JP2005241425A - 粉体流動特性の推定方法及び粉体流動特性試験装置 - Google Patents

粉体流動特性の推定方法及び粉体流動特性試験装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005241425A
JP2005241425A JP2004051372A JP2004051372A JP2005241425A JP 2005241425 A JP2005241425 A JP 2005241425A JP 2004051372 A JP2004051372 A JP 2004051372A JP 2004051372 A JP2004051372 A JP 2004051372A JP 2005241425 A JP2005241425 A JP 2005241425A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
working body
numerical calculation
index
operating body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004051372A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4127223B2 (ja
Inventor
Hirokazu Mukai
博和 向井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004051372A priority Critical patent/JP4127223B2/ja
Publication of JP2005241425A publication Critical patent/JP2005241425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4127223B2 publication Critical patent/JP4127223B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 粉体の流動等の挙動についてシミュレーションを行うときの粉体流動特性を効率よく適切に設定し、信頼性の高いシミュレーションを可能とする。
【解決手段】 堆積する実際の粉体2の層内に一部が貫入された作動体3を所定の速度で移動する実験を行い、移動中に粉体から作動体に作用する抵抗力を測定する。また、作動体移動後には、作動体によって攪乱された粉体層の表面形状を測定する。一方、シミュレーションを行う手法において、粉体流動特性の指標、たとえば応力とひずみとの関係及び応力とひずみ速度との関係等を推定し、上記実験と同じ動作について数値演算によるシミュレーションを行う。そして、計算値を実験における測定値とを対比し、粉体流動特性の指標を修正しながら数値演算を繰り返し行い、上記実験値と測定値がほぼ一致する指標を求める。この指標を用いて、さまざまな粉体の挙動、粉体を用いた機構等のシミュレーションを行う。
【選択図】 図1

