JP2005238005A - インキ噴霧器 - Google Patents

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正道 吉田
Koji Seki
幸二 関
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Abstract

【課題】 取り扱いが容易でかつインキの噴霧量の調節が容易なインキ噴霧器を提供する。
【解決手段】 少なくとも、一端部から一部が突出して設けられた円柱状のインキ誘導芯を有するインキ貯蔵体、ケーシング、及びケーシング内に圧縮空気を供給する中空弾性体からなる空気ポンプから構成されるインキ噴霧器であって、(i)ケーシングの一端部にはオリフィスが設けられ、他端部にはインキ誘導芯保持部に近接するインキ貯蔵体のインキ貯蔵側の一部が密着するように保持される保持部が設けられ、一端部と他端部の間はオリフィスと連通するように、インキ貯蔵体のインキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置されている構造であり、(ii)ケーシングの一端部と他端部の間は、圧縮空気が上記隙間を通ってオリフィスに噴射されるように、空気ポンプと接続され、(iii)圧縮空気をオリフィスに噴射することによりインキ誘導芯先端部からインキ噴霧が可能であるインキ噴霧器。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インキ噴霧器に関するもので、より詳細には空気ポンプを使用してケーシング内に圧縮空気を供給して、ケーシングの一端部に設けられたオリフィスの内縁近傍に位置する、インキ貯蔵体のインキ誘導芯先端部からインキを飛散させて霧状にし、紙、画紙、画布などに吹き付け可能なインキ噴霧器に関するものである。
従来から圧縮空気を使用して塗料、絵の具、インキ等を吹き付ける器具はエアーブラシとして広く知られている。彩色用のエアーブラシとしては液化ガスを充填したスプレー缶や、エアーブラシにインキ供給源と、及び流量調節弁を介して空気ボンベとを接続したもの等が使用されている。例えば噴射口を備えたペンホルダー内に、穂先をフェルトやファイバーで形成し、顔料を油性または水性溶剤に溶かしたカラーインキを充填したカラーペンを収容して、ホルダーの基部側面に備えた給気口から圧縮空気を供給するようにした液状物の噴霧機構が知られている(特許文献1参照)。
インキ貯蔵型のペンを管状ハウジングの中に配置させて、該ハウジングの一端に空気を流通させる口金を設け、他端に排出オリフィスを設けて、該オリフィスの境界中にペン先を保持するようにした液体分与装置が知られている(特許文献2参照)。
又、噴射させる高圧空気を外部から供給せずに自ら発生させるエアーブラシ、すなわちモータと、回転運動を往復運動に変換する機構を介して該モータと接続する高圧空気発生装置と、高圧空気発生装置からエアーノズルへ高圧空気を送るチューブと、電池とをケースに内蔵するとともに、ペン先がエアーノズルの空気噴射口に近接するように筆記具を保持するペンホルダーをケースの外部に一体的に設けたことを特徴とするエアーブラシが知られている(特許文献3参照)。
更に、ペンホルダーをそれぞれプラスチック製の外側円筒部材と、内側円筒部材と、ノズル部材と、ペン先ホルダー部材との4部材で構成して、適宜の径を具えた外側円筒部材と内側円筒部材を伸縮と着脱を自在にして嵌合させることにより、サイズの異なるペンを使用できるようにしたエアーブラシが知られている(特許文献4参照)。
特開昭61−42350号公報 特表平8−510162号公報 特開平11−47644号公報 特開2000−79360号公報
しかし、液化ガスを充填したスプレー缶は、液化ガスとして可燃性ガス又はフロンガス等を使用するという問題点がある。一方、配管を使用して空気ボンベと接続したエアーブラシは取り扱いが煩雑である。
例えば、特許文献1に記載の液状物の噴霧機構は、液状物を繊維質に含浸させた後に、高圧空気を吹き付けて霧化するが、この場合において筆記具全体を収容するシリンダ内にホースで接続されている高圧空気源から空気を吹き付ける必要があり、高圧空気源を用意する必要がある。
