JP2005234341A - 画像形成装置 - Google Patents

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宗像学
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Abstract

【課題】像担持体の周速と中間転写ベルトの周速との間に速度差を設けて転写効率を向上させつつ、この速度差に起因する色ずれを防止することのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体20が接触してそのトナー像が転写される中間転写ベルト16の周速VTBが各像担持体20の周速VPCより大きい速度差が設定されている。また、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50よりベルト緩み側のベルト部分53eに張力を付与するテンションプーリ54が設けられている。更に、ベルト緩み側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接して、最もい視認しにくいイエローの像担持体20が配設されている。速度差に起因して像担持体駆動ベルト駆動プーリ50とイエローの像担持体20との間のベルト部分53dがたるんで色ずれが生じても、視認上、色ずれのないカラー画像を得ることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子写真、ファクシミリ等の画像形成装置の技術分野に関し、特に、直線上に配置された複数の像担持体を1本の無端状の像担持体駆動ベルトで駆動するタンデム型の画像形成装置であって、各像担持体に接触してこれらの像担持体のトナー像が一次転写される中間転写ベルトを備えている画像形成装置の技術分野に関する。
従来、画像形成装置として、異なる色の複数の像担持体が直線上に配置されたタンデム型の画像形成装置が知られている。このようなタンデム型の画像形成装置においては、各像担持体毎に速度の変動があっても、これらの像担持体によって形成される画像毎の色あわせをより正確に行うことが重要である。そこで、各像担持体の位相を調整して色ずれを抑制することにより、画像毎の色あわせをより正確に行うことが可能であるが、その場合、ギヤ輪列により各像担持体を回転駆動するとともにそれらの位相を調整するようにした場合、ギヤの数が多くなって大きなスペースが必要となる。
そこで、直線上に配設された異なる色の複数の像担持体を、各像担持体のトナー像が転写される紙等の転写材を搬送する転写材搬送手段にそれぞれ接触させて、これらの像担持体のトナー像を転写材に転写する画像形成装置において、各像担持体を1本の無端状の像担持体駆動ベルトで駆動するとともに、各像担持体の位相を調整して色ずれを抑制しつつ、コンパクトに形成した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
この特許文献1に開示されている画像形成装置は、駆動モータ出力軸上の駆動プーリ、イエロー(Y)の像担持体プーリ、マゼンタ(M)の像担持体プーリ、シアン(C)の像担持体プーリに1本の無端状の像担持体駆動ベルトであるタイミングベルトを巻装して、駆動モータの駆動力をこのタイミングベルトにより各像担持体プーリに伝達させるとともに、各像担持体プーリの歯とタイミングベルトの歯との噛み合い位置を調整することにより、各像担持体での画像の位置ずれ量の位相を合わせて、色ずれの発生を防止している。
また、直線上に配設された異なる色の複数の像担持体を、各像担持体のトナー像が一次転写される中間転写ベルトにそれぞれ接触させて、これらの像担持体のトナー像をこの中間転写ベルトに転写する画像形成装置において、各像担持体を1本の無端状の像担持体駆動ベルトで駆動するとともに、各像担持体の挙動を均一に保って濃度むらや色ずれを抑制しつつ、コンパクトに形成した画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
この特許文献2に開示されている画像形成装置は、駆動モータの動力が伝達される駆動プーリ、ブラック(K)の像担持体プーリ、イエロー(Y)の像担持体プーリ、マゼンタ(M)の像担持体プーリ、シアン(C)の像担持体プーリに1本の無端状の像担持体駆動ベルトであるタイミングベルトを巻き掛けるとともに、複数のベルトテンション緊張手段でタイミングベルトにテンションを付与することにより、構成が簡単であって、しかも、複数の像担持体の回転挙動を均一に保ち、濃度むらや色ずれの少ない高品位な画像を得るようにしている。
特許第2806617号公報。 特開2002−304033号公報。
ところで、異なる色の複数の像担持体から中間転写ベルトにトナー像を転写する画像形成装置においては、従来、トナー像の転写時に像担持体の周速と中間転写ベルトの周速との間に速度差を設けて、転写効率を向上させる方法が知られている。その場合、中間転写ベルトの周速を各像担持体の周速より大きくなるように速度差を設定したとき、像担持体と中間転写ベルトとの間の摩擦力により、中間転写ベルトは各像担持体をそれらの予め設定された周速より速く駆動しようとする。このため、タイミングベルトはその張り側にたるみを生じ、各像担持体回転むらが発生する。このように各像担持体に回転むらが生じると、各像担持体が確実に駆動されなくなって各画像毎の色ずれを生じ、画像欠陥が発生するおそれがある。
しかしながら、前述の特許文献1および2に開示されている従来の画像形成装置では、いずれも、調整した各像担持体プーリとタイミングベルトとの位相を保持することで、各像担持体による画像毎の色ずれを防止しているものの、前述の速度差に起因するタイミングベルトのたるみによる色ずれについては、何ら考慮されていない。このため、前述の従来の画像形成装置では、トナー像の転写時に像担持体の周速と中間転写ベルトの周速との間に速度差を設けて転写効率を向上させつつ、この速度差に起因する色ずれを防止することは難しい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、1本の像担持体駆動ベルトで駆動される異なる色の複数の像担持体の周速と中間転写ベルトの周速との間に速度差を設けて転写効率を向上させつつ、この速度差に起因する色ずれを防止することのできる画像形成装置を提供することである。
