JP2005243731A - 有機トランジスタおよびその製造方法ならびに有機トランジスタ製造装置 - Google Patents

有機トランジスタおよびその製造方法ならびに有機トランジスタ製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 第1導電型を有する第1の有機材料と第2導電型を有する第2の有機材料とを含む半導体層を有する有機トランジスタにおいて、簡便かつ低コストで作製できる構造、製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】 第1導電型を有する第1の有機材料中に、第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子が分散した構造の半導体層を有する有機トランジスタ。該有機トランジスタは、第1の溶媒に第1導電型を有する第1の有機材料を溶解又は分散した第1の溶液と第2導電型の第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液とを混合して、第2の有機材料の微粒子が該第1の溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、該第3の溶液を基板上に供給して該第1の有機材料と該第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する工程を備えた製造方法およびこれを利用した製造装置によって製造される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表示素子の駆動、論理回路などに用いられるトランジスタであって、特に、少なくともチャンネル領域を含む半導体層(活性層)が有機化合物材料により構成される有機トランジスタおよびその製造方法ならびに有機トランジスタ製造装置に関する。
有機材料のヘテロ接合を利用した素子およびその製造方法は、低コスト、高生産性、大型化が可能などの理由から関心が高く、近年多くの技術が提案されている。例えば、特許文献1には、電子供与体(ドナー)としての共役重合体層と、フラーレン乃至フラーレン誘導体および光始動による電荷分離を可能にする範囲の電気陰性度を有する有機電子受容体からなるヘテロ接合デバイスが提案されている。前記のデバイスは、電子供与体(ドナー)としての共役重合体層中に、フラーレン乃至フラーレン誘導体および光始動による電荷分離を可能にする範囲の電気陰性度を有する有機電子受容体が分散された構造を有し、共役重合体とフラーレン乃至フラーレン誘導体等との間に極めて大面積のヘテロ接合面が形成され得る。たとえば特許文献2には、このようなヘテロ接合デバイスが、ドナーおよび受容体のそれぞれの一部を含む溶液からの凝固中に制御された分離によって原位置に固定される工程や、2つの混合不能な液体成分(うち一つはドナーを有し、他は受容体を有し、固体フィルムとしてキャスティング成形する)を混合することによって原位置に形成される工程、を含む製造方法で作製される旨が示される。
特許文献3および4には、複数種類の有機半導体からなる有機半導体層を金属電極で挟み込んだ有機半導体薄膜太陽電池において、有機半導体層が複数種類の有機半導体からなり、かつ、少なくとも一の半導体が結晶微粒子である構造が提案されている。このような半導体層の作製方法としては、共蒸着法により作製する製造方法が開示されている。
特許文献5には、溶解性共役重合体、有機顔料および/または有機色素を含有することを特徴とする薄膜、溶解性共役重合体を有機溶媒に溶解した溶液中に有機顔料および/または有機色素を分散もしくは溶解させた液を基板上に塗布することにより該薄膜を作製する技術、および、該薄膜を利用した光電変換素子が開示されている。
しかし、上記のいずれの文献においても、ヘテロ接合構造をトランジスタの半導体層(活性層)として利用することについての記載はない。
一方、少なくともチャンネル領域を含む半導体層(活性層)が有機化合物材料により構成されるトランジスタ、すなわち有機トランジスタに関しては、例えば非特許文献1などを初めとして数多くの提案がなされている。有機トランジスタの課題の一つとして、オン/オフ比が低いことが挙げられるが、これに対する対策として、たとえば特許文献2には、第1の導電性を有する第1有機材料層と第2の導電性を有する第2有機材料層が接した構造のヘテロ接合を有する半導体層(活性層)を含む構造の有機トランジスタが提案されている。
特表平8−500701号公報 特開平8−228034号公報 特開2002−76391号公報 特開2002−76027号公報 特開平4−280681号公報 ガルニエ(F.Garnier)他著,<An all-polymer field effect transistor >,Science, American Institute of Physics,1994年,265巻,p.1684−1686
特許文献2に開示された、第1の導電性を有する第1有機材料層と第2の導電性を有する第2有機材料層が接した構造のヘテロ接合を有する半導体層(活性層)を含む構造の有機トランジスタでは、オン/オフ比は改善されたが、第1有機材料の層と第2有機材料の層を順次積層しなければならないので工程が多くなる上、先に形成した第1の有機材料の層の位置に合わせて、第2の有機材料の層を形成しなければならないため、位置合わせのための特別な工夫や設備が必要になる。また、第1有機材料の層と第2有機材料の位置のずれによりトランジスタの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。また、第1の導電性を有する第1有機材料層と第2の導電性を有する第2有機材料層が接した構造のヘテロ接合を有する半導体層(活性層)の効果を十分引き出すためには第1有機材料の層を薄くしなければならないため、第1有機材料の層の厚さを精密に制御することが必要になる。
第1の導電性を有する第1有機材料と第2の導電性を有する第2有機材料が接した構造のヘテロ接合を形成する技術については、太陽電池などの光電変換素子のための技術として、前記のようにいくつかの提案があるが、それぞれ下記に記載の課題を有している。
特許文献1には、電子供与体(ドナー)としての共役重合体層と、フラーレン乃至フラーレン誘導体および光始動による電荷分離を可能にする範囲の電気陰性度を有する有機受容体とからなるヘテロ接合デバイスが記載されている。しかしながら、ここで開示されている技術は、フラーレン乃至フラーレン誘導体などを電子受容体(アクセプタ)として利用することである。これらの材料の特性を十分生かすことのできる素子構造やその構造の製造方法については何ら具体的には開示されていない。
特許文献3および4に開示された技術では、少なくとも一方の半導体が結晶微粒子である複数種類の有機半導体のヘテロ接合が形成された有機半導体層を共蒸着法を用いて作製する技術が開示されているが、共蒸着法などの真空蒸着による製造方法は、装置が複雑で、高価である上、膜を作製する速度も遅いので生産性が悪い。