Description

本願に係る発明は、粉体の流動状態を数値演算によって解析しようとするときに用いられる粉体流動特性の指標を簡易な実験の結果を参照して推定する方法、及びこの推定方法に用いる装置に関するものである。
一般に、物質は気体、液体又は固体状態で存在し、粉体は固体の一つの形態である。固体は、圧縮性や流動性を有するものではないが、固体の微小粒子の集合である粉体となると、流動性や圧縮性が発現する。これは、粒子の間に空隙が存在し、粒子の移動及び粒子間の相対的な位置の変化が生じることに起因する。近年、粉体を原料とする構造材料や機能性材料の開発が盛んに行われ、粉体の変形や流動の制御が多くの技術分野で重要となっている。
粉体の挙動や粉体を扱うときに生じる現象の実証・確認を行うためには、実験的な手法と計算機を用いたシミュレーションによる手法とが一般に知られている。このうち実験的な手法は、実際に粉体を扱う装置等を模擬的に製作し、粉体の状態の観察及びデータの収集を行うものである。しかし、実験装置の製作等に多くの費用と時間を要するため、複雑な機構を扱うのが難しく、限界が生じる。このような実験的な手法を補うもの又は実験的な手法に代わるものとして、シミュレーション技術の重要性及び有効性が注目を浴びている。
粉体の挙動を解析するシミュレーション技術には大きく分けて二つの手法が知られている。一つは、個別要素法と呼ばれる手法に代表されるものであり、一つ一つの粒子の運動を運動方程式に基づいて追跡することで粉体の挙動をシミュレートするものである。粉体は極めて多くの粒子の集合体であり、上記手法では多くの演算が必要となるが、計算機の性能向上にともない、利用の可能性が増大している。もう一つの手法は、粉体粒子の集合を連続体としてマクロ的に取り扱うもので、連続体の力学モデルとして、極地圏での流氷流動解析に用いられている粘塑性レオロジーモデルはその一例である。
上記シミュレーションはいずれの手法によるものとしても、数値演算を行うためのモデルを適切に設定する必要があり、この適合性を検証する必要がある。つまり、個別要素法を用いるときには、例えば、粉体粒子の流度分布、粒子の形状指数、粉体間の付着力等が適切に設定されていなければ実際の粉体とは異なる結果を算出してしまうことになる。また、連続体として粉体の挙動をシミュレートする場合には、力学モデルつまりひずみと応力との関係、ひずみ速度と応力との関係等が適切に設定されている必要がある。
上記のようなモデル検証の方法としては従来から次のような方法が採用されている。
個別要素法を用いるときには、図16に示すように漏斗61から粉体62aを少しずつ落下させ、円板63上に堆積する粉体の堆積形状が実験と数値演算とで一致するように、上記粉体の特性値を設定する。粉体が堆積したときの安息角(図16中に符号θで示す)は、粉体粒子の粒度分布や個々の粒子の形状等によって異なるものとなり、湿度等の環境によって変化する粉体粒子間の付着力によっても変動する。したがって、上記パラメータの設定を修正しながら、漏斗61から粉体が落下したときの堆積形状を繰り返しシミュレートし、安息角θが実験値と一致するパラメータの値を求める。このように実験値と合致するモデルによって様々なケースについてのシミュレーションを行う。
また、非特許文献1には、粉体を攪乱したときに粉体から受ける力を指標とする方法が記載されている。
この方法では、図17に示すように回転軸71に取り付けられた複数枚の羽根72を粉体層内に貫入し、回転軸71を回転することによって粉体73から羽根72に作用する抵抗力を回転軸71に接続されたトルクセンサで測定する。そして、これと同じ状況を、有限体積法、有限要素法、差分法等の手法を用いてシミュレートし、演算に用いた力学モデルの修正及び修正モデルによる演算を繰り返して抵抗力が一致する最終的なモデルを導くものである。また、個別要素法で個々の粉体粒子の挙動を追跡し、粉体の特性パラメータを修正しながら羽根に作用する抵抗力を繰り返し演算することもできる。
Yasuo Takuya et, Modeling Electrophotographic Developer Flow with a Viscous Fluid Flow Model, IS&T, 47, 2, (2003), 155-160.
しかしながら、上記のようにして設定したモデルで粉体の様々な状態のシミュレーションを行っても、その結果は実際の粉体の挙動と一致しない場合がある。これは次にように考えることができる。
