JP2005241886A - 地理画像間変化領域の抽出方法、地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム、閉領域抽出方法及び閉領域抽出可能なプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】同一地域を人工衛星等により異なる時刻に撮影して得られる新旧の地理画像を比較して建築物の新築、改造又は取壊しなどの検出を容易にする。
【解決手段】 多値の新旧の地理画像の各々に対して閉領域抽出処理を実行して、当該地理画像内の閉領域のエッジの形状を表す閉曲線で囲まれ穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成し、前記新旧の地理画像のそれぞれに関して生成された二つの閉領域画像に対して閉領域の比較を実行してそれらの地理画像の間で変化した閉領域を表す2値の変化閉領域画像を生成する。
【選択図】図1
【解決手段】 多値の新旧の地理画像の各々に対して閉領域抽出処理を実行して、当該地理画像内の閉領域のエッジの形状を表す閉曲線で囲まれ穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成し、前記新旧の地理画像のそれぞれに関して生成された二つの閉領域画像に対して閉領域の比較を実行してそれらの地理画像の間で変化した閉領域を表す2値の変化閉領域画像を生成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、家屋、工場等の建築物、道路などを含む建造物を有する同一地域を異なる時刻に人工衛星又は航空機などから撮影して得た二つの地理画像を比較して、上記建造物が変化した変化領域を抽出するのに適した、地理画像間変化領域の抽出方法、地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム、更には任意の画像内の閉領域を抽出するのに適した、閉領域抽出方法及び閉領域抽出可能なプログラムに関する。
近年、人工衛星又は航空機などから同一地域を異なる時刻に撮影して得られる新旧の画像(本明細書では地理画像と呼ぶ)を比較して、それらの地理画像の間の変化を抽出して、上記地域にある家屋、工場等の建築物、道路などを含む建造物の変化、すなわち、新築、改造、取壊しを検出する技術がいろいろな用途に利用されている。従来は、オペレータが新旧の地理画像を見比べて変化領域を探し、探し出した変化領域を地図に書き込んでいた。これは、人手作業であるためオペレータにかなりの負担がかかるとともに、オペレータに個人差があるので結果にばらつきが生じていた。
このような方法に代えて変化領域をコンピュータにより自動的に抽出方法もいくつか提案されている。例えば、特許文献1では、地理画像に含まれている建造物の影領域の影響を除去する方法が提案されている。すなわち、新旧の地理画像の一方のある領域には、建造物の影部分が存在し、他方の画像内の対応する領域には影部分が含まれていないような領域を検出し、上記一方の画像の上記領域の影部分の輝度を、上記他方の画像内の対応する位置にある影がない部分の輝度と同じ輝度になるように輝度を補正したうえで、新旧地理画像に対して部分画像相関を計算して、相関の低い部分領域を物体の変化がある領域とする方法が提案されている。
特許文献2では、建造物等の物体の新築、改造又は取壊しなどを検出する目的で、新旧の地理画像について、二つの変化領域抽出方法で変化領域を示す二つの2値画像を生成し、それらの論理和をとって最終的な変化領域を示す2値画像を生成する方法が提案されている。より具体的には、新旧の地理画像の間の変化領域抽出方法の一つとして、新旧のマルチバンドの地理画像のそれぞれに対して太陽光の高度、気象条件で変化する色調を補正した後に、それらの色調補正後の新旧のマルチバンドの地理画像のそれぞれを主成分分析によりそれぞれ1バンドの新旧の主成分画像に変換し、得られた新旧の主成分画像の対応する画素の差の絶対値を算出し、それを適当な閾値で2値化し、得られた2値化画像に対して代表値フィルター処理をして、変化領域を示す第1の2値化画像を生成している。
もう一つの変化領域抽出方法は、新旧の地理画像をそれぞれHIS変換、すなわち、それぞれのRGB画像を3つの属性情報(H:色相、S:彩度、I:明度)に変換して彩度画像を生成している。彩度画像は、建造物の影の影響を受けにくいと記載されている。得られた新旧の彩度画像のそれぞれに対してソーベル(Sobel)フィルタを適用し、その結果として得られる建物や道路等の構造物の形状を表す新旧の形状画像の対応する画素の差の絶対値を算出し、それを適当な閾値で2値化して、得られた2値化画像に対して代表値フィルタ処理を施し、変化領域を示す第2の2値化画像を得ている。更に、変化領域を示す上記第1、第2の2値画像の論理和を取り、得られた2値画像を変化画像としている。更に、得られた2値画像を複数のブロックに区分し、各ブロック内にある変化画像の変化を示す画素の数の割合に応じて、そのブロック内の変化画像に属する画素の割合が小さい場合には、そのブロック内の変化領域は無視するようにしている。
特開平11−120349号公報
特開2001−109872号公報
新旧の地理画像間の変化領域を抽出する処理は人手に頼らないで自動的に行えることが望ましい。しかし、上記特許文献1では、一方の地理画像では影部分であり、他方の画像内では影部分でない領域を影領域として検出して、上記一方の地理画像内のその影部分の輝度を、他方の地理画像場の、対応する位置にある影部分でない部分の輝度となるように変換している。しかし、本当の影部分以外の部分にも、輝度が小さい領域も実際には存在するので、影領域の正確な検出は容易ではなく、影領域でない領域が影領域として検出されたり、逆に本当の影領域が検出から漏れる恐れがある。
一方、特許文献2では多くの特殊な処理が行っわれており、処理が複雑である。しかも二つの変化領域を示す2値画像の論理和でもって変化領域を示す最終的な2値画像を生成している。したがって、実際は形状が変化していないいろいろな建造物の存在領域が、変化している部分領域として検出される可能性も高い。したがって、変化領域を示す最終的な2値画像が検出された後、その画像内の各部分領域が実際に変化領域であるかの否かのチェックに時間が掛かることになる。
地方自治体における固定資産管理を支援するために新旧の地理画像から変化領域を抽出する技術を利用するという目的には、任意の領域の画像の変化を検出しなくても、建築物の新築、既にある建築物の改造又は取壊しなど建築物の存在に関連する領域の変化を検出できればそれだけでも非常に有効であると期待される。
したがって、本発明の目的は、建築物の新築、改造又は取壊しなど建築物の存在に関連する領域の変化を検出するのに適した、地理画像間変化領域を簡単な処理によりかつ正確に抽出する方法及び地理画像間変化領域を抽出可能なプログラムを提供することである。
本発明の他の目的は、任意の画像内の閉領域を簡単にかつ正確に抽出可能にする閉領域抽出方法及び閉領域を抽出可能なプログラムを提供することである。
本発明の他の目的は、任意の画像内の閉領域を簡単にかつ正確に抽出可能にする閉領域抽出方法及び閉領域を抽出可能なプログラムを提供することである。
上記目的を達成するために、本願発明では、建築物は地理画像上では閉領域として検出できることに注目して、新旧地理画像間の閉領域が変化した領域を変化領域として検出するようにした。すなわち、請求項1に記載の地理画像間変化領域の抽出方法は、建築物等の物体を含む同一の地域を異なる時刻に撮影して得られた多値の新旧の地理画像の各々に対して閉領域抽出処理を実行して、閉曲線で囲まれ穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成する閉領域抽出ステップと、前記新旧の地理画像のそれぞれに関して前記閉領域抽出ステップで生成された二つの閉領域画像内の閉領域を比較して、それらの地理画像の間で変化した変化領域を表す変化領域画像を生成する閉領域画像比較ステップと、を含むものである。
