JP2005227140A - セマフォリン3bを指標とした皮膚検査方法及び発毛促進剤又は発毛抑制剤のスクリーニング方法 - Google Patents

セマフォリン3bを指標とした皮膚検査方法及び発毛促進剤又は発毛抑制剤のスクリーニング方法 Download PDF

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治郎 岸本
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Abstract

【課題】 本発明は、皮膚の発毛活性の検知方法の提供、さらには従来にない全く新規、且つ効果的な発毛促進剤及び発毛抑制剤の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明は、セマフォリン3Bを指標とした皮膚の発毛活性を検知する方法を提供する。本発明はさらに、発毛促進剤又は発毛抑制剤をスクリーニングする方法であって、セマフォリン3Bの発現及び/もしくは活性を亢進する又は阻害する薬剤を発毛促進剤又は発毛抑制剤として選定することを特徴とするスクリーニング方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セマフォリン3Bを指標とした皮膚の発毛活性について検知する検査方法、さらには発毛促進剤又は発毛抑制剤のスクリーニング方法を提供する。
毛髪は美的外観上極めて重要視される。従って、先天的又は後天的要因による脱毛は多くの人々、特に男性にとって深刻な悩みである。特に高齢化社会、ストレス社会といわれる現代社会では、頭部毛髪が様々な後天的な原因により、脱毛の危機にさらされる機会がますます多くなってきている。これに対応して、発毛や毛髪の太毛化の促進を含む育毛効果を発揮するより優れた育毛剤を提供すべく、様々な試みがなされている。一方、特に女性の場合、美的外観上、手足、腋などにおける体毛や髭などのむだ毛の処理が行われており、例えばシェーバーなどを用いる機械的除毛方法、脱毛剤を用いてむだ毛を毛根から除去する方法、除毛剤を用いてその化学的作用によりむだ毛を除去する方法などの体毛除去方法が開発、利用されている。
このように、頭髪に関しては育毛が、そして腋、手足に関しては除毛が求められる状況がある。いずれについても、毛包に関する研究をはじめ、様々な試みがなされている。しかしながら、発毛のメカニズムについては生化学・分子生物学レベルにおいて未だ解明に至っておらず、その結果、発毛活性の維持・促進に有効な薬剤を含有する発毛料・育毛料の研究・開発も模索段階にあるといえよう。発毛のメカニズムが十分に解明できれば、既存の発毛料・育毛料に比べ一層顕著な効果を奏するものの提供が可能となり得る。
Behar O et al., Nature, 1996; 383:525-528
本発明は、発毛初期に関与する因子を見出し、皮膚の発毛活性の検知方法の提供、さらには従来にない全く新規、且つ効果的な発毛促進剤及び発毛抑制剤の提供を課題とする。
本発明者は、発毛初期に誘導される遺伝子及び抑制される遺伝子の網羅的な解析を試みた。詳しくは、毛刈りを施したマウスの皮膚表面に発毛誘導剤シクロスポリンを塗布して発毛を誘導させ、発現の変動する遺伝子を調べた。その結果、予期し得ぬことに、毛包での発現や発毛との関連についての報告の全くないセマフォリン3B(「Sema3b」。他に「SemA」、「Semaa」、「sema5」、「semaV」として別表記されることもある)の発現が発毛初期において顕著に高まることがわかった。セマフォリン3Bは神経軸策ガイダンス分子として同定されている(Behar O et al., Nature, 1996; 383:525-528)。最近になって神経系分子(例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、サブスタンスPなど)の発毛や毛周期との関連が報告されており、またセマフォリン3Bはセマフォリンファミリーの中でも唯一分泌型のクラスIIIに属していることを考慮すると、セマフォリン3Bが発毛初期に誘導されることは発毛のメカニズムの解明にとって特に興味深いものである。