上記のような粉体の特性を示すパラメータの組み合わせや、粉体を連続体と考えたときの力学モデルは無数にあり、例えば安息角θのみ、又は攪乱したときの抵抗力Fのみが実験値と一致するものはそれぞれ多数存在する。そして、安息角等に支配される粉体の堆積形状と粉体から作用する抵抗力とは独立した因子であり、安息角θが実験値と一致するモデルであっても、そのモデルで演算された結果は、粉体からの抵抗力等についても実際の粉体挙動と一致するとは限らない。つまり、図18に示すように、安息角θが実験値と一致するモデル群Aと、抵抗力が実験値と一致するモデル群Bとがあり、双方が一致するモデル群Cは一部に限られる。したがって、設定されたモデルは、粉体の堆積形状と粉体から作用する抵抗力との双方で実験値と一致する結果を導き出せるものではないことが多い。このようなモデルでは、様々な粉体の現象についてシミュレーションを行うと、実際の粉体の挙動と一致しないことが多くなり、シミュレーションの信頼性は極めて低いものとなってしまう。
本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、粉体の流動等の挙動についてシミュレーションを行うときの粉体流動特性を効率よく適切に設定し、信頼性の高いシミュレーションを可能とする方法及びこの方法に用いる装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本願発明は、堆積する粉体層内に一部が貫入された作動体を所定の速度で移動し、 前記粉体から前記作動体に作用する抵抗力を測定し、 前記作動体が移動した後、該作動体によって攪乱された粉体層の表面形状を測定し、 前記粉体の特性を示す指標を推定して作成した数値演算用の仮想モデルによって、前記作動体の動作と同じ動作をする仮想作動体に作用する仮想粉体の抵抗力及び仮想作動体の移動後における仮想粉体層の表面形状を、数値演算によって算出し、 前記数値演算の結果を前記測定値と比較して、これらがほぼ一致するまで、前記粉体の特性の指標を変更して、数値演算を行う粉体流動特性の推定方法を提供するものである。
この方法では、粉体層に対して作動体が行う一つの動作に対して、粉体から作用する抵抗力と粉体層の表面形状の変化が測定され、これらが計算結果と一致するように数値計算用の粉体特性の指標が決定される。したがって、この指標を用いた数値計算は、粉体の複数の事象に対して再現性を有することになり、実際の粉体の挙動に近い状態を演算によって再現することが可能となる。つまり、粉体から作動体に作用する抵抗力と粉体層の表面形状の変化とは異なる事象であり、これらを組み合わせて双方が一致するように粉体特性の指標を設定することにより、幅広く様々な事象に対して演算値が実際の粉体の挙動と近似するものとなり、シミュレーションの信頼性が向上する。
上記数値演算は、例えば、粉体の個々の粒子に着目してこの挙動を数値的に演算する個別要素法でもよいし、堆積された粉体を連続体とみなし、これらを複数の要素に分割して挙動を解析する有限体積法、有限要素法、差分法等を採用することができる。また、粉体の特性を示す指標は、個別要素法のように粉体の個々の粒子に着目する場合には、粉体の付着力、粉体の粒度分布、粉体の形状指数等である。また、粉体層を連続体とみなして解析する場合には、堆積した粉体の応力とひずみの関係、応力とひずみ速度との関係等である。これらの関係は、横軸上にひずみ又はひずみ速度の値を設定し、縦軸に応力の値を設定すると、折れ線または曲線によって近似的にモデル化することができるものであり、これらの折れ線又は曲線を適切に設定することにより、上記数値演算によって解析を行ったときに、実際に近い状態を数値的に再現することが可能となる。
さらに、上記作動体の粉体層内での移動及び移動時の抵抗力の測定及び粉体層の表面形状の測定は、1回のみ行うものであっても良いが、作動体の貫入深さ又は作動体の移動速度を変更して複数回行っても良い。そして、それぞれの測定値に対して数値演算の結果が一致するモデルを設定するのが望ましい。
作動体の一回の移動及び測定に対して、粉体からの抵抗力と表面形状との演算結果が一致するモデルであっても、移動速度又は貫入深さが異なると測定値と演算結果とが一致しない場合もあり、複数回の測定値に対して全てが一致するモデルを設定することによって、実際の粉体挙動の再現性がより高いモデルとすることができる。
上記のような粉体流動特性の推定方法を実施するにあたり、 粉体を収容する粉体貯留槽と、 前記粉体貯留槽内に収容された粉体層に一部が貫入された状態で支持される作動体と、 前記作動体を支持するとともに、該作動体を所定の速度で水平に移動させる走行架台と、 前記作動体の移動時に、該作動体に作用する抵抗力を測定する抵抗力測定装置と、 前記作動体が移動した後の粉体の表面形状を測定する形状測定装置とを有する試験装置を用いるのが望ましい。
この装置では、作動体を粉体層内に貫入し、速度を制御して移動することができ、同時に抵抗力を正確に測定することできる。そして、移動後には直ちに粉体層の形状を測定することができる。また、作動体の粉体層への貫入量を変更可能とすることによって、貫入深さを変えて繰り返し測定することも効率よく行うことが可能となる。
