JP2005232501A - 薄膜の形成方法、および、それを使用する電子機器用基板 - Google Patents

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祐一 佐藤
Koji Umehara
弘次 梅原
Kazuki Shinpo
一樹 新保
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章 米沢
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Abstract

【課題】 フィラー無添加の液晶ポリマーで作られた基材であってもピール強度をさらに向上させることができること。
【解決手段】 エッチング工程32において基材素材が、官能基としてアミノ基またはチオール基をその分子の両端に有する化合物溶液、例えば、所定のエチレンジアミン溶液に所定期間、浸漬されることにより、エッチング処理が行なわれる。また、洗浄工程34において、エッチング処理された基材素材が極性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリジノン(NMP)溶液中で10分間、超音波洗浄される。そして、その超音波洗浄された基材素材が、超純水中で10分間、超音波洗浄されるもの。
【選択図】 図1

Description

本発明は、絶縁材料で作られる基材の表面に薄膜を形成することができる薄膜の形成方法およびそれを使用する電子機器用基板に関する。
電子機器等に実装されるプリント配線基板においては、近年、電子機器等の小型化に伴い、微細な電子回路が基板上に形成されることが要望されている。そのような微細な電子回路は、超ファインピッチ回路と称され、例えば、導電層のラインまたはライン間隔が20μm以下、その層間の接続部の直径が40μm以下となるような回路とされる。
このような微細な電子回路を基板上に形成する方法としてアディティブ方式またはセミアディティブ方式等が提案されている。そのセミアディティブ方式は、感光性のレジスト膜の解像度(現像精度)に応じた回路ピッチで回路パターンが形成されるので例えば厚い金属箔をエッチングすることにより回路パターンを形成するようなサブトラクティブ方法と比較したとき、より微細な回路を精度よく形成することができるという利点がある。
セミアディティブ方式の製造工程における特徴の一つとしては、無電解銅めっきを行い、絶縁基板の表面全体に、めっき下地層として薄い無電解銅めっき層を形成することである。
薄膜としてのめっき下地層を基材の表面に形成する場合、配線の微細化の観点からこのようなめっき下地層とその基材とのピール強度(めっき下地層の基材の表面に対する密着力)が所定値以上であることが望まれる。
めっき下地層が例えばフィラー入り液晶ポリマーで作られた基材の表面に形成される場合、例えば、特許文献1にも示されるように、上述のピール強度を高めるべく、フィラー入り液晶ポリマーの表面粗化処理を行うことが提案されている。
また、めっき下地層が、フィラー無添加の液晶ポリマーで作られた基材の表面に形成される場合においては、例えば、本願出願人による出願(特願2003−301971号)の明細書中に記載されるように、上述のピール強度を高めるべく、そのめっき下地層を形成する無電解めっき工程以前の工程である触媒付与処理工程において、フッ素系アニオン界面活性剤が触媒化処理液中に添加される方法が提案されている。
フィラー無添加の液晶ポリマーは、その構成分子が水親和性のある水酸基などを全く含まず、水の分子が浸透する隙間がないので低湿性を有しており、従って、触媒化処理液等が均一にその内部に浸透しない、所謂、濡れ性が比較的低い状態である。そこで、この方法においては、その濡れ性が比較的低い状態であることに着目し、触媒化処理液の表面張力を低下させ触媒化処理液の基材に対する浸透性を高めることにより、基材とめっき下地層とのピール強度の向上を図ったものである。
特開昭63−14879号公報
しかしながら、めっき下地層が、フィラー無添加の液晶ポリマーで作られた基材の表面に形成される場合、上述のように基材と触媒化処理液との相互間の濡れ性を改善することによる上述のピール強度の向上を図ることにも一定の限界がある。また、上述したような表面粗化処理による主に物理的なアンカー効果によるピール強度の向上にも一定の限界がある。