従って、第一の観点において、本発明は皮膚の発毛活性を検知するための皮膚検査方法を提供する。この方法は、皮膚中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚中の発現に比べて減少している場合、発毛活性が虚弱化しており、皮膚中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚中の発現に比べて亢進している場合、発毛活性が活発化している、と判断することを特徴とする。好ましくは、皮膚中のセマフォリン3Bの発現は、皮膚中のセマフォリン3Bの量を、例えばセマフォリン3Bに特異的な抗体を利用するELISA法又はRIA法で測定することにより決定される。他の好ましい態様において、皮膚中のセマフォリン3Bの発現は、皮膚から抽出されたセマフォリン3BをコードするmRNAの量を測定することにより決定される。より好ましくは、mRNAの測定はポリメラーゼ連鎖反応法、特に定量ポリメラーゼ連鎖反応法により行われる。
第二の観点において、本発明は発毛促進剤をスクリーニングする方法を提供する。この方法は、セマフォリン3Bの発現及び/又は活性を亢進する薬剤を発毛促進剤として選定することを特徴とする。好ましい態様においては、このスクリーニング方法は、上記亢進能力を有する候補薬剤をモデル動物に適用し、発毛促進効果を有する候補薬剤を選定する工程をさらに含んで成る。
第三の観点において、本発明は発毛抑制剤をスクリーニングする方法を提供する。この方法は、セマフォリン3Bの発現及び/又は活性を阻害する薬剤を発毛抑制剤として選定することを特徴。好ましい態様においては、このスクリーニング方法は、上記阻害能力を有する候補薬剤をモデル動物に適用し、発毛抑制効果を有する候補薬剤を選定する工程をさらに含んで成る。
第四の観点において、本発明は、皮膚、好ましくは頭皮などの発毛の所望される部位の皮膚中のセマフォリン3Bの発現又は活性を亢進させることにより発毛を誘導する方法を提供する。
第五の観点において、本発明は、皮膚、好ましくは除毛・脱毛の所望される部位の皮膚、例えば顔、腋、腕、足などの皮膚中のセマフォリン3Bの発現又は活性を抑制することにより発毛を抑制する方法を提供する。
本発明により、皮膚の発毛活性を検知することで、頭皮のような発毛の所望される部位では脱毛するおそれを予知し、腋、手足のような除毛の所望される部位では、多毛となるおそれを予知することが可能となる。さらに、本発明により新規の発毛促進剤や発毛抑制剤のスクリーニングが可能となる。
皮膚の発毛活性を検知するための皮膚検査方法
本発明は、皮膚の発毛活性を検知するための方法を提供する。この方法は、皮膚中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚中のそれらと減少している場合、発毛活性が虚弱化しており、発毛しにくい皮膚であると判断することを特徴とする。発毛の所望される部位、例えば頭部では一般に発毛活性の虚弱化の結果、頭部毛髪密度が薄くなるといった望ましくない結果につながるため、発毛活性の向上が望まれる。例えば頭皮の発毛活性状態を知ることで、例えば発毛しにくい状態であるとわかった場合、早めに頭皮に育毛処置を施すことで抜け毛などを未然に防ぐことができ、有利である。皮膚の発毛活性のその評価基準として、例えば皮膚細胞中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚細胞中のそれらと比べ10%以上、又は20%以上、又は30%以上、又は50%以上、又は70%以上、又は100%以上減少していたなら「発毛活性が虚弱化している」、と判断してよい。この場合のコントロール皮膚細胞としては、側頭部、後頭部など、健常に頭髪が形成される部分の皮膚細胞であってよい。
皮膚中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚中のそれらと亢進している場合、発毛活性が活発化しており、発毛し易い皮膚であると判断することを特徴とする。発毛の所望されない部位、特に女性の場合、顔、腋、手足などといったいわゆるむだ毛の気になる部分では、発毛活性の活発化の結果、体毛密度が濃くなるといった望ましくない結果につながるため、発毛活性の抑制が望まれる。その評価基準として、例えば皮膚細胞中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚細胞中のそれらと比べ10%以上、又は20%以上、又は30%以上、又は50%以上、又は70%以上、又は100%以上亢進していたなら「発毛活性が活発化している」、と判断してよい。この場合のコントロール皮膚細胞として、手のひら、足の裏など、毛包が形成されない部分の皮膚に由来の皮膚細胞であってよい。
