JP4127149B2 - 音声通信システムおよび音声通信方法 - Google Patents
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Description
そして、通話の品質要素としてのリアルタイム性を最重要視することにより、受信端末にて受信した音声データに関して誤りや欠落あるいは遅延が発生していたとしても、送信側にデータ再送要求を行なわずに、そのまま受信した音声データを利用して、この音声データをスピーカ等により音声に変換するようにしている。
この装置によれば、音声パケットに欠落が発生した場合には、この欠落部分に対して補間データを生成して、挿入することにより、音声パケットの欠落が解消されると共に、音声の途切れが抑制されることになる。
このような方法によれば、受信データに遅延が発生した場合には、その遅延時間に見合うように算出された最適な待ち時間に基づいて、バッファから音声データを読み出すことにより、擬似的にリアルタイムな会話を実現することができるようになっている。
すなわち、特許文献1においては、音声パケットに欠落が発生した場合に、この欠落部分に対して補間データを生成して挿入することにより、見かけ上の音声パケットの欠落を排除して、音声の途切れを防止することはできるが、補間データは本来の音声パケットとは異なるデータになることから、通話品質を保持することが困難である。
音声通信システムをこのような構成とすると、デジタル携帯電話ネットワークにて、デジタル携帯電話端末同士で音声通信を行なう場合に、デジタル携帯電話ネットワークの送受信環境が悪くなったときでも、リアルタイム性を多少犠牲にすることによって、最低限の通話を確保することができる。
音声通信システムをこのような構成とすると、VoIPを提供するIPネットワークにて、IP電話端末同士で音声通信を行なう場合に、ネットワークの混雑によって通信帯域が非常に狭くなったとしても、リアルタイム性を多少犠牲にすることによって、最低限の通話を確保することができる。
音声通信システムをこのような構成とすると、通常は再送制御を行なわないプロトコルにより音声データを送信することにより、データ転送量を低減させて、より高速なデータ伝送速度を実現して、リアルタイム性の良好な通話を確保することができると共に、データ誤り量が所定量を超えたときには、再送制御を行なうプロトコルにより音声データを送信することによって、データ誤り量を低減させることができる。
本発明は、このように音声通信方法としても実現化することができる。
図1は、本実施形態の音声通信システムの構成を示すブロック図である。
なお、図1においては、デジタル携帯電話端末100,200は、送受信を行なうために二つだけ図示されているが、二つに限定されるものではなく、各デジタル携帯電話端末間にて相互に音声通信を行なうことができるようになっている。
第一のデジタル携帯電話端末(以下、デジタル携帯電話端末という)100は、送受信に関して、図2に示すように構成されている。
なお、説明は省略するが、第二のデジタル携帯電話端末200は、図2にて括弧内に示すように、第一のデジタル携帯電話端末100の各部の符号の100番台を200番台に変更した符号を付した構成要素を備えている。
送信部110は、公知の構成であって、マイク(図示せず)等から取り込まれた音声信号(アナログ信号)を音声符号化部111によりデジタル信号である音声データに変換して、音声符号化部111からの音声データ(デジタル信号)を送信バッファ112に一時記憶した後、無線送信部113が送信バッファ112から音声データ(デジタル信号)を読み出して、図示しないアンテナを介してネットワーク300の基地局(図示せず)に向けて送信するようになっている。
ここで、受信バッファ122は、その大きさ(記憶容量)を変更できるように構成されており、その大きさが後述する制御部140により設定され得るようになっている。
データ誤り検出部130は、受信部120の受信バッファ122に一時記憶された音声データ(デジタル信号)をチェックして、データ欠落,データ化け,データ損失等のデータ誤りを検出する。そして、データ誤り検出部130は、検出したデータ誤りの量を後述する制御部140に送出するようになっている。
また、上記制御部140は、上記データ誤り量が所定値を超えた場合には、受信バッファ122の大きさを拡大すると共に、送信バッファ112を介して、無線送信部113からネットワーク300を介して通話の相手先である第二のデジタル携帯電話端末200に対して、再送要求を送信する。
ここで、上記制御部140は、データ誤り検出部130からのデータ誤り量が所定値以下になったときには、再び受信バッファ122の大きさを最小に戻すと共に、再送要求の送信を中止する。
なお、ネットワーク300は、一つのみが図示されているが、これに限らず、複数のネットワークが設けられ、これらが相互に接続されることにより、個々のネットワークに接続可能なデジタル携帯電話端末同士で音声通信を行なうことができるようになっていてもよい。
図3において、ネットワーク300は、データ伝送に関して双方向に、それぞれ受信部310,320と、バックボーン330,340と、送信部350,360とを有している。
すなわち、第一のデジタル携帯電話端末100から第二のデジタル携帯電話端末200への第一の伝送方向Aに関して、ネットワーク300は、受信部310,バックボーン330および送信部350を備えており、逆の第二の伝送方向Bに関して、受信部320,バックボーン340および送信部360を備えている。
この場合も、受信バッファ312,322は、同様にして大きさを変更できるように構成されている。