以上の問題点を考慮し、本発明は、絶縁材料で作られる基材の表面に薄膜を形成することができる薄膜の形成方法であって、フィラー無添加の液晶ポリマーで作られた基材であってもピール強度をさらに向上させることができる薄膜の形成方法およびそれを使用する電子機器用基板を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る薄膜の形成方法は、薄膜が形成されるべき樹脂基材に対し金属元素と化学的な結合を起こす官能基を分子の両端に有する化合物の溶液でエッチング処理を行う工程と、エッチング処理された樹脂基材に対して極性有機溶媒により洗浄を行う工程と、洗浄された樹脂基材に対し触媒付与処理を行った後、無電解めっき処理を施し薄膜を樹脂基材の表面に形成する工程とを含んでなる。
また、本発明に係る電子機器用基板は、上述の薄膜の形成方法により形成されるめっき層と、めっき層上に積層形成され電子部品に電気的に相互に接続される導体層と、を備えて構成される。
以上の説明から明らかなように、本発明に係る薄膜の形成方法およびそれを使用する電子機器用基板によれば、薄膜が形成されるべき樹脂基材に対し金属元素と化学的な結合を起こす官能基を分子の両端に有する化合物の溶液でエッチング処理を行う工程と、エッチング処理された樹脂基材に対して極性有機溶媒により洗浄を行う工程とを含むのでフィラー無添加の液晶ポリマーで作られた基材であってもピール強度をさらに向上させることができる。
図2は、本発明に係る薄膜の形成方法の一例が適用されて作製されたインターポーザ用基板の外観を示す。
図2において、インターポーザ用基板10は、例えば、半導体素子14の電極群を配線基板12の電極群に電気的に接続するためにICソケット等において半導体素子14と配線基板12との間に配置されるものである。
インターポーザ用基板10は、銅製のパッド部16aiおよび18ai(i=1〜n,nは正の整数)がそれぞれ複数個形成される表層部を相対向して有する基材20を含んで構成される。
基材20は、フィラーが含有していない液晶ポリマー(LCP)フィルム、例えば、厚さ25μmを有する液晶ポリマーフィルム(クラレ社製:商品型式Vecstar CT−X100)で略正方形に作られている。パッド部16aiおよび18aiは、例えば、それらに対応した基材20内の微小な貫通孔に形成される導体部を介して互いに接続されている。
このようなインターポーザ用基板10に用いられる無電解銅めっき処理された銅めっき板24(図3参照)を作製するにあたり、本発明に係る薄膜の形成方法の一例においては、図1に示されるように、脱脂工程30、エッチング工程32、洗浄工程34、触媒付与処理工程36、および、無電解めっき工程38を主な工程として含んで構成されている。
脱脂工程30においては、図3に示されるような銅製の導電層22を両面に有する銅めっき板24を形成するために準備される基材素材に対する脱脂が、超純水により2倍に希釈されたリン酸系脱脂溶液(EEJA製、型式EETREX15)に浸漬されることにより行なわれる。その基材素材の浸漬は、例えば、超音波攪拌されながら10分間浸漬されることにより行なわれる。その基材素材は、上述したフィラーが含有していない液晶ポリマー(LCP)フィルムである。基材素材は、予めレーザ加工が施されることにより、上述のパッドに対応した所定の相互間隔で微小な複数の孔が形成された後、その脱脂後、脱脂溶液の残留によるエッチング効果の減少等を防ぐために水洗される。
次に、エッチング工程32は、脱脂された基材素材の表面とめっき下地層との密着性を向上させるべく、その表面の改質のために行なわれる。
エッチング工程32においては、例えば、化学的なエッチング方法により行なわれる。即ち、基材素材が、官能基としてアミノ基またはチオール基をその分子の両端に有する化合物溶液、例えば、所定のエチレンジアミン溶液に所定期間、浸漬されて行なわれる。
エチレンジアミン溶液は、エチレンジアミンと水(HO)とが例えば、所定の混合比(vol%)(エチレンジアミン:水=7:3)で混合された混合液とされる。