前述の課題を解決するために、請求項1の発明は、複数の像担持体と、これらの像担持体を回転駆動する1本の像担持体駆動ベルトと、この像担持体駆動ベルトを回転駆動する像担持体駆動ベルト駆動部材と、前記像担持体が接触してこの像担持体からトナー像が中間転写される中間転写ベルトとを少なくとも備えた画像形成装置において、前記中間転写ベルトの周速が前記像担持体の周速より大きい速度差が設定されており、前記像担持体駆動ベルトに張力を付与するテンショナが前記像担持体駆動ベルト駆動部材よりベルト緩み側に配設されているとともに、前記ベルト張り側で前記像担持体駆動ベルト駆動部材に最も近接した像担持体は、最も視認しにくい色の像担持体であることを特徴としている。
また、請求項2の発明は、前記複数の像担持体が、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの像担持体であり、前記最も視認しにくい色の像担持体は、イエローの像担持体であることを特徴としている。
このように構成された請求項1および2の発明に係る画像形成装置によれば、中間転写ベルトの周速が像担持体の周速より大きい速度差を設定するとともに、テンショナにより像担持体駆動ベルト駆動部材よりベルト緩み側の像担持体駆動ベルトに張力を付与しているので、速度差により転写効率を向上させつつ、ベルト緩み側の像担持体駆動ベルトのたるみをテンショナで効果的に抑制することができる。また、像担持体駆動ベルト駆動部材とこの像担持体駆動ベルト駆動部材よりベルト張り側で最も近接した像担持体との間の像担持体駆動ベルトに、速度差に起因してたるみが発生して色ずれが生じても、この像担持体が最も視認しにくい色の像担持体であるので、目で見た感じで色ずれによる影響を効果的に低減することができる。したがって、転写効率の向上により、各像担持体のクリーナレスをより効果的に実現することができるとともに、視認上、高品質のカラーの画像を得ることができる。
また、複数の像担持体を1本の像担持体駆動ベルトで駆動するベルト駆動方式を用いているので、複数の像担持体をギヤ輪列を介して駆動するギヤ駆動方式に比べて、像担持体駆動ベルトで駆動されて像担持体を駆動する像担持体プーリを小径化することが可能となる。しかも、各像担持体のクリーナレスを図ることができることで、各像担持体間の距離を短くすることができ、画像形成装置のコンパクト性をより効果的に向上することができる。
特に、請求項2の発明によれば、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの像担持体を備えるとともに、最も視認しにくい色の像担持体をイエローの像担持体としているので、視認上、高品質のフルカラーの画像をより効果的に得ることができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を模式的に示す横断面図である。
図1に示すように、この例の画像形成装置1は、ハウジング本体2と、このハウジング本体2の前面(図1において右側面)に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを備えている。第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3′が設けられており、この開閉蓋3′は第1の開閉部材3と連動または独立して開閉可能とされている。
ハウジング本体2内には、電源回路基板および制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、および給紙ユニット10がそれぞれ配設されている、また、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13がそれぞれ配設されている。画像形成ユニット6および給紙ユニット10内の消耗品はハウジング本体2に対して着脱可能に構成されており、これらは転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理あるいは交換可能とされている。第1の開閉部材3はハウジング本体2に、このハウジング本体2の前面下部の両側に架設された回動軸3bを介して開閉自在に装着されている。
転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設された図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ(本発明の中間転写ベルト駆動部材に相当)14と、従動ローラ15と、これらの駆動ローラ14と従動ローラ15との間に張架されて図1に示す矢印方向つまり図1において反時計方向に回転駆動される中間転写ベルト16と、この中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。その場合、従動ローラ15および中間転写ベルト16が駆動ローラ14に対して図1で斜め左上方へ傾斜する方向に配設されている。これにより、各像担持体20に対向する側のベルト部分16aがこのベルト部分16aと反対側つまり各像担持体20に対向しない側のベルト部分16bに対して下方に位置し、かつベルト部分16aの移動方向が図1において斜め右下方となるようにされている。この例では、ベルト部分16aがベルト駆動時のベルト張り側部(駆動ローラ14により引っ張られる側部)であり、ベルト部分16bがベルト駆動時のベルト緩み側部である。そして、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の像担持体20がベルト部分16aに接触して各像担持体20からトナー像が一次転写(中間転写)される。
中間転写ベルト16の好適な素材としては、PC樹脂、PET樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂等があり、当然のことながら、導電性や剛性等、または表面粗度、摩擦係数等を所望の特性に設定する目的で、対応する添加剤などを添加することもよい。また、剛性に関しては、厚さの設定によって所望の剛性に設定することもできる。
