JP2005232192A - 医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キク科植物から抽出単離された化合物を有効成分とする抗急性骨髄性白血病剤を提案する。
【解決手段】 下記の一般式(I):
において、RおよびRが水酸基を示す化合物、Rが水素原子を示しRが水酸基を示す化合物、Rが水素原子を示しRがメトキシ基を示す化合物を含んでなる薬剤により達成される。
【化1】
Figure 2005232192

【選択図】 なし

Description

本発明は、新規化合物、特に、キク科植物またはアカバナ科チョウジタデ属植物から抽出単離された新規化合物およびその用途に関する。また、本発明はキク科植物またはアカバナ科チョウジタデ属植物から抽出単離された既知物質の医薬用途に関する。
キク科植物またはアカバナ科チョウジタデ属植物、特に、ニトベギクは、皮膚病(水虫病)、肝炎、黄疸、膀胱炎を抑制する等の薬理効果を有するものとして知られている。例えば、特許第2609780号公報(特許文献1)および特願平8−127538号公報(特許文献2)によれば、ニトベギクを煎じたものまたはその抽出エキスを用いた糖尿病治療薬が提案されている。
また、ニトベギク抽出物から単離された化合物と同一の化合物が文献に開示されている。例えば、Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemical Including Medicinal Chemistry, 14B, 259 - 262 (1976)(非特許文献1)、Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemical Including Medicinal Chemistry, 15B, 208 - 211 (1977)(非特許文献2)、Schuster A, et al. Phytochemistry, 31, 3139 - 3141 (1992)(非特許文献3)には、これらの文献順に、下記の一般式(I)で表される化合物:
Figure 2005232192
において、RおよびRが水酸基を示す化合物(以下、「TD−7」という)、R が水素原子を示しRが水酸基を示す化合物(以下、「TD−9」という)、Rが水素原子を示しRがメトキシ基を示す化合物(以下、「TD−10」という)が開示されている。
Paulo Sergio Pereira, et al. Phytochemistry, 45, 1445-1448 (1997)(非特許文献4)、C. Zdero et al. Phytochemistry, 26, 1999 - 2006 (1987)(非特許文献5)には、下記の一般式(II)で表される化合物:
Figure 2005232192
において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物(以下、「TD−1」という)、Rがメトキシ基を示しRが水酸基を示す化合物(以下、「TD−4」という)が開示されている。
Baruah Nabin C., et al. Journal of Organic Chemistry, 44, 1831 - 1835 (1979)(非特許文献6)には、下記の一般式(IV):
Figure 2005232192
で表される化合物(以下、「TD−2」という)が開示されている。
Baruah Nabin C., et al. Journal of Organic Chemistry, 44, 1831 - 1835 (1979)(非特許文献7)には、下記の一般式(V):
Figure 2005232192
で表される化合物(以下、「TD−8」という)が開示されている。
Antonia G. Gonzalez, et al, Journal of Natural Products, 57, 400 - 402 (1994)(非特許文献8)では、(4S,5R)−4−hydroxy−4−[(1E,3R)−3−hydroxy−1−butenyl]−3,3,5−trimethyl−cyclohexanone)が開示されている。
一方、Raghwendra Pal., et al. Journal of Phamaceutical Science, 65, 918 - 920 (1976)(非特許文献9)では、ニトベギクの抽出液からタギチニン(Tagitinin)A〜Fが単離されたとの報告、およびこれら化合物中で、タギチニンFのみがP388マウス白血病を腹腔内移植したマウスに対して延命効果を与えたとの報告がなされている。ここで、タギチニンAはTD−7に、タギチニンCはTD−2に、タギチニンDはTD−9に、タギチニンEはTD−8にそれぞれ相当するものであるが、タギチニンFは本願発明におけるTD−1〜10に相当するものではない。
また、Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry, 15B, 208-211 (1977)(非特許文献10)には、下記の一般式(VI):
Figure 2005232192
で表される化合物(以下、「TD−11」という)が開示されている。
Isao Agata, et al. Yakugaku zasshi, 101, 1067-1071 (1981)(非特許文献11)には、下記の一般式(VII):
Figure 2005232192
で表される化合物(以下、「TD−12」という)が開示されている。
S. Shibata, et al. Yakugaku Zasshi, 80, 620-624 (1960)(非特許文献12)には、下記の一般式(VIII):
Figure 2005232192
で表される化合物(以下、「TD−13」という)が開示されている。
Christa Zdero, et al. Phytochemistry, 26, 1999-2006 (1987)(非特許文献13)には、下記の一般式(IX):
Figure 2005232192
で表される化合物(以下、「TD−14」という)が開示されている。
しかしながら、キク科植物またはアカバナ科チョウジタデ属植物中には未知化合物が存在しており、これら化合物の同定が切望されている。また、これら植物から抽出単離された既知、未知の化合物の新たな用途(薬理効果等)についても解明することが急務とされている。