特許文献2に記載の液体分与装置においては、管状ハウジングの一端に位置する口金から空気を流入するが、空気の流入は人間が該口金から口で吹くことにより行うものと理解される。空気の流入を人間が口で吹いて行う場合には空気量が個人差によるバラツキがあるのでノズルとペン先先端の位置決めが難しいばかりでなく、目視により所定の噴霧位置に噴霧させるのが困難な場合があり、またケーシング内壁に人間の排気による結露が生ずると、水滴がボタ落ちして紙面が汚れる等の問題があり、更に複数の人間が共有して使用すると衛生上の問題もある。特許文献3に記載の、高圧空気発生装置を内蔵したエアーブラシはエアーホースやエアーボンベが不要であるメリットはあるが、エアーブラシ内に電池とモータが内蔵されているので重量があることと、インキの噴射量と噴射角度を調節するための、ペン先形状の選択、ペン先と空気噴射口の位置決めが容易でない等の問題点がある。特許文献4に記載のエアーブラシはエアーボンベから空気を吹き付けるので空気量の調節が困難であるという問題点がある。
本発明の目的は、上記した課題を解決して、取り扱いが容易でかつインキの噴霧量の調節が容易なインキ噴霧器を提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み、インキ貯蔵体に設けられたインキ誘導芯の先端を、ケーシングの端部に配設されたオリフィス内縁近傍に配置させて、空気ポンプを用いて圧縮空気をケーシング内に流入させる構成の噴霧器とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、少なくとも、一端部から一部が突出して設けられた円柱状のインキ誘導芯を有するインキ貯蔵体(A)、ケーシング(B)、及びケーシング(B)内に圧縮空気を供給する中空弾性体からなる空気ポンプ(C)から構成されるインキ噴霧器であって、
(i)ケーシング(B)の一端部にはオリフィスが設けられ、他端部にはインキ誘導芯保持部に近接するインキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵側の一部が密着するように保持される保持部が設けられ、一端部と他端部の間はオリフィスと連通するように、インキ貯蔵体(A)のインキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置されている構造であり、(ii)ケーシング(B)の一端部と他端部の間は、圧縮空気が上記隙間を通ってオリフィスに噴射されるように、空気ポンプ(C)と接続され、(iii)圧縮空気をオリフィスに噴射することによりインキ誘導芯先端部からインキ噴霧が可能である、インキ噴霧器、
に関する発明である。
本発明のインキ噴霧器(D)においては、更に
(1)ケーシング(B)と空気ポンプ(C)が一体構造であること、
(2)前記(1)において、ケーシング(B)と空気ポンプ(C)との接続部周辺に補強リブを設けること、
(3)ケーシング(B)と空気ポンプ(C)とをはめ込み又はねじ構造により接続すること、
(4)インキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵を直液式又はインキ吸蔵体方式とすること、
(5)インキ誘導芯を多数の繊維状物を収束して自己融着もしくは接着剤により部分的に接着して一体化し、その網目状空隙をインキ流路として形成する繊維体とすること、
(6)インキ誘導芯の先端部形状を円錐形状とし、その円錐部の角度を10〜120度とすること、
(7)前記オリフィスが円形であり、そのオリフィス径を2〜5mmとすること、
(8)空気ポンプ(C)の中空部外形を円筒型、球状又はナス型とすること、
(9)空気ポンプ(C)の中空部内容積を15〜200mlとすること、
(10)空気ポンプ(C)に逆流防止機構を有する空気導入口を設けること、
(11)空気ポンプ(C)が天然ゴム、合成ゴム、ポリエチレンとエチレンビニルアセテートの混合樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、及びポリスチレン系エラストマーのいずれか1種以上により形成されていること、
が可能である。
本発明のインキ噴霧器を使用することにより、極めて容易に紙、画紙、画布などにインキを霧状にして吹き付けることができる。インキ貯蔵体(A)の取替えにより、種々のインキの色を噴霧することができる。また、インキの噴霧手段である圧縮空気の供給量は空気ポンプの弾性体部分を手で圧縮変形させる速度を調節することにより、容易に制御が可能である。更に、従来使用されてきた外部に空気ポンプを有するエアーブラシと異なり、児童でも容易に取り扱うことができる。