上記請求項1の発明では、閉領域抽出ステップで、新旧地理画像のそれぞれから、閉曲線で囲まれ穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成する。新旧地理画像のそれぞれ内の建築物は、閉曲線で囲まれた領域であるので、新旧地理画像内の建築物は、閉領域抽出ステップで穴埋めされた閉領域として簡単な処理によりかつ正確に検出される。上記閉領域画像比較ステップにより、新旧の地理画像に対して生成された閉領域画像内の閉領域を比較して閉領域が異なっている部分を表す2値の変化閉領域画像が生成される。したがって、請求項1の方法により、建築物の変化(新築、改造、取り壊し)が生じた変化領域を簡単にかつ正確に検出可能になる。
請求項2に記載の地理画像間変化領域の抽出方法では、前記閉領域抽出ステップは、前記新旧の地理画像の各々に対してエッジ検出処理を実行し、それぞれの地理画像から複数のエッジ曲線を検出して当該複数のエッジ曲線を表す2値のエッジ曲線画像を生成するエッジ検出ステップと、前記新旧の地理画像の各々から生成された前記エッジ曲線画像に対して複数のエッジ曲線間の所定の間隙以下の短い間隙を連結するための間隙連結処理を実行し、当該地理画像に関する2値の間隙連結エッジ曲線画像を生成する間隙連結ステップと、前記複数の地理画像の各々に対して生成された前記間隙連結エッジ曲線画像に対して閉曲線で囲まれた閉領域を穴埋めする閉領域穴埋め処理を実行し、穴埋めされた閉領域を表す2値の穴埋め閉領域画像を生成する閉領域穴埋めステップと、を含むものである。
上記請求項2の発明では、エッジ検出ステップでは、新旧地理画像に対するエッジ検出処理により、それぞれの地理画像に含まれた閉領域を表す部分画像のエッジ曲線が少なくとも検出され、エッジ検出ステップで生成されるエッジ曲線画像には、複数の閉領域に対する複数のエッジ曲線が含まれる。間隙連結ステップでは、検出されたエッジ曲線に所定の長さ以下の間隙がある場合には、それらの間隙が連結される。したがって、新旧地理画像に含まれた複数の閉領域に対して検出された複数のエッジ曲線間に間隙が存在した場合でも、当該間隙が連結され、それらの閉領域に対して検出されたエッジ曲線は閉曲線となる。閉領域穴埋めステップでは、閉曲線であるエッジ曲線で囲まれた閉領域を穴埋めするので、生成される穴埋め閉領域画像には、新旧地理画像に含まれた閉領域が穴埋めされた閉領域として含まれる。したがって、元の新旧の地理画像内の建築物は、閉領域画像内に、穴埋めされた閉領域として含まれる。こうして、新旧の地理画像の各々に対して、当該地理画像に含まれた任意の閉領域のエッジの形状を表す閉曲線で囲まれ、穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成できる。したがって、閉領域画像比較ステップで生成された変化閉領域画像に基づいて、新旧地理画像間の変化領域を判別することが容易になる。
請求項3に記載の発明は、請求項2の前記閉領域抽出ステップが、前記新旧の地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して所定の幅以下の細い線分を除去するための処理を実行し、2値の細い線分が除去された細線分除去済み閉領域画像を生成する細線分除去ステップを更に含むものである。これにより、元の新旧の地理画像内の建築物は、細い線分を除去した後の、所定の太さ以下の細い線分を含まない閉領域画像内に、穴埋めされた閉領域として含まれる。この閉領域画像には、所定の太さ以下の細い線分が含まれていないので、建築物の変化の確認をする際に妨げとなるような細い線分が表示されることはなく、閉領域画像比較ステップで生成された変化閉領域画像に基づいて、新旧地理画像間の変化領域を判別することがより容易になる。
請求項4に記載の地理画像間変化領域を抽出可能なプログラムは、請求項1に記載の複数のステップと同じ複数のステップをコンピュータに実行させるプログラムである。請求項5に記載のプログラムは、請求項4に記載の閉領域抽出ステップが、請求項2に記載の閉領域抽出ステップに含まれた複数のステップと同じ複数のステップを含むプログラムである。請求項6に記載のプログラムは、請求項5に記載の閉領域抽出ステップが、請求項3に記載の細線分除去ステップと同じ細線分除去ステップを更に含むものである。
請求項7に記載のプログラムでは、請求項6に記載の、前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記エッジ曲線画像に対して実行される前記間隙連結ステップは、当該エッジ曲線画像に対して、各画素を、当該画素とその近傍の画素との連結性に基づいて膨張する処理を所定の第1の回数だけ実行する膨張ステップと、当該膨張ステップの実行後の前記エッジ曲線画像に対して、各画素を、当該画素と近傍の画素との連結性に基づいて収縮する処理を、前記所定の第1の回数だけ実行する収縮ステップと、を含むものである。更に、当該プログラムでは、請求項6に記載の、前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して実行される前記細線分除去ステップは、当該穴埋め閉領域画像に対して、各画素を、当該画素とその近傍の画素との連結性に基づいて収縮する処理を所定の第2の回数だけ実行する収縮ステップと、当該収縮ステップの実行後の前記穴埋め閉領域画像にして、各画素を、当該画素と近傍の画素との連結性に基づいて膨張する処理を前記所定の第2の回数だけ実行する膨張ステップと、を含むものである。
こうして、上記間隙連結ステップとして上記膨張処理と上記収縮処理とをエッジ曲線画像に対して実行することにより、エッジ曲線画像内の複数のエッジ曲線間の所定長以下の間隙を連結することができる。更に、上記細線分除去ステップとして、上記収縮処理と上記膨張処理を穴埋め閉領域画像に対して実行することにより、所定の幅以下の細い線分を除去することができる。
請求項8に記載のプログラムでは、請求項6に記載の、前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記エッジ曲線画像に対して実行される間隙を連結する前記処理はモルフォロジー演算におけるクロージング処理を含み、前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して実行される細い線分を除去する前記処理はモルフォロジー演算におけるオープニング処理を含む、ものである。
こうして、上記間隙連結処理としてクロージング処理を実行することにより、エッジ曲線画像内の複数のエッジ曲線間の所定長以下の間隙を連結することができる。更に、上記細線分除去処理としてオープニング処理を実行することにより、所定の幅以下の細い線分を除去することができる。このように請求項8では、モルフォロジー演算という集合演算を使用して間隙連結処理と細線分除去処理を簡単に実行できる。
請求項9のプログラムでは、各地理画像に対して実行されるエッジ検出処理は、キャニー法によるエッジ検出処理であるものである。キャニー法によれば、エッジを検出し損ないの率が少なく、検出されるエッジの位置は実際のエッジに近い位置にあり、一つの実際のエッジに対して一つのエッジが通常検出され、無駄なエッジが検出される場合が少ない。更に、通常は、1画素の線幅のエッジが検出される。したがって、キャニー法によるエッジ検出は、地理画像の建築物のエッジを検出するのに適している。
請求項10に記載の閉領域抽出方法は、請求項2に記載の閉領域抽出ステップが新旧地理画像に対して行う複数のステップと同じ複数のステップを、閉領域を検出すべき画像に対して実行して穴埋めされた閉領域を表す閉領域画像を生成するものである。これにより、閉領域を検出すべき画像に対して、当該画像に含まれた任意の閉領域のエッジの形状を表す閉曲線で囲まれ、穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成できる。こうして、画像内の任意の閉領域を簡単な処理によりかつ正確に抽出可能になる。
請求項11は、請求項10の記載の閉領域抽出方法を構成する複数のステップをコンピュータに実行させて閉領域画像を生成する、閉領域を抽出可能なプログラムである。