特許2609780号公報 特願平8−127538号公報 Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemical Including Medicinal Chemistry, 14B, 259 - 262 (1976)。 Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemical Including Medicinal Chemistry, 15B, 208 - 211 (1977)。 Schuster A, et al. Phytochemistry, 31, 3139 - 3141 (1992)。 Paulo Sergio Pereira, et al. Phytochemistry, 45, 1445 - 1448 (1997)。 C. Zdero et al. Phytochemistry, 26, 1999 - 2006 (1987)。 Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemical Including Medicinal Chemistry, 15B, 208 - 211 (1977)。 Baruah Nabin C, et al. Journal of Organic Chemistry, 44, 1831 - 1835 (1979)。 Antonia G. Gonzalez, et al, Journal of Natural Products, 57, 400 - 402 (1994) Raghwendra Pal, et al. Journal of Phamaceutical Science, 65, 918 - 920 (1976)。 Raghwendra Pal, et al. Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry, 15B, 208-211 (1977) Isao Agata, et al. Yakugaku zasshi, 101, 1067-1071 (1981) S. Shibata, et al. Yakugaku Zasshi, 80, 620-624 (1960) Christa Zdero, et al. Phytochemistry, 26, 1999-2006 (1987)
発明の概要
本発明者等は、今般、抗癌作用を有する新規化合物と、既知化合物が特定の癌細胞に対して抗癌作用を有することを見出した。本発明はかかる知見によるものである。従って、本発明は、新規化合物と、特定の癌に対して抗癌性を有する既知化合物の医薬用途を提供するものである。
本発明の第一の態様
本発明の第一の態様によれば、新規化合物を提供でき、その化合物は下記の一般式で表されるものである。
下記の一般式(I):
Figure 2005232192
[上記式中、Rは水酸基を示し、Rはメトキシ基を示す]
で表される化合物(以下、「TD−3」という)。
下記の一般式(II):
Figure 2005232192
[上記式中、Rは水酸基を示し、Rはメトキシ基を示す]
で表される化合物(以下、「TD−6」という)。
下記の一般式(III):
Figure 2005232192
[上記式中、3−ヒドロキシ−1−ブテニル基の3−ヒドロキシ基が3S立体配座とされてなるものである]
で表される、化合物(以下、「TD−5」という)。
本発明の第二の態様
本発明の第二の態様によれば、既知である下記の一般式で表される化合物の一種または二種以上を含んでなる抗急性骨髄性白血病剤を提供することができる。
上記した一般式(I)において、RおよびRが水酸基を示す化合物(TD−7)、Rが水素原子を示しRが水酸基を示す化合物(TD−9)、Rが水素原子を示しRがメトキシ基を示す化合物(TD−10)、
上記した一般式(II)において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物(TD−1)、Rがメトキシ基を示しRが水酸基を示す化合物(TD−4)、
下記の一般式(IV):
Figure 2005232192
で表される化合物(TD−2)、および
下記の一般式(V):
Figure 2005232192
で表される化合物(TD−8)。
本発明の第三の態様
本発明の第三の態様によれば、上記一般式(II)において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物(TD−1)を有効成分とする、抗卵巣癌剤または抗前立腺癌剤を提供することができる。また、本発明にあっては、卵巣癌または前立腺癌の治療に使用される、抗卵巣癌剤または抗前立腺癌剤が提供される。
本発明の第四の態様
本発明の第四の態様によれば、TD−1〜TD−14を単離する方法が提案される。
本発明の第一の態様
本発明の第一の態様で提供する新規化合物は、上記一般式(I)において、式中、R が水酸基を示しRがメトキシ基を示す化合物(TD−3)、上記一般式(II)において、式中、Rが水酸基を示しRがメトキシ基を示す化合物(TD−6)、上記一般式(III)で表される化合物(TD−5)である。
TD−5は、非特許文献8に記載された化合物と立体配座が異なる異性体化合物であり、具体的には、3−ヒドロキシ−1−ブテニル基のヒドロキシ基が3S立体配座とされてなる新規化合物である。
新規化合物の用途
本発明による新規化合物TD−3、TD−5およびTD−6は、免疫力の向上、新陳代謝機能の活性化、病原菌に対する減殺および殺菌作用、過剰な炎症またはアレルギーの抑制効果、生活習慣病(糖尿病等)、免疫疾患の抑制および治癒等を付与する有効成分としての用途が考えられる。これら新規化合物の中でも、「TD−3」および「TD−6」は抗癌性が認められ、好ましくは白血病(より好ましくは急性骨髄性白血病)に抗癌性が認められる。従って、新規化合物の「TD−3」および「TD−6」は抗癌剤の有効成分とされ、この抗癌剤は癌治療に使用することができる。
新規化合物の「TD−3」および「TD−6」の化合物を癌療用の抗癌剤として使用するには、種々の投与形態に合わせて、これらの新規化合物を公知の医薬品用担体と組合せて製剤化することが可能である。例えば、皮下注射、静脈内注射、筋肉内注射、座薬などによる非経口投与、または錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤などによる経口投与の全身投与のほか、軟膏剤、ローション剤、座薬、エアゾール剤などの局所投与の形態を例示することができる。
投与量は、動物および人の年齢、体重、症状に合わせて適宜定めることができる。
本発明の第二の態様