皮膚中のセマフォリン3Bの発現は、例えば皮膚中のセマフォリン3Bの量を直接測定することにより決定することができる。好ましくは、この測定はセマフォリン3Bに特異的な抗体を利用し、当業界において周知の方法、例えば蛍光物質、色素、酵素などを利用する免疫染色法、ウェスタンブロット法、免疫測定方法、例えばELISA法、RIA法など、様々な方法により実施できる。また、皮膚からRNAを抽出し、セマフォリン3BをコードするmRNAの量を測定することにより決定することもできる。セマフォリン3Bをコードする遺伝子の塩基配列は公知であり、ジーンバンク X85990に収載され、例えば文献Neuron 14(5), 941-948 (1995)において公表されている。またヒト相当遺伝子であるセマフォリン3BはAB 083186としてジーンバンクに収載されている。マウスとヒトのセマフォリン3Bは86%の相同性を示す。mRNAの抽出、その量の測定も当業界において周知であり、例えばRNAの定量は定量ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)により行われる。他に、セマフォリン3Bの発現はin situハイブリダイゼーション法を通じて決定することができる。尚、マウスセマフォリン3BのmRNA及びアミノ酸配列を配列番号1及び2それぞれに示す。また、ヒトセマフォリン3BのmRNA及びアミノ酸配列を配列番号3及び4それぞれに示す。
上述の通り、本発明は、シクロスポリンにより発毛を誘導させた皮膚由来のRNAのマイクロアレイ解析の結果、シクロスポリン処理していないコントロール皮膚と比べ、セマフォリン3Bの発現が特異的に亢進されていることを見出したことに基づく。従って、発毛の所望される部位、例えば頭部においては、セマフォリン3Bの発現及び/又はその活性を亢進、即ち活発化させることで、発毛促進することができるものと推認される。また、発毛の所望されない部位、例えば特に女性の場合、顔、腋、手足などにおいては、セマフォリン3Bの発現及び/又はその活性を阻害することで、発毛抑制することができるものと推認される。
発毛促進剤をスクリーニングする方法
本発明はさらに、発毛促進剤をスクリーニングする方法も提供する。この方法は、候補薬剤をセマフォリン3Bの発現及び/又は活性を亢進する能力について評価し、当該能力を有する候補薬剤を発毛促進剤として選定することを特徴とする。
上記発毛促進効果について確認する工程はこの候補薬剤をモデル動物を利用して実施することができる。動物としてはマウス、ラット、ウサギなど様々な動物が利用できる。好適な態様においては、この薬剤の溶液、例えば水溶液を調製してからモデル動物の皮膚に繰り返し塗布し、発毛を評価することで、上記効果の有無を判定することができる。
発毛抑制剤をスクリーニングする方法
本発明はさらに、発毛抑制剤をスクリーニングする方法も提供する。この方法は、候補薬剤をセマフォリン3Bの発現及び/又は活性を阻害する能力について評価し、当該阻害能力を有する候補薬剤を発毛抑制剤として選定することを特徴とする。
上記発毛抑制効果について確認する工程はこの候補薬剤をモデル動物を利用して実施することができる。動物としてはマウス、ラット、ウサギなど様々な動物が利用できる。好適な態様においては、この薬剤の溶液、例えば水溶液を調製してからモデル動物の皮膚に繰り返し塗布し、脱毛を評価することで、上記効果の有無を判定することができる。
本発明は、皮膚中のセマフォリン3Bの発現又は活性を亢進させることにより発毛を誘導する方法も提供する。対象となる皮膚は、好ましくは頭皮など、発毛の所望される部位であってよい。セマフォリン3Bの発現又は活性の亢進は、例えばセマフォリン3Bの発現又は活性を亢進する薬剤、例えば上記発毛促進剤スクリーニング方法により選定された発毛促進剤、あるいは周知のセマフォリン3Bのアゴニストを皮膚細胞に適用する、例えば塗布することにより達成することができるであろう。また、セマフォリン3Bの発現又は活性の亢進は、慣用の遺伝子導入技術を介し、セマフォリン3B発現細胞によるセマフォリン3Bの発現量を増大させることによっても達成することができるであろう。