本発明に係る新旧地理画像間の変化領域の抽出に関する望ましい態様によれば、建築物の新築、改造又は取壊しなど建築物等の物体の存在に関連する変化領域を簡単な処理によりかつ正確に抽出することが可能になる。
更に、本発明に係る閉領域抽出方法によれば、任意の画像内の閉領域を簡単な処理によりかつ正確に抽出可能になる。
更に、本発明に係る閉領域抽出方法によれば、任意の画像内の閉領域を簡単な処理によりかつ正確に抽出可能になる。
以下、本発明に係る、地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム及び地理画像間変化領域を抽出する方法のいくつかの実施形態を図面を参照して説明する。第2以降の実施の形態については、第1の実施の形態との相違点を主に説明するに止める。
[発明の実施の形態1]
[発明の実施の形態1]
図1は、本発明に係る地理画像間変化領域を抽出可能な装置の一つの実施形態の概略ブロック図である。符号1は、上記装置の一つの実施の形態の全体を指す。本装置1は、例えばパソコン又はワークステーションにより実現される処理装置10と、メインメモリとして使用されるRAM(ランダムアクセスメモリ)(図示せず)及び磁気ディスク記憶装置のような補助記憶装置(図示せず)とを含む記憶装置20と、入出力装置30とを備えている。入出力装置30は、キーボード及びマウス等のポインティングデバイスを含む入力装置31と、CRTディスプレイ装置等の表示装置32又はプリンタ33などの出力装置を備えている。入力装置31はパラメータの入力やコマンドの起動などに使われる。表示装置32又はプリンタ33は、処理対象の新旧の地理画像又は当該新旧の画像間の変化領域を表す変化閉領域画像の表示又は印字等に使われる。記憶装置20内にデータが記憶されるときに、当該データが図示しないRAMと図示しない補助記憶装置のいずれに記憶されるかは、あらかじめ当該データ毎に決められている。
処理装置10には、地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム40が組み込まれている。プログラム40は、閉領域抽出部100と、閉領域画像比較部200と、変化閉領域評価部300、新旧地理画像対比表示部400という複数のモジュールを含む。閉領域抽出部100は、比較すべき新旧の地理画像の各々に対して実行され、それぞれの地理画像から得られた閉領域画像に対して閉領域画像比較部200と変化閉領域評価部300、新旧地理画像対比表示部400が順次実行される。閉領域抽出部100は、エッジ検出部500と、間隙連結部600と、閉領域穴埋め部700と、細線分除去部800というモジュールを含んでいる。
処理装置10は、プログラム40内の閉領域抽出部100、閉領域画像比較部200、変化閉領域評価部300が実行されたときに、閉領域を抽出する機能ブロック、新旧地理画像から得られた二つの閉領域を比較する機能ブロック、比較により得られた変化閉領域画像内の閉領域が建築物の変化を示す領域であるか否かに関して評価する機能ブロック、地理画像を対比可能に表示する機能ブロックという複数の機能ブロックとして動作する。したがって、処理装置10と、記憶装置20と、入出力装置30と、プログラム40のこれらのモジュールにより、それぞれのモジュールに対応する複数の機能ブロックが実現されることになる。したがって、処理装置10と、記憶装置20と、入出力装置30と、閉領域抽出部100、閉領域画像比較部200、変化閉領域評価部300と、新旧地理画像対比表示部400は、本発明に係る、地理画像間変化領域を抽出可能な装置の一つの実施の形態を実現することになる。
プログラム40は、本発明に係る、地理画像間の変化領域を抽出可能なプログラムの一つの実施の形態を実現するものであり、記録媒体に記録してあるいはネットワークを介して記憶装置20に記憶され、処理装置10で実行される。プログラム40は、記録媒体に記録されて又はネットワークを介して販売可能である。処理装置10がプログラム40を実行して地理画像間変化領域を抽出する手順は、本発明に係る地理画像間変化領域の抽出方法の一つの実施の形態を実現する。更に、処理装置10がプログラム40を実行して新旧の地理画像間の変化領域を抽出するためにそれぞれの地理画像に対して実行する閉領域を抽出する手順は、本発明に係る閉領域抽出方法の一つの実施の形態を実現する。
記憶装置20には、旧地理画像データ21及び新地理画像データ23がプログラム40の実行前にあらかじめ記憶される。以下では、いろいろな処理により生成されるかあるいは記憶装置20に記憶されるいろいろな画像のデータに言及するときに、簡単化のために単に画像が生成されるあるいは画像が記憶装置20に記憶されると呼ぶことがある。上記新旧の地理画像データ21、23は、人工衛星又は航空機などから同一地域を異なる時刻に撮影して得られる地理画像のデータであり、新地理画像データ23を旧地理画像データ21と比較して、建築物の変化を検出するのに使用される。以下では断らない限り、新旧の地理画像データ21、23は、白黒の濃淡画像(グレイスケール画像)のデータと仮定する。
旧地理画像用の細線分除去済み閉領域画像データ22、新地理画像用の細線分除去済み閉領域画像データ24、変化閉領域画像データ25、ブロック別評価データ26は、プログラム40の実行時に生成され、記憶装置20に記憶される。プログラム40の実行により、ブロック毎の変化閉領域内画素数等の他のデータも生成され記憶装置20に記憶されるが、図では簡単化のために図示されていない。また、後に説明するような、画像を複数のブロックに分割するためのブロックサイズ、座標の原点の位置、地理画像間の変化領域を選択するためのブロック内輝度変化画素数の閾値など、プログラム40の実行時に使用される他のデータもあらかじめ記憶装置20に記憶されるが、図には簡単化のために示されていない。
図2は、プログラム40の処理の一例を示す概略フローチャートである。まず、プログラム40の閉領域抽出部100が旧地理画像21に対して実行され、細線分除去済み閉領域画像22が生成される。細線分除去済み閉領域画像22は、建築物を表す閉領域を穴埋めした画像であり、しかも道路の境界線その他の、閉曲線でない線分を含まない画像である。
具体的には、まずエッジ検出部500は、旧地理画像21から所定の方法でエッジを検出して検出された複数のエッジ曲線を表すエッジ曲線画像21Aを生成する。エッジ曲線画像は、エッジ上の画素の値を1とし、エッジ上にない画素の値を0とする2値画像である。エッジの検出にはいろいろな方法を使用することができるが、一つの望ましいエッジ検出方法は、キャニー(Canny)法によるエッジ検出である。例えば、J. Canny,“A Computational Approach to Edge Detection,”IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence, 1986, vol. PAMI-8, No. 6, pp. 679〜698参照(以下、この文献を参考文献1と呼ぶことがある)。なお、キャニー法によるエッジ検出のための具体的な処理には、以下に説明するものとは部分的に異なるものもあるが、本明細書においては、上記参考文献1に記載のエッジ検出の原理を利用するものは、それを部分的に改良したものを含めて全てキャニー法によりエッジを検出しているものとみなす。
キャニー法によるエッジ検出の具体的手法の一例は、エッジ検出対象の画像の濃度をガウス・フィルタリングにより平滑化した後に、平滑後の画像に対してソーベル演算子という空間微分を行う演算を実行し、その結果得られる画像からエッジを検出する過程からなる。ガウス・フィルタリング過程では、対象画像の濃度をI(x, y)とし、ガウスフィルタをG(x,y)とすると、下記式(1)で表される画像IG(x,y)を得る。ソーベル演算子によるエッジ検出過程では、下記式(2a)(2b)で表される差分演算を画像IG(x,y)に対して実行してx、y方向の濃度の差分SX、SYを計算する。エッジの強さ(濃度)は、濃度の差分SX、SYの自乗和の平方根である、グラジエントの強度により与えられる。エッジ上で濃度が大きくなる方向が下記の式(3)のθで表される。この角度θに直角の方向がエッジの方向に相当する。上記ソーベル演算子の演算で得られた画像の濃度が所定の閾値以上であり、かつ上記角度θの方向に沿って見たときに極大値となる点がエッジ上の点として検出され、上記角度θに直角な方向に沿ってエッジ上の点が検出され、2値のエッジ曲線画像21Aが生成される。