特許文献5に開示の技術では、有機顔料および/または有機色素の微粒子を溶解性共役重合体に分散してヘテロ接合を形成した膜を利用している。しかし、微粒子は、体積に対する表面積の比率が大きいことに由来して、バルク状態よりも反応性が高くなるので、単体として作製された微粒子では保存中に凝集し易く、また劣化もし易いため、保存や取り扱いに手間がかかる。また、微粒子は凝集しやすいため重合体中に均一に分散させることも困難である。分散性を高めるために、微粒子を他の材料でコートする技術もあるが、コート材により半導体微粒子本来の機能が減縮される場合がある。
そこで本発明は、上記課題を鑑み、オン/オフ比が良好で、しかも低コストで製造できる有機トランジスタと、該有機トランジスタを簡便かつ容易に製造することが可能な有機トランジスタの製造方法および有機トランジスタ製造装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するためになされた本発明による有機トランジスタは、第1の電極(ゲート電極)と、第1の電極と絶縁層を介して接する有機材料の層と、該有機材料の層に接した第2、および第3の電極(ソース、およびドレイン)を有する有機トランジスタにおいて、有機材料の層が、第1導電型を有する第1の有機材料中に第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子が分散した混合層であることを特徴とする。
第2の有機材料の微粒子を含む第1の有機材料の層を一度に形成で出来るので半導体層の製造工程が単純になる上、第1の有機材料の層と第2の有機材料の層との位置合わせのための特別な工夫や設備が不要となるため、そのためのコストが不要になり、また、第1の有機材料の層と第2の有機材料の層の位置のずれによるトランジスタの性能への悪影響を避けることが出来る。
また、第1の有機材料と、導電性を有する第2の有機材料の微粒子との量比を適正に制御することで、第1の電極と第2の有機材料からなる微粒子との間にある第1の有機材料の層の厚さを制御することが可能である。
第1の有機材料が電子供与性、かつ、第2の有機材料が電子受容性であって、第1の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値が、第2の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値よりも小さくされることにより、トランジスタの性能を高めることができる。チャンネル(キャリアの通り道)が形成される電子供与性を有する第1の有機材料に接して、電子受容性を有する第2の材料の微粒子が存在することにより、ゲートがゼロバイアスである時においても接合面近傍に空乏層が形成され、ゼロバイアス時の漏れ電流(オフ電流)が低減される。
一方、第1の有機材料が電子受容性材料であって、かつ、第2の有機材料が電子供与性であって、第1の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値が第2の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値よりも大きくされることによっても、トランジスタの性能を高めることができる。チャンネル(キャリアの通り道)が形成される電子受容性を有する第1の有機材料に接して、電子供与性を有する第2の有機材料の微粒子が存在することにより、ゲートがゼロバイアスである時においても接合面近傍に空乏層が形成され、ゼロバイアス時の漏れ電流(オフ電流)が低減される。
なお、第1の有機材料と第2の有機材料との間における最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値の関係は、各々の分子構造に基づき、たとえば分子軌道計算法等により評価することができる。また、最高占有分子軌道のエネルギーは、紫外線光電子分光法(UPS)による測定結果から実験的に見積もることが出来る。
本発明において、第1の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値と第2の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値との差は、たとえば紫外線光電子分光法を用いた測定において0.2〜2eVの範囲内となるように設定することができ、この場合良好なトランジスタ性能が得られる。
第2導電型を有する第2の有機材料が、結晶性の有機化合物であってもよい。第2の有機材料が、結晶性の有機化合物であれば、結晶性の微粒子を形成することが可能である。微粒子が結晶性であれば、分子の規則正しい周期性故に、高性能な電気的特性、例えば、電荷の移動がスムーズになり、空乏層が効率よく形成されるなどの諸物性を発現させることなどが可能となる。有機化合物が結晶性であるか否かは、たとえばX線回折、TEM(透過型電子顕微鏡)を用いた電子線回折、等の分析手法により結晶構造に基づく明瞭なパターンが観測されるか否かによって判定できる。
第1導電型を有する第1の有機材料は重合体であってもよく、特に共役重合体が好適である。本発明において「重合体」とは、単位化合物が2個以上結合して形成される化合物を指し、「共役重合体」とは、分子内に共役二重結合を有する重合体を指すものとする。重合体は、置換基の導入やドーピングなどの方法により、絶縁体、半導体、導電体の制御が可能であり、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法などの方法で容易に薄膜が形成できる。また、形状のフレキシビリティも高いので、フレキシブル度が高く、機械的に壊れにくい素子を形成できる。
本発明の有機トランジスタの製造方法では、第2の有機材料の微粒子を形成させながら、その過程を妨げることなく、かつ、形成された微粒子の機能を損なうことなく、第1の有機材料中に均一に分散させて半導体層を形成することを特徴とする。
本発明の有機トランジスタの製造方法は、第1の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散した第1の溶液と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解または分散した第2の溶液を混合し、第2の有機材料の微粒子が第1の溶液と第2の溶液の混合溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、該第3の溶液を基板上に供給して第1の有機材料中に第2の有機材料の微粒子が分散した混合膜を形成する工程を備えることを特徴としている。
従来の方法では、第1の有機材料中に第2の有機材料からなる微粒子が分散した混合材料を作製するためには、第2の有機材料からなる微粒子をまず単体で作製し、これを第1の有機材料中に均一に混合するために混練などの方法を用いなければならなかったが、本発明の製造方法によれば、第2の有機材料の微粒子の製造と、該微粒子と第1の有機材料とを混合する工程が一度の工程で済み、工程が簡単になる。また、第2の有機材料の微粒子を単体として取り扱うことがないので、保存中に凝集したり、劣化する恐れがなく、保存や取り扱いに手間も必要がない。また、第1の有機材料中に第2の有機材料の微粒子を均一に分散させることが容易であり、分散性を高めるために微粒子を他の材料でコートするなど半導体微粒子本来の機能を減縮させる処理も必要がない。