駆動ローラ14および従動ローラ15はともに支持フレーム9aに回転自在に支持されており、この支持フレーム9aの下端部(図1で右端部)には回動部9bが形成されている。この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合支持されており、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に回動自在に装着されている。また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、このロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成しかつ駆動ローラ14および中間転写ベルト16に圧接される二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15はクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用されている。更に、クリーニング手段17は、搬送方向左上向きのベルト部分16a側に設けられている。
また、中間転写ベルト16の搬送方向右下向きのベルト部分16aの裏面には、後述するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成ステーションの各像担持体20に対向して板ばね電極からなる一次転写部材21がそれぞれその弾性力で当接されており、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。
画像形成ユニット6は、複数個(この例では、4個:以下、4個として説明する)の異なる色、つまりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の画像をそれぞれ形成するイエロー用画像形成ステーション、マゼンタ用画像形成ステーション、シアン用画像形成ステーション、ブラック用画像形成ステーションを備えている。その場合、各色Y、M、C、Kの画像ステーションの配置順序は駆動ローラ14から従動ローラ15に向かってK、C、M、Yの順にタンデムに配置されている。
なお、各色の画像ステーションの配置順序はこれに限定されることはなく、任意に設定することができる。その場合、各色の画像ステーションの配置順序は、最も視認しにくい色であるイエロー(Y)の画像ステーションが後述する像担持体駆動ベルト53の張り側で後述する像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接して配置することが好ましく、この場合には他の色の画像ステーションの配置順序は任意に設定することができる。
また、これらの画像形成ステーションは、それぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、この像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段23、現像手段24、および除電手段58を備えている。
各色の画像形成ステーションの像担持体20、帯電手段22、像書込手段23、現像手段24、および除電手段58の構成はいずれも同一であるため、図1においては、符号20,22、23、24、および58は、いずれもイエロー(Y)の画像形成ステーションの帯電手段22、像書込手段23、現像手段24、および除電手段58にそれぞれ付し、他の色M、C、Kの画像形成ステーションの各帯電手段、各像書込手段、各現像手段、および各除電手段にこれらの符号を付すことは省略する。
各色Y、M、C、Kの画像形成ステーションの像担持体20は、いずれも、これらに対向しかつ中間転写ベルト16の搬送方向右下向きであるベルト部分16aに当接するようにして配置されている。その結果、中間転写ベルト16と同様に、各色Y、M、C、Kの画像形成ステーションも駆動ローラ14側からK、C、M、Yの順に図1で斜め左上方に配設されるようになる。各像担持体20は、図1に矢印で示すように時計回りに、つまり像担持体20のベルト部分16aとの接触部分がこのベルト部分16aの搬送方向と同じ方向に回転駆動される。中間転写ベルト16にはクリーニング手段17が設けられており、このクリーニング手段17により、二次転写の転写残りトナーが回収されるようになっている。
帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が像担持体20に対して逆移動方向でかつ像担持体20の周速の2〜3倍の周速で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。このような帯電手段22を用いることで、きわめて少ない電流によって像担持体表面を帯電させることができるので、コロナ帯電方式のように装置内外が多量のオゾンによって汚染されることはない。また、帯電手段22と像担持体20との当接がソフトであるので、ローラ帯電方式を用いたときに発生する転写残りトナーの帯電ローラへの固着も発生し難く、安定した画質と装置の信頼性を確保することができる。
像書込手段23には、有機EL発光素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機ELアレイ露光ヘッド(ラインヘッド)が用いられている。有機ELアレイ露光ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであるため、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置本体を小型化できるという利点を有している。
この例においては、各色Y、M、C、Kの画像形成ステーションの像担持体20、帯電手段22、および像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化し、転写ベルトユニット9とともに交換可能にすることにより、有機ELアレイ露光ヘッドの像担持体20に対する位置決めを保持する構成とし、像担持体ユニット25の交換時には有機ELアレイ露光ヘッドを含めて交換する構成としている。