IG(x,y)=G(x,y)×I(x,y) …(1)
SX = IG[i-1][j+1]+2IG[i][j+1]+IG[i+1][j+1]
-IG[i-1][j-1]-2IG[i][j-1]-IG[i+1][j-1] …(2a)
SY = IG[i+1][j+1]+2IG[i+1][j]+IG[i+1][j-1]
-IG[i-1][j+1]-2IG[i-1][j]-IG[i-1][j-1] …(2b)
tan(θ)=SY/SX …(3)
SX = IG[i-1][j+1]+2IG[i][j+1]+IG[i+1][j+1]
-IG[i-1][j-1]-2IG[i][j-1]-IG[i+1][j-1] …(2a)
SY = IG[i+1][j+1]+2IG[i+1][j]+IG[i+1][j-1]
-IG[i-1][j+1]-2IG[i-1][j]-IG[i-1][j-1] …(2b)
tan(θ)=SY/SX …(3)
すなわち、キャニー法によるエッジ検出方法では、対象画像をガウスフィルタで滑らかにした後、その画像の空間微分値を計算し、各画素の空間微分値を地理の高度に例えると、空間微分値に関する尾根を追跡してエッジ曲線を検出する。このため、キャニー法によるエッジ検出は他のエッジ検出法と異なり、比較的長いエッジを比較的高精度で検出できるという利点がある。すなわち、エッジ検出エラー (検出すべきエッジが検出漏れとなったりあるいはエッジでない部分を間違ってエッジと検出するエラー)の割合が少なく、検出結果として生成されるエッジ曲線が画像内の実際のエッジ位置の近くにあり、実際の一つのエッジ曲線に対して一つのエッジ曲線のみが検出され、複数のエッジ曲線が検出されることはなく、長いエッジ曲線もそのまま検出できるなどの利点がある。
キャニー法は、比較的長いエッジを比較的高精度で検出できるので、本発明が意図する地理画像内の建築物の輪郭の検出に適している。更に、検出結果として生成されるエッジ曲線は1画素からなり、細線化されているので、本発明が対象とする地理画像内の建築物のエッジを検出してその結果から地理画像間での建築物の変化の有無を検出するという目的には好都合である。建築物は明確な境界を持っているので、その物体のエッジ曲線は閉曲線をなしていて、エッジ検出部500は、建築物のエッジを閉曲線として検出できることになる。更に、画像の空間的な微分を利用してエッジを検出しているので、画像内の建築物が他の建築物の影部分に含まれている場合あるいは建築物の一部が同じ建築物の他の部分の陰部分に位置する場合のように、建築物の境界での濃度の変化が大きくはないときでも、エッジを比較的正確に検出できるという利点を有する。
しかし、地理画像の濃度にむらがあるなどの理由により、建築物に対して検出されるエッジ曲線は、完全な閉曲線ではなく一部で途切れているなど、不完全な閉曲線となることがある。そこで間隙連結部600は、エッジ検出部500により生成されたエッジ曲線画像21A内のエッジ曲線のこの不完全さを補うために、検出されたエッジ曲線間の所定幅以下の狭い間隙を連結するための間隙連結処理を実行する。具体的には、間隙連結部600は、各画素を当該画素とその近傍の画素との連結性に基づいて膨張する膨張処理を所定の第1の回数だけ実行し、その後各画素を当該画素とその近傍の画素との連結性に基づいて収縮する収縮処理を同じ回数だけ繰り返すことにより、旧地理画像21に対して生成されたエッジ曲線画像21Aから検出された複数のエッジ曲線間の所定の間隙以下の短い間隙を連結して間隙連結エッジ曲線画像21Bを生成する。膨張処理、収縮処理自体は、当業者に周知であるので、その詳細の説明は省略する。例えば、安居院猛、長尾智晴著,“C言語による画像処理入門,” 株式会社昭晃堂、2000年11月,pp. 47-52参照。以下、この文献を参考文献2と呼ぶことがある。
上記第1の回数は極端には1回でもよい場合もある。特にエッジ検出をキャニー法により行った場合のように、エッジの画素が1画素幅の場合、間隙連結処理において連結すべき間隙が1画素分である場合が多く、上記回数は1回でもよい場合が多い。したがって、間隙連結処理が複数回の膨張・収縮を行う場合より簡単でよいことになる。しかし、本来は連結されるべきエッジ曲線間の間隙が複数の画素分だけ分離されている場合もありうるので、一般には、上記回数は複数回であることが望ましい。
こうして間隙連結部600により、所定の間隙以下の間隙が連結された間隙連結エッジ曲線画像21Bが生成されると、つぎに閉領域穴埋め部700が実行される。閉領域穴埋め部700は、上記間隙連結エッジ曲線画像21B内の閉曲線を検出して当該閉曲線で囲まれた閉領域の内部の画素の値を値1にする穴埋め処理を実行して穴埋め閉領域画像21Cを生成する。
この段階では、穴埋め閉領域画像21Cには穴埋めの対象とはなりえないエッジの断片が残っている。細線分除去部800は、穴埋め閉領域画像21Cから、所定幅以下の細い、閉領域を構成していない線分を除去して細線分除去済み閉領域画像22を生成する。例えば、道路の境界線等の線分や孤立したエッジの断片や鋭く尖った岬形状を除去する。なお、閉曲線で囲まれた閉領域であっても幅が所定幅以下である細い閉領域も除去される。こうして、旧地理画像21に対するプログラム40の閉領域抽出部100の処理が終了する。
プログラム40は、閉領域抽出部100を新地理画像23に対して同様に実行する。すなわち、エッジ検出部500を実行してエッジ曲線画像23Aを生成し、間隙連結部600を実行して間隙連結エッジ曲線画像23Bを生成し、閉領域穴埋め部700を実行して穴埋め閉領域画像23Cを生成し、細線分除去部800を実行して細線分除去済み閉領域画像24を生成する。
図4は新旧地理画像と、それらの画像に対するプログラム40により生成されるいくつかの画像を模式的に示す図である。同図(a)は、旧地理画像21、新地理画像23を模式的に示す。両方の画像とも中央に垂直方向の道路D1と左中央の部分に水平方向の道路D2がある。黒く塗りつぶした長方形は建築物存在領域を示す。旧地理画像21では水平方向の道路の上下の2箇所と垂直方向の道路の右側の1箇所に合計3つの建築物存在領域a、b、cがある。新地理画像23では、垂直方向の道路D1の右側の2箇所に建築物存在領域d、eがあるが、旧地理画像21にあった領域a、b、cにあった建築物が除去され、領域d、eに新規に建築物が建設されていることが分かる。
図4(b)は、旧地理画像21、新地理画像23に対してエッジ検出部500によりエッジを検出した結果得られるエッジ曲線画像21A、23Aを模式的に示す図である。これらの図では、建築物と道路の境界がエッジ曲線として検出されている。エッジ曲線は必ずしも連続していないので、図ではエッジ曲線は点線で示されている。図4(c)は、エッジ曲線画像21A、23Aに対して間隙連結部600によりエッジ曲線の間隙を連結した結果生成される間隙連結エッジ曲線画像21B、23Bを模式的に示す。エッジ曲線は、連結された曲線になっているので、図では実線で示されている。
図4(d)は、間隙連結エッジ曲線画像21B、23Bに含まれた閉曲線で囲まれた閉領域の内部を閉領域穴埋め部700により値1の画素で穴埋めされた結果生成される穴埋め閉領域画像21C、23Cを模式的に示す。図では、建築物存在領域a、b、c、d、eを囲む曲線のみが閉曲線であるので、これらの閉曲線で囲まれた領域内の画素が値1に変更される。図では、これらの穴埋めされた閉領域には斜線が付けられている。図4(e)は、穴埋め閉領域画像21C、23Cから所定の幅以下の細い線分を細線分除去部800により除去した結果生成される、細線分除去済み閉領域画像22、24を模式的に示す図である。図に示すように、同図(a)にあった道路D1、D2の境界線は消去され、建築物存在領域a、b、c、d、eを表す閉領域のみが残っている。
