JP2005221390A - 電気化学発光電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件下であっても強い発光強度が得られる電気化学発光に使用される電気化学発光電極および電気化学発光測定方法を提供する。
【解決手段】 ルミノールまたはルミノール誘導体を含む液体試料の電気化学発光に使用される電極1であって、前記電極1が、導電体を含む電極本体部1aと、前記電極本体部1aの表面を被覆したカチオン性ポリマーを含む被覆部1bとを有する。これにより、前記被覆部1bが正電荷に帯電し、前記電極1の表面近傍の液体試料のpHが電気化学発光に最適なアルカリ性に近くなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電気化学発光物質を含む液体試料の電気化学発光に使用される電気化学発光電極および電気化学発光測定方法に関し、特に、ルミノール等の電気化学発光物質に関するものである。
従来、生化学物質の定量方法としては、生化学物質の酸化酵素反応により生じる過酸化水素を定量する方法が一般的である。そして、この過酸化水素の簡便で高感度な定量法として、ルミノールと過酸化水素の反応により生じる化学発光を利用する化学発光法が知られている。しかしながら、このルミノールの化学発光法は、ルミノール、過酸化水素および触媒(重金属イオン、ヘムタンパク質など)の水溶液を混合した時点で反応(発光)が開始される。そのため、発光強度が混合状態や触媒の劣化状態に影響されるため、発光強度が安定しないという問題があった。
この問題を解決するために、触媒の代わりに電極を用いる電気化学発光法が知られている。この電気化学発光法に使用される発光装置および発光測定方法としては、特許文献1に、ルミノールおよび過酸化水素を含有する水溶液に作用電極、対電極および参照電極を設け、これらの電極間に電位を印加することにより、アノードとして働く作用極において電気化学発光を起こさせる発光装置が提案されている。また、作用電極の電位を、参照電極を用いて水の電気分解によりガス状酸素が発生する電位未満に制御して、電気化学発光を測定する発光測定方法が提案されている。この発光装置および発光測定方法においては、ルミノールと過酸化水素の混合溶液を完全混合状態で反応させることが可能であるため、発光強度が安定化するという利点がある。
特開平5−79989号公報(段落0002、0005、図1)
しかしながら、前記発光装置および発光測定方法においては、アルカリ条件下(pH≒11)では強い発光強度が得られるが、酵素反応に最適な中性条件下では発光強度が弱いという問題があった。
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件下であっても強い発光強度が得られる電気化学発光に使用される電気化学発光電極および電気化学発光測定方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために請求項1の発明は、ルミノールまたはルミノール誘導体を含む液体試料の電気化学発光に使用される電極であって、前記電極が、導電体を含む電極本体部と、前記電極本体部の表面を被覆したカチオン性ポリマーを含む被覆部とを有する電気化学発光電極として構成したものである。
前記構成において、電極本体部の表面をカチオン性ポリマーで被覆することにより、電気化学発光装置の電極間に電位を印加した際に、電極の表面近傍の液体試料のpHが高くなり、ルミノールまたはルミノール誘導体の電気化学発光反応が促進される。
前記課題を解決するために請求項2の発明は、前記被覆部が、前記カチオン性ポリマーを前記電極本体部の表面に吸着させたものである電気化学発光電極として構成したものである。
前記構成において、カチオン性ポリマーが吸着により電極本体部に被覆されることにより、カチオン性ポリマーが電気的に電極本体部の表面に結合される。そのため、電極の表面近傍の液体試料のpHをアルカリ性に近くするのに十分な量のカチオン性ポリマーが電極本体部に結合され、電極間に電位を印加した際に、ルミノールまたはルミノール誘導体の電気化学発光反応がさらに促進される。
前記課題を解決するために請求項3の発明は、前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミンである電気化学発光電極として構成したものである。
前記構成において、カチオン性ポリマーがポリエチレンイミンであることにより、正電荷に荷電した分子鎖の短いモノマーでポリマーが構成され、ポリマーの荷電密度が高くなる。それにより、電極の表面近傍の液体試料のpHがよりアルカリ性に近くなり、電極間に電位を印加した際に、ルミノールまたはルミノール誘導体の電気化学発光反応がさらに促進される。