次に、現像手段24の詳細について、ブラック(K)用の画像形成ステーションを代表して説明する。現像手段24は、トナー(図1に示すハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、このトナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30と、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31および像担持体20に当接するように配設された現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とから構成されている。
像担持体20は中間転写ベルト16の反時計回りの回転方向と逆の時計回りに回転され、現像ローラ33および供給ローラ31は、図1に矢印で示すように像担持体20の回転方向と逆方向に回転駆動される。一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦してトナー供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力とによって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定の厚さの層厚に規制され、薄層化されたトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラ33と像担持体20が接触して構成するニップ部およびその近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
除電手段58は、現像装置24と一次転写部(一次転写部材21が像担持体20に当接して像担持体20のトナー像の一次転写が行われる部位)との間に配置されている。この除電手段58は一次転写前に像担持体20を除電するようになっている。このように像担持体20を除電することで、一次転写前の像担持体20の電位を一定にすることができるため、静電吸着力を一定にすることができる。これにより、一次転写部での像担持体20と中間転写ベルト16との間の摩擦力の変動を防止することができ、中間転写ベルト16の伸びの変動を抑制することができる。
給紙ユニット10は、紙等の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、この給紙カセット35から記録媒体Pを1枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部とを備えている。第1の開閉部材3内には、更に、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40とが配設されている。
更に、定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、この加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加熱ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49とを備えている。そして、記録媒体Pに二次転写されたカラー画像が、この定着ユニット12の加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部において所定の温度で記録媒体に定着される。この例においては、中間転写ベルト16が駆動ローラ14から従動ローラ15に向かって斜め左上方に延設されていることで中間転写ベルト16の斜め右上方に形成される空間、つまり、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能となり、定着ユニット12から電装品ボックス5、画像形成ユニット6および中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
ところで、この例の画像形成装置1においては、各像担持体20の回転駆動を1本の像担持体駆動ベルトを用いたベルト駆動方式で行っているが、このベルト駆動方式による像担持体の回転駆動について説明する。
図2および図3に示すように、像担持体駆動ベルト駆動プーリ(本発明の像担持体駆動ベルト駆動部材に相当)50が中間転写ベルト16の従動ローラ15側(図2において左上側)に配設されている。また、この像担持体駆動ベルト駆動プーリ50は各像担持体20の幅方向(走査方向)の一側(図3において下端側)に配設されている。像担持体駆動ベルト駆動プーリ50は像担持体駆動モータ52によって駆動されるようになっている。その場合、像担持体駆動モータ52の動力は、互いに噛合する像担持体駆動モータ52のモータギヤ52aと像担持体駆動ベルト駆動プーリ50のプーリギヤ50aとを介して像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に伝達される。
各像担持体20の一端側には、それぞれ像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKが対応する像担持体20と同軸にかつ一体回転するように設けられている。これらの像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKは、それらの中心がベルト部分16aと平行な直線(不図示)上に配設されて像担持体プーリ列を形成している。
そして、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50と各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKには、タイミングベルトである1本の無端状の像担持体駆動ベルト53が掛け渡されており、この像担持体駆動ベルト53は像担持体駆動ベルト駆動プーリ50により図2に矢印で示す時計回りに回転駆動されるようになっている。すなわち、像担持体駆動ベルト53のベルト緩み側部でありかつ中間転写ベルト16側に位置するベルト部分53eの移動方向が全体として図2において斜め右下方向であり、中間転写ベルト16のベルト部分16aの移動方向と実質的に同方向となっている。