データ誤り検出部370,380は、受信部310,320の受信バッファ312,322に一時記憶された音声データ(デジタル信号)をチェックして、データ欠落,データ化け,データ損失等のデータ誤りを検出する。そして、データ誤り検出部370,380は、検出したデータ誤りの量を後述する制御部371,381に送出するようになっている。
また、上記制御部371,381は、上記データ誤り量が所定値を超えた場合には、受信バッファ312,322の大きさを拡大すると共に、送信バッファ361,351を介して、送信部360,350の無線送信部362,352から通話の送信元であるデジタル携帯電話端末100,200に対して、再送要求を送信するようになっている。
ここで、上記制御部371,381は、データ誤り検出部370,380からのデータ誤り量が所定値以下になったときには、再び受信バッファ312,322の大きさを最小に戻すと共に、再送要求の送信を中止する。
まず、第一のデジタル携帯電話端末100の送信部110から音声データがネットワーク300を介して通話の相手先である第二のデジタル携帯電話端末200に対して送信される。
ここで、データ誤り量が所定値以下の場合には、音声データは、そのまま第二のデジタル携帯電話端末200に対して伝送される。
また、データ誤り量が所定値を超えた場合には、制御部371は、受信バッファ312の大きさを拡大すると共に、送信部360により送信元である第一のデジタル携帯電話端末100に対して再送要求を送信する。
これにより、第一のデジタル携帯電話端末100は、送信バッファ112に一時記憶している音声データを再度送信する。
ここで、データ誤り量が所定値以下の場合には、音声データは、そのまま音声復号化部123で音声信号(アナログ信号)に変換されて、スピーカ等に出力される。
これにより、第一のデジタル携帯電話端末100は、送信バッファ112に一時記憶している音声データを再度送信する。
このようにして、送信先の第二のデジタル携帯電話端末200では、受信バッファ222に、前もって決められた所定時間分の音声データが蓄積されたとき、受信バッファ222から音声復号化部223に音声データが出力され、音声信号(アナログ信号)に変換されて、スピーカ等から音声として出力されることになる。
これにより、第二のデジタル携帯電話端末200では、データ誤り量が所定値以下の場合には、制御部240によって受信バッファ222の大きさが最小に設定されることにより、受信バッファ222から実質的にリアルタイムに音声データが音声復号化部223に出力され、音声信号(アナログ信号)に変換されて、スピーカ等から出力される。
これにより、データ誤り量が所定値以下の場合には、データ誤りによる通話への影響(音切れ等)が少ないことから、通話が成り立つものとして、リアルタイム性を優先し、音声データの再送による遅延を回避する。
なお、このような受信バッファ222による音声信号の遅延によって、データ再送そして受信バッファ222への音声データの蓄積のための時間は、音声信号がスピーカ等から出力されずに、無音状態になる。
図4は、本実施形態の音声通信システムの構成を示すブロック図である。
なお、図4においては、IP電話端末400,500は、送受信を行なうために二つだけ図示されているが、二つに限定されるものではなく、各IP電話端末間にて相互に音声通信を行なうことができるようになっている。
第一のIP電話端末(以下、IP電話端末という)100は、送受信に関して、図5に示すように構成されている。
なお、説明は省略するが、第二のIP電話端末500は、図5にて括弧内に示すように、第一のIP電話端末400の各部の符号の400番台を500番台に変更した符号を付した構成要素を備えている。
送信部410は、公知の構成であって、マイク(図示せず)等から取り込まれた音声信号(アナログ信号)を音声符号化部411によりデジタル信号である音声データに変換して、音声符号化部411からの音声データ(デジタル信号)を送信バッファ412に一時記憶した後、IPパケット送信部413が送信バッファ412から音声データ(デジタル信号)を読み出して、接続ケーブルまたは無線LAN等(図示せず)を介してネットワーク600に、そして送信先である第二のIP電話端末500に対して送信するようになっている。
ここで、受信バッファ422は、その大きさ(記憶容量)を変更できるように構成されており、その大きさが後述する制御部440により設定され得るようになっている。
データ誤り検出部430は、受信部420の受信バッファ422に一時記憶された音声データ(デジタル信号)をチェックして、ネットワーク600の混雑時の伝送遅延そして極狭帯域によるタイムアウトに基づくデータ欠落,データ化け,データ損失等のデータ誤りを検出する。そして、データ誤り検出部430は、検出したデータ誤りの量を後述する制御部440に送出するようになっている。
また、上記制御部440は、上記データ誤り量が所定値を超えた場合には、受信バッファ422の大きさを拡大すると共に、送信バッファ412を介して、IPパケット送信部413からネットワーク600を介して通話の相手先である第二のIP電話端末500に対して、再送要求を送信し、さらに再送制御を行なうプロトコルを使用するようにIPパケット送信部412を制御する。
ここで、上記制御部440は、データ誤り検出部430からのデータ誤り量が所定値以下になったときには、再び受信バッファ422の大きさを最小に戻すと共に、再送要求の送信を中止する。
まず、第一のIP電話端末400の送信部410から音声データがネットワーク600を介して通話の相手先である第二のIP電話端末500に対して送信される。