第1の溶液と第2の溶液との混合時の溶液温度において、第1の有機材料と第2の有機材料のうち一方の有機材料が溶解または分散している溶媒に対する他方の有機材料の溶解度が小さいか、またはほとんど溶解しない場合、有機材料の微粒子を容易に析出させることができるため好ましい。
また、第2の有機材料が第1の溶媒および第2の溶媒のいずれもに溶解する場合、第2の有機材料の第1の溶媒に対する溶解度が、第2の有機材料の第2の溶媒に対する溶解度よりも小さいことが好ましい。第2の有機材料の第1の溶媒に対する溶解度が第2の有機材料の第2の溶媒に対する溶解度よりも小さく、かつその差が大きい程、第1の溶液と第2の溶液を混合した第3の溶液中において、第2の有機材料の第3の溶液に対する溶解度が小さくなり、第2の有機材料が微粒子として析出しやすくなる。
本発明において、第3の溶液を基板上に供給して第1の有機材料と第2の有機材料からなる微粒子の混合膜を形成する工程は、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法のいずれかが好適に採用できる。
スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法は、基本的には、第3の溶液を基板上に供給し、膜を形成しつつ溶媒を除去して、固体の薄膜を形成する方法であるので、真空蒸着法など他の薄膜形成法と比較して、極めて簡便かつ低コストで薄膜形成が可能である。また、インクジェットプリント法やスクリーン印刷法では、任意のパターンの薄膜を容易に作製できる。
第1の有機材料としては、重合体が好適に使用できるが、該第1の有機材料は特に以下の方法で好ましく形成されることができる。すなわち、モノマー、オリゴマー、または、前駆体である第3の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散した第1の溶液と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解または分散した第2の溶液を混合し、第2の有機材料の微粒子が第1の溶液と第2の溶液の混合溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、該第3の溶液を基板上に供給して第3の有機材料中に第2の有機材料の微粒子が分散した混合膜を形成する工程と、混合膜中の第3の有機材料を共役重合体の第1の有機材料に変成する工程を備えた製造方法によって、第1の有機材料を形成することが出来る。
重合体の溶媒への溶解性は該重合体の分子構造や重合度(分子量)等によって左右され、選択し得る溶媒が限定されたり、溶解度が著しく小さい場合がある。特に重合度(分子量)が大きいほど、この傾向が顕著になる。これに対し、第3の有機材料としてモノマー、オリゴマー、または、前駆体を用い、第3の有機材料中に第2の有機材料の微粒子が分散した混合膜を形成した後、混合膜中の第3の有機材料を共役重合体の第1の有機材料に変成する工程を用いることにより、利用できる共役重合体や溶媒の選択の範囲が広くなる。
第3の有機材料としての前駆体が、水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーであってもよい。例えば、ポリ(アリーレンビニレン)類の前駆体となる水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーは、溶媒に対する可溶性が高い上に、加熱などにより、ポリ(アリーレンビニレン)類へと比較的容易に変成できる。ここで、水溶性スルホニウム塩ポリマーは、溶媒として水が利用できる。有機半導体は、水に難溶または不溶であるものが多く、また、水は、比較的多くの有機溶媒と相溶性があるので、本発明には好適である。
本発明の有機トランジスタの製造方法において、モノマー、オリゴマー、または、前駆体から重合体に変成される工程は、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射のいずれか、または、これらの組み合わせであってもよい。光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射を用いる場合、所定のマスクを通して照射することにより、照射部のみ変成させたのち、未照射部を除去することで、所定のパターンを形成することが可能である。また、加熱により変成される場合には、レーザーなどの光を照射して照射部のみを加熱することが可能であるので、前記の方法と同様にして、所定のパターンを形成できる。
前述の製造方法により、第1の電極と、第1の電極と絶縁層を介して接する有機材料の層と、有機材料の層に接した第2、および第3の電極を有する有機トランジスタにおいて、有機材料の層が、第1導電型を有する第1の有機材料中に第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子が分散した混合層であることを特徴とする有機トランジスタの製造装置は、第1の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散して第1の溶液を作製する手段と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液を作製する手段と、第1の溶液と第2の溶液とを混合し、第2の有機材料の微粒子が分散した第3の溶液を形成する手段と、該第3の溶液を基板上に供給して第1の有機材料と、第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する手段を備えることにより実現される。
また、基板上に塗布した膜中から第3の溶液の溶媒を除去する場合や、モノマー、オリゴマー、または、前駆体から重合体に変成する場合は、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射をする手段を備えた製造装置としてもよい。
本発明によれば、オン/オフ比が良好で、しかも低コストで製造できる有機トランジスタと、これを簡便かつ容易に製造する方法および製造装置を提供することができる。
以下、本発明に基づく有機トランジスタとその製造方法および製造装置の実施の形態について説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
<有機トランジスタの構造>
図1〜図4は、本発明による有機トランジスタの断面図である。基板125の上にゲート電極122が形成され、該ゲート電極122を埋設してゲート絶縁層121が形成されている。ソース116とドレイン117は、ゲート電極の上方の半導体層の領域を挟んで対峙して、それぞれゲート絶縁層に接して配置されている。該ゲート絶縁層121の上の少なくともゲート電極122の上方のチャンネル部に相当する領域に、第2の有機材料の微粒子114が第1の有機材料123中に分散された半導体層が形成されている。
図示されていないが、少なくとも半導体層を覆って、保護膜が形成されていても良い。保護膜により、半導体層の外部から有機材料そのものあるいは素子の動作に悪影響を及ぼす物質などの進入を抑止することが可能となり、素子性能の劣化を抑止し、素子寿命をより長く保つことが可能となる。