図4に示すように、像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKは、それぞれそれらの各外周に、それぞれ各プーリの幅方向に延びる多数の溝20cを有する溝付きプーリとして形成されている。また、図示しないが像担持体駆動ベルト駆動プーリ50も同様に、その各外周にプーリの幅方向に延びる多数の溝を有する溝付きプーリとして形成されている。更に、像担持体駆動ベルト53は、その内周面に全周にわたって、各像担持体プーリの溝20cおよび像担持体駆動ベルト駆動プーリ50の溝にそれぞれ噛合する歯53aを有する歯付きベルト(つまり、タイミングベルト)として形成されている。なお、像担持体駆動ベルト53の外周面は平坦面とされている。
そして、これらのプーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50の各溝と像担持体駆動ベルト53の歯53aとが噛合することにより、各プーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50と像担持体駆動ベルト53との間に滑りが生じないため、各プーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50と像担持体駆動ベルト53との間の確実な動力伝達が可能となる。これにより、長期間使用後も各プーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50と像担持体駆動ベルト53との間の滑りに起因して各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの位相条件が変化することはない。
また、像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの溝20cの大きさpWと、像担持体駆動ベルト53の歯53aの大きさbWとが同じ大きさに設定されている。図示しないが、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50の溝の大きさも像担持体駆動ベルト53の歯53aの大きさbWとが同じ大きさに設定されている。したがって、各プーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50の溝に像担持体駆動ベルト53の歯53aをバックラッシゼロで噛合すること、つまり各プーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50の溝と像担持体駆動ベルト53の歯53aとを、回転方向に隙間なく噛合させることを可能にしている。これにより、トルク変動等に起因した各プーリ20aY,20aM,20aC,20aK,50のがたつきを防止することができる。
更に、各像担持体20の像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aKは、例えばポリアセタール等の樹脂、アルミニウム合金、ダイキャスト、鉄鋼、鋳鉄等から形成される。そして、これらの像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aKは、ともに同一の金型を用いて成形されているとともに、これらの像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aKは、所定の位相条件で組み立てられている。これにより、中間転写ベルト16上の同一の場所に重ね合わされる画像を各像担持体20が作像するときに、各像担持体20の回転速度の変動を同一の速度変動とすることが可能となる。したがって、各色の画像の伸縮状態を同一にすることができ、その結果、各像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aKに起因する色ずれを防止することができるようになる。
図5に示すように、像担持体駆動ベルト53は、歯53aを有する歯ゴムであるベルト本体53bと、このベルト本体53b内に、ベルト本体53bの周方向に延びるようにかつ幅方向に並置されて埋設された多数の線状の心材53cとから構成されている。歯53aおよびベルト本体53bを構成する歯ゴムは、例えばクロロプレンゴム等から形成され、歯53aの、像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aK、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50との接触部は歯布の薄層とされている。この歯布の薄層は、例えばナイロン帆布等から形成されている。また、多数の心材53cは、例えばグラスファイバーコードあるいはアラミコード等から形成されている。そして、多数の心材53cにより、駆動トルクに変動があっても像担持体駆動ベルト53の伸縮を防止でき、ベルト駆動を安定化させることができるようにしている。しかも、像担持体駆動ベルト53の伸縮を防止できることから、色ずれも抑制できるようになる。
この像担持体駆動ベルト53は、各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの中間に配置されたアイドラプーリ55,56,57によって各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKに押し付けられていて、像担持体駆動ベルト53の歯53aと各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの溝29cとの噛合数が所定数に確保されているとともに、所定のベルト経路が設定されている。また、ベルト緩み側のベルト部分53eで、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50とこの像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接するブラックの像担持体プーリ20aKとの間のベルト部分53eに、テンションプーリ(本発明のテンショナに相当)54が設けられている。