ここで、データ誤り量が所定値以下の場合には、音声データは、そのまま音声復号化部523で音声信号(アナログ信号)に変換されて、スピーカ等に出力される。
これにより、第一のIP電話端末400は、送信バッファ412に一時記憶している音声データを再度送信する。その際、第一のIP電話端末400は、再送制御を行なうプロトコルを使用して、音声データを再送する。
このようにして、送信先の第二のIP電話端末500では、受信バッファ522に、前もって決められた所定時間分の音声データが蓄積されたとき、受信バッファ522から音声復号化部523に音声データが出力され、音声信号(アナログ信号)に変換されて、スピーカ等から音声として出力されることになる。
これにより、第二のIP電話端末500では、データ誤り量が所定値以下の場合には、制御部540によって受信バッファ522の大きさが最小に設定されることにより、受信バッファ522から実質的にリアルタイムに音声データが音声復号化部523に出力され、音声信号(アナログ信号)に変換されて、スピーカ等から出力される。
これにより、データ誤り量が所定値以下の場合には、データ誤りによる通話への影響(音切れ等)が少ないことから、通話が成り立つものとして、リアルタイム性を優先し、音声データの再送による遅延を回避する。
なお、このような受信バッファ522による音声信号の遅延によって、データ再送そして受信バッファ222への音声データの蓄積のための時間は、音声信号がスピーカ等から出力されずに、無音状態になる。
100,200 デジタル携帯電話端末
110,210 送信部
111,211 音声符号化部
112,212 送信バッファ
113,213 無線送信部
120,220 受信部
121,221 無線受信部
122,222 受信バッファ
123,223 音声復号化部
130,230 データ誤り検出部
140,240 制御部
300 ネットワーク
310,320 受信部
311,321 無線受信部
312,322 受信バッファ
330,340 バックボーン
350,360 送信部
351,362 送信バッファ
352,362 無線送信部
370,380 データ誤り検出部
371,381 制御部
400,500 IP電話端末
410,510 送信部
411,511 音声符号化部
412,512 送信バッファ
413,513 IPパケット送信部
420,520 無線受信部
421,521 IPパケット受信部
422,522 受信バッファ
423,523 音声復号化部
430,530 データ誤り検出部
440,540 制御部
600 ネットワーク
Claims (6)
- 一つの送受信端末の送信部からネットワークを介して他の送受信端末の受信部に音声データを相互に送信する音声通信システムであって、
各送受信端末が、受信部で受信した音声データを一時記憶する大きさ可変の受信バッファと、受信バッファに記憶された音声データのデータ誤りを検出するデータ誤り検出部と、送信部により再送要求を相手方の送受信端末に対してネットワークを介して送信する制御部と、を備えており、
上記制御部が、データ誤り検出部で検出したデータ誤り量が所定量以下のときには、上記受信バッファの大きさを最小に設定し、上記データ誤り量が所定量を超えたとき、上記バッファの大きさを拡大すると共に、送信部により送信側の送受信端末に対して再送要求を送信する
ことを特徴とする音声通信システム。 - 上記ネットワークが、双方向に関して、受信部および送信部を備えており、各方向の受信部で受信した音声データを一時記憶する大きさ可変の受信バッファと、受信バッファに記憶された音声データのデータ誤りを検出するデータ誤り検出部と、各方向の送信部により再送要求を送信側の送受信端末に対してネットワークを介して送信する制御部と、を備えており、
上記制御部が、データ誤り検出部で検出したデータ誤り量が所定量以下のときには、上記受信バッファの大きさを最小に設定し、上記データ誤り量が所定量を超えたとき、上記バッファの大きさを拡大すると共に、送信部により送信側の送受信端末に対して再送要求を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の音声通信システム。 - ネットワークがデジタル携帯電話ネットワークであって、各送受信端末がデジタル携帯電話端末であることを特徴とする請求項1または2に記載の音声通信システム。
- ネットワークがVoIPを提供するIPネットワークであって、各送受信端末がIP電話端末であることを特徴とする請求項1または2に記載の音声通信システム。
- 各送受信端末が、通常は再送制御を行なわないプロトコルにより音声データを送信し、データ誤り量が所定量を超えて、受信側の送受信端末から再送要求を受信したときには、再送制御を行なうプロトコルにより音声データを送信することを特徴とする請求項4に記載の音声通信システム。
- 一つの送受信端末の送信部からネットワークを介して他の送受信端末の受信部に音声データを相互に送信する音声通信方法であって、
各送受信端末の受信部にて、受信した音声データを大きさ可変の受信バッファに一時記憶し、
受信バッファに記憶された音声データのデータ誤りを検出して、
検出したデータ誤り量が所定量以下のときには、上記受信バッファの大きさを最小に設定し、
上記データ誤り量が所定量を超えたときには、上記バッファの大きさを拡大すると共に、送信側の送受信端末に対して再送要求を送信する
ことを特徴とする音声通信方法。
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