JP2005232337A - ブロー成形用樹脂組成物、およびこれから得られるブロー成形体 - Google Patents

ブロー成形用樹脂組成物、およびこれから得られるブロー成形体 Download PDF

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Hideshi Kawachi
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Abstract

【課題】優れた透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性を有するブロー成形用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】メルトフローレート(MFR)が0.1〜50(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が120〜160℃であるプロピレン系重合体(A)60〜99重量%、
メルトフローレート(MFR)が0.1〜50(g/10分)、密度が0.850〜0.895(g/cm)未満であり、かつ示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が90℃未満であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜20重量%、および
メルトフローレート(MFR)が0.1〜50(g/10分)、密度が0.900〜0.960(g/cm)のエチレン系重合体(C)1〜20重量%
から形成されるブロー成形用樹脂組成物。この組成物から得られるブロー成形体食品充填容器として好適である。
【選択図】なし

Description

本発明はブロー成形用樹脂組成物およびこれから得られるブロー成形体に関する。
ポリプロピレンは、耐熱性、耐薬品性、衛生適合性に優れた材料であり、そのブロー成形品は、剛性、耐衝撃性に優れ、食品容器、洗剤容器、医療容器等に使用されている。しかしながら、ポリプロピレンから得られる容器は、透明性に劣り、また、低温での耐衝撃性にも劣るため、特には低温で貯蔵、輸送するような食品容器には不充分であった。
特開平10−265631号公報には、プロピレン共重合体と特定のエチレン・α−オレフィン共重合体からなる容器用樹脂組成物が開示されている。同公報によって得られる容器は、低温での耐衝撃性には優れているが、透明性については未だ不充分である。また、同公報により得られるボトルでは、例えば内容物を高温で充填する等、高温下に曝された場合、白濁等の発生により外観が著しく劣る等の問題点があった。(特許文献1)
特開平10−265631号公報
本発明は、透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性に優れた容器を得ることのできるブロー成形用樹脂組成物、その組成物から得られるブロー容器の提供を目的とする。
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が120〜160℃であるプロピレン系重合体(A)60〜98重量%、
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.895(g/cm)未満であり、かつ示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が90℃未満であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜20重量%、および
メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.960(g/cm)のエチレン系重合体(C)1〜20重量%
から形成されるブロー成形用樹脂組成物に関する。
さらに本発明は、上記本発明の樹脂組成物からなるブロー成形体に関する。
本発明の樹脂組成物から得られるブロー成形体は、透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性が良好で、食品や医療等の包装容器として好適に使用できる。
プロピレン系重合体(A)
本発明の樹脂組成物におけるプロピレン系重合体(A)としては、公知のプロピレン単独重合体、またはエチレンないしは炭素数4〜20のα―オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体を挙げることができる。プロピレン系重合体のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)としては0.1〜50(g/10分)、好ましくは0.2〜40(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が120〜160℃、好ましくは125〜150℃の範囲にあるプロピレンランダム共重合体が好ましく利用される。このようなランダム共重合体を使用することで透明性および外観に優れたブロー成形体を得ることができる。
このようなプロピレン系重合体(A)は、典型的には固体状チタン触媒と有機金属化合物を主成分とする触媒、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いたメタロセン触媒の存在下でプロピレンを重合あるいはプロピレンと他のα―オレフィンを共重合させることによって製造することができる。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)
本発明の樹脂組成物における(B)成分として使用されるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体は、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは3〜10までのα―オレフィンとを共重合することによって得られるランダム共重合体である。α―オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンが挙げられ、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、さらに好ましくは1−ブテンである。共重合体中のα−オレフィン含量としては、通常5〜50モル%、好ましくは7〜30モル%である。
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体のMFR(ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)は0.1〜50、好ましくは0.2〜30(g/10分)であり、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.895(g/cm)、好ましくは0.860〜0.890(g/cm)であり、かつ示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が90℃未満または融点が観測されない非晶性である。
上記エチレン・α−オレフィンランダム共重合体の製造法については特に制限はないが、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒の存在下、エチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。
さらに、本発明においては、密度および/またはMFRの異なる数種類のエチレン・α−オレフィンランダム重合体をブレンドした組成物で使用することもできる。
また、本発明において使用されるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)の分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
エチレン系重合体(C)
本発明の樹脂組成物におけるエチレン系重合体(C)としては、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレンやエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体やエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂等を挙げることができる。好ましくは、エチレンと炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10のα−オレフィンとのエチレン・α−オレフィン共重合体であり、その分子構造は、直鎖状であってもよいし、長鎖または短鎖の側鎖を有する分岐状であってもよい。
コモノマーとして使用されるα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチルペンテン−1、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンおよびそれらの組み合わせを挙げることができ、中でもプロピレン、1−ブテン、4−メチルペンテン−1、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。また、必要に応じて他のコノモマー、例えば1,6−ヘキサジエン、1,8−オクタジエン等のジエン類や、シクロペンテン等の環状オレフィン類等を少量含有してもよい。
エチレン系重合体(C)の密度は、0.900〜0.960(g/cm)、好ましくは0.905〜0.950(g/cm)である。この密度範囲にあると、透明性と剛性、耐衝撃性および耐熱性とを備えたブロー成形体が得られる。