前記課題を解決するために請求項4の発明は、ルミノールまたはルミノール誘導体を含む液体試料の電気化学発光を測定する測定方法であって、前記液体試料を発光装置に供給する第1工程と、前記発光装置に設けられた2つ以上の電極間に電位を印加し、前記液体試料に電気化学発光を起こさせる第2工程と、前記電気化学発光を測定する第3工程とを含み、前記第2工程において、前記電極のうち作用電極となる電極の表面近傍の液体試料のpHをアルカリ性に制御する電気化学発光測定方法として構成したものである。
前記構成において、作用電極の表面近傍の液体試料のpHをアルカリ性に制御することにより、ルミノールまたはルミノール誘導体の電気化学発光反応が促進される。
本発明によれば、電極本体部の表面をカチオン性ポリマーで被覆することにより、安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件の液体試料であっても、強い発光強度が得られ、酵素反応を利用して高感度な生化学物質の定量を簡便に行うことができる電気化学発光電極を得ることができる。
また、吸着によりカチオン性ポリマーを被覆することにより、より安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件の液体試料であっても、より強い発光強度が得られる電気化学発光電極を得ることができる。
さらに、カチオン性ポリマーがポリエチレンイミンであることにより、より一層安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件の液体試料であっても、より一層強い発光強度が得られる電気化学発光電極を得ることができる。
本発明によれば、作用電極の表面近傍の液体試料のpHをアルカリ性に制御することにより、安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件の液体試料であっても、強い発光強度が得られ、酵素反応を利用して高感度な生化学物質の定量を簡便に行うことができる電気化学発光測定方法を得ることができる。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1(a)は電気化学発光電極の構成を模式的に示す断面図、(b)は(a)の他の形態を模式的に示す断面図、図2(a)は電気化学発光電極を使用した発光装置の正面図、(b)は(a)のX−X線での断面図、図3は発光装置を使用した発光測定システムの概略図である。
本発明の電気化学発光電極(以下、電極と称す)は、ルミノールまたはルミノール誘導体を含む液体試料の電気化学発光に使用されるものである。
ここで、ルミノール(以下の化学式(1)参照)またはルミノール誘導体は、活性化酸素の存在下における電解酸化により化学発光を起こす電気化学発光物質である。そして、ルミノール誘導体としては、例えば、イソルミノール、イソルミノールのアミノ基をアルキル化したN−アミノブチル−N−エチルイソルミノール、N−アミノヘキシル−N−エチルイソルミノール、またはイソルミノールのアミノ基をアセチル化したN−アミノブチル−N−エチルイソルミノールヘミスクシネート等が挙げられる。しかしながら、電解酸化によりアミノフタル酸ジアニオン(以下の化学式(2))が生成されれば、前記誘導体に限定されない。本発明においては、その発光効率がよく、価格が安いことから、ルミノールが好ましい。
Figure 2005221390
また、活性化酸素とは、原子状酸素、過酸化水素状態の酸素、その他の電気化学的反応によって発生する活性状態の酸素および酸化物等を意味する。このような活性化酸素は、例えば、液体試料にあらかじめ過酸化水素を添加することにより生じる過酸化水素状態の酸素、または、液体試料が体液等の生体物質である場合には、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ等の酵素反応によって生成する過酸化水素状態の酸素である。
また、本発明の電極は、発光装置の内部に設けられた作用電極として使用されるものである。そして、発光装置は、後記のように、ルミノールまたはルミノール誘導体(以下、ルミノール誘導体と称す)を含有する液体試料に作用電極と対電極とを設け、これらの電極間に電位を印加することにより、アノードとして働く作用電極においてルミノール誘導体に電気化学発光を起こさせるものである。
図1(a)に示すように、電極1は、電極本体部1aと、前記電極本体部1aの表面を被覆した被覆部1bとを有する。そして、前記したように、電極1はルミノール誘導体に電気化学発光を起こさせるアノードとしての作用電極である。以下、その構成について説明する。
(電極本体部1a)