以下に本発明を実施するための好ましい態様について説明する。
本発明のインキ噴霧器(D)は、
少なくとも、一端部から一部が突出して設けられた円柱状のインキ誘導芯を有するインキ貯蔵体(A)、ケーシング(B)、及びケーシング(B)内に圧縮空気を供給する中空弾性体からなる空気ポンプ(C)から構成されるインキ噴霧器であって、(i)ケーシング(B)の一端部にはオリフィスが設けられ、他端部にはインキ誘導芯保持部に近接するインキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵側の一部が密着するように保持される保持部が設けられ、一端部と他端部の間はオリフィスと連通するように、インキ貯蔵体(A)のインキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置されている構造であり、(ii)ケーシング(B)の一端部と他端部の間は、圧縮空気が上記隙間を通ってオリフィスに噴射されるように、空気ポンプ(C)と接続され、(iii)圧縮空気をオリフィスに噴射することによりインキ誘導芯先端部からインキ噴霧が可能である、ことを特徴とする。
本発明の好ましい態様であるインキ噴霧器(D)を図1に示す。図1に示すインキ噴霧器は、ケーシング(B)1、空気ポンプ(C)2、及びインキ貯蔵体(A)3から構成される。ケーシング(B)1と空気ポンプ(C)2は一体構造、又は別個のものを接続する構造のいずれでもよいが、図1、2にはケーシング(B)1と空気ポンプ(C)2とが一体構造のものを示す。インキ貯蔵体(A)3は、図3に示すように、インキ誘導芯8、インキ貯蔵容器10、インキ貯蔵部11、及び尾栓12から構成され、インキ誘導芯8は、インキ貯蔵容器10の先端部にあるインキ誘導芯保持部9により保持されている。
以下に本発明を詳述する。
本発明に使用するインキ貯蔵体(A)は、一端部から一部が突出して設けられた円柱状のインキ誘導芯と、インキを貯蔵するインキ貯蔵容器部からなり、従来から広く使用されている筆記用マーカーと同形態のものである。
インキ貯蔵容器のインキ貯蔵は、直液式(生インキ方式)とインキ吸蔵体方式のいずれも使用することができる。インキ吸蔵体方式は、例えば、公知のポリエチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン等の繊維をフィルム巻き、コーティング、自己溶着、硬化剤固定、繊維絡み合い等の方式でインキ吸蔵体を形成してインキ貯蔵容器内に装着し、インキをこれらの吸蔵体に吸蔵させる方式であり、直液式(生インキ方式)はこれらの吸蔵体を使用しないで直接インキ貯蔵容器内に貯蔵する方式である。
尚、インキ貯蔵容器部は、例えば、特公昭50−37571号公報に開示されているような公知の方法により作製することができる。
インキ貯蔵容器部の外形形状は、特に制限を受けるものではないが、通常、円柱状または多角柱状が好ましい。インキ貯蔵部は、その外側円周部を熱可塑性樹脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のシート・フィルム等のインキ貯蔵容器で覆われている。
インキ貯蔵容器内のインキ貯蔵部に貯蔵するインキは、油溶性インキと水溶性インキのいずれも使用が可能である。前記水溶性染料としては、酸性染料、塩基性染料、直接染料等を例示することができる。
本発明で使用するインキ誘導芯は、インキ貯蔵体(A)の一端部から一部が突出して設けられた円柱状のものである。
該インキ誘導芯は、油溶性インキ又は水溶性インキが含浸可能で、圧縮空気をその先端に吹き付けることにより、インキ誘導芯からインキが脱離して霧化するものであれば使用可能である。
インキ誘導芯の形状は、円柱状でその先端部が円錐形状であることが好ましい。該円柱形状部の外径は2〜8mmで、その先端円錐部の角度は10〜120度、特に15〜60度であることが好ましい。
該先端円錐部の角度を前記範囲とすることにより、空気の流れを利用してインキ誘導芯からインキを効率よく脱離して、霧化することができる。
尚、インキ誘導芯の先端部と相対する他端部はインキ貯蔵部に挿入されて、インキが含浸可能な構造となっていればよく、一般的にインキ誘導芯はインキ貯蔵部に少なくとも3mm以上、特に5mm以上挿入されているのが望ましい。