図2に戻り、プログラム40は、閉領域画像比較部200により、細線分除去済み閉領域画像22、24内の閉領域を比較して、変化閉領域画像データ25を生成する。この演算は、これらの二つの画像内の対応する画素に対して排他的論理和演算を行い、対応する画素同士が同じ値を有するときには値0を、異なる値を有するときには値1を演算結果として出力して2値の変化閉領域画像データ25を生成する。この演算の実行の前に、これらの二つの画像22、24の同じ地理上の位置に対する1組の画素がこの演算を受けるように、上記二つの画像を位置合わせする必要がある。変化閉領域画像データ25は、細線分除去済み閉領域画像22、24の間の異なる部分のみを表す閉領域からなる2値画像である。
図4(f)は、同図(e)に示した細線分除去済み閉領域画像22、24に対して閉領域画像比較部200により生成された変化閉領域画像データ25を模式的に示す。図に示しように、旧地理画像21内の建築物存在領域a、bがそのまま含まれ、旧地理画像21内の建築物存在領域cのうちの、新地理画像23内の建築物存在領域d、eと重複しない部分c’と、新地理画像23内の建築物存在領域d、eのうち、旧地理画像21内の建築物存在領域cと重複しない部分d’、e’、f'とが含まれている。変化閉領域画像25に含まれたこれらの閉領域は、旧地理画像21と新地理画像23の間で生じた建築物存在領域の変化部分を示すことになる。
図4の例では、同図(a)に示す旧地理画像21と新地理画像23には、建築物存在領域と道路を示す画像のみしか含まれておらず、同図(f)に示した変化閉領域画像25には、旧地理画像21と新地理画像23の間で生じた建築物存在領域の変化部分を示す閉領域のみが含まれている。したがって、変化閉領域画像25から、建築物の存在領域の変化を容易に識別できる。しかし、後に詳しく説明するように、実際の旧地理画像21と新地理画像23に対して閉領域画像比較部200により生成される変化閉領域画像25にはいろいろなサイズの閉領域が多数含まれ、これらの閉領域が全て建築物の変化を表すとは限らない。
第1の理由は、旧地理画像21から生成される閉領域画像22と、新地理画像23から生成される閉領域画像24には、サイズが非常に小さな多数の閉領域が含まれていることである。このような小さな閉領域が含まれる原因は、実際の旧地理画像21、新地理画像23には、建築物ではない小さな閉領域も含まれていることによる。第2の理由は、旧地理画像21から生成した閉領域画像22と新地理画像23から生成した閉領域画像24を比べると、旧地理画像21と新地理画像23の撮影時の照射日光の強度の変化等により、旧地理画像21と新地理画像23の濃度等の相違により、同じ建築物のエッジでもエッジの検出位置がずれることが生じ、更に、閉領域画像比較部200を実行するときの、旧地理画像21と新地理画像23の間の位置合わせの誤差等も生じる等の理由により、閉領域画像比較部200により旧地理画像21から生成した閉領域画像22と新地理画像23から生成した閉領域画像24を比較したときに、建築物自体に変化がなくても両者の画像に含まれた閉領域の位置と大きさにずれが生じ、その結果、建築物自体に変化がなくても、その建築物に関して小さい閉領域が発生してしまうことである。
このような小さい多数の閉領域が変化閉領域画像25に含まれていると、いずれの閉領域が建築物の真の変化を示す領域であるかを利用者が判別するのに時間が掛かることになる。そのため、変化閉領域画像25をそのまま変化した建築物を示す画像として使用することが難しくなるという問題が生じる。変化閉領域画像25内の小さい閉領域は、ノイズと考えて除去することがむしろ望ましい。
図2に戻り、プログラム40は、この問題を解決するために、閉領域画像比較部200の後に変化閉領域評価部300を実行して、閉領域画像比較部200により生成された変化閉領域画像25に含まれた多数の閉領域について新旧地理画像間の変化領域として使用することが望ましいか否かを所定の基準により評価させる。本実施の形態では、変化閉領域評価部300は、変化閉領域画像25を所定のサイズを有する複数のブロックに分割し、各ブロック内の変化閉領域がそのブロック内で占める面積の割合に依存して、そのブロック内の閉領域が、建築物の変化を表す閉領域として使用するか否かを判別するように、ブロック単位に変化閉領域を評価するようになっている。更に、具体的には、ブロックごとに変化閉領域の占める面積の割合を3段階に分類して、そのブロック内の変化閉領域が建築物の変化領域であると考えられるブロックと、そのブロック内の変化閉領域が、建築物の変化を示す領域である可能性があるブロックと、そのブロック内の変化閉領域が建築物の変化を示す領域でないと考えられるブロックとに区分する。各ブロック内の閉領域が占める面積の割合は、その閉領域に属する画素の総数とブロックの画素の総数の比でもって表すことができる。
図4(g)は、変化閉領域画像25を分割する複数のブロックを模式的に示す。変化閉領域画像25を分割する複数のブロックと同じ複数のブロックにより、旧地理画像21、新地理画像23も分割される。ただし、画像を複数のブロックに分割することは、画像を物理的に複数の部分領域に分割するのではなく、画像内の各画素が属するブロックを識別可能にすればよく、そのためには、画像上の各ブロックの位置を管理すればよい。
図3は、変化閉領域評価部300の処理の一例の概略フローチャートである。変化閉領域画像25を複数のブロックに分割するのに必要なブロックサイズがあらかじめ利用者により指定され、記憶装置20に記憶されているとする。また、以下において評価に使用する閾値T1、T2(ただしT1>T2)も同様とする。更に、画像の分割により得られるブロックの総数を計算する必要があるが、図3のフローチャートには、変化閉領域画像25を複数のブロックに分割する処理に関する部分は簡単化のために記載されていない。以下では、nMaxをブロックの総数とする。ブロック番号は値0から(nMax−1)までの値を採ると仮定する。なお、使用される複数のブロックの位置は、ブロックサイズと、新旧地理画像21、23のサイズにより決定できる。
まずステップS301では、ブロック番号nを0に設定する。ステップS302で、ブロック番号nがブロック数nMaxより小さいか否か、すなわち、全てのブロックの処理を終えたか否かを判定する。終えていれば、変化閉領域評価部300の処理を終了する。終えていなければ、ステップS303で、ブロックn内の値が1である画素の、ブロック内の全画素数に対する割合Rを算出する。つぎに、ステップS304で割合Rを閾値T1、T2と比較する。閾値T1は、あるブロックの割合Rが閾値T1以上であれば、そのブロック内の閉領域が変化領域を表すと考えられることを示す閾値である。T2は、閾値T2は、あるブロックの割合Rが閾値T2より小さければ、そのブロック内の閉領域が変化領域を表さないと考えられることを示す閾値である。T1、T2としては、例えば、T1=1/2、T2=1/4でもよい。あるいは2/3、1/3を使用することもできる。ここでは、T1=1/2、T2=1/4と仮定する。
R≧T1であれば、ステップS305において、ブロックnがその中の閉領域が変化領域であるブロック(以下、変化領域ブロックと呼ぶことがある)と評価する。すなわち、そのブロックn内の閉領域が、建築物の変化した領域を表すと判定する。ステップS304での判定により、T1>R≧T2であると判定されれば、ステップS306において、ブロックn内の閉領域が建築物の変化した領域を表す可能性があるブロック(以下、変化領域可能性ブロックと呼ぶことがある)と評価する。ステップS304での判定により、R<T2であると判定されれば、ステップS307において、ブロックn内の閉領域が、建築物の変化した領域でないブロック(以下、非変化領域ブロックと呼ぶことがある)と評価する。いずれの場合もステップS308に進み、ブロック番号nに1を加え、ステップS302に戻り、それ以降の処理を、全てのブロックが処理されるまで繰り返す。
各ブロックに対する評価結果を表す、各ブロックに対して評価されたブロック種別を表すデータがブロック別評価データ26として記憶装置20に記憶される。なお、ブロック別評価データ26は、各ブロックの画素を当該ブロックに対して評価されたブロック種別に応じて態様で表示させるための、当該ブロックの全画素に共通して当該ブロック種別に依存して決定された画素毎の画像値からなるブロック別評価画像であってもよい。