本発明の第二の態様によれば、既知化合物の一種または二種以上を含んでなる抗急性骨髄性白血病剤を提供することができる。先に説明した通り、「TD−1」、「TD−2」、「TD−4」、「TD−7」、「TD−8」、「TD−9」、「TD−10」は既知化合物である。これらの既知化合物は、動物または人(好ましい)の急性骨髄性白血病に対して優れた抑制および治療効果があることが今回の実験結果により明らかになったものである。従って、これらTD化合物はこれらを有効成分として含む抗急性骨髄性白血病剤として利用することができる。医薬品としての薬剤および投与形態等は本発明の第一の態様で説明したのと同様であってよい。
本発明の第三の態様
本発明の第三の態様によれば、既知化合物「TD−1」を有効成分とする、抗卵巣癌剤または抗前立腺癌剤を提供することができる。TD−1は、動物または人(好ましい)の卵巣癌または前立腺癌に対して優れた抑制および治療効果があることが追加の実験結果により明らかになったものである。従って、TD−1はこれを有効成分として含む抗卵巣癌または抗前立腺癌剤として利用することができる。医薬品としての薬剤および投与形態等は本発明の第一の態様で説明したのと同様であってよい。
本発明の第四の態様
1)TD−1〜10を含んでなる組成物の製造方法(抽出方法)
本発明によれば、TD−1〜10を含んでなる組成物を得る方法を提案することができ、その方法は、TD−1〜10を含んでなる原料を用意し、
必要に応じて加熱下において、前記原料を溶媒で抽出し、
前記抽出物をイオン交換クロマトグラフィーに供給し、第1の低級アルコールと、第2の低級アルコールと、必要に応じて低級エステルとをこれらの順により溶媒抽出し、
前記第2の低級アルコール画分中に、TD−1〜10を含んでなる組成物を得ることを含んでなるものである。
原料
原料は、TD−1〜10(およびTD−11〜14)を有意量含んでなるものであればいずれのものであってよいが、好ましくはキク科植物またはアカバナ科チョウジタデ属植物が挙げられる。
キク科植物の好ましい具体例としてはニトベギク〔(ティソニア・ディベルシフォリア(ヘムスル)エー、グレイ:「Tithonia diversifolia(Hemsl)A,Gray」、(同族としてティソニア・フラティコサ・キャンバイ・アンド・ローズ:「Tithonia fruticosaCanby & Rose」)、(ティソニア・スカベリマア・ベンス:「Tithonia scaberrima Benth」)、(ティソニア・ロンゲラデイアタ(バートル)ブレイク:「Tithonia longeradiata(Bertol)Blake」)〕等の約10種類のもの、また、メキシコヒマワリ〔学名はティソニア・ロタンディフォリア(ミル)ブレイク:「Tithonia rotundifolia(Mill)Blake〕)が挙げられる。
アカバナ科チョウジタデ属の植物の好ましい具体例としては、キダチキンバイ〔(ラドウィギア・オクトバルビス・ラーベン:「Ludwigia octovalvis Raven」)、チョウジタデ(ラドウィギア・プロストラータ・ロックス:「Ludwigia prostrataRoxb」)〕が挙げられる。
抽出手法
TD−1〜10を含んでなる原料を抽出する際に使用する溶媒の具体例としては、炭素数1〜5の低級アルコール、好ましくはエタノールを使用する。
また、第1の低級アルコールと、第2の低級アルコールとは同一または異なるものであってよいが好ましくは別のものがよい。第1の低級アルコールと第2の低級アルコールとは炭素数1〜6、好ましくは1〜3のものを挙げることができる。本発明にあっては、第1の低級アルコールがメタノールであり、第2の低級アルコールがエタノールである組合せが好ましくは挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、このイオン交換クロマトグラフィーの抽出を迅速に行うために、第二の低級アルコールをカラム内に入れた後に、低級エステルを抽出溶媒として用いることが好ましい。溶媒抽出において、加熱してもよく、その加熱温度は−20℃以上100℃以下、好ましくは上限が80℃以下であり、下限が1℃以上である。
使用するイオン交換クロマトグラフィーはカラムにイオン交換物質(好ましくは多孔質イオン交換樹脂:例えば、三菱化学株式会社製「ダイヤイオンHP−20」)を充填したものが挙げられる。
溶媒抽出後、この溶媒を蒸発し濃縮させて抽出物としてTD−1〜10の化合物を含んでなる組成物とすることが好ましい。
1−1)TD−1〜10の単離
本発明によれば、TD−1〜10の化合物を単離する方法を提案することができ、その方法は、TD−1〜10を含んでなる組成物を用意し、
前記組成物をクロマトグラフィーで分離することを複数回繰り返すことにより、
TD−1〜10の化合物を得るものである。
本発明の好ましい態様によれば、TD−1〜10を含んでなる組成物は先に説明したTD−1〜10を含んでなる組成物の製造方法で得たものを利用することが好ましい。分離溶媒は、水、アセトン、クロロホルム、炭素数5以下の低級アルコール、炭素数5以下の低級エステル、およびこれらの混合溶媒を使用することができる。使用するクロマトグラフィーは順相、逆相のものであってよく、充填剤として多孔質物質(好ましくはシリカゲル)を使用してよい。さらに、(高速)液体クロマトグラフィーを使用することができる。本発明にあっては、これらクロマトグラフィーの組合せによって、TD化合物を単離することが好ましい。
本発明によるTD−1〜10の化合物を単離する方法の具体例は、下記の方法が挙げられる。従って、カラム充填剤、クロマトグラフィー、抽出溶媒等は先のTD化合物の単離方法で説明したのと同様であってよい。
1−2)TD−1〜10を含む組成物の分画
本発明によれば、TD−1〜10を含む組成物からTD−1〜8を含む第1の組成物と、TD−9および10を含む第2の組成物それぞれに分離する方法を提供することができ、その方法は、TD−1〜10を含んでなる組成物を順相カラムクロマトグラフィー、次いで逆相カラムクロマトグラフィーで分離し、TD−1〜8を含む第1の組成物と、TD−9および10を含む第2の組成物の二種に分離するものである。
本発明によれば、TD−1〜8を含む第1の組成物と、TD−9および10を含む第2の組成物から、TD−1〜10をそれぞれ単離する方法が提供される。具体的には以下の通りである。
1−3)TD−1、2、4および5の単離