本発明のインキ誘導芯は、公知のインキ誘導芯が使用でき、多数の繊維状物を収束して自己融着もしくは接着剤により部分的に接着して一体化し、その網目状空隙をインキ流路として形成する繊維体であることが望ましい。例えば、特公昭53−16736号公報に開示されている繊維束ペン先の製造方法により作製することができる。前記繊維状物としては、ポリエステル系繊維、又はポリアミド系繊維の使用が好ましい。
インキ噴霧器(D)を使用しないときは、インキ貯蔵体(A)をケーシング(B)から取り外し、インキ誘導芯部にキャップをかぶせることによりインキの蒸発による損失を防止できる。
図2に示すように、本発明で使用するケーシング(B)1は、
(i)その一端部にはオリフィス5が設けられ、他端部にはインキ誘導芯保持部に近接するインキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵側の一部が密着されるように保持される保持部4が設けられ、一端部と他端部の間はオリフィスと連通するように、インキ貯蔵体(A)のインキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置されている構造であり、
(ii)また、ケーシング(B)の一端部と他端部の間は、圧縮空気が上記隙間を通ってオリフィスに噴射されるように、空気ポンプ(C)と接続されている、構造である。
すなわち、ケーシング(B)は、一端部にオリフィスが設けられ、他端部にはインキ貯蔵体(A)の一部を保持する保持部が設けられ、一端部と他端部の間は空気ポンプ(C)との接続部6から圧縮空気の供給を受けて、隙間を通ってオリフィスに噴射できるような空間部が設けられている構造である。上記から、ケーシング(B)は、インキ貯蔵体(A)の一部を密着するように保持して、ケーシング内の圧縮空気が該保持部からリークするのを防止する機能を有し、空気ポンプとの接続部から圧縮空気の供給を受け、更に一端部に設けられたオリフィスによりインキ誘導芯先端部に圧縮空気を吹き付けるように圧縮空気の流れを作る機能を有するものである。
ケーシング(B)によるインキ貯蔵体(A)の保持については、例えば、図1に示すように、インキ誘導芯保持部9近傍のインキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵側である、インキ貯蔵容器10の一部が保持されていればよい。この場合、インキ貯蔵体(A)はケーシング(B)内に密着されるように保持されていればよいが、該密着はケーシング(B)内の圧縮空気が漏れない程度の密着であればよい。インキ貯蔵容器部の一部が保持されていればよいが、その保持する手段としては特に限定されるものではないが、図1に示すようにはめ込み構造とすることができ、必要によりネジ機構を用いることもできる。
ケーシング(B)の一端部と他端部の間(ケーシング中間部)はオリフィスと連通するように、インキ貯蔵体(A)のインキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置されている構造である。
例えば、図1に示すように、ケーシング中間部は、インキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置され、かつ空気ポンプ(C)と接続されている構造である。オリフィスからインキを噴霧するためには、ケーシング(B)の他端部からはケーシング中間部内の圧縮空気が漏れないようにインキ貯蔵体(A)の一部を密着させ、空気ポンプ(C)から供給された圧縮空気は、インキ誘導芯保持部の外周面との間の隙間を通って、ケーシング(B)の一端部に設けられているオリフィスに噴射させる必要がある。
そのために、インキ誘導芯保持部の外周面と、ケーシング中間部の間には圧縮空気の流れを確保できる程度の隙間が設けられる必要がある。
ケーシング(B)の一端部に位置するオリフィスは、インキ誘導芯先端部に圧縮空気を吹き付けるように空気の流れを作る機能を有するものであればよく、オリフィスの孔は円形が望ましく、そのオリフィス径は2〜5mmが好ましい。
更に、ケーシング(B)のオリフィス部を含む部位を取り外し自由な構造として、オリフィス径又はオリフィス位置を変更可能な構造とすることもできる。