本発明はさらに、皮膚中のセマフォリン3Bの発現又は活性を阻害することにより発毛を抑制する方法を提供する。対象となる皮膚は、好ましくは除毛・脱毛の所望される部位の皮膚、例えば顔、腋、腕、足などの皮膚であってよい。セマフォリン3Bの発現又は活性の阻害は、例えばセマフォリン3Bの発現又は活性を阻害する薬剤、例えば上記発毛抑制剤スクリーニング方法により選定された発毛抑制剤、あるいは周知のセマフォリン3Bアンタゴニスト、例えばSM216289(キサントフラビン(xanthoflavin) J. Biol. Chem. 31:278:42985-91)を皮膚細胞に適用する、例えば塗布することにより達成することができるであろう。また、セマフォリン3Bの発現又は活性の阻害は、慣用の遺伝子導入技術を介し、セマフォリン3B発現細胞によるセマフォリン3Bの発現能を無能化又は減少させることによっても達成することができるであろう。
以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
実験方法
サンプルの採取
エタノール(EtOH)中の100mMのシクロスポリン(Cys−A)100μlを前日までに毛刈りしておいたC3Hマウス背部皮膚3cm四方に塗布して発毛を誘導した後、24時間後(n=3)、48時間後(n=1)、72時間後(n=1)の皮膚全層のサンプルを採取した。5mm×10mmの短冊状に切り出し、すぐに液体窒素中で凍結した。対照として、エタノールのみを塗布し、同様にしてサンプルを採取した。
RNA調整
RNAの調整にはクライプレス(マイクロテック・ニチオン社製)を使用した。詳しくは、1サンプルに4枚の皮膚断片を用いて液体窒素中で破砕し、すばやくISOGEN(ニッポンジーン社製)に入れた、以下、メーカー推奨プロトコルにて抽出を行った。さらに、Rneasy kit(Qiagen社製)のRNAクリーンアッププロトコルにて精製を行った。電気泳動により28S/18Sのp−クによりRNA分解のないことを確認した。
マイクロアレイ用サンプルの反応
マイクロアレイ解析はアフィメトリックス社ジーンチップを用いた。
アフィメトリックス社推奨プロトコルに準じて反応を行った。RNA 10μgをoligo-dT プライマー(24mer) 、100pmol(Sigma社)と共に70℃で10分間反応させてから氷上ですばやく冷やした。その後、5x第一鎖反応バッファー4μl, 0.1M DTT 2μl, 10mM dNTP ミックス 1μl, Superscript II 2μl(すべてInvitrogen社)を加えて、42℃で1時間反応させた。この反応物に、Rnase非含有水91μl, 5x第二鎖反応バッファー30μl,10mM dNTP ミックス3μl,10U/μl E.coli DNA リガーゼ1μl,10U/μl E.coli DNAポリメラーゼI4μl, 2U/μl Rnase H 1μl (すべてInvitrogen社)を加え、16℃で2時間反応させた。さらに、2μl(10U/μl)のT4 DNA ポリメラーゼ(Invitrogen社)を加え、16℃で5分間反応後、10μlの0.5M EDTAを加えて反応を止めた。Phase Lock Gels (Qiagen社)を用いクリーンアップを行い、Rnase 非含有水12μlに溶出した。得られたcDNAからin vitro 転写反応によりビオチン付加cRNAを作製し(Enzo, Farmingdale)、RNeasy(Qiagen社)により精製した。cRNAをフラグメンテーションバッファー中で94℃にて35分間分断した後、ジーンチップハイブリダイゼーションに用いた。チップ洗浄後、アフィメトリックス社スキャナーによりデーター読み取りを行った。
シクロスポリンの作用の確認(1)
本実験系においてシクロスポリンが皮膚に作用しているかどうかを確認するため、シクロスポリンで一過性にその発現が顕著に抑えられるとの報告がある血清アミロイドA3(SAA3)に注目し、SAA3の発現変化を解析した(Hartmann A et al., Nephrol. Dial. Transplant, 1997; 12:161-166)。その結果は以下の通りである。
Figure 2005227140
表中、「EtOH」はエタノールのみを塗布した皮膚の解析結果であり、「Cys−A」はシクロスポリンを塗布した皮膚の解析結果である。「Cys−A/EtOH」は[シクロスポリンを塗布した皮膚から得られた値]/[皮膚エタノールのみを塗布した皮膚から得られた値]である。