以上説明したように、本願発明に係る推定方法では、複数の事象に対して実験における測定値と数値計算の結果が一致する粉体流動特性の指標を得ることができ、粉体の挙動等について効率よく信頼性の高いシミュレーションが可能となる。また、本願発明に係る試験装置では、一つの動作を行う実験で粉体から作動体に作用する抵抗力と粉体表面の形状とを測定することができ、この実験と対応する数値計算を行うことによって適切な粉体流動特性の指標を効率よく得ることができる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明に係る「粉体流動特性の推定方法」の実施に用いることができる粉体流動特性試験装置の側面図であり、図2は平面図である。
この装置は、粉体貯留槽1に収容された粉体2の層内に作動体3を貫入し、これを水平方向に移動するときに粉体2から作動体3に作用する抵抗力を測定し、その後に水平に均されていた粉体層の表面形状の変化を測定するものである。
粉体貯留槽1は、上部が開放された矩形の容器であり、粉体2を収容して堆積させ、表面を水平に均すことができるものである。そして、作動体3は金属の円柱状の部材であり、軸線を鉛直に維持して水平に移動させる走行架台4によって支持されている。
走行架台4は、粉体貯留槽1の両側に平行に設置されたレール5上を走行するものであり、図1〜図3に示すように、それぞれのレール5上に支持される2つの基部41と、この基部41からそれぞれ立設された支柱部42と、この支柱部42の上端部から作動体3の進行方向(X方向)へ水平に張り出した横梁部43と、2つの横梁部43を作動体3の進行方向における前部で連結する第1の連結部材44と、2つの支柱部42の頂部を互いに連結する第2の連結部材45とを有しており、第1の連結部材44は、その中央部分に作動体3を支持するための環状体46が固定支持されている。
環状体46は、金属製の短い円筒体であり、水平方向に環状となっており、作動体3の進行方向の前後に水平方向の貫通孔が設けられている。そして、作動体3からその進行方向(X方向)の前後に突出して設けられた張り出し部31がそれぞれ上記貫通孔に挿通され、作動体3は環状体46に対して前後に移動が可能で、かつ軸線を鉛直に維持した状態で支持される。
前方側の上記張り出し部31aの周囲であって、作動体3と環状体46の内周面との間にはつる巻バネ15が介挿され、作動体3を後方へ押しつけるようになっている。そして後方側の張り出し部31bの先端は、環状体46に固定支持されたボタン状のロードセル6に突き当てられ、作動体3に進行方向の前方から作用する力を上記ロードセル6によって測定することができるものとなっている。このロードセル6によって測定されたデータは時間を追って荷重データ記録部7に記録される。
一方、第2の連結部材45には、レーザー変位計8が支持されており、連結部材45の軸線方向(Y方向)つまり作動体3の進行方向と直角となる方向に移動可能となっている。このレーザー変位計8は、粉体層の表面にレーザーを照射し、粉体層の表面までの距離を測定するものであり、連結部材45の軸線方向に少しずつ位置を変更しながら作動体3の移動方法(X方向)に繰り返し走査することによって粉体層の表面の3次元的な形状を測定するすることができるようになっている。測定されたデータは、形状データ記録部9に記録される。
上記横梁部43を支持する支柱部42は、図4に示すように外側部材42aに内側部材42bが内挿されたものであり、高さ調整ダイアル47を回転することによって横梁部43が固着された内側部材42bが上下方向に移動するようになっている。これにより、粉体貯留槽1内に水平に均して堆積された粉体層に作動体3を貫入し、作動体3の高さ方向の位置を任意に調節して固定することができるようになっている。なお、図1〜図4中の符号48は、上記高さ調整ダイヤル47及び内側部材42bの位置を固定するクランプを示す。
上記作動体3とこれを支持する走行架台4とは、モータ10によりレール5上を走行するものとなっている。このモータ10は駆動制御装置11によって回転速度等が制御されるものであり、駆動伝達機構12を介して駆動軸13を回転させる。この駆動軸13には螺状が形成されており、走行架台4の基部の下側に突出して固着された駆動伝達凸部(図支しない)の貫通孔に螺合されている。したがって、駆動軸13が回転することによって上記駆動伝達凸部が駆動軸13の螺状に案内されて軸線方向(X方向)に移動するものとなっている。
次に、上記のような装置を用いた粉体流動特性の推定方法について説明する。
粉体貯留槽1に所定量の粉体2を収容し、表面を水平に均す。そして、図4に示すように高さ調整ダイヤル47の操作によって作動体3を下降させ、先端部を粉体層内に貫入する。そして、貫入深さを正確に調整して固定する。なお、作動体3を予め所定の位置に固定し、その後に粉体を投入して表面を水平に均しても良い。