エッチング工程32において基材素材における表面反応は、エチレンジアミンの濃度に依存し、その結果、エチレンジアミンの濃度を高めることにより、その表面反応が促進されるのでエチレンジアミンの割合が7/10よりも小さい場合、凹凸がその表面に殆ど形成されないことが本願発明者により確認されている。
そのエッチング条件としてのエッチング温度およびエッチング時間は、それぞれ、好ましくは、例えば、70℃、180(min)程度に設定されている。
エッチング温度が70℃未満である場合、その反応速度が遅くなるので70℃以上が望ましい。
なお、エッチング時間は、60minから300minまでの間のいずれの時間でもよく、60min未満の場合、基材素材の表面に凹凸がほとんど形成されず、一方、300minを超えた場合、基材素材の表面に形成された凹凸の大きさが所定の値よりも大きくなりすぎることが本願発明者により確認されている。従って、後述するピール強度の低下に繋がる虞がある。
その結果、エッチング時間は、180(min)程度に設定されることが望ましい。
このようにその化合物の分子の両端に官能基が必要とされるのは、一方の官能基がその基材素材の表面と反応し結合し、他方の官能基は、触媒金属と結合させるためである。
従って、金属との化学的結合を基材素材の表面に起こす官能基をその表面に結合させる化合物は、非共有電子対を持ち、電子密度が高く、金属が配位結合され得るものとされる。
即ち、例えば、エチレンジアミン溶液におけるアミノ基がエステル結合に対し求核反応を起こすことが利用されることにより、基材素材の表面が改質されるものである。
従来方法のように水酸化カリウム溶液のようなアルカリ性のエッチング溶液によりエッチング処理が行われる場合、基材素材の表面が比較的粗く、金属との化学的な結合力があったとしても比較的小なので主に物理的なアンカー効果により、密着力が向上するものである。
一方、本発明に係る薄膜の形成方法の一例においては、金属と化学的結合を起こす官能基、例えば、アミノ基を基材素材の表面に結合させることにより、基材素材の表面と形成される銅被膜との間に、より大きな化学的な結合力が生じ、その結果、密着強度が従来の方法に比して向上することとなる。
続いて、図1に示されるように、洗浄工程34において、エッチング処理された基材素材が極性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリジノン(NMP)溶液中で10分間、超音波洗浄される。次に、超音波洗浄された基材素材は、超純水中で10分間、超音波洗浄される。
このようにエッチング処理された基材素材が洗浄されるのは、上述のエッチング処理により基材素材の表面に溶出し付着している劣化層を除去するためである。
続いて、触媒付与処理工程36において、エッチング処理および洗浄処理された基材素材に対し触媒化処理が行なわれる。触媒化処理とは、後述する無電解めっきを行うために活性を持たない液晶ポリマーの表面に触媒活性を持つ金属を付与する処理をいう。触媒化処理は、感受性化処理および活性化処理からなる。
感受性化処理は、エッチング処理等された基材素材が所定の感受性化処理溶液に所定期間、例えば、6分間、浸漬されて行なわれる。感受性化処理溶液は、例えば、塩化すず二水和物溶液(SnCl2HO)とされる。塩化すず二水和物溶液の濃度および液温は、それぞれ、1g/l,70℃とされる。塩化すず二水和物溶液は、例えば、塩化すず二水和物(1g)が濃塩酸(1ml)により溶解され、超純水により調整されることにより作製される。
活性化処理は、エッチング処理された基材素材が所定の活性化処理溶液に所定期間、例えば、6分間、浸漬されて行なわれる。活性化処理溶液は、例えば、塩化パラジウム(0.1g)が濃塩酸(0.8ml)で溶解された後、超純水で調整されたものとされる。塩化パラジウム溶液の濃度および液温は、それぞれ、0.1g/l,70℃とされる。
感受性化処理および活性化処理の一連の工程は、それぞれ、2回連続して繰り返し実行され、例えば、最初に第1回目の感受性化処理後、第1回目の活性化処理が行なわれ、そして、前回使用された感受性化処理溶液および活性化処理溶液が再度、用いられ、第2回目の感受性化処理後、第2回目の活性化処理が順次、行なわれるものとされる。このように感受性化処理および活性化処理がそれぞれ、複数回、実行されるのは、本願の発明者の検証により、1回だけに比べて2回実行した場合、後述する無電解めっき工程におけるめっき皮膜の析出量が大となることが確認されている。このような差が生じる理由としては、基板素材が感受性化処理溶液および活性化処理溶液に浸漬されたとき、パラジウムがイオンとして存在して十分に触媒活性が出ていない状態において、続いて、2回目の感受性化処理により、イオンとして残っているパラジウムを還元したことが考えられる。
