JP2005221818A - 配向制御用突起を有する基板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

配向制御用突起を有する基板及びそれを用いた液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はネガ型感光性樹脂組成物を用いて配向制御用突起を形成した基板を用いて作製した液晶表示装置を、長時間にわたり電圧を印加した状態においたときに生ずる残像を抑えることを課題とする。
【解決手段】対向する基板との間で液晶を挟持する液晶表示装置を構成する、少なくとも配向制御用突起を有する基板において、該配向制御用突起が、少なくともポリビニルフェノール、アジド化合物及び増感色素を含有するネガ型感光性樹脂組成物により形成されるものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、垂直配向(VA、Vertical Aligned)型液晶ディスプレイ(LCD、Liquid Crystal Display)に係り、さらに詳しくは配向分割垂直配向(MVA、Multi−Domain Vertical Alignment)型LCDに用いられる配向制御用突起を有する基板及びそれを用いた液晶表示装置に関するものである。
MVA−LCD(Multi−domain Vertical Alignment−Liquid Crystal Display、配向分割垂直配向型液晶表示装置、特許文献1および2、非特許文献1参照)は、1画素内で液晶分子の傾斜方向が複数になるように制御し、全方位で均一な中間調表示ができるようにした垂直配向型液晶表示装置であり、優れたコントラスト、視野角特性、応答速度を兼ね備えた液晶表示装置と言われている。
図1(a)、(b)は、MVA−LCDの動作をその断面で模式的に示した説明図である。図1(a)、(b)に示す様に、一般的なMVA−LCD(10)は、液晶分子(15)を介して配向制御用突起(13)が設けられたTFT側基板(11)と、配向制御用突起(14)が設けられたカラーフィルタ側基板(12)とを配置した構造であるが、配向制御用突起(13)と配向制御用突起(14)は互い違いの位置になるようになっている。
図1(a)は、電圧無印加時の状態を示し、電圧無印加時に液晶分子(15)は、両基板間で垂直に配向するが、配向制御用突起(13)部及び配向制御用突起(14)部の液晶分子は突起の斜面の影響によってわずかに傾斜している。図1(b)は、電圧印加時の状態を示し、電圧を印加すると突起の斜面の液晶分子が傾斜し始め、傾斜部分以外の液晶分子も順次に同一の配向をするようになる。即ち、ラビング処理に代わり、突起を設けることによって液晶分子の配向を制御するものである。
この配向制御用突起はネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成されるが、ネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成された配向制御用突起の体積抵抗率は、一般には、1.0×1014〜1.0×1015Ωcm程度のものである。このような体積抵抗率を有する配向制御用突起を設けたMVA−LCDにおいては、長時間にわたり電圧を印加した状態におくと、配向制御用突起表面に電荷がたまり残像が発生することがある。
特許第2947350号公報 特開平11−248921号公報 Electronic Journal 1997年10月号 P.33
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ネガ型感光性樹脂組成物を用いて配向制御用突起を設けたMVA−LCD用基板であって、長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生することのない配向制御用突起を有する基板およびそれを用いた液晶表示装置を提供することを課題とするものである。
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、請求項1に係る第1の発明は、対向する基板との間で液晶を挟持する液晶表示装置を構成する、少なくとも配向制御用突起を有する基板において、該配向制御用突起が、少なくともポリビニルフェノール、アジド化合物及び増感色素を含有するネガ型感光性樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする配向制御用突起を有する基板である。
ポリビニルフェノールをネガ型感光性樹脂組成物に加えて配向制御用突起を形成すれば、配向制御用突起の表面に電荷がたまることがないため、長時間にわたり電圧を印加し続けても残像の発生しない優れた液晶表示装置を作製できる基板を提供することができる。また、ポリビニルフェノールの架橋剤としてアジド化合物はもっとも相性が良く、またアジド化合物を効率よく反応させるためには増感色素の添加が必要である。
請求項2に係る第2の発明は、前記アジド化合物と前記増感色素の吸収極大波長は異なることを特徴とする請求項1記載の配向制御用突起を有する基板である。
これは、アジド化合物が利用可能な波長域と増感色素が利用可能な波長域が異なることで、露光に用いることのできる波長域が広がり反応効率が向上するためである。