その後、モータ10を所定の速度で駆動して走行架台4及びこれに支持された作動体3を水平方向に移動させる。これにより、作動体3の移動方向( +X方向)における前方側では、図5に示すように粉体層が圧縮され、粉体層中の空隙を変化させながら押し退けられ、さらに粉体粒子が他の粉体粒子上に乗り上げるように移動して隆起する。そして、作動体3の後方では粉体が押し退けられており陥凹部が形成される。このように粉体2を押しのけるときに、作動体3には粉体2との接触面に抵抗力が生じる。この抵抗力は、図6に示すように時間の経過とともに変動するものであり、この力はロードセル6によって検出され、時間の経過を追って荷重データ記録部7に記録される。
作動体3が所定の距離を移動した後は、作動体3の駆動を停止し、高さ調整ダイヤル47の回転によって作動体3を上昇させ、粉体層から引き抜く。そして、レーザー変位計8を連結部材45の軸線方向(Y方向)に少しずつ移動しながら走行架台4を、作動体3の走行方向(X方向)に繰り返し移動し、粉体層の表面の3次元的な形状を測定する。このように測定されたデータは、形状データ記録部9に記録される。
なお、本例では、作動体3を粉体層から引き抜いた後に表面形状の測定を行っているが、レーザー変位計を作動体とは別個の走行架台に支持させ、作動体を引き抜くことなく表面形状の測定を行うこともできる。
上記のような実験における抵抗力及び粉体の表面形状は、温度及び湿度による影響が大きい。これは粉体の流動特性が温度及び湿度に影響されるためであり、測定時の温度及び湿度は、温度センサ21及び湿度センサ22によって測定しておく。また、測定環境の温度及び湿度の変動が大きい場合、又は温度及び湿度の変動による特性の変化が特に大きい場合等には、装置全体を温度及び湿度が制御されたグローブボックス内に収容して測定を行うのが望ましい。
また、作動体としては、上記実施例においては円柱状の部材を用いたが、図8(a)に示すように、粉体内に貫入する部分32が板状となった部材でもよいし、図8(b)に示すような曲板となったものでもよい。また、図8(c)に示すように、粉体に貫入される部分33が球状となっているもの等様々な形状の部材を用いることができる。またこの作動体の表面粗さは、粉体から受ける抵抗力に影響するものであり、所定の粗さに調整したものを用いるのが望ましい。上記実施例では、アルミニウム製の部材を用い、表面粗さRz(JIS B0601)を16μmに仕上げたものを用いている。
以上のようにして、粉体層内で所定形状の作動体3が移動したときの抵抗力及び表面形状が測定されると、これらを再現するように、計算機を用いて数値演算によるシミュレーションを行う。数値演算の手法は、従来から知られている個別要素法、有限体積法、有限要素法、差分法等を用いることができる。
数値演算は、粉体2の堆積状態、作動体3の形状及び寸法、作動体3の移動速度等を上記実験と同じ値として行う。そして、粉体2の流動特性を支配する指標、つまり粉体粒子の粒度分布、粒子の形状指数、粉体間の付着力等や、粉体を連続体と仮定したときのひずみと応力との関係、ひずみ速度と応力との関係等は、最初は粉体の種類等から推定して設定する。このようなモデルによって演算を行い、その結果得られる抵抗力及び表面形状の計算値を測定値と対比し、上記指標を修正しながら数値演算を繰り返す。そして、作動体3に作用する抵抗力及び粉体層の表面形状の計算値が、図7及び図9に示すように測定値とほぼ一致するときの指標を、最終的に推定された指標とする。
この指標を用いて、粉体を取り扱う様々な構造、機構、現象等について、数値演算によるシミュレーションを行うことによって、実際の現象に近い結果を得ることができ、粉体を取り扱う事象の解析を効率よく、高い信頼性で行うことが可能となる。
上記実施例では、作動体の移動、抵抗力の測定及び表面形状の測定を1回のみ行うものであったが、粉体の流動は複雑な現象であるため、図10に示すように作動体を移動速度v1で駆動したときの測定値と演算値とが一致しても、移動速度v2で駆動したときには、抵抗力の演算値が測定値と位置しないことがある。これは、図11に示すように、移動速度v1のときに抵抗力が一致するモデル群A及び表面形状が一致するモデル群Bと、移動速度v2のときに抵抗力が一致するモデル群D及び表面形状が一致するモデル群Eとが必ずしも一致しないためであり、これらの全てが一致するのは、これらの積集合Fに含まれるモデルに限られるからである。つまり、作動体を移動速度v1のみではなく、移動速度v2で駆動し、図12に示すように、これらの双方で作動体に作用する抵抗力と粉体層の表面形状が一致するようにモデルの最適化を図るのが望ましい。このように複数回の実験から粉体の流動特性を推定して数値演算を行うことにより、さらに信頼性の高いシミュレーションが可能となる。
次に、上記のように推定された粉体流動特性の指標を用いて行ったシミュレーションの一例について説明する