このテンションプーリ54も像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの溝20cと同じ大きさの多数の溝を有し、これらの溝も像担持体駆動ベルト53の歯53aと回転方向に隙間なく噛合させることを可能にしている。また、テンションプーリ54も前述の像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aKはと同じ材料で形成することができる。
テンションプーリ54により、像担持体駆動ベルト53が矢印で示す向き(図2において略右下向き)の力Fで引っ張られてベルト緩み側のベルト部分53eに所定のテンション(張力)が付与されている。これにより、像担持体駆動ベルト53は各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKを確実にかつ安定して回転駆動するようになっている。
各色の像担持体20はこの像担持体駆動ベルト53で回転駆動されるようになっており、画像形成装置1はタンデムベルト駆動方式とされている。その場合、中間転写ベルト16のベルト部分16aの移動速度(つまり、周速:VTB mm/sec)と像担持体駆動ベルト53のベルト部分53dの移動速度[つまり、周速(=各像担持体20の周速:VPC mm/sec)]とは、VTB >VPC 、VTB =VPC 、VTB <VPC のいずれかに設定可能である。これらの好ましい具体例として、表1に示す。
Figure 2005234341
表1には、VTB >VPC である例が2つ、VTB =VPC である例が1つ、VTB <VPC である例が2つ示されている。
この例の画像形成装置1では、中間転写ベルト16のベルト部分16aの周速VTB (mm/sec)が各像担持体20の周速VPC(mm/sec)より大きく(VTB>VPC)なるように、両ベルト16,53の移動速度に速度差が設定されている。その場合、本発明は、表1に示すVTB >VPC である2例に限定されることはなく、種々適宜設定することができる。
このように構成されたこの例の画像形成装置1においては、画像形成時に像担持体駆動モータ52が駆動されて像担持体駆動ベルト駆動プーリ50が図2に矢印で示すように時計回りに回転駆動される。この像担持体駆動ベルト駆動プーリ50の回転駆動により、像担持体駆動ベルト53が矢印で示す同じ時計回りに回動する。すると、各像担持体プーリ20aY、20aM、20aC、20aKも矢印で示す同じ時計回りに回転駆動するので、各像担持体20もともに同方向に回転する。一方、駆動ローラ14が矢印で示す反時計回りに回転駆動されるので、中間転写ベルト16は反時計回りに回動される。
このように中間転写ベルト16および像担持体駆動ベルト53が回動すると、中間転写ベルト16のベルト部分16aの周速VTB>各像担持体20の周速VPCの速度差が設定されているので、ベルト部分16aが各像担持体20をそれらの間の摩擦力で、設定された周速VPCより速い周速で回転するように付勢する。このため、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50よりベルト緩み側の像担持体駆動ベルト53はテンションプーリ54で所定の張力で緊張されている。
また、像担持体駆動ベルト53のベルト張り側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50とベルト張り側でこの像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接したイエローの像担持体20との間のベルト部分53dにたるみが発生する。このベルト部分53dのたるみでイエローの像担持体20が回転むらを生じ、イエローの色ずれが生じる。しかし、イエローの色ずれが生じても、このイエローの像担持体が最も視認しにくい色の像担持体であるので、目で見た感じで色ずれによる影響を効果的に低減することができ、視認上、高品質のカラーの画像を得ることができる。
これに対して、例えば表1に一例として示されている、中間転写ベルト16の周速VTB=各像担持体20の周速VPCである速度差のない場合および中間転写ベルト16の周速VTB<各像担持体20の周速VPCである速度差の場合について考えてみる。
速度差のない場合は、各像担持体20が中間転写ベルト16のベルト部分16aによって設定された周速VPCより速い周速で回転するように付勢されず、各像担持体20は設定された周速VPCで駆動される。したがって、像担持体駆動ベルト53のベルト張り側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50とイエローの像担持体プーリ20aYとの間のベルト部分53eにたるみが発生しなく、イエローの像担持体プーリ20aYに回転むらが発生することはない。しかし、中間転写ベルト16と各像担持体20とに速度差がないので、転写効率は本発明の画像形成装置1に比べて低くなる。
また、中間転写ベルト16の周速VTB<各像担持体20の周速VPCである速度差の場合は、中間転写ベルト16のベルト部分16aが各像担持体20をそれらの間の摩擦力で、設定された周速VPCより遅い周速で回転するように付勢する。このため、像担持体駆動ベルト53のベルト張り側でこの像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接したイエローの像担持体20との間のベルト部分53dにたるみが発生しない。したがって、この場合には、イエローの像担持体プーリ20aYに回転むらが生じなく、イエローの色ずれが発生するおそれはない。
このように、本発明のこの例の画像形成装置1によれば、中間転写ベルト16の周速VTB>各像担持体20の周速VPCの速度差を設定するとともに、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50よりベルト緩み側のベルト部分53eにテンションプーリ54で所定のテンションを付与しているので、速度差により転写効率を向上させつつ、ベルト緩み側の像担持体駆動ベルト53のたるみをテンショナ54で効果的に抑制することができる。