請求項3に係る第3の発明は、前記アジド化合物の吸収極大波長が300nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の配向制御用突起を有する基板である。
アジド化合物の吸収極大波長は通常露光に用いる波長域よりも短波長側にあるため、増感色素と組み合わせる必要があり、その増感色素との組み合わせにより感光波長領域を選択することができる。
請求項4に係る第4の発明は、前記対向する基板との間で液晶を挟持する基板の一方は、少なくとも透明基板とカラーフィルタ層からなり、前記カラーフィルタ層上に配向制御用突起を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の配向用突起を有する基板である。
請求項5に係る第5の発明は、前記対向する基板との間で液晶を挟持する基板の少なくとも一方は、少なくとも透明基板と透明導電性膜層からなり、透明導電性膜層上に配向制御用突起を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の配向制御用突起を有する基板である。
請求項6に係る第6の発明は、請求項1から5のいずれかに記載の配向制御用突起を設けられた基板を、液晶を挟持する対向する基板の少なくとも一方に用いたことを特徴とする液晶表示装置である。
請求項1から5のいずれかに記載の配向制御用突起を有する基板を用いて液晶表示装置を構成することで、長時間にわたり電圧を印加し続けても残像の発生しない優れた液晶表示装置を提供することができる。
本発明によれば、ポリビニルフェノールを含有するネガ型感光性樹脂組成物を用いて形成した配向制御用突起を有する基板であるので、この基板を具備した液晶表示装置は、長時間にわたり電圧を印加した状態においても配向制御用突起の表面に電荷がたまることはなく、残像が発生することはないものとなる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明は対向する基板との間で液晶を挟持する液晶表示装置を構成する、少なくとも配向制御用突起を有する基板あるいはそれを用いた液晶表示装置に関するものであって、特に配向分割垂直配向型LCDに用いられる液晶表示装置であることを特徴とするものである。
以下、本明細書では、透光性を有する基板上にカラーフィルタ層を設け、この上に配向制御用突起を形成した基板について主に述べているが、これは本発明による基板または液晶表示装置が、カラーフィルタ層を必ず具備しなければならないことを意味するものではない。
本発明の配向制御用突起を有する基板を構成する基板としては、透光性を有する板状のものが好ましく、ガラス、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォンやポリアクリレートなどのプラスチックのシートあるいはフィルムが挙げられる。
また、配向制御用突起を形成した後、加熱工程を行うことから、耐熱性に優れたガラス基板が好ましく、さらには熱膨張率が小さく加熱工程での寸法安定性に優れたガラスを選択することが好ましい。
本発明の配向制御用突起を有する基板にカラーフィルタ層を形成し、液晶用カラーフィルタとして用いることができる。
一般的にカラーフィルタとは透光性を有する基板上にコントラスト向上のためにブラックマトリックス(K)、次いで赤(R)、緑(G)、青(B)の着色画素層を形成せしめたものであり、これを液晶用とする場合は、さらに透明導電性膜層、配向膜層を順次積層せしめたものであり、例えば薄膜トランジスタのような電極を形成した対向基板と対置させ液晶層を介してLCDを構成するものである。
この明細書中では、このブラックマトリックスと、赤、緑、青の着色画素層を合わせてカラーフィルタ層と呼ぶこととする。
カラーフィルタ層を構成するブラックマトリックスはすでに公知の方法を用いて形成することができる。例えば、クロムやチタンなどの金属あるいは金属酸化物の薄膜をスパッタ等の方法により基板上に形成し、それをエッチングなどの手法によりパターニングを施し形成するもの。あるいは、感光性樹脂組成物中にカーボンブラックや金属酸化物などの遮光性微粒子や複数種からなる顔料あるいは染料などの着色剤を混在させ、これを基板上に感光性樹脂層としてフォトリソグラフィー法により形成するもの。あるいは、後に示すR、G、Bなどからなる着色画素層を2層以上積層させこれを形成するもの、などが挙げられるが本発明においてはいずれの方法により形成してもよい。
着色画素層は前記ブラックマトリックスの開口部に設けられ、通常赤色画素パターン(R)、緑色画素パターン(G)、および青色画素パターン(B)の3原色からなる画素パターンが所望の形状により配置されたものである。その形成方法としては顔料分散法、染料法、電着法、印刷法、転写法やインクジェットにより各画素を形成する方法などすでに公知の方法が挙げられ、本発明においてはいずれの方法により形成しても良い。
本発明における配向制御用突起を有する基板の一形態としては、これらカラーフィルタ層上、または透明導電性膜層上に配向制御用突起を設けた構成、あるいはカラーフィルタ層、透明導電性膜層、配向制御用突起、配向膜層の順に形成した構成、もしくは必要ならばこのいずれかの層の間に保護膜層を設けた複数の層からなることを特徴とする。
