JP2005225419A - ウォータージェット推進船の自航試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウォータージェット推進船の自航要素を求めるための水槽試験において、伴流率と推力減少率の二つの自航要素を実験解析的に求めることができるウォータージェット推進船の自航試験方法を提供する。
【解決手段】 ウォータージェット推進船の自航要素を求めるための自航試験において、前記ウォータージェット推進器の噴き出し面積を変化させた二個以上のノズルを用いて前記自航試験を行い、該自航試験によって得られた同じ船速及び同じポンプ入口流速比における計測値から、推力減少率と伴流率を未知数とした二個以上の方程式を構成し、該二個以上の方程式を連立させて解くことにより、推力減少率と伴流率を求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ウォータージェット推進船の実船の推進性能を推定するための自航試験方法に関する。
従来から、実船の推進性能を高精度で推定するために、自航試験を行って試験結果を解析することにより、個々の船型における推進効率の成分である自航要素を求めて、実船の推進馬力を推定している。
そして、プロペラ推進船の場合には、模型プロペラを装備した模型船を試験水槽に浮かべて、試験水槽に設けられた曳航電車で曳航し、模型プロペラを回転作動させながら模型船を自航させ、この時の模型船にかかる不釣り合い力、プロペラの回転数、スラスト、トルク等を計測する。そして、この計測結果を、別途実施した模型船の船体抵抗試験の結果とプロペラ単独試験の結果を用いて解析し、推力減少率(1−t)、伴流率(1−w)、プロペラ船後効率比ηr等の自航要素を求めている。
この推力減少率(1−t)は、曳航時の船体抵抗Rと自航時のプロペラ推力Tとの比(R/T)であり、伴流率(1−w)は、船後流中のプロペラ面の相対前進速度と船速の比(Va/Vs)であり、プロペラ船後効率比ηrとは、船後流中のプロペラの効率とプロペラ単独効率の比(ηb/η0)である。
また、ウォータージェット推進船においては、その推力はウォータージェット推進器の運動量の変化で与えられるため、自航要素の定義は多少異なるが、プロペラ船の場合と略同様に、推力減少率(1−t)は、曳航時の船体抵抗Rと自航時のウォータージェット推力Tとの比(R/T)とされ、伴流率(1−w)は、ウォータージェットインレットに流入するモーメンタム流速Vmと船速Vsの比(=Vm/Vs)とされる。
しかし、ウォータージェット推進船においては、実験でウォータージェット推進器の吸い込み部分の流場の流速分布を直接計測しても、水流の吸い込みの範囲を特定することができないため、モーメンタム流速Vmを得ることは困難であり、そのため、吸い込み流速の平均値と船速の比である伴流率(1−w)の正確な値を得ることができず、正確な自航要素に基づく実船の推進馬力の推定ができないという問題がある。
つまり、従来技術では、ウォータージェット推進船の推進効率の一部を構成する伴流率と推力減少率の二つの自航要素を求めるための水槽試験において、これらの二つの自航要素を実験で求めるのではなく、伴流率(1−w)については、吸い込み部分(吸込み流管)の範囲の特定が困難なため、吸い込み幅や流速分布を仮定して計算で求めたり、境界層内の流速分布を無視して、吸い込み流速は船速と同じと仮定したりし、一方の推力減少率(1−t)のみを実験結果から算出している。(例えば、非特許文献1参照。)。
佐藤隆一、斎藤泰夫「第6章 ウォータージェット推進」、「次世代船の開発のための推進シンポジウム−推進性能研究委員会・第4回シンポジウム−、平成3年4月23・24日」「推進工学シンポジウムテキスト」社団法人日本造船学会、平成3年4月1日発行、p.167〜209