続いて、無電解めっき工程38において、図3に示されるように、触媒付与処理がなされた基材素材の両面に対して銅製のめっき下地層22を形成すべく無電解めっきが行なわれる。
銅めっき浴は、例えば、酒石酸ナトリウムカリウムを錯化剤とした低速度析出浴とされる。めっき浴の水素イオン濃度pHは、水酸化カリウムにより調整され11.2に設定されている。めっき浴は、例えば、酒石酸ナトリウムカリウムが超純水により0.3Mだけ溶解された溶液に、2,2’ビピリジル(10ppm)、ポリエチレングリコール(PEG-1000)(100ppm)、および37%ホルムアルデヒド(22cm/dm)が添加されたものにより、硫酸銅が0.03M溶解されたものである。
無電解めっきは、例えば、めっき浴温度が30℃に保たれるもとで、めっき速度が所定の速度で60分間行なわれることにより、比較的平滑な面を有する膜厚約1μm弱のめっき下地層22が両面に形成される。これにより、図3に示されるような銅めっき板24が得られることとなる。
このように低速析出浴が用いられるのは、本願の発明者の検証により、析出速度の比較的速いめっき浴による無電解めっきでは、基材素材の細孔内部まで銅が析出せず、また、30分以内にめっき皮膜の膨れるといった不具合が生じることが確認されたからである。かかる不具合の原因としては、析出速度が速いのでめっきの析出が基材素材の表面のみで起こり、めっき液が細孔内部まで浸透しないことが原因として考えられる。
このように形成された膜厚約1μm弱を有するめっき下地層22にさらに電解銅めっきされたもののピール強度は、本願の発明者の検証によれば、例えば、エッチング時間、無電解めっき時間がそれぞれ、180min,60minである場合、後述する図4の特性線Lcに示されるように、約0.45N/mmとされる。
そして、得られた銅めっき板24の各下地層22が、所定のパターニング、および、厚付け電気めっき処理を経て、例えば、サブトラクティブ法、アディティブ法、あるいはセミアディティブ法が適宜選択されて適用されることにより、図2に示されるインターポーザ用基板10が得られることとなる。
図4は、縦軸にピール強度(N/mm)をとり、横軸にエッチング時間(min)をとり、エッチング時間とピール強度との関係を示す特性線La、Lb、Lcをあらわす。
特性線Lcは、上述の例のように、エッチング工程、洗浄工程、触媒付与処理工程、および、無電解めっき工程を経て、200℃で加熱処理後、電解銅めっきで厚付けされて得られた試験片についてのピール強度を示す。なお、200℃で加熱処理を行うのは、試験片に付着した水分を蒸発させるとともに、基材としての液晶ポリマーの配向を整えるためである。
但し、図4においては、エッチング工程において、エッチング時間(min)が60、120、180、300に設定されて実験が行われた結果である。
その試験片は、幅および長さがそれぞれ1cm、5cmであるフィラーが含有していない液晶ポリマー(LCP)フィルム、例えば、厚さ25μmを有する液晶ポリマーフィルム(クラレ社製:商品型式Vecstar CT−X100)が上述の一連の処理がなされた後、200℃で熱処理され、膜厚が20μmとなるように電気銅めっきでめっき処理されたものを6〜7mm幅となるように切り出されたものである。
ピール強度の試験は、引き上げ装置(FGS−50VL:日本電産シンポ製)および荷重測定機(デジタルフォースゲージ FGC0.2B:日本電産シンポ製)を用いJIS規格(JIS C 5016:導体の引き剥がし強さ)に従う引き剥がし試験方法により、所定の試験条件で行われた。その試験条件として、引き上げ角度、引き上げ速度、および、引き上げ長さは、それぞれ、90°、50mm/min,30mmである。