この例は、電子写真式の複写機やプリンター等、粉体であるトナーを用いる装置において、粉体トナーを搬送する技術の一つであるコイルオーガ機構についてシミュレーションを行ったものである。
このコイルオーガ機構は、図13に示すように、線材を螺旋状に巻いたコイル51を円形断面の中空管52内で回転駆動し、中空管内のトナー53に推力を付与して搬送するものである。このような機構では、所定時間あたりに搬送されるトナー量、コイル51を回転駆動するのに必要なトルク、トナー搬送時の反力によるコイル51の変形量、トナーに作用する圧力等が適切となるように設計する必要があり、そのためには、中空管52の内径、コイル51の線材の太さ、巻き回したコイル51の外径、コイル51のピッチ、回転駆動速度等を適切に設定しなければならない。これらについて実験により最適な値を求めるには、数多くの試験体を作成し、それぞれについて実験を行ってデータを収集しなければならない。
これに対し、シミュレーションでは上記のようなコイル51と中空管52とトナー53とを計算機上でモデル化し、中空管52の内径、コイル51の形態等を変更して繰り返し数値演算行う。そして、上記シミュレーションにおける粉体流動特性の指標つまり粉体層の力学モデルや粉体の形状指数等は、図1から図3に示す粉体流動特性試験装置を用い、先に説明した方法による測定値とシミュレーションに用いる手法による計算結果とを照合して定める。このように粉体流動特性の指標を適切に推定して上記コイルオーガ機構のシミュレーションを行うことにより、効率よく適切な形状寸法等を定めることができる。
なお、上記コイルオーガ機構では、中空管の内径又はコイルの外径を変更して最適な寸法を調査することが予定されており、中空管の内壁とコイルとの間隔が小さくなると粉体圧力の増大が予想される。したがって、この部分での粉体圧力の演算値を正確に再現する必要がある。このため、上記粉体流動特性試験装置を用いた測定において、作動体3を粉体層に貫入したときに、高さ調整ダイアル47の操作によって作動体3の下面と粉体貯留槽1の底面との間隔が、上記中空管の内壁とコイルの外周面との距離に相当するものとし、作動体3の貫入深さを、図14に示すように、中空管52の内壁とコイル51の外周面との距離として予想されるh1,h2の2つの値に設定してそれぞれ測定を行う。そして、これらの測定値と数値演算の結果が、図15に示すように、貫入深さがh1の場合と、h2の場合との双方でほぼ一致するように力学モデル等の指標を設定する。この指標を用いて、上記コイルオーガ機構のシミュレーションを行うことによって信頼性の高い結果を得ることができる。
本願発明に係る「粉体流動特性の推定方法」の実施に用いることができる粉体流動特性試験装置の側面図である。 図1に示す装置の平面図である。 図1に示す装置の主要部を拡大して示す側面図及び平面図である。 図1に示す装置の動作を示す図である。 粉体層の表面形状の変化を示す概略図である。 粉体層に作動体を貫入して移動したときの作動体に作用する抵抗力を時間を追って示す図である。 作動体に作用する抵抗力の実験における測定値と計算値とを対比して示す図である。 作動体の他の例を示す正面図及び平面図である。 作動体が移動した後における粉体層の表面形状の測定値と計算値とを対比して示す図である 粉体層に作動体を貫入して速度v1及び速度v2で移動したときの作動体に作用する抵抗力について、測定値と計算値とを対比して示す図である。 作動体に作用する抵抗力又は粉体の表面形状の測定値と実験値とが一致するモデル群の関係を示す概念図である。 粉体層に作動体を貫入して速度v1及び速度v2で移動したときの作動体に作用する抵抗力について、測定値と計算値とを対比して示す図である。 シミュレーションで解析できるコイルオーガ機構の例を示す断面図である。 作動体を粉体層に貫入した状態を示す概略図である。 粉体層に作動体を深さh1,h2で貫入して移動したときの作動体に作用する抵抗力について、測定値と計算値とを対比して示す図である。 従来の粉体流動特性試験装置の例を示す概略断面図である。 従来の粉体流動特性試験装置の他の例を示す概略断面図である。 作動体に作用する抵抗力又は粉体の表面形状の測定値と実験値とが一致するモデル群の関係を示す概念図である。
符号の説明
1:粉体貯留槽、 2:粉体、 3:作動体、 4:走行架台、 5:レール、 6:ロードセル、 7:荷重データ記録部、 8:レーザー変位計、 9:形状データ記録部、 10:モータ、 11:駆動制御装置、 12:駆動伝達機構、 13:駆動軸、 21:温度センサ、 22:湿度センサ、 31:作動体の張り出し部、 41:走行架台の基部、 42:支柱部、 43:横梁部、 44:第1の連結部材、 45:第2の連結部材、 46:環状体、 47:高さ調整ダイヤル、 48:クランプ、 51:コイル、 52:中空管、 53:トナー