TD−1〜8を含む第1の組成物を順相または逆相の(シリカゲル)カラムクロマトグラフィーを繰り返し行い、さらに(高速)液体クロマトグラフィーを行うことで、TD−1、TD−2、TD−4、TD−5をそれぞれ単離することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、TD−1〜8を含む第1の組成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムを装着した高速液体クロマトグラフィーにより、順次分離精製することにより、TD−1、TD−2、TD−4、TD−5をそれぞれ単離することができる。
1−4)TD−3および7の単離
TD−1〜8を含む第1の組成物を順相または逆相のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し行い、TD−3および7をそれぞれ単離することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、TD−1〜8を含む第1の組成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、順次分離精製することにより、TD−3およびTD−7をそれぞれ単離することができる。
1−5)TD−6および8の単離
TD−1〜8を含む第1の組成物を順相または逆相のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し行い、TD−6および8をそれぞれ単離することができる。
本発明のより好ましい態様によれば、TD−1〜8を含む第1の組成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、順次分離精製することにより、TD−6およびTD−8をそれぞれ単離することができる。
1−6)TD−9および10の単離
TD−9および10を含んでなる第2の組成物を順相または逆相のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し行い、TD−9および10をそれぞれ単離することができる。本発明のより好ましい態様によれば、TD−9および10を含んでなる第2の組成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより順次精製することにより、TD−9およびTD−10をそれぞれ単離することができる。
2)TD−11〜14を含んでなる組成物の製造方法(抽出)
TD−11〜14を含んでなる組成物の製造方法は、1)TD−1〜10を含んでなる組成物の製造方法(抽出方法)の項で説明したのと同様であって良い。よって、この1)の項で説明した原料および抽出方法はTD−11〜14を含んでなる組成物の製造方法においても同様であってよい。また、この製造方法により、TD−11〜14はTD−1〜10と混合された組成物として得られるものであってよい。
2−1)TD−11〜14の単離
本発明によれば、TD−11〜14の化合物を単離する方法を提案することができ、その方法は、TD−11〜14を含んでなる組成物を用意し、
前記組成物をクロマトグラフィーで分離することを複数回繰り返すことにより、
TD−11〜14の化合物を得るものである。
本発明にあっては、TD−11〜14の単離はTD−1〜10の単離で説明したのと同様であって良い。また、この単離により、TD−11〜14はTD−1〜10と混合された組成物として得られるものであってよい。
2−2)TD−11〜14を含む組成物の分画
本発明によれば、TD−11〜14を含む組成物からTD−11とTD−14を含む第3の組成物と、TD−12およびTD−13を含む第4の組成物それぞれに分離する方法を提供することができる。その方法は、TD−11〜14を含んでなる組成物を順相カラムクロマトグラフィー、次いで逆相カラムクロマトグラフィーで分離し、TD−11と14を含む第3の組成物と、TD−12および13を含む第4の組成物に分離するものである。
本発明の好ましい態様によれば、TD−1〜TD−14を含む組成物を用いて第1の組成物〜第4の組成物を得る方法が提案される。この方法は、1−2)TD−1〜10を含む組成物の分画と、2−2)TD−11〜14を含む組成物の分画と同様の手法で行うことができる。具体的には、TD−1〜TD−14を含んでなる組成物を順相カラムクロマトグラフィー、次いで逆相カラムクロマトグラフィーで分離することにより、TD−1〜8を含む第1の組成物と、TD−9および10を含む第2の組成物と、TD−11とTD−14を含む第3の組成物と、TD−12およびTD−13を含む第4の組成物をそれぞれ分離することができる。本発明の好ましい態様によれば、これら第1の組成物〜第4の組成物を用いて、上記または後記する方法を用いて、TD−1〜TD−14をそれぞれ単離することができる。
2−3)TD−11および14の単離
TD−11および14を含んでなる第3の組成物を順相または逆相のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し行い、TD−11および14をそれぞれ単離することができる。本発明のより好ましい態様によれば、TD−11および14を含んでなる第3の組成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、順次分離精製することにより、TD−11およびTD−14をそれぞれ単離することができる。
2−4)TD−12および13の単離
TD−12および13を含んでなる第4の組成物を順相または逆相のシリカゲルカラムクロマトグラフィーを繰り返し行い、TD−12および13をそれぞれ単離することができる。本発明のより好ましい態様によれば、TD−12および13を含んでなる第4の組成物を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより順次精製することにより、TD−12および13をそれぞれ単離することができる。
実施例
TD−1〜14の化合物の抽出および分画
ニトベギク(ティソニア・ディベルシフォリア(ヘムスル)エー、グレイ)の地上部分を乾燥した粉末3.0kgを80%エタノール45リットルで65℃、2時間加熱抽出後、濾過し不純物を取り除いた後に溶媒を除去し濃縮エキスとした。
この濃縮エキス(320g)をイオン交換カラムクロマトグラフィー(イオン交換剤:ダイヤイオンHP−20)に充填した。次に、第1のアルコール溶媒(メタノール:水の比率が50%以上)を流し、次に、第2のアルコール溶媒(80%エタノール)45リットルを流し、最後に低級エステルである酢酸エチルを流して、65℃、2時間加温抽出し、第2のアルコール画分を得た。この第2のアルコール画分を濾過し不純物を除去した後に第2のアルコール溶媒を蒸発させて濃縮した抽出物を得た。