特性線Lcから明らかなように、エッチング時間が180minの場合、ピール強度が最大値、約0.45N/mmとなる。エッチング時間が180min未満、または、180minを超える300minの場合、約0.45N/mmよりも低下している。
エッチング時間が180minを超える場合、約0.45N/mmよりも低下する理由として、エッチングにより基板素材に形成された凹凸が大きくなりすぎることによりピール強度が低下したものと考えられる。
特性線La、Lbは、それぞれ、比較例Sa、比較例Sbについての実験結果を示す。
比較例SaおよびSbにおいても、試験片および試験装置は、上述の試験片および試験装置と同様なものが使用される。また、比較例SaおよびSbにおいても、ピール強度の試験は上述のJIS規格に従う同一の試験条件で行われる。
但し、比較例Saにおいては、上述の例のように、エッチング処理後、極性有機溶媒により洗浄されることなく、エッチング処理後、水洗のみ行われたものである。なお、脱脂、触媒付与処理、無電解めっき処理等の他の諸条件は、上述の例と同一条件とされる。
また、比較例Sbにおいては、上述の例のように、エッチング処理後、極性有機溶媒により洗浄されることなく、エッチング処理後、水洗された後、10vol%の塩酸により中和処理されたものである。なお、脱脂、触媒付与処理、無電解めっき処理等の他の諸条件は、上述の例と同一条件とされる。
その結果、比較例SaおよびSbにおいては、特性線LaおよびLbから明らかなように、エッチング処理後、基材素材の劣化層が極性有機溶媒により十分に洗浄、除去されていない場合、エッチング時間が180minのとき、約0.15N/mm未満である。また、ピール強度の最大値は、エッチング時間が120minのとき、約0.15N/mm程度である。一方、特性線Lcに示される本願発明の実施例により得られた試験片は、その値の約3倍強のピール強度を有するので比較例SaおよびSbよりも優れていることが確認された。
また、本願発明の実施例に従う試験片のピール強度の向上が、極性有機溶媒により洗浄による効果のみに依存していないことを検証するために本願の発明者により以下のような実験が行われ、図5に示されるような実験結果が得られた。
図5は、縦軸にピール強度(N/mm)、横軸に実験例の種別をとり、各実験例(A)および(B)のピール強度を示す。
実験例(A)においては、その試験片は、フィラーが含有していない液晶ポリマー(LCP)フィルム、例えば、厚さ25μmを有する液晶ポリマーフィルム(クラレ社製:商品型式Vecstar CT−X100)である。その試験片は、脱脂後、温度70℃で濃度10Mの水酸化カリウム(KOH)溶液中で60min間、エッチング処理後、極性有機溶媒により洗浄することなく、上述の触媒付与処理、および、120分の無電解銅めっき工程を経て、アルゴンガス中、200℃で加熱処理後、膜厚が20μmとなるように電解銅めっきで厚付けされたものである。その電解銅めっきは、1.5A/dmで銅めっき浴中、60min間行われる。めっき浴は、例えば、硫酸50g/dmに、ポリエチレングリコール(PEG-1000)(100ppm)、および塩化ナトリウム(0.0824g/dm)が添加されたものにより、硫酸銅が100g/dm溶解されたものである。
ピール強度試験は、上述の引き上げ装置(FGS−50VL:日本電産シンポ製)および荷重測定機(デジタルフォースゲージ FGC0.2B:日本電産シンポ製)を用いJIS規格(JIS C 5016:導体の引き剥がし強さ)に従う引き剥がし試験方法により、所定の試験条件で行われた。その試験条件として、引き上げ角度、引き上げ速度、および、引き上げ長さは、それぞれ、90°、50mm/min,30mmである。
その結果、図5に示されるようにピール強度の値は、0.08(N/mm)弱の値である。
一方、実験例(B)においては、その試験片は、同様なフィラーが含有していない液晶ポリマー(LCP)フィルム、例えば、厚さ25μmを有する液晶ポリマーフィルムである。
その試験片は、脱脂後、温度70℃で濃度10Mの水酸化カリウム(KOH)溶液中で60min間、エッチング処理後、N−メチルピロリジノン(NMP)溶液中で10分間、超音波洗浄される。その超音波洗浄された基材素材は、超純水中で10分間、超音波洗浄される。次に、試験片は、上述の触媒付与処理、および、120分の無電解銅めっき工程を経て、アルゴンガス中、200℃で加熱処理後、上述と同様なめっき浴で電解銅めっきで厚付けされたものである。その電解銅めっきは、1.5A/dmで銅めっき浴中、60min間行われる。