電極本体部1aは導電体を含むもので構成される。また、後記する発光装置10(図2参照)へ組み込んだ際の他の部品との接続のために、例えば、緩衝板12、13(図2(b)参照)と接する部分を非導電体で構成してもよい。ここで、導電体としては、ITO、酸化スズ等の金属酸化物、白金、金、パラジウム、ニッケル、ステンレス等の金属およびグラッシーカーボン、グラファイト等の炭素が挙げられる。また、後記するカチオン性ポリマーを含む被覆部1bとの結合のしやすさから、その表面が負電荷に荷電しているITO、酸化スズ等の金属酸化物で構成された電極本体部1aが好ましい。また、金属、炭素からなる導電体の表面に酸化物層を形成した電極本体部1aを使用することも可能である。
また、電極1は、図2に示す発光装置10において作用電極1’として使用される。そして、作用電極1’に電位を印加した際に、その表面近傍でルミノール誘導体の電気化学発光が起きる。この電気化学発光の発光強度は、作用電極1’、光透過窓11aを通して測定される。そのため、電極本体部1a(作用電極1’)が透明な導電体で構成されていることが好ましい。
また、電極本体部1aの形状は、例えば、板状、膜状、網状、スリット状、くし状、パイプ状であって、後記する発光装置10に組み込むことが可能であれば特に限定されない。
(被覆部1b)
前記電極本体部1aの表面を被覆する被覆部1bは、カチオン性ポリマーを含むもので、正電荷に荷電している。被覆部1bが正電荷に荷電していることにより、電極本体部1aの表面近傍に存在する液体試料のpHが高くなり、液体試料に含まれている前記ルミノール誘導体の電気化学発光が促進され、その発光強度が強くなる。また、被覆部1bが正電荷に帯電していることにより、表面が負電荷に帯電した金属酸化物からなる電極本体部1aと電気的に結合されることとなる。また、後記するように、カチオン性ポリマー表面をアニオン性ポリマー(被覆部1c)でさらに被覆してもよい。
カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアミノ酸等が挙げられ、特に、ポリエチレンイミンが好ましい。ポリエチレンイミンは正電荷の荷電密度が高いため、前記電極本体部1aの表面近傍のpHをより高くすることができ、前記ルミノール誘導体の発光強度が最も強くなるアルカリ性(pH=11)に近づけることが可能となる。
ポリエチレンイミンの平均分子量は1000〜1000000が好ましく、10000〜100000がより好ましい。平均分子量が1000未満または1000000を超えると、ポリエチレンイミンが電極本体部1aに結合されず、被覆部1bが形成されにくい。
カチオン性ポリマーの被覆方法としては、電極本体部1aへの吸着、グラフトが挙げられる。被覆作業の簡便性から、吸着が好ましい。吸着方法は、例えば、カチオン性ポリマーを緩衝液に溶解したポリマー溶液を作製し、このポリマー溶液に電極本体部1aを所定時間(例えば、1〜30分)浸漬する方法が挙げられる。この浸漬により、カチオン性ポリマーが電極本体部1aに電気的に結合する。グラフト方法は、例えば、電極本体部1aを(クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン等で表面修飾し、ジメチルジチオカルバミド酸ナトリウム等の開始剤を固定し、この開始剤が固定化された電極本体部1aの表面でカチオン性モノマーをリビングラジカル重合させて、カチオン性ポリマーのグラフト鎖を電極本体部1aの表面に導入する方法が挙げられる。このリビングラジカル重合により、カチオン性ポリマーのグラフト鎖が電極本体部1aの表面に化学的に結合する。
被覆部1bの厚みは、1〜50nmが好ましく、5〜20nmがより好ましい。厚みが1nm未満であると、被覆部1bの荷電密度が低くなり、電極本体部1a(電極1)の表面近傍のpHが高くならず、ルミノール誘導体の発光強度が弱くなる。また、厚みが50nmを超えると、表面近傍のpHに変化はなく、被覆部1bの形成に長時間を要し、電極1の製造コストが高くなり、実用性に欠ける。
図1(b)に本発明に係る電極1の他の形態を示す。電極1は、電極本体部1aと、前記電極本体部1aの表面を被覆した被覆部1bと、前記被覆部1bの表面をさらに被覆する被覆部1cを有する。以下、構成について説明する。ただし、電極本体部1a、被覆部1bは前記と同様であるので、説明を省略する。
(被覆部1c)