図4(h)は、同図(f)に模式的に示した変化閉領域画像25に対して変化閉領域評価部300を実行して各ブロックを3段階に分類した結果を模式的に示す図である。図において、白色のブロックは、その中の閉領域が建築物の変化領域であると評価されたブロック(変化領域ブロック)である。網掛けしたブロックは、その中の閉領域が建築物の変化を示す領域である可能性があると評価されたブロック(変化領域可能性ブロック)である。黒色のブロックは、その中の閉領域が建築物の変化を示さないと評価されたブロック(非変化領域ブロック)である。
このような各ブロックに対する評価結果に基づいて、利用者は、旧地理画像21と新地理画像23を比較するときに、変化領域ブロックと判断されたブロックを主にして比較すればよく、その近傍に変化領域可能性ブロックがあれば、そのブロックも合わせて比較すればよいことになる。なお、変化領域ブロックが近くにない変化領域可能性ブロックについては、その変化領域可能性ブロックが、変化領域ブロックの比較時に比較されていない場合に比較対象ブロックにすればよい。非変化領域ブロックと判定されたブロックは上記比較の対象にはしなくてよい。
あるいは、他の評価方法として、まず変化領域ブロックと評価されたブロック内に位置する閉領域について、その閉領域に連結している他の近傍のブロックに位置する部分を含めて一つの閉領域として、新旧の地理画像間で変化した建築物を表すか否かを判定すればよい。その変化領域ブロックに含まれている閉領域が複数個あるときには、それらの複数の閉領域の各々について行う。以上の判定を全ての変化領域ブロックに含まれる全ての閉領域について実行する。その後、変化領域可能性ブロックと評価されたブロックに含まれている閉領域のうち、上記変化領域ブロックに関する判定により判定された閉領域に連結されていない閉領域について、上記の判定と同じ判定をすればよい。非変化領域ブロックと判定されたブロックのみに含まれる閉領域については、上記判定を行わない。
図2に戻り、プログラム40は、変化閉領域評価部300の終了後に、新旧地理画像対比表示部400を実行する。新旧地理画像対比表示部400は、一例として、新旧地理画像を左右に並べて表示し、上記変化閉領域評価部300により分割された複数のブロックに対応するブロックに属する地理画像の表示を、当該ブロックに対する変化閉領域評価部300による評価に応じてブロック単位で変化させることにより、利用者は、変化領域ブロック、変化領域可能性ブロックを容易に識別でき、それぞれのブロックあるいはそれぞれのブロックとその近傍のブロックに属する閉領域を比較することにより、当該閉領域が、建築物の変化を示す領域か否かを判断することができる。なお、上記ブロック単位の表示の変更方法としては、旧地理画像21、新地理画像23を表示するときに、ブロックの評価別に濃度を変えるかあるいはブロックの評価別に異なる半透明のカラーを重畳してもよい。このように、変化閉領域評価部300が変換領域画像25の各ブロックに対する評価を複数の種類に分類するように行い、新旧地理画像対比表示部400が、各ブロックに対する評価結果に応じて、そのブロックの表示を変えることにより、利用者による変化領域画像内の変化領域の確認をしやすくする方法は、本実施の形態における変化領域画像の抽出方法以外の方法により変化領域画像を抽出した場合にも利用可能である。
図5は、新旧地理画像対比表示部400が、新旧地理画像の対比のために表示装置32に表示する画面の例を示す。320は、表示装置32の画面を示し、321は、旧地理画像21のうち画面320に表示された部分を示し、322は新地理画像23のうち画面320に表示された部分を示し、画像321、322は、ブロック単位に、表示が変更され。図では、簡単化のために、図11に示したブロックの枠のみを示し、ブロック別に表示が変更されていることは示していない。また、旧地理画像21、新地理画像23として表示される画像も示していない。新築ボタン323、改造ボタン324、取壊しボタン325、非変化ボタン326は、利用者による判断結果の入力のために画面320に表示されるボタンの例を示す。
利用者は、例えば入力装置31に含まれたマウス(図示せず)あるいは入力装置31に含まれたキーボード(図示せず)上のカーソルキー(図示せず)を操作して画像321あるいは画像322内の一方のいずれかのブロックを選択することができる。画像321と322の一方のいずれかのブロックを利用者が選択すると、新旧地理画像対比表示部400が他方の画像上の対応するブロックを自動的に選択し、選択された一対のブロックの表示を、非選択のブロックと異なるように変更させることが望ましい。例えば、それらのブロックの表示の輝度を高くするかあるいはそれらのブロックの境界線を点滅するようにしてもよい。
利用者は、変化領域ブロックあるいは変化領域可能性ブロックのみを選択すればよく、非変化領域ブロックを選択する必要はない。利用者は、いずれか一つのブロックを選択して、そのブロックに含まれた画像321内の閉領域及びその周辺の画像と対応するブロック内の画像322内の閉領域及びその周辺の画像とを見比べて、当該閉領域が、建築物の変化を示す画像であるか否かを判断し、変化を表し、その変化が新築、改造、取壊しであるかに応じて、新築ボタン323、改造ボタン324、取り壊しボタン325のいずれかをマウスで選択することができる。変化なしと判断したときには、非変化ボタン326を操作してもよい。
例えば、新地理画像322内のあるブロックに閉領域が存在していて、旧地理画像321内の対応するブロックにその閉領域が存在しないときには、当該新地理画像内の閉領域は、建築物の新築と判断できる。逆に、旧地理画像321内のあるブロックに閉領域が存在していて、新地理画像322内の対応するブロックにその閉領域が存在しないときには、当該旧地理画像321内の閉領域は、建築物を表すと判断でき、新地理画像ではその建築物が取り壊されたと判断できる。あるいは、旧地理画像321内のあるブロックに閉領域が存在していて、新地理画像322内の対応するブロックにはその閉領域を含む大きな閉領域が存在するときには、当該旧地理画像321内の閉領域は、建築物を表すと判断でき、新地理画像ではその建築物が改造(今の場合は増築)されたと判断できる。旧地理画像321内のあるブロックに閉領域が存在していて、新地理画像322内の対応するブロックにはその閉領域の1部の閉領域が存在するときには、当該旧地理画像321内の閉領域は、建築物を表すと判断でき、新地理画像ではその建築物が改造(今の場合は縮小)されたと判断できる。
利用者が以上のような判断をしたときには、判断対象となった閉領域を利用者が選択して、判断結果を上記ボタン操作により入力すると、新旧地理画像対比表示部400は、あらかじめ旧地理画像21及び新地理画像23内の全ての閉領域に対応して、閉領域の識別情報(例えば、閉領域番号)と、閉領域の複数の頂点の座標列を記憶しておき、画面に表示されたいずれかの閉領域が利用者により選択されたとき、選択された閉領域の識別情報を判別し、利用者が、選択された閉領域に対する判断結果を入力したときに、当該閉領域識別情報に対応して当該入力された判断結果を記憶装置20に記憶するようにすることができる。更に、新旧地理画像対比表示部400は、上記選択され、判断された閉領域の表示を未処理の閉領域の表示と異なるように変更することが望ましい。例えば、当該判断結果が入力された閉領域の表示の濃度を低くすればよい。あるいは、色を変更してもよい。こうして、利用者は、未判断の閉領域を順次判断することが容易になる。なお、判断すべきブロック及びその中の閉領域を、新旧地理画像対比表示部400が自動的に選択して、利用者にその選択されたブロック内のその選択された閉領域を判断させるようにしてもよい。なお、以上のようにして、利用者が変化閉領域画像25内の各閉領域が真の変化領域であるか否かを判断した結果は、各閉領域に対応して記憶装置20に記憶すればよいが、そのデータの詳細の説明は省略する。