インキ誘導芯の位置とケーシング(B)のオリフィス部の相対的な位置決定は、圧縮空気をインキ誘導芯の円錐形状部に吹き付け、インキを効率よく噴霧するために重要である。
前記インキ誘導芯の先端面と前記オリフィスの内縁との直近距離は、0.5〜2.5mm、特に0.6〜1.2mmであることが好ましい。直近距離を上記範囲とすることにより、空気の流速が増加して、インキ誘導芯の先端位置からインキを効率よく脱離して、霧化することができる。
ケーシング(B)と空気ポンプ(C)とは、図1、2に示すように一体構造でも良く、又その接続部ではめ込み又はねじ構造により接続することもできる。前記一体構造とする場合には、接続部の強度維持又は成形の際の金型形状の都合等から、接続部周辺に補強リブ7を設けることもできる。ケーシング(B)を形成する材料は、特に制限はないがポリスチレン、ポリオレフィン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート等のプラスチックが使用できる。ケーシング(B)は透明、半透明、着色不透明のいずれであってもよいが、保持しているインキ貯蔵体先端部が目視できるように透明又は半透明が好ましい。
空気ポンプ(C)は、ケーシング(B)内に圧縮空気を供給する機能を有する。
中空弾性体からなる空気ポンプ(C)は、中空部を手で挟みこんで押し込むことにより、弾性体内の空気をケーシング(B)内に供給するためにはその中空部外形形状が球状又はナス型が好ましい。また、空気ポンプ(C)の該中空部の内容積は15〜200ml、特に30〜150mlが好ましい。中空部の内容積が前記15ml未満であると押し込みにより供給できる空気量は少なく、その結果噴霧するインキ量が過少となる。一方、200mlを越えると空気プンプの外径が大きくなり、片手で操作しにくくなり好ましくない。
空気ポンプ(C)は、中空部を一端押し込んだ後に弾性体がもとの形状に戻る際に、中空弾性体内に空気を直接取り込める、逆流防止機構を有する空気導入口を設けた構造とすることができる。
空気ポンプ(C)の弾性体としては、特に限定されるものではないが天然ゴム、合成ゴム、ポリエチレンとエチレンビニルアセテートの混合樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、及びポリスチレン系エラストマーのいずれか1種以上より形成されていることが好ましい。
本発明のインキ噴霧器は、流通段階においては、いわゆる筆記用マーカー部分に相当するインキ貯蔵部(A)とケーシング(B)及び空気ポンプ(C)とに分けて包装し、使用の際にインキ貯蔵部(A)のインキ誘導芯部のキャップを取り外して、ケーシング(B)内に装着し、その後、ケーシング(B)に空気ポンプ(C)を取付けて使用することができる。インキ貯蔵部(A)は、スペアー用として種々の色のインキが貯蔵されたものを用意して、インキ貯蔵部(A)を取り替えて使用することにより、紙、画紙、画布などに多色のぼかしを描くことができる。
本発明を次の実施例により説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(1)インキ噴霧器
本実施例に使用した図1〜3に示すケーシング、空気ポンプ、及びインキ貯蔵体、からなるインキ噴霧器は以下の通りである。
(i)インキ貯蔵体
図3の断面図に示すように、インキ貯蔵体3は、インキ誘導芯8とインキ貯蔵容器10からなり、インキ貯蔵容器部の全体の長さ(インキ誘導芯部を除く)が70mmであり、その円柱形状の外径が13mmである。
インキ貯蔵容器10の内部には、ポリアミド繊維体に水性インキ(東亜教材(株)製)を吸蔵させた、外径が10mmの円柱形状インキ貯蔵部11が配置されている。
インキ誘導芯8は、ポリアミド繊維体より作製され(長さ:27mm、円柱形状部の径:4mm、(株)根岸製作所製)、該インキ誘導芯の先端部の円錐形状部の円錐角度は25度であり、先端と相対する端部の5mmはインキ貯蔵部内に浸漬されている。
(ii)ケーシング
図1、2に示すケーシング1は、インキ貯蔵体保持部4の外形が16mmで、該保持部の長さ19mmである。接続部6の外形は10mmであり、該接続部の周辺には図1,2に示す補強リブを設けた。
オリフィス径dは3.5mmとした。
(iii)空気ポンプ
図1、2に示す空気ポンプ2は、外形が40mm、円筒部(外形が40mmの部分)の長さは65mmとした。尚、内容積は125mlである。
