ、文字データ、あるいはグラフィックスデータの送受信を行なうような形態であってもよく、また、これらのデータを複数種類含むデータを送受信するような形態であってもよい。
本発明に係るデータ通信システム、データ通信方法、および移動端末装置によれば、電波状況に応じてブランチ数を可変して通信の劣化を抑制し通信品質の向上を図ることが可能となる。このため、本発明に係るデータ通信システム、データ通信方法、および移動端末装置は、例えば、携帯電話のような移動体との通信を行なう移動通信システムに有用であり、特に、圧縮処理を行なった音声データや画像データなどの通信を行なう電子機器、あるいはこのような電子機器を用いた通信システムに有用である。
本発明の実施の形態1における通信装置の構成図 本発明の実施の形態1におけるデータ通信システムの構成図 送信データ処理部の動作を説明するために示した図 受信データ処理部の動作を説明するために示した図 本発明の実施の形態2におけるデータ通信システムの構成図 本発明の実施の形態3におけるデータ通信システムの構成図 無音検出部を利用した処理、およびその動作を説明するために示した図 本発明の実施の形態4におけるデータ通信システムの全体構成を示す図 本発明の実施の形態4における無線制御局装置の構成図 装置制御部が実行する通信制御処理の手順を示すフローチャート 本発明のネットワークを介して移動端末装置間でデータ通信を行なうデータ通信システムの構成図 従来の時間ダイバーシティ方式を利用した通信システムの構成図
符号の説明
10,210 送信データ処理部
11 圧縮処理部
12,512,912,923 遅延バッファ
13,513 選択部
14,214,514,529 パケット化部
15,515 多重制御部
20,220,320 受信データ処理部
21,221 伸張処理部
22,222,522,922 合成部
23,223 遅延補正部
24,224,511,524 パケット抽出部
25,225,525,925 合成制御部
26,226,526 受信品質測定部
31,231,931 入力端子
32,232,932 出力端子
33,233,533,933 送信部
34,234,534,934 受信部
39,239,439 通信部
50 音声処理部
51 送信処理部
52 受信処理部
55 ネットワーク接続部
56 基地局接続部
59 装置制御部
100 移動端末装置(通信装置)
110 固定局装置
123,129,919,929 遅延器
200,300,400 基地局装置(通信装置)
327,527 データバッファ
328,528 無音検出部
500 無線制御局装置
810 関門局装置
820 ネットワーク
830 ネットワークシステム
910 送信装置
914 多重化部
920 受信装置
924 分離部
939,979 アンテナ

Claims (33)

  1. 送信処理部と受信処理部とを備えた通信装置間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信方法であって、
    前記通信装置は、
    受信処理部において、受信信号に基づく受信品質を検出し、
    送信処理部において、前記受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴とするデータ通信方法。
  2. 送信処理部と受信処理部とを備えた通信装置間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信方法であって、
    一方の通信装置は、
    受信処理部において、受信信号に基づく受信品質を検出し、
    送信処理部において、前記受信品質に関する情報を含む送信信号を他方の通信装置に送信し、
    他方の通信装置は、
    受信処理部において、受信信号に含まれる前記受信品質に関する情報を抽出し、
    送信処理部において、前記受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴とするデータ通信方法。
  3. 前記他方の通信装置は、さらに、
    受信処理部において、受信信号に基づく受信品質を検出し、
    送信処理部において、前記受信品質に関する情報を含む送信信号を前記一方の通信装置に送信し、
    前記一方の通信装置は、さらに、
    受信処理部において、受信信号に含まれる前記受信品質に関する情報を抽出し、
    送信処理部において、前記受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴とする請求項2記載のデータ通信方法。
  4. 前記送信処理部は、前記受信品質の劣化に従って前記ブランチ数を増加させるように時間ダイバーシティ送信を行なうことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のデータ通信方法。
  5. 前記データ通信は、移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間でデータ通信を行なうデータ通信であることを特徴とする請求項4記載のデータ通信方法。
  6. 前記データ通信は、前記移動端末装置と、前記基地局装置との間で音声データの通信を行なう移動通信システムにおけるデータ通信であることを特徴とする請求項5記載のデータ通信方法。
  7. 前記移動通信システムは、複数の前記基地局装置を制御する無線制御局装置を含み、
    前記無線制御局装置は、前記移動端末装置と前記基地局装置との間の通信における前記受信品質に関する情報を監視し、前記受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、他の基地局装置と前記移動端末装置との間の通信へと接続を切り替えるように制御することを特徴とする請求項6記載のデータ通信方法。
  8. 前記データ通信は、移動体を対象とした通信装置である移動端末装置間でデータ通信を行なうデータ通信であることを特徴とする請求項4記載のデータ通信方法。
  9. 前記データ通信は、ネットワークを介して、移動端末装置間でデータ通信を行なうデータ通信であることを特徴とする請求項8記載のデータ通信方法。
  10. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置と、複数の前記基地局装置を制御する無線制御局装置とを含むデータ通信システムにおいて、前記移動端末装置と通信接続中の前記基地局装置から、前記移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるハンドオーバ方法であって、
    前記基地局装置は、前記通信接続中の移動端末装置からの信号を受信し、受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、前記受信品質に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行ない、