以下では、具体的な地理画像に対する処理結果の例を示す。図6は、地上の所定の地域を人工衛星により撮影して得た旧地理画像21の例を示す。図7は、同じ地域を同じ人工衛星により後に撮影して得られた新地理画像23の例を示す。図8は、プログラム40により図6の旧地理画像21から生成された細線分除去済み閉領域画像22の例を示す図である。図9は、プログラム40により図7の新地理画像23から生成された細線分除去済み閉領域画像24の例を示す図である。図10は、図8に示す細線分除去済み閉領域画像22と図9に示す細線分除去済み閉領域画像24に対してプログラム40の閉領域画像比較部200により閉領域の比較を実行して生成された変化閉領域画像25の例を示す図である。図8、図9から分かるように、旧地理画像21から生成された閉領域画像22及び新地理画像23から生成された閉領域画像24は非常に多くの小さな閉領域が含まれていることが分かる。更に図10から分かるように、図8、図9の変化閉領域画像を比較した結果、更に多くの小さな閉領域が含まれていることが分かる。
図11は、図10に示した変化閉領域画像25に対して変化閉領域評価部300によりブロック別の評価をした結果を模式的に示す。図では、各ブロックのサイズは、10×10画素であり、閾値T1、T2としては、2/3、1/3を使用した。図では、変化領域ブロックは白色で表され、変化領域可能性ブロックは、網掛けが付され、非変化領域ブロックは黒色で表されている。図9と図10の比較から分かるように、図11によれば、建築物の変化の有無をチェックすべきブロックの総数がはるかに減少している。したがって、閉領域画像比較部300により生成された変化閉領域画像25内の個々の閉領域が新旧地理画像の間で変化した閉領域であるか否かを判別することが容易になる。
[発明の実施の形態2]
[発明の実施の形態2]
以上では、間隙連結部600では、複数回又は1回の膨張処理と複数回又は1回の縮小処理を組み合わせて実行した。更に、細線分除去部800では、複数回又は1回の収縮処理と複数回又は1回の膨張処理を組み合わせて実行した。しかし、間隙連結部600として、各地理画像に関して生成されたエッジ曲線画像21A又は23Aに対して、モルフォロジー演算におけるクロージング処理を実行するようにしてもよい。具体的には、間隙連結部600のための上記膨張処理の回数(複数回又は1回)と同数の画素数を半径とする円をクロージング処理における構成要素として使用すればよい。同様に、細線分除去部800として、各地理画像に関して生成された穴埋め閉領域画像21C又は23Cに対して、モルフォロジー演算におけるオープニング処理を実行するようにしてもよい。具体的には、細線分除去部800のための上記収縮処理の回数(複数回又は1回)と同数の画素数を半径とする円をオープニング処理における構成要素として使用すればよい。
このように、モルフォロジー演算におけるクロージング処理とオープニング処理を使用すると、間隙連結部600のための膨張処理と収縮処理の組合せあるいは細線分除去部800のための収縮処理と膨張処理の組合せに相当する処理をそれぞれ一つのモルフォロジー演算により実行することができる。なお、モルフォロジー演算に関しては、例えば、間瀬茂、上田修功,“モルフォロジーと画像解析[1],”電子情報通信学会誌,1991年2月, vol. 74, no. 2, pp. 166〜174参照。以下、本文献を参考文献3と呼ぶことがある。
[発明の実施の形態3]
[発明の実施の形態3]
以上では、ブロックを変化領域ブロック、変化領域可能性ブロック、非変化領域ブロックの3種に区別して、ブロック単位に表示を変えて、利用者が新旧地理画像を見比べて変化領域を判別するのを支援するようにした。しかし、ブロック別の評価結果は以下のように使用することもできる。すなわち、変化領域ブロックを初期領域として変化領域可能性ブロックを拡張対象として、領域拡張を行い、変化領域ブロック内の閉領域に隣接している閉領域を有する変化領域可能性ブロックがある場合、その変化領域可能性ブロックを変化領域ブロックに変更することにより、変化領域ブロックを拡大するようにしてもよい。これにより、隣接した変化領域ブロック内の閉領域が変化領域か否かを複数のブロックに対してまとめて一度に判断できるので、判断対象とする変化領域ブロックの数を減少することができ、利用者の判断回数を減らすことができる。なお、この方法では、変化領域可能性ブロック内の閉領域が、その隣接する変化領域ブロック内の閉領域に隣接していない場合には、その変化領域可能性ブロックはそのままにする。したがって、このような変化領域可能性ブロックに対して必要な判断回数は減少しない。
[発明の実施の形態4]
[発明の実施の形態4]
以上では、旧地理画像21、新地理画像23が白黒濃淡画像であると仮定したが、本発明はカラー画像である地理画像に適用することもできる。例えば、旧地理画像21、新地理画像23がRGB成分を有するカラー画像である場合、R、G、B成分画像のそれぞれに対して上記実施の形態1に記載した閉領域抽出部100から変化閉領域評価部300まで行い、各色成分画像に対するブロック別の評価結果に基づいて、当該ブロックに対する最終的な評価を決定してもよい。例えば、最終的な評価として、個々のR、G、B成分に関するブロック評価の論理和を使用することができる。具体的には、いずれかのブロックに対する、R、G、B成分画像の少なくとも一つに関する評価が、変化領域ブロックであるときには、そのブロックの最終的な評価を変化領域ブロックとする。いずれかのブロックに対する、R、G、B成分画像の各々に関する評価が、いずれも変化領域可能性ブロックであるときには、そのブロックの最終的な評価を変化領域可能性ブロックとする。いずれかのブロックに対する、R、G、B成分画像の各々に関する評価が、いずれも非変化領域ブロックであるときは、そのブロックの最終的な評価を非変化領域ブロックとする。
[発明の実施の形態5]
[発明の実施の形態5]
上記の実施の形態では、新旧の地理画像に対して閉領域画像比較部200により得られた変化閉領域画像25に対する評価では、変化閉領域評価部300は、当該変化閉領域画像25を複数のブロックに分割して、各ブロックで閉領域が占める面積の割合に基づいて、建築物の変化を示す閉領域があるブロックか否かあるいは当該閉領域がある可能性があるブロックか否かを評価して、ブロックの面積よりかなり小さい閉領域は、建築物の変化の有無の判断対象から除外するようにした。
しかし、このような方法に代えて、各閉領域毎に、その閉領域の大きさを計測し、所定の閾値より小さい閉領域は、建築物の変化の有無の判断対象から外すようにすることも有効である。閉領域のサイズとしては、例えば、閉領域の面積あるいはその閉領域を構成する画素の総数を使用することも可能である。あるいは、閉領域の縦方向の最大サイズと横方向の最大サイズとを使用し、いずれかが所定値より小さい閉領域は、上記判断対象から除外するようにしてもよい。このような方法によれば、閉領域のサイズを直接使用して判断対象の閉領域を減らすことができ、上記判断対象から除外されなかった閉領域を直接比較することができる。ただし、この比較時には、上記の実施の形態1に記載したように、画像を複数のブロックに分け、画像321と322上のいずれかの閉領域を利用者が選択したときには、その閉領域が存在する領域にある一つ又は複数のブロックを選択状態になるように表示を変えると、上記選択された閉領域と比較すべき、画像321と322の他方内の領域を利用者が容易に知ることができ、対比が容易になる。
なお、本発明は、上記の複数の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で変更又は修正して他の形態で実施してもよいことは言うまでもない。例えば、第1の実施の形態では2個の閾値T1、T2を使用して各ブロックを3段階に分類しているが、一般にはk個の閾値Ti(i=1,2,...,k)を用いて、ブロックの変化領域の度合いをk+1段階に分類するように拡張することが可能である。逆に閾値として一つの閾値を用いて各ブロックを、建築物の変化を表すブロックとそうでないブロックとに2分することもできるが、上記のように、複数の閾値を使用するほうが、建築物を示す閉領域の検出がしやすくなり、かつ、検出漏れを減らすことができる。