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、ウォータージェット推進船の自航要素を求めるための水槽試験において、伴流率と推力減少率の二つの自航要素を実験解析的に求めることができるウォータージェット推進船の自航試験方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明のウォータージェット推進船の自航試験方法は、ウォータージェット推進船の自航要素を求めるために、ウォータージェット推進器を作動させながら模型船を曳航した時の、模型船に作用する不釣り合い力とウォータージェット推進器のジェット流速を計測する自航試験において、前記ウォータージェット推進器の噴き出し面積を変化させた二個のノズルを用いて前記自航試験を行い、該自航試験によって得られた同じ船速及び同じポンプ入口流速比における計測値から、推力減少率と伴流率を未知数とした二個の方程式を構成し、該二個の方程式を連立させて解くことにより、推力減少率と伴流率を求めることを特徴とする方法である。
あるいは、ウォータージェット推進船の自航要素を求めるために、ウォータージェット推進器を作動させながら模型船を曳航した時の、模型船に作用する不釣り合い力とウォータージェット推進器のジェット流速を計測する自航試験において、前記ウォータージェット推進器の噴き出し面積を変化させた三個以上のノズルを用いて前記自航試験を行い、該自航試験によって得られた同じ船速及び同じポンプ入口流速比における計測値から、推力減少率と伴流率を未知数とした三個以上の方程式を構成し、該三個以上の方程式を連立させて、回帰分析により、推力減少率と伴流率を求めることを特徴とする方法である。
そして、上記のウォータージェット推進船の自航試験方法において、船体抵抗試験結果の抵抗をRtとし、iを正数として第i番目のノズルを装着した前記自航試験において、船速をVs、ウォータージェット推進器の噴き出し面積をAn(i)、ジェット流速としてのウォータージェット推進器の吹き出し平均速度をVj(i)、不釣り合い力をΔR(i) とし、求めるべき未知数である推力減少率をX、伴流率をYとした時に、水の密度をρ、ウォータージェット推進器のポンプインペラ直前のダクト断面積と入口平均流速をそれぞれAinとVin(i) として、
前記方程式を、
Tn(i)/E=X×Cv(i)×(Cv(i)×Ca(i) −Y)
但し、E=ρ×Ain×Vs×Vs、
Tn(i)=Rt −ΔR(i) 、Ca(i) =Ain/An(i)、
Vin(i) =〔1/Ca(i) 〕×Vj(i)、Cv(i)=Vin(i) /Vs
で構成する。
なお、ウォータージェット推進器の流量としては、通常は、ウォータージェット推進器の吹き出し平均流速Vj(i)を計測して用いるが、ウォータージェット推進器のポンプ入口平均流速Vin(i) を計測して用いてもよい。また、これらのウォータージェット推進船の自航試験方法においては、船速Vsは、試験水槽に設置され、模型船を曳航する曳航電車の速度であるので、同一にすることができるが、全くの同一船速でなくても、計測値の内挿などにより、同じ船速に相当する計測値を求めることができるので、その計測値を用いてもよい。
また、自航試験に用いるノズルの吹き出し面積に関しては、精度の良い実験結果を得るためには、試験に用いる複数のノズルの吹き出し面積は、模型船と実船の縮尺比で作ったウォータージェット推進器のノズル、即ち、実船ノズルのスケールモデルのノズルの吹き出し面積の概略0.5〜1.5倍の範囲から選択すると共に、また、複数のノズルの吹き出し面積同士は互いに、実船ノズルのスケールモデルの吹き出し面積の概略0.2倍以上の差を持っていることが望ましい。
本発明に係るウォータージェット推進船の自航試験方法によれば、今まで実験的に得られなかったウォータージェット推進船の推力減少率と伴流率の二つの自航要素を実験解析的に求めることができ、実船の推進性能の推定精度を高めることができる。