    前記無線制御局装置は、前記通信接続中の基地局装置の前記受信品質に関する情報を監視し、前記受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、前記移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるように制御することを特徴とするハンドオーバ方法。
  11. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置と、複数の前記基地局装置を制御する無線制御局装置とを含むデータ通信システムにおいて、前記移動端末装置と通信接続中の前記基地局装置から、前記移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるハンドオーバ方法であって、
    前記基地局装置は、前記通信接続中の移動端末装置からの信号を受信し、受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、前記受信品質に関する情報を含む送信信号を通信接続中の前記移動端末装置に送信し、
    前記移動端末装置は、前記通信接続中の基地局装置からの前記受信品質に関する情報を含む信号を受信し、前記受信品質に関する情報を抽出し、前記受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行ない、
    前記無線制御局装置は、前記通信接続中の基地局装置の前記受信品質に関する情報を監視し、前記受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、前記移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるように制御することを特徴とするハンドオーバ方法。
  12. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置と、複数の前記基地局装置を制御する無線制御局装置とを含むデータ通信システムにおいて、前記移動端末装置と通信接続中の前記基地局装置から、前記移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるハンドオーバ方法であって、
    前記移動端末装置は、前記通信接続中の基地局装置からの信号を受信し、受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、前記受信品質に関する情報を含む送信信号を通信接続中の前記基地局装置に送信し、
    前記基地局装置は、前記通信接続中の移動端末装置からの前記受信品質に関する情報を含む信号を受信し、前記受信品質に関する情報を抽出し、前記受信品質に関する情報に応じたブランチ数の時間ダイバーシティ送信を行ない、
    前記無線制御局装置は、前記通信接続中の移動端末装置から基地局装置へと送信された前記受信品質に関する情報を監視し、前記受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、前記移動端末装置と他の基地局装置との通信接続へと通信接続を切り替えるように制御することを特徴とするハンドオーバ方法。
  13. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間でデータ通信を行なうデータ通信システムであって、
    前記移動端末装置、および前記基地局装置の少なくともどちらか一方の通信装置は、
    通信信号を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、
    入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、
    前記圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、
    前記複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の前記圧縮データ系列を選択する選択部と、
    前記複数の圧縮データ系列から、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御する多重制御部と、
    選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、
    パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴とするデータ通信システム。
  14. 前記多重制御部は、前記複数の圧縮データ系列から、遅延時間の少ない順に、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項13記載のデータ通信システム。
  15. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間でデータ通信を行なうデータ通信システムであって、
    前記移動端末装置、および前記基地局装置のどちらか一方の通信装置は、
    通信信号を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、
    前記受信品質情報を含む送信信号を他方の通信装置に送信する送信部とを備え、
    他方の通信装置は、
    前記受信品質情報を含む送信信号を受信し、前記送信信号を復元するとともに、前記受信品質情報を抽出する受信部と、
    入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、
    前記圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、
    前記複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の前記圧縮データ系列を選択する選択部と、
    前記複数の圧縮データ系列から、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御する多重制御部と、
    選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、
    パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴とするデータ通信システム。
  16. 前記多重制御部は、前記複数の圧縮データ系列から、遅延時間の少ない順に、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項15記載のデータ通信システム。
  17. 前記他方の通信装置は、さらに、
    通信信号を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、
    前記受信品質情報を含む送信信号を他方の通信装置に送信する送信部とを備え、
    前記一方の通信装置は、さらに、
    前記受信品質情報を含む送信信号を受信し、前記送信信号を復元するとともに、前記受信品質情報を抽出する受信部と、
    入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、