また、エッジ検出方法としてキャニー法によるエッジ検出方法を使用した。しかも既に述べたように、キャニー法によるエッジ検出は本発明の目的には適している。しかし、他のエッジ検出方法を使用してもよい。
21・・・旧地理画像、21A・・・エッジ曲線画像、21B・・・間隙連結エッジ曲線画像、21C・・・穴埋め閉領域画像、22・・・細線分除去済み閉領域画像、23・・・新地理画像、23A・・・エッジ曲線画像、23B・・・間隙連結エッジ曲線画像、23C・・・穴埋め閉領域画像、24・・・細線分除去済み閉領域画像、25・・・変化閉領域画像、26・・・ブロック別評価データ。
Claims (11)
- 建築物等の物体を含む同一の地域を異なる時刻に撮影して得られた多値の新旧の地理画像の各々に対して閉領域抽出処理を実行して、閉曲線で囲まれ穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成する閉領域抽出ステップと、
前記新旧の地理画像のそれぞれに関して前記閉領域抽出ステップで生成された二つの閉領域画像内の閉領域を比較して、それらの地理画像の間で変化した変化領域を表す変化領域画像を生成する閉領域画像比較ステップと、
を含むことを特徴とする地理画像間変化領域の抽出方法。 - 前記閉領域抽出ステップは、
前記新旧の地理画像の各々に対してエッジ検出処理を実行し、それぞれの地理画像から複数のエッジ曲線を検出して当該複数のエッジ曲線を表す2値のエッジ曲線画像を生成するエッジ検出ステップと、
前記新旧の地理画像の各々から生成された前記エッジ曲線画像に対して複数のエッジ曲線間の所定の間隙以下の短い間隙を連結するための間隙連結処理を実行し、当該地理画像に関する2値の間隙連結エッジ曲線画像を生成する間隙連結ステップと、
前記複数の地理画像の各々に対して生成された前記間隙連結エッジ曲線画像に対して閉曲線で囲まれた閉領域を穴埋めする閉領域穴埋め処理を実行し、穴埋めされた閉領域を表す2値の穴埋め閉領域画像を生成する閉領域穴埋めステップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の地理画像間変化領域の抽出方法。 - 前記閉領域抽出ステップは、前記新旧の地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して所定の幅以下の細い線分を除去するための処理を実行し、細い線分が除去された2値の細線分除去済み閉領域画像を生成する細線分除去ステップ、を更に含むことを特徴とする請求項2に記載の地理画像間変化領域の抽出方法。
- 建築物等の物体を含む同一の地域を異なる時刻に撮影して得られた多値の新旧の地理画像の各々に対して閉領域抽出処理を実行して、閉曲線で囲まれ穴埋めされた閉領域を含む2値の閉領域画像を生成する閉領域抽出ステップと、
前記新旧の地理画像のそれぞれに関して前記閉領域抽出ステップで生成された二つの閉領域画像内の閉領域を比較して、それらの地理画像の間で変化した変化領域を表す変化領域画像を生成する閉領域画像比較ステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム。 - 前記閉領域抽出ステップは、
前記新旧の地理画像の各々に対してエッジ検出処理を実行し、それぞれの地理画像から複数のエッジ曲線を検出して当該複数のエッジ曲線を表す2値のエッジ曲線画像を生成するエッジ検出ステップと、
前記新旧の地理画像の各々から生成された前記エッジ曲線画像に対して複数のエッジ曲線間の所定の間隙以下の短い間隙を連結するための間隙連結処理を実行し、当該地理画像に関する2値の間隙連結エッジ曲線画像を生成する間隙連結ステップと、
前記複数の地理画像の各々に対して生成された前記間隙連結エッジ曲線画像に対して閉曲線で囲まれた閉領域を穴埋めする閉領域穴埋め処理を実行し、穴埋めされた閉領域を表す2値の穴埋め閉領域画像を生成する閉領域穴埋めステップと、
を含むことを特徴とする請求項4記載の地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム。 - 前記閉領域抽出ステップは、前記新旧の地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して所定の幅以下の細い線分を除去するための処理を実行し、細い線分が除去された2値の細線分除去済み閉領域画像を生成する細線分除去ステップと、を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム。
- 前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記エッジ曲線画像に対して実行される前記間隙連結ステップは、
当該エッジ曲線画像に対して、各画素を、当該画素とその近傍の画素との連結性に基づいて膨張する処理を所定の第1の回数だけ実行する膨張ステップと、
当該膨張ステップの実行後の前記エッジ曲線画像に対して、各画素を、当該画素と近傍の画素との連結性に基づいて収縮する処理を、前記所定の第1の回数だけ実行する収縮ステップと、
を含み、
前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して実行される前記細線分除去ステップは、
当該穴埋め閉領域画像に対して、各画素を、当該画素とその近傍の画素との連結性に基づいて収縮する処理を所定の第2の回数だけ実行する収縮ステップと、
当該収縮ステップの実行後の前記穴埋め閉領域画像にして、各画素を、当該画素と近傍の画素との連結性に基づいて膨張する処理を前記所定の第2の回数だけ実行する膨張ステップと、
を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム。 - 前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記エッジ曲線画像に対して実行される間隙を連結する前記処理はモルフォロジー演算におけるクロージング処理を含み、
前記新旧地理画像の各々に対して生成された前記穴埋め閉領域画像に対して実行される細い線分を除去する前記処理はモルフォロジー演算におけるオープニング処理を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム。 - 前記新旧地理画像の各々に対して実行される前記エッジ検出処理は、キャニー法によるエッジ検出処理であることを特徴とする請求項5から8のいずれか一つに記載の地理画像間変化領域を抽出可能なプログラム。
- 画像に対してエッジ検出処理を実行し、当該画像から複数のエッジ曲線を検出して当該複数のエッジ曲線を表す2値のエッジ曲線画像を生成するエッジ検出ステップと、
前記エッジ曲線画像に対して複数のエッジ曲線間の所定の間隙以下の短い間隙を連結するための間隙連結処理を実行し、当該画像に関する2値の間隙連結エッジ曲線画像を生成する間隙連結ステップと、
前記間隙連結エッジ曲線画像に対して閉曲線で囲まれた閉領域を穴埋めする閉領域穴埋め処理を実行し、穴埋めされた閉領域を表す2値の穴埋め閉領域画像を生成する閉領域穴埋めステップと、
を含むことを特徴とする閉領域抽出方法。 - 画像に対してエッジ検出処理を実行し、当該画像から複数のエッジ曲線を検出して当該複数のエッジ曲線を表す2値のエッジ曲線画像を生成するエッジ検出ステップと、
前記エッジ曲線画像に対して複数のエッジ曲線間の所定の間隙以下の短い間隙を連結するための間隙連結処理を実行し、当該画像に関する2値の間隙連結エッジ曲線画像を生成する間隙連結ステップと、
前記間隙連結エッジ曲線画像に対して閉曲線で囲まれた閉領域を穴埋めする閉領域穴埋め処理を実行し、穴埋めされた閉領域を表す2値の穴埋め閉領域画像を生成する閉領域穴埋めステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする閉領域を抽出可能なプログラム。
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