次に、この抽出物(320g)を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとメタノールの比率が9:1の溶媒)、次いで逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(充填剤:ODSシリカゲル、メタノールと水の比率が1:1の溶媒)に付し、2−1画分(TD−1〜8を含有)、2−2画分(TD−11および14を含有)、2−3画分(TD−9および10を含有)、2−4画分(TD−12および13を含有)のそれぞれを得た。順相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいては固定相であるシリカゲルへの吸着力の差により、逆相ODSシリカゲルカラムクロマトグラフィーにおいては、オクタデシル基でシリカゲル表面を置換したものを充填剤として使用し、それにより固定相(ODSシリカゲル)と移動相(溶媒)への分配作用を利用して、上記4つの画分を分離した。
2−1画分〜2−4画分のそれぞれについて下記の処理を行い、各TD化合物を単離した。
2−1画分/TD−1、2、4および5の単離
2−1画分の一部を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとアセトンとの比率が9:1、49:1の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリルと水との比率が2:3の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノールと水との比率が11:9の溶媒)、逆相シリカゲルカラムを装着した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(メタノールと水との比率が7:3、3:2の溶媒)により、順次精製することにより、TD−1(28.0mg)、TD−2(14.0mg)、TD−4(35.3mg)、TD−5(13.0mg)を単離した。
2−1画分/TD−3および7の単離
2−1画分の一部を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとアセトンとの比率が49:1の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノールと水との比率が11:9の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリルと水との比率が1:2の溶媒)により順次精製することにより、TD−3(56.2mg)およびTD−7(50.0mg)を単離した。
2−1画分/TD−6および8の単離
2−1画分の一部を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとアセトンの比率が49:1、19:1の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノールと水との比率が3:2の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリルと水との比率が1:2の溶媒)により順次精製することにより、TD−6(14.0mg)およびTD−8(8.7mg)を単離した。
2−3画分/TD−9および10の単離
2−3画分を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとアセトンとの比率が19:1、4:1、2:1の溶媒)、順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンとアセトンとの比率が9:1、7:3の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリルと水との比率が9:1、4:1、3:1、2:1、1:1の溶媒)により順次精製することにより、TD−9(8.4mg)およびTD−10(7.8mg)を単離した。
2−2画分/TD−11および14の単離
2−2画分を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとアセトンとの比率が49:1の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノールと水の比率が1:1の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリルと水の比率が3:1,5:8,1:2の溶媒)により順次精製することにより、TD−11(67.9mg)およびTD−14(8.7mg)を単離した。
2−4画分/TD−12および13の単離
2−4画分を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルムとアセトンとの比率が4:1,3:2の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノールと水の比率が1:1の溶媒)、逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィー(アセトニトリルと水の比率が1:2,1:1,2:1の溶媒)により順次精製することにより、TD−12(18.8mg)およびTD−13(60.8mg)を単離した。
TD−1〜14の構造決定
上記で得られたTD−1〜TD−14の構造を決定した。
(1)新規化合物の構造決定
新規化合物質であるTD−3、TD−5およびTD−6は下記のスペクトルデータ等により構造を決定した。
TD−3(C 20 30
(1S,3R,4S,6R,7S,8R,10R)−1−hydroxy−3−methoxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−11(13)−en−6,12−olide
1)性状:白色粉末 [α]D 26 -102度 (メタノール)
2)HR-ESI-MS m/z: 383.2058 (Calcd for C20H31O7, 383.2070)
3)UV (メタノール)λmax (log ε): 216 (log ε = 3.81)
4)IR (film) cm-1:3446, 2972, 2933, 1761, 1736, 1460, 1317, 1261, 1194, 1155, 1072, 1007, 984.