またエチレン系重合体(C)は、ASTM D−1238に準拠し、190℃、2.16kg荷重下で測定したMFRが、0.1〜50(g/10分)、好ましくは0.3〜30(g/10分)の範囲にある。MFRがこの範囲内にあると、成形性に優れ良好なブロー成形体を得ることができる。
上記エチレン系重合体の製造法については特に制限はないが、ラジカル重合触媒、フィリップス触媒、チーグラー・ナッタ触媒、あるいはメタロセン触媒を用いて、エチレンの単独重合またはエチレンとα−オレフィンとを共重合することによって製造することができる。より好ましいエチレン系重合体(C)としては、メタロセン触媒を用いてエチレンとα−オレフィンとを共重合することによって得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である。
樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、プロピレン系重合体(A)とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)およびエチレン系重合体(C)からなり、その混合割合は、(A)が60〜98、好ましくは70〜97重量%、(B)が1〜20、好ましくは1〜15重量%、(C)が1〜20、好ましくは1〜15重量%の範囲にある。ここで、(A)、(B)および(C)の合計量は100重量%である。各成分の割合がこの範囲内にあると、その組成物から得られるブロー成形体は、透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性に優れており、実用上好適な容器が得られる。
本発明の樹脂組成物の特徴として、ある特定の性質を持つエチレン・α−オレフィンランダム共重合体とエチレン系重合体とを、樹脂組成物の構成成分として使用することにある。前記のようなエチレン・α−オレフィンランダム共重合体とエチレン系重合体とを併用することで、透明性が良好で、耐衝撃性、剛性および耐熱性にも優れた容器となる。
本発明の樹脂組成物には、結晶核剤を含んでいることが好ましい。そうすることで、透明性、耐衝撃性、および剛性がさらに優れる。
結晶核剤としては、ポリプロピレン用に知られている種々の結晶核剤が特に制限されることなく用いられるが、中でも芳香族リン酸エステル塩、ジベンジリデンソルビトール類などの核剤が好ましい。芳香族リン酸エステル塩としては例えば、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、カルシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-チオビス-(4-t-オクチルフェニル) フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t- ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム- ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート) 、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,4'-ジメチル-5,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[(4,4'-ジメチル-6,6'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル) フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フオスフェート] 、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート] 、アルミニウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート]およびアルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル) フォスフェート]、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-エチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-i-プロピルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-オクチルフェニル)フォスフェート、カリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、マグネシウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アルミニウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェートや、商品名アデカスタブNA−21およびこれらの組合せを例示することができる。これらのうちではナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-ビス(4-t-ブチルフェニル)フォスフェート、アデカスタブNA−21が好ましい。
ジベンジリデンソルビトール類としては例えば、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(2',4'-ジメチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2-4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデンソルビトールおよび1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せを例示することができる。これらのうちでは、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトールおよびこれらの組合せが好ましい。
結晶核剤の添加量としては前記プロピレン系重合体(A)とエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)およびエチレン系重合体(C)からなる樹脂組成物100重量部に対し、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.02〜1重量部、さらに好ましくは0.03〜0.5重量部である。
本発明においては、本発明の樹脂組成物としての性能を損なわない範囲で、必要に応じて酸化防止剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤の添加物を含んでいてもよい。
また、前記各成分および必要に応じて各種添加剤を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸ないしは二軸の押出機を用いてペレット状として後述のブロー成形に使用することも可能であるが、前記成分をブレンドした状態でブロー成形機に供することも可能である。
ブロー成形体
本発明の樹脂組成物からブロー成形することによって、ブロー成形体を製造することができる。ブロー成形法としてはポリプロピレンに採用される従来公知の成形法であれば、制限なく利用できる。具体的には、単層ブロー、多層ブローの他、射出延伸ブロー成形も採用することができる。
本発明のブロー成形体を多層ブロー成形体とし、食品や医療品等の容器として使用する場合、内容物の保護を目的に、酸素等に対するバリヤー性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド等と積層することができる。この際、不飽和カルボン酸グラフトポリオレフィンのような変性ポリオレフィンを接着性樹脂として用いると、隣接層を強固に接合することができる。
次に実施例によって本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例1]
(樹脂組成物の製造)
スクリュー径40mmφの単軸押出機に、プロピレン−エチレンランダム共重合体(融点140℃、MFR(230℃)1.5g/10分)85重量%、エチレン・1−ブテン共重合体(密度0.885g/cm、MFR(190℃)2.0g/10分、1−ブテン含量11モル%、融点66℃)7.5重量%、エチレン・1−ヘキセン共重合体(密度0.913g/cm、MFR(190℃)3.6g/10分)7.5重量%、およびこれら樹脂合計100重量部に対しアデカスタブNA−21を0.2重量部を導入し、230℃で造粒することにより樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を使用し、200℃で熱プレスすることにより、厚み3mmのシートを得た。得られたシートの物性を表−1に示す。
(ブロー成形体の製造)
スクリュー径50mmφの押出機を兼ね備えた単層ブロー成形機に、上記得られた樹脂組成物を使用して、パリソン温度190℃、金型温度25℃内容積500ml、目付け量30gのブロー成形体を得た。得られた成形体の評価結果を表1に示す。
引張試験 : JIS K7113−2に準拠して測定した。
ヘイズ:ASTM D1003に準じて測定した。
アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準じて測定した。
耐熱性:成形体サンプルを85℃のオーブン中に10分間入れ、オーブンから
取り出した直後の白濁具合を観察し、白濁のないものを○、白濁が
著しいものを×とした。
[比較例1、2]
表−1記載樹脂組成物を使用とした以外は、実施例1と同様にしてブロー成形体の評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例2]
表−1記載樹脂組成物を使用とした以外は、実施例1と同様にしてブロー成形体の評価を行った。結果を表1に示す。
