    前記圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、
    前記複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の前記圧縮データ系列を選択する選択部と、
    前記複数の圧縮データ系列から、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御する多重制御部と、
    前記選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、
    パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴とする請求項16記載のデータ通信システム。
  18. 前記多重制御部は、前記複数の圧縮データ系列から、遅延時間の少ない順に、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項17記載のデータ通信システム。
  19. 前記多重制御部は、前記受信品質情報により通知される受信品質の劣化に従って、選択する系列数を増加させるように前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項13から請求項18までのいずれか一項に記載のデータ通信システム。
  20. 前記データ通信システムは、前記移動端末装置と、前記基地局装置との間で音声データの通信を行なうことを特徴とする請求項19記載のデータ通信システム。
  21. 前記データ通信システムは、複数の前記基地局装置を制御する無線制御局装置を、さらに含み、
    前記無線制御局装置は、前記移動端末装置と前記基地局装置との間の通信における前記受信品質情報を監視し、前記受信品質情報により通知される受信品質が所定のレベル以下に劣化したとき、他の基地局装置と前記移動端末装置との間の通信へと接続を切り替えるように制御することを特徴とする請求項20記載のデータ通信システム。
  22. 前記受信品質情報は、受信信号の誤り率に基づく情報であることを特徴とする請求項21記載のデータ通信システム。
  23. 前記受信品質情報は、受信信号の受信レベルに基づく情報であることを特徴とする請求項21記載のデータ通信システム。
  24. 前記データ通信システムは、IPプロトコルに基づきパケット通信を行なうデータ通信システムであることを特徴とする請求項13から請求項23までのいずれか一項に記載のデータ通信システム。
  25. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信システムにおける前記移動端末装置であって、
    前記移動端末装置は、
    通信信号を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、受信品質情報として出力する受信品質測定部と、
    入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、
    前記圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、
    前記複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の前記圧縮データ系列を選択する選択部と、
    前記複数の圧縮データ系列から、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御する多重制御部と、
    選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、
    パケット化部で順次生成される各パケットを送信する送信部とを備えたことを特徴とする移動端末装置。
  26. 前記多重制御部は、前記複数の圧縮データ系列から、遅延時間の少ない順に、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項25記載の移動端末装置。
  27. 移動体を対象とした通信装置である移動端末装置と、前記移動端末装置への通信接続のために設けられた基地局の通信装置である基地局装置との間で、時間ダイバーシティ方式を利用してデータ通信を行なうデータ通信システムにおける前記移動端末装置であって、
    前記移動端末装置は、
    前記基地局装置からの受信品質情報を含む送信信号を受信し、前記送信信号を復元するとともに、前記基地局装置からの受信品質情報を抽出する受信部と、
    前記受信部で受信した受信信号に基づく受信品質を検出し、移動端末装置における受信品質情報として出力する受信品質測定部と、
    入力されたデータを圧縮処理し、圧縮データに変換する圧縮処理部と、
    前記圧縮データを複数の異なった時間遅延させ、複数の圧縮データ系列を出力する遅延バッファと、
    前記複数の圧縮データ系列から、指示された系列数分の前記圧縮データ系列を選択する選択部と、
    前記複数の圧縮データ系列から、前記基地局装置からの受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御する多重制御部と、
    選択された一つまたは各圧縮データ系列から、それぞれ所定のビット数分のデータをブロックとして抽出し、抽出した一つまたは複数のブロックを一つのパケットに格納するパケット化部と、
    パケット化部で順次生成される各パケットを、前記移動端末装置における受信品質情報を含む送信信号として送信する送信部とを備えたことを特徴とする移動端末装置。
  28. 前記多重制御部は、前記複数の圧縮データ系列から、遅延時間の少ない順に、前記受信品質情報に応じた系列数分の前記圧縮データ系列を選択するよう前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項27記載の移動端末装置。
  29. 前記多重制御部は、前記基地局装置からの受信品質情報により通知される受信品質の劣化に従って、選択する系列数を増加させるように前記選択部に対して指示制御することを特徴とする請求項25から請求項28までのいずれか一項に記載の移動端末装置。
  30. 前記移動端末装置は、前記移動端末装置と前記基地局装置との間で音声データの通信を行なうデータ通信システムにおける移動端末装置であることを特徴とする請求項29記載の移動端末装置。
  31. 前記受信品質測定部は、受信信号の誤り率を検出し、検出した誤り率に基づき受信品質情報を生成することを特徴とする請求項30記載の移動端末装置。
  32. 前記受信品質測定部は、受信信号の受信レベルを検出し、検出した受信レベルに基づき受信品質情報を生成することを特徴とする請求項30記載の移動端末装置。
  33. 前記データ通信システムは、IPプロトコルに基づきパケット通信を行なうデータ通信システムであることを特徴とする請求項25から請求項32までのいずれか一項に記載の移動端末装置。
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