第2の有機材料の微粒子114の平均直径は、1nm〜500nm、より好ましくは1nm〜100nmである。第2の有機材料の微粒子114の平均直径が1nm以上、500nm以下であれば、半導体層中において第2の有機材料の微粒子114が均一に分散されることができ、ゼロバイアス時の漏れ電流の低減効果が良好である。
第2の有機材料の微粒子114の構造は特に限定はなく、非晶質であってもよいし、多結晶または単結晶であってもよいが、結晶性である場合高性能な電気特性が発現される。第2の有機材料の微粒子114と第1の有機材料123の混合比は、体積比で4:1〜1:100程度、好ましくは4:1〜1:10程度である。第2の有機材料の微粒子114の分散状態としては、均一な密度で第1の有機材料123の中に分散されていることが望ましい。なお溶液中における第2の有機材料の微粒子の平均直径は、たとえば動的光散乱光度分析、ゼータ電位測定等により評価できる。
図1の構造は一例であり、本発明は一般に第1導電型を有する第1の有機材料中に第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子を分散させた層を半導体層として有する構造の有機トランジスタに利用されうる。
例えば、図2、図3または図4に本発明による有機トランジスタの別の構造の例を断面図で示す。
図2に示す構造の有機トランジスタでは、基板225の上にゲート電極222が形成され、該ゲート電極222を埋設してゲート絶縁層221が形成されている。該ゲート絶縁層221の上の少なくともゲート電極222の上方のチャンネル部に相当する領域に、第2の有機材料の微粒子214が第1の有機材料223中に分散した構造の半導体層が形成されている。ソース216とドレイン217は、ゲート電極の上方の半導体層の領域を挟んで対峙して、それぞれ半導体層に接して配置されている。
第2の有機材料の微粒子の粒子径や構造および分散状態、保護層については図1の例の場合の記載と同様である。
図3に示す構造の有機トランジスタでは、絶縁性の、または少なくとも表面に絶縁性を付与した基板325の上にソース316とドレイン317が形成されている。その上に、第2の有機材料の微粒子314が第1の有機材料323中に分散した半導体層が、ソース316とドレイン317それぞれに接して形成されている。半導体層の上の少なくともソース316とドレイン317の間のチャンネル領域の上方に、半導体層に接してゲート絶縁層321が形成されている。更に、ゲート電極422がゲート絶縁層321の上の少なくともソース316とドレイン317の間のチャンネル領域の上方に、ゲート絶縁層321に接して形成されている。
第2の有機材料の微粒子の粒子径や構造および分散状態、保護層については図1の例の場合の記載と同様である。
図4に示す構造の有機トランジスタでは、絶縁性の、または少なくとも表面に絶縁性を付与した基板425に、ソース416、ドレイン417が埋設されている。基板425に埋設されたソース416およびドレイン417は、例えば絶縁性の基板へのドーパントの注入または拡散などの公知の方法で作製される。ソース416およびドレイン417の上には、絶縁層418が、ソース416とドレイン417の間の領域と、ソース416およびドレイン417の一部が露出するように形成されている。ソース416とドレイン417の間の領域の上には第2の有機材料の微粒子414が第1の有機材料423の中に分散された混合膜の半導体層が、ソース416およびドレイン417と接して形成されている。半導体層の上にはゲート絶縁層421が配置され、ゲート絶縁層421の上にゲート電極422が半導体層、ソース416およびドレイン417のいずれとも接しないように形成されている。絶縁層418とゲート絶縁層421とは同じ材料を用いてゲート電極422を埋設するように一度に形成しても良い。
図4の構造の例の場合においても、微粒子の平均直径、構造、分散状態または、微粒子と第1の有機材料の混合比は、図1の構造の例の場合の記載と同様である。
第1の有機材料と第2の有機材料の微粒子の混合比は、例えば、有機トランジスタの断面における第2の有機材料からなる微粒子の領域の面積と第1の有機材料の領域の面積の比率で評価することができる。数ヶ所から数十ヶ所で計測し、その平均値を出す方法などにより精度を高めることが出来る。断面は、ミクロトームなどの切断機器を用いて出すことができ、該断面を走査電子顕微鏡(SEM)や蛍光顕微鏡、光学顕微鏡などで観察を行うことが出来る。断面における第2の有機材料からなる微粒子の領域と第1の有機材料の領域は、SEMでは、電子線の反射率や2次電子生成効率の差として、蛍光顕微鏡では、入射光の吸収により生成する蛍光の波長や強度の差として、光学顕微鏡では、光の反射率の差として区別される。また、第2の有機材料の微粒子の粒径についても同様に走査型電子顕微鏡(SEM)、蛍光顕微鏡、光学顕微鏡などで断面観察することにより評価することができる。
<有機トランジスタの製造工程>
図5は、本発明の実施の形態1に基づく有機トランジスタの製造工程を示すフロー図である。
まず、第1導電型を有する第1の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散して第1の溶液511を作製する。第1の有機材料を構成する材料は、分子状になって第1の溶媒に溶解していてもよいし、分子の集合体(例えばコロイドやミセル状など)を形成して第1の溶媒中に分散していてもよい。第1の有機材料の濃度についても特に限定はないが、溶液中に安定に溶解または分散している状態が好ましく、例えば、少しの温度変化などで第1の有機材料が凝集し、沈殿するような飽和濃度近傍の濃度は好ましくない。フィルターを通して通過するもののみを、次の工程で使用するようにしてもよい。フィルターを通すことによって、不溶の不純物や沈殿物を除くことができる。
次に、第2導電型を有する第2の有機材料を第2の溶媒に溶解または分散して第2の溶液512を作製する。第2の有機材料を構成する材料は、分子状になって第2の溶媒に溶解していてもよいし、分子の集合体(例えばコロイドやミセル状など)を形成して第2の溶媒中に分散していてもよい。第2の有機材料の濃度についても特に限定はないが、溶液中に安定に溶解または分散している状態が好ましく、少しの条件変化(例えば温度変化など)で第2の有機材料が凝集し、沈殿するような飽和濃度近傍の濃度は好ましくない。フィルターを通して通過するもののみを、次の工程で使用するようにしてもよい。フィルターを通すことによって、不溶の不純物や沈殿物を除くことができる。
室温程度の温度で大気圧では、第2の有機材料の第2の溶媒への溶解度が十分でない場合には、第2の溶媒として高温高圧の超臨界流体を用いても良い。超臨界流体を用いることにより、常温、常圧近傍の条件で溶解しない材料を溶解させることができる場合があり、これにより第2の有機材料の選択の幅が広がる。