透明導電性膜層は液晶表示装置に用いる、対向する基板との間で液晶を挟持する基板の少なくともいずれか一方に必須の構成である。通常は液晶の配向方向を規制する配向膜あるいは配向突起の直下に形成され、電気信号を伝達することで基板の間に挟持された液晶の挙動を制御する。もしくは配向突起の上層に蒸着等で設けることも可能である。
透明導電性膜層は、透明で導電性があり薄膜状に形成できる物質が用いられ、通常ITO(インジウムと錫の複合酸化物)膜が、他にはIZO(インジウムと亜鉛の複合酸化物)やSnO(二酸化錫)膜などが選択され、各々スパッタ法、真空蒸着法などの手法にて形成される。
本発明の液晶表示装置を構成する基板の少なくとも一方には、配向膜層が設けられ、これと配向制御用突起とはまた別のものである。配向膜層には、液晶化合物を垂直配向させ、かつ透明で絶縁性の物質が用いられる。通常ポリイミド樹脂が用いられる。ポリイミド樹脂溶液、ポリアミック酸溶液などを公知の塗布方法あるいは印刷方法にて形成し、その後焼成することにより形成される。
必要に応じて設けられる保護膜層は、ブラックマトリックス及び着色画素層を形成したときに生ずる段差を平坦化するため、あるいはブラックマトリックスや着色画素層中に含まれる成分が液晶層へ混入するのを防ぐものであり、透明性が要求される。該保護膜層を形成する材料としては、光硬化型、熱硬化型、光及び熱硬化型の樹脂組成物、エポキシ、アクリルやポリイミドなどの樹脂硬化物、あるいはスパッタや蒸着による無機化合物等、前述の目的を達成できる材料であればよい。カラーフィルタ層の表面状態を考慮して0.5から3μmの範囲にて形成することができる。
MVA−LCDに用いる基板は、通常のカラーフィルタにおける画素上に必要に応じて、透明保護層、さらに、透明導電性膜層を介して特有の配向制御用突起を有するものが一般的であり、このような配向制御用突起を寸法精度良く得るために通常のネガ型感光性樹脂組成物を使用すると、底辺の広がりが大きくなり過ぎて目的とする形状の配向制御用突起を得ることができない。かつ、得られた配向制御用突起を有するカラーフィルタは配向膜塗布が行われることから、配向制御用突起そのものについて高度の耐熱性、耐溶剤性が要求される。さらに、配向膜薄膜を介して極性液晶にさらされることから、イオン性不純物の溶出が少なく、また、優れた電気特性が要求されるものである。
このような加工性及び要求特性を有する配向制御用突起を与える材料として、本発明者らはポリビニルフェノールが優れていることを見出したものである。
本発明におけるネガ型感光性樹脂組成物に用いるポリビニルフェノールは、例えば、o−ビニルフェノール、m−ビニルフェノール、p−ビニルフェノールをモノマーとして適当な重合開始剤により重合させることにより、容易に得ることができる。また、他のスチレン、アクリル、メタクリルモノマー等とのラジカル共重合体でも問題無く用いることができる。中でもp−ビニルフェノールをモノマーとして用いた重合体が好ましく、特に好ましい重合体として一般式(1)に示すポリp−ビニルフェノールを挙げることができる。
Figure 2005221818
(式中、nは2以上(二量体以上の混合物)であることを表し、Rは水素、アルキル基を表す)
なお、上記一般式(1)に示される構造単位は特に好ましい構造のものであり、本発明に用いることのできるポリビニルフェノールは、なんらこれらに限定されるものでない。また、本発明で用いるネガ型感光性樹脂組成物はポリビニルフェノールを2種類以上含有してもよい。
本発明におけるネガ型感光性樹脂組成物の架橋剤はアジド基を有する化合物で、アジド基は光照射により窒素を放出しナイトレンとなり、このナイトレンが二重結合への挿入反応、脱プロトン反応、あるいは炭素水素間への挿入反応を起こすことが知られている。このようにナイトレンがポリビニルフェノールと架橋反応、或いはフェノール骨格からイミノキノン構造に変換する化合物であればよく、例えば単官能芳香族アジド、または2官能以上の芳香族アジド、または、それらの混合物からなるものである。係るアジド基を有する化合物の中でも、溶解性、特に溶剤に対する溶解性が大きいものが好ましく、さらに吸収極大波長が300nm以下であるものが増感色素の選択性が高まるため好ましいものであり、例えば、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、4,4’−ジアジドフェニルスルフィド、4,4’−ジアジドフェニルスルホキシド、3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド、2,2−ビス[4−(4−アジドフェノキシ)フェニル]プロパン、等を挙げることができるがこの限りではない。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物組成物に含まれるアジド化合物の量は、ポリビニルフェノールの100重量部に対して3から50重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは5から30重量部である。
本発明におけるネガ型感光性樹脂組成物の増感色素はアジド基を有する化合物と組み合わせることで効果を発揮する。増感色素は光照射により活性化され、この活性化された増感色素からの電子移動、エネルギー移動、あるいはプロトン移動により架橋剤であるアジド化合物を活性化すると考えられる。この活性化したアジド化合物は前述のように架橋反応を進行することとなる。このように増感色素はアジド化合物の活性化が容易な化合物であればよく、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、などのキサントン系化合物、7−ジエチルアミノ−3−(2−ベンゾチアジル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−ベンゾイルクマリン、7−ジエチルアミノ−3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、などのクマリン系化合物、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,5−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)シクロヘキサノン、2,5−ビス(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)シクロペンタノン、2,6−ビス(4’−ジメチルアミノシンナミリデン)シクロヘキサノン、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンジリデン)アセトン、4’−ジエチルアミノ−2’−メチルベンジリデン−アセトフェノン、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−ニトロアニリン、などのジアルキルアミノベンゼン系化合物、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、などのベンゾフェノン系化合物、2−ニトロフルオレン、9−フルオレノン、などのフルオレン系化合物、ピレン、ニトロピレン、1,8−ジニトロピレン、シアノピレン、ピレン−1,6−キノン、2’−クロロ−1,2−ベンズアントラキノン、9,10−ジブトキシアントラセン、などの多環式芳香族系化合物等を挙げることができるがこの限りではない。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物組成物に含まれる増感色素の量は、ポリビニルフェノールの100重量部に対して0.1から20重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは1から10重量部である。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物に含まれるアジド化合物と増感色素は各々の吸収極大波長が異なる組み合わせが望ましい。これは、アジド化合物が利用可能な波長域と増感色素が利用可能な波長域が異なることで、露光に用いることのできる波長域が広がり反応効率が向上するためである。
吸収極大波長が300nm以下であるアジド化合物は増感色素の選択性が高まるため好ましいが、このようなアジド化合物を用いて、ネガ型感光性樹脂組成物を調製し、配向制御用突起の作製を試みても、超高圧水銀灯等の露光光源の露光波長領域にアジド化合物が吸収をほとんど持たないため、配向制御用突起の作製は実質的に不可能である。本発明における、アジド化合物と増感色素を組み合わせることにより、前記露光波長領域に吸収を持たせることが可能となり、アジド化合物と増感色素を含有するネガ型感光性樹脂組成物により配向制御用突起の作製が可能となる。また、アジド化合物と増感色素を組み合わせることにより、アジド化合物と増感色素の量をそれぞれ独立にコントロールすることが可能となるため、ネガ型感光性樹脂組成物の吸光度、感度を最適化することが容易となる。
以上のことから本発明のネガ型感光性樹脂組成物組成物に含有される増感色素の吸収極大波長は300nm以上が望ましい。
本発明のネガ型感光性樹脂組成物には前記成分以外に、必要に応じて相溶性のある添加物、例えば、可塑剤、安定剤、界面活性剤、着色料、レベリング剤、カップリング剤などを、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
このように各成分を適時選択し、任意の割合で混合して得た感光液をロールコーター、スピンコーター、ダイコーター等の公知の塗工手段を用いて最上層に導電膜を設けたカラーフィルタ基板上に塗布する。
なお、感光液を調製する際には、必要に応じて適当な溶剤にて希釈しても良いが、その場合には基材上に塗布した後に乾燥を要する。上記溶剤としては、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エチルエトキシアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
次に、本発明の配向制御用突起の形成方法について説明する。透光性を有する基板上に、あるいは必要であれば上述した方法によって、カラーフィルタ層、透明導電性膜層、保護膜層が積層された基板上に、既述のネガ型感光性樹脂組成物を、バーコーター、アプリケーター、ワイヤーバー、スピンコーター、ロールコーター、スリットコーター、カーテンコーター、ダイコーター、コンマコーター等の公知の塗工方法を用い積層する。
その後所定のパターンを有したフォトマスクを介し、光照射してパターン露光を行い、次いで現像を行い、未露光部を溶解除去することで配向制御用突起を形成することができる。