Claims (5)

  1. 堆積する粉体層内に一部が貫入された作動体を所定の速度で移動し、
    前記粉体から前記作動体に作用する抵抗力を測定し、
    前記作動体が移動した後、該作動体によって攪乱された粉体層の表面形状を測定し、
    前記粉体の特性を示す指標を推定して作成した数値演算用の仮想モデルによって、前記作動体の動作と同じ動作をする仮想作動体に作用する仮想粉体の抵抗力及び仮想作動体の移動後における仮想粉体層の表面形状を、数値演算によって算出し、
    前記数値演算の結果を前記測定値と比較して、これらがほぼ一致するまで、前記粉体の特性の指標を変更して、数値演算を行うことを特徴とする粉体流動特性の推定方法。
  2. 前記作動体の移動、該作動体に作用する抵抗力の測定及び粉体層の表面形状の測定は、前記作動体の移動速度を変えて複数回行い、
    前記数値演算は、前記複数回の測定に対応して複数の場合について同じ仮想モデルで行い、
    それぞれの場合について数値演算の結果が測定値とほぼ一致するまで粉体の特性の指標を変更して数値演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の粉体流動特性の推定方法。
  3. 前記作動体の移動、該作動体に作用する抵抗力の測定及び粉体層の表面形状の測定は、前記作動体の粉体層への貫入深さを変えて複数回行い、
    前記数値演算は、前記複数回の測定に対応して複数の場合について同じ仮想モデルで行い、
    それぞれの場合について数値演算の結果が測定値とほぼ一致するまで粉体の特性の指標を変更して数値演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の粉体流動特性の推定方法。
  4. 粉体を収容する粉体貯留槽と、
    前記粉体貯留槽内に収容された粉体層に一部が貫入された状態で支持される作動体と、
    前記作動体を支持するとともに、該作動体を所定の速度で水平に移動させる走行架台と、
    前記作動体の移動時に、該作動体に作用する抵抗力を測定する抵抗力測定装置と、
    前記作動体が移動した後の粉体の表面形状を測定する形状測定装置とを有することを特徴とする粉体流動特性試験装置。
  5. 前記走行架台は、前記作動体の粉体層への貫入量を変更することができるように上下方向に位置を調整して該作動体を支持するものであることを特徴とする請求項4に記載の粉体流動特性試験装置。