次に図5(a)に示す如く、第1の溶液511と第2の溶液512とを撹拌しながら混合して、図5(b)の如く第2の有機材料の微粒子514が分散した第3の溶液513を形成する。一般には、微粒子を形成したい有機材料を含む溶液を、他方の溶液の中に投入する。微粒子の直径は、第1の溶液511および第2の溶液512の濃度、温度、または撹拌速度などによって制御することが可能である。混合時の温度は、概ね0℃〜100℃の範囲であり、たとえば15〜25℃の室温程度であることが望ましい。撹拌速度は、100rpm〜5000rpmの範囲が好ましい。圧力は、大気圧程度が望ましい。
次いで、図5(c)に示す如く、ゲート電極522、ゲート絶縁層521、ソース516、ドレイン517を形成した基板525上に第3の溶液513を供給し、第1の有機材料523の中に第2の有機材料の微粒子514が分散した混合膜の半導体層を形成する。第3の溶液513を供給し、混合膜の半導体層を形成する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法などが挙げられる。混合膜の半導体層を形成した後、加熱をしてもよい。溶媒の沸点近傍の温度で加熱する事により、混合膜の半導体層中に残留する溶媒や不純物成分などを除去することが出来る。加熱の際は、真空下または、不活性ガスの雰囲気下、あるいは水素ガス雰囲気下などの還元性雰囲気下などの環境下であることが望ましい。なお、ゲート電極522、ゲート絶縁層521、ソース516、ドレイン517形成した基板525は、公知の方法で作製できる。ゲート電極522、ゲート絶縁層521、ソース516、ドレイン517の形成方法は特に限定されないが、蒸着法、CVD法、スピンコート法、インクジェットプリント法などの公知の製膜方法と、フォトリソグラフィー法などの公知のパターン形成方法が用いられうる。
<第1の有機材料および第2の有機材料>
第1の有機材料および第2の有機材料としては、電子受容性材料と電子供与性材料の組み合わせであって、第1の溶液と第2の溶液との混合時の溶液温度において、一方が溶解または分散している溶媒に対する他方の有機材料の溶解度が小さいか、またはほとんど溶解しないような組み合わせを用いることが好ましい。該溶解度はたとえば、0.1mg/100g溶媒、以下とすると良い。この場合、第1の溶液と第2の溶液とを混合することによって第2の有機材料の微粒子を容易に形成できる。適当な官能基や側鎖を分子に付加することにより、溶解度を制御することが可能である。例えば、アルキル鎖を付加することにより、非極性溶媒への溶解度を向上させることが可能であるし、カルボキシル基、硫酸基や水酸基を含む官能基を付加することにより、水や極性溶媒への溶解度を向上させることが可能である。
電子受容性材料としては、ピリジンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、キノリンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ベンゾフェナンスロリン類およびその誘導体によるラダーポリマー、シアノ−ポリフェニレンビニレンなどの高分子、フッ素化無金属フタロシアニン、フッ素化金属フタロシアニン類およびその誘導体、ペリレンおよびその誘導体(PTCDA、PTCDIなど)、ナフタレン誘導体(NTCDA、NTCDIなど)、バソキュプロインおよびその誘導体などの低分子が利用されうる。
電子供与性材料としてはチオフェンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、フェニレン−ビニレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、チエニレン−ビニレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、カルバゾールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ビニルカルバゾールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ピロールおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、アセチレンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、イソチアナフェンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、ヘプタジエンおよびその誘導体を骨格にもつオリゴマーやポリマー、無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン類およびそれらの誘導体、ジアミン類、フェニルジアミン類およびそれらの誘導体、ペンタセンなどのアセン類およびその誘導体、ポルフィリン、無金属ポルフィリンや金属ポルフィリンおよびそれらの誘導体、シアニン色素、メロシアニン色素、スクアリリウム色素、キナクリドン色素、アゾ色素、アントラキノン、ベンゾキノン、ナフトキノン等のキノン系色素およびそれらの誘導体などが利用されうる。金属フタロシアニンや金属ポルフィリンの中心金属としては、マグネシウム、亜鉛、銅、銀、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、スズ、白金、鉛などの金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物が用いられうる。
<溶媒>
第1の溶媒、第2の溶媒については、第1の溶液と第2の溶液との混合時の溶液温度において、第1の有機材料と第2の有機材料のうち一方の有機材料が溶解または分散している溶媒に対する他方の有機材料の溶解度が小さいか、ほとんど溶解しないようにすることが可能な溶媒を選択することが好ましい。該溶解度はたとえば、0.1mg/100g溶媒、以下とすることが好ましい。また、第1の溶媒と第2の溶媒とは相溶性であることが望ましい。そのような溶媒の組み合わせとしては、例えば、水とアセトン、水とアルコール類、アルコール類とアセトンなどがあるが、これらに限定されるものではなく、第1の有機材料と第2の有機材料によって、適当なものが選択される。
<基板>
本発明において使用される基板は、その上部に形成される材料を安定に保持できるものであれば、材質や厚さは特に限定されない。例えば、ガラス、樹脂、ステンレスなどの金属類や合金、紙、布などが挙げられる。また、図4に示す如く基板425に埋設されたソース416およびドレイン417を有する構造の場合には、例えば絶縁性または半絶縁性の基板であって、ドーピングにより導電性を制御できる基板(例えば、非ドープのシリコンや化合物半導体など)を用いることが出来る。
<ゲート電極>
ゲート電極の材料としては、公知の導電性材料が用いられうるが、例えば金、白金、アルミニウムなどの金属類、合金類などが用いられ、透明電極としては、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)やフッ素ドープされた酸化スズ、酸化亜鉛、酸化錫等の金属酸化物が用いられる。ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチアジルなどの導電性高分子を用いてもよい。
<ソースまたはドレイン>