また、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50とこの像担持体駆動ベルト駆動プーリ50よりベルト張り側で最も近接したイエローの像担持体20との間の像担持体駆動ベルト53に、速度差に起因してたるみが発生して色ずれが生じても、この像担持体20が最も視認しにくい色の像担持体20であるので、目で見た感じで色ずれによる影響を効果的に低減することができる。したがって、転写効率の向上により、各像担持体のクリーナレスをより効果的に実現することができるとともに、視認上、高品質のカラーの画像を得ることができる。
更に、この例の画像形成装置1では、複数の像担持体20を1本の像担持体駆動ベルト53で駆動するベルト駆動方式を用いているので、複数の像担持体20をギヤを介して駆動するギヤ駆動方式に比べて、像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKを小径化することが可能となる。これを具体的に説明すると、図6に示すようにギヤ駆動方式の場合、モータギヤ52aとイエロー(Y)の像担持体駆動歯車20bYとの間にこれらに噛合する中間歯車59が設けられ、またイエロー(Y)の像担持体駆動歯車20bYとマゼンタ(M)の像担持体駆動歯車20bMとの間にこれらに噛合する中間歯車60が設けられ、更にマゼンタ(M)の像担持体駆動歯車20bMとシアン(C)の像担持体駆動歯車20bCとの間にこれらに噛合する中間歯車61が設けられ、更にシアン(C)の像担持体駆動歯車20bCとブラック(K)の像担持体駆動歯車20bKとの間にこれらに噛合する中間歯車62が設けられる。その場合、各像担持体駆動歯車20bY,20bM,20bC,20bKのピッチ円直径がすべて等しく設定され、また、各中間歯車59,60,61,62のピッチ円直径がすべて等しく設定されている。
そして、このギヤ駆動方式の場合には、各像担持体駆動歯車20bY,20bM,20bC,20bKとこれらに対応する中間歯車59,60,61,62とがそれぞれ互いに噛合するためには、各歯車が対応する歯車のピッチ円上で互いに接触する必要がある。このため、例えばブラック(K)の像担持体駆動歯車20bKの中心、シアン(C)の像担持体駆動歯車20bCの中心および中間歯車62の中心が直線上に配置された場合には、ブラック(K)の像担持体駆動歯車20bKのピッチ円の半径(dPC/2)、シアン(C)の像担持体駆動歯車20bCのピッチ円の半径(dPC/2)および中間歯車62のピッチ円直径daの和が、ブラック(K)の像担持体20とシアン(C)の像担持体20との中心間距離(DPC−PC)と等しくなる(dPC+da=(DPC−PC))。また、例えば中間歯車60の中心がマゼンタ(M)の像担持体駆動歯車20bMの中心およびイエロー(Y)の像担持体駆動歯車20bYの中心を結ぶ直線上から外れて配置された場合には、マゼンタ(M)の像担持体駆動歯車20bMのピッチ円の半径(dPC/2)、イエロー(Y)の像担持体駆動歯車20bYのピッチ円の半径(dPC/2)および中間歯車60のピッチ円直径daの和が、マゼンタ(M)の像担持体20とイエロー(Y)の像担持体20との中心間距離(DPC−PC)より大きくなる(dPC+da>(DPC−PC))。
このように、ギヤ駆動方式の場合には、像担持体駆動歯車のピッチ円直径と中間歯車のピッチ円直径と和(dPC+da)を隣接する像担持体20の中心間距離(DPC−PC)より小さくすることができない。換言すると、像担持体駆動歯車のピッチ円直径dPCを図6に示すように像担持体20の直径より大きくするか、あるいは図示しないが像担持体駆動歯車のピッチ円直径dPCを像担持体20の直径より小さくした場合には、中間歯車のピッチ円直径daを大きくしなければならず、歯車の小径化が困難である。
これに対して、図7に示すようにベルト駆動方式の場合には、溝付きの各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの間に中間歯車が設けられないので、各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKと中間歯車とをピッチ円上で接触させるようなことは生じない。しかも、隣接する像担持体プーリどうしを接触させる必要もない。例えば、シアン(C)の像担持体プーリ20aCのピッチ円の半径(dPC/2)とブラック(K)の像担持体プーリ20aKのピッチ円の半径(dPC/2)との和がこれらの像担持体20の中心間距離(DPC−PC)より小さくなる(dPC<(DPC−PC))ように、各像担持体プーリ20aC,20aKのピッチ円直径を設定することが可能となる。したがって、各像担持体プーリ20aY,20aM,20aC,20aKの小径化が簡単に可能となり、しかも各像担持体20のクリーナレスを図ることで各像担持体20間の距離を短くすることができ、画像形成装置1のコンパクト性をより効果的に向上することができる。
また、この例の画像形成装置1によれば、像担持体駆動ベルト53のベルト張り側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50から最も近接した位置にイエローの像担持体20を配置しているので、前述の速度差に起因する色ずれが最も生じやすい位置に配置されるイエローの像担持体を、最も視認しにくい色の像担持体とすることができる。これにより、速度差に起因する色ずれが生じたとしても、目で見た感じで色ずれによる影響を効果的に低減することができ、視認上、高品質のフルカラーの画像を得ることができる。その場合、テンションプーリ54によるベルトのたるみを吸収することと相俟って、画像に対する色ずれによる影響をより効果的に抑制することができる。
図8は、本発明の実施の形態の他の例を示す、図2と同様の図である。なお、前述の例と同じ構成要素には同じ符号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