前記パターン露光においては、400nm以下の波長を含む光であれば良く、例えば超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ等で露光し、必要に応じて加熱工程を加えて、光照射部分を架橋させた後、アルカリ現像液にて現像することによりマスクパターンに忠実なMVA画像を得ることができる。さらに必要ならば、熱処理を施し硬膜化を行うことができる。
本発明における配向制御用突起は、上記フォトリソグラフィー工程後に加熱工程を施すことにより、該配向制御用突起の硬化を促進し、基板との密着性を向上せしめ、さらに耐溶剤性、耐薬品性を付与することができ、また、熱による収縮やリフローにより形状を滑らかにし液晶分子の配向性をより向上することが可能となる。
該配向制御用突起の形状としては、ドット状、ストライプ状、ジグザグ状のように規則性があることが好ましく、その断面が半円状、半楕円形状、あるいは三角形などのような多角形状であることが好ましい。画素上のパターンとしては対向基板の突起パターンと共に画素を2分割以上に分割するものであれば特に限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明は下述する実施例に限定されるものではない。また、本発明で用いるネガ型感光性樹脂組成物は光に対して極めて敏感であるため、自然光など不必要な光による感光を防ぐ必要があり、全ての作業を黄色、または赤色灯下で行うことは言うまでもない。
透明基板上にCr薄膜を成膜し、フォトエッチング法でブラックマトリックスを形成した。この上に、赤色感光性樹脂組成物を塗布し、露光、現像、ポストベーク処理を行い赤色画素を形成し、続いて同様の処理を緑色感光性樹脂組成物、青色感光性樹脂組成物について行い、緑色画素、青色画素を形成した。
次に、全面にITO膜をスパッタにより成膜して透明導電性膜層となし、さらに、ポリビニルフェノール(丸善石油化学社製、マルカリンカーM S−1製品名 分子量1600−2400)20gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(和光純薬社製)80gに溶解したものに、アジド化合物として3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド(東洋合成社製、DZDS商品名、吸収極大波長240nm)6g、および増感色素として4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名、吸収極大波長310nm)1gを混合溶解したネガ型感光性樹脂組成物をスピンコーターにて1.5μmの厚さに塗布し、100℃で100秒のプリベーク(タバイ製オーブン)後に、露光(トプコン製露光機 28mW、200mJ)、現像(TW現像液の12.5倍希釈液 40秒)処理を行い線幅10μmのパターンを形成した。続いて、230℃/30分でポストベーク(熱フロー)を行い椀状の突起を形成し、配向制御用突起を有する基板を得た。
得られた基板上の配向制御用突起の体積抵抗率は、約1×1011Ωcmであった。この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
増感色素として4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名)1gの代わりに4,4’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン(吸収極大波長360nm)1gを用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
増感色素として4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名、吸収極大波長310nm)1gの代わりに1,8−ジニトロピレン(吸収極大波長405nm)3gを用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
アジド化合物として3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド(東洋合成社製、DZDS商品名、吸収極大波長240nm)6gの代わりに2,2−ビス[4−(4−アジドフェノキシ)フェニル]プロパン(東洋合成社製、BAP−P商品名、吸収極大波長259nm)7.5gを、増感色素として4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名、吸収極大波長310nm)1gの代わりに[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン(日本化薬社製 BMS商品名、吸収極大波長315nm)2gを用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
アジド化合物として3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド(東洋合成社製、DZDS商品名、吸収極大波長240nm)6gの代わりに2,2−ビス[4−(4−アジドフェノキシ)フェニル]プロパン(東洋合成社製、BAP−P商品名、吸収極大波長259nm)7.5gを、増感色素として4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名、吸収極大波長310nm)1gの代わりに2−クロロチオキサントン(日本化薬社製 CTX商品名、吸収極大波長260nm及び385nm)3gを用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