ソースまたはドレインの材料は、公知のトランジスタ、IC、LSIまたはTFTに用いられている材料が用いられる。また、ソースまたはドレインの材料は、半導体層との間の電気的性質(オーミック性やショットキー性など)によっても選択される。導電性高分子材料や、カーボンナノチューブなども用いられうる。
図1、図2または図3に示す如くある層の表面上に付加して形成されるソースまたはドレインには、ゲート電極の材料として記載と同様の材料が用いられうる。
また、図4に示す如く基板425に埋設されたソース416およびドレイン417は、例えば絶縁性または半絶縁性の基板(例えば、非ドープのシリコンや化合物半導体など)へのドーパントの注入または拡散などの公知の方法で作製される。構成材料は公知の材料が用いられるが、一例を挙げれば、基板がシリコンの場合には燐、砒素、ホウ素などがドーパントとして用いられる。
<ゲート絶縁膜または絶縁層>
ゲート絶縁層または絶縁層には、例えば、無機物質のシリコン酸化物、窒化シリコンなどのほか、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、UVなどによる光硬化性樹脂などの有機材料が用いられる。ゲート絶縁層の膜厚は、1nm〜600nmであり、3nm〜60nmが好ましい。絶縁層の膜厚は、3nm〜1000nmであり、30nm〜600nmが好ましい。ゲート絶縁層または絶縁層は、金属や半導体材料の酸化や窒化の他、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、塗布法などにより作製される。
<有機トランジスタの製造装置>
本発明は、第1の電極と、第1の電極と絶縁層を介して接する有機材料の層と、有機材料の層に接した第2、および第3の電極を有する有機トランジスタにおいて、有機材料の層が、第1導電型を有する第1の有機材料中に第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子が分散した混合層であることを特徴とする有機トランジスタの製造装置である。
ここで本発明の有機トランジスタの製造装置は、次の(1)〜(4)の手段、すなわち、
(1)第1の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散して第1の溶液を作製する手段、
(2)第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液を作製する手段、
(3)第1の溶液と第2の溶液を混合し、第2の有機材料の微粒子が第1の溶液中に分散した第3の溶液を形成する手段、
(4)該第3の溶液を基板上に供給して第1の有機材料と、第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する手段、を含むことを特徴とする。
<製造方法および装置の効果>
従来、第1の有機材料中に第2有機材料からなる微粒子が分散した混合層を作製するためには、第2の有機材料からなる微粒子をまず単体で作製し、これを第1の有機材料中に均一に混合するために混練などの方法を用いなければならなかった。本発明の製造方法および製造装置によれば、第2の有機材料の微粒子の製造工程と、該微粒子と第1の有機材料との混合工程が一度の工程で済み、第2の有機材料の微粒子を単体あるいは分散液として取り扱うことがないので、微粒子が保存中に凝集したり、劣化する恐れがなく、保存や取り扱いに手間も必要がない。また、均一に分散させることも容易であり、分散性を高めるために微粒子を他の材料でコートするなど半導体微粒子本来の機能を減縮させるような処理も必要がない。
第1の有機材料と第2の有機材料の混合膜を形成する方法としてのスピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法は、基本的には、第3の溶液を基板上に供給し、膜を形成しつつ溶媒を除去して、固体の薄膜を形成する方法であるので、真空蒸着法など他の薄膜形成法と比較して、極めて簡便かつ低コストで薄膜形成が可能である。また、インクジェットプリント法やスクリーン印刷法では、任意のパターンの薄膜を容易に作製できる。
(実施の形態2)
第3の有機材料中に第2有機材料からなる微粒子が分散した混合膜を形成する工程の後に、モノマー、オリゴマー、または、前駆体等である第3の有機材料が共役重合体である第1の材料に変成されて半導体層が形成される場合について説明する。ここでは、モノマー、オリゴマー、または、前駆体である第3の有機材料が変成されて第1の有機材料となる場合を例として記載するが、第2の有機材料がモノマー、オリゴマー、または、前駆体である第3の有機材料から変成されて形成されてもよいし、第1の有機材料と第2の有機材料の両方がモノマー、オリゴマー、または、前駆体である第3の有機材料から変成されて形成されてもよい。
<製造方法>
図6は、本発明の実施の形態2に基づく有機トランジスタの製造工程を示すフロー図である。
モノマー、オリゴマー、または、前駆体である第3の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散した第1の溶液611を作製する。
図6(a)に示す如く、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液612を第1の溶液611中に投入し、図6(b)に示す如く第2の有機材料の微粒子614が分散した第3の溶液613を形成する。次いで、図6(c)に示す如く、ゲート電極622、ゲート絶縁層621、ソース616、ドレイン617形成した基板625上に第3の溶液613を供給し、第3の有機材料630の中に第2の有機材料の微粒子614が分散した混合膜を形成する。第3の溶液613を供給し、混合膜を形成する方法は、実施の形態1に記載の方法と同様である。また、ゲート電極622、ゲート絶縁層621、ソース616、ドレイン617形成した基板625の形成方法も、実施の形態1に記載の方法と同様である。
次いで、図6(d)に示す如く、第3の有機材料630のモノマー、オリゴマー、または、前駆体を共役重合体の第1の有機材料623に変成して、第2の有機材料の微粒子614と第1の有機材料623との混合膜の半導体層を形成する。第3の有機材料を変成させる方法としては、例えば、混合膜671に対し、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射を行う方法がある。加熱の方法には、加熱炉に入れて全体を加熱する方法もあるが、レーザーや赤外線などの光を照射して、照射部近傍のみを加熱する方法も利用しうる。また、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射などの方法により、部分的に重合を生じさせて、所望のパターンを形成することも可能である。
<第3の有機材料>