以下図面を参照して本発明に係るウォータージェット推進船の自航試験方法の実施の形態について説明する。
最初にウォータージェット推進船の自航試験装置1について説明する。
図1に示すように、このウォータージェット推進船の自航試験装置1では、模型船2に、ウォータージェット推進器(水ジェット)3を搭載すると共に、試験水槽上を走行する曳航電車4に、不釣り合い力ΔR(i) を計測する曳航力測定装置41と曳航点21を介して模型船を接続し、模型船を所定の船速Vsで曳航できるように構成する。
また、ウォータージェット推進器3はポンプインペラ31をモーター5により所定の回転数で回転して作動できるように構成すると共に、ジェット流速Vj(i)を測定できるように構成する。なお、ここでは、ウォータージェット推進器3の流量としては、通常は、ウォータージェット推進器3の吹き出し平均流速Vj(i)を用いるが、ウォータージェット推進器3のポンプ入口平均流速Vin(i) を用いてもよい。図1の構成では、ウォータージェット推進器3のポンプインペラ31の下流側の圧力計測を圧力センサ6で行ってウォータージェット推進器3の吹き出し平均速度Vj(i)を算出するようにしている。
そして、上記のウォータージェット推進船の自航試験方法において、ウォータージェット推進器3の噴き出し面積An(i)を変化させたノズル32(i) をN個以上(少なくとも2以上)用意し、各ノズル32(i) を装着してそれぞれ同じ船速Vs(あるいは、同じフルード数(Fn))、同じポンプ入口流速比(Vin(i) /Vs)で自航試験を行う。
第1の実施の形態の自航試験方法はN=2として、以下のように行われる。
最初に、噴き出し面積An(1)の第1のノズル32(1) を装着したウォータージェット推進器3を用いた模型船2において、所定の船速Vsで曳航電車4を運転して、模型船2を速度Vsで曳航する。この曳航時において、モーター5を駆動してポンプインペラ31を回転数Np(1)で回転しウォータージェット推進器3を作動させる。この時のウォータージェット推進器3を作動させながら模型船2を曳航した時の、模型船2に作用する不釣り合い力ΔR(1) とウォータージェット推進器3のジェット流速Vj(1)を計測する。この計測を船速及びポンプインペラ回転数を変えて必要とする船速Vs及びポンプ入口流速比(Ivr=Vin(i) /Vs)の分だけ行う。
次に、第1のノズル32(1) を取り外して、噴き出し面積An(2)の第2のノズル32( 2)を装着する。この第2のノズル32(2) を装着したウォータージェット推進器3を用いた模型船2で、第1のノズル32(1) の時と同じ所定の速度Vs及び同じポンプ入口流速比Ivrで曳航電車4とウォータージェット推進器3を運転して、模型船2をこのウォータージェット推進器3を回転数Np(2)で作動させながら船速Vsで曳航し、模型船2に作用する不釣り合い力ΔR(2) とウォータージェット推進器3のジェット流速Vj(2)を計測する。つまり、自航試験において、ウォータージェット推進器3の噴き出し面積An(1), An(2)を変化させた第1と第2の二個のノズル32(1) ,32(2) を用いて自航試験を行う。
これらの自航試験によって得られた同じ船速Vs及び同じポンプ入口流速比Ivr(同じ船速Vsなので、Vin(1) =Vin(2) となる。) における計測値ΔR(1) , ΔR(2),Vj(1), Vj(2)と、この自航試験とは別途に行われた船体抵抗試験で得られた模型船の抵抗(船体抵抗)Rtとから、推力減少率Xと伴流率Yを未知数とし、噴き出し面積An(1),An(2)が異なる次の二個の方程式を構成する。
Tn(1)/E=X×Cv(1)×(Cv(1)×Ca(1) −Y)
Tn(2)/E=X×Cv(2)×(Cv(2)×Ca(2) −Y)
但し、ρは水の密度、E=ρ×Ain×Vs×Vs、
Tn(1)=Rt −ΔR(1) 、Ca(1) =Ain/An(1)、
Vin(1) =〔1/Ca(1) 〕×Vj(1)、Cv(1)=Vin(1) /Vs
Tn(2)=Rt −ΔR(2) 、Ca(2) =Ain/An(2)、
Vin(2) =〔1/Ca(2) 〕×Vj(2)、Cv(2)=Vin(2) /Vs
そして、この二個の方程式を連立させて解くことにより、推力減少率Xと伴流率Yを求め、この値を推力減少率((1−t)=X)、伴流率((1−w)=Y)とする。
次に、第2の実施の形態の自航試験方法について説明する。この第2の実施の形態の自航試験方法では、第1の実施の形態の自航試験方法が2個のノズル32(1) ,32(2) を用いるのに対して、N個(Nは3以上)のノズル32(i) (i=1,2...N) を用い、次の自航試験を、i=1,2...Nまで、N回行う。
噴き出し面積An(i)の第i番目のノズル32(i) を装着したウォータージェット推進器3を用いた模型船2において、所定の船速Vsで曳航電車4を運転して、模型船2を速度Vsで曳航する。この曳航時において、モーター5を駆動してポンプインペラ31を回転数Np(i)で回転しウォータージェット推進器3を作動させて、同じポンプ入口流速比Ivr(=Vin(i) /Vs)になるようにする。この時のウォータージェット推進器3を作動させながら模型船2を曳航した時の、模型船2に作用する不釣り合い力ΔR(i) とウォータージェット推進器3のジェット流速Vj(i)を計測する。この計測を必要とする船速Vsの分だけ行う。
そして、これらの自航試験によって得られた同じ船速Vs及び同じポンプ入口流速比Ivr(同じ船速Vsなので、Vin(1) =Vin(2) =..........=Vin(i) =Vin(N) となる。) における計測値ΔR(i) , Vj(i)と、この自航試験とは別途に行われた船体抵抗試験で得られた模型船の抵抗(船体抵抗)Rtとから、推力減少率Xと伴流率Yを未知数とし、噴き出し面積An(i)が異なる次のN個(i=1,2...N)の方程式を構成する。
Tn(i)/E=X×Cv(i)×(Cv(i)×Ca(i) −Y)
但し、i=1,2...N、ρは水の密度、
E=ρ×Ain×Vs×Vs
Tn(i)=Rt −ΔR(i) 、Ca(i) =Ain/An(i)、
Vin(i) =〔1/Ca(i) 〕×Vj(i)、Cv(i)=Vin(i) /Vs
このN個の方程式を連立させて、回帰分析によって、未知数の推力減少率Xと伴流率Yを求め、この値を推力減少率((1−t)=X)、伴流率((1−w)=Y)とする。
なお、これらのウォータージェット推進船の自航試験方法においては、船速Vsは、試験水槽に設置され、模型船2を曳航する曳航電車4の速度であるので、同一にすることができるが、全くの同一船速でなくても、計測値の内挿などにより、同じ船速に相当する計測値を求めることができるので、その計測値を用いてもよい。
また、ポンプ入口流速比Ivr(=Vin(i) /Vs)についても、ウォータージェット推進器3のポンプインペラ31の回転数を調整することにより、同一にすることができるが、全くの同一ポンプ入口流速比でなくても、計測値の内挿などにより、同じポンプ入口流速比に相当する計測値を求めることができるので、その計測値を用いてもよい。
次に、上記の方程式の導き方に付いて説明する。
ウォータージェット推進の伴流率(1−w)は、船速をVs、吸い込み流管のモーメントタム流速をVmとすると、Vm=(1−w)×Vsで定義される。
ここで、モーメンタム流速Vmが船速Vsと異なる主な要因としては、ウォータージェット推進器3が船体表面近くの境界層中の流れを吸い込むことや、模型船の造波による造波伴流の影響等が考えられる。ウォータージェット推進器3の総推進力Tg は、ジェット流速をVj 、水の密度ρ、流量をQとすれば、次式で表され、伴流率(1−w)が大きくなるほど、総推進力Tg は減少することになる。
Tg =ρ×Q×(Vj −Vm)=ρ×Q×(Vj −(1−w)×Vs)
一方、推力減少率(1−t)は、船体抵抗をRt 、ネット推力をTn とすれば、次式で定義される。
Rt =Tn =(1−t)×Tg
ここで、ウォータージェット推進器3のネット推力Tn の減少の主な要因としては、裸殻にウォータージェット推進器3を装備したことによるインレット部(流入口部)の抵抗増加や、自航時の船体抵抗の変化等が考えられる。
模型船2を用いて試験水槽にて一定の船速Vsで曳航する自航試験においては、一般にウォータージェット3のポンプインペラ31の回転数を幾つか変更し、自航時に模型船2に掛かる不釣り合い力ΔRも計測して補正するいわゆる荷重度変更試験が行われる。この試験時のネット推力をTn 、曳航時の船体抵抗をRt とすると、Tn =Rt −ΔRが成り立つ。
また、ウォータージェット推進器3のノズル32の断面積をAn 、ジェット流速としてのウォータージェットの吹き出し平均速度をVj とすると、Q=An ×Vj が成り立ち、また、ポンプインペラ31直前のダクトの断面積をAin、入口平均流速をVinとすると、同様に、Q=Ain×Vinであるため、Vj =(Ain×Vin)/An となり、次の式が成り立つ。
Tn =(1−t)×Tg
=(1−t)×ρ×An ×Vj ×(Vj −(1−w)×Vs )
従って、次の式となる。
Tn /E=(1−t)×Cv ×(Cv ×Ca−(1−w))
但し、ρは水の密度、E=ρ×Ain×Vs×Vs、
Tn =Rt −ΔR、Ca=Ain/An 、
Vin=〔1/Ca〕×Vj 、Cv =Vin/Vs
ここで、i=1〜N(Nは2以上)の噴き出し面積An(i)の異なるN種類のノズルを用いて、ある船速Vsにおける自航試験の結果として次の式が成り立つ。
Tn(i)/E=(1−t)×Cv(i)×(Cv(i)×Ca(i) −(1−w))
但し、i=1〜N、ρは水の密度、E=ρ×Ain×Vs×Vs
Tn(i)=Rt −ΔR(i) 、Ca(i) =Ain/An(i)、
Vin(i) =〔1/Ca(i) 〕×Vj(i)、Cv(i)=Vin(i) /Vs
そして、噴き出し面積An(i)の異なるN種類のノズルを用いた場合に、船速Vs及びIvr(=Vin(i) /Vs)が等しい条件においては、推力減少率(1−t)も伴流率(1−w)も変わらないと仮定すると、上記の式は、推力減少率(1−t)をXとし、伴流率(1−w)をYとする、推力減少率Xと伴流率Yの2個の未知数の方程式となり、これらを連立させて解くことにより、推力減少率X(=(1−t))及び伴流率Y(=(1−w))を得ることができる。
そして、N=2の場合には、2 個の連立方程式は解けて、次の式で推力減少率X(=(1−t))及び伴流率Y(=(1−w))を得ることができる。
X=(1−t)
=(Tn(1)−Tn(2))/〔E×Ivr×Ivr×Ain×(1/An(1)−1/An(2))〕
Y=(1−w)
=Ivr×Ain×〔(Tn(1)/An(2)−Tn(2)/An(1))/(Tn(1)−Tn(2))〕
ここで、An(1)とAn(2)とが近い場合には(1−t)の分母がゼロに近く誤差が大きくなるため、An(1)とAn(2)はある程度離れている必要がある。また、逆に離れすぎると荷重度が大きく代わり、(1−t)が変わらないという仮定が崩れる可能性があるため、An(1)とAn(2)は大きく離れないようにする必要もある。
また、N=3以上の場合には、N個の方程式を回帰分析により解いて、推力減少率X(=(1−t))及び伴流率Y(=(1−w))を数値計算で得ることができる。
なお、自航試験に用いるノズル32(i) の面積An(i)に関しては、実船ノズルのスケールモデルの吹き出し面積をAnmとすると、精度の良い実験結果を得るためには、試験に用いる複数のノズルの吹き出し面積An(i)を概略0.5×Anm〜1.5×Anmの範囲から選択すると共に、また、複数のノズルの吹き出し面積An(i)同士は互いに概略0.2×Anm以上の差を持っていることが望ましい。
上記のウォータージェット推進船の自航試験方法によれば、ウォータージェット入口に流入するモーメンタム流速Vmを得て、推進効率の成分を明確にして、スケール影響による実船への修正を可能とし、実船の推進馬力の推定精度を著しく向上させることができる。
本発明に係るウォータージェット推進船の自航試験方法を実施するための自航試験装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 自航試験装置
2 模型船
3 ウォータージェット推進器
4 曳航電車
5 モーター
6 圧力センサ
31 ポンプインペラ
32(i) ノズル
Ain ウォータージェット推進器のポンプインペラ直前のダクト断面積
An(i) ウォータージェット推進器の噴き出し面積
Np(i) ポンプインペラ回転数
Rt 船体抵抗
ΔR(i) 不釣り合い力
Tn(i) ネット推力
Vm モーメンタム流速
Vs 船速
Vj(i) 吹き出し平均速度(ジェット流速)
Vin(i) ポンプ入口平均流速(ポンプインペラ直前の平均流速)
X 推力減少率(1−t)
Y 伴流率(1−w)

Claims (3)

  1. ウォータージェット推進船の自航要素を求めるために、ウォータージェット推進器を作動させながら模型船を曳航した時の、模型船に作用する不釣り合い力とウォータージェット推進器のジェット流速を計測する自航試験において、
    前記ウォータージェット推進器の噴き出し面積を変化させた二個のノズルを用いて前記自航試験を行い、該自航試験によって得られた同じ船速及び同じポンプ入口流速比における計測値から、推力減少率と伴流率を未知数とした二個の方程式を構成し、該二個の方程式を連立させて解くことにより、推力減少率と伴流率を求めることを特徴とするウォータージェット推進船の自航試験方法。
  2. ウォータージェット推進船の自航要素を求めるために、ウォータージェット推進器を作動させながら模型船を曳航した時の、模型船に作用する不釣り合い力とウォータージェット推進器のジェット流速を計測する自航試験において、
    前記ウォータージェット推進器の噴き出し面積を変化させた三個以上のノズルを用いて前記自航試験を行い、該自航試験によって得られた同じ船速及び同じポンプ入口流速比における計測値から、推力減少率と伴流率を未知数とした三個以上の方程式を構成し、該三個以上の方程式を連立させて、回帰分析により、推力減少率と伴流率を求めることを特徴とするウォータージェット推進船の自航試験方法。
  3. 船体抵抗試験結果の抵抗をRtとし、iを正数として第i番目のノズルを装着した前記自航試験において、船速をVs、ウォータージェット推進器の噴き出し面積をAn(i)、ジェット流速としてのウォータージェット推進器の吹き出し平均速度をVj(i)、不釣り合い力をΔR(i) とし、求めるべき未知数である推力減少率をX、伴流率をYとした時に、水の密度をρ、ウォータージェット推進器のポンプインペラ直前のダクト断面積と入口平均流速をそれぞれAinとVin(i) として、
    前記方程式を、
    Tn(i)/E=X×Cv(i)×(Cv(i)×Ca(i) −Y)
    但し、E=ρ×Ain×Vs×Vs、
    Tn(i)=Rt −ΔR(i) 、Ca(i) =Ain/An(i)、
    Vin(i) =〔1/Ca(i) 〕×Vj(i)、Cv(i)=Vin(i) /Vs
    で構成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のウォータージェット推進船の自航試験方法。
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