アジド化合物として3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド(東洋合成社製、DZDS商品名、吸収極大波長240nm)6gの代わりに2,2−ビス[4−(4−アジドフェノキシ)フェニル]プロパン(東洋合成社製、BAP−P商品名、吸収極大波長259nm)7.5gを、増感色素として4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名、吸収極大波長310nm)1gの代わりに2−ニトロフルオレン(吸収極大波長395nm)3gを用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
ポリビニルフェノール(丸善石油化学社製、マルカリンカーM S−1製品名 分子量1600−2400)の代わりにポリビニルフェノール(丸善石油化学社製、マルカリンカーM S−4製品名 分子量9000−11000)を用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
ポリビニルフェノール(丸善石油化学社製、マルカリンカーM S−1製品名 分子量1600−2400)の代わりにポリビニルフェノール−メタクリル酸メチル共重合体(丸善石油化学社製、マルカリンカーCMM製品名 分子量8000−12000)を用いた以外は、実施例1と同様にして操作した。
この配向制御用突起を有する基板を用いてMVA−LCDを作製したところ、このMVA−LCDは長時間にわたり電圧を印加した状態においても残像が発生しなかった。
[比較例1]
実施例1において、増感色素である4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名)1gを添加せず、アジド化合物である3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド(東洋合成社製、DZDS商品名)6gのみを加えてネガ型感光性樹脂組成物とした以外は、実施例1と同様に操作した。
しかしながら、500mJ(トプコン製露光機)の露光量においても硬化せず、配向制御用突起を形成することが不可能であった。
[比較例2]
実施例1において、増感色素である4−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル(日本化薬社製 EPA商品名)1gを添加せず、また、アジド化合物である3,3’−ジアジドフェニルスルホキシド(東洋合成社製、DZDS商品名)6gの代わりに2,2−ビス[4−(4−アジドフェノキシ)フェニル]プロパン(東洋合成社製、BAP−P商品名)7.5gのみを加えてネガ型感光性樹脂組成物とした以外は、実施例1と同様に操作した。
しかしながら、500mJ(トプコン製露光機)の露光量においても硬化せず、配向制御用突起を形成することが不可能であった。
本発明に係る方法によって配向制御用突起を形成した液晶表示装置用基板を示す説明図である。
符号の説明
10 …MVA−LCD
11 …TFT側基板
12 …カラーフィルタ側基板
13 …配向制御用突起
14 …配向制御用突起
15 …液晶分子

Claims (6)

  1. 対向する基板との間で液晶を挟持する液晶表示装置を構成する、少なくとも配向制御用突起を有する基板において、該配向制御用突起が、少なくともポリビニルフェノール、アジド化合物及び増感色素を含有するネガ型感光性樹脂組成物により形成されてなることを特徴とする配向制御用突起を有する基板。
  2. 前記アジド化合物と前記増感色素の吸収極大波長は異なることを特徴とする請求項1記載の配向制御用突起を有する基板。
  3. 前記アジド化合物の吸収極大波長が300nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の配向制御用突起を有する基板。
  4. 前記対向する基板との間で液晶を挟持する基板の一方は、少なくとも透明基板とカラーフィルタ層からなり、前記カラーフィルタ層上に配向制御用突起を形成することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の配向用突起を有する基板。
  5. 前記対向する基板との間で液晶を挟持する基板の少なくとも一方は、少なくとも透明基板と透明導電性膜層からなり、透明導電性膜層上に配向制御用突起を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の配向制御用突起を有する基板。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の配向制御用突起を設けられた基板を、液晶を挟持する対向する基板の少なくとも一方に用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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