5)1H-NMR (重クロロホルム) ppm: 6.19 (1H, d, J=3.4 Hz, H-13a), 5.54 (1H, ddd, J=11.4, 5.3, 2.6 Hz, H-8), 5.47 (1H, d, J=2.9 Hz, H-13b), 4.46 (1H, ddd, J=10.6, 6.9, 1.1 Hz, H-6), 4.06 (1H, dd, J=9.5, 8.6 Hz, H-1), 3.92 (1H, m, H-7), 3.10 (3H, s, OMe), 2.49 (1H, dd, J=14.5, 9.5 Hz, H-2b), 2.37 (1H, m, H-2'), 2.06 (1H, m, H-5b), 1.99 (1H, m, H-4), 1.97 (1H, dd, J=14.5, 5.4 Hz, H-9a), 1.81 (1H, dd, J=14.5, 8.6 Hz, H-2a), 1.72 (1H, br d, J=13.3 Hz, H-5a), 1.63 (1H, dd, J=14.5, 11.4 Hz, H-9b), 1.37 (3H, s, Me-14), 1.01 and 0.99 (each 3H, d, J=7.0 Hz, Me-3' and Me-4'), 0.99 (3H, d, J=7.0 Hz, Me-15).
6)13C-NMR (重クロロホルム) ppm:79.7 (C-1), 41.7 (C-2), 108.8 (C-3), 46.4 (C-4), 38.2 (C-5), 82.3 (C-6), 48.2 (C-7), 70.2 (C-8), 35.1 (C-9), 81.3 (C-10), 137.7 (C-11), 169.8 (C-12), 121.7 (C-13), 24.1 (C-14), 18.3 (C-15), 176.7 (C-1'), 34.5 (C-2'), 19.1 (C-3' or C-4’), 19.6 (C-3’and C-4'), 49.2 (OMe).
TD−5(C 13 22 3
(4S,5R)−4−hydroxy−4−[(1E,3S)−3−hydroxy−1−butenyl]−3,3,5−trimethyl−cyclohexanone)
1)性状:白色粉末 [α]D 26 -8度 (メタノール)
2)HR-ESI-MS m/z: 227.1050 (Calcd for C13H22O3, 227.1647)
3)IR (film) cm-1: 3415, 2968, 11900, 2877, 1695, 1454, 1412, 1369, 1286, 1140, 1061, 1030, 977, 939.
4)1H-NMR (重クロロホルム) ppm: 2.77 (1H, d, J=13.6 Hz, H-2ax), 1.84 (1H, dd, J=13.6, 2.2 Hz, H-2ax), 2.35 (1H, t-like, J=12.9 Hz, H-4ax), 2.13 (1H, ddd, J=13.6, 4.5, 2.2 Hz, H-4eq), 2.19 (1H, ddq, J=12.9, 6.5, 4.5 Hz, H-5), 5.63 (1H, dd, J=15.8, 0.8 Hz, H-7), 5.77 (1H, dd, J=15.8, 5.7 Hz, H-8), 4.36 (1H, ddd, J=6.4, 5.7, 0.8 Hz, H-9), 1.25 (3H, d, J=6.4 Hz, Me-10), 0.87 (3H, s, Me-11), 0.90 (3H, s, Me-12), 0.81 (3H, d, J=6.5 Hz, Me-13).
5)13C-NMR (重クロロホルム) ppm: 42.5 (C-1), 51.4 (C-2), 211.4 (C-3), 45.1 (C-4), 36.4 (C-5), 77.0 (C-6), 131.8 (C-7), 135.2 (C-8), 68.3 (C-9), 23.9 (C-10), 24.5 (C-11), 24.4 (C-12), 15.9 (C-13).