前述の図2に示す例では、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50を中間転写ベルト16の従動ローラ15側に設けているが、この例の画像形成装置1では、図8に示すように前述の例とは逆に像担持体駆動ベルト駆動プーリ50を中間転写ベルト16の駆動ローラ14側に設けている。その場合、中間転写ベルト16の回転方向および像担持体駆動ベルト53の回転方向は、いずれも図2に示す例と同じである。したがって、この例では、像担持体駆動ベルト53のベルト緩み側のベルト部分53eは中間転写ベルト16と反対側に位置し、ベルト張り側のベルト部分53dは中間転写ベルト16側に位置している。そして、中間転写ベルト16の周速および各像担持体20の周速も、前述の例と同様に、中間転写ベルト16の周速VTB>各像担持体20の周速VPC に設定されている。
この例でも、イエローの像担持体20がベルト張り側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接する像担持体となっている。そして、像担持体駆動ベルト53のベルト緩み側であるベルト部分53eに、このベルト部分53eにテンションを付与するテンションプーリ54が設けられている。
この例の画像形成装置1においても、テンションプーリ54により、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50よりベルト緩み側の像担持体駆動ベルト53に所定のテンションを付与しているので、ベルト緩み側の像担持体駆動ベルト53のたるみをテンショナ54で効果的に抑制することができる。また、像担持体駆動ベルト駆動プーリ50とこの像担持体駆動ベルト駆動プーリ50よりベルト張り側で最も近接したイエローの像担持体20との間の像担持体駆動ベルト53に、速度差に起因してたるみが発生して色ずれが生じても、この像担持体20が最も視認しにくい色の像担持体20であるので、目で見た感じで色ずれによる影響を効果的に低減することができ、視認上、高品質のカラーの画像を得ることができる。
この例の画像形成装置1の他の構成および他の作用効果は、前述の図2に示す例の画像形成装置1と実質的に同じである。
なお、中間転写ベルト16および像担持体駆動ベルト53の各回転方向は、逆方向に設定することもできる。その場合には、像担持体駆動ベルト53のベルト緩み側であるベルト部分53eにテンションを付与するように、テンションプーリ54を設ければよい。また、この場合にも、各色の像担持体20の配置順は任意に設定することができるが、イエローの像担持体プーリ20aYをベルト張り側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接して設けることが好ましい。
更に、前述の例では、本発明の画像形成装置を、4つの異なる色つまりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の像担持体を備えた画像形成装置1に適用して説明しているが、本発明はこれに限定されることはなく、少なくとも2色以上の像担持体を備え、中間転写ベルトと像担持体駆動ベルトと備える画像形成装置であれば、どのような画像形成装置にも適用することができる。その場合、最も視認しにくい色の像担持体をベルト張り側で像担持体駆動ベルト駆動プーリ50に最も近接して設けることが好ましい。
本発明の画像形成装置は、電子写真、静電複写機、プリンタ、ファクシミリ等の像担持体に静電潜像を形成する画像形成装置であって、直線上に配置された複数の像担持体を1本の無端状の像担持体駆動ベルトで駆動するとともに、各像担持体のトナー像が転写される中間転写ベルトを備えている画像形成装置に好適に利用することができる。
本発明の画像形成装置の実施の形態の一例を模式的に示す横断面図である。 図1に示す例における中間転写ベルトおよび像担持体駆動ベルトを模式的に示す図である。 図1に示す例における像担持体および像担持体駆動ベルトを模式的に示す下面図である。 図1に示す例における像担持体プーリの溝と像担持体駆動ベルトとの噛合を説明する図である。 図1に示す例における像担持体駆動ベルトを模式的にかつ部分的に示す図である。 ギヤ駆動方式による複数の像担持体の駆動を説明する図である。 ベルト駆動方式による複数の像担持体の駆動を説明する図である。 本発明の実施の形態の一例を模式的に示す、図2と同様の図である。
符号の説明
1…画像形成装置、6…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、14…駆動ローラ、15…従動ローラ、16…中間転写ベルト、16a…中間転写ベルトのベルト張り側部であるベルト部分、16b…中間転写ベルトのベルト緩み側部であるベルト部分、20…像担持体、20aY,20aM,20aC,20aK…像担持体プーリ、20c…溝、22…帯電手段、23…像書込手段、24…現像手段、50…像担持体駆動ベルト駆動プーリ、52…像担持体駆動モータ、53…像担持体駆動ベルト、53a…歯、53b…ベルト本体、53c…心材、53e…ベルト緩み側のベルト部分、54…テンションプーリ、55,56,57…アイドラプーリ、VTB…中間転写ベルトの周速、VPC…像担持体の周速

Claims (2)

  1. 複数の像担持体と、これらの像担持体を回転駆動する1本の像担持体駆動ベルトと、この像担持体駆動ベルトを回転駆動する像担持体駆動ベルト駆動部材と、前記像担持体が接触してこの像担持体からトナー像が中間転写される中間転写ベルトとを少なくとも備えた画像形成装置において、
    前記中間転写ベルトの周速が前記像担持体の周速より大きい速度差が設定されており、 前記像担持体駆動ベルトに張力を付与するテンショナが前記像担持体駆動ベルト駆動部材よりベルト緩み側に配設されているとともに、前記ベルト張り側で前記像担持体駆動ベルト駆動部材に最も近接した像担持体は、最も視認しにくい色の像担持体であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記複数の像担持体は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの像担持体であり、前記最も視認しにくい色の像担持体は、イエローの像担持体であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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