前記被覆部1bの表面をさらに被覆する被覆部1cは、アニオン性ポリマーを含むもので、負電荷に荷電している。被覆部1cが負電荷に荷電していることにより、液体試料中に含まれる緩衝アニオンが被覆部1bに引き寄せられることを防止し、被覆部1bのpH上昇効果が、緩衝アニオンによって阻害されるのを防止する効果がある。また、液体試料中に含まれるアニオン性物質(還元剤)、例えば、液体試料が体液である場合にはアスコルビン酸や尿酸等が被覆部1bに引き寄せられることを防止し、電気化学発光反応が、アニオン性物質によって阻害されるのを防止する効果がある。ここで、アニオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。アニオン性ポリマーの分子量は1000〜1000000が好ましい。前記範囲外の分子量では、被覆部1cが形成しにくい。また、被覆部1cの厚みは1〜50nmが好ましい。厚みが1nm未満であると緩衝アニオン、アニオン性物質の排除効果が低くなり、厚みが50nmを超えると、緩衝アニオン、アニオン性物質の排除効果に変化はなく、被覆部1cの形成に長時間を要し、電極1の製造コストが高くなり、実用性に欠ける。また、被覆部1cの形成方法は前記被覆部1bと同様である。なお、被覆部1cが形成されても、この被覆部1cを構成するポリマーと被覆部1bを構成するポリマーが交じり合うことはないので、被覆部1bの正電荷は維持され、被覆部1bの分子鎖間に存在する液体試料のpHが高くなり、液体試料に含まれるルミノール誘導体の電気化学発光が促進され、その発光強度は強くなる。
また、液体試料として生化学物質を含む体液等を使用し、その生化学物質の酵素反応により生じる過酸化水素を定量する際には、前記被覆部1cを介して酵素を固定化してもよい。ここで、酵素とは、例えば、グルコースオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、コレステロールエステルヒドラーゼ、ホスホリパーゼD、アシルCoA合成酵素、L,D−アミノ酸オキシダーゼ、ビルビン酸オキシダーゼ、ウリカーゼ、ポリアミンオキシダーゼ、クレアチニナーゼ等である。なお、前記酵素を被覆部1cを介して電極本体部1aに固定化する代わりに、液体試料にあらかじめ添加、または、液体試料とは別に発光装置10(図2参照)に添加してもよい。
つぎに、本発明の電極が使用される発光装置の一例について説明する。図2(a)、(b)に示すように、測定器10は、光透過窓11aを表面のほぼ中央部に設けた上部プレート11と、上部反応流路15a、下部反応流路15cおよび排出流路15dが内部に設けられた下部プレート14と、上部プレート11と下部プレート14に挟持されるように配置された本発明の電極が使用された作用電極1’とを備える。また、下部プレート14と作用電極1’との間に、上部反応流路15aおよび下部反応流路15cと連通する中央反応流路15bが設けられた緩衝板13が挟持されるように配置され、下部反応流路15cに参照電極4、排出流路15dに対電極2が設けられている。また、上部プレート11と作用電極1’との間に、光透過窓11aに対応する位置に開口が設けられた緩衝板12が配置されてもよい。そして、作用電極1’、対電極2および参照電極4には電位を印加するためのリード線16が接続され、上部反応流路15aには液体試料3を供給するためのチューブ17が接続され、排出流路15c(対電極2)には液体試料3を排出するためのチューブ17aが接続されている。なお、ここで、対電極2は作用電極1’の電位を設定するためのもので、材質および形状は前記電極本体部1a(作用電極1’)と同様なものが使用される。また、参照電極4はポテンシオスタット101(図3参照)を介して作用電極1’の電位を制御するもので、水素電極、銀−塩化銀電極、カロメル電極などが使用される。また、作用電極1’は、緩衝板12、13と接する面に非導電体で構成される部分を設けてもよい。
また、前記発光装置10が使用される発光測定システム100の一例について説明する。図3に示すように、発光測定システム100は、発光装置10と、発光装置10の作用電極1’と対電極2との間に電位を印加するためのポテンシオスタット(関数発生器付き)101と、発光装置10の作用電極1’での電気化学発光の強度を測定するためのフォトカウンタ104、電圧供給器105を接続した光電子増倍管103とを備える。また、発光装置10には、液体試料3を供給するポンプ102と、排出された液体試料3を貯留するドレイン106がチューブ17aを介して接続されている。
つぎに、本発明に係る電気化学発光の測定方法について、前記電極1、発光装置10、発光測定システム100を使用した一例で説明する。図2、図3に示すように、
(1)第1工程
液体試料3を、ポンプ102を用いて、チューブ17を介して発光装置10内に連続供給する。発光装置10内に供給された液体試料3は、上部反応流路15a、中央反応流路15b、下部反応流路15cを流れ、排出流路15cを通って、チューブ17aを介してドレイン106に排出される。
(2)第2工程
発光装置10の参照電極4の電位を参照して、発光測定システム100のポテンシオスタット(関数発生器付き)101から、発行装置10の作用電極1’と対電極2との間に、所定のパルス状の電位を印加する。ここで、発光装置10の中央反応流路15b内の液体試料3は、作用電極1’に被覆されたカチオン性ポリマーの正電荷により、作用電極1’の表面近傍の液体試料3のpHのみが高くなり(アルカリ性になり)、その表面近傍以外の液体試料3のpHは維持される。作用電極1’の表面近傍で液体試料3の電気化学発光が起き、液体試料3の高いpH(アルカリ性)により、その発光強度は強いものとなる。