第3の有機材料を構成するモノマー、オリゴマー、または、前駆体としては、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射などの方法により実施の形態1に記載した高分子材料へと変成出来るモノマー、オリゴマー、または、前駆体が利用されうる。好適なものとしては、これらに限定されるわけではないが、例えば、水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーがある。具体的には、ポリフェニレン−ビニレンおよびその誘導体は、ポリパラキシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライドおよびその誘導体から、ポリチエニレン−ビニレンおよびその誘導体は、ポリジメチルチオフェンテトラヒドロチオフェニウムクロライドおよびその誘導体から、ポリ(ピリジルビニレン)およびその誘導体は、ポリジメチルピリジンテトラヒドロチオフェニウムクロライドおよびその誘導体から、加熱などの方法によりそれぞれ形成される。
第2の有機材料、第1の溶媒および第2の溶媒、基板、ゲート電極、ソース、ドレイン、ゲート絶縁膜、絶縁層については、実施の形態1に記載の方法と同様に調製または形成することができる。
<有機トランジスタの製造装置>
本発明の有機トランジスタの製造装置は、上記の(1)〜(4)の手段を含む実施の形態1の装置に、更に次の(5)の手段、すなわち、
(5)第1の有機材料および/または第2の有機材料が、モノマー、オリゴマーまたは前駆体である第3の有機材料から変成されて形成される場合に、混合膜中の第3の有機材料を重合体に変成させるために光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射をする手段、
を付加して構成される。
<製造方法および製造装置の効果>
本発明の製造方法および製造装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果に加えて、次のような効果がある。
重合体は、可溶な溶媒が限定されたり、溶解度が著しく小さい場合があり、重合度(分子量)が大きいほど、この傾向が顕著になる。これに対し、モノマー、オリゴマー、または前駆体は、一般に溶媒に対する溶解性が高いので溶媒の選択の範囲が広い。
また、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射を用いる場合、所定のマスクを通して照射することにより、照射部のみ重合させたのち、未照射部のモノマー状態の部分を除去することで、所定のパターンを形成することが可能である。また、加熱により重合するモノマーを用いる場合には、レーザーなどの光を照射して照射部のみを加熱することが可能であるので、前記の方法と同様にして、所定のパターンを形成できる。
<実施例>
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
図5に示す如く、第2の溶液512としての第2の有機材料のペリレンのアセトン溶液(約0.3mM)の10gと、第1の溶液511としての第1の有機材料のポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)の水溶液(約0.05wt%)の10gを作製した。なおペリレンは、水に対して不溶である。
図5(a)に示す如く、第2の溶液512として上記のペリレンのアセトン溶液を、撹拌されている上記の第1の溶液511としてのポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)の水溶液中に滴下し、ポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)の水溶液中に、結晶性の第2の有機材料の微粒子514であるペリレン微粒子が分散した第3の溶液513を作製した。該微粒子の直径は約80nmであった。なお前記の直径を含むすべての実施例における微粒子の直径は動的光散乱光度分析装置を用いて測定した。
基板525としてのガラス板の上に、蒸着法により膜厚約150nmの金薄膜を形成し、フォトリソグラフィー法により所望の形状に加工し、ゲート電極522とした。次いで、ゲート電極522を埋設して、膜厚約50nmのシリコン酸化膜をCVD法で形成し、ゲート絶縁膜521とした。次に、膜厚約5nmのチタン薄膜を電子ビーム蒸着法で形成し、その上に膜厚約150nmの金薄膜を形成した。このチタンと金の積層膜をフォトリソグラフィー法により所望の形状に加工し、ソース516およびドレイン517とした。ソースとドレイン間の距離(チャネル長)は約5μm、チャネル幅は1mmであった。
上記のゲート電極522、ゲート絶縁膜521、ソース516およびドレイン517を形成した基板525に、前記のペリレン微粒子が分散した第3の溶液513をスピンコート法で塗布し、次いでこれを、窒素雰囲気下で約100℃の温度で加熱した。上記の過程で第1の有機材料523のポリ(チオフェン−3−エチルスルフォネート)と第2の有機材料の微粒子514のペリレン微粒子との混合膜(膜厚約300nm)が形成された。
以上の工程で、本発明に基づく有機トランジスタが形成された。
(実施例2)
図6において、第2の溶液612として、第1の有機材料のペリレンをアセトンに溶解し、濃度約0.3mMの溶液10gを作製した。また、第1の溶液611として、第3の有機材料のポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライド)を水に溶解し、濃度約0.05wt%の第1の溶液10gを作製した。図6(a)に示す如く、第2の溶液612としてのペリレンのアセトン溶液を、撹拌されている第1の溶液611のポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム クロライド)の水溶液中に滴下し、ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム クロライド)の水溶液中に、第2の有機材料の微粒子614であるペリレン微粒子が分散した第3の溶液613を形成した。微粒子の直径は約80nmであった。
実施例1と同様にして、上記のゲート電極622、ゲート絶縁膜621、ソース616およびドレイン617を形成した基板625を作製した。
上記のゲート電極622、ゲート絶縁膜621、ソース616およびドレイン617を形成した基板625に、前記のペリレン微粒子が分散した第3の溶液613をスピンコート法で塗布し、第3の有機材料630のポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウム クロライド)と第2の有機材料の微粒子614のペリレン微粒子との混合膜(膜厚約300nm)が形成された。
次いで混合膜を形成した基板を、窒素雰囲気下において約250℃で加熱し、ポリ(p−キシレンテトラヒドロチオフェニウムクロライド)をポリフェニレンビニレンに変成した。
以上の工程で、本発明による有機トランジスタが作製された。
本発明によれば、オン/オフ比が良好で、しかも低コストで製造できる有機トランジスタと、これを簡便かつ容易に製造する方法および製造装置を提供することができる。
本発明による有機トランジスタの断面図である。 本発明による有機トランジスタの断面図である。 本発明による有機トランジスタの断面図である。 本発明による有機トランジスタの断面図である。 本発明の実施の形態1に基づく有機トランジスタの製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施の形態2に基づく有機トランジスタの製造工程を示すフロー図である。