JP2004051372A 2004-02-26 2004-02-26 粉体流動特性の推定方法 Expired - Fee Related JP4127223B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004051372A JP4127223B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 粉体流動特性の推定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004051372A JP4127223B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 粉体流動特性の推定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005241425A true JP2005241425A (ja) 2005-09-08
JP4127223B2 JP4127223B2 (ja) 2008-07-30

Family

ID=35023310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004051372A Expired - Fee Related JP4127223B2 (ja) 2004-02-26 2004-02-26 粉体流動特性の推定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4127223B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178830A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Fuji Xerox Co Ltd シミュレーション装置及びシミュレーション方法、画像形成装置及び画像形成方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP2020160062A (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 本田技研工業株式会社 粉体樹脂の流動検査方法及び流動検査装置
CN113533131A (zh) * 2021-07-02 2021-10-22 东南大学 适于高压环境下粉体的气体穿透性及应力测量装置及方法
CN116539813A (zh) * 2023-05-25 2023-08-04 西南石油大学 一种壁面粗糙可调的裂隙介质微生物矿化封堵模型及装置

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178830A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Fuji Xerox Co Ltd シミュレーション装置及びシミュレーション方法、画像形成装置及び画像形成方法、並びにコンピュータ・プログラム
JP2020160062A (ja) * 2019-03-22 2020-10-01 本田技研工業株式会社 粉体樹脂の流動検査方法及び流動検査装置
JP6994068B2 (ja) 2019-03-22 2022-01-14 本田技研工業株式会社 粉体樹脂の流動検査方法及び流動検査装置
CN113533131A (zh) * 2021-07-02 2021-10-22 东南大学 适于高压环境下粉体的气体穿透性及应力测量装置及方法
CN116539813A (zh) * 2023-05-25 2023-08-04 西南石油大学 一种壁面粗糙可调的裂隙介质微生物矿化封堵模型及装置
CN116539813B (zh) * 2023-05-25 2024-04-09 西南石油大学 一种壁面粗糙可调的裂隙介质微生物矿化封堵模型装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4127223B2 (ja) 2008-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9183326B2 (en) Method for simulating fractional multi-phase/multi-component flow through porous media
Nezami et al. Simulation of front end loader bucket–soil interaction using discrete element method
Kong et al. Modelling large plastic deformations of cohesive soils using sequential limit analysis
Muller et al. Water displacement in shafts and geysering created by uncontrolled air pocket releases
Liu et al. Kinematics and internal deformation of granular slopes: insights from discrete element modeling
CN106092756A (zh) 一种可施加围压的空心环剪仪
Govoni et al. Centrifuge modelling of circular shallow foundations on sand
JP4127223B2 (ja) 粉体流動特性の推定方法
Hoormazdi et al. A concept for the estimation of soil-tool abrasive wear using ASTM-G65 test data
Gabrieli et al. Use of an up-scaled DEM model for analysing the behaviour of a shallow foundation on a model slope
Maranic et al. A granular thermometer
Geng et al. Discrete element modelling of cavity expansion and pressuremeter test
Shen et al. Experimental and numerical investigations of the interface profile close to a moving contact line
Fielke et al. Discrete element modeling of soil-implement interaction considering soil plasticity, cohesion and adhesion
JP2006266770A (ja) 粉体流動特性の推定方法及び粉体流動特性試験装置
CN105699210A (zh) 一种动态粉体流动行为分析仪
Turangan et al. Development of rheology and computational flow model for robotized external finishing on additively manufactured components
Liu et al. Sensing mechanism and real-time computing for granular materials
Wang et al. Experimental study of sea ice motion in waves
US11892388B2 (en) Simulation device, simulation method, and program
Duan Mechanical characteristics of monopile foundation in sand for offshore wind turbine
Favier et al. Predicting the drag coefficient of a granular flow using the discrete element method
Tan et al. Quantifying moisture effects in DCP and LWD tests using unsaturated mechanics
Wiercigroch et al. Complex dynamics of drill-strings: Theory and experiments
Cleary et al. Three-dimensional discrete element simulation of axi-symmetric collapses of granular columns

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070119

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20070705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080129

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080327

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080422

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080505

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110523

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120523

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130523

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140523

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees