JP2005222415A - 井戸装置の制御方法及び井戸装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置は、水中ポンプの送水開始前に水位計の計測信号及び予め有している需要パターンを基に総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定し、水中ポンプの送水開始後は水位計および流量計の計測信号を基に設定時間間隔毎の目標送水量を随時演算し、前記演算および決定された各制御信号を流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力し送水量を制御する。
【選択図】
【図1】
Description
井戸水を押し上げる水中ポンプと、前記水中ポンプで送られた井戸水を一時貯留する受水槽設備と、受水槽の貯留水を需要部へ供給する給水設備とから成る井戸装置の制御方法であって、
制御装置には、受水槽の水位の変動を計測する水位計、及び水中ポンプから受水槽へ至る送水管の途中に設置された流量計の各計測信号が入力されるものとし、前記入力に基づいて演算した制御信号が前記送水管の送水量を調整する流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力されるものとし、
前記制御装置は、水中ポンプの送水開始前に水位計の計測信号及び予め有している需要パターンを基に総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定し、水中ポンプの送水開始後は水位計および流量計の計測信号を基に設定時間間隔毎の目標送水量を随時演算し、前記演算および決定された各制御信号を流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力し送水量を制御することを特徴とする。
前記制御装置は、水中ポンプの送水開始前に、実施日の需要パターンをカレンダー等を参照して決定するステップと、
現在の受水槽の水位を水位計により計測するステップと、
前記決定された需要パターン及び水位計の計測信号を基に一日の送水計画をシミュレーションにより演算し、総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量を決定するステップと、
前記決定された送水開始時間に水中ポンプおよび流量調整弁へそれぞれ制御信号を送り送水を開始させるステップと、
送水開始後は水位計および流量計からの計測信号等から現在の給水量を算出し、前記算出に基づいて次回の設定時間間隔迄の目標送水量を演算して、前記演算に基づく制御信号を前記送水管の送水量を調整する流量調整弁の流量制御及び水中ポンプの発停信号として出力するステップと、
前記決定された送水終了予定時間を過ぎ、前記演算した目標送水量値が水中ポンプの必要最小送水量以下のときには水中ポンプの停止信号を出力して送水を停止させるステップと、
一日終了時に一日の実際の給水経過を需要パターンの修正データとして用い、新たな需要パターンとして更新するステップにより送水量を適切に制御することを特徴とする。
水中ポンプの送水開始前に水位計で測定した水位が受水槽の下限設定水位以下である場合は、例外的に送水を開始させるステップを含むことを特徴とする。
制御装置は、随時入力される水位計からの計測信号により、受水槽が危険水位になった場合には、制御装置が非常用に設置した水道設備を始動させて給水を行い、正常時には前記水道設備を停止させて給水を止めるステップを含むことを特徴とする。
井戸水を押し上げる水中ポンプと、前記水中ポンプで送られた井戸水を一時貯留する受水槽設備と、受水槽の貯留水を需要部へ供給する給水設備と、これらを統括制御する制御装置とから成る井戸装置において、
制御装置には、受水槽の水位の変動を計測する水位計、及び水中ポンプから受水槽へ至る送水管の途中に設置された流量計の各計測信号が入力され、前記入力に基づいて演算した制御信号が前記送水管の送水量を調整する流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力され、
前記制御装置は、水中ポンプの送水開始前に水位計の計測信号及び予め有している需要パターンを基に総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定し、水中ポンプの送水開始後は水位計および流量計の計測信号を基に次回の設定時間間隔迄の目標送水量を随時演算し、前記演算および決定された各制御信号を流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力し送水量を制御することを特徴とする。
前記入力に基づいて演算した制御信号が前記送水管6の送水量を調整する流量調整弁8の流量制御、及び水中ポンプ1の発停制御として出力される。
前記制御装置4は、水中ポンプ1の送水開始前に水位計5の計測信号及び予め有している需要パターンを基に総給水コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定し、水中ポンプ1の送水開始後は水位計5および流量計7の計測信号を基に次回の設定時間間隔迄の目標送水量を随時演算し、前記演算および決定された各制御信号を流量調整弁8の流量制御、及び水中ポンプ1の発停制御として出力し送水量を制御する。
本発明の井戸装置の構成の大部分は、図9に示した従来の井戸装置とほぼ共通する。即ち、ストレーナー付パイプ1b内の水中に挿入された水中ポンプ1と、水中ポンプ1の送水管6を通じて送られた井戸水を一時貯溜する受水槽設備2と、受水槽2aの貯溜水を需要部へ供給する給水設備3とから成る。前記受水槽2aはその水位変動を計測する水位計5を備えている。前記給水設備3は、給水仕切弁3aと、インバータポンプ3b及び給水管に設けた水圧計3cとから構成されている。
前記制御装置4には、少なくとも計測信号受信部、演算処理部、記憶部、制御信号出力部とにより構成されており、前記演算処理部によりシミュレーションや送水時の送水量を逐次適切に演算し総給水コストを最低限に抑える送水制御を可能にしている。
先ずステップAにおいて、制御装置4の演算処理部は、記憶部に格納されている需要パターンをカレントデート(カレンダー)等を用いて選択し実施日の該パターンを決定する。詳しくは図8のフローチャートに示すように、AS101で実施日をカレントデートから設定する。一般のビルにおいては平日と休日では水需要に大きな差があるので、AS102で平日か休日かの判断を行う。平日であればAS103へ進み平日用の需要パターンを決定する。休日であればAS104へ進み休日用の需要パターンを決定する。本実施例の場合、一例として図3に示すものを需要パターン(時間帯別水需要量)として決定する。
先ず制約条件は、
<数式1>
Vi=Vi−1+Xi+Zi−Yi
Xi≦Qmax
Xi≧Qmin
Vi≧Vmin
目的関数O(X、Z)は、(因みにnは水中ポンプ1の発停回数)
<数式2>
O=Σi{C1・Zi+C2(Xi)・Xi+C3・n+C4・(Vs−Vi)}
となる。
これらの数式1、2により上記制約条件を満たしながら目的関数を最小にするようにZi、Xi、nを決定することとなる。本実施例ではこれらの理論解を得るのが困難であるため、上記数理計画手法である数式1、2を適用したシミュレーションにより決定した。
図3に示す需要パターン(時間帯別水需要量)の一日の総水需要量が100tである時、井戸の送水能力は6.5t/h、最小許容送水量は1.5t/h、Vmaxは30t、Vminは5t、Vsは10t、初期貯水量は27tとし、送水開始時間を変えて時間帯毎の貯水量の変化を演算する。本実施例のシミュレーションの時間帯設定は1時間間隔とした。数式2のコスト計算では、C1は400円/t、C3は50円/回、C4は50円/t(ただしVi≧VsのときC4=0)とし、送水コストは送水量にかかわらず30円/tとする。
図5Aは総給水コスト、横軸を送水開始時間に取りグラフにしたものである。図5Bは、図5Aを単に拡大した図である。このグラフにおいては6時から送水を開始した時が最も総給水コストが低いことがはっきり分かる。逆に7時以降ではコストが著しく高くなっている。これは、水需要量が増加するまでの貯水量が少なく、水道水の供給が必要なためである。
ステップDで、制御装置4は受水槽への現在の送水量Q01を流量計7により計測信号を受け測定を行う。続くステップEでは前記ステップCで演算され決定された送水開始時間か否かを判断する。因みに本実施例では6時である。Yesの場合はステップHへ進む。Noの場合はステップFに進み、下限設定低水位以下かどうかを判定する。前記下限設定低水位とは、これ以上下がると無条件に給水を開始させる水位のことである。Noであれば、現在の受水槽2aの水位を水位計5により計測した後、ステップDへ戻り上述のステップを送水開始時間まで繰り返す。Yesの場合、直ちに送水を開始しなければならないと判断され、ステップGで前記ステップCで演算した送水計画をシミュレーションし直すことが行われる。ここでは送水開始時間は前記判断時の時間で決定であるため、図4のフローチャートのSC100で判断時の時間が入力されSC112からSC113へステップを進めて、送水終了予定時間および時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定する。そののちステップHへ進む。
以上のような一連の流れによって、水中ポンプ1の発停回数を極力少なくし且つ総給水コストを最低限に抑える制御を行うことができるのである。
2 受水槽設備
2a 受水槽
3 給水設備
4 制御装置
5 水位計
6 送水管
7 流量計
8 流量調整弁
9 水道設備
Claims (5)
- 井戸水を押し上げる水中ポンプと、前記水中ポンプで送られた井戸水を一時貯留する受水槽設備と、受水槽の貯留水を需要部へ供給する給水設備とから成る井戸装置の制御方法であって、
制御装置には、受水槽の水位の変動を計測する水位計、及び水中ポンプから受水槽へ至る送水管の途中に設置された流量計の各計測信号が入力されるものとし、前記入力に基づいて演算した制御信号が前記送水管の送水量を調整する流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力されるものとし、
前記制御装置は、水中ポンプの送水開始前に水位計の計測信号及び予め有している需要パターンを基に総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定し、水中ポンプの送水開始後は水位計および流量計の計測信号を基に設定時間間隔毎の目標送水量を随時演算し、前記演算および決定された各制御信号を流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力し送水量を制御することを特徴とする、井戸装置の制御方法。 - 前記制御装置は、水中ポンプの送水開始前に、実施日の需要パターンをカレンダー等を参照して決定するステップと、
現在の受水槽の水位を水位計により計測するステップと、
前記決定された需要パターン及び水位計の計測信号を基に一日の送水計画をシミュレーションにより演算し、総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量を決定するステップと、
前記決定された送水開始時間に水中ポンプおよび流量調整弁へそれぞれ制御信号を送り送水を開始させるステップと、
送水開始後は水位計および流量計からの計測信号等から現在の給水量を算出し、前記算出に基づいて次回の設定時間間隔迄の目標送水量を演算して、前記演算に基づく制御信号を前記送水管の送水量を調整する流量調整弁の流量制御及び水中ポンプの発停信号として出力するステップと、
前記決定された送水終了予定時間を過ぎ、前記演算した目標送水量値が水中ポンプの必要最小送水量以下のときには水中ポンプの停止信号を出力して送水を停止させるステップと、
一日終了時に一日の実際の給水経過を需要パターンの修正データとして用い、新たな需要パターンとして更新するステップにより送水量を適切に制御することを特徴とする、請求項1に記載した井戸装置の制御方法。 - 水中ポンプの送水開始前に水位計で測定した水位が受水槽の下限設定水位以下である場合は、例外的に送水を開始させるステップを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載した井戸装置の制御方法。
- 制御装置は、随時入力される水位計からの計測信号により、受水槽が危険水位になった場合には、制御装置が非常用に設置した水道設備を始動させて給水を行い、正常時には前記水道設備を停止させて給水を止めるステップを含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した井戸装置の制御方法。
- 井戸水を押し上げる水中ポンプと、前記水中ポンプで送られた井戸水を一時貯留する受水槽設備と、受水槽の貯留水を需要部へ供給する給水設備と、これらを統括制御する制御装置とから成る井戸装置において、
制御装置には、受水槽の水位の変動を計測する水位計、及び水中ポンプから受水槽へ至る送水管の途中に設置された流量計の各計測信号が入力され、前記入力に基づいて演算した制御信号が前記送水管の送水量を調整する流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力され、
前記制御装置は、水中ポンプの送水開始前に水位計の計測信号及び予め有している需要パターンを基に総供給コストが最も低くなる送水開始時間、送水終了予定時間、時間帯別予定送水量をシミュレーションにより決定し、水中ポンプの送水開始後は水位計および流量計の計測信号を基に次回の設定時間間隔迄の目標送水量を随時演算し、前記演算および決定された各制御信号を流量調整弁の流量制御、及び水中ポンプの発停制御として出力し送水量を制御することを特徴とする、井戸装置。
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