TD−6(C 20 28
(1S,3R,6R,7R,8R,10R)−1−hydroxy−3−methoxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−4,11(13)−dien−6,12−olide
1)性状:白色粉末 [α]D 26 -110度 (メタノール)
2)HR-ESI-MS m/z: 381.1947 (Calcd for C20H29O7, 381.1913)
3)UV (メタノール) λmax (log ε):213 (log ε= 3.88)
4)IR (film) cm-1: 3421, 2972, 1763, 1732, 1587, 1282, 1186, 1111, 1064, 991
5)1H-NMR (重クロロホルム) ppm: 6.20 (1H, d, J=2.8 Hz, H-13a), 5.66 (1H, m, H-5), 5.59 (1H, ddd, J=11.2, 5.0, 4.6 Hz, H-8), 5.55 (1H, d, J=2.3 Hz, H-13b), 5.20 (1H, m, H-6), 4.16 (1H, m, H-7), 3.77 (1H, dd, J=11.1, 3.9 Hz, H-1), 3.11 (3H, s, OMe), 2.91 (1H, br d, J=11.3 Hz, H-2b), 2.34 (1H, m, H-2'), 2.31 (1H, m, H-2a), 1.82 (1H, dd, J=14.1, 5.0 Hz, H-9a), 1.70 (3H, t-like, J=1.8 Hz, Me-15), 1.66 (1H, dd, J=14.1, 11.2 Hz, H-9b), 1.44 (3H, s, Me-14), 1.00 (3H, d, J=7.1 Hz, Me-3' or Me-4'), 0.97 (3H, d, J=7.2 Hz, Me-3' or Me-4').
6)13C-NMR (重クロロホルム) ppm: 77.1 (C-1), 45.2 (C-2), 109.7 (C-3), 138.4 C-4), 131.2 (C-5), 75.8 (C-6), 49.6 (C-7), 71.2 (C-8), 39.7 (C-9), 87.5 (C-10), 136.2 (C-11), 169.5 (C-12), 122.7 (C-13), 20.8 (C-14), 21.6 (C-15), 175.9 (C-1'), 334.0 (C-2'), 18.6 (C-3' or C-4'), 19.0 (C-3' or C-4'), 50.1 (OMe).
(2)既知化合物の構造決定
A)TD−1、TD−2、TD−4、TD−7、TD−8、TD−9、TD−10は既知化合物であり、各種スペクトルデータを上記した非特許文献1〜13の記載内容に基づいてこれらの構造を決定した。具体的には下記の通りであった。
TD−1
(1R,3R,6R,7R,8R,10R)−1,3−dimethoxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−4,11(13)−dien−6,12−olide
TD−2
(6S,7R,8R,10R)−10−hydroxy−3−oxo−8−isobutyryloxygermacra−1,4,11(13)−trien−6,12−olide
TD−4
(1R,3R,6R,7R,8R,10R)−3−hydroxy−1−methoxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−4,11(13)−dien−6,12−olide
TD−7
(1S,3R,4S,6R,7S,8R,10R)−1,3−dihydroxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−11(13)−en−6,12−olide
TD−8
(1R,3S,6S,7R,8R,10R)−3−hydroxy−1,10−epoxy−8−isobutyrylgermacra−4, 11(13)−dien−6,12−olide
TD−9
(3R,4S,6R,7S,8R,10S)−3−hydroxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−11(13)−en−6,12−olide
TD−10
(3R,4S,6R,7S,8R,10S)−3−methoxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−11(13)−en−6,12−olide
B)TD−11〜14は既知化合物であり、各種スペクトルデータを上記した非特許文献10〜13の記載内容に基づいてこれらの構造を決定した。具体的には下記の通りであった。
TD−11(一般名:タギチニンF)
(3R,6R,7R,8R,10R)−3−hydroxy−3,10−epoxy−8−isobutyryloxygermacra−1,4,11(13)−trien−6,12−olide
TD−12(一般名:ルテオリン)
3’,4’5,7−tetrahydroxy−flavone
TD−13(一般名:ネペチン)
3’,4’,5,7−tetrahydroxy−6−methoxy−flavone
TD−14
7a,10a−dihydroxy−3−oxo−8b−isobutyryloxyguaia−11(13)−en−12,6a−olide
評価試験
評価試験1:TD−1〜10の評価試験
TD−1〜10の抗癌作用を、ヒト急性骨髄性白血病細胞株HL−60を用いた細胞毒性活性の数値により検討した。具体的には下記の通りに試験した。
FBS含有RPMI1640培地中で前培養したHL−60細胞数を1mL中4×10個となるようにFBS含有RPMI1640培地に懸濁させ、懸濁液を96−wellマイクロプレートの各wellに196mLずつ分注し、37℃、5%炭酸ガス中、24時間プレインキュベートした。 続いて、コントロールとしてEtOH−HO(1:1)、サンプルとして各TD化合物をEtOH−HO(1:1)に溶解したものを各々4mLずつ各wellに添加した。37℃、5%炭酸ガス中、72時間インキュベートした後、MTT試薬を10mLずつ各wellに添加し、さらに4時間インキュベートした。培地を除去した後、生成したMTTホルマザンを175mLDMSOに溶解させ、マイクロプレートリーダーを用いて、吸光波長550nmで検出して、コントロールに対する生細胞数を算出した。IC50値は用量−作用曲線から算出した。