さらに、RT−PCRによってもシクロスポリン誘導24時間後のSAA3の顕著は発現減少が観測できた(データーは示さない)。
シクロスポリン誘導の24時間後で採取したサンプル1〜3全てにおいてSAA3の発現が減少した、特にサンプル2及び3における減少は顕著であった。さらに、シクロスポリンの作用は、塗布してから48時間以降は消失していることから、シクロスポリンの作用の一過性が観測された。
シクロスポリンの作用の確認(2)
次に、本実験系においてシクロスポリンで発毛が誘導されているかを検証するために、発毛初期に発現が特異的に誘導されるとの報告があるバーシカンに注目した(Kishimoto J. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 1999; 96:7366-7341)。その結果は以下のとおりである。
Figure 2005227140
表中、「EtOH」はエタノールのみを塗布した皮膚の解析結果であり、「Cys−A」はシクロスポリンを塗布した皮膚の解析結果である。「Cys−A/EtOH」は[シクロスポリンを塗布した皮膚から得られた値]/[皮膚エタノールのみを塗布した皮膚から得られた値]である。
シクロスポリン誘導24時間後ではサンプル1及び2でバーシカンの発現の顕著な亢進が観測された。亢進した発現は48時間後まで続き、72時間後には変化のない状態に戻っており、シクロスポリンによる一過性の発現亢進が観測された。これらの結果は、バーシカンのin situデーターと一致した(データーは示さない)。
以上により、本実験系においてシクロスポリンにより発毛が誘導されることが確認できた。
解析結果
2,488種の遺伝子の発現を網羅的に解析した結果、以下に示すとおり、シクロスポリンで発毛を誘導させることにより、3サンプル中2サンプルにおいてセマフォリン3Bの顕著な発現亢進が認められた。
Figure 2005227140
表中、「EtOH」はエタノールのみを塗布した皮膚の解析結果であり、「Cys−A」はシクロスポリンを塗布した皮膚の解析結果である。「Cys−A/EtOH」は[シクロスポリンを塗布した皮膚から得られた値]/[皮膚エタノールのみを塗布した皮膚から得られた値]である。
この結果から、セマフォリン3Bの発現を指標とすることで、皮膚の発毛活性が活性化状態にあるか、虚弱化状態にあるかがわかる。

Claims (10)

  1. 皮膚の発毛活性を検知するための皮膚検査方法であって、皮膚中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚中の発現に比べて減少している場合、発毛活性が虚弱化しており、皮膚中のセマフォリン3Bの発現がコントロール皮膚中の発現に比べて亢進している場合、発毛活性が活発化している、と判断することを特徴とする皮膚検査方法。
  2. 前記皮膚中のセマフォリン3Bの発現が、皮膚中のセマフォリン3Bの量を測定することにより決定される、請求項1記載の皮膚検査方法。
  3. 前記皮膚中のセマフォリン3Bの発現が、皮膚から抽出されたセマフォリン3BをコードするmRNAの量を測定することにより決定される、請求項1記載の皮膚検査方法。
  4. 前記mRNAの測定をポリメラーゼ連鎖反応法により行う、請求項3記載の皮膚検査方法。
  5. 発毛促進剤をスクリーニングする方法であって、セマフォリン3Bの発現及び/又は活性を亢進する薬剤を発毛促進剤として選定することを特徴とするスクリーニング方法。
  6. 更に、前記亢進能力を有する候補薬剤をモデル動物に適用し、発毛促進効果を有する候補薬剤を選定することを含んで成る、請求項5記載のスクリーニング方法。
  7. 発毛抑制剤をスクリーニングする方法であって、セマフォリン3Bの発現及び/又は活性を阻害する薬剤を発毛抑制剤として選定することを特徴とするスクリーニング方法。
  8. 更に、前記阻害能力を有する候補薬剤をモデル動物に適用し、発毛抑制効果を有する候補薬剤を選定することを含んで成る、請求項7記載のスクリーニング方法。
  9. 頭皮中のセマフォリン3Bの発現又は活性を亢進させることにより発毛を誘導する方法。
  10. 皮膚中のセマフォリン3Bの発現又は活性を抑制することにより発毛を抑制する方法。
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