Figure 2005232337


PP−1:プロピレン−エチレンランダム共重合体
融点140℃、MFR(230℃)1.5g/10分
PP−2:プロピレン−エチレンランダム共重合体
融点142℃、MFR(230℃)0.5g/10分
EBR−1:エチレン・1−ブテン共重合体
密度0.885g/cm
MFR(190℃)2.0g/10分、
1−ブテン含量11モル%、
融点66℃
EBR−2:エチレン・1−ブテン共重合体
密度0.885g/cm
MFR(190℃)0.5g/10分、
1−ブテン含量11モル%、
融点64℃
PE−1:エチレン・1−ヘキセン共重合体
密度0.913g/cm、MFR(190℃)3.6g/10分、
PE−2:エチレン・1−ブテン共重合体
密度0.918g/cm、MFR(190℃)1.0g/10分、
核剤―1:アデカスタブNA−21
核剤−2:1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール
表1に示した結果から明らかなように、本発明のブロー成形体は、透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性に優れる。
本発明のブロー成形用樹脂組成物は、それから得られる成形体が透明性、耐衝撃性、剛性および耐熱性に優れており、食品充填用容器に好適に使用できる。

Claims (2)

  1. メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.1〜50(g/10分)、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が120〜160℃であるプロピレン系重合体(A)60〜98重量%、
    メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.850〜0.895(g/cm)未満であり、かつ示差走査熱量分析(DSC)で求められる融点が90℃未満であるエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B)1〜20重量%、および
    メルトフローレート(MFR、ASTM D1238、190℃、2.16kg荷重)が0.1〜50(g/10分)、密度(ASTM D1505)が0.900〜0.960(g/cm)のエチレン系重合体(C)1〜20重量%
    から形成されるブロー成形用樹脂組成物。
  2. 請求項1記載のブロー成形用樹脂組成物を少なくとも1層として用いることを特徴とするブロー成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014084389A (ja) * 2012-10-23 2014-05-12 Toyo Seikan Kaisha Ltd ポリプロピレン系樹脂組成物及びそれを用いた包装容器
JP2019000836A (ja) * 2017-06-20 2019-01-10 名古屋油化株式会社 マスキング材、マスキング材の製造方法

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