符号の説明
114,214,314,414,514,614 第2の有機材料の微粒子、116,216,316,416,516,616 ソース、117,217,317,417,517,617 ドレイン、418 絶縁層、121,221,321,421,521,621 ゲート絶縁層、122,222,322,422,522,622 ゲート電極、123,223,323,423,523,623 第1の有機材料、125,225,325,425,525,625 基板、511,611 第1の溶液、512,612 第2の溶液、513,613 第3の溶液、630 第3の有機材料。

Claims (14)

  1. 第1の電極と、前記第1の電極と絶縁層を介して接する有機材料の層と、前記有機材料の層に接した第2、および第3の電極を有する有機トランジスタにおいて、
    前記有機材料の層が、第1導電型を有する第1の有機材料中に第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子が分散した混合層であることを特徴とする有機トランジスタ。
  2. 前記第1の有機材料が電子供与性、かつ、前記第2の有機材料が電子受容性であって、前記第1の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値が、前記第2の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタ。
  3. 前記第1の有機材料が電子受容性であって、かつ、前記第2の有機材料が電子供与性であって、前記第1の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値が前記第2の有機材料の最高占有分子軌道のエネルギーの絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の有機トランジスタ。
  4. 第2導電型を有する前記第2の有機材料が、結晶性の有機化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機トランジスタ。
  5. 第1導電型を有する前記第1の有機材料が、重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機トランジスタ。
  6. 第1の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散した第1の溶液と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解または分散した第2の溶液を混合し、前記第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液と前記第2の溶液の混合溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、前記第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料中に前記第2の有機材料の微粒子が分散した混合膜を形成する工程を備えた有機トランジスタの製造方法。
  7. 前記第2の有機材料の前記第1の溶媒に対する溶解度が、前記第2の有機材料の前記第2の溶媒に対する溶解度よりも小さいことを特徴とする請求項6に記載の有機トランジスタの製造方法。
  8. 前記第3の溶液を基板上に供給して前記第1の有機材料と前記第2の有機材料の微粒子との混合膜を形成する工程が、スピンコート法、スプレイ法、スクリーン印刷法、インクジェットプリント法のいずれかであることを特徴とする請求項6または7に記載の有機トランジスタの製造方法。
  9. 前記第1の有機材料が、重合体であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の有機トランジスタの製造方法。
  10. モノマー、オリゴマー、または、前駆体である第3の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散した第1の溶液と、第2の有機材料を第2の溶媒に溶解または分散した第2の溶液を混合し、前記第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液と前記第2の溶液の混合溶液中に分散した第3の溶液を形成する工程と、前記第3の溶液を基板上に供給して前記第3の有機材料中に前記第2の有機材料の微粒子が分散した混合膜を形成する工程と、前記混合膜中の前記第3の有機材料を共役重合体である第1の有機材料に変成する工程を備えた有機トランジスタの製造方法。
  11. 前駆体である前記第3の有機材料が、水溶性スルホニウム塩ポリマーまたは、アルコキシ基を有する有機溶媒可溶性ポリマーであることを特徴とする請求項10に記載の有機トランジスタの製造方法。
  12. モノマー、オリゴマー、または、前駆体である前記第3の有機材料から重合体である前記第1の有機材料に変成される工程が、加熱、光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または、粒子線照射のいずれか、または、これらの組み合わせであることを特徴とする請求項10または11に記載の有機トランジスタの製造方法。
  13. 第1の電極と、前記第1の電極と絶縁層を介して接する有機材料の層と、前記有機材料の層に接した第2、および第3の電極を有する有機トランジスタにおいて、前記有機材料の層が、第1導電型を有する第1の有機材料中に第2導電型を有する第2の有機材料の微粒子が分散した混合層であることを特徴とする有機トランジスタ製造装置であって、
    前記第1の有機材料を第1の溶媒に溶解または分散して第1の溶液を作製する手段と、 前記第2の有機材料を第2の溶媒に溶解した第2の溶液を作製する手段と、
    前記第1の溶液と前記第2の溶液を混合し、前記第2の有機材料の微粒子が前記第1の溶液中に分散した第3の溶液を形成する手段と、
    前記第3の溶液を基板上に供給して、前記第1の有機材料と、前記第2の有機材料からなる微粒子との混合膜を形成する手段と、
    を備えることを特徴とする有機トランジスタ製造装置。
  14. 前記混合膜中のモノマー、オリゴマー、または前駆体を重合体に変成させるために光照射、マイクロ波照射、電子線照射、または粒子線照射をする手段を備えることを特徴とする請求項13に記載の有機トランジスタ製造装置。
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JPWO2010044332A1 (ja) * 2008-10-14 2012-03-15 コニカミノルタホールディングス株式会社 薄膜トランジスタ及びその製造方法
JP2013069752A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Tosoh Corp ジチエノベンゾジチオフェン誘導体組成物及びこれを用いた有機薄膜トランジスタ

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