ピール強度試験は、実験例(A)と同様に行われる。
その結果、図5に示されるようにピール強度の値は、0.1(N/mm)程度の値である。
従って、実験例(A)、(B)の結果から明らかなように、それらのピール強度は、図4に示されるエチレンジアミン溶液でエッチング処理した後、極性有機溶媒により洗浄しない場合の実験結果と同等もしくはそれ以下の値である。
即ち、上述したようなピール強度の向上は、極性有機溶媒による洗浄効果のみに依存せず、あるいは、エチレンジアミン溶液中のエッチング処理のみでも得られないことが明らかであり、エチレンジアミン溶液中のエッチング処理と極性有機溶媒により洗浄との組み合わせにより得られるものであることが裏付けられる。
このように本願発明の実施例において、ピール強度が改善される主な理由としては、脱脂後、エッチング処理がアルカリ性エッチング液である水酸化カリウム(KOH)溶液中で行われた後、上述の触媒付与処理および無電界めっきが行われる場合、図7に模式的に示されるように、基材素材20’の表層に形成される下地層としての銅被膜の密着力は、エステル結合の加水分解により切られた酸素(O)電子対Eとパラジウム元素(粒子)Pdmとの化学的結合力が比較的弱いファンデンワールス力なので基材素材20’における微小な各細孔20a内においてパラジウム元素(粒子)Pdmの周りに浸入した銅被膜を形成する銅元素(粒子)Cumに付与されるアンカー効果に主に依存している。
一方、本願発明における実施例のように脱脂後、エッチング処理がエチレンジアミン溶液中で行われた後、極性有機溶媒による洗浄を経て上述の触媒付与処理および無電界めっきが行われる場合、図6に模式的に示されるように、基材素材20’の表層に形成される下地層としての銅被膜の密着力は、パラジウム元素(粒子)Pdmの周りに浸入した銅被膜を形成する銅元素(粒子)Cumに付与されるアンカー効果に加えて、アミノ基(N)電子対Eとパラジウム元素(粒子)Pdmとの化学的結合力に依存することとなる。従って、アミノ基(N)電子対Eとパラジウム元素(粒子)Pdmとの化学的結合力は、酸素(O)電子対Eとパラジウム元素(粒子)Pdmとの化学的結合力に比して大なので銅被膜の密着力が従来方法に比べて向上するのである。
本発明に係る薄膜の形成方法の一例の各工程を示す工程図である。 本発明に係る薄膜の形成方法の一例が適用されたインターポーザ用基板の外観を概略的に示す斜視図である。 図2に示されるインターポーザ用基板用の銅板の外観を示す斜視図である。 本発明に係る薄膜の形成方法の一例により形成されためっき層、および、比較例により形成されためっき層のピール強度とエッチング時間との関係を示す特性図である。 比較実験例により形成されためっき層のピール強度を示す特性図である。 本発明に係る薄膜の形成方法の一例により形成されためっき層の密着力の説明に供される図である。 比較例により形成されためっき層の密着力の説明に供される図である。
符号の説明
20 基材
32 エッチング工程
34 洗浄工程

Claims (4)

  1. 薄膜が形成されるべき樹脂基材に対し金属元素と化学的な結合を起こす官能基を分子の両端に有する化合物の溶液でエッチング処理を行う工程と、
    前記エッチング処理された樹脂基材に対して極性有機溶媒により洗浄を行う工程と、
    前記洗浄された樹脂基材に対し触媒付与処理を行った後、無電解めっき処理を施し前記薄膜を該樹脂基材の表面に形成する工程と、
    を含んでなる薄膜の形成方法。
  2. 前記官能基は、アミノ基またはチオール基であることを特徴とする請求項1記載の薄膜の形成方法。
  3. 前記樹脂基材は、フィラーを含まない液晶ポリマーフィルムであることを特徴とする請求項1記載の薄膜の形成方法。
  4. 請求項1記載の薄膜の形成方法により形成されるめっき層と、
    前記めっき層上に積層形成され電子部品に電気的に相互に接続される導体層と、
    を具備する電子機器用基板。
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