TD−1〜10のIC50値(μg/mL)は下記の表1の通りであった。
表1
化合物 IC 50 値(μg/mL)
TD−1 (0.60)
TD−2 (0.38)
TD−3 (4.97)
TD−4 (0.05)
TD−6 (2.50)
TD−7 (3.87)
TD−8 (0.92)
TD−9 (2.50)
TD−10 (0.78)
評価試験2:TD−1の評価試験(抗癌性試験)
TD−1の抗癌性を調べるために、ヒト培養癌細胞パネルスクリーニング試験を行った。具体的には、ヒト培養がん細胞パネルスクリーニング試験は、「癌と化学療法(矢守隆夫),24,129−135,1997」に記載された方法に準じて、TD−1について全39種のヒト腫瘍細胞に対する50%細胞増殖抑制濃度(GI50)を測定することにより行った。その結果は下記表2に記載する通りであった。
表2
TD−1 GI 50 (μM)
全39種の癌細胞の平均値 6.8
卵巣癌細胞系
OVCAR−3 3.3
OVCAR−4 5.6
OVCAR−5 2.9
OVCAR−8 3.6
SK−OV−3 4.0
前立腺癌細胞系
DU−145 4.2
PC−3 3.3
評価結果
表2の結果の通り、TD−1は卵巣癌細胞系、前立線癌細胞系のGI50の値が全39種癌細胞のGI50の平均値より数値が低く、これらの癌細胞系に対して抗癌作用を有することが理解される。

Claims (14)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 2005232192
    において、RおよびRが水酸基を示す化合物、Rが水素原子を示しRが水酸基を示す化合物、Rが水素原子を示しRがメトキシ基を示す化合物、
    下記一般式(II):
    Figure 2005232192
    において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物、Rがメトキシ基を示しRが水酸基を示す化合物、
    下記の一般式(IV):
    Figure 2005232192
    で表される化合物、または
    下記の一般式(V):
    Figure 2005232192
    で表される化合物の一種または二種以上の化合物を有効成分とする、抗急性骨髄性白血病剤。
  2. 動物または人の急性骨髄性白血病治療に使用される、請求項1に記載の抗急性骨髄性白血病剤。
  3. 上記一般式(II)において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物を有効成分とする、抗卵巣癌剤。
  4. 動物または人の卵巣癌の治療に使用される、請求項3に記載の抗卵巣癌剤。
  5. 上記一般式(II)において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物を有効成分とする、抗前立腺癌剤。
  6. 動物または人の前立腺癌の治療に使用される、請求項5に記載の抗前立腺癌剤。
  7. 請求項1に記載された各化合物を含んでなる組成物を製造する方法であって、
    前記各化合物を含んでなる原料を用意し、
    必要に応じて加熱下において、前記原料を溶媒で抽出し、
    前記抽出物をイオン交換クロマトグラフィーに供給し、第1の低級アルコールと、第2の低級アルコールと、必要に応じて低級エステルとをこれらの順により溶媒抽出し、
    前記第2の低級アルコール画分中に、前記各化合物を含んでなる組成物を得ることを含んでなる、方法
  8. 前記原料がキク科植物またはアカバナ科チョウジタデ属植物である、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1に記載された化合物を含んでなる組成物を第1の組成物と第2の組成物とに分離する方法であって、
    前記各化合物を含んでなる組成物を用意し、
    前記組成物を順相クロマトグラフィー、次いで逆相クロマトグラフィーで分離し、第1の組成物と第2の組成物とに分離するものであり、
    第1の組成物が、上記一般式(I)においてRおよびRが水酸基を示す化合物と、
    上記一般式(II)において、RおよびRがメトキシ基を示す化合物と、Rがメトキシ基を示しRが水酸基を示す化合物と、
    上記一般式(IV)で表される化合物と、
    上記一般式(V)で表される化合物とを含んでなるものであり、
    第2の組成物が、上記一般式(I)において、Rが水素原子を示しRが水酸基を示す化合物と、Rが水素原子を示しRがメトキシ基を示す化合物とを含んでなるものである、方法。
  10. 前記組成物が請求項7または8に記載の方法で得られたものである、請求項9に記載の方法。
  11. 請求項1に記載された化合物をそれぞれ得る方法であって、
    前記各化合物を含んでなる組成物を用意し、
    前記組成物をクロマトグラフィーで分離することを複数回繰り返すことにより、前記各化合物をそれぞれ得ることを含んでなる、方法。
  12. 前記クロマトグラフィーで分離することが、順相クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーまたはこれらを組合せたものにより行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 前記組成物が請求項9または10に記載の方法で得られた第1の組成物または第2の組成物である、請求項11または12に記載の方法。
  14. 請求項12または13のいずれか一項に記載の方法で得られた、請求項1に記載された、化合物。
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