(3)第3工程
作用電極1’の表面近傍で起きた電気化学発光を、発光装置10の光透過窓11aを通して、発光測定システム100の光電子増倍管103で検出する。光電子増倍管103で検出、増倍された光電子を、フォトカウンタ104で計測し、発光強度を測定する。
このように構成されることにより、安定した発光強度が得られ、しかも、中性条件の液体試料であっても、強い発光強度が得られ、酵素反応を利用して高感度な生化学物質の定量を簡便に行うことができる電気化学発光電極および電気化学発光測定方法を得ることができる。
本発明の効果を確認した実施例について説明する。実施例1、2は本発明に係る電極、比較例1、2は従来の電極である。
(実施例1)
(1)液体試料の調整
1.0mMルミノール、所定濃度(0、10、20、30μM)の過酸化水素および0.1MTris−塩酸緩衝溶液の混合水溶液をpH=7.4に調製したものを液体試料とした。
(2)表面被覆電極の作製
インジウム−スズ酸化物(ITO)電極を、ポリエチレンイミン(分子量70000)を1質量%含むホウ酸緩衝溶液(pH=8.0)に15分間浸し、ポリエチレンイミンをITO電極の表面に吸着させた表面被覆電極を作製した。
(3)発光強度の測定
図2に示すように、前記表面被覆電極を作用電極1’として使用し、発光装置10を作製した。ここで、対電極2としてはステンレス管を、参照電極4としては銀−塩化銀電極を使用した。発光装置10を使用して、図3に示すような発光測定システムで、ルミノールの発光強度を測定した。ここで、作用電極−対電極間に印加するパルス状の電位は、1.0Vの電位を3秒、0Vを3秒とした。所定濃度の過酸化水素に対応するルミノールの発光強度の測定結果を表1に示す。
(比較例1)
作用電極1’としてITO電極(未被覆電極)を使用した以外は実施例1と同様とした。そして、ルミノールの発光強度の測定結果を表1に示す。
(実施例2)
Tris−塩酸緩衝溶液の代わりに0.1Mリン酸緩衝溶液を使用した混合水溶液をpH=7.4に調製したものを液体試料とした以外は、実施例1と同様とした。そして、ルミノールの発光強度の測定結果を表2に示す。
(比較例2)
Tris−塩酸緩衝溶液の代わりに0.1Mリン酸緩衝溶液を使用した混合水溶液をpH=7.4に調製したものを液体試料とした以外は、比較例1と同様とした。そして、ルミノールの発光強度の測定結果を表2に示す。
Figure 2005221390
Figure 2005221390
表1、2の結果より、電極表面に被覆部を有する実施例1、2の電極では、安定した発光強度が得られ、しかも、中性(pH=7.4)の液体試料下でも、電極表面に被覆部を有さない比較例1、2の電極に比べて強い発光強度が得られることが確認された。
(a)は本発明に係る電気化学発光電極の構成を模式的に示す断面図、(b)は(a)の他の形態を模式的に示す断面図である。 (a)は電気化学発光電極を使用した発光装置の正面図、(b)は(a)のX−X線での断面図である。 発光装置を使用した発光測定システムの概略図である。
符号の説明
1 電極
1’ 作用電極
1a 電極本体部
1b、1c 被覆部

Claims (4)

  1. ルミノールまたはルミノール誘導体を含む液体試料の電気化学発光に使用される電極であって、
    前記電極が、導電体を含む電極本体部と、前記電極本体部の表面を被覆したカチオン性ポリマーを含む被覆部とを有することを特徴とする電気化学発光電極。
  2. 前記被覆部が、前記カチオン性ポリマーを前記電極本体部の表面に吸着させたものであることを特徴とする請求項1に記載の電気化学発光電極。
  3. 前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミンであることを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学発光電極。
  4. ルミノールまたはルミノール誘導体を含む液体試料の電気化学発光を測定する測定方法であって、
    前記液体試料を発光装置に供給する第1工程と、
    前記発光装置に設けられた2つ以上の電極間に電位を印加し、前記液体試料に電気化学発光を起こさせる第2工程と、
    前記電気化学発光を測定する第3工程とを含み、
    前記第2工程において、前記電極のうち作用電極となる電極の表面近傍の液体試料のpHをアルカリ性に制御することを特徴とする電気化学発光測定方法。
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