(2)インキの噴霧
上記したインキ噴霧器を使用してインキを噴霧した。
小型コンプレッサーを使用する市販の金属製ハンドピースを用いた場合と同様のインキ噴霧状態を得ることができ、かつ空気ポンプを押し込む速度次第でインキ噴霧量を調節することができた。
本発明のインキ噴霧器は、種々の色のインキが貯蔵されたインキ貯蔵体を使用することにより、紙、画紙、画布などに多色のぼかしを描くことができる。
本発明のインキ噴霧器の一部断面図 ケーシングの外観図 インキ貯蔵体の断面図
符号の説明
1 ケーシング
2 空気ポンプ
3 インキ貯蔵体
4 インキ貯蔵体保持部
5 オリフィス
6 接続部
7 補強リブ
8 インキ誘導芯
9 インキ誘導芯保持部
10 インキ貯蔵容器
11 インキ貯蔵部
12 尾栓

Claims (12)

  1. 少なくとも、一端部から一部が突出して設けられた円柱状のインキ誘導芯を有するインキ貯蔵体(A)、ケーシング(B)、及びケーシング(B)内に圧縮空気を供給する中空弾性体からなる空気ポンプ(C)から構成されるインキ噴霧器であって、
    (i)ケーシング(B)の一端部にはオリフィスが設けられ、他端部にはインキ誘導芯保持部に近接するインキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵側の一部が密着するように保持される保持部が設けられ、一端部と他端部の間はオリフィスと連通するように、インキ貯蔵体(A)のインキ誘導芯保持部の外周面に対して隙間をおいて覆うように配置されている構造であり、
    (ii)ケーシング(B)の一端部と他端部の間は、圧縮空気が上記隙間を通ってオリフィスに噴射されるように、空気ポンプ(C)と接続され、
    (iii)圧縮空気をオリフィスに噴射することによりインキ誘導芯先端部からインキ噴霧が可能である、
    インキ噴霧器。
  2. ケーシング(B)と空気ポンプ(C)が一体構造であることを特徴とする請求項1に記載のインキ噴霧器。
  3. ケーシング(B)と空気ポンプ(C)との接続部周辺に補強リブを設けてなる請求項2に記載のインキ噴霧器。
  4. ケーシング(B)と空気ポンプ(C)とがはめ込み又はねじ構造により接続されることを特徴とする請求項1に記載のインキ噴霧器。
  5. インキ貯蔵体(A)のインキ貯蔵が直液式又はインキ吸蔵体方式である請求項1ないし4のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  6. インキ誘導芯が多数の繊維状物を収束して自己融着もしくは接着剤により部分的に接着して一体化し、その網目状空隙をインキ流路として形成する繊維体である請求項1ないし5のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  7. インキ誘導芯の先端部形状が円錐形状であり、その円錐部の角度が10〜120度である請求項1ないし6のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  8. 前記オリフィスが円形であり、そのオリフィス径が2〜5mmであることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  9. 空気ポンプ(C)の中空部外形が円筒型、球状又はナス型である請求項1ないし8のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  10. 空気ポンプ(C)の中空部内容積が15〜200mlである請求項1ないし9のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  11. 空気ポンプ(C)に逆流防止機構を有する空気導入口が設けられている請求項1ないし10のいずれかに記載のインキ噴霧器。
  12. 空気ポンプ(C)が天然ゴム、合成ゴム、ポリエチレンとエチレンビニルアセテートの混合樹脂、ポリオレフィン系エラストマー、及びポリスチレン系エラストマーのいずれか1種以上により形成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